JP5733896B2 - インクジェット記録装置及び記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、双方向記録の際の往方向走査と復方向走査との間で吐出されるインク吐出タイミングが調整されるインクジェット記録装置及びそのインクジェット記録装置による記録方法に関するものである。
インクジェット記録装置では、記録ヘッドを主走査方向に走査させ、複数の吐出口から記録媒体(以下、用紙とも言う)上にインクを吐出させることで画像を記録する。このようなシリアル型プリンタ装置では、高速な記録を実現するために記録ヘッドが往路と復路の両方向に走査する際に画像を記録する双方向記録が広く知られている。
このような双方向記録を実施する場合、記録ヘッドの走査速度、記録ヘッドと記録媒体間の距離、インク滴の吐出速度に応じて往路記録時と復路記録時のインク滴の着弾位置を正確に合わせる必要がある。
そのため、インク滴の着弾位置補正方法(レジストレーション調整、あるいはレジ調整とも言う)が行われることがある。インク滴の着弾位置補正方法は数多く知られており、多くのインクジェット記録装置に採用されている。
ところで、昨今のインクジェット記録装置では、さらなる高速記録を行うために、記録ヘッドの走査速度が速められている。それに伴い、吐出口から吐出され飛翔するインク滴の気流により受ける力が増大し、吐出されたインク滴が飛翔中に複数のインク滴に分離し易くなっている。これらのインク滴のうち最も大きいものを主滴、主滴から分離したものをサテライトと呼ぶ。走査速度が高い程、インク滴がさらに主滴とサテライトに分離し易く、また、サテライトが主滴からより離れた位置に着弾し易くなる。また、記録ヘッドから記録媒体までの距離が長くなると、主滴とサテライトとの間の距離が大きくなり易く、発生したサテライトが画像上で目立ち易くなる。このようにサテライトが発生した場合、吐出された液滴によるドットの見た目の中心位置がずれてしまう。
サテライトが生じた場合について考慮した着弾位置補正方法について、特許文献1に提案されている。この方法では、デジタルカメラ等によって撮影されて作成された画像データの記録の際には、往路及び復路における主滴の着弾位置を相互に揃えるように調整され、所定の目標位置にドットを形成して画像を正確に記録するようにしている。一方、罫線や文字のようにテキスト画像を記録する際には、近接する主滴の着弾に伴って着弾したサテライト上に主滴が重なるように往路及び復路の間で主滴の着弾位置をずらし、画像上でサテライトが目立たないようにしている。
特許第4192629号明細書
しかしながら、インクジェット記録装置においてカラー記録を行う場合、吐出されるインクにおけるインク物性の差や記録ヘッドの動作状況等によって、吐出口ごとにサテライトの発生状況が異なる場合がある。従って、吐出口ごとに、記録媒体に着弾するサテライトの大きさ、着弾位置に差異が生じる。
複数種類のインクを吐出することでカラー記録が可能なインクジェット記録装置においては、一色のインクについてレジ調整を行うことで、その色のインクについてはサテライトが目立たないように記録を行うことができる。ところが、それぞれのインクでサテライトの大きさや主滴からの距離等が異なる場合があり、各インクに合わせてサテライトが目立たないように往路及び復路の主滴の着弾位置をずらす量も異なる。その結果、テキスト画像をカラーによって記録する場合に、異色間(以下、単に色間とも言う)のインクで着弾ずれが生じ、カラー境界部や文字・罫線で画像品位が低下するという可能性がある。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、複数の種類のインクによって記録が行われても、適したインク吐出タイミングによって記録が行われるインクジェット記録装置及び記録方法を提供することを目的としている。
本発明のインクジェット記録装置は、記録媒体に複数種類のインクをノズルから吐出してドットを記録することで記録を行う記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体の搬送が行われる搬送方向に交差する主走査方向に前記記録ヘッドを往復移動させて走査させる走査手段と、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御する記録制御手段とを有するインクジェット記録装置において、前記複数種類のインクのうちの第1のインクおよび前記第1のインクと異なる第2のインクそれぞれについて、往方向走査と復方向走査とのそれぞれで記録媒体上に前記ノズルから吐出される前記インクの主滴と副滴とによって形成されるドットそれぞれの濃度重心に関する濃度重心情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記濃度重心情報に基づいて、前記往方向走査で吐出されるインクによるドットの濃度重心と前記復方向走査で吐出されるインクによるドットの濃度重心とが前記主走査方向に一致するように、前記往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと前記復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングとを調整する双方向レジ調整手段と、前記複数種類のうちの第1の色のインクおよび前記第1のインクの色と異なる第2の色のインクのそれぞれの往方向走査で吐出されるインクにより形成されたドットのパターンに基づく、前記第1のインクと前記第2のインクとの前記往方向走査における相対的なインク吐出タイミングを決定するための色間レジ調整値を前記第1のインクにより形成されたドットと前記第2のインクにより形成されたドットとが前記主走査方向に一致するように決定し、前記第1のインクと前記第2のインクのそれぞれの往方向走査で吐出されるインクにより形成されるドットと復方向走査で吐出されるインクにより形成されるドットとを合わせるように記録した場合の濃度重心が、前記主走査方向に揃うように、前記濃度重心情報に基づいて、前記往方向走査における前記第1のインクと前記第2のインクとの相対的なインク吐出タイミングをシフトさせるように、決定された前記色間レジ調整値を補正する色間レジ調整手段と、を有し、前記記録制御手段は、前記双方向レジ調整手段と前記色間レジ調整手段によって調整されたインク吐出タイミングに基いて、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御することを特徴とする。
また、本発明の記録方法は、記録媒体に複数種類のインクをノズルから吐出してドットを記録することで記録を行う記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体の搬送が行われる搬送方向に交差する主走査方向に前記記録ヘッドを往復移動させて走査させる走査手段と、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御する記録制御手段とを有するインクジェット記録装置によって記録を行う記録方法において、前記複数種類のインクのうちの第1のインクおよび前記第1のインクと異なる第2のインクそれぞれについて、往方向走査と復方向走査とのそれぞれで記録媒体上に前記ノズルから吐出された前記インクの主滴と副滴とによって形成されるドットそれぞれの濃度重心に関する濃度重心情報を取得する取得工程と、前記取得工程で取得された前記濃度重心情報に基づいて、前記往方向走査で吐出されるインクによるドットの濃度重心と前記復方向走査で吐出されるインクによるドットの濃度重心とが前記主走査方向に一致するように、前記往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと前記復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングとを調整する双方向レジ調整工程と、前記複数種類のうちの第1の色のインクおよび前記第1のインクの色と異なる第2の色のインクのそれぞれの往方向走査で吐出されるインクにより形成されたドットのパターンに基づく、前記第1のインクと前記第2のインクとの前記往方向走査における相対的なインク吐出タイミングを決定するための色間レジ調整値を前記第1のインクにより形成されたドットと前記第2のインクにより形成されたドットとが前記主走査方向に一致するように決定し、前記第1のインクと前記第2のインクのそれぞれの往方向走査で吐出されるインクにより形成されるドットと復方向走査で吐出されるインクにより形成されるドットとを合わせるように記録した場合の濃度重心が、前記主走査方向に揃うように、前記濃度重心情報に基づいて、前記往方向走査における前記第1のインクと前記第2のインクとの相対的なインク吐出タイミングをシフトさせるように、決定された前記色間レジ調整値を補正する色間レジ調整工程と、を有し、前記記録制御手段は、前記双方向レジ調整工程と前記色間レジ調整工程で調整されたインク吐出タイミングに基いて、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御することを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録装置は、記録媒体に複数種類のインクを吐出して記録を行う記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体の搬送が行われる搬送方向に交差する主走査方向に前記記録ヘッドを往復移動させて走査させる走査手段と、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御する記録制御手段とを有するインクジェット記録装置において、前記複数種類のインクのそれぞれで、往方向走査で吐出されるインクによるインクの主滴と副滴とによって形成されるドット全体のドットの濃度重心情報と、復方向走査で吐出されるインクによるインクの主滴と副滴とによって形成されるドット全体のドットの濃度重心情報と、に基づいて往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングとを調整する双方向レジ調整手段と、前記複数種類のうちの第1のインクと第1と異なる第2のインクのそれぞれの往方向走査で吐出されるインクにより形成されるドットの濃度重心情報に基づいて、前記複数種類のうちの第1のインクと第1と異なる第2のインクのそれぞれの往方向走査で吐出されるインクにより形成されるドットと復方向走査で吐出されるインクにより形成されるドットとを合わせた場合の濃度重心が、前記主走査方向に揃うように、前記第1、第2のインクの間の、前記往方向における相対的なインクの吐出タイミングを調整する色間レジ調整手段と、を有し、前記記録制御手段は、前記双方向レジ調整手段と前記色間レジ調整手段によって調整されたインク吐出タイミングに基いて、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御し、前記双方向レジ調整手段は、往方向走査で吐出されたインクのうち主滴によるドットの位置と、復方向走査で吐出されたインクのうち主滴によるドットの位置とが、主走査方向に一致するように、往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングとを調整する主滴位置双方向レジ調整手段と、記録条件に応じて、往方向走査で吐出されたインクによるドットの濃度重心と、復方向走査で吐出されたインクによるドットの濃度重心とが、主走査方向に一致するように、往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングとを補正する補正値を格納した補正値格納手段とを有し、前記補正値格納手段によって格納された補正値に基いて、往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングを調整することを特徴とする。
本発明によれば、複数種類のインクによって記録が行われるインクジェット記録装置であっても、複数種類のインクに対応して、適したインク吐出タイミングに補正され、高画質な記録画像を得ることができる。
本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の外観の要部について一部を破断して示した斜視図である。 図1のインクジェット記録装置に用いられた記録ヘッドに取り付けられた光学センサについて拡大して示した側面図である。 図1のインクジェット記録装置の制御系のブロック図である。 図1のインクジェット記録装置に用いられた記録ヘッドにおける吐出口の形成された面について示した平面図である。 図1のインクジェット記録装置によって記録されるドットの往方向走査と復方向走査との間で主滴位置を主走査方向に一致するようにインク吐出タイミングを調整するための複数の調整パターンを示した平面図である。 図5の調整パターンが、往方向走査と復方向走査の間でインク吐出タイミングを変えながら複数記録された平面図である。 図6の複数の調整パターンを基に、往方向走査と復方向走査の間のインク吐出タイミングと、調整パターンによる光学反射率との関係を示したグラフである。 図1のインクジェット記録装置によって記録されるドットの往方向走査と復方向走査との間で主滴位置を主走査方向に一致させるようにインク吐出タイミングを調整するときのフローを示すフローチャートである。 図1のインクジェット記録装置によって記録されるドットの往方向走査と復方向走査との間で濃度重心を主走査方向に一致させるように、記録条件に応じてインク吐出タイミングを補正するための補正値を示すテーブルである。 図9の補正値と、その補正値によってインク吐出タイミングが補正されたときのドットの関係を示す説明図である。 複数種類のインクが図9の補正値によってインク吐出タイミングが補正されたときの、色間のドットのずれについて説明するための説明図であり、(a)は色間でドットが一致していない状態であり、(b)は色間で一致している状態を示す説明図である。 複数種類のインクが図9の補正値によってインク吐出タイミングが補正され、それから色間のドットのずれについて補正され、補正されたインク吐出タイミングによって記録が行われるときのフローを示すフローチャートである。 図9の補正値によってインク吐出タイミングが補正されたときに、色間位置ずれ補正が行われるときのフローを示すフローチャートである。 色間位置ずれ補正が行われる前と後について、インクジェット記録装置によって記録されるドットの往方向走査と復方向走査との間の主滴の位置を示す説明図である。 (a)、(b)、(c)は本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録装置によって記録される複数の調整パターンと、それによって濃度重心が主走査方向に一致するように行われるインク吐出タイミングの調整について説明するための説明図である。 複数種類のインクについて濃度重心が主走査方向に一致するようにインク吐出タイミングの調整が行われたときのそれぞれのインクの色間のずれについて補正する際の補正値について説明するための説明図である。 図16の補正値によって、それぞれの種類のインクについて色間位置ずれ補正を行うときのフローを示すフローチャートである。 (a)、(b)は色間位置ずれ補正が行われる前と後について、インクジェット記録装置によって記録されるドットの往方向走査と復方向走査との間の主滴の位置を示す説明図である。 (a)は、本発明の第3の実施形態に係るインクジェット記録装置によって記録されるサテライトによる濃度重心のずれを検出するための調整パターンの平面図であり、(b)はその調整パターンの光学濃度を検出したときの検出値について示したグラフである。 図19の調整パターンから色間の位置ずれ補正値を検出する際のフローを示すフローチャートである。 図20の色間の位置ずれ補正値に基いて、色間の位置ずれ補正が行われるときのフローを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第一実施形態)
(インクジェット記録装置の基本構成)
図1から図4は、本発明を適用可能なインクジェット記録装置(以下、単に記録装置とも記す)の基本的な構成例を説明するための図である。
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置の要部構成を模式的に示す斜視図である。図1において、記録ヘッド301は矢印Xの走査方向に往復移動し、一般の記録紙、特殊紙、およびOHPフィルム等の記録媒体Sは、所定ピッチ毎に走査方向と交差(本例では直交)する矢印Yの搬送方向に搬送される。記録データに基づいて記録ヘッド301の吐出口からインクを吐出させつつ、記録ヘッド301を往復移動させる走査動作と、記録媒体Sを搬送させる搬送動作とを繰り返すことにより、記録媒体Sにインク滴を着弾させて文字や記号などを含む画像を記録する。また、本実施形態では、記録ヘッドは、主走査方向への往復移動による走査のうち、往方向及び復方向の両方の走査でインクを吐出して記録を行う双方向記録を行うことが可能である。
記録ヘッド301は熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録手段であって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたものである。本実施形態では、記録ヘッドは複数の色のインクを吐出可能であり、記録媒体に複数種類のインクを吐出して記録を行う。また、記録ヘッド301は電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用してインク吐出口(ノズル)よりインクを吐出させ、記録を行うものである。
記録ヘッド301はキャリッジ202に着脱可能に搭載されている。キャリッジ202は、ガイドレール204に摺動自在に支持されており、不図示のモータ等の駆動手段によりガイドレール204に沿って往復移動される。このように、記録装置は、記録媒体の搬送が行われる搬送方向に交差する主走査方向に記録ヘッドを往復移動させて走査させる走査手段を有している。記録媒体Sは、記録ヘッド301の吐出口面(インク吐出口の形成面)と一定の対向間隔が維持されたまま、搬送ローラ203によって矢印Yの搬送方向に搬送される。記録装置は、記録媒体を搬送する搬送手段を有している。
記録ヘッド301には、異なるインクを吐出するための複数の吐出口吐出口列が形成されている。本実施形態の記録ヘッド301は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクを吐出可能な吐出口列がそれぞれ形成されている。記録ヘッド301から吐出されるインクを供給するために、インク流路が記録ヘッド301に連通するように、インクタンク401が記録ヘッド301に対応して装着されている。本実施形態では、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのインクをそれぞれのカラーに対応した記録ヘッド301に供給するために、それぞれのインクタンク401(401K,401C,401M,401Y)が装着されている。これらのインクタンク401は、それぞれが独立して着脱可能に装着されている。
記録ヘッド301の往復移動範囲内で、かつ記録媒体Sの通過範囲外の領域である非記録領域には、その非記録領域に記録ヘッド301が移動したときに、記録ヘッド301のインク吐出口面と対向する回復ユニット207が配備されている。回復ユニット207には、記録ヘッド301の吐出口のキャッピングが可能なキャップ208(208K,208C,208M,208Y)が備えられている。それぞれのキャップ208K,208C,208M,208Yは、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのインクを吐出する吐出口それぞれをキャッピング可能である。キャップ208には吸引ポンプ(負圧発生手段)が接続されている。キャップ208が記録ヘッド301の吐出口をキャッピングしたときに、そのキャップ208の内部に負圧を導入することによって、記録ヘッド301の吐出口からインクをキャップ208内に吸引排出(吸引回復動作)させることができる。このような吸引回復動作により、記録ヘッド301におけるインクの吐出性能を維持することができる。また、記録ヘッド301からキャップ208内に向かって、インクを吐出することによって、記録ヘッド301におけるインクの吐出性能を維持する回復処理(「予備吐出」ともいう)をすることができる。また、回復ユニット207には、記録ヘッド301の吐出口面をワイピングするためのゴムブレードなどのワイパー209が備えられている。
キャリッジユニット2には、図2にて示される反射型光学センサ500が設けられている。発光部501にはLEDが取り付けられており、LEDによって発せられた光510は記録媒体Sに照射される。記録媒体Sによって反射された光520は、受光部502に入射し、フォトダイオードによって電気信号に変換される。
この光学センサ500により、記録媒体に記録されたレジ調整パターンの光学濃度を測定する。副走査方向への記録媒体の送りと、光学センサが取り付けられたキャリッジユニット2の主走査方向への移動とを交互に行うことによって記録媒体上に記録された調整パターン群の光学濃度を検出することができる。
図3は、本実施形態におけるインクジェット記録装置100の制御系の概略構成を示すブロック図である。図3において、記録装置の各部の動作は、ROM101内に格納された制御プログラムおよびRAM102に格納された種々のデータなどに基づいてCPU120により制御される。すなわち、CPU120には、記録ヘッド2に設けられた電気熱変換素子を駆動するヘッド駆動回路103、主走査モータ104を駆動する主走査モータ駆動回路124、搬送モータ106を駆動する搬送モータ駆動回路125などが接続されている。CPU120が記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御する記録制御手段として機能している。また、CPU120には、インクジェット記録装置100の動作状態を表示する表示部52および記録媒体を供給するASF114などが接続されている。また、CPU120には、光学センサ500が接続されており、CPU120からの信号に応じて発光部501を発光させ、また、受光部502によって受光した受光量に基いた信号がCPU120に伝送される。また、CPU120には、回復ユニット207が接続させており、CPU120からの信号に応じて吸引ポンプ等の回復ユニット207が駆動される。
図4は記録ヘッド301に設けられた吐出口310の配列を示す。CMYKの各インクを吐出する吐出口列(302K、302C、302M、302Y)は、搬送方向に2列に分かれて合計1280個配置される。それぞれの吐出口列には、600dpi間隔で吐出口が配置されている。各色の記録ヘッドに形成された2つの吐出口列は、お互いに1200dpiだけ搬送方向にずらされて形成されている。これにより、搬送方向に1200dpiの解像度での記録が可能となる。
(レジストレーション調整方法)
以下に、本実施形態におけるレジ調整方法について説明する。本実施形態のレジ調整方法では、双方向レジ調整値と、吐出口列間レジ調整値を取得する。双方向レジ調整値は、各吐出口列の双方向記録の吐出タイミングを補正するための調整値である。吐出口列間レジ調整値は吐出口列間の往路記録の吐出タイミングを補正するための調整値である。この内、双方向レジ調整値に所定の記録条件に応じて固有の補正パラメータを加える。この補正パラメータは双方向記録時の往復の主滴位置をずらす量であるので、吐出口列間レジ調整値に対して前記補正パラメータに基づいて色ずれを低減させるように補正を行う。これによって、異なる吐出口列で記録されるインク色間の記録位置ずれを低減することが可能となる。
以下に、本実施形態におけるレジ調整処理の詳細を説明する。
図5は記録装置に取り付けられた光学センサ500を使用して調整パターンの濃度を検知し、調整値の算出を行うレジ調整方法で使用される調整パターンの構成を示す。
図5に示す調整パターンは、l画素×n画素の長方形パターンがm画素の領域ごとに周期的に記録が繰り返されてパターンが形成されるような構成になっている。また、基準パターン601に対してずらしパターン602はある画素数aだけ記録位置がずらされるように設定される。調整パターンの解像度、ずらし単位は記録装置の記録解像度に応じて決定される。本実施形態では、記録解像度は1200dpiとする。
図6は図5の調整パターンを複数並べたもので、ずらしパターンのずらし量aを−3画素から+3画素まで変えて記録している。また、図7は、横軸に往方向走査時に記録されたドットと復方向走査時に記録されたドットとの間のインク吐出タイミングの差を取り、縦軸にそのときの調整パターンに発光部から照射した光の光学反射率を検出して取ったグラフである。2つのパターンの記録位置ずれ量が変わると、記録媒体上に占めるインクの面積率が変わる。一般に、記録媒体上にブラックインク等のインクが吐出されて配置されていると、そこでインクによって光が吸収されて反射する反射光の光量が少なくなる。また、インク同士が重なって、その部分でインクの光学濃度が高くなると、さらに反射光の光量が少なくなる。従って、パターン位置における位置ずれ量が少ないと、一般に光学濃度は低いので、それに従って光学反射率は高くなる。そのため、図7に示されるように、パターンの位置ずれ量が少ないほどパターン同士の重なりが少ないので光学濃度が低く、光学反射率が高くなっている。一方、パターンの位置ずれ量が多いほどパターン同士で重なった部分が多くなるので光学濃度が高くなり、それに従って光学反射率が低くなっている。このことから、往路と復路との間でドット位置を調整するには、検知された光学反射率が最も高く、調整パターンの濃度が最も低くなる部分に対応した吐出位置のずらし量だけ吐出タイミングを補正すれば良い。
図8は上記の調整パターンからレジ調整値を算出する方法のフローチャートである。図5に示されるように、ステップS1101で基準吐出口列を使用して基準パターン601を記録媒体上に記録し、ステップS1102で調整する吐出口列を使用してずらしパターン602を記録する。双方向レジ調整時は、1つの吐出口列を選択し、その吐出口列によって往路又は復路のうち一方で基準パターン601を記録し、もう一方でずらしパターン602を記録する。その後、ステップS1103で光学センサを使用して調整パターン610の濃度を読み取る。光学センサで読み取った濃度は図7に示されるようにずらし量aに対する光学反射率として得られ、その変化を近似曲線620として算出する。その近似曲線を基にステップS1104で基準パターンとずらしパターンの位置ずれが最も少なくなるずらし量aを決定し、レジ調整値を算出する。ここで、レジ調整解像度は4800dpiとし、レジ調整値は4800dpi単位で算出される。このとき、プラス側は往路方向に吐出タイミングをずらし、マイナス側は復路方向に吐出タイミングをずらすとする。
このように各吐出口列でそれぞれの種類のインクについてレジ調整値が算出されるまでステップS1105でレジ調整値の調整を繰り返し行い、得られたそれぞれのレジ調整値はステップS1106で記録装置の記憶領域に保存される。
本実施形態のレジ調整方法では、往路基準の吐出口列間レジ調整値、双方向レジ調整値と、記録条件によって異なるサテライト量に基づいて決定された補正パラメータによって吐出タイミングを決定する。その場合、上記補正によって各吐出口列の復路のドット着弾位置が異なるように吐出タイミングがずらされる。このため、その差異による色間の位置ずれを低減するための補正を行う。
(双方向レジ調整値の補正方法)
以下に本実施形態におけるサテライトが発生する記録条件における双方向レジ調整値の補正方法について説明する。
本実施形態では、まず、エリアファクターの変化率が大きく、濃度差の表れやすい図5の画素数nが比較的大きい調整パターンを使用して往復走査の主滴の着弾位置を合わせるように吐出タイミングを決定する。図5に示される調整パターンにおいては、画素数nが比較的大きく、調整パターンの記録面積がサテライトの飛散領域よりも十分広い。このような場合、端部以外で発生するサテライトは、略主滴によって覆い隠される。従って、画素数nの比較的大きい調整パターンによって記録制御を行う場合、主滴の着弾位置ずれ量が調整パターンの濃度に与える影響が大きい。従ってこの調整パターンから、記録ヘッドの往復移動において往路と復路との間で主滴の着弾位置ずれ量がなるべく揃えられ、主滴にずれが生じないような調整パターンが決定される。このように、往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングとの少なくとも一方を変えながら、主滴位置の調整を行うための複数の調整パターン(第1調整パターン)を記録する。このとき、CPU120が、複数の調整パターンを記録する第1調整パターン記録手段として機能する。そして、記録ヘッドの往復移動における往路に吐出されたドットと復路に吐出されたドットの間で主滴が一致する吐出タイミングが検出され、その吐出タイミングによってインク吐出が制御される。このとき、記録された複数の調整パターンから、光学濃度が最も低いときの調整パターンを記録するときの、往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングが検出される。従って、CPU120が、複数の調整パターンから、光学濃度が最も低いときの調整パターンを記録するときの往方向走査及び復方向走査でのインク吐出タイミングを検出する第1インク吐出タイミング検出手段として機能する。そして、検出された往方向走査及び復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングに基いて、インク吐出タイミングを調整する(第1インク吐出タイミング調整手段)。
このように、往方向走査で吐出されたインクのうち主滴によるドットの位置と、復方向走査で吐出されたインクのうち主滴によるドットの位置とが、主走査方向に一致するように、往方向走査及び復方向走査でのインク吐出タイミングが調整される。このとき、CPU120が、往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングとを調整する主滴位置双方向レジ調整手段として機能する。
そして、その後、記録条件ごとにサテライト量を予測して決定した補正テーブルを用いて、往復ドットの濃度重心が一致する位置まで復路の吐出タイミングを補正する方法を用いる。
ドットの見た目の中心位置は、記録媒体上の濃度分布の重心位置にほぼ一致する。濃度の重心位置とは、重心位置を通る直線で分割された2つの領域において、ある座標の濃度と重心からの距離の積を各領域について積分した量が等しくなるような位置を意味する。記録ヘッドを往復走査させて画像を記録する双方向記録では、往復ドットの濃度重心が各々のサテライト側にずれてしまう。その結果、往路と復路の主滴位置が正しく配置されていたとしても、実際に見えるドットの位置がずれてしまうことで粒状性が低下してしまう。また、ヘッドの走査方向に対して垂直に罫線を記録する場合、上記の位置のずれに加えて、サテライトが罫線を成す主滴の外に着弾するため、罫線がぼやけて見えてしまうといった問題が生じる。そこで、主滴とサテライトが分離して着弾してしまう条件で記録を行う場合、主滴だけでなく、サテライトも考慮したレジ調整方法を行うことが求められる。そのため、本実施形態では、主滴の位置の調整が終わった後に、濃度重心の調整が行われる(濃度重心双方向レジ調整)。
次に、濃度重心の調整について説明する。ここでは、記録ヘッドの往路に吐出されたドットと復路に吐出されたドットの間で主滴とサテライトによる濃度重心が一致する吐出タイミングが検出され、吐出タイミングが調整される(濃度重心双方向レジ調整工程)。
図9に所定の記録条件に対して双方向レジ調整値を補正するための補正テーブル(補正値格納手段)を示す。本実施形態においては、記録ヘッドの走査速度、記録ヘッドの吐出口形成位置と記録媒体間の距離、インクの種類あるいは吐出口列ごとに補正値を用意する。補正値は、レジ調整の解像度と同じ4800dpi単位で設定される。補正値は双方向レジ調整値に対して加算され、往復ドットの濃度重心位置が一致するように復路の吐出タイミングが変更される。このように、補正テーブルには、記録条件に応じて、往方向走査で記録されたドットの濃度重心と、復方向走査で記録されたドットの濃度重心とが、主走査方向に一致するように、インク吐出タイミングを補正する補正値が格納されている。そして、補正テーブルによって格納された補正値に基いて、往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングが調整される。
図10に、調整パターンから算出された双方向レジ調整値を基準として補正を加えた時のKとCの往復のドットの着弾状態を示す。Kインクを黒く塗りつぶしたドット、Cインクを白抜きのドットで示す。この例では、Kインクのサテライトは数が少なく、主滴との距離が離れていない。一方、Cインクのサテライトは数が多く、主滴との距離が離れている。これらK、Cインクの吐出口列に対して本実施形態の調整パターンでレジ調整を行うと、前述の説明のように、どちらも往復の主滴が一致するような位置に吐出タイミングが調整される(図10の補正値0の状態)。その後、図9に示す補正テーブルから記録条件に合致する補正値を取得し、往復ドットの濃度重心が一致する位置まで復路の吐出タイミングを補正する。例えば、記録ヘッド−記録媒体間の距離が「GAP1」、走査速度が「SPD3」の場合、Kインクは+2、Cインクは+4(単位:4800dpi)だけ双方向レジ調整値が補正される。その結果、それぞれの往路と復路との間でドットの濃度重心位置が、記録ヘッドの走査を行う方向である主走査方向に、一致するようになる。このように、本実施形態では、往方向走査で吐出されたインクによるドットの濃度重心と、復方向走査で吐出されたインクによるドットの濃度重心とが、主走査方向に一致するように、往方向走査及び復方向走査でのインク吐出タイミングが調整される。
このインク吐出タイミングの調整は、複数種類のインクのそれぞれで行われる。このとき、CPU120は、往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングとを調整する濃度重心双方向レジ調整手段として機能する。
(色間位置ずれの補正量算出方法)
しかしながら、サテライトに起因する双方向レジ調整値の補正を行う場合、異色間の着弾位置ずれが発生することを考慮しなければならない。図10に示したKインクとCインクのレジ調整値を補正した後の吐出タイミングにおいて罫線を記録すると、図11(a)のようになる。各々の色は往復ドットの濃度重心位置が一致し、罫線の品位が良い状態に調整されている。しかし、KとCの罫線の幅を比較すると、サテライトの量の差だけKインクに対してCインクで記録された罫線の幅が太くなる。しかしながら、本実施形態の調整方法では吐出口列間の吐出タイミングが往路の着弾位置を基準に調整されるため、復路のドットが着弾する側に2色の罫線幅の差分だけ罫線がずれているように見えてしまう。また、画像の色境界部においても、復路のドットが色ごとにずれて着弾することで、隣接する領域のインクとの重なりが多くなる。これによりインクのにじみが発生し、境界部の鮮鋭性が損なわれる。また、複数のインク色が重なって記録されることで濃いスジが発生するといった問題が生じる。
そこで本実施形態では、双方向レジ調整値に加えた補正パラメータの値に合わせ、ノズル列間レジ調整値に補正を行う。このように、ノズル列間レジ調整値にも補正を行うことで、色間におけるドットの中心位置の位置ずれを低減させる。具体的には、補正パラメータの半分の量を、各色の往路、及び復路の吐出タイミングに対して補正パラメータによってシフトさせた方向とは逆方向にシフトさせる。このように補正を行うことで、図11(b)に示されるように各色の往復ドットの中心位置を揃わせることができる。従って、基準色以外のドットの着弾ずれが画像上で目立つことを抑えることができる。また、画像の色境界部についても最大の色間位置ずれ量が半減するため、インクのにじみやスジも低減する。
(レジストレーション調整値の補正方法)
以下に、本実施形態における色間位置ずれ量を低減させるためのレジ調整値の補正方法について説明する。
図12は本実施形態において画像を記録する際にレジ調整値と色間位置ずれ補正を吐出タイミングに反映させるフローチャートである。ホストコンピュータ、あるいは記録装置に保存されたジョブ情報から画像の記録が開始された後、ステップ1301で記憶領域に記憶されたレジ調整値の中から、記録条件に合致するものを読み出す。続いて、ステップS1302において、色間の位置ずれ量を補正するフローが実行される。
図13に、本実施形態におけるレジ調整値の色間位置ずれ補正のフローチャートを示す。まずステップS2101において、画像の記録条件のうち、走査速度、記録ヘッドと記録媒体間の距離に応じて各吐出口列の補正値を記憶領域にある補正テーブルから選択する。この補正値はステップS2102で各吐出口列の双方向レジ調整値に加算され、各吐出口列の復路の吐出タイミングが往路方向にシフトされる。続いて、ステップS2103で各吐出口列間レジ調整値が補正値の半分だけ減算され、往方向と復方向との両方の吐出タイミングが復路方向にシフトされる。もし、補正値が奇数で、レジ調整解像度4800dpiで割り切れない場合は、4800dpi単位に丸めて補正をする。
色間位置ずれ補正(色間位置ずれ補正工程)について、図14(a)、(b)を参照して説明する。図14(a)に、色間位置ずれ補正が行われる前の状態におけるブラックとシアンの色についての主滴の位置を示す。ここでは、説明のために、主滴の位置のみ示すこととする。また、図14(a)に示される往方向走査時に吐出されるインクによるドットの位置を基準として0とし、そこから往方向にシフトした方向を+とし、復方向にシフトした方向を−とする。このとき、濃度重心が一致するように調整されたインク吐出タイミングで記録されるドットについて、一旦、往方向走査で記録されたドットか、復方向走査で記録されたドットのうち、いずれか一方の主滴が主走査方向に合わせられる。ここでは、図14(a)に示されるように、ブラックインクとシアンインクとの間で、往方向走査で記録されたドット同士が主走査方向に一致するように、それぞれのドットが記録されている。色間位置ずれ補正が行われる前の状態では、ブラックのインクにおいては、復方向の走査の際に吐出されるドットが、往方向の走査の際に吐出されるドットよりもレジ調整解像度4800dpiにおける往方向に+2ドット分ずれた位置に形成される。そのため、往方向走査時に吐出されたドットの位置を基準にして0とすると、復方向走査時に吐出されたインクによるドットは、図14(a)に示されるように、+2の位置に形成される。往方向走査時に吐出されたインクによるドットが0の位置に形成され、復方向走査時に吐出されたインクによるドットが+2の位置に形成されているので、これらの濃度重心は+1に位置する。また、シアンインクについては、往方向走査時に吐出されたインクによるドットを基準とすると、往方向走査時に吐出されたインクによるドットは0に位置し、復方向走査時に吐出されたインクによるドットは+4に位置する。従って、これらの濃度重心は+2に位置することになる。
これらの濃度重心位置のずれを補正するために、色間位置ずれ補正が行われる。図14(b)には、色間位置ずれ補正が行われた後のブラックとシアンの色についての主滴の位置を示す。ブラックインクについては、双方向レジ調整値を補正するための補正テーブルによる補正値は+2である。従って、往方向走査時に吐出されたインクのドット位置に対して復方向走査時に吐出するインクのドット位置を2ドット分ずらされてそれぞれのインクによるドットが形成される。そして、色間位置ずれ補正により、補正値の半分である1ドット分、往方向走査時に吐出されるインクと復方向走査時に吐出されるインクのそれぞれを、復方向にシフトさせてインクの吐出が行われる。従って、往方向走査時に吐出されるインクによるドットは−1の位置に形成され、復方向走査時に吐出されるインクによるドットは+1の位置に形成される。従って、これらのドットによる濃度重心は、0に位置することになる。また、シアンインクについては、双方向レジ調整値を補正するための補正テーブルによる補正値は+4である。従って、色間位置ずれ補正により、補正値の半分である2ドット分、往方向走査時に吐出されるインクと復方向走査時に吐出されるインクのそれぞれを、復方向にシフトさせてインクの吐出が行われる。そのため、これらのドットによる濃度重心は、0に位置することになる。このように、色間位置ずれ補正が行われた後では、往方向走査時に吐出されたインクによるドットと復方向走査時に吐出されたインクによるドットとの間の濃度重心が、ブラックインクとシアンインクとで一致することになる。
このように、本実施形態では、往方向走査及び復方向走査で記録されるドットの間の主滴同士の間隔の半分だけ、往方向走査及び復方向走査によるインクによるドットの主滴が復方向にシフトされるように、インク吐出タイミングが補正される。ここでは、往方向走査及び復方向走査によるインクによるドットの主滴が復方向にシフトされるようにインク吐出タイミングが補正されているが、これに限定されない。図14(a)の状態では、ブラックインク及びシアンインクにおける往方向走査の際に吐出されるインクによるドットが主走査方向に一旦合わせられているので、ここではそのときの走査方向の逆方向である復方向にシフトされている。それぞれのインクによるドットが、色間位置ずれ補正が行われる前の状態で一旦主走査方向に合わせられる主滴の吐出される際の走査方向とは逆の走査方向にシフトされて補正されるのであれば、どちらの方向にシフトされることとしても良い。
なお、本実施形態においては、ブラックインクとシアンインクとの間における色間位置ずれ補正について説明したが、本発明はこれらの間のみに限定されない。他の色のインクについても同様に、往方向走査時及び復方向走査時の両方においてドットの形成位置を復走査方向にシフトさせることとしても良い。このとき、双方向レジ調整値を補正するための補正テーブルによって往方向走査時のドットに対して復方向走査時のドットの位置を補正する補正値の半分だけ、往方向及び復方向のいずれの走査におけるドットの形成位置をシフトさせる。これにより、双方向レジ調整値を調整したとしても、往方向走査時に吐出されたインクによるドットと復方向走査時に吐出されたインクによるドットとの間の濃度重心を揃えることができる。
そして、ステップS2104で全ての吐出口列に対して双方向レジ調整値と吐出口列間レジ調整値に補正が行われたことを確認し、色間位置ずれ補正を終了する。以上の色間位置ずれ補正が終了した後、ステップS1303で補正後のレジ調整値を基に各吐出口列、走査方向について吐出タイミングを設定する。そして、ステップS1304で画像の記録が実行される。
以上に説明した方法を全ての吐出口列に用いることで、主滴−サテライト間の距離が吐出口列ごとに異なるような場合においても、レジ調整によって色ずれ量をそれぞれの吐出口列で低減することが可能となる。このように、複数種類のインクのそれぞれの間で、往方向走査で記録されるドットと復方向走査で記録されるドットとを合わせた濃度重心が、主走査方向に一致するように、往方向走査及び復方向走査で吐出されるインク吐出タイミングが調整される。このとき、CPU120が、濃度重心双方向レジ調整によって調整された往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングとを補正する色間位置ずれ補正手段として機能する。そして、最終的にインク吐出タイミングが補正されると、補正された往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングとに基いて、記録ヘッドによるインクの吐出動作が制御される。このように、インクの吐出動作が制御されて、実際の記録画像の記録が行われる。このとき、CPU120が、記録動作を制御する記録制御手段として機能する。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。なお、上記第1の実施形態と同様に構成される部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態のレジ調整方法では、第1の実施形態とは異なり、双方向記録のレジ調整値と、吐出口列間の往路、及び復路のレジ調整値を取得する。それらの調整値から基準色とそれ以外の色の復路の位置ずれ量を算出し、そのずれ量に基づいて色間の位置ずれ補正を行う。
なお、本実施形態の調整パターンでは、第1の実施形態とは異なり、往復ドットの濃度重心位置を検出することが可能な調整パターンを用いる必要がある。本実施形態では、図15(a)に示されるようなテストパターンが記録され、画素数nは第1実施形態における図5に示したものよりも小さく形成されている。本実施形態では、サテライトの飛散領域と同等程度の幅の調整パターン、あるいは不図示のハーフトーンで記録される調整パターンのようなものが用いられる。これらの調整パターンは、主滴とサテライトの両方が調整パターンの位置ずれ量に対する濃度変化に寄与するため、濃度重心位置を検知することが可能である。このように、往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングとの少なくとも一方を変えながら、濃度重心位置の調整を行うための複数の調整パターン(第2調整パターン)が記録される。このとき、CPU120が、第2調整パターン記録手段として機能する。
図15(a)のような調整パターンの場合、ずらし量aを変えた複数の調整パターンを並べた図15(b)のパターン濃度を光学センサを用いて光学反射率を検知する。その結果、調整パターンのずらし量aに対する光学反射率を図15(c)の近似曲線621として得ることができる。この近似曲線621においては、サテライトのパターン濃度への寄与率が第1実施形態における図7の近似曲線620よりも大きいため、ピーク位置は濃度重心が一致する位置に近くなる。
このように、本実施形態では、調整パターンから直接濃度重心が一致するようにインク吐出タイミングを調整するので、記録条件によって色間の記録位置ずれ量が変動するような場合に対しても、位置ずれ量を検知することができる。また、記録ヘッドの個体差などによらず精度の良いインク吐出タイミングの調整が可能となる。
ここでは、記録された複数の調整パターン(第2調整パターン)から、光学濃度が最も低いときの調整パターンを記録するときの、往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングが検出される。本実施形態では、CPU120が、複数の調整パターンから、光学濃度が最も低いときの調整パターンを記録するときのインク吐出タイミングを検出する第2インク吐出タイミング検出手段として機能する。そして、検出された往方向走査及び復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングに基いて、往方向走査及び復方向走査のそれぞれで吐出されるインクのインク吐出タイミングが調整される。
以下に、本実施形態で行う色間の位置ずれ量の算出方法について説明する。図16はKインクの吐出口列を基準にCインクの吐出口列による吐出タイミングを調整する場合の往路および復路の着弾位置を示している。
まず第1の実施形態と同様に、往路の吐出口列間レジ調整値に基づいて基準吐出口列(K−往路)に対して調整する吐出口列(C−往路)の往路の吐出タイミングを決定する。そして、その後に、双方向レジ調整値に基づいて調整する吐出口列(C−復路1)の復路の吐出タイミングを算出する。
このとき、Cインクの往路と復路のドットの濃度重心位置が一致し、主滴同士は距離bだけ離れて着弾する。さらに、双方向レジ調整値に基づいて基準吐出口列の復路の吐出タイミング(K−復路)を決定した後、復路の吐出口列間レジ調整値に基づき、基準吐出口列に対して調整する吐出口列の復路の吐出タイミングを算出する(C−復路2)。この算出方法では、KインクとCインクの復路の主滴位置が一致し、Cインクの往復の主滴は距離aだけ離れて着弾する。これら2つ方法で得られた吐出タイミングの差(c=b−a)はK−C間の記録位置ずれ量を示している。よって、吐出口列間レジ調整値に対し記録位置ずれ量cに基づいた補正を行うことで、色間の記録位置ずれを低減することが可能となる。
(レジストレーション調整値の補正方法)
以下に、本実施形態におけるレジ調整値の補正方法について説明する。
図17に本実施形態におけるレジ調整値の色間位置ずれ補正のフローチャートを示す。まず、ステップS2201において、それぞれの色のインクを吐出する吐出口列について、調整する吐出口列の往路と復路の濃度重心位置が一致する吐出タイミング(図16のb)を算出する。次に、ステップS2202において、基準吐出口列と調整する吐出口列の復路の主滴位置が一致する吐出タイミング(図16のa)を算出する。そしてステップS2203で、この2つの吐出タイミングの差(図16のc)を算出した後、吐出口列間レジ調整値を吐出タイミング差の半分(c/2)だけ復路方向にシフトさせる。このように補正されたレジ調整値を用いて、図12に記載のフローにより各吐出口列の吐出タイミングを設定する。
以下、図18(a)、(b)を用いて、レジ調整値の色間位置ずれ補正について説明する。図18(a)に、色間位置ずれ補正が行われる前の状態におけるブラックとシアンの色についての主滴の位置を示す。ここでは、説明のために主滴の位置のみ示すこととする。また、第1実施形態と同様に、ブラックインクは往方向走査時に吐出されたインクによるドットに対して復方向走査時に吐出されたインクによるドットが2ドット分ずれたときに、濃度重心が往方向走査時のドットと復方向走査時のドットとで一致することとする。また、シアンインクでは、往方向走査時に吐出されたインクによるドットに対して復方向走査時に吐出されたインクによるドットが4ドット分ずれたときに、濃度重心が往方向走査時のドットと復方向走査時のドットとで一致する。ここでは、基準となる吐出口列は、ブラックインクを吐出する吐出口列とし、ブラックインクによるドットが基準となるドットとする。この状態ではまだ色間位置ずれ補正が行われていないので、ブラックインクによる濃度重心とシアンインクによる濃度重心とは一致していない。また、レジ調整値の色間位置ずれ補正の際の、ドットのずれに関しては、4800dpi単位で説明するものとする。
図18(a)に示される往方向走査時に吐出されるインクによるドットの位置を基準として0とし、そこから往方向にシフトした方向を+とし、復方向にシフトした方向を−とする。往方向走査時に吐出されるインクによるドットと復方向走査時に吐出されるインクによるドットとの間の濃度重心位置のずれを補正するために、色間位置ずれ補正が行われる。ブラックインクについては、往方向走査時に吐出されたインクによるドットと復方向走査時に吐出されたインクによるドットとの間でレジ調整解像度4800dpiにおける+2ドットずれてそれぞれのドットが形成されている。また、シアンインクについては、往方向走査時に吐出されたインクによるドットと復方向走査時に吐出されたインクによるドットとの間でレジ調整解像度4800dpiにおける+4ドットずれてそれぞれのドットが形成されている。ここで、図18(a)に示されるように、ブラックインクについての往方向走査時に吐出されたインクによるドットと復方向走査時に吐出されたインクによるドットとの間の差をaとする。また、シアンインクについての往方向走査時に吐出されたインクによるドットと復方向走査時に吐出されたインクによるドットとの間の差をbとする。
ここで、記録ヘッドが吐出する複数種類のインクのうち、基準となる種類のインクが選択される。本実施形態ではブラックインクが基準として選択される。本実施形態では、CPU120が、基準となる種類のインクを選択する選択手段として機能する。なお、基準となる種類のインクは予め選択され、そのインクが常に基準として選択されることとしても良い。
基準であるブラックインクによるドットの往復間に吐出されるインクによるドットの差aと、シアンインクによるドットの往復間に吐出されるインクによるドットの差bを算出し、これらの差b−aを算出する。このように、選択された基準となる基準インクによる基準ドットにおける往方向走査で吐出されるインクによるドットと復方向走査で吐出されるインクによるドットとの間の主滴同士の間隔aが検出される。このとき、CPU120が、基準インクによる基準ドットの往方向走査で記録されたドットと復方向走査で記録されたドットの間の主滴同士の間隔を検出する基準主滴間隔検出手段として機能する。そして、シアンといった基準インク以外のインクによるドットの、往方向走査で吐出されるインクによるドットと復方向走査で吐出されるインクによるドットとの間の主滴同士の間隔が検出される。このとき、CPU120が、基準インク以外のインクによるドットの、往方向走査で記録されたドットと復方向走査で記録されたドットの間の主滴同士の間隔を検出する非基準主滴間隔検出手段として機能する。そして、基準ドットにおける検出された主滴同士の間隔と、基準ドット以外のドットにおける検出された主滴同士の間隔との差(b−a)が検出される。このとき、CPU120が、基準ドットにおける検出された主滴同士の間隔と、基準ドット以外のドットにおける検出された主滴同士の間隔との差を検出する主滴間隔差検出手段として機能する。
ここでは、bが4ドットで、aが2ドットであるので、b−aは2ドットである。そして、(b−a)の半分だけ、シアンインクの往方向走査時に吐出されるインクによるドットと、復方向走査時に吐出されるインクによるドットが復方向にシフトされるように、インクの吐出タイミングが調整される。つまり、シアンインクの形成位置が(b−a)/2だけ復方向にシフトされるように、往方向走査、復方向走査のそれぞれでインクの吐出タイミングが調整される。このときの、基準の吐出口列により吐出されたインクによるドットからのずれに対して、それぞれの吐出口列により吐出されたインクによるドットの補正量としての(b−a)/2をdとする。図18(b)に示されるように、基準の吐出口列以外の吐出口列からのインクの吐出のタイミングを、往方向走査時と復方向走査時との両方のドットの形成位置がdだけ復方向にシフトするようにインク吐出タイミングが調整される。
すなわち、基準インク以外のインクについての往方向走査で吐出するインク及び復方向走査で吐出するインクを、復方向へシフトさせるようにインク吐出タイミングを補正する。ここでは、基準インクによるドットの主滴同士の間隔と基準インク以外の非基準インクによるドットの主滴同士の間隔との間の差の半分だけ、往方向走査及び復方向走査で吐出するインクを、復方向へシフトさせるようにインク吐出タイミングを補正する。なお、ここでは、往方向走査及び復方向走査によるインクによるドットの主滴が復方向にシフトされるようにインク吐出タイミングが補正されているが、これに限定されない。図18(a)の状態では、ブラックインク及びシアンインクにおける往方向走査の際に吐出されるインクによるドットが主走査方向に一旦合わせられているので、ここではそのときの走査方向の逆方向である復方向にシフトされる。それぞれのインクによるドットが、色間位置ずれ補正が行われる前の状態で一旦主走査方向に合わせられる主滴の吐出される際の走査方向とは逆の走査方向にシフトされて補正されるのであれば、どちらの方向にシフトされることとしても良い。このように、往方向走査で記録されたドットか、復方向走査で記録されたドットのうち、いずれか一方の主滴が主走査方向に合わせられた状態から、合わせられた主滴が吐出される際の走査方向とは逆の走査方向にシフトされる。
従って、基準の吐出口列から吐出されるインクによるドットの濃度重心に、それぞれの吐出口列から吐出されるインクによるドットの濃度重心が揃えられてそれぞれのドットが形成される。これにより、双方向レジ調整値を調整したとしても、それぞれの吐出口列から吐出されるインクによるドットの間で、往方向走査時に吐出されたインクによるドットと復方向走査時に吐出されたインクによるドットとの間の濃度重心を揃えることができる。
以上の方法であっても第1の実施形態で示した方法と同様に色間の位置ずれ量を低減することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。なお、上記第1の実施形態ないし第2の実施形態と同様に構成される部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態のレジ調整方法では、各吐出口列に対してレジ調整を行った後、インク色ごとに色間位置ずれ補正パターンを双方向記録で形成する。その補正パターンの記録幅を検知し、インク色による記録幅の差を算出することで、色間の記録位置ずれ量を得ることができる。この記録位置ずれ量に基づいて吐出口列間レジ調整値を補正することで、色間の記録位置ずれ量を低減することが可能となる。
以下に、本実施形態で行う色間の位置ずれ量の算出方法について説明する。図19(a)は本実施形態で使用する色間位置ずれ補正パターン(第3調整パターン)の一例である。また、図19(b)は、その調整パターンについて、光学濃度を検出したときの検出値について示したグラフである。色間位置ずれ補正パターン901はn画素×l画素の長方形パターンで、調整する1つの吐出口列を使って双方向で記録される。この色間位置ずれ補正パターンは光学センサ500を用いて濃度を検知するが、その検知領域902の半径rに対してパターンの縦幅l、横幅nを大きく設定し、パターン上に検知領域が含まれる時の濃度が検知されるようにする。パターンの濃度検知は光学センサを主走査方向に走査させて行う。
調整パターン901をセンサでスキャンして得られる濃度は曲線911のようになる。この濃度曲線はパターンの記録されていない記録媒体上(以下、紙白)を検知した時の濃度を基準として表され、パターン上を読むときに最大の濃度となる。光学センサで濃度検知する場合、検知面積内の平均濃度を読み取ることになる。従って、パターンのエッジ部と濃度曲線のエッジ部の位置は一致しない。光学センサの読み取り中心がパターンのエッジ部にあるとき、ちょうど半分がパターン、もう半分が紙白を読むことになるので、検知される濃度はパターン部と紙白部の中間の濃度となる。よって、色間位置ずれ補正パターンの幅912は、最大濃度の1/2の濃度に対応する位置同士の距離を両エッジ間の距離として算出される。
このように、インクの色ごとに調整パターンの幅が検出され、サテライトも含めた調整パターンの幅が検出される。そして、それぞれの吐出口列による調整パターンと、基準の吐出口列から吐出されたインクによる調整パターンとの間の差から、基準の調整パターンに対するそれぞれの吐出口列による調整パターンの位置ずれ補正値が算出される。
以上の方法によって、各インク色ごとに色間位置ずれ補正パターンの幅を算出し、その差を得ることで、色間位置ずれ量を取得することができる。
(レジストレーション調整値の補正方法)
以下に、本実施形態におけるレジ調整値の補正方法の詳細を説明する。ここでは、図20は図8で示した光学センサを使用した調整フローのステップS1106の後に追加される色間位置ずれ補正値を算出するフローである。色間位置ずれ補正値を算出する際には、それぞれの吐出口列からのインク吐出におけるレジ調整は既に行われている状態である。ステップS1107からS1109では、通常のレジ調整と同じ様に吐出口列を選択し、パターンの記録と濃度の検知を行う。次に、ステップS1110で上述の方法でパターンの幅を検知する。これらのステップをステップS1111で各インク色に対して終了するまで繰り返す。その後、ステップS1112で色間位置ずれ補正値を決定する。本実施形態では、基準となるインク色とそれ以外のインク色の組み合わせに対して補正値を決定する。それぞれの補正値は、基準インク色との間のパターン幅の差の半分とする。本実施形態でも、記録ヘッドが吐出する複数種類のインクのうち、基準となる種類のインクが選択される。
基準のインク色による調整パターンと、それぞれの吐出口列による調整パターンとの間の幅の差は、第2の実施形態における往方向走査で吐出されたインクによるドットと復方向走査で吐出されたインクによるドットの間の距離の差(b−a)に相当する。従って、基準の吐出口列による調整パターンと、それぞれの吐出口列による調整パターンとの幅の差(b−a)の半分の値だけ、往方向走査で吐出するインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出するインクのインク吐出タイミングを復方向にシフトさせる。つまり、往方向走査時のインク吐出タイミングと、復方向走査時のインク吐出タイミングとを、(b−a)/2だけ復方向にシフトさせて、双方向レジ調整の結果のインク吐出タイミングが補正される。そして、ステップS1113で決定した各インク色に対する基準となるインク色からの補正値を記憶領域に保存する。
このように、本実施形態では、複数種類のインクの間における濃度重心の主走査方向への位置ずれを検出するための複数の調整パターン(第3調整パターン)が記録される。このとき、CPU120が、複数の調整パターンを記録する第3調整パターン記録手段として機能する。そして、基準となる基準インクにより記録された調整パターンのエッジ間距離が検出される。このとき、CPU120が、基準インクにより記録された調整パターンのエッジ間距離を検出する基準第3調整パターンエッジ間距離検出手段として機能する。また、基準インク以外のインクにより記録された調整パターンのエッジ間距離が検出される。このとき、CPU120が、基準インク以外のインクにより記録された調整パターンのエッジ間距離を検出する非基準第3調整パターンエッジ間距離検出手段として機能する。そして、検出された基準インクにより記録された調整パターンのエッジ間距離である基準エッジ間距離と、基準インク以外のインクにより記録された調整パターンのエッジ間距離である非基準エッジ間距離との間の差が検出される。このとき、CPU120が、基準エッジ間距離と、非基準エッジ間距離との間の差を検出するエッジ間距離差検出手段として機能する。
それから、基準インク以外のインクについての往方向走査及び復方向走査で吐出するインクを、復走査方向へシフトさせるようにインク吐出タイミングを補正する。ここで、基準インク以外のインクについての往方向走査で吐出するインク及び復方向走査で吐出するインクを、基準エッジ間距離と非基準エッジ間距離との間の差の半分だけシフトさせるようにインク吐出タイミングを補正する。なお、ここでは、往方向走査及び復方向走査によるインクによるドットの主滴が復方向にシフトされるようにインク吐出タイミングが補正されるが、これに限定されない。ブラックインク及びシアンインクにおける往方向走査の際に吐出されるインクによるドットが主走査方向に一旦合わせられるので、ここではそのときの走査方向の逆方向である復方向にシフトされる。それぞれのインクによるドットが、色間位置ずれ補正が行われる前の状態で一旦主走査方向に合わせられる主滴の吐出される際の走査方向とは逆の走査方向にシフトされて補正されるのであれば、どちらの方向にシフトされることとしても良い。このように、往方向走査で記録されたドットか、復方向走査で記録されたドットのうち、いずれか一方の主滴が主走査方向に合わせられた状態から、合わせられた主滴が吐出される際の走査方向とは逆の走査方向にシフトされる。
図21は本実施形態におけるレジ調整値の色間位置ずれ補正のフローチャートを示す。ここでは、既にレジ調整値は得られている。レジ調整値を得るための方法としては、第1の実施形態と第2の実施形態とのいずれのものも用いることができる。本実施形態では補正値がインク色ごとに決められているので、ステップS2301では吐出口列のインク色に対応する色間位置ずれ補正値を記憶領域から読み出す。次に、ステップS2302で既に得られている吐出口列間レジ調整値を基に、基準のインク色による調整パターンと、それぞれの吐出口列による調整パターンとの間の幅の差の半分だけ往復それぞれの吐出タイミングを補正値の分だけ復路方向にシフトさせる。これにより、それぞれのドットにおける、基準となるインク色からのそれぞれの色のインクによるドットの濃度重心のずれを補正することができる。これらの工程をステップS2303で基準色の吐出口列以外に対して繰り返し行う。
以上の方法により、各吐出口列のインク色に応じてレジ調整値を補正することで検知された色間位置ずれ量を低減することが可能となる。
(その他の実施形態)
上述の説明では、複数の吐出口列に異なるインク色が配置される構成について示した。しかし、本発明はこの構成に限らず、吐出口列302が複数の吐出口列群によって構成されてもよい。また、異なる吐出口列から同じインクが吐出されるような構成であってもよい。また、CMYKの4色のインク構成の場合について示したが、淡色インク、特色インクがある構成であってもよい。本発明は、吐出口列ごとにサテライトの量、着弾位置が異なる場合のレジ調整方法として広く適応できるものであり、吐出口列の配置、インク色構成によって限定されるものではない。
また、上述の説明では、光学センサで検知するレジ調整パターンを図5、図6に示したものを例に挙げて説明したが、パターン形状、記録解像度、ずらし量などはこれに限るものではない。また、色間位置ずれ補正パターンについても同様に、図19に示す構成に限るものではない。さらに、レジ調整パターンから調整値を設定する工程において、ユーザーが目視で最適なパターンを選択し、選択したパターンを入力することで調整値を取得するような構成であってもよい。
また、上述の説明では、双方向記録時のレジ調整方法について説明しているが、片方向記録時に対しても適応する構成であってもよい。また、上述の説明では、レジ調整値の補正を入力画像の記録前に行うとしたが、あらかじめレジ調整値を算出した段階で補正を行い、補正後のレジ調整値を記憶するようにしてもよい。
また、第1の実施形態では、各吐出口列の双方向レジ調整値の補正パラメータに応じて吐出口列間レジ調整値を補正するとした。これとは別の方法として、ある1つの基準色の補正パラメータに対して、他のインク色の補正パラメータとの差分を取り、その差の半分を基準色以外のインク色の吐出口列間レジ調整値に補正する方法でも色間位置ずれの低減を実現することができる。
なお、双方向レジ調整のための方法と、双方向レジ調整されたインク吐出タイミングの色間ずれを補正するための方法の組み合わせは、上記実施形態に限定されない。第1の実施形態では、主滴の位置を調整した後に補正テーブルを用いて双方向レジ調整が行われ、それから基準のラインに濃度重心を移動させて色間ずれの補正が行われている。また、第2の実施形態では、比較的細い調整パターンを用いて光学反射率のピーク値を検出することで双方向レジ調整が行われ、それから基準の色のインクによるドット位置からのそれぞれのドット位置の差によって色間ずれの補正が行われている。また、第3の実施形態では、調整パターンの光学反射率のピーク値を検出することで双方向レジ調整が行われ、それから基準のドットによる調整パターンからのそれぞれのドットの調整パターンのエッジ同士の距離の差から色間ずれの補正が行われている。これらの双方向レジ調整のための方法と、双方向レジ調整されたインク吐出タイミングの色間ずれを補正するための方法の組み合わせに関しては、上記実施形態で説明した組み合わせ以外の組み合わせであっても良い。最終的に、双方向レジ調整が行われ、それから双方向レジ調整されたインク吐出タイミングの色間ずれの補正が行われるのであれば、どのような組み合わせであっても構わない。
なお、本明細書において、「記録」とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わずに用いられる。また、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または記録媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録装置」とは、プリンタ、プリンタ複合機、複写機、ファクシミリ装置などのプリント機能を有する装置、ならびにインクジェット技術を用いて物品の製造を行なう製造装置を含む。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものを表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録」の定義と同様広く解釈されるべきものである。記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
100 インクジェット記録装置
120 CPU
301 記録ヘッド

Claims (11)

  1. 記録媒体に複数種類のインクをノズルから吐出してドットを記録することで記録を行う記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体の搬送が行われる搬送方向に交差する主走査方向に前記記録ヘッドを往復移動させて走査させる走査手段と、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御する記録制御手段とを有するインクジェット記録装置において、
    前記複数種類のインクのうちの第1のインクおよび前記第1のインクと異なる第2のインクそれぞれについて、往方向走査と復方向走査とのそれぞれで記録媒体上に前記ノズルから吐出される前記インクの主滴と副滴とによって形成されるドットそれぞれの濃度重心に関する濃度重心情報を取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された前記濃度重心情報に基づいて、前記往方向走査で吐出されるインクによるドットの濃度重心と前記復方向走査で吐出されるインクによるドットの濃度重心とが前記主走査方向に一致するように、前記往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと前記復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングとを調整する双方向レジ調整手段と、
    前記複数種類のうちの第1の色のインクおよび前記第1のインクの色と異なる第2の色のインクのそれぞれの往方向走査で吐出されるインクにより形成されたドットのパターンに基づく、前記第1のインクと前記第2のインクとの前記往方向走査における相対的なインク吐出タイミングを決定するための色間レジ調整値を前記第1のインクにより形成されたドットと前記第2のインクにより形成されたドットとが前記主走査方向に一致するように決定し、前記第1のインクと前記第2のインクのそれぞれの往方向走査で吐出されるインクにより形成されるドットと復方向走査で吐出されるインクにより形成されるドットとを合わせるように記録した場合の濃度重心が、前記主走査方向に揃うように、前記濃度重心情報に基づいて、前記往方向走査における前記第1のインクと前記第2のインクとの相対的なインク吐出タイミングをシフトさせるように、決定された前記色間レジ調整値を補正する色間レジ調整手段と、を有し、
    前記記録制御手段は、前記双方向レジ調整手段と前記色間レジ調整手段によって調整されたインク吐出タイミングに基いて、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記双方向レジ調整手段は、
    往方向走査で吐出されたインクのうち主滴によるドットの位置と、復方向走査で吐出されたインクのうち主滴によるドットの位置とが、主走査方向に一致するように、往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングとを調整する主滴位置双方向レジ調整手段と、
    記録条件に応じて、往方向走査で吐出されたインクによるドットの濃度重心と、復方向走査で吐出されたインクによるドットの濃度重心とが、主走査方向に一致するように、往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングとを補正する補正値を格納した補正値格納手段とを有し、
    前記取得手段は、前記濃度重心情報として、前記補正値格納手段に格納された前記補正値を取得し、
    前記補正値格納手段によって格納された補正値に基いて、往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングを調整することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記記録条件は、前記記録ヘッドの吐出口形成位置と記録媒体との間の距離、前記記録ヘッドが前記主走査方向に走査を行う際の走査速度及びインクの種類を含むことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記主滴位置双方向レジ調整手段は、
    往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングとの少なくとも一方を変えながら、主滴位置の調整を行うための複数の第1調整パターンを記録する第1調整パターン記録手段と、
    前記第1調整パターン記録手段によって記録された複数の第1調整パターンから、光学濃度が最も低いときの第1調整パターンを記録するときの、往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングを検出する第1インク吐出タイミング検出手段とを有し、
    前記第1インク吐出タイミング検出手段によって検出された往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングに基いて、往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングを調整する第1インク吐出タイミング調整手段とを有することを特徴とする請求項2または3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記双方向レジ調整手段は、
    往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングとの少なくとも一方を変えながら、濃度重心位置の調整を行うための複数の第2調整パターンを記録する第2調整パターン記録手段と、
    前記第2調整パターン記録手段によって記録された複数の第2調整パターンから、光学濃度が最も低いときの第2調整パターンを記録するときの、往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングを検出する第2インク吐出タイミング検出手段とを有し、
    前記第2インク吐出タイミング検出手段によって検出された往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングに基いて、往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングを調整することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記色間レジ調整手段は、
    前記双方向レジ調整手段によって調整されたインク吐出タイミングで記録されるドットについて、往方向走査で記録されたドットか、復方向走査で記録されたドットのうち、いずれか一方の主滴が前記主走査方向に合わせられた場合の、
    往方向走査で記録されるドットと復方向走査で記録されるドットとの間の主滴同士の間隔に基づいて、合わせられた主滴が吐出される際の走査方向とは逆の走査方向へ、往方向走査の際に吐出されるインクによるドットと復方向走査によるインクによるドットの主滴がシフトされるようにインク吐出タイミングを補正することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記色間レジ調整手段は、
    前記第1および第2のインクのうち、基準となる種類のインクを選択する選択手段と、
    前記選択手段によって選択された基準となる基準インクによる基準ドットにおける前記双方向レジ調整手段によって調整されたインク吐出タイミングで記録されるドットの、往方向走査で吐出されるインクによるドットと復方向走査で吐出されるインクによるドットとの間の主滴同士の間隔と、
    前記基準インク以外のインクによるドットの、往方向走査で吐出されるインクによるドットと復方向走査で吐出されるインクによるドットとの間の主滴同士の間隔と、を検出する主滴間隔検出手段と、
    前記主滴間隔検出手段によって検出された前記基準インクによるドットの主滴同士の間隔と、前記非基準インクによるドットの主滴同士の間隔との差を検出する主滴間隔差検出手段とを有し、
    前記基準インク以外のインクについての往方向走査で吐出するインク及び復方向走査で吐出するインクを、往方向走査で記録されたドットか、復方向走査で記録されたドットのうち、いずれか一方の主滴が前記主走査方向に合わせられた場合の状態から、合わせられた主滴が吐出される際の走査方向とは逆の走査方向へ、前記主滴間隔差検出手段によって検出された前記基準インクによるドットの主滴同士の間隔と前記非基準インクによるドットの主滴同士の間隔との間の差に基づいてシフトさせるようにインク吐出タイミングを補正することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記色間レジ調整手段は、
    前記第1および第2のインクのうち、基準となる種類のインクを選択する選択手段と、
    前記第1および第2のインクの間における濃度重心の主走査方向への位置ずれを検出するための複数の第3調整パターンを記録する第3調整パターン記録手段と、
    基準となる基準インクにより記録された第3調整パターンのエッジ間距離を検出する基準第3調整パターンエッジ間距離検出手段と、
    前記基準インク以外のインクにより記録された第3調整パターンのエッジ間距離を検出する非基準第3調整パターンエッジ間距離検出手段と、
    前記基準第3調整パターンエッジ間距離検出手段によって検出されたエッジ間距離である基準エッジ間距離と、前記非基準第3調整パターンエッジ間距離検出手段によって検出されたエッジ間距離である非基準エッジ間距離との間の差を検出するエッジ間距離差検出手段とを有し、
    前記基準エッジ間距離と前記非基準エッジ間距離との間の差に基づいて、前記基準インク以外のインクについての往方向走査で吐出するインク及び復方向走査で吐出するインクを、往方向走査で記録されたドットか、復方向走査で記録されたドットのうち、いずれか一方の主滴が前記主走査方向に合わせられた状態から、合わせられた主滴が吐出される際の走査方向とは逆の走査方向へシフトさせるようにインク吐出タイミングを補正することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記記録ヘッドから吐出される前記第1および第2のインクそれぞれについてのサテライトの量の予測に基づいて決定されたサテライト情報を格納する格納手段を有し、前記濃度重心情報は前記サテライト情報に基づき得られるものであることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 記録媒体に複数種類のインクをノズルから吐出してドットを記録することで記録を行う記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体の搬送が行われる搬送方向に交差する主走査方向に前記記録ヘッドを往復移動させて走査させる走査手段と、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御する記録制御手段とを有するインクジェット記録装置によって記録を行う記録方法において、
    前記複数種類のインクのうちの第1のインクおよび前記第1のインクと異なる第2のインクそれぞれについて、往方向走査と復方向走査とのそれぞれで記録媒体上に前記ノズルから吐出された前記インクの主滴と副滴とによって形成されるドットそれぞれの濃度重心に関する濃度重心情報を取得する取得工程と、
    前記取得工程で取得された前記濃度重心情報に基づいて、前記往方向走査で吐出されるインクによるドットの濃度重心と前記復方向走査で吐出されるインクによるドットの濃度重心とが前記主走査方向に一致するように、前記往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと前記復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングとを調整する双方向レジ調整工程と、
    前記複数種類のうちの第1の色のインクおよび前記第1のインクの色と異なる第2の色のインクのそれぞれの往方向走査で吐出されるインクにより形成されたドットのパターンに基づく、前記第1のインクと前記第2のインクとの前記往方向走査における相対的なインク吐出タイミングを決定するための色間レジ調整値を前記第1のインクにより形成されたドットと前記第2のインクにより形成されたドットとが前記主走査方向に一致するように決定し、前記第1のインクと前記第2のインクのそれぞれの往方向走査で吐出されるインクにより形成されるドットと復方向走査で吐出されるインクにより形成されるドットとを合わせるように記録した場合の濃度重心が、前記主走査方向に揃うように、前記濃度重心情報に基づいて、前記往方向走査における前記第1のインクと前記第2のインクとの相対的なインク吐出タイミングをシフトさせるように、決定された前記色間レジ調整値を補正する色間レジ調整工程と、を有し、
    前記記録制御手段は、前記双方向レジ調整工程と前記色間レジ調整工程で調整されたインク吐出タイミングに基いて、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御することを特徴とする記録方法。
  11. 記録媒体に複数種類のインクを吐出して記録を行う記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体の搬送が行われる搬送方向に交差する主走査方向に前記記録ヘッドを往復移動させて走査させる走査手段と、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御する記録制御手段とを有するインクジェット記録装置において、
    前記複数種類のインクのそれぞれで、往方向走査で吐出されるインクによるインクの主滴と副滴とによって形成されるドット全体のドットの濃度重心情報と、復方向走査で吐出されるインクによるインクの主滴と副滴とによって形成されるドット全体のドットの濃度重心情報と、に基づいて往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングとを調整する双方向レジ調整手段と、
    前記複数種類のうちの第1のインクと第1と異なる第2のインクのそれぞれの往方向走査で吐出されるインクにより形成されるドットの濃度重心情報に基づいて、前記複数種類のうちの第1のインクと第1と異なる第2のインクのそれぞれの往方向走査で吐出されるインクにより形成されるドットと復方向走査で吐出されるインクにより形成されるドットとを合わせた場合の濃度重心が、前記主走査方向に揃うように、前記第1、第2のインクの間の、前記往方向における相対的なインクの吐出タイミングを調整する色間レジ調整手段と、を有し、
    前記記録制御手段は、前記双方向レジ調整手段と前記色間レジ調整手段によって調整されたインク吐出タイミングに基いて、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御し、
    前記双方向レジ調整手段は、往方向走査で吐出されたインクのうち主滴によるドットの位置と、復方向走査で吐出されたインクのうち主滴によるドットの位置とが、主走査方向に一致するように、往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングとを調整する主滴位置双方向レジ調整手段と、
    記録条件に応じて、往方向走査で吐出されたインクによるドットの濃度重心と、復方向走査で吐出されたインクによるドットの濃度重心とが、主走査方向に一致するように、往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングとを補正する補正値を格納した補正値格納手段とを有し、
    前記補正値格納手段によって格納された補正値に基いて、往方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングと復方向走査で吐出されるインクのインク吐出タイミングを調整することを特徴とするインクジェット記録装置。
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