JP2016087980A - 印刷制御装置 - Google Patents

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JP2016087980A
JP2016087980A JP2014226725A JP2014226725A JP2016087980A JP 2016087980 A JP2016087980 A JP 2016087980A JP 2014226725 A JP2014226725 A JP 2014226725A JP 2014226725 A JP2014226725 A JP 2014226725A JP 2016087980 A JP2016087980 A JP 2016087980A
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英伸 吉川
Hidenobu Yoshikawa
英伸 吉川
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Abstract

【課題】印刷するテストパターンを最適化し、濃度ムラを的確に抑制することができる印刷制御装置を提供する。
【解決手段】第1方向に移動する印刷ヘッドから第1方向と交差する第2方向に搬送される印刷媒体へインクを吐出させる印刷制御装置であって、指定印刷モードにより印刷媒体の第1方向において異なる複数の位置にテストパターンを印刷させ、複数のテストパターンの測色結果に基づいて補正値を複数の位置毎に取得し、指定印刷モードにより、入力画像の画像データに基づく印刷を行う際、画像データに含まれる第1方向における位置が異なる各データに第1方向における位置が対応する補正値を適用して補正し、第2方向における印刷解像度を第1の解像度とする印刷モードが指定印刷モードである場合に印刷するテストパターン数よりも、印刷解像度をより高い解像度とする印刷モードが指定印刷モードである場合に印刷するテストパターン数を多くする。
【選択図】図12

Description

本発明は、印刷制御装置に関する。
テストパターンの印刷および測色により、ドット列(ラスターラインとも言う。)毎の
濃度を補正するための補正値を取得し、当該取得した補正値により、ドット列に対応する
階調値を補正する濃度ムラの補正処理が知られている(特許文献1参照)。
また、印刷媒体上に印刷された複数の測色用パターンの測色値の平均値を算出し、当該
平均値と標準特性データとの差を補正するような階調補正データを作成し、当該階調補正
データに基づいて、印刷しようとする印刷データの階調特性を補正する画像形成システム
が知られている(特許文献2参照)。
特開2012‐166415号公報 特開2008‐209436号公報
印刷ヘッドを一定方向(主走査方向)に移動させながら当該印刷ヘッドから印刷媒体へ
インクを吐出するインクジェットプリンターによる印刷結果では、主走査方向における異
なる位置で、濃度が異なっている場合がある。このような濃度の違いは、前記位置の違い
による印刷ヘッドから吐出されるインクの粘度の相違、搬送される印刷媒体の微妙な傾き
(蛇行)、前記位置の違いによる着弾したインクの乾燥時間の違い、等といった種々の原
因によるものである。このような濃度の違いは、印刷された画像全体で評価したときに濃
度ムラとなって視認される。
また、上述したような濃度の違いは、プリンターの大型化、つまり主走査方向における
印刷媒体の幅が大きくなるにつれて顕著化し易い。従って、プリンターの大型化に際して
は特に、上述したような濃度の違い(濃度ムラ)を生じさせないための適切な処理が求め
られる。
また、テストパターンの印刷は、画像補正用の補正値を得るために必要な処理ではある
が、印刷や測色に要する処理時間(時間的負担)、消耗品の消費(経済的負担)といった
観点から無制限に実行できるものではない。一方で、プリンターが印刷に際して採用する
印刷モードの違い(印刷ヘッドの挙動パターンや使用する印刷媒体等の違い)により、上
述したような濃度ムラの生じ易さ(濃度ムラの視認のし易さ)は異なる。そのため、濃度
ムラの抑制のための最適なテストパターンの印刷が求められていると言える。
本発明は上述の課題の少なくとも一つを解決するためになされたものであり、印刷する
テストパターンを最適化し、印刷結果における濃度ムラを的確に抑制することが可能な印
刷制御装置を提供する。
本発明の態様の一つは、インクを吐出可能な印刷ヘッドを第1方向に移動させ、当該移
動する印刷ヘッドから当該第1方向と交差する第2方向に搬送される印刷媒体へインクを
吐出させることにより印刷を実現させる印刷制御装置であって、
指定された印刷モードにより、前記印刷媒体の前記第1方向において異なる複数の位置
にテストパターンを印刷させ、前記複数のテストパターンの測色結果に基づいて、画像を
補正するための補正値を前記複数の位置毎に取得し、前記指定された印刷モードにより、
印刷の対象となる入力画像を表現する画像データに基づく印刷を行う際に、当該画像デー
タに含まれる前記第1方向における位置が異なる各データに、前記第1方向における位置
が対応する前記補正値を適用して補正し、当該補正後の画像データに基づいて前記印刷媒
体に印刷をさせ、
前記第2方向における印刷解像度を第1の解像度とする印刷モードが前記指定された印
刷モードである場合に印刷する前記テストパターンの数よりも、前記第2方向における印
刷解像度を前記第1の解像度よりも高い第2の解像度とする印刷モードが前記指定された
印刷モードである場合に印刷する前記テストパターンの数を多くする。
本発明によれば、入力画像を表現する画像データは、前記第1方向における位置が異な
るデータ毎に、前記第1方向における位置が対応するテストパターンから取得された補正
値で補正される。そのため、前記第1方向における位置が異なるデータ毎に適切な補正が
なされ、入力画像の印刷結果において、前記第1方向の位置の違いによる濃度差(濃度ム
ラ)が抑制される。
また、前記構成によれば、前記第2方向における印刷解像度として前記第1の解像度を
採用する印刷モードと比較して、インクの濃度ムラが生じ易い(つまり前記第1方向の位
置の違いによる濃度ムラも視認されやすい)前記第2の解像度を採用する印刷モードが指
定される場合に、前記テストパターンの数を多くする。そのため、いずれの印刷モードが
指定される場合にも、的確に濃度ムラが抑制され、かつ、必要以上にテストパターンが印
刷されることが無い。
なお、前記印刷解像度を第1の解像度とする印刷モードの一例として、前記第2方向に
沿って前記第1の解像度に対応する密度で並ぶ複数のノズルを有する前記印刷ヘッドの前
記移動に伴い各ノズルからインクを吐出することにより前記第1方向を向き前記第2方向
に前記第1の解像度に対応する密度で並ぶ所定数のラスターラインを印刷する処理を、当
該所定数のラスターラインで構成されるバンド領域単位で繰り返す印刷モード(以下、バ
ンド印刷モードとも言う。)が該当し、前記印刷解像度を第2の解像度とする印刷モード
の一例として、前記第1方向を向き前記第2方向に前記第2の解像度に対応する密度で並
ぶ複数のラスターラインを前記複数のノズルのうちの共通のノズルで印刷する印刷モード
(以下、マイクロフィード印刷モードとも言う。)が該当する。
本発明の態様の一つは、印刷制御装置は、前記印刷媒体として普通紙を使用する印刷モ
ードが前記指定された印刷モードである場合に印刷する前記テストパターンの数よりも、
前記印刷媒体として光沢紙を使用する印刷モードが前記指定された印刷モードである場合
に印刷する前記テストパターンの数を多くする。
当該構成によれば、普通紙を使用する印刷モードと比較して、インクの濃度ムラが生じ
易い(つまり前記第1方向の位置の違いによる濃度ムラも視認されやすい)光沢紙を使用
する印刷モードが指定される場合に、前記テストパターンの数を多くする。そのため、い
ずれの印刷モードが指定される場合にも、的確に濃度ムラが抑制され、かつ、必要以上に
テストパターンが印刷されることが無い。
本発明の態様の一つは、印刷制御装置は、前記第1方向を向く1つのラスターラインを
前記印刷ヘッドが有する複数のノズルのうちの2つ以上のノズルで印刷する印刷モード(
以下、オーバーラップ印刷モードとも言う。)が前記指定された印刷モードである場合に
印刷する前記テストパターンの数よりも、前記1つのラスターラインを前記印刷ヘッドが
有する複数のノズルのうちの1つのノズルで印刷する印刷モード(以下、非オーバーラッ
プ印刷モードとも言う。)が前記指定された印刷モードである場合に印刷する前記テスト
パターンの数を多くする。
当該構成によれば、オーバーラップ印刷モードと比較して、インクの濃度ムラが生じ易
い(つまり前記第1方向の位置の違いによる濃度ムラも視認されやすい)非オーバーラッ
プ印刷モードが指定される場合に、前記テストパターンの数を多くする。そのため、いず
れの印刷モードが指定される場合にも、的確に濃度ムラが抑制され、かつ、必要以上にテ
ストパターンが印刷されることが無い。
本発明の態様の一つは、前記印刷ヘッドは、前記インクを吐出するノズルであって前記
第2方向に沿って第1の解像度に対応する密度で並ぶ複数のノズルを有し、印刷制御装置
は、前記第1方向を向き前記第1の解像度よりも高い解像度に対応する密度で前記第2方
向に並ぶ複数のラスターラインのそれぞれを前記複数のノズルのうちの異なるノズルで印
刷する印刷モード(以下、マイクロウィーブ印刷モードとも言う。)が前記指定された印
刷モードである場合に印刷する前記テストパターンの数よりも、前記第1方向を向き前記
第1の解像度よりも高い解像度に対応する密度で前記第2方向に並ぶ複数のラスターライ
ンを前記複数のノズルのうちの共通のノズルで印刷する印刷モード(マイクロフィード印
刷モード)が前記指定された印刷モードである場合に印刷する前記テストパターンの数を
多くする。
当該構成によれば、マイクロウィーブ印刷モードと比較して、インクの濃度ムラが生じ
易い(つまり前記第1方向の位置の違いによる濃度ムラも視認されやすい)マイクロフィ
ード印刷モードが指定される場合に、前記テストパターンの数を多くする。そのため、い
ずれの印刷モードが指定される場合にも、的確に濃度ムラが抑制され、かつ、必要以上に
テストパターンが印刷されることが無い。
本発明の態様の一つは、印刷制御装置は、前記テストパターンの印刷、前記補正の取得
および前記補正値によるデータの補正を、前記印刷ヘッドが吐出するインクの色毎にそれ
ぞれ実行する場合に、前記テストパターンの数をインクの色に応じて異ならせるとしても
よい。
当該構成によれば、インク色毎に必要な数だけのテストパターンを印刷することができ
る。
本発明の態様の一つは、前記テストパターンは1つ毎に、一定の階調値で表現される濃
度領域であって対応する階調値が異なる複数の濃度領域で構成され、印刷制御装置は、前
記指定された印刷モードの違いに応じて、前記テストパターンを構成する前記濃度領域の
数を異ならせるとしてもよい。
当該構成によれば、印刷モードの違いに応じて、テストパターンを構成する濃度領域の
数を増減させることで、消耗品の消費抑制に繋がる。
本発明の態様の一つは、印刷制御装置は、前記指定された印刷モードにより、前記第1
方向において異なる複数の位置に前記テストパターンを、前記印刷媒体の前記第1方向を
長手方向とし前記第2方向に並ぶ各単位領域に繰り返し印刷させ、前記複数の位置毎の補
正値を前記単位領域が異なる複数のテストパターンの測色結果に基づいて算出する場合に
、前記指定された印刷モードの違いに応じて、前記テストパターンを印刷する前記単位領
域の数を異ならせるとしてもよい。
当該構成によれば、印刷モードの違いに応じて、テストパターンが印刷される単位領域
の数を異ならせることで、印刷や測色に要する処理時間の抑制、消耗品の消費抑制に繋が
る。
本発明の技術的思想は、印刷制御装置という物の発明のみによって実現されるものでは
ない。例えば、印刷制御装置によって実現される処理工程を方法(印刷制御方法)の発明
として捉えることができる。また、このような方法をハードウェアに実行させるコンピュ
ータープログラム、さらには当該プログラムを記憶したコンピューター読み取り可能な記
憶媒体、等の各種カテゴリーにて本発明が実現されてもよい。
印刷装置の概略構成を例示するブロック図。 印刷ヘッドの構成等を簡易的に例示する図。 補正値取得処理を示すフローチャート。 印刷媒体に印刷された複数のテストパターンの一例を示す図。 複数のテストパターンから得られた測色値を例示する図。 1つのテストパターンの位置かつ1つのラスター番号に対応する濃度領域毎の測色値を例示する図。 1つのテストパターンの位置かつ1つのラスター番号に対応する補正テーブルを例示する図。 複数のテストパターンの位置毎かつラスター番号毎の補正値を例示する図。 補正を伴う印刷処理を示すフローチャート。 補正処理の詳細を示すフローチャート。 テストパターンが印刷されなかった位置に対応するデータのための補正値を補間する処理を説明する図。 第2(〜第8)実施形態にかかる補正値取得処理を示すフローチャート。 印刷媒体に印刷された複数のテストパターンの他の例を示す図。 バンド印刷モードによるノズルとドットとの対応関係を説明するための図。 MF印刷モードによるノズルとドットとの対応関係を説明するための図。 MW印刷モードによるノズルとドットとの対応関係を説明するための図。 印刷媒体の複数の単位領域に印刷された複数のテストパターンを例示する図。
本発明の実施形態を、以下の順序に従って説明する。
1.装置構成の概略
2.補正値の取得
3.補正を伴う印刷処理の流れ
4.他の実施形態
(第2実施形態)
(第3実施形態)
(第4実施形態)
(第5実施形態)
(第6実施形態)
(第7実施形態)
(第8実施形態)
1.装置構成の概略
図1は、本実施形態にかかる印刷装置10等の機能をブロック図により例示したもので
ある。印刷装置10は、例えば、プリンターや、プリンターの機能を含んだ複合機、等と
いった製品として把握される。印刷装置10が、印刷媒体への印刷を実際に行う印刷部6
0と、印刷部60の挙動を制御するための部(例えば、後述する制御部20)とを含む構
成であるとした場合、その全体あるいは一部を指して「印刷制御装置」と称することがで
きる。また、印刷装置(あるいは印刷制御装置)10を「画像処理装置」等と呼んでもよ
い。図1に示した各構成は、一箇所あるいは一筐体内に集約されている場合に限らず、そ
れら各構成が互いに離れた場所に存在し且つ通信可能な状態でいることで一システムを構
築していてもよい。例えば、印刷装置(あるいは印刷制御装置)10は、印刷媒体への印
刷を実際に行うプリンターと、当該プリンターの挙動を制御するためのコンピュータープ
ログラム(プリンタードライバー)を搭載して当該プリンターを制御する装置(パーソナ
ルコンピューター等)と、を含んで構成されるとしてもよい。
図1では、印刷装置10を、制御部20、通信インターフェイス(I/F)30、操作
入力部40、表示部50、印刷部60、スロット部70等を含む構成として例示している
。制御部20は、例えば、CPU、ROM、RAM等を有するICや、その他の記憶媒体
等により構成される。制御部20では、CPUが、ROMに保存されたプログラムに従っ
た演算処理を、RAMをワークエリアとして用いて実行することにより、様々な機能(例
えば、印刷制御部21、測色値取得部22、補正値取得部23、画像補正部24等)を実
現する。
操作入力部40は、ユーザーによる操作を受け付けるための各種ボタンやキー等を含む
。表示部50は、印刷装置10に関する各種情報を示すための部位であり、例えば、液晶
ディスプレイ(LCD)により構成される。操作入力部40の一部は、表示部50に表示
されたタッチパネルとして実現されるとしてもよい。
印刷部60は、画像を印刷媒体に印刷するための機構である。印刷部60が採用する印
刷方式がインクジェット方式である場合、印刷部60は、ノズルからインクを吐出する印
刷ヘッド62、印刷ヘッド62を第1方向(主走査方向)に沿って移動させるキャリッジ
61、第1方向と交差する第2方向(副走査方向あるいは搬送方向)へ印刷媒体を搬送す
る搬送部63等の構成を有する。印刷ヘッド62は、複数種類のインク(例えば、シアン
(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インク、ブラック(K)インク、
等)毎の不図示のインクカートリッジから各種インクの供給を受ける。印刷ヘッド62は
、各種インクに対応して設けられた複数のノズルからインク滴を噴射(吐出)可能である
。吐出されたインク滴が印刷媒体に着弾することで印刷媒体にドットが形成される。「ド
ット」とは、基本的には印刷媒体に着弾したインク滴を指すが、印刷媒体に着弾する前の
インク滴についても便宜上ドットと表現することがある。印刷部60が使用する液体の具
体的な種類や数は上述したものに限られず、例えば、ライトシアン、ライトマゼンダ、オ
レンジ、グリーン、グレー、ライトグレー、ホワイト、メタリック…等、種々のインクや
液体を使用可能である。
印刷ヘッド62はキャリッジ61による前記移動に伴って印刷媒体へインクを吐出する
ことにより印刷を実現する。前記移動に伴って印刷ヘッド62がインクを吐出する処理を
「主走査」あるいは「パス」とも呼ぶ。上述の「交差」とは、基本的に直交を指す。ただ
し本明細書において、各構成の方向や位置等について、直交、等間隔、平行、等と表現し
た場合であっても、それらは厳密な直交、等間隔、平行のみを意味するのではなく、製品
性能上許容される程度の誤差や製品製造時に生じ得る程度の誤差も含む意味である。
搬送部63は、印刷媒体を支持して搬送するためのローラーや、当該ローラーを回転さ
せるためのモーター等を含んでいる。印刷媒体は、代表的には紙である。ただし、本実施
形態は、液体を記録可能であって搬送部63により搬送可能な素材であれば、紙以外の素
材も印刷媒体の概念に含める。
通信I/F30は、印刷装置10を外部機器100と有線あるいは無線にて接続するた
めのインターフェイスの総称である。外部機器100としては、例えば、スマートフォン
、タブレット型端末、デジタルスチルカメラ、パーソナルコンピューター(PC)等、印
刷装置10にとって画像データの入力元となる様々な機器が該当する。印刷装置10は、
通信I/F30を介して外部機器100と、例えば、USBケーブル、有線ネットワーク
、無線LAN、電子メール通信等の様々な手段や通信規格により接続可能である。
スロット部70は、メモリーカード等の外部の記憶媒体を挿入するための部位である。
つまり印刷装置10は、スロット部70に挿入されたメモリーカード等の外部の記憶媒体
から、当該記憶媒体に記憶されている画像データを入力することも可能である。
さらに印刷装置10は、測色部80を有していたり、外部の測色部80と通信可能であ
る。測色部80とは、印刷媒体を測色するための機器や部位の総称である。例えば、測色
部80は、専用の測色器であったり、対象を光学的に読み取って画像データを生成するス
キャナーであったりする。印刷装置10は、プリンター(印刷部60等)および測色部8
0としてのスキャナーを含んだ複合機であるとしてもよい。また、測色部80は、キャリ
ッジ61に搭載されて印刷ヘッド62と共に移動する撮像素子(エリアセンサーあるいは
ラインセンサー等)であってもよい。
図2は、印刷ヘッド62の構成等を簡易的に例示している。図2の左側には、印刷ヘッ
ド62のインク吐出面62aにおけるノズルNzの配列を例示している。インク吐出面6
2aとは、ノズルNzが開口する面であり、印刷ヘッド62が主走査方向に移動するとき
印刷媒体Gと相対する面である。印刷ヘッド62は、吐出するインク(例えばC,M,Y
,Kインク)毎のノズル列NLを有している。ノズル列NLとは、ノズルNzが搬送方向
に沿って等間隔で並ぶ列であり、図2の例では、ノズル列NLが4列平行に設けられてい
る。1色のインクは、1つのノズル列NLによって吐出される以外にも、例えば、互いに
搬送方向にずれて配設された複数のノズル列NLによって吐出されるとしてもよい。
図2では、印刷ヘッド62が、ホーム位置HPに静止している場合を例示している。ホ
ーム位置HPとは、印刷ヘッド62がキャリッジ61によって主走査方向に沿って移動可
能な範囲の両端のうち一端側近傍の位置である。また、図2では、印刷ヘッド62がキャ
リッジ61によって主走査方向に沿って移動可能な範囲のうち他端、つまりホーム位置H
Pから最も遠い位置を、フル桁位置FPと称して例示している。印刷ヘッド62は、ホー
ム位置HP側からフル桁位置FP側へ向かうパス(往路のパス)や、フル桁位置FP側か
らホーム位置HP側へ向かうパス(復路のパス)によって、印刷媒体Gへのインク吐出を
行う。ホーム位置HPには、図示を省略しているが、インク吐出面62aの乾燥を防ぐた
めのキャップや、印刷ヘッド62の回復動作(ノズルNzの詰まり等を解消するためのフ
ラッシング)時に吐出されるインクを受けるための受け部材等が配設されている。
このようにホーム位置HP〜フル桁位置FP間を移動しながらインク吐出を行う印刷ヘ
ッド62を用いる印刷においては、ホーム位置HP側とフル桁位置FP側とで、吐出され
るインク滴の粘度が異なる場合がある。例えば、1回の往路のパスを想定したとき、移動
開始直後に吐出されるインク滴と比較して、移動終盤に吐出されるインク滴は、印刷ヘッ
ド62の移動中の乾燥(ノズルNzからの水分の蒸発)に起因して粘度が上昇する傾向が
ある。このような粘度の相違は、ノズルNzから吐出されるインク滴あたりのインク量や
形状に違いを生じさせる。また、搬送部63によって搬送される印刷媒体Gは、常に真っ
直ぐ搬送されている訳ではなく、搬送部63に特有の癖に応じて、その都度、微妙に傾い
て(つまり蛇行して)搬送されることがある。また、印刷媒体Gが一定の単位領域毎に複
数回のパスで印刷される場合、パスとパスとの間の乾燥時間(先のパスでインクが吐出さ
れて後のパスでインクが吐出されるまでの時間)が、ホーム位置HP側とフル桁位置FP
側とで異なることがある。
このようなホーム位置HP側とフル桁位置FP側との様々な条件の違い(吐出されるイ
ンク滴の粘度の違い、印刷媒体Gの蛇行によるインク滴の着弾位置の狂い、乾燥時間の違
い、等)は、ホーム位置HP〜フル桁位置FP間での印刷結果の濃度のばらつき、つまり
主走査方向における異なる位置間での濃度ムラを生む。また、このような種々の条件の違
いに起因する当該濃度ムラは、ホーム位置HPとフル桁位置FPとの距離が大きくなるほ
ど、つまり印刷装置10が大型化するほどに顕著化する。本実施形態は、このような主走
査方向における異なる位置間での濃度ムラを抑制するために、以下に述べるような処理を
行う。
2.補正値の取得
図3は、補正値取得処理をフローチャートにより示している。補正値とは、上述した濃
度ムラを抑制するために画像に適用する補正値である。
ステップS100では、印刷制御部21は、画像データの一種であるテストパターンデ
ータに基づいて、印刷媒体の主走査方向において異なる複数の位置にテストパターンTP
を印刷させる。テストパターンデータは、2次元座標(X‐Y座標)上に配置された各画
素がCMYKの各インクの濃度に相当する階調値(例えば、0〜255の256階調)を
有するビットマップデータであり、予め用意されている。言い換えると、テストパターン
データは、主走査方向に対応する座標軸方向(X方向)において離れて位置する複数の同
じテストパターンTPを表現した画像データである。印刷制御部21は、テストパターン
データを、例えば、外部機器100や、スロット部70に挿入された外部の記憶媒体から
入力することが可能である。
当該ステップS100では、印刷制御部21が、テストパターンデータに、ハーフトー
ン処理(ハーフトーニング)を施す。ハーフトーン処理の具体的手法は特に問わない。印
刷制御部21は、例えば、予め規定されたディザマスクを用いたディザリングによりハー
フトーン処理を実行してもよいし、誤差拡散法によりハーフトーン処理を実行してもよい
。ハーフトーン処理により、画素毎にCMYKの各インクの吐出(ドット形成)又は非吐
出(ドット非形成)を規定したハーフトーンデータが生成される。ハーフトーンデータを
、印刷データとも呼ぶ。印刷制御部21は、生成した印刷データを、印刷ヘッド62に転
送すべき順に並べ替える。当該並べ替えの処理により、印刷データが規定するインクのド
ットは、その画素位置およびインク色に応じて、いずれのノズルによって、どのパスにお
けるどのタイミングで吐出されるかが確定される。かかる並べ替えの処理後の印刷データ
を、印刷制御部21は、印刷部60へ送信する。これにより、印刷部60において、当該
送信された印刷データに基づくテストパターンTPの印刷が行われる。
図4は、ステップS100において印刷媒体Gに印刷された複数のテストパターンTP
を例示している。図4に示した複数のテストパターンTPは、共通の単位領域BD内にお
いて主走査方向に沿って互いに離れて印刷されており、いずれも印刷部60が使用する複
数のインクのうち1色のインク(例えば、Cインク)で印刷された単色のパターンである
。図4の例では、ホーム位置HP側の印刷媒体Gの端部にテストパターンTPhが印刷さ
れ、フル桁位置FP側の印刷媒体Gの端部にテストパターンTPfが印刷され、これら両
端部に挿まれた中央位置(ただし正確な中央位置でなくてもよい。)にテストパターンT
Pcが印刷された場合を示している。
各テストパターンTPはいずれも同様に、複数の異なる濃度領域D1,D2,D3,D
4…の集合として構成されている。複数の濃度領域D1,D2,D3,D4…は、テスト
パターンデータにおいて、階調値0(最低濃度)から階調値255(最高濃度)の間の所
定間隔の複数の階調値C1,C2,C3,C4…のうちのいずれか(一定の階調値)で表
現された領域であり、互いに異なる階調値で表現された領域である。より詳細には、1つ
のテストパターンTPを構成する複数の濃度領域D1,D2,D3,D4は、いずれも単
位領域BDの短手方向の幅に亘って形成されており、かつ、単位領域BDの長手方向に沿
って並んでいる。
単位領域BDとは、印刷媒体G内の領域を搬送方向に分割した場合に把握される主走査
方向を長手方向とする帯状の領域である。本実施形態では、印刷媒体Gに対するノズルの
使用パターンが共通する領域それぞれを、単位領域BDと定義する。
“ノズルの使用パターン”とは、ラスターラインとドット形成に用いられるノズルとの
対応関係を意味する。ラスターラインとは、画像データの一部であって画素が前記X方向
に並んだ領域(画素列)、あるいは、このような画素列に基づいて印刷媒体に印刷された
ドットの列(ドット列)を指す。図4では、破線枠Rにて1つのラスターラインに相当す
る領域を示している。単位領域BDに印刷される画像は、このようなラスターラインの束
(複数のラスターラインを搬送方向に並べてなる束)である。
ここで、1つの単位領域BDに印刷される画像を構成するラスターラインの数がN(N
は1より大きい自然数)であると仮定する。そして、単位領域BD毎に、それぞれのN本
のラスターラインに対して、搬送方向の前方から後方に向かって順番に1,2,3…とい
うように番号(ラスター番号)を付すとする。また、印刷ヘッド62が有する1つのイン
ク色に対応するノズル列NL(図2参照)を構成するノズルNzの数がQ(Qは1より大
きい自然数)であると仮定する。そして、当該1つのインク色に対応するノズル列NLを
構成するQ個のノズルNzに対して、搬送方向の前方から後方に向かって順番に1,2,
3…というように番号(ノズル番号)を付すとする。上述したように、単位領域BD内で
のノズルの使用パターンがいずれの単位領域BDでも同じとは、ラスター番号とノズル番
号との対応関係がいずれの単位領域BDでも同じであることを指す。つまり、いずれの単
位領域BD内においても、ある共通のラスター番号n(nは1以上かつN以下の自然数)
のラスターラインの印刷に使用されるノズルは同じノズルである。
ラスター番号nのラスターラインの印刷に使用されるノズルがいずれの単位領域BDで
も同じと言っても、1つのラスターラインの印刷に使用されるノズル数が1つであるか複
数であるかは、印刷部60が採用する印刷方法によって異なる。
例えば、最も単純に前記Q=Nとし、ノズル列の1回のパスで1つの単位領域BDに対
応する全てのラスターラインを印刷する(バンド印刷する)ことができる。この場合、ラ
スター番号=ノズル番号となり、1つのラスターラインの印刷に使用されるノズル数は1
である。バンド印刷では、搬送方向の印刷解像度(1インチあたりのドット数(dpi)
)、つまり搬送方向におけるラスターラインの密度は、ノズル列におけるノズル解像度(
1インチあたりのノズル数(npi)、ノズル密度とも言う。)に等しい。
また、印刷部60が、バンド印刷よりも搬送方向の印刷解像度を高解像度化して印刷を
行う場合、インターレース方式の印刷方法が採用される。インターレース方式の印刷方法
においては、概略的には、1度のパスで印刷されたラスターラインとラスターラインとの
間を次のパスにより新たなラスターラインで埋めるといった印刷が実行される。インター
レース方式の印刷方法によれば、単位領域BD内で必ずしもラスター番号=ノズル番号と
はならないが、基本的には1つのラスターラインの印刷に使用されるノズル数は1である
。インターレース方式の印刷方法の概念には、マイクロフィード(MF)印刷や、マイク
ロウィーブ(MW)印刷が含まれる。
また、印刷部60は、1つのラスターラインを複数回のパス、つまり複数のノズルで印
刷するオーバーラップ(OL)印刷を採用可能である。OL印刷においては、1つのラス
ターラインを複数のノズルで印刷する際のノズルの使用順も画質に影響を与える一要素と
なる。そのため、上述した“ノズルの使用パターン”の概念には、ノズルの使用順も含ま
れる。例えば、ラスター番号n=n1のラスターラインの印刷に使用されるノズルが、ノ
ズル列に含まれるノズルのうち特定の2つのノズルである場合、いずれの単位領域BDに
おいても、ラスター番号n=n1のラスターラインを印刷する際の当該特定の2つのノズ
ル間での使用順は共通となる。なお、1つのラスターラインを1回のパス、つまり1つの
ノズルで印刷する処理を、OL印刷に対して、非OL印刷とも呼ぶ。
ステップS110では、測色値取得部22が、ステップS100で印刷されたテストパ
ターンTPの測色値を取得する。つまり、印刷媒体Gに印刷された複数のテストパターン
TPを測色部80が測色し、測色結果を測色部80から入力する。例えば、測色部80は
、各テストパターンTPを所定の読取頻度(テストパターンTPの搬送方向における印刷
解像度に相当する読取頻度)で測色する。測色値取得部22が測色部80から入力する測
色値が採用する表色系は、特に限定されない。測色値取得部22は、例えば、国際照明委
員会(CIE)で規定されたCIE L*a*b*色空間のL*,a*,b*成分で表される色
彩値を測色部80から測色値として入力したり、スキャナーとしての測色部80からRG
B(レッド、グリーン、ブルー)成分で表される画像データを測色値として入力したりす
る。ステップS110で取得した複数のテストパターンTPの測色値を、便宜上、測色値
Vと呼ぶ。測色値Vは、測色部80から入力した情報そのもの(例えば、明度L*)であ
ったり、測色部80から入力した情報から算出した値(例えば、RGB成分を重み付け加
算して得た値)であったりする。測色値Vは、例えば制御部20における所定の記憶領域
に一旦保存される。
図5は、図4に示した1色のインク(Cインク)による複数のテストパターンTPから
得られた測色値Vをグラフにより例示している。具体的には、5‐Aのグラフは、ホーム
位置HP側の端部に印刷されたテストパターンTPhから得られた測色値Vを示し、5‐
Bのグラフは、中央位置に印刷されたテストパターンTPcから得られた測色値Vを示し
、5‐Cのグラフは、フル桁位置FP側の端部に印刷されたテストパターンTPfから得
られた測色値Vを示している。これら5‐A,5‐B,5‐Cのグラフはいずれも、縦軸
を測色値V、横軸を位置(ラスター番号n)としている。これらグラフのいずれにおいて
も、ラスター番号n(1〜N)毎に、濃度領域D1,D2,D3,D4毎の測色値V1,
V2,V3,V4(濃度領域D1,D2,D3,D4毎の、測色値Vの平均値)が示され
ている。
5‐A,5‐B,5‐Cのグラフがそれぞれ示すように、測色値V1,V2,V3,V
4がラスター番号n毎にばらついているのは、ラスターライン毎に、印刷に用いられるノ
ズルの特性が微妙に異なるためである。また、5‐A,5‐B,5‐Cのグラフ間での測
色値Vのずれは、上述したような主走査方向における異なる位置間での濃度ムラによるも
のである。
ステップS120では、補正値取得部23が、ステップS110で取得された測色値V
に基づいて、画像を補正するための補正値を、前記印刷された複数のテストパターンTP
(TPh,TPc,TPf)の位置毎に算出する。
ここでは例として、テストパターンTPhの測色値Vに基づいて、当該テストパターン
TPhが印刷された位置(以下、第1位置)に対応する補正値を算出する処理を説明する
補正値の算出にあたり、補正値取得部23は、補正ターゲット値TGを取得する。補正
ターゲット値TGとは、濃度領域D1,D2,D3,D4それぞれについての理想的な測
色値の一種である。補正ターゲット値TGは、設計上の標準機としてのプリンターに予め
印刷させたテストパターンTPの測色結果から得られた値であってもよい。また、補正タ
ーゲット値TGは、ステップS110で取得された測色値Vから算出した値であってもよ
い。ステップS110で取得された測色値Vから補正ターゲット値TGを算出する場合、
補正値取得部23は、全てのテストパターンTP(TPh,TPc,TPf)の測色値V
から濃度領域D1,D2,D3,D4別の平均値を算出する。つまり、全てのテストパタ
ーンが印刷された位置および全てのラスター番号n(1〜N)の位置を対象とした測色値
V1,V2,V3,V4毎の平均値を算出し、これら算出した測色値V1,V2,V3,
V4毎の平均値を、濃度領域D1,D2,D3,D4毎の補正ターゲット値TGとする。
次に、補正値取得部23は、補正ターゲット値TGとテストパターンTPhの測色値V
との比較に応じて、第1位置に対応する、ラスター番号n毎の補正値を算出する。
図6は、一例として、テストパターンTPhの測色値Vであって、ラスター番号n=n
1に対応する測色値V1,V2,V3,V4を、白丸でプロットしている。図6の横軸に
示した階調値C1,C2,C3,C4は、テストパターンTPを構成する濃度領域D1,
D2,D3,D4毎の階調値である。また、図6では、このような測色値V1,V2,V
3,V4を補間して得られる直線(あるいは曲線でも可)を実線F1にて例示している。
ここで、図6に示すように、濃度領域D2(階調値C2)に対応する測色値Vが測色値
V2である一方、濃度領域D2(階調値C2)に対応する補正ターゲット値TGが「TG
2」であるとする(TG2については図5も参照のこと)。この場合、補正値取得部23
は、印刷部60が補正ターゲット値TG2と同等の色彩を実現するために必要なCインク
の階調値を、階調値C2の補正後の値として特定する。具体的には、補正ターゲット値T
G2を前記実線F1上で実現するための階調値C2´が、階調値C2の補正後の値となる
。補正値取得部23は、このような階調値の補正関係を、全ての濃度領域D1,D2,D
3,D4の階調値C1,C2,C3,C4について特定し、さらに、これら階調値C1,
C2,C3,C4毎に特定した補正関係を、全階調0〜255に亘って補間する。
図7は、このような補間で得られた直線(あるいは曲線でも可)を実線F2にて例示し
ている。実線F2は、第1位置に対応する、ラスター番号n=n1のCインクのための補
正テーブルに該当する。当該補正テーブルは、全階調0〜255に亘る階調値(入力階調
値)と、補正後の階調値(出力階調値)とを対応付けたテーブルあるいは関数である。補
正値取得部23は、このような補正テーブルから、全ての入力階調値について補正値(=
出力階調値/入力階調値)を算出する。むろん、補正値取得部23は、ラスター番号n1
を含む全てのラスター番号1〜Nそれぞれについて、これまで図6,7で説明した処理と
同様に補正値を算出する。
この結果、第1位置に対応する、ラスター番号n=1〜N毎の、Cインクの濃度補正の
ための全入力階調値(0〜255)分の補正値が得られた。
ステップS130では、補正値取得部23は、このようにステップS120で算出した
第1位置に対応する補正値を、第1位置の情報に紐づけて、例えば制御部20における所
定の記憶領域に記憶する。当該記憶に際しては、第1位置を主走査方向における位置のみ
で特定すればよい。具体的には、補正値取得部23は、第1位置に印刷されたテストパタ
ーンTPhを画像の一部として表現するテストパターンデータ内における、テストパター
ンTPhに該当する画像領域の所定位置(例えば中心位置)のX座標を、第1位置として
把握し、このX座標(例えば、X=x1)の情報に、前記取得した第1位置に対応する補
正値を紐づけて記憶する。
補正値取得部23は、同様に、前記印刷されたテストパターンTPcの測色値Vと補正
ターゲット値TGとの比較に基づいて、当該テストパターンTPcが印刷された位置(以
下、第2位置)に対応する補正値(ラスター番号n=1〜N毎の、Cインクの濃度補正の
ための全入力階調値(0〜255)分の補正値)を算出する(ステップS120)。そし
て、このように取得した第2位置に対応する補正値を、第2位置(例えば、X=x2)の
情報に紐づけて所定の記憶領域に記憶する(ステップS130)。
補正値取得部23は、同様に、前記印刷されたテストパターンTPfの測色値Vと補正
ターゲット値TGとの比較に基づいて、当該テストパターンTPfが印刷された位置(以
下、第3位置)に対応する補正値(ラスター番号n=1〜N毎の、Cインクの濃度補正の
ための全入力階調値(0〜255)分の補正値)を算出する(ステップS120)。そし
て、このように取得した第3位置に対応する補正値を、第3位置(例えば、X=x3)の
情報に紐づけて所定の記憶領域に記憶する(ステップS130)。
なお、いずれのテストパターンTPh,TPc,TPfの測色値Vとの比較においても
、濃度領域D1,D2,D3,D4毎の補正ターゲット値TGは同じものを使用する。ま
た、第2位置(X=x2)、第3位置(X=x3)それぞれを特定する手法は、第1位置
(X=x1)を特定する手法を準用する。
図8は、ステップS130の結果記憶された、Cインクの濃度補正のための補正値を例
示している。つまり、図3のステップS100〜S130により、ラスター番号n(1〜
N)毎、かつ、複数のテストパターンTPの位置(第1位置、第2位置、第3位置)毎の
補正値0〜255が得られる。なお、補正値0〜255とは、0〜255までの全入力階
調値分の補正値をまとめた表記である。
また、図8に例示したような、ラスター番号n(1〜N)毎、かつ、複数のテストパタ
ーンTPの位置(第1位置、第2位置、第3位置)毎の補正値0〜255は、印刷部60
が使用する全てのインク毎について同様に取得され、記憶される。つまり、Cインク以外
のM,Y,Kインクそれぞれについても同様に、図4に例示したような1つ1つが複数の
濃度領域を有するテストパターンTPが複数印刷され(ステップS100)、それら複数
のテストパターンTPの測色値に基づいて補正値が取得される(ステップS110〜S1
30)。このようなインク色毎のテストパターンTPの印刷(ステップS100)は、イ
ンク色毎にページを切り替えて(つまり複数枚の印刷媒体を使用して)印刷してもよいし
、各インク色のテストパターンTPを1枚の印刷媒体にまとめて印刷してもよい。各イン
ク色のテストパターンTPを1枚の印刷媒体にまとめて印刷する場合、例えば、Cインク
のテストパターンTP、MインクのテストパターンTP、YインクのテストパターンTP
、KインクのテストパターンTP、を主走査方向に連続して並べた一まとまりのパターン
を、主走査方向において離れた複数位置に印刷するとしてもよい。また、例えば、1枚の
印刷媒体内の異なる単位領域BDに、異なるインク色による複数のテストパターンTPを
印刷するとしてもよい。
3.補正を伴う印刷処理の流れ
図9は、ユーザーが任意に選択した画像を印刷装置10が印刷する処理をフローチャー
トにより示している。当該印刷処理は、前記のように取得(ステップS130で記憶)さ
れた補正値を用いた補正処理を伴う。
ステップS200では、印刷制御部21は、ユーザーによって任意に選択された画像デ
ータを所定の入力元から取得する。つまりユーザーは、表示部50等に表示されたユーザ
ーインターフェース画面(UI画面)を視認しながら操作入力部40等を操作することに
より、印刷の対象とする画像(入力画像)を表現した画像データを任意に選択することが
できる。印刷制御部21は、選択された入力画像の画像データを、例えば、外部機器10
0や、スロット部70に挿入された外部の記憶媒体から入力することが可能である。
ステップS200で取得される画像データは、テストパターンデータと同様に、2次元
座標(X‐Y座標)上に配置された複数の画素を有するビットマップデータであり、例え
ば、画素毎にRGBの階調値(例えば、0〜255の256階調)を有する。また、印刷
制御部21は、取得した画像データがこのようなRGB表色系に対応していない場合、取
得した画像データを当該表色系のデータへ変換する。さらに、印刷制御部21は、画像デ
ータに対して、印刷部60が採用する印刷解像度(主走査方向および搬送方向の印刷解像
度)に合わせるための解像度変換処理などを適宜施する。
ステップS210では、印刷制御部21は、ステップS200後の画像データを対象と
して色変換処理を実行する。つまり、画像データの表色系を、印刷部60が印刷に使用す
るインク表色系に変換する。上述したように画像データが各画素の色をRGBで階調表現
する場合、画素毎にRGBの階調値をCMYK毎の階調値に変換する。色変換処理は、R
GBからCMYKへの変換関係を規定した任意の色変換ルックアップテーブル(色変換L
UT)を参照することにより実行可能である。
ステップS220では、画像補正部24は、ステップS210で得られた色変換後の画
像データを、前記補正値を用いて補正する。
図10は、ステップS220における補正処理の詳細をフローチャートにより示してい
る。画像補正部24は、画像データを構成する複数の画素から補正対象とする画素を1つ
選択する(ステップS221)。次に、画像補正部24は、現在の補正対象の画素が有す
るCMYK毎の階調値から、補正対象とするインク色の階調値を1つ選択する(ステップ
S222)。次に、画像補正部24は、現在の補正対象としている階調値に対応する補正
値を、前記所定の記憶領域から読み出し、当該読み出した補正値により現在の補正対象と
している階調値を補正する(ステップS223)。
ステップS223において、読み出す“現在の補正対象としている階調値に対応する補
正値”とは、位置およびインク色が対応している補正値である。
例えば、ステップS221で、Y座標の値がラスター番号n=n1に該当する値であり
、X座標の値が第1位置(X=x1)に該当する値である画素が選択され、ステップS2
22で、当該画素のCインクの階調値(例えば、階調値=50)が選択されたと仮定する
。この場合、ステップS223では、Cインクについての、ラスター番号n=n1かつ第
1位置に対応する、入力階調値=50の補正のための補正値を読み出す。むろん、X座標
の値が第2位置(X=x2)に該当する画素を補正対象とする場合は、第2位置に対応す
る補正値を読み出し、X座標の値が第3位置(X=x3)に該当する画素を補正対象とす
る場合は、第3位置に対応する補正値を読み出す。
“Y座標の値がラスター番号n=n1に該当する”とは、例えば、単位領域BDを構成
するラスターラインの総数(前記N)が100であれば、各単位領域BDのn1番目のラ
スターライン(画像データ全体では、n1番目のラスターライン、100+n1番目のラ
スターライン、200+n1番目のラスターライン、300+n1番目のラスターライン
…)に相当するいずれかの画素列に属することを意味する。
このようなステップS223の処理により、画像データは、主走査方向(X方向)にお
ける位置が異なる各データに、主走査方向(X方向)における位置が対応する前記補正値
が適用されて補正される。ただし、図3のフローチャートの説明から判るように、補正値
は、主走査方向(X方向)における全ての位置に対応して取得されている訳ではない。そ
のため、画像補正部24は、ステップS223では、主走査方向(X方向)におけるテス
トパターンTPが印刷されなかった位置に対応するデータに対しては、近傍の位置に対応
する補正値に基づいて算出した補正値を適用して補正する。
“主走査方向(X方向)におけるテストパターンTPが印刷されなかった位置に対応す
るデータ”とは、前記の具体例によれば、X座標の値が第1位置、第2位置、第3位置、
のいずれにも該当しない画素を意味する。画像補正部24は、例えば、X座標が第1位置
と第2位置との間に位置する画素についての補正値は、第1位置に対応する補正値と、第
2位置に対応する補正値とに基づく補間により生成する。また、X座標が第2位置と第3
位置との間に位置する画素についての補正値は、第2位置に対応する補正値と、第3位置
に対応する補正値とに基づく補間により生成する。
図11は、このような補正値の補間を説明するための図である。図11では、ラスター
番号n=n1に該当する画素列の一部を示しており、当該画素列に含まれる画素P(X=
xP)の階調値が補正対象とされているとする。当該画素PのX座標(xP)は、第1位
置(X=x1)と第2位置(X=x2)との間に在る。このような場合、画像補正部24
は、例えば、画素Pと第1位置との距離L1および画素Pと第2位置との距離L2に応じ
た加重平均により、画素Pの階調値の補正のための補正値を補間する。つまり、距離L1
に応じた重み係数をラスター番号n=n1かつ第1位置に対応する補正値に乗算し、距離
L2に応じた重み係数をラスター番号n=n1かつ第2位置に対応する補正値に乗算し、
それらを加算した値を補間された補正値とする。前記距離に応じた重み係数は、距離が短
い程、大きな値とする。また、このような補間に用いる重み係数の総和は1とする。むろ
ん、このような補間に用いる補正値は、対応するインク色および入力階調値が、そのとき
補正対象としている画素Pのインク色および階調値に一致するものである。
上述したステップS223における補正値の補間の具体的手法は、加重平均に限定され
ず、他の補間方法が採用されてもよい。なお、ステップS223では、第1位置よりもホ
ーム位置HP側に位置する画素については、補正値を補間により得ることができないため
、第1位置に対応する補正値をそのまま適用する。同様に、第3位置よりもフル桁位置F
P側に位置する画素については、補正値を補間により得ることができないため、第3位置
に対応する補正値をそのまま適用する。
画像補正部24は、補正対象とした画素が有する全インク色CMYKの階調値について
ステップS223の補正を終えたか否か判定し(ステップS224)、補正を終えていな
いインク色がある場合には、ステップS222へ戻り、未補正のインク色にかかる階調値
を新たに選択する。一方、全インク色CMYKの階調値についてステップS223の補正
を終えた場合には、ステップS225へ進む。ステップS225では、画像補正部24は
、画像データを構成する全画素について補正を終えたか否か判定し、補正を終えていない
画素がある場合には、ステップS221へ戻り、未補正の画素を新たに選択する。一方、
全画素の補正を終えた場合には、当該補正処理(図9のステップS220)を終える。
ステップS230では、印刷制御部21は、上述の補正処理後の画像データに、ハーフ
トーン処理を施し、ハーフトーンデータ(印刷データ)を生成する。
ステップS240では、印刷制御部21は、ステップS230により生成された印刷デ
ータについて上述の並べ替えの処理を行い、並べ替えの処理後の印刷データを印刷部60
へ送信する(出力処理)。これにより、印刷部60により、当該送信された印刷データに
基づく入力画像(前記補正が施された後の入力画像)の印刷が行われる。
このように本実施形態によれば、テストパターンTPの測色結果からラスターライン毎
に取得された補正値により、入力画像を表現する画像データは、ラスターライン毎にイン
クの濃度が補正される。そのため、ラスターライン間での濃度ムラが抑制され、画質が向
上した印刷結果が得られる。また、上述したように主走査方向(ラスターラインの長手方
向)において異なる複数の位置にそれぞれ印刷したテストパターンTPの測色結果に基づ
いて、前記補正値を当該複数の位置毎に取得し、入力画像を表現する画像データを補正す
る際に、主走査方向における位置が異なる各データに、主走査方向における位置が対応す
る前記補正値を適用するとした。そのため、入力画像を表現する画像データは、ラスター
ライン単位で、かつ、ラスターライン内での位置の違いに応じたきめ細かな補正が施され
、結果的に、主走査方向における異なる位置間での濃度ムラも抑制される。
本実施形態による効果の一つとして、テストパターンTPの印刷に使用されるインクの
消費量を抑えるという点も挙げられる。つまり、印刷媒体上において主走査方向の全範囲
に亘ってテストパターンTPを印刷するのではなく、飛び飛びに複数のテストパターンT
Pを印刷することで、インクの消費を抑えることができる。
また、仮に印刷媒体上において主走査方向の全範囲に亘ってテストパターンTPを印刷
するとした場合、テストパターンTPの測色に要する手間が大きくなる。特に、印刷装置
10がいわゆる大型プリンターであり、例えばA2サイズの用紙を印刷に使用する場合、
そのような大きなサイズの用紙に主走査方向の幅一杯に印刷されたテストパターンTPを
測色部80で測色することは、大きな手間であったり、時には、スキャナーのサイズ等か
ら測色不能であったりする。本実施形態では、1つ1つは比較的小さな画像であるテスト
パターンTPを印刷媒体に複数印刷するものであるから、テストパターンTPを測色する
手間や負担が比較的少ないと言える。また、上述したように画像データを補正する際、主
走査方向におけるテストパターンTPが印刷されなかった位置に対応するデータに対して
は、近傍の位置に対応する補正値(テストパターンTPの測色結果から取得された補正値
)に基づいて補間した補正値を適用することから、主走査方向の全範囲に亘ってテストパ
ターンTPを印刷せずとも、主走査方向における異なる位置間での濃度ムラを的確に抑制
することができる。
図9のフローチャートの説明においては、補正値による補正対象は、色変換処理(ステ
ップS210)後の画像データの各画素が有するインク色毎の階調値であるとした。しか
し、補正値による補正対象は、このような階調値に限定されない。例えば、色変換処理に
際して参照される色変換LUTが補正されてもよい。つまり、色変換LUTが規定する変
換後の値(CMYK)自体をインク色毎かつ階調値毎の補正値で補正してもよい。また、
色変換処理(ステップS210)前の画像データの各画素が有するRGB毎の階調値を、
補正値に応じて増減させるとしてもよい。この場合、上述したような補正値をRGBにそ
のまま適用することはできないが、RGBの増減とそれに応じたCMYKの増減との関係
を考慮した所定の係数や計算式を用いることで、補正値により間接的にRGBを補正する
ことができる。
4.他の実施形態
本発明は上述の実施形態(第1実施形態と呼ぶ。)に限られるものではなく、その要旨
を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば後述す
るような実施形態を採用可能である。各実施形態を適宜組み合わせた構成も本発明の開示
範囲に入る。以下の実施形態の説明においては、第1実施形態と共通の事項は説明を適宜
省略する。
(第2実施形態)
印刷装置10は様々な印刷モードにて印刷を実行可能である。つまり、ユーザーは、表
示部50等に表示されたUI画面を視認しながら操作入力部40等を操作することにより
、テストパターンおよび入力画像を印刷させる際の印刷モードを、印刷装置10が対応可
能な範囲内で任意に指定することができる。以下では、テストパターンおよび入力画像を
印刷させる際の印刷モードとして指定された印刷モードを、指定印刷モードと呼ぶ。
印刷モードとしては、例えば上述したような、バンド印刷を実行するバンド印刷モード
、MF印刷を実行するMF印刷モード、MW印刷を実行するMW印刷モード、OL印刷を
実行するOL印刷モード、等が該当する。このような各印刷モードは、それぞれが実現す
る画質や印刷時間の長短が異なると言える。例えば、ユーザーがUI画面に表示された「
きれい」、「ふつう」、「はやい」等といった複数のメニューの中から任意にメニューを
選択することにより、選択したメニューに対応する印刷モード(例えば、「きれい」なら
OL印刷モード、「はやい」ならバンド印刷モード、等)が指定される。また、ユーザー
が印刷に使用する印刷媒体(例えば、普通紙、光沢紙等)を指定することも、印刷モード
の指定に該当する。
図12は、第2実施形態にかかる補正値取得処理をフローチャートにより示している。
ステップS300では、制御部20は、指定印刷モードに対応するテストパターン数(
2以上の自然数)を決定する。印刷モードとテストパターン数との対応関係は予め定めら
れており、制御部20は、当該対応関係に応じて、指定印刷モードに対応するテストパタ
ーン数を決定する。なお、テストパターン数とは、1つの単位領域BD内に主走査方向に
おいて離して印刷するテストパターンTPの数である。
ステップS310では、印刷制御部21が、ステップS300で決定されたテストパタ
ーン数のテストパターンTPを主走査方向において異なる位置に表現したテストパターン
データに基づいて、指定印刷モードを採用して、印刷媒体の主走査方向において異なる複
数の位置にテストパターンTPを印刷させる。
ステップS320,S330,S340は、図3のステップS110,S120,S1
30と同じであるため説明を省略する。また、第2実施形態(および第3実施形態以下)
でも、第1実施形態と同様に、補正値による補正処理を伴う入力画像の印刷処理が実行さ
れる。むろん、テストパターンTPの印刷と、当該テストパターンTPの測色結果から得
た補正値による補正処理を伴う入力画像の印刷とは、共通の指定印刷モードにより実行す
る。
第2実施形態では、搬送方向における印刷解像度を第1の解像度とする印刷モード(低
解像度モード)が指定印刷モードである場合に印刷するテストパターン数よりも、搬送方
向における印刷解像度を第1の解像度よりも高い第2の解像度とする印刷モード(高解像
度モード)が指定印刷モードである場合に印刷するテストパターン数を多くする。以下で
は、低解像度モードの一例をバンド印刷モードとし、高解像度モードの一例をMF印刷モ
ードとする。
なお、第2実施形態(および第3実施形態以下)において、主走査方向におけるテスト
パターン数の多い/少ないを比較する場合の前提として、印刷媒体の主走査方向の幅や印
刷されるテストパターンTP1つ1つのサイズは、共通であるとする。よって、主走査方
向におけるテストパターン数が多い/少ない、という表現は、主走査方向におけるテスト
パターンTPの印刷頻度が高い/低い、主走査方向におけるテストパターンTPの間隔が
狭い/広い、といった表現に置き換えることもできる。
図13は、指定印刷モードが低解像度モード(バンド印刷モード)である場合にステッ
プS310で印刷媒体Gに印刷された複数のテストパターンTPを例示している。なお、
第2実施形態では、図4は、指定印刷モードが高解像度モード(MF印刷モード)である
場合にステップS310で印刷媒体Gに印刷された複数のテストパターンTPを例示して
いるとする。図4,13の比較から判るように、低解像度モードが指定印刷モードである
場合に印刷するテストパターン数(2)よりも、高解像度モードが指定印刷モードである
場合に印刷するテストパターン数(3)の方が多い。むろん図4,13に示したテストパ
ターンTPの数は例示に過ぎず、印刷モードとテストパターン数との関係は、このような
具体的な数に拘泥されるものではない。ある印刷モードに対応するテストパターン数は、
4以上であってもよい。
図14は、バンド印刷モードによる、ノズル列NLを構成するノズルと、ノズルからの
インク吐出で印刷媒体に形成されるドットとの対応関係を説明するための図である。
図15は、MF印刷モードによる、ノズル列NLを構成するノズルと、ノズルからのイ
ンク吐出で印刷媒体に形成されるドットとの対応関係を説明するための図である。
図14,15それぞれ左側には、説明を簡単にするために、1つのインク色に対応した
ノズル列NLが6個のノズル(丸印)で構成された例を示している。ノズル列NLの一端
側から他端側に向けてノズルを表す丸印の中に付した1〜6の番号はノズル番号である。
ノズル列NLのノズル解像度は、第1の解像度に相当する。また図14,15では、印刷
ヘッド62によるパス(1番目のパス、2番目のパス…)毎に1つのノズル列NLの位置
(搬送方向における印刷媒体との相対的な位置)が変化することを示している。実際には
、印刷ヘッド62が搬送方向に沿って移動するのではなく、パスが終わる度に、印刷媒体
が搬送部63によって、印刷モードに応じて決められた所定の送り量だけ搬送方向へ移動
させられる。
図14,15の右側には、各ノズルによって印刷媒体上に形成されるドットDcを複数
例示している。ドットDcを表現する丸印の中に付した1〜6の番号は、ドットDcの形
成に用いられたノズルのノズル番号を示している。同じノズル番号に対応するドットDc
が主走査方向に並ぶ列が、1つのラスターラインに相当する。図14から判るように、バ
ンド印刷モードによれば、搬送方向に沿って第1の解像度に対応する密度で並ぶ複数のノ
ズルを有する印刷ヘッド62の1回のパスにより、各ノズルからインクが吐出されて第1
の解像度に対応する密度で搬送方向に並ぶ所定数のラスターライン(図14の例では6本
のラスターライン)が印刷される処理が、当該所定数のラスターラインで構成されるバン
ド領域単位で繰り返される。バンド印刷モードにおいては、当該バンド領域が上述の単位
領域BDに相当する。
また、図15から判るように、MF印刷モードによれば、パスが終わる毎の印刷媒体の
搬送について、所定回(2回)のノズル列NLにおけるノズル間隔(ノズルピッチ)より
も短い距離の搬送と、1回のノズル列の長さに相当する長い距離の搬送とを組み合わせる
ことにより、搬送方向に沿って第1の解像度よりも高い(図15の例では3倍の)解像度
(第2の解像度)に対応する密度で並ぶ複数のラスターラインが印刷される。また、図1
5から判るように、MF印刷モードによれば、印刷される画像は、ノズル列NLに含まれ
るノズルのうちの共通のノズルで印刷されたラスターラインが搬送方向に複数(図15の
例では3ラスター分)連続してなる領域の集合で再現される。
テストパターンTPの数の違いは、補正処理(図9のステップS220)の精度に影響
を及ぼす。特に、テストパターンTPが印刷されなかった位置に対応するデータを補正す
るための補正値を補間する際に(図10のステップS223)、テストパターンTPが高
い頻度で印刷されている方が、より補間の精度が向上し、補正の効果(印刷結果における
濃度のずれを抑制する効果)も向上する。ここで、バンド印刷モードとMF印刷モードと
を比較すると、MF印刷モードの方が搬送方向における印刷解像度が高いため、印刷媒体
上の一定の単位面積あたりに打ち込まれるインク量(デューティー)が多くなる傾向が見
られる。このようなデューティーが比較的多いと、ノズル個々の特性のばらつき(吐出す
るインク滴のサイズのばらつき等)も印刷結果に表出され易い。そのため、バンド印刷モ
ードとMF印刷モードとを比較した場合、MF印刷モードを採用した場合の方が、吐出さ
れたインクのばらつきによる濃度ムラが発生し易い(視認され易い)と言え、これは、上
述したような主走査方向における異なる位置間での濃度ムラも発生し易い(視認され易い
)と言える。
第2実施形態では、このような事情を鑑みて、指定印刷モードが濃度ムラを抑制する必
要性がより高いと言える高解像度モードである場合に、低解像度モードである場合よりも
テストパターン数を多くした。そのため、指定印刷モードが、低解像度モード、高解像度
モードのいずれであっても、必要に応じた精度による画像補正が実行され、濃度ムラが適
切に抑制された印刷結果が得られる。また、必要なテストパターン数を超えて過剰にテス
トパターンTPが印刷されることが無いため、測色等に要する時間的負担や、消耗品の消
費による経済的負担等も抑制される。
(第3実施形態)
第3実施形態も図12のフローチャートを用いる。
普通紙と光沢紙それぞれに対して同じ種類のインクを打ち込む際に、同じ程度の打ち込
み量のずれを生じさせたとき、当該ずれに応じて計測される光学濃度のずれは、光沢紙の
方が大きい。そのため、普通紙よりも光沢紙の方が、インクの濃度ムラがより視認されや
すく、上述したような主走査方向における異なる位置間での濃度ムラも視認され易いと言
える。
第3実施形態では、このような事情を鑑みて、制御部20は、印刷媒体として普通紙を
使用する印刷モード(普通紙印刷モード)が指定印刷モードである場合に印刷するテスト
パターン数よりも、印刷媒体として光沢紙を使用する印刷モード(光沢紙印刷モード)が
指定印刷モードである場合に印刷するテストパターン数を多くする(ステップS300,
S310)。第3実施形態では、印刷媒体の種類とともに同時に採用される印刷ヘッドの
挙動パターン(バンド印刷、MF印刷、MW印刷、OL印刷等)が何であるかは特に問わ
ない。第3実施形態は、単に、指定印刷モードが光沢紙印刷モードであるとき(テストパ
ターンTPの印刷およびその後の入力画像の印刷に光沢紙を使用する場合)のテストパタ
ーン数は、指定印刷モードが普通紙印刷モードであるとき(テストパターンTPの印刷お
よびその後の入力画像の印刷に普通紙を使用する場合)のテストパターン数よりも多い、
という思想を開示する。
このような第3実施形態によれば、指定印刷モードが、普通紙印刷モード、光沢紙印刷
モードのいずれであっても、それぞれの用紙における濃度ムラの視認され易さに応じた精
度による画像補正が実行され、濃度ムラが適切に抑制された印刷結果が得られる。また、
必要なテストパターン数を超えて過剰にテストパターンTPが印刷されることが無いため
、測色等に要する時間的負担や、消耗品の消費による経済的負担等も抑制される。
(第4実施形態)
第4実施形態も図12のフローチャートを用いる。
OL印刷では、1つのラスターラインを構成するドットを複数のノズルで形成する。例
えば、画像データにおいてX座標が奇数位置に在る画素に対応するドットを一方のノズル
で形成し、X座標が偶数位置に在る画素に対応するドットを他方のノズルで形成する。こ
のようなOL印刷によれば、同じノズルで形成されたドットが連続することが回避される
ため、非OL印刷による印刷結果と比較して、相対的に濃度ムラの目立たない良好な画質
が得られる。つまり、OL印刷によれば、得られる画質がそもそも良好であるため、上述
したような画像補正の必要性は相対的に低いと言える。
第4実施形態では、このような事情を鑑みて、制御部20は、OL印刷モードが指定印
刷モードである場合に印刷するテストパターン数よりも、非OL印刷(例えば、MF印刷
やバンド印刷)を実行する非OL印刷モードが指定印刷モードである場合に印刷するテス
トパターン数を多くする(ステップS300,S310)。つまり、指定印刷モードが濃
度ムラを抑制する必要性がより高いと言える非OL印刷モードである場合に、OL印刷モ
ードである場合よりもテストパターン数を多くした。このような第4実施形態によれば、
指定印刷モードが、OL印刷モード、非OL印刷モードのいずれであっても、必要に応じ
た精度による画像補正が実行され、濃度ムラが適切に抑制された印刷結果が得られる。ま
た、必要なテストパターン数を超えて過剰にテストパターンTPが印刷されることが無い
ため、測色等に要する時間的負担や、消耗品の消費による経済的負担等も抑制される。
(第5実施形態)
第5実施形態も図12のフローチャートを用いる。
図16は、MW印刷モードによる、ノズル列NLを構成するノズルと、ノズルからのイ
ンク吐出で印刷媒体に形成されるドットとの対応関係を説明するための図である。図16
の左側には、説明を簡単にするために、1つのインク色に対応したノズル列NLが5個の
ノズル(丸印)で構成された例を示している。ノズル列NLの一端側から他端側に向けて
ノズルを表す丸印の中に付した1〜5の番号はノズル番号である。ノズル列NLのノズル
解像度は、第1の解像度に相当する。図16では、図14,15と同じく、印刷ヘッド6
2によるパス(1番目のパス、2番目のパス…)毎に1つのノズル列NLの位置(搬送方
向における印刷媒体との相対的な位置)が変化することを示している。
図16の右側には、各ノズルによって印刷媒体上に形成されるドットDcを複数例示し
ている。ドットDcを表現する丸印の中に付した1〜5の番号は、ドットDcの形成に用
いられたノズルのノズル番号を示している。同じノズル番号に対応するドットDcが主走
査方向に並ぶ列が、1つのラスターラインに相当する。図16から判るように、MW印刷
モードによれば、パスが終わる度に、ノズルピッチよりも長くかつノズルピッチの2倍よ
りも短い一定距離の搬送を行うことにより、搬送方向に沿って第1の解像度よりも高い(
図16の例では4倍の)解像度に対応する密度で並ぶ複数のラスターラインが印刷される
。また、図16から判るように、MW印刷モードによれば、共通のノズルで印刷されたラ
スターラインが搬送方向に隣接することが無い。つまり、搬送方向に隣接して並ぶ複数の
ラスターラインのそれぞれがノズル列NLにおける複数のノズルのうちの異なるノズルで
印刷される。
ここで、MW印刷モードとMF印刷モードとを比較すると、MW印刷では共通のノズル
で印刷されたラスターラインが搬送方向に隣接することが無い一方で、MF印刷では、図
15に例示したように、共通のノズルで印刷されたラスターラインが搬送方向に隣接する
。つまり、MF印刷モードの方が、インクの打ち込まれ方の傾向が似通ったラスターライ
ンが束になって集まっているため、画像全体で評価したときにインクの濃度ムラが目立ち
易いと言え、これは、上述したような主走査方向における異なる位置間での濃度ムラも視
認され易いと言える。
第5実施形態では、このような事情を鑑みて、制御部20は、MW印刷モードが指定印
刷モードである場合に印刷するテストパターン数よりも、MF印刷モードが指定印刷モー
ドである場合に印刷するテストパターン数を多くする(ステップS300,S310)。
つまり、指定印刷モードが濃度ムラを抑制する必要性がより高いと言えるMF印刷モード
である場合に、MW印刷モードである場合よりもテストパターン数を多くした。このよう
な第5実施形態によれば、指定印刷モードが、MW印刷モード、MF印刷モードのいずれ
であっても、必要に応じた精度による画像補正が実行され、濃度ムラが適切に抑制された
印刷結果が得られる。また、必要なテストパターン数を超えて過剰にテストパターンTP
が印刷されることが無いため、測色等に要する時間的負担や、消耗品の消費による経済的
負担等も抑制される。なお、MF印刷とMW印刷は、それらによる搬送方向における印刷
解像度は、異なっていても同じであってもよいが、少なくともバンド印刷よりは高解像度
である。
(第6実施形態)
指定印刷モードの違いに応じてテストパターン数を異ならせる場合に、制御部20は、
1つ1つのテストパターンTPを構成する濃度領域の数を異ならせるとしてもよい。図4
や図13の例では1つのテストパターンTPを構成する、それぞれ異なる階調値で表現さ
れる濃度領域の数は4(濃度領域D1,D2,D3,D4)であるが、このような階調値
が異なる濃度領域の数を、指定印刷モードの違いに応じて、例えば、3や5(あるいはそ
れ以外の数字)に変更する。
テストパターンTPを構成する濃度領域の数の違いは、補正値取得処理(図3)のステ
ップS120でテストパターンTPが印刷された位置毎かつラスター番号n毎の、補正値
0〜255(図8)を算出する精度に影響を及ぼす。図6を例にして説明したように、あ
る入力階調値(例えばC2)に対する補正後の出力階調値(例えばC2´)は、各濃度領
域の測色値Vを補間して得られた関数(実線F1)により算出される。そのため、印刷さ
れ測色される濃度領域の数が多い程、階調変化に応じた実際の印刷媒体上における測色値
Vの変化を正確に表現した関数(実線F1)が得られ、対応する補正ターゲット値TGを
より正確に再現するための補正後の階調値が得られる。つまり、テストパターンTPを構
成する濃度領域の数が多い程、テストパターンTPが印刷された位置毎かつラスター番号
n毎に、より正確な補正値0〜255が得られると言える。一方で、上述したように、画
像補正の必要性(どの程度の精度での補正が必要であるか)は、指定印刷モードによって
異なる。
このような事情を鑑みて、ある1つの印刷モード(第1印刷モード)と、当該第1印刷
モードと比較したときテストパターン数を多くする第2印刷モードとを想定したとき(第
2〜第5実施形態参照)、制御部20は、第1印刷モードが指定印刷モードである場合に
印刷するテストパターンTPを構成する濃度領域の数よりも、第2印刷モードが指定印刷
モードである場合に印刷するテストパターンTPを構成する濃度領域の数を多くする(ス
テップS300,S310)。つまり、指定印刷モードが濃度ムラを抑制する必要性がよ
り高いと言える第2印刷モードである場合に、第1印刷モードである場合よりも濃度領域
の数を多くした。このような第6実施形態によれば、指定印刷モードに応じた必要な精度
による画像補正が実行され、濃度ムラが適切に抑制された印刷結果が得られる。また、指
定印刷モードによっては、濃度領域の数が少ないテストパターンTPが印刷されるため、
測色等に要する時間的負担や、消耗品の消費による経済的負担等も抑制される。また、テ
ストパターンTPを構成する濃度領域の数を減らすことで、テストパターンTPの主走査
方向における幅が小さくなるため、1つの単位領域BD内に、より多くのテストパターン
TPを印刷できるという効果も生じる。
(第7実施形態)
図4や図13の例では、複数のテストパターンTPは、印刷媒体Gの1つの単位領域B
Dにだけ印刷されているが、このような複数のテストパターンTPは、各単位領域BDに
繰り返し印刷されるとしてもよい。図17は、そのような場合の一例として、印刷媒体G
における3つの単位領域BDそれぞれに、複数のテストパターンTPが印刷された様子を
示している。補正値取得処理(図3)において、複数のテストパターンTPが各単位領域
BDに繰り返し印刷された場合、補正値取得部23は、テストパターンTPが印刷された
位置(主走査方向における位置)毎の補正値を、単位領域BDが異なる複数のテストパタ
ーンTPの測色結果に基づいて算出する。
具体的には、補正値取得部23は、これまでに説明したようなテストパターンTPが印
刷された位置毎かつラスター番号n毎の、補正値0〜255の算出を、単位領域BD毎の
複数のテストパターンTPの測色結果に応じてそれぞれ実行し、その上で、単位領域BD
毎に算出した各補正値0〜255を、主走査方向における位置およびラスター番号nが一
致する(かつ、インク色および入力階調値が一致する)値同士で平均化し、当該平均化後
の補正値0〜255を、テストパターンTPが印刷された位置毎かつラスター番号n毎の
補正値0〜255(図8)として記憶する。例えば、図17のように3つの単位領域BD
それぞれに複数のテストパターンTPが印刷された場合、単位領域BD毎のホーム位置H
P側のテストパターンTP(3つのテストパターンTPh)それぞれから、測色結果に基
づいて前記第1位置に対応するラスター番号n毎の補正値0〜255を算出する。その上
で、これら3つのテストパターンTPhそれぞれに対応する補正値0〜255を平均化す
る。このような補正値の平均化に使用する単位領域BDの数、つまり複数のテストパター
ンTPが印刷される単位領域の数を、平均化単位領域数と呼ぶ。
第2〜第5実施形態において、指定印刷モードの違いに応じてテストパターン数を異な
らせる場合に、制御部20は、平均化単位領域数を異ならせるとしてもよい。平均化単位
領域数の違いは、補正値取得処理(図3)の結果得られる補正値の精度に影響を及ぼす。
平均化単位領域数が多い程、例えば1つの単位領域BD内で突発的、局地的に生じている
インク量のばらつきや着弾位置のずれの影響が希釈化され、画像補正の効果を向上させる
精度の高い補正値が得られる。一方で、上述したように、画像補正の必要性(どの程度の
精度での補正が必要であるか)は、指定印刷モードによって異なる。
このような事情を鑑みて、ある1つの印刷モード(第1印刷モード)と、当該第1印刷
モードと比較したときテストパターン数を多くする第2印刷モードとを想定したとき(第
2〜第5実施形態参照)、制御部20は、第1印刷モードが指定印刷モードである場合に
テストパターンTPを印刷する単位領域BDの数(平均化単位領域数)よりも、第2印刷
モードが指定印刷モードである場合の平均化単位領域数を多くする(ステップS300,
S310)。つまり、指定印刷モードが濃度ムラを抑制する必要性がより高いと言える第
2印刷モードである場合に、第1印刷モードである場合よりも平均化単位領域数を多くし
た。このような第7実施形態によれば、指定印刷モードに応じた必要な精度による画像補
正が実行され、濃度ムラが適切に抑制された印刷結果が得られる。また、指定印刷モード
によっては、1つあるいは2つ程度の少ない数の単位領域BDにだけテストパターンTP
が印刷されるため、印刷や測色に要する時間的負担、消耗品の消費による経済的負担等も
抑制される。
(第8実施形態)
補正値取得処理(図3)では、上述したようにインク色毎のテストパターンTPを印刷
し(ステップS100)、インク色毎のテストパターンTPの測色結果(ステップS11
0)から、インク色毎に、テストパターンTPの位置毎かつラスター番号n毎の補正値0
〜255を算出する(ステップS120)。ここで、濃度ムラの視認し易さ、画質に与え
る影響の強さ等は、インク色によって異なる。そこで、制御部20は、印刷媒体に複数の
テストパターンTPを印刷する際に、単位領域BD内のテストパターン数、テストパター
ンTPを構成する濃度領域の数、平均化単位領域数、の少なくとも一つを、インク色に応
じて異ならせるとしてもよい。例えば、KインクとYインクとを比較した場合、Yインク
の方がインク量のばらつきによる濃淡ムラが視認され難い。そこで、制御部20は、Kイ
ンクのテストパターンTPとYインクのテストパターンTPとを同じように印刷するので
はなく、例えば、Yインクにより印刷するテストパターン数は、Kインクよりも少ないテ
ストパターン数とする。この場合、例えば、KインクのテストパターンTPについてのテ
ストパターン数、濃度領域の数、平均化単位領域数、は上述したように印刷モードに応じ
て決定されたものとする。また、C,Mインクについては、印刷するテストパターンTP
の態様は、Kインクと同様とする。
10…印刷装置(印刷制御装置)、20…制御部、21…印刷制御部、22…測色値取得
部、23…補正値取得部、24…画像補正部、30…通信I/F、40…操作入力部、5
0…表示部、60…印刷部、61…キャリッジ、62…印刷ヘッド、63…搬送部、80
…測色部、100…外部機器、BD…単位領域、G…印刷媒体、Nz…ノズル、TP…テ
ストパターン、V…測色値

Claims (8)

  1. インクを吐出可能な印刷ヘッドを第1方向に移動させ、当該移動する印刷ヘッドから当
    該第1方向と交差する第2方向に搬送される印刷媒体へインクを吐出させることにより印
    刷を実現させる印刷制御装置であって、
    指定された印刷モードにより、前記印刷媒体の前記第1方向において異なる複数の位置
    にテストパターンを印刷させ、
    前記複数のテストパターンの測色結果に基づいて、画像を補正するための補正値を前記
    複数の位置毎に取得し、
    前記指定された印刷モードにより、印刷の対象となる入力画像を表現する画像データに
    基づく印刷を行う際に、当該画像データに含まれる前記第1方向における位置が異なる各
    データに、前記第1方向における位置が対応する前記補正値を適用して補正し、当該補正
    後の画像データに基づいて前記印刷媒体に印刷をさせ、
    前記第2方向における印刷解像度を第1の解像度とする印刷モードが前記指定された印
    刷モードである場合に印刷する前記テストパターンの数よりも、前記第2方向における印
    刷解像度を前記第1の解像度よりも高い第2の解像度とする印刷モードが前記指定された
    印刷モードである場合に印刷する前記テストパターンの数を多くする、
    ことを特徴とする印刷制御装置。
  2. 前記印刷解像度を第1の解像度とする印刷モードとは、前記第2方向に沿って前記第1
    の解像度に対応する密度で並ぶ複数のノズルを有する前記印刷ヘッドの前記移動に伴い各
    ノズルからインクを吐出することにより前記第1方向を向き前記第2方向に前記第1の解
    像度に対応する密度で並ぶ所定数のラスターラインを印刷する処理を、当該所定数のラス
    ターラインで構成されるバンド領域単位で繰り返す印刷モードであり、
    前記印刷解像度を第2の解像度とする印刷モードとは、前記第1方向を向き前記第2方
    向に前記第2の解像度に対応する密度で並ぶ複数のラスターラインを前記複数のノズルの
    うちの共通のノズルで印刷する印刷モードである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
  3. インクを吐出可能な印刷ヘッドを第1方向に移動させ、当該移動する印刷ヘッドから当
    該第1方向と交差する第2方向に搬送される印刷媒体へインクを吐出させることにより印
    刷を実現させる印刷制御装置であって、
    指定された印刷モードにより、前記印刷媒体の前記第1方向において異なる複数の位置
    にテストパターンを印刷させ、
    前記複数のテストパターンの測色結果に基づいて、画像を補正するための補正値を前記
    複数の位置毎に取得し、
    前記指定された印刷モードにより、印刷の対象となる入力画像を表現する画像データに
    基づく印刷を行う際に、当該画像データに含まれる前記第1方向における位置が異なる各
    データに、前記第1方向における位置が対応する前記補正値を適用して補正し、当該補正
    後の画像データに基づいて前記印刷媒体に印刷をさせ、
    前記印刷媒体として普通紙を使用する印刷モードが前記指定された印刷モードである場
    合に印刷する前記テストパターンの数よりも、前記印刷媒体として光沢紙を使用する印刷
    モードが前記指定された印刷モードである場合に印刷する前記テストパターンの数を多く
    する、
    ことを特徴とする印刷制御装置。
  4. インクを吐出可能な印刷ヘッドを第1方向に移動させ、当該移動する印刷ヘッドから当
    該第1方向と交差する第2方向に搬送される印刷媒体へインクを吐出させることにより印
    刷を実現させる印刷制御装置であって、
    指定された印刷モードにより、前記印刷媒体の前記第1方向において異なる複数の位置
    にテストパターンを印刷させ、
    前記複数のテストパターンの測色結果に基づいて、画像を補正するための補正値を前記
    複数の位置毎に取得し、
    前記指定された印刷モードにより、印刷の対象となる入力画像を表現する画像データに
    基づく印刷を行う際に、当該画像データに含まれる前記第1方向における位置が異なる各
    データに、前記第1方向における位置が対応する前記補正値を適用して補正し、当該補正
    後の画像データに基づいて前記印刷媒体に印刷をさせ、
    前記第1方向を向く1つのラスターラインを前記印刷ヘッドが有する複数のノズルのう
    ちの2つ以上のノズルで印刷する印刷モードが前記指定された印刷モードである場合に印
    刷する前記テストパターンの数よりも、前記1つのラスターラインを前記印刷ヘッドが有
    する複数のノズルのうちの1つのノズルで印刷する印刷モードが前記指定された印刷モー
    ドである場合に印刷する前記テストパターンの数を多くする、
    ことを特徴とする印刷制御装置。
  5. インクを吐出可能な印刷ヘッドを第1方向に移動させ、当該移動する印刷ヘッドから当
    該第1方向と交差する第2方向に搬送される印刷媒体へインクを吐出させることにより印
    刷を実現させる印刷制御装置であって、
    前記印刷ヘッドは、前記インクを吐出するノズルであって前記第2方向に沿って第1の
    解像度に対応する密度で並ぶ複数のノズルを有し、
    指定された印刷モードにより、前記印刷媒体の前記第1方向において異なる複数の位置
    にテストパターンを印刷させ、
    前記複数のテストパターンの測色結果に基づいて、画像を補正するための補正値を前記
    複数の位置毎に取得し、
    前記指定された印刷モードにより、印刷の対象となる入力画像を表現する画像データに
    基づく印刷を行う際に、当該画像データに含まれる前記第1方向における位置が異なる各
    データに、前記第1方向における位置が対応する前記補正値を適用して補正し、当該補正
    後の画像データに基づいて前記印刷媒体に印刷をさせ、
    前記第1方向を向き前記第1の解像度よりも高い解像度に対応する密度で前記第2方向
    に並ぶ複数のラスターラインのそれぞれを前記複数のノズルのうちの異なるノズルで印刷
    する印刷モードが前記指定された印刷モードである場合に印刷する前記テストパターンの
    数よりも、前記第1方向を向き前記第1の解像度よりも高い解像度に対応する密度で前記
    第2方向に並ぶ複数のラスターラインを前記複数のノズルのうちの共通のノズルで印刷す
    る印刷モードが前記指定された印刷モードである場合に印刷する前記テストパターンの数
    を多くする、
    ことを特徴とする印刷制御装置。
  6. 前記テストパターンの印刷、前記補正の取得および前記補正値によるデータの補正を、
    前記印刷ヘッドが吐出するインクの色毎にそれぞれ実行する場合に、前記テストパターン
    の数をインクの色に応じて異ならせることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに
    記載の印刷制御装置。
  7. 前記テストパターンは1つ毎に、一定の階調値で表現される濃度領域であって対応する
    階調値が異なる複数の濃度領域で構成され、
    前記指定された印刷モードの違いに応じて、前記テストパターンを構成する前記濃度領
    域の数を異ならせることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の印刷制御装
    置。
  8. 前記指定された印刷モードにより、前記第1方向において異なる複数の位置に前記テス
    トパターンを、前記印刷媒体の前記第1方向を長手方向とし前記第2方向に並ぶ各単位領
    域に繰り返し印刷させ、前記複数の位置毎の補正値を前記単位領域が異なる複数のテスト
    パターンの測色結果に基づいて算出する場合に、
    前記指定された印刷モードの違いに応じて、前記テストパターンを印刷する前記単位領
    域の数を異ならせることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の印刷制御装
    置。
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