JP2016170372A - 半透過型反射シート、表示装置 - Google Patents
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Description
このような頭部装着型の表示装置は、例えば、映像源に対向する位置に導光板を配置して、映像源で表示された映像光を、その導光板によって観察者の眼に対応する位置まで導光して、反射層を介して観察者側へ反射させている。このような表示装置は、表示される映像によって観察者の視界が遮られてしまうため、反射層にマジックミラーを用いる等して、映像光と外界の光とを重ねて見せる、いわゆるシースルーにする場合がある。
しかし、この場合、マジックミラーの透過率を向上させて反射率を低下させすぎると観察者側に届く映像が不鮮明になり、逆に反射率を向上させて透過率を低下させすぎると、外界の光(外界の像)が不鮮明になってしまう場合があった。
請求項1の発明は、背面から外界の光を透過するとともに映像光を反射して、出光面から前記映像光及び前記外界の光を出光する半透過型反射シート(20)であって、単位光学形状(30)が複数配列された第1光学形状層(22)と、前記出光面を有し、前記第1光学形状層の前記単位光学形状側の面に積層される第2光学形状層(23)とを備え、前記単位光学形状は、前記出光面に対して傾斜した第1傾斜面(30a)を有し、前記第1傾斜面上の少なくとも一部には、前記第1光学形状層及び前記第2光学形状層の屈折率よりも低い屈折率の低屈折率層(25)が形成されていること、を特徴とする半透過型反射シートである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の半透過型反射シート(20)において、前記低屈折率層(25)は、空気層であること、を特徴とする半透過型反射シートである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の半透過型反射シート(20)と、前記半透過型反射シートに映像光を出射する映像源(11)と、を備える表示装置(1)である。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
図1は、本実施形態の頭部装着型の表示装置1を説明する図である。図1は、表示装置1を鉛直方向上方から見た図である。
なお、図1を含め以下に示す図中及び以下の説明において、理解を容易にするために、観察者が頭部に表示装置1を装着した状態における鉛直方向をZ方向とし、水平方向をX方向及びY方向とする。また、この水平方向のうち、導光板に入光した映像光の導光される方向(導光板の左右方向)をX方向とし、それに直交する方向(導光板の厚み方向)をY方向とする。このY方向の−Y側を観察者側とし、+Y側を背面側とする。
また、表示装置1は、外界からの光の一部を、導光板20を透過させ観察者側に到達させて、映像と外界の光とを重ねて見せる、いわゆるシースルー機能を備えている。本実施形態では、半透過型反射シートを導光板20に適用した例で説明する。なお、半透過型反射シートとは、入射した光の一部を透過し、その他を反射するシートを総称するものであり、透過率及び反射率が50%であるものに限られない。
投射光学系12は、映像源11から出射された映像光を平行光として投射する複数のレンズ群から構成される光学系である。
導光板20は、光を導光する略平板状の透明部材であり、本実施形態では、鉛直方向(Z方向)から見た形状が略台形形状に形成された台形柱形状に形成されている。導光板20は、図1に示すように、互いに平行であり、互いに対向する第1全反射面20b及び第2全反射面20cと、−X側端部に、この第1全反射面20b及び第2全反射面20cに対して傾斜した反射面20aとが設けられている。
反射面20aは、反射膜27で反射した映像光を第1全反射面20bにおいて全反射させるために、第1全反射面20bに対して25°〜40°の範囲で傾斜している。
第1全反射面20bは、その−X側の端部が、映像源11から投射された映像光を入光する入光面となっており、また、+X側の端部が、単位光学形状部30及び出光側単位光学形状部31(後述する)において反射した映像光を導光板20外へ出光する出光面となっている。
第2全反射面20cは、導光板20を形成する面のうち、XZ平面に平行であって、背面側(+Y側)に位置する面(観察者側から離れた側の面)であり、第1全反射面20bにおいて全反射した映像光を、第1全反射面20b側に向けて全反射させる。
以上により、反射膜27を反射した映像光は、第1全反射面20b及び第2全反射面20cの間で全反射を繰り返すことによって、導光板20内の+X方向(導光方向)に導光されることとなる。
図2は、本実施形態の導光板20の詳細を説明する図である。
図2に示すように、導光板20は、観察者側(−Y側)から順に、基材部21、接合層24、第2光学形状層23、第1光学形状層22が積層されている。
基材部21は、導光板20の基礎となる平板状の部材であり、例えば、光透過性の高いアクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂等から形成されている。上述の第1全反射面20bは、この基材部21の観察者側(−Y側)の面となる。この基材部21の観察者側の面は、入射する光の拡散を抑制する観点から平滑(例えば、60度の光沢度で90以上)に形成されるのが望ましい。
第1光学形状層22は、図1に示すように、その観察者側(−Y側)の面であって、+X側の端部近傍に、単位光学形状部30が複数設けられている。また、第1光学形状層22は、図2に示すように、観察者側の面であって、単位光学形状部30の配列方向(X方向)における単位光学形状部30の両端側に、第2光学形状層23の接合部23a(後述する)と当接する接合部22aが形成されている。
なお、上述の第2全反射面20cは、この第1光学形状層22の背面側(+Y側)の面となる。この第1光学形状層22の背面側の面は、入射する光の拡散を抑制する観点から平滑(例えば、60度の光沢度で90以上)に形成されるのが望ましい。
第2傾斜面30bは、第1全反射面20bを全反射した映像光が直接入射しない面であり、出光面(第1全反射面20b、第1光学形状層22の観察者側の面)に対して傾斜しており、その+X側の端部が、−X側の端部よりも背面側(+Y側)に位置している。
なお、第2光学形状層23の観察者側に設けられる基材部21を省略して、第2光学形状層23の観察者側の面を導光板20の出光面にしてもよい。
また、第2光学形状層23は、背面(+Y側の面)であって、出光側単位光学形状部31の配列方向(X方向)における出光側単位光学形状部31の両端側に、第1光学形状層22の接合部22aと当接する接合部23aが形成されている。
本実施形態では、出光側単位光学形状部31と単位光学形状部30とは、上記断面において、同様の三角形形状に形成されている。
第4傾斜面31bは、第1全反射面20bを全反射した映像光が直接入射しない面であり、出光面(第1全反射面20b、第1光学形状層22の観察者側の面)に対して傾斜しており、その+X側の端部が、−X側の端部よりも背面側(+Y側)に位置している。この第4傾斜面31bは、単位光学形状部30の第2傾斜面30bに対向しており、この第2傾斜面30bと平行な面である。
ここで、第2傾斜面30bと第4傾斜面31bとが面同士で接触していない場合、すなわち、点接触又は線接触している場合、これらの面に光が入射することによってニュートンリング(環状の干渉縞)が生じてしまい、観察者側に届く映像光や、外界の光が不鮮明になってしまう恐れがある。そのため、第2傾斜面30b及び第4傾斜面31bには、微細な凹凸形状を形成して入射した光を拡散させて、上述のニュートンリングの発生を抑制するようにしてもよい。
また、単位光学形状部30及び出光側単位光学形状部31の配列ピッチは、Pである。更に、単位光学形状部30の高さ(導光板の厚み方向(Y方向)における単位光学形状部30の頂部t1から単位光学形状部30間の谷底となる部位v1までの寸法)は、h1であり、出光側単位光学形状部31の高さ(導光板の厚み方向(Y方向)における出光側単位光学形状部31の頂部t2から出光側単位光学形状部31間の谷底となる部位v2までの寸法)は、h2であり、本実施形態では、h1=h2である。なお、配列ピッチPは、単位光学形状部30及び出光側単位光学形状部31の配列方向(X方向)における幅寸法と同等である。
本実施形態では、第1光学形状層22及び第2光学形状層23は、それぞれポリカーボネート樹脂により形成されており、その屈折率は1.59である。
なお、本実施形態では、この単位光学形状部30及び出光側単位光学形状部31は、鉛直方向(Z方向)に延在するプリズム(リニアプリズム)形状に形成される例で説明するが、これに限定されるものでなく、リニアフレネルレンズ形状や、同心円状に単位光学形状が配列されるサーキュラーフレネルレンズ形状に形成されるようにしてもよい。
仮に、低屈折率層25の厚みfが50μmよりも大きい場合、厚みが厚くなりすぎてしまうため、表示される映像がぼやけてしまうので望ましくない。また、低屈折率層25の厚みfが1μm未満である場合、厚みが薄すぎて、第1傾斜面30a及び第3傾斜面31aが部分的に接触してしまい、このような厚みの空気層を第1傾斜面30a及び第3傾斜面31a間に形成するのが困難となるので望ましくない。
図1に示すように、映像源11から出射した映像光Lは、投射光学系12を介して導光板20の第1全反射面20bへと入射する。導光板20内に入光した映像光Lは、反射面20aの反射膜27に入射して第1全反射面20b側へと反射する。それから、その映像光Lは、第1全反射面20bに入射して第2全反射面20c側へと全反射した後に、第2全反射面20cに入射して第1全反射面20b側へと全反射する。このように第1全反射面20b及び第2全反射面20c間において全反射を繰り返すことにより、映像光Lは、導光板20の−X側から+X側に向けて導光され、第2光学形状層23に設けられた出光側単位光学形状部31に入射する。
本実施形態の導光板20では、図1に示すように、映像光Lが第1全反射面20bにおいて2回全反射し、第2全反射面20cにおいて1回全反射するように形成されているが、これに限定されるものでなく、各面においてより多く又は少なく全反射を繰り返すようにしてもよい。
外界の光Gは、図1に示すように、導光板20の背面側(+Y側)の第2全反射面20cから導光板20内に入光する。この導光板20内に入光した外界の光Gのうち一部の光は、第1傾斜面30aの低屈折率層25に入射する。そして、その一部の光G1は、図2に示すように、低屈折率層25を透過して、第1全反射面20b(出光面)から観察者の眼Eに向けて出光する。また、他の光G2は、低屈折率層25と第1光学形状層22との界面で背面側(+Y側)に反射することとなる。
図3は、本実施形態の導光板20の製造方法を説明する図である。図3の各図は、導光板20が製造されるまでの過程を示す図である。
まず、図3(a)に示すように、単位光学形状部30に対応する凹凸形状が設けられた金型を使用して、導光板20を構成する第1光学形状層22を押出成形法や、射出成形法等により形成する。
また、第1光学形状層22と同様に、図3(b)に示すように、出光側単位光学形状部31に対応する凹凸形状が設けられた金型を使用して、導光板20を構成する第2光学形状層23を押出成形法や、射出成形法等により形成する。
なお、接合部22a及び接合部23aの接合に使用する接着剤は、例えば、上述の接合層24に使用される材料を使用することができる。
そのため、第1光学形状層22及び第2光学形状層23が、接合部22a及び接合部23aにおいて互いに当接し、接合されたとしても、第1傾斜面30aと第3傾斜面31aとの間には空間ができ、所定の厚みの空気層、すなわち低屈折率層25が形成されることとなる。
そして、最後に、この積層体を所定の形状に裁断した上で、−X側(単位光学形状部が形成される側とは反対側)であって背面側(+Y側)の角部を加工して反射面20aを形成し、その反射面20aに真空蒸着法等によってアルミニウムを蒸着する等して反射膜27を形成する。以上により、導光板20が完成する。
本実施形態の導光板20は、低屈折率層25が空気層により形成されているので、低屈折率層25に入射した映像光や外界の光を吸収することなく、反射させたり、透過させたりすることができ、映像光の利用効率を向上させることができる。
次に、第2実施形態の導光板120について説明する。
図4は、第2実施形態の導光板の詳細を説明する図であり、図2に対応する図である。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
本実施形態の導光板120は、低屈折率層125が空気層ではなく、第1光学形状層22及び第2光学形状層23よりも屈折率の低い材料により構成された層である点で、上述の第1実施形態の導光板20と相違する。
図5は、本実施形態の導光板20の製造方法を説明する図である。図5の各図は、導光板20が製造されるまでの過程を示す図である。
まず、図5(a)に示すように、単位光学形状部30に対応する凹凸形状が設けられた金型を使用して、導光板20を構成する第1光学形状層22を押出成形法や、射出成形法等により形成する。
次に、図5(b)に示すように、ディッピングや、スピンコータの手法によって単位光学形状部30の第1傾斜面30a上に低屈折率層125を形成する。
続いて、図5(c)に示すように、第1光学形状層22の単位光学形状部30が形成された側の面に、第2光学形状層23を構成する樹脂を充填し、平坦面が形成された金型によって押圧し、硬化させた後に離型する等により、第2光学形状層23が形成される。
そして、最後に、この積層体を所定の形状に裁断した上で、−X側(単位光学形状部が形成される側とは反対側)の背面側(+Y側)の角部を加工して反射面20aを形成し、その反射面20aに真空蒸着法等によってアルミニウムを蒸着する等して反射膜27を形成する。以上により、導光板120が完成する。
なお、上述の説明では、作製した第1光学形状層22の観察者側の面に第2光学形状層23を形成する例を示したが、これに限定されるものでなく、先に第2光学形状層23を作製した上で、第2光学形状層23の背面側の面に第1光学形状層22を形成するようにしてもよい。
図6は、変形形態の半透過型反射シートを説明する図である。
図7は、変形形態の単位光学形状を説明する図である。
(1)上述の実施形態において、半透過型反射シートを導光板20に適用した例で説明したが、これに限定されるものでない。例えば、半透過型反射シートは、図6に示すように、表示装置1の映像源11からの映像光を導光させずに低屈折率層25において観察者側に直接反射させる半透過型反射シート20に適用することもできる。この場合、第1傾斜面30a及び第3傾斜面31aの角度αは5°≦α≦35°の範囲内に、単位光学形状部30の高さh1は5μm≦h1≦700μmの範囲内に、出光側単位光学形状部31の高さh2は5μm≦h2≦700μmの範囲内に、単位光学形状部30及び出光側単位光学形状部31の配列ピッチPは50μm≦P≦1000μmの範囲内に形成されるのが望ましい。
また、半透過型反射シートは、自動車等のフロントウィンドウに搭載されるヘッドアップディスプレイや、背景等の外界の光を透過するスクリーン等に適用することも可能である。なお、半透過型反射シートをコンバイナー等の大型の虚像投影に適用する場合、単位光学形状部は、フレネルレンズ形状に形成されるようにしてもよい。
この場合、第1傾斜面30a及び第3傾斜面31a間に所定の厚みの低屈折率層25を設ける観点から、単位光学形状部30の高さh1は、出光側単位光学形状部31の高さh2よりも低くなるように形成される必要がある(h1<h2)。
また、上述の実施形態において、導光板20は、第1全反射面20bと映像光が出光する出光面とを同一面内に形成する例を示したが、これに限定されるものでなく、第1全反射面と映像光が出光する面とが相違する面として形成されていてもよい。
11 映像源
12 投射光学系
20 導光板
20a 反射面
20b 第1全反射面
20c 第2全反射面
21 基材部
22 第1光学形状層
22a 接合部
23 第2光学形状層
23a 接合部
24 接合層
25 低屈折率層
27 反射膜
30 単位光学形状部
30a 第1傾斜面
30b 第2傾斜面
31 出光側単位光学形状部
31a 第3傾斜面
31b 第4傾斜面
E 観察者の眼
Claims (3)
- 背面から外界の光を透過するとともに映像光を反射して、出光面から前記映像光及び前記外界の光を出光する半透過型反射シートであって、
単位光学形状が複数配列された第1光学形状層と、
前記出光面を有し、前記第1光学形状層の前記単位光学形状側の面に積層される第2光学形状層とを備え、
前記単位光学形状は、前記出光面に対して傾斜した第1傾斜面を有し、
前記第1傾斜面上の少なくとも一部には、前記第1光学形状層及び前記第2光学形状層の屈折率よりも低い屈折率の低屈折率層が形成されていること、
を特徴とする半透過型反射シート。 - 請求項1に記載の半透過型反射シートにおいて、
前記低屈折率層は、空気層であること、
を特徴とする半透過型反射シート。 - 請求項1又は請求項2に記載の半透過型反射シートと、
前記半透過型反射シートに映像光を出射する映像源と、
を備える表示装置。
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