JP6665566B2 - 導光板及び表示装置 - Google Patents
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この頭部装着型の表示装置は、映像源で表示された映像光を、導光板によって観察者の眼に対応する位置まで導光して、観察者側へ反射させている。これにより、観察者は、導光板の端部(眼に対応する位置)において、映像光により形成された映像を観察することができる。
上述した頭部装着型の表示装置においては、観察者がより大きな映像を観察できるようにするため、導光板における映像光の入光範囲をより大きくすることが求められている。
・第1の発明は、映像光を導光方向に全反射する第1全反射面(121)と、前記第1全反射面と対向する位置に設けられ、映像光を導光方向に全反射する第2全反射面(122)と、前記第1全反射面に対して傾斜して設けられ、前記第1全反射面と交差する方向から入光した映像光を、前記第1全反射面の垂線に対して臨界角以上の角度で前記第1全反射面側に反射する反射面(120)とを備えた導光板(20)であって、前記反射面の一部は、前記第2全反射面よりも外側に位置していることを特徴とする導光板である。
・第2の発明は、第1の発明の導光板(20)において、前記第1全反射面(121)が形成された第1導光層(201)と、前記第2全反射面(122)及び前記反射面(120)が形成された第2導光層(202)と、を備え、前記第1導光層の層厚をth1、前記第2導光層の層厚をth2、前記反射面において最も前記第1全反射面に近い位置から入光する映像光が前記第1全反射面に入射する角度をθ、前記第1全反射面の垂線方向における前記反射面の幅をWとした場合に、W>tanθ×(2×th1+th2)を満たすことを特徴とする導光板である。
・第3の発明は、第1又は第2の発明の導光板(20)において、第1傾斜面(30a)及び第2傾斜面(30b)を有する単位光学形状部(30)が複数配列された第1光学形状層(22)と、前記第1光学形状層の前記単位光学形状部が設けられた側の面に積層される第2光学形状層(23)と、前記第1傾斜面の少なくとも一部に形成され、入射した光の一部を反射し、その他を透過する反射層(25)と、を備えることを特徴とする導光板である。
・第4の発明は、第1から第3までのいずれかの発明の導光板(20)と、前記導光板に映像光を投射する映像源(10)と、を備える表示装置(1)である。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜に選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
なお、以下の説明においては、理解を容易にするために、観察者が頭部に表示装置1を装着した状態における鉛直方向をZ方向とし、水平方向をX方向及びY方向とする。また、この水平方向のうち、導光板20に入光した映像光の導光方向(導光板20の左右方向)をX方向とし、それに直交する方向(導光板20の厚み方向)をY方向とする。また、Y方向のうち、−Y側を観察者側とし、+Y側を背面側とする。
表示装置1は、映像源10と、導光板20と、を備える。表示装置1は、観察者がメガネフレームを頭部に装着することによって、映像源10に表示された映像を、導光板20を介して観察者に視認させることができる。具体的には、表示装置1は、映像源10で形成された映像光Lを導光板20へ入光させ、導光板20内において+X方向に導光する。そして、表示装置1は、導光方向に直交する−Y方向に反射して、表示装置1を頭部に装着した観察者の眼Eの前に映像を表示する。
また、表示装置1は、導光板20に入光した外界から光の一部を観察者側に透過させて、映像と外界の光とを重ねて見せる、いわゆるシースルー機能を備えている。
ディスプレイ11は、映像光を表示するマイクロディスプレイであり、例えば、透過型の液晶表示デバイス、反射型の液晶表示デバイス、有機EL等が使用される。具体的には、ディスプレイ11として、例えば、対角が1インチ以下のマイクロディスプレイが使用される。
なお、図1では、映像源10から入光する映像光Lを1本の光線として図示しているが、映像光Lは、縦横に所定の大きさを有する画像として投射される。また、以下の説明においては、映像光L1、L2(後述)を総称して映像光Lともいう。
第1反射面120aは、導光板20の−X側の端部に形成されている。第1反射面120aは、第1全反射面121と直交する方向から入光した映像光Lを、第1全反射面121の垂線(不図示)に対して臨界角以上の角度で反射する面である。ここで、第1全反射面121の垂線に対して臨界角以上の角度とは、第1全反射面121に入射した映像光Lが導光方向(X方向)に全反射する角度である。
図2は、本実施形態の導光板20の詳細を説明する図である。図2は、図1のa部の詳細を示している。
図2に示すように、導光板20は、観察者側(−Y側)から順に、基材部26、接合層24、第2光学形状層23、第1光学形状層22及び基材部21が積層されている。
基材部21は、導光板20の最も背面側に設けられた層であり、その背面側(+Y側)の面が第1全反射面121となる。基材部21は、第1光学形状層22の基礎となる基材であり、その厚みs1は、後述する単位光学形状部30の深さd1及びd2に合わせて、10μm≦s1≦100μmの範囲で形成されることが望ましい。基材部21の背面側の面は、入射する光の拡散を抑制する観点から平滑(例えば、60度の光沢度で90以上)に形成されるのが望ましい。
基材部26の観察者側の面は、光の拡散を抑制する観点から平滑(例えば、60度の光沢度で90以上)に形成されるのが望ましい。
単位光学形状部30は、鉛直方向(Z方向)に延在し、映像光Lの導光方向(X方向)に沿って複数配列されている。また、単位光学形状部30は、映像光Lが出光する方向(導光板20の厚み方向、Y方向)に平行、且つ、単位光学形状部30の配列方向(X方向)に平行な断面(XY面)における形状が三角形状(プリズム形状)に形成されている。単位光学形状部30は、第1傾斜面30aと、第2傾斜面30bと、から構成される。
また、第1傾斜面30a上の全面、即ち、第1傾斜面30a及び第3傾斜面31a(後述)間の全体には、反射層25が形成されている。
第2光学形状層23は、第1光学形状層22と対向する面(背面、+Y側の面)に上述の単位光学形状部30と対応する形状の出光側単位光学形状部31が形成されている。
本実施形態において、出光側単位光学形状部31及び単位光学形状部30は、上記断面において、同様の形状に形成されている。
本実施形態の反射層25は、アルミニウムの蒸着によって約100Åの厚みに形成されているが、光の反射率及び透過率を上述の好ましい範囲に設定できれば、その材料等に応じて厚さを自由に設定できる。
単位光学形状部30において、第1傾斜面30a及び第3傾斜面31aの角度αは、25°≦α≦40°の範囲に形成されることが望ましい。
出光側単位光学形状部31において、第2傾斜面30b及び第4傾斜面31bの角度βは、80°≦β≦90°の範囲に形成されることが望ましい。
単位光学形状部30の高さh1及び出光側単位光学形状部31の高さh2は、それぞれ、20μm≦h1≦700μm、20μm≦h2≦700μmの範囲に形成することが望ましい。
単位光学形状部30の配列ピッチPは、50μm≦P≦1000μmの範囲で形成することが望ましい。
図1に示すように、映像源10から投射された映像光Lは、投射光学系12を介して導光板20の第1全反射面121へ入光する。導光板20内に入光した映像光Lは、反射面120の反射膜27において第1全反射面121側へ反射する。その映像光Lは、第1全反射面121に入射して第2全反射面122側へ全反射した後、第2全反射面122に入射して単位光学形状部30側へ全反射する。このように、映像光Lは、第1全反射面121及び第2全反射面122間において全反射を繰り返すことにより、導光板20の−X側から+X側に向けて導光される。そして、映像光Lは、単位光学形状部30において、第1光学形状層22及び第2光学形状層23間に設けられた反射層25に入射する。
なお、図1では、説明を容易にするため、映像光Lが第1全反射面121及び第2全反射面122においてそれぞれ1回全反射する例を示している。これに限らず、映像光Lが各面でより多く全反射を繰り返す構成であってもよい。
図3及び図4は、本実施形態の導光板20の製造方法を説明する図である。このうち、図3の各分図(a)〜(e)は、基材部21と接合された第1光学形状層22を製造する過程を説明する図である。また、図4の各分図(f)〜(h)は、基材部21と接合された第1光学形状層22を基にして導光板20を製造する過程を説明する図である。なお、図3及び図4では、部材の断面を示すハッチングを適宜に省略する。
次に、図3(b)に示すように、賦形面100a上に紫外線硬化樹脂22aを均一に形成する。ここでは、例えば、紫外線硬化樹脂22aを、賦形面100a上の一辺に沿って点状又は線状に塗布し、ローラ等(不図示)で引き延ばすことにより、賦形面100a上に均一に形成することができる。
次に、図3(d)に示すように、紫外線照射部(不図示)から、未硬化の紫外線硬化樹脂22aに対して紫外線UVを照射する。これにより、紫外線硬化樹脂22aが硬化して第1光学形状層22となる。本実施形態において、紫外線UVは、基材部21を介して紫外線硬化樹脂22aに照射される。
紫外線硬化樹脂22aが硬化した後、図3(e)に示すように、第1光学形状層22を成形型100から剥離することにより、基材部21と接合された第1光学形状層22を得ることができる。
そして、接合層24を介して基材部26が貼付された積層体の−X側(単位光学形状部30が形成される側とは反対側)の観察者側(−Y側)の角部を加工して反射面120を形成する。更に、その反射面120に真空蒸着法等の手法によりアルミニウムを蒸着して、反射膜27を形成する(図1参照)。以上の工程を経ることにより、導光板20が完成する。
図5は、比較例及び実施形態の導光板における映像光の入光範囲を説明する図である。図5(a)は、比較例の導光板20Cにおける映像光の入光範囲を説明する図である。図5(b)は、本実施形態の導光板20における映像光の入光範囲を説明する図である。なお、図5(a)では、上述した実施形態(図1)と同じ構成要素に同一符号を付し、その符号に続いて「c」を付している。また、図5に示す各図では、説明に必要な部分にのみ符号を付している。
まず、図5(a)に示すように、比較例の導光板20Cにおいて、最も−X側の端部に領域a1を形成し、この領域a1まで反射面120c及び反射膜27cを延長した構成について考察する。図5(a)のように反射面120cを延長した場合、反射面120cの実質的な幅は、実施形態の導光板20における反射面120とほぼ同じとなる。しかし、図2に示すように、基材部21、第1光学形状層22及び第2光学形状層23は、積層構造であるため、導光板20Cの端部を、領域a1のような直角三角形に成形するのは難しい。そのため、領域a1の斜辺に反射膜27cを形成しても、入光した映像光を、第1全反射面121cの垂線に対して臨界角以上の角度で反射できなくなることも考えられる。
(1)図6は、変形形態の導光板20Aを説明する図である。図6では、実施形態(図1)と同じ構成要素に同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図6では、説明に必要な部分にのみ符号を付している。
第2全反射面122の端部に設けられた基材部26aの斜辺は、第2反射面120bとして機能する。第1反射面120a及び第2反射面120bは、第1全反射面121に対して同一の角度で傾斜している。反射膜27は、第1反射面120a及び第2反射面120bの全面を覆うように形成されている。
10 映像源
20 導光板
22 第1光学形状層
23 第2光学形状層
25 反射層
30 単位光学形状部
30a 第1傾斜面
30b 第2傾斜面
120 反射面
120a 第1反射面
120b 第2反射面
121 第1全反射面
122 第2全反射面
201 第1導光層
202 第2導光層
Claims (3)
- 映像光を導光方向に全反射する第1全反射面と、
前記第1全反射面と対向する位置に設けられ、映像光を導光方向に全反射する第2全反射面と、
前記第1全反射面に対して傾斜して設けられ、前記第1全反射面と交差する方向から入光した映像光を、前記第1全反射面の垂線に対して臨界角以上の角度で前記第1全反射面側に反射する反射面と、を備えた導光板であって、
前記反射面の一部は、前記導光板の厚み方向において、前記第2全反射面よりも突出して形成されており、
前記導光板は、
前記第1全反射面が形成された第1導光層と、
前記第2全反射面及び前記反射面が形成された第2導光層と、を備え、
前記第1導光層の層厚をth1、前記第2導光層の層厚をth2、前記反射面において最も前記第1全反射面に近い位置から入光する映像光が前記第1全反射面に入射する角度をθ、前記反射面を前記第1全反射面に対して投影した際の幅をWとした場合に、W>tanθ×(2×th1+th2)を満たすこと、
を特徴とする導光板。 - 請求項1に記載の導光板において、
前記第1導光層は、
第1傾斜面及び第2傾斜面を有する単位光学形状部が複数配列された第1光学形状層と、
前記第1光学形状層の前記単位光学形状部が設けられた側の面に積層される第2光学形状層と、
前記第1傾斜面の少なくとも一部に形成され、入射した光の一部を反射し、その他を透過する反射層と、
を備えることを特徴とする導光板。 - 請求項1又は請求項2に記載の導光板と、
前記導光板に映像光を投射する映像源と、
を備える表示装置。
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