JP6699092B2 - 樹脂シートの製造方法 - Google Patents
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このような表示装置において、映像源から出射された映像光を導光板により観察者の眼に対応する位置まで導き、更に反射層を介して観察者側へ反射させるタイプがある。このタイプの表示装置は、その多くが、反射層にハーフミラー等を用いて、映像光と外界の光とを重ねて見せる、いわゆるシースルー機能を備えている。
このような導光板の光学性能は、単位光学形状部を有する光学形状層(樹脂シート)の形状に左右されるため、光学形状層の形状を最適化して、光学性能をより向上させることが求められている。
・第1の発明は、第1傾斜面(30a)及び第2傾斜面(30b)を有する単位光学形状部(30)が複数配列された光学形状層(22)を備え、エネルギー線の照射により硬化するエネルギー線硬化樹脂により形成された樹脂シートの製造方法であって、前記単位光学形状部を賦形する賦形面を有する成形型に、未硬化の前記エネルギー線硬化樹脂を充填するエネルギー線硬化樹脂充填工程と、前記エネルギー線硬化樹脂にエネルギー線を照射し、前記成形型に充填された前記エネルギー線硬化樹脂を収縮可能な状態で硬化させるエネルギー線照射工程と、硬化後の前記エネルギー線硬化樹脂から樹脂シートを得る樹脂シート作製工程と、を含む樹脂シートの製造方法である。
・第2の発明は、第1の発明の樹脂シートの製造方法であって、前記樹脂シート作製工程では、硬化後の前記エネルギー線硬化樹脂を前記成形型から剥離して、樹脂シートを得ることを特徴とする樹脂シートの製造方法である。
・第3の発明は、第1の発明の樹脂シートの製造方法であって、硬化後の前記エネルギー線硬化樹脂の表面に基材(21)を貼り付ける基材貼り付け工程を含み、前記樹脂シート作製工程では、硬化後の前記エネルギー線硬化樹脂を前記基材とともに前記成形型から剥離して、前記基材の接合された樹脂シートを得ることを特徴とする樹脂シートの製造方法である。
・第4の発明は、第1の発明の樹脂シートの製造方法であって、前記成形型に充填された前記エネルギー線硬化樹脂の表面に、前記エネルギー線硬化樹脂の収縮とともに変形可能な基材(21)を貼り付ける基材貼り付け工程を含み、前記樹脂シート作製工程では、硬化後の前記エネルギー線硬化樹脂を前記基材とともに前記成形型から剥離して、前記基材の接合された樹脂シートを得ることを特徴とする樹脂シートの製造方法である。
・第5の発明は、第1の発明の樹脂シートの製造方法であって、前記成形型に充填された前記エネルギー線硬化樹脂の表面に、前記エネルギー線硬化樹脂の収縮とともに変形可能な基材(21)を貼り付ける基材貼り付け工程を含み、前記樹脂シート作製工程は、硬化後の前記エネルギー線硬化樹脂から前記基材を剥離する基材剥離工程と、前記基材の剥離された前記エネルギー線硬化樹脂を前記成形型から剥離して、樹脂シートを得る樹脂シート剥離工程と、を含むことを特徴とする樹脂シートの製造方法である。
・第6の発明は、第1の発明の樹脂シートの製造方法であって、前記成形型に充填された前記エネルギー線硬化樹脂の表面に、前記エネルギー線硬化樹脂の収縮とともに変形可能な第1基材(21a)を貼り付ける第1基材貼り付け工程を含み、前記樹脂シート作製工程は、硬化後の前記エネルギー線硬化樹脂から前記第1基材を剥離する第1基材剥離工程と、前記第1基材の剥離された前記エネルギー線硬化樹脂の表面に第2基材(21)を貼り付ける第2基材貼り付け工程と、前記エネルギー線硬化樹脂を前記第2基材とともに前記成形型から剥離して、前記第2基材の接合された樹脂シートを得る樹脂シート剥離工程と、を含むことを特徴とする樹脂シートの製造方法である。
・第7の発明は、第1から第6までのいずれかの発明の樹脂シートの製造方法であって、前記光学形状層(22)は、前記第1傾斜面(30a)の算術平均うねりWaが0.05μm以下に形成され、前記単位光学形状部(30)の厚み方向の頂部から谷部までの高さh1が10〜300μmの範囲で形成され、前記単位光学形状部の配列ピッチPが100〜1000μmの範囲で形成されることを特徴とする樹脂シートの製造方法である。
・第8の発明は、第4から第6までのいずれかの発明に記載の樹脂シートの製造方法であって、前記光学形状層(22)は、前記単位光学形状部(30)の谷部から、前記単位光学形状部が設けられた側と反対側の面までの深さd1が10〜200μmの範囲で形成され、前記単位光学形状部の頂部から、前記単位光学形状部が設けられた側と反対側の面までの深さd2が30〜800μmの範囲で形成され、前記基材(21)又は前記第1基材(21a)の厚みs1が8μm≦s1≦100μmの範囲で形成されることを特徴とする樹脂シートの製造方法である。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
図1は、第1実施形態の頭部装着型の表示装置1を説明する図である。図1は、表示装置1を鉛直方向の上方から見た図である。
なお、以下の説明においては、理解を容易にするために、観察者が頭部に表示装置1を装着した状態における鉛直方向をZ方向とし、水平方向をX方向及びY方向とする。また、この水平方向のうち、導光板に入光した映像光の導光される方向(導光板の左右方向)をX方向とし、それに直交する方向(導光板の厚み方向)をY方向とする。このY方向の−Y側を観察者側とし、+Y側を背面側とする。
また、表示装置1は、映像と外界の光とを重ねて見せる、いわゆるシースルー機能を備えている。本実施形態では、半透過型反射シートを導光板20に適用した例について説明する。なお、半透過型反射シートとは、入射した光の一部を透過し、その他を反射するシートを総称するものであり、透過率及び反射率が50%であるものに限られない。
投射光学系12は、映像源11から出射された映像光を平行光として投射する複数のレンズ群から構成される光学系である。
導光板20は、光を導光する略平板状の透明部材である。本実施形態の導光板20は、鉛直方向(Z方向)から見た形状が略台形形状に形成された台形柱形状に形成されている。導光板20は、互いに平行に対向する第1全反射面20b及び第2全反射面20cと、反射面20aと、を備える。
反射面20aは、反射膜27で反射した映像光を第1全反射面20bにおいて全反射させるために、第1全反射面20bに対して25°〜40°の範囲で傾斜している。
第1全反射面20bは、その−X側の端部が、映像源11から投射された映像光を入光する入光面となる。また、第1全反射面20bは、+X側の端部が、単位光学形状部30及び出光側単位光学形状部31(後述)において反射した映像光を導光板20外へ出光する出光面となる。
上記構成において、反射膜27で反射した映像光は、第1全反射面20bに向けて斜め方向に導光される。そのため、映像光は、第1全反射面20b及び第2全反射面20cの間で全反射を繰り返しながら、導光板20内の+X方向(導光方向)に導光される。
図2は、本実施形態の導光板20の詳細を説明する図である。図2は、図1のa部詳細を示している。
図2に示すように、導光板20は、観察者側(−Y側)から順に、基材部(第2基材)26、接合層24、第2光学形状層23、第1光学形状層(樹脂シート)22、基材部(基材)21が積層されている。
基材部21は、導光板20の最も背面側に設けられた層であり、その背面側(+Y側)の面が第2全反射面20cとなる。基材部21は、第1光学形状層22の基礎となる基材であり、その厚みs1は、導光板20の仕様により異なるが、およそ100μm≦s1≦1000μmの範囲で形成することが望ましい。基材部21の背面側の面は、入射する光の拡散を抑制する観点から平滑(例えば、60度の光沢度で90以上)に形成することが望ましい。
基材部26の観察者側の面は、光の拡散を抑制する観点から平滑(例えば、60度の光沢度で90以上)に形成することが望ましい。
単位光学形状部30は、鉛直方向(Z方向)に延在し、映像光の導光方向(X方向)に沿って複数配列されている。また、単位光学形状部30は、映像光が出光する方向(導光板20の厚み方向、Y方向)に平行、且つ、単位光学形状部30の配列方向(X方向)に平行な断面(XY面)における形状が三角形状(プリズム形状)に形成されている。単位光学形状部30は、第1傾斜面30aと、第2傾斜面30bと、から構成される。
本実施形態の単位光学形状部30は、後述するように、成形型から剥離した時に、第1傾斜面30aにおけるうねりの発生が抑制されるため、単位光学形状部30の高さh1が40μm≦h1≦600μmの範囲で形成され、配列ピッチPが100μm≦P≦1000μmの範囲で形成された形状において、第1傾斜面30aの算術平均うねりWaを0.05μm以下にすることができる。そのため、第1傾斜面30aの表面に形成される反射層25において、映像光を第1全反射面20bに対してより垂直な方向(−Y方向)に反射させることができる。
また、第1傾斜面30a上の全面、すなわち、第1傾斜面30a及び第3傾斜面31a(後述)間の全体には、反射層25が形成されている。
第2光学形状層23は、第1光学形状層22と対向する面(背面、+Y側の面)に上述の単位光学形状部30と対応する形状の出光側単位光学形状部31が形成されている。
本実施形態において、出光側単位光学形状部31及び単位光学形状部30は、上記断面において、同様の形状に形成されている。
本実施形態の単位光学形状部30及び出光側単位光学形状部31は、配列ピッチP等が一定で、角度αが映像光の進行する側(+X側)へ向かうにつれて次第に大きくなり、また、それに伴い高さh1、h2も大きくなる例について説明するが、これに限定されない。例えば、配列ピッチP、角度α、角度β、高さh1、h2が一定に形成されるようにしてもよい。
本実施形態の反射層25は、アルミニウムの蒸着によって約100Åの厚みに形成されているが、光の反射率及び透過率を上述の好ましい範囲に設定できれば、その材料等に応じて厚さを自由に設定できる。
単位光学形状部30において、第1傾斜面30a及び第3傾斜面31aの角度αは、25°≦α≦40°の範囲で形成することが望ましい。
出光側単位光学形状部31において、第2傾斜面30b及び第4傾斜面31bの角度βは、80°≦β≦90°の範囲で形成することが望ましい。
単位光学形状部30の高さh1及び出光側単位光学形状部31の高さh2は、それぞれ、40μm≦h1≦600μm、40μm≦h2≦600μmの範囲で形成することが望ましい。
第1光学形状層22の深さd1及びd2は、それぞれ、5μm≦d1≦200μm、45μm≦d2≦800μmの範囲で形成することが望ましい。
単位光学形状部30の配列ピッチPは、100μm≦P≦1000μmの範囲で形成することが望ましい。
後述するように、本実施形態の単位光学形状部30は、高さh1が40μm≦h1≦600μmの範囲で形成され、配列ピッチPが100μm≦P≦1000μmの範囲で形成された形状において、第1傾斜面30aの算術平均うねりWaが0.05μm以下となるように形成される。
図1に示すように、映像源11から出射した映像光Lは、投射光学系12を介して導光板20の第1全反射面20bへと入射する。導光板20内に入光した映像光Lは、反射面20aの反射膜27に入射して第1全反射面20b側へと反射する。その映像光Lは、第1全反射面20bに入射して第2全反射面20c側へと全反射した後、第2全反射面20cに入射して第1全反射面20b側へと全反射する。このように、映像光Lは、第1全反射面20b及び第2全反射面20c間において全反射を繰り返すことにより、導光板20の−X側から+X側に向けて導光され、第1光学形状層22及び第2光学形状層23間に設けられた反射層25に入射する。
反射層25に入射した映像光のうち、一部の映像光L1は、図2に示すように、反射層25において第1全反射面20bに対してほぼ垂直な方向(−Y方向)に反射して、第1全反射面20bから観察者の眼Eに向けて出光する。また、他の映像光は、反射層25を透過して第1光学形状層22内に入射するが、そのほとんどが導光板20の背面側から出光する。
図3及び図4は、第1実施形態の導光板20の製造方法を説明する図である。このうち、図3の各分図(a)〜(e)は、基材部21と接合された第1光学形状層22を製造する過程を説明する図である。また、図4の各分図(f)〜(h)は、基材部21と接合された第1光学形状層22を基にして導光板20を製造する過程を説明する図である。なお、本実施形態及び後述する各実施形態の図面においては、部材の断面を示すハッチングを適宜に省略する。
次に、図3(b)に示すように、賦形面10a上に未硬化の紫外線硬化樹脂22aを充填する(エネルギー線硬化樹脂充填工程)。ここでは、例えば、紫外線硬化樹脂22aを、賦形面10a上の一辺に沿って点状又は線状に塗布し、不図示のローラ等で引き延ばすことにより、賦形面10a上に均一に充填できる(他の実施形態も同様)。
紫外線硬化樹脂22aが硬化した後、図3(d)に示すように、紫外線硬化樹脂22aの上に、基材部21を貼り付ける(基材貼り付け工程)。
次に、紫外線照射部から、未硬化の紫外線硬化樹脂22aに対し、基材部21を介して紫外線UVを照射する。これにより、重ねて塗布した紫外線硬化樹脂22aが硬化して、の紫外線硬化樹脂22aの上に基材部21が貼り付けられる。
次に、図4(f)に示すように、第1光学形状層22の単位光学形状部30が上方を向くように配置し、単位光学形状部30の表面に蒸着金属を付着させて、反射層25を形成する。
そして、接合層24を介して基材部26が貼付された積層体の−X側(単位光学形状部30が形成される側とは反対側)の背面側(+Y側)の角部を加工して反射面20aを形成する。更に、その反射面20aに真空蒸着法等の手法によりアルミニウムを蒸着して、反射膜27を形成する(図1参照)。以上の工程を経ることにより、導光板20が完成する。
したがって、第1実施形態の製造方法によれば、光学性能をより向上させた導光板20を製造することができる。
第2実施形態は、第1光学形状層22の製造過程が第1実施形態と異なる。それ以外の導光板20の構成は、第1実施形態と同じであるため、相違点のみを説明する。
図5は、第2実施形態の導光板20の製造方法を説明する図である。図5に示す各分図(a)〜(e)は、基材部21と接合された第1光学形状層22を製造する過程を説明する図である。
第2実施形態において、第1光学形状層22の深さd1及びd2(図2参照)は、それぞれ、10μm≦d1≦200μm、50μm≦d2≦800μmの範囲で形成することが望ましい。紫外線硬化樹脂22aの硬化時に生じる収縮の大きさは、深さd1及びd2の差に比例する。すなわち、深さd1とd2との差が大きいほど、紫外線硬化樹脂22aの硬化時に生じる収縮は大きくなる。したがって、第1光学形状層22の深さd1及びd2を上述した範囲とし、この深さd1及びd2に合わせて基材部21の厚みs1を後述する範囲で形成することにより、紫外線硬化樹脂22aの硬化時に生じる収縮の大きさに応じて、基材部21をより適切に変形させることができる。
次に、図5(c)に示すように、賦形面10a上に充填された未硬化の紫外線硬化樹脂22aの上に、基材部21を貼り付ける(基材貼り付け工程)。本実施形態の基材部21は、紫外線硬化樹脂22aの収縮とともに変形可能な基材である。そのため、基材部21の厚みs1は、上述した単位光学形状部30の深さd1及びd2に合わせて、10μm≦s1≦100μmの範囲で形成することが望ましい。基材部21の厚みs1をこのような範囲とすることにより、紫外線硬化樹脂22aの硬化時に生じる収縮に応じて、基材部21をより適切に変形させることができる。
紫外線硬化樹脂22aが硬化した後、図5(e)に示すように、硬化後の紫外線硬化樹脂22aを成形型10から剥離して、基材部21と接合された第1光学形状層22を得る(樹脂シート作製工程)。これ以降の工程は、上述した図4(f)〜(h)と同じであるため、説明を省略する。
したがって、第2実施形態の製造方法によれば、光学性能をより向上させた導光板20を製造することができる。
第3実施形態は、第1光学形状層22の製造過程が第1実施形態と異なる。それ以外の導光板20の構成は第1実施形態と同じであるため、相違点のみを説明する。
図6は、第3実施形態の導光板20の製造方法を説明する図である。図6に示す各分図(a)〜(g)は、基材部21と接合された第1光学形状層22を製造する過程を説明する図である。
第3実施形態において、第1光学形状層22の深さd1及びd2は、それぞれ、10μm≦d1≦200μm、50μm≦d2≦800μmの範囲で形成することが望ましい。また、この深さd1及びd2に合わせて、基材部21a(後述)の厚みs1を後述する範囲で形成することにより、紫外線硬化樹脂22aの硬化時に生じる収縮の大きさに応じて、基材部21aをより適切に変形させることができる。
次に、図6(b)に示すように、賦形面10a上に紫外線硬化樹脂22aを充填する(エネルギー線硬化樹脂充填工程)。
紫外線硬化樹脂22aが硬化した後、図6(e)に示すように、硬化後の紫外線硬化樹脂22aから基材部21aを剥離する。
次に、図6(g)に示すように、第1光学形状層22を成形型10から剥離して、基材部21と接合された第1光学形状層22を得る(樹脂シート剥離工程)。これ以降の工程は、上述した図4(f)〜(h)と同じであるため、説明を省略する。
第3実施形態の製造方法においても、第2実施形態と同様の理由により、第1全反射面20bで反射した映像光が二重像として観察者に視認される不具合を抑制できる。
また、第1光学形状層22の深さd1及びd2を、それぞれ、10μm≦d1≦200μm、50μm≦d2≦800μmの範囲で形成し、この深さd1及びd2に合わせて、基材部(第1基材)21aの厚みs1を10μm≦s1≦100μmの範囲で形成することにより、紫外線硬化樹脂22aの硬化時に生じる収縮の大きさに応じて、基材部21aをより適切に変形させることができる。
したがって、第3実施形態の製造方法によれば、光学性能をより向上させた導光板20を製造することができる。
第4実施形態では、樹脂シートとしての第1光学形状層22を、フレネルレンズシートに適用した例について説明する。以下、第1光学形状層22を「光学形状層220」として説明する。また、第1実施形態と共通する構成部分には、同じ符号を付して説明する。
まず、図7(a)に示すように、製造するフレネルレンズシートの光学形状層220の形状に対応した賦形面10aを有する成形型10を用意し、賦形面10aが上方(重力方向の天側)を向くように配置する。
第4実施形態において、単位光学形状部30の高さh1は、10μm≦h1≦300μmの範囲で形成することが望ましい。単位光学形状部30の配列ピッチPは、100μm≦P≦1000μmの範囲で形成することが望ましい。第1光学形状層22の深さd1及びd2は、それぞれ、5μm≦d1≦100μm、15μm≦d2≦400μmの範囲で形成することが望ましい。
次に、図7(c)に示すように、紫外線照射部(不図示)から、未硬化の紫外線硬化樹脂22aに対して紫外線UVを照射する(エネルギー線硬化樹脂照射工程)。これにより、紫外線硬化樹脂22aが硬化して光学形状層220となる。
紫外線硬化樹脂22aが硬化した後、図7(d)に示すように、硬化後の紫外線硬化樹脂22aを成形型10から剥離して、光学形状層220を得る(樹脂シート作製工程)。この光学形状層220を、単体で又は支持体等(不図示)を貼り合せることにより、フレネルレンズシートを製造することができる。
そのため、単位光学形状部30の高さh1が10μm≦h1≦300μmの範囲で形成され、配列ピッチPが100μm≦P≦1000μmの範囲で形成された形状において、第1傾斜面30aの算術平均うねりWaを0.05μm以下にすることができる。
したがって、第4実施形態の製造方法によれば、光学性能をより向上させたフレネルレンズシートを製造することができる。
第5実施形態は、第4実施形態と同じく、樹脂シートとしての第1光学形状層22をフレネルレンズシートに適用した例について説明する。以下、第1光学形状層22を「光学形状層220」として説明する。また、第1実施形態と共通する構成部分には、同じ符号を付して説明する。
まず、図8(a)に示すように、製造するフレネルレンズシートの光学形状層220の形状に対応した賦形面10aを有する成形型10を用意し、賦形面10aが上方(重力方向の天側)を向くように配置する。
第5実施形態において、光学形状層220(単位光学形状部30)の深さd1及びd2は、それぞれ、20μm≦d1≦100μm、30μm≦d2≦400μmの範囲で形成することが望ましい。また、この深さd1及びd2に合わせて、基材部21aの厚みs1を後述する範囲で形成することにより、紫外線硬化樹脂22aの硬化時に生じる収縮の大きさに応じて、基材部21aをより適切に変形させることができる。
次に、図8(c)に示すように、賦形面10a上に充填された未硬化の紫外線硬化樹脂22aの上に、基材部21aを貼り付ける(基材貼り付け工程)。本実施形態の基材部21aは、紫外線硬化樹脂22aの収縮とともに変形可能な基材である。そのため、基材部21aの厚みs1は、上述した単位光学形状部30の深さd1及びd2に合わせて、8μm≦s1≦50μmの範囲で形成することが望ましい。基材部21aの厚みs1をこのような範囲とすることにより、紫外線硬化樹脂22aの硬化時に生じる収縮に応じて、基材部21aをより適切に変形させることができる。
紫外線硬化樹脂22aが硬化した後、図8(e)に示すように、硬化後の紫外線硬化樹脂22aから基材部21aを剥離する。
次に、図8(f)に示すように、光学形状層220を成形型10から剥離して、光学形状層220を得る(樹脂シート剥離工程)。この光学形状層220を、単体で又は支持体等(不図示)を貼り合せることにより、フレネルレンズシートを製造することができる。
したがって、第5実施形態の製造方法によれば、光学性能をより向上させたフレネルレンズシートを製造することができる。
(1)図9は、変形形態の半透過型反射シートを説明する図である。
上述の第1〜第3実施形態においては、半透過型反射シートを導光板20に適用した例で説明したが、これに限定されない。例えば、半透過型反射シートは、図9に示すように、表示装置1の映像源11からの映像光を導光させずに、反射層25において観察者側に直接反射させる方式の半透過型反射シート20Aにも適用できる。この場合、第1傾斜面30a及び第3傾斜面31aの角度αは5°≦α≦35°の範囲、単位光学形状部30の高さh1は5μm≦h1≦700μmの範囲、出光側単位光学形状部31の高さh2は5μm≦h2≦700μmの範囲、単位光学形状部30の配列ピッチPは50μm≦P≦1000μmの範囲で、それぞれ形成することが望ましい。
また、半透過型反射シートは、自動車等のフロントウィンドウに搭載されるヘッドアップディスプレイ、背景等の外界の光を透過するスクリーン等に適用することも可能である。
(3)上述の第1〜第3実施形態では、蒸着により反射層25を形成する例を説明したが、これに限定されない。例えば、光反射性の高い金属をスパッタリングしたり、金属箔を転写したり、金属薄膜を含有した塗料を塗布したりする等により反射層25を形成してもよい。
(5)上述の第1〜第3実施形態において、導光板20の背面(基材部21の背面)及び導光板20の観察者側の面(基材部26の観察者側の面)のいずれか又はその両方の面に、傷つき防止を目的としたハードコート処理を施してもよい。このハードコート処理として、例えば、導光板20の背面及び観察者側の面のいずれか又は両方の面に、ハードコート機能を有する紫外線硬化型樹脂(例えば、ウレタンアクリレート)を塗布してハードコート層を形成してもよい。
(7)上述の第1〜第3実施形態では、導光板20において、第1全反射面20bと映像光が入光する面とが同一面内に形成される例を示したが、これに限定されない。導光板20において、第1全反射面と映像光が入光する面とが相違する面として形成されてもよい。
また、上述の第1〜第3実施形態では、導光板20において、第1全反射面20bと映像光が出光する出光面とが同一面内に形成される例を示したが、これに限定されない。導光板20において、第1全反射面と映像光が出光する面とが相違する面として形成されてもよい。
20A 半透過型反射シート
21、21a 基材部
22 第1光学形状層
23 第2光学形状層
25 反射層
30 単位光学形状部
30a 第1傾斜面
30b 第2傾斜面
220 光学形状層
Claims (3)
- 第1傾斜面及び第2傾斜面を有する単位光学形状部が複数配列された光学形状層を備え、エネルギー線の照射により硬化するエネルギー線硬化樹脂により形成された樹脂シートの製造方法であって、
前記単位光学形状部を賦形する賦形面を有する成形型に、未硬化の前記エネルギー線硬化樹脂を充填するエネルギー線硬化樹脂充填工程と、
前記エネルギー線硬化樹脂にエネルギー線を照射し、前記成形型に充填された前記エネルギー線硬化樹脂を収縮可能な状態で硬化させて、前記光学形状層を成形するエネルギー線照射工程と、
硬化後の前記光学形状層の表面に、前記光学形状層と同じ材質のエネルギー線硬化樹脂を塗布し、塗布した未硬化の前記エネルギー線硬化樹脂の表面に光透過性を有する基材を積層し、前記基材を介してエネルギー線を照射して、塗布した前記エネルギー線硬化樹脂を硬化させて、前記光学形状層の表面に前記基材を貼り付ける基材貼り付け工程と、
前記光学形状層を前記基材とともに前記成形型から剥離して、前記基材の接合された樹脂シートを得る樹脂シート作製工程と、
を含む樹脂シートの製造方法。 - 第1傾斜面及び第2傾斜面を有する単位光学形状部が複数配列された光学形状層を備え、エネルギー線の照射により硬化するエネルギー線硬化樹脂により形成された樹脂シートの製造方法であって、
前記単位光学形状部を賦形する賦形面を有する成形型に、未硬化の前記エネルギー線硬化樹脂を充填するエネルギー線硬化樹脂充填工程と、
前記成形型に充填された未硬化の前記エネルギー線硬化樹脂の表面に、前記エネルギー線硬化樹脂の収縮とともに変形可能な光透過性を有する基材を積層し、前記基材を介してエネルギー線を照射して、前記エネルギー線硬化樹脂を硬化させて前記基材を貼り付ける基材貼り付け工程と、
硬化後の前記エネルギー線硬化樹脂を前記基材とともに前記成形型から剥離して、前記基材の接合された樹脂シートを得る樹脂シート作製工程と、
を含み、
前記光学形状層は、
前記単位光学形状部の谷部から、前記単位光学形状部が設けられた側と反対側の面までの深さd1が10〜200μmの範囲で形成され、
前記単位光学形状部の頂部から、前記単位光学形状部が設けられた側と反対側の面までの深さd2が50〜800μmの範囲で形成され、
前記基材の厚みs1が10μm≦s1≦100μmの範囲で形成されること、
を特徴とする樹脂シートの製造方法。 - 請求項1又は請求項2に記載の樹脂シートの製造方法であって、
前記光学形状層は、
前記第1傾斜面の算術平均うねりWaが0.05μm以下に形成され、
前記単位光学形状部の厚み方向の頂部から谷部までの高さh1が40〜600μmの範囲で形成され、
前記単位光学形状部の配列ピッチPが100〜1000μmの範囲で形成されること、
を特徴とする樹脂シートの製造方法。
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