JP2020046676A - 樹脂シートの製造方法 - Google Patents

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Hiroshi Sekiguchi
博 関口
後藤 正浩
Masahiro Goto
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Abstract

【課題】光学性能をより向上させた樹脂シートの製造方法を提供する。【解決手段】樹脂シートの製造方法は、単位光学形状部に対応する凹凸形状が形成された成形型の成形面上に、第1光学形状層に使用される量よりも少ない量の未硬化のエネルギー線硬化樹脂を充填する第1樹脂充填工程と、第1樹脂充填工程により充填された未硬化のエネルギー線硬化樹脂にエネルギー線を照射して、エネルギー線硬化樹脂を硬化させる第1硬化工程と、第1硬化工程によって硬化したエネルギー線硬化樹脂を加熱処理する第1加熱工程と、加熱処理したエネルギー線硬化樹脂の上に、未硬化のエネルギー線硬化樹脂を充填する第2樹脂充填工程と、第2樹脂充填工程によって充填された未硬化のエネルギー線硬化樹脂にエネルギー線を照射して硬化させる第2硬化工程と、第2硬化工程によって硬化したエネルギー線硬化樹脂を加熱処理する第2加熱工程とを備える。【選択図】図7

Description

本発明は、樹脂シートの製造方法に関する。
従来、LCD(Liquid Crystal Display)等の映像源に表示された映像を、光学系を介して観察者に観察させる頭部装着型の表示装置(以下、「表示装置」ともいう)が提案されている(例えば、特許文献1)。
このような表示装置において、映像源から出射された映像光を導光板により観察者の眼に対応する位置まで導き、更に反射層を介して観察者側へ反射させるタイプがある。
上述した表示装置に用いられる導光板(透過型反射シート)には、導光方向に複数配列された単位光学形状部が設けられている。この単位光学形状部は、その配列方向に平行であって導光板の厚み方向に平行な断面がプリズム形状に形成されており、上述の反射層が形成された反射面と、それに対向する対向面とで構成されている。
このような導光板の光学性能は、単位光学形状部を有する光学形状層(樹脂シート)の形状に左右されるため、光学形状層の形状を最適化して、光学性能をより向上させることが求められている。
特表2011−509417号公報
本発明の課題は、光学性能をより向上させることができる樹脂シートの製造方法を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されない。
第1の発明は、エネルギー線硬化樹脂により形成され、第1傾斜面(30a)及び第2傾斜面(30b)を有する単位光学形状部(30)が複数配列された第1光学形状層(22)を備える樹脂シートの製造方法であって、前記単位光学形状部に対応する凹凸形状が形成された成形型の成形面上に、前記第1光学形状層に使用される量よりも少ない量の未硬化のエネルギー線硬化樹脂を充填する第1樹脂充填工程と、前記第1樹脂充填工程により充填された未硬化のエネルギー線硬化樹脂にエネルギー線を照射して、エネルギー線硬化樹脂を硬化させる第1硬化工程と、前記第1硬化工程によって硬化したエネルギー線硬化樹脂を加熱処理する第1加熱工程と、加熱処理したエネルギー線硬化樹脂の上に、未硬化のエネルギー線硬化樹脂を充填する第2樹脂充填工程と、前記第2樹脂充填工程によって充填された未硬化のエネルギー線硬化樹脂にエネルギー線を照射して硬化させる第2硬化工程と、前記第2硬化工程によって硬化したエネルギー線硬化樹脂を加熱処理する第2加熱工程と、を備える樹脂シートの製造方法である。
第2の発明は、第1の発明の樹脂シートの製造方法において、前記第2樹脂充填工程と、前記第2硬化工程と、前記第2加熱工程とは、複数回繰り返されること、を特徴とする樹脂シートの製造方法である。
本発明によれば、光学性能をより向上させることができる樹脂シートの製造方法を提供することができる。
実施形態の頭部装着型の表示装置を説明する図である。 実施形態の導光板の詳細を説明する図である。 実施形態の第1光学形状層の製造方法を説明する図である。 実施形態の第1光学形状層の製造方法を説明する図である。 実施形態の第1光学形状層の製造方法を説明する図である。 実施形態の導光板の製造方法を説明する図である。 実施形態の第1光学形状層の製造方法の別な例を説明する図である。 変形形態の透過型反射シートを説明する図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
(実施形態)
図1は、本実施形態の頭部装着型の表示装置1を説明する図である。図1は、表示装置1を鉛直方向の上方から見た図である。
なお、以下の説明においては、理解を容易にするために、観察者が頭部に表示装置1を装着した状態における鉛直方向をZ方向とし、水平方向をX方向及びY方向とする。また、この水平方向のうち、導光板に入光した映像光の導光される方向(導光板の左右方向)をX方向とし、それに直交する方向(導光板の厚み方向)をY方向とする。このY方向の−Y側を観察者側とし、+Y側を背面側とする。
表示装置1は、観察者が頭部に装着し、観察者の眼前に映像を表示する、いわゆるヘッドマウントディスプレイである。本実施形態の表示装置1は、不図示のメガネフレームの内側に、映像源11と、投射光学系12と、導光板20とを備える。表示装置1は、観察者がメガネフレームを頭部に装着することによって、映像源11に表示された映像を、導光板(透過型反射シート)20等を介して観察者に視認させることができる。具体的には、表示装置1は、映像源11に表示された映像光を、投射光学系12を介して導光板20へ入射し、導光板20内において+X方向に導光する。そして、表示装置1は、映像光を導光方向に直交する−Y方向に反射して、表示装置1を頭部に装着した観察者の眼Eの前に映像を表示する。
また、表示装置1は、映像と外界の光とを重ねて見せる、いわゆるシースルー機能を備えている。本実施形態では、透過型反射シートを導光板20に適用した例について説明する。なお、透過型反射シートとは、入射した光のうち、一部を透過し、その他を反射するシートを総称するものであり、透過率及び反射率が50%であるものに限られない。
映像源11は、映像光を表示するマイクロディスプレイであり、例えば、透過型の液晶表示デバイス、反射型の液晶表示デバイス、有機EL等を使用することができる。映像源11は、例えば、対角が1インチ以下のマイクロディスプレイが使用される。
投射光学系12は、映像源11から出射された映像光を平行光として投射する複数のレンズ群から構成される光学系である。
導光板20は、光を導光する略平板状の透明部材である。本実施形態の導光板20は、鉛直方向(Z方向)から見た形状が略台形形状に形成された台形柱形状に形成されている。導光板20は、互いに平行に対向する第1全反射面20b及び第2全反射面20cと、反射面20aとを備える。
反射面20aは、映像光を第1全反射面20b側に反射させる光学部材であり、導光板20の−X側端部に、第1全反射面20b及び第2全反射面20cに対して所定の角度で傾斜して設けられている。反射面20aは、その全面に反射膜27が形成されている。導光板20内に入射した映像光は、反射膜27により第1全反射面20b側に反射する。反射膜27は、光反射性の高い金属、例えば、アルミニウム、銀、ニッケル等により形成される。本実施形態において、反射膜27は、アルミニウムを蒸着することにより形成されている。なお、これに限らず反射膜27は、光反射性の高い金属をスパッタリングしたり、金属箔を転写したり、金属薄膜を含有した塗料を塗布したりする等により形成されてもよい。
反射面20aは、反射膜27で反射した映像光を第1全反射面20bにおいて全反射させるために、第1全反射面20bに対して25°〜60°の範囲で傾斜している。
第1全反射面20bは、導光板20を形成する面のうちXZ平面に平行であって、観察者側(−Y側)に位置する面である。第1全反射面20bは、反射膜27によって反射した映像光を第2全反射面20c側に向けて全反射させる。また、第1全反射面20bは、第2全反射面20cにおいて全反射した映像光を、再び第2全反射面20c側に向けて全反射させる。
第1全反射面20bは、その−X側の端部が、映像源11から投射された映像光を入光する入光面となる。また、第1全反射面20bは、+X側の端部が、単位光学形状部30及び出光側単位光学形状部31(後述する)において反射した映像光を導光板20外へ出光する出光面となる。
第2全反射面20cは、導光板20を形成する面のうち、XZ平面に平行であって、背面側(+Y側)に位置する面(観察者側から離れた側の面)である。第2全反射面20cは、第1全反射面20bにおいて全反射した映像光を、第1全反射面20b側に向けて全反射させる。
上記構成において、反射膜27で反射した映像光は、第1全反射面20bに向けて斜め方向に導光される。そのため、映像光は、第1全反射面20b及び第2全反射面20cの間で全反射を繰り返しながら、導光板20内の+X方向(導光方向)に導光される。
次に、導光板20の層構成について説明する。
図2は、本実施形態の導光板20の詳細を説明する図である。図2は、図1のa部詳細を示している。
図2に示すように、導光板20は、観察者側(−Y側)から順に、基材部(第2基材)26、接合層24、第2光学形状層23、第1光学形状層(樹脂シート)22、基材部(基材)21が積層されている。
基材部21及び基材部26は、導光板20の基礎となる平板状の部材であり、例えば、光透過性の高いアクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂等から形成されている。
基材部(基材)21は、導光板20の最も背面側に設けられた層であり、その背面側(+Y側)の面が第2全反射面20cとなる。基材部21は、第1光学形状層22の基礎となる基材である。基材部21の背面側の面は、入射する光の拡散を抑制する観点から平滑(例えば、60度の光沢度で90以上)に形成されるのが望ましい。
基材部26は、導光板20の最も観察者側に設けられた層であり、その観察者側(−Y側)の面が、第1全反射面20bとなる。基材部26は、第2光学形状層23の背面側に接合層24を介して接合される。基材部26は、導光板20の全体の厚みを調整するとともに、導光板20に所定の剛性を持たせる基材である。基材部26の厚みsは、2mm≦s≦3mmの範囲で形成されることが好ましい。厚みsが2mm未満である場合、導光板20の剛性が低下したり、導光板20の出光面に表示される画面が小さくなりすぎたりするため望ましくない。また、厚みsが3mmを超える場合、導光板20の重量が増し、表示装置1を装着する観察者の負荷となるため望ましくない。
基材部26の観察者側の面は、光の拡散を抑制する観点から平滑(例えば、60度の光沢度で90以上)に形成されるのが望ましい。
第1光学形状層22は、基材部21の観察者側(−Y側)の面に設けられる層である。
第1光学形状層22は、図1及び図2に示すように、その観察者側(−Y側)の面であって、+X側の端部近傍に、単位光学形状部30が複数設けられている。
単位光学形状部30は、鉛直方向(Z方向)に延在し、映像光の導光方向(X方向)に沿って複数配列されている。また、単位光学形状部30は、映像光が出光する方向(導光板20の厚み方向、Y方向)に平行であって、単位光学形状部30の配列方向(X方向)に平行な断面(XY面)における形状が三角形状(プリズム形状)に形成されている。単位光学形状部30は、第1傾斜面30aと、第2傾斜面30bと、から構成される。
第1傾斜面30aは、第1全反射面20bを全反射した映像光が直接入射する面である。第1傾斜面30aは、出光面(第1全反射面20b、第2光学形状層23の観察者側の面)に対して傾斜しており、その+X側の端部が、−X側の端部よりも観察者(出光)側(−Y側)に位置している。
また、第1傾斜面30a上の全面、すなわち、第1傾斜面30a及び第3傾斜面31a(後述する)間の全体には、反射層25が形成されている。
第2傾斜面30bは、第1全反射面20bを全反射した映像光が直接入射しない面である。第2傾斜面30bは、第1傾斜面30aよりも映像光の進行する側(+X側)に、第1傾斜面30aと対向して設けられている。第2傾斜面30bは、出光面(第1全反射面20b、第2光学形状層23の観察者側の面)に対して傾斜しており、その+X側の端部が、−X側の端部よりも背面側(+Y側)に位置している。
第2光学形状層23は、第1光学形状層22の単位光学形状部30側(観察者側)の面に設けられた層である。第2光学形状層23は、第1光学形状層22の観察者側(−Y側)の面を平坦にするために設けられている。
第2光学形状層23の観察者側の面は、接合層24を介して基材部26に接合される面である。また、この面は、第2光学形状層23から基材部26へと通過する光の出光面となる。第2光学形状層23の出光面は、導光板20の第1全反射面20b(出光面、XZ平面)と平行である。
第2光学形状層23は、第1光学形状層22と対向する面(背面、+Y側の面)に上述の単位光学形状部30と対応する形状の出光側単位光学形状部31が形成されている。
出光側単位光学形状部31は、鉛直方向(Z方向)に延在し、映像光の導光方向(X方向)に沿って複数配列されている。出光側単位光学形状部31は、映像光が出光する方向(導光板20の厚み方向、Y方向)に平行であって、出光側単位光学形状部31の配列方向(X方向)に平行な断面(XY面)における形状が三角形状(プリズム形状)に形成されている。出光側単位光学形状部31は、第3傾斜面31aと、第4傾斜面31bと、から構成される。
第3傾斜面31aは、第1全反射面20bを全反射した映像光が直接入射する面である。第3傾斜面31aは、出光面(第1全反射面20b、第2光学形状層23の観察者側の面)に対して傾斜しており、その+X側の端部が、−X側の端部よりも観察者(出光)側(−Y側)に位置している。第3傾斜面31aは、単位光学形状部30の第1傾斜面30aに対向しており、その第1傾斜面30aと平行な面である。上述したように、第3傾斜面31a及び第1傾斜面30a間には、反射層25が設けられている。
第4傾斜面31bは、第1全反射面20bを全反射した映像光が直接入射しない面である。第4傾斜面31bは、第3傾斜面31aよりも映像源側(−X側)に、第3傾斜面と対向して設けられている。第4傾斜面31bは、出光面(第1全反射面20b、第2光学形状層23の観察者側の面)に対して傾斜しており、その+X側の端部が、−X側の端部よりも背面側(+Y側)に位置している。第4傾斜面31bは、単位光学形状部30の第2傾斜面30bに対向しており、第2傾斜面30bと平行な面である。第4傾斜面31bは、上述した第2傾斜面30bに密着している。
ここで、第1傾斜面30a及び第3傾斜面31aが、第1全反射面20b(出光面)に平行な面(XZ平面)と交差する角度は、αである。第2傾斜面30b及び第4傾斜面31bが、第1全反射面20b(出光面)に平行な面(XZ平面)と交差する角度は、βである。単位光学形状部30及び出光側単位光学形状部31の配列ピッチは、Pである。単位光学形状部30の高さ(導光板20の厚み方向(Y方向)における単位光学形状部30の頂部t1から単位光学形状部30間の谷部v1までの寸法)は、h1である。出光側単位光学形状部31の高さ(導光板20の厚み方向(Y方向)における出光側単位光学形状部31の頂部t2から出光側単位光学形状部31間の谷部v2までの寸法)は、h2である。本実施形態において、h1=h2である。
本実施形態の単位光学形状部30は、高さh1が40μm≦h1≦1800μmの範囲に形成され、配列ピッチPが100μm≦P≦1000μmの範囲に形成された場合において、第1傾斜面30aの幅方向及び奥行き方向における算術平均うねりWa(JIS B 0601:2013)が、3nm≦Wa≦20nmの範囲に形成されている。ここで、第1傾斜面30aの奥行き方向とは、第1傾斜面30aに平行な面内において、単位光学形状部30が延在する方向(鉛直方向、Z方向)に平行な方向をいう。また、第1傾斜面30aの幅方向とは、第1傾斜面30aに平行な面内において、上述の奥行き方向に直交する方向をいう。
これにより、第1傾斜面30aの表面に形成される反射層25の反射面を平滑にすることができ、本実施形態の導光板20(第1光学形状層22)は、映像光のほとんどを、反射層25により出光面(第1全反射面20b)に対して垂直な方向(Y方向)に反射させることができ、映像光を観察者に二重像として視認させてしまうのを抑制することができる。
仮に、第1傾斜面30aの算術平均うねりWaが20nmよりも大きい場合、第1傾斜面30aのうねりが十分に抑制されず、第1傾斜面30a上に形成される反射層25に入射した映像光の一部を、出光面(第1全反射面20b)に対して垂直な方向に反射させることができず、映像光が二重像として観察者に視認される場合があるため望ましくない。
また、第1傾斜面30aの算術平均うねりWaが3nmよりも小さい場合、第1傾斜面30aに生じるうねりを極力抑制することができるため、上述の二重像の問題を回避し、導光板の光学特性を向上させることができるが、このような精度の第1傾斜面30aを製造するのが非常に困難になり、また、製造コストが増大してしまうため望ましくない。
第1光学形状層22としては、光透過性の高いウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリチオール系、ブタジエンアクリレート系等の紫外線硬化樹脂が用いられる。第1光学形状層22の屈折率は、上述の基材部21、基材部26と同等の屈折率であることが望ましい。なお、本実施形態では、エネルギー線硬化樹脂として、紫外線硬化樹脂を例に挙げて説明するが、これに限定されない。例えば、エネルギー線硬化樹脂として、電子線硬化樹脂を用いてもよい。
また、第2光学形状層23としては、第1光学形状層22と同じ紫外線硬化樹脂が用いられる。第2光学形状層23の屈折率は、第1光学形状層22と同等であることが望ましい。
ここで、第1光学形状層を射出成形により形成した場合、第1傾斜面の平坦性(面粗さ)は良好になるが、単位光学形状部の頂部t1に崩れが生じ易くなる。これに対して、第1光学形状層を紫外線硬化樹脂(エネルギー線硬化樹脂)で形成した場合、単位光学形状部の頂部t1に崩れはなくなるが、従来一般に行われている製造方法では、成形型から剥離したときに第1傾斜面にうねりが発生してしまう場合がある(詳細は後述する)。そのため、例えば、単位光学形状部の高さh1を40μm≦h1≦1800μmの範囲に形成し、配列ピッチPを100μm≦P≦1000μmの範囲に形成したとしても、第1傾斜面の幅方向及び奥行き方向における算術平均うねりWaを3nm≦Wa≦20nmの範囲に形成するのは困難となる。このように第1傾斜面にうねりが発生してしまうと、第1傾斜面に形成された反射層によって、映像光の一部が斜め方向に傾斜して観察者側に反射し、二重像として観察者に視認されてしまい光学特性が低下してしまう場合がある。
そこで、本実施形態では、第1光学形状層22を紫外線硬化樹脂により後述の製造方法によって形成し、単位光学形状部30の頂部t1に崩れを生じさせることなく、第1傾斜面30aにおけるうねりの発生を抑制している。より具体的には、本実施形態の第1光学形状層22では、単位光学形状部30の高さh1を40μm≦h1≦1800μmの範囲に形成し、配列ピッチPを100μm≦P≦1000μmの範囲に形成した場合において、第1傾斜面30aの算術平均うねりWaが3nm≦Wa≦20nmの範囲内となるように形成されることとなる。
これにより、第1傾斜面30a上に形成される反射層25の反射面にもうねりが形成されてしまうのを抑制することができ、反射層25を反射する映像光のほとんどを出光面(第1全反射面20b)に対して垂直な方向(Y方向)に反射させることができ、映像光が二重像として観察者に視認されてしまうのを極力抑制することができる。
なお、本実施形態では、配列ピッチPは、第1傾斜面30a及び第3傾斜面31aの配列方向(X方向)における幅寸法と同等である例について説明するが、これに限らず、各傾斜面の幅寸法よりも大きくなるようにしてもよい。
本実施形態の単位光学形状部30及び出光側単位光学形状部31は、配列ピッチP等が一定で、角度αが映像光の進行する側(+X側)へ向かうにつれて次第に大きくなり、また、それに伴い高さh1、h2も大きくなる例について説明するが、これに限定されない。例えば、配列ピッチP、角度α、角度β、高さh1、h2が一定に形成されるようにしてもよい。
接合層24は、基材部26及び第2光学形状層23を接合する粘着剤である。接合層24は、基材部26及び第2光学形状層23間を透過する映像光が屈折しないような材料であることが好ましい。そのため、上述した層と同等の屈折率を有する材料、例えば、光透過性の高いウレタンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等により形成されている。
反射層25は、入射した光のうち一部を反射し、その他を透過する透過型の反射層、いわゆるマジックミラー(ハーフミラー)である。反射層25の反射率と透過率の割合は、適宜に設定できるが、映像光を良好に反射させるとともに、外界の光を良好に透過させる観点から、透過率が40〜60%の範囲であることが望ましい。本実施形態の反射層25は、反射率及び透過率がともに50%のハーフミラー状に形成されている。
反射層25は、第1傾斜面30aの面上、すなわち第1傾斜面30a及び第3傾斜面31a間に光反射性の高い金属、例えば、アルミニウム、銀、ニッケル等により形成されている。本実施形態において、反射層25は、アルミニウムを蒸着することにより形成されている。また、これに限らず反射層25は、光反射性の高い金属をスパッタリングしたり、金属箔を転写したり、金属薄膜を含有した塗料を塗布したりする等により形成されてもよい。また、酸化チタン、酸化シリコーン、ニオブ、タンタル、フッ化マグネシウム等を複数積層した誘電体多層膜としてもよい。
本実施形態の反射層25は、アルミニウムの蒸着によって約100Åの厚みに形成されているが、光の反射率及び透過率を上述の好ましい範囲に設定できれば、その材料等に応じて厚さを自由に設定することができる。
ここで、単位光学形状部30及び出光側単位光学形状部31において、映像光を効率良く反射して導光板20から出光させるためのパラメータについて例示する。
単位光学形状部30において、第1傾斜面30a及び第3傾斜面31aの角度αは、25°≦α≦60°の範囲に形成されることが望ましい。
出光側単位光学形状部31において、第2傾斜面30b及び第4傾斜面31bの角度βは、80°≦β≦90°の範囲に形成されることが望ましい。
単位光学形状部30の高さh1は、上述したように、40μm≦h1≦1800μmの範囲に形成することが望ましい。また、出光側単位光学形状部31の高さh2は、40μm≦h2≦1800μmの範囲に形成することが望ましい。
また、単位光学形状部30の配列ピッチPは、100μm≦P≦1000μmの範囲で形成することが望ましい。
次に、本実施形態の導光板20に入射する映像光L及び外界の光Gの光路について説明する。
図1に示すように、映像源11から出射した映像光Lは、投射光学系12を介して導光板20の第1全反射面20bへと入射する。導光板20内に入光した映像光Lは、反射面20aの反射膜27に入射して第1全反射面20b側へと反射する。その映像光Lは、第1全反射面20bに入射して第2全反射面20c側へと全反射した後、第2全反射面20cに入射して第1全反射面20b側へと全反射する。このように、映像光Lは、第1全反射面20b及び第2全反射面20c間において全反射を繰り返すことにより、導光板20の−X側から+X側に向けて導光され、第1光学形状層22及び第2光学形状層23間に設けられた反射層25に入射する。
反射層25に入射した映像光のうち、一部の映像光L1は、図2に示すように、反射層25において第1全反射面20bに対してほぼ垂直な方向(−Y方向)に反射して、第1全反射面20bから観察者の眼Eに向けて出光する。また、他の映像光は、反射層25を透過して第1光学形状層22内に入射するが、そのほとんどが導光板20の背面側から出光する。
なお、本実施形態の導光板20は、図1に示すように、映像光Lが第1全反射面20bにおいて2回全反射し、第2全反射面20cにおいて1回全反射するように構成されている。これに限らず、各面でより多く又は少なく全反射を繰り返すように構成してもよい。
外界の光Gは、図1に示すように、導光板20の背面側(+Y側)の第2全反射面20cから導光板20内に入光する。導光板20内に入光した外界の光Gのうち一部の光は、反射層25に入射する。その一部の光G1は、図2に示すように、反射層25を透過して、第1全反射面20b(出光面)から観察者の眼Eに向けて出光する。また、外界の光Gのうち他の光は、反射層25と第1光学形状層22との界面で背面側(+Y側)に反射する。
(導光板の製造方法)
次に、本実施形態の導光板20の製造方法について説明する。
図3〜図5は、それぞれ、実施形態の第1光学形状層の製造方法を説明する図である。
図6は、実施形態の導光板の製造方法を説明する図である。
図3〜図6の各図は、第1光学形状層の単位光学形状部30が設けられた部位のXY断面における拡大図である。
まず、図3(a)に示すように、製造する導光板20の第1光学形状層22の単位光学形状部30に対応した凹凸形状が形成された成形面100aを有する成形型100を用意し、成形面100aが上方(重力方向の天側)を向くようにして配置する。なお、成形型100は、金型でもよいし、樹脂型でもよい。
次に、図3(b)に示すように、成形面100a上に未硬化の紫外線硬化樹脂22aを均一に充填する。ここでは、例えば、紫外線硬化樹脂22aを、成形面100a上の一辺に沿って点状又は線状に塗布し、ローラ等(不図示)で引き延ばすことにより、成形面100a上に均一に形成する。
それから、図3(c)に示すように、成形面100a上に塗布された紫外線硬化樹脂22aの上に、基材部21を貼り付ける。
続いて、紫外線照射部(不図示)から、未硬化の紫外線硬化樹脂22aに対して紫外線を照射する。これにより、紫外線硬化樹脂22aが硬化して、第1光学形状層22の基礎となる第1光学基礎層22’が形成される。なお、本実施形態において、紫外線は、基材部21を介して紫外線硬化樹脂22aに照射される。
そして、図3(d)に示すように、紫外線硬化樹脂22aが硬化した後、成形型10から離型することにより、単位光学形状部30の基礎となる光学基礎形状部30’が形成された第1光学基礎層22’を得ることができる。
ここで、第1光学基礎層22’は、紫外線硬化樹脂の硬化過程において収縮するが、成形型100から離型される前は、成形型100及び基材部21間に挟まれているため、硬化過程において収縮することができず、その収縮力が残留応力として内部に蓄積される。そのため、第1光学基礎層22’が成形型100から離型されると、その残留応力の一部が解放され、第1光学基礎層22’の基材部21が設けられていない側の面、すなわち光学基礎形状部30’の第1斜面30a’に主にうねりが生じる。
また、第1光学基礎層22’の環境温度が上昇した場合、離型時に開放されなかった残留応力の一部が更に解放され、第1斜面30a’に更にうねりが生じてしまう場合がある。そのため、作製された第1光学基礎層22’は、例えば、光学基礎形状部30’の高さh1を40μm≦h1≦1800μmの範囲に形成し、配列ピッチPを100μm≦P≦1000μmの範囲に形成したとしても、第1斜面30a’の算術平均うねりWaは、3nm≦Wa≦20nmを満たすことができない。
従って、作製された第1光学基礎層22’を第1光学形状層として導光板を作製した場合、うねりを有した第1傾斜面上に反射層及び第2光学形状層が形成されることとなる。そのため、このように製造された導光板は、第1傾斜面に形成された反射層によって、映像光の一部が、出光面に垂直な方向に対して傾斜した状態で反射し、二重像として観察者に視認されてしまい光学特性が低下してしまう可能性がある。
そこで、本実施形態では、成形型100から離型された紫外線硬化樹脂を第1光学形状層22とするのではなく、第1光学形状層22の基礎となる第1光学基礎層22’とし、以下に説明する工程を経て第1光学形状層22を作製する。これにより、単位光学形状部30の高さh1を40μm≦h1≦1800μmの範囲に形成し、配列ピッチPを100μm≦P≦1000μmの範囲に形成した場合に、第1傾斜面30aの算術平均うねりWaが、3nm≦Wa≦20nmの範囲に形成されることとなり、第1傾斜面30aに生じるうねりを抑制することができる。
具体的には、まず、図4(a)に示すように、基材部21に接合された第1光学基礎層22’に加熱処理を行う。ここで、加熱処理は、温風機等を用いて、第1光学基礎層22’を約50℃の環境下で30分間加熱した後、常温(23℃)の環境下に戻す。
これにより、第1光学基礎層22’の内部に蓄積された残留応力の大部分が解放され、第1光学基礎層22’は、図4(b)に示すように、主に光学基礎形状部30’の第1斜面30a’にうねりが生じる。
次に、図5(a)に示すように、成形型100の成形面100a上に、第1光学基礎層22’と同様の未硬化の紫外線硬化樹脂22bを塗布する。なお、紫外線硬化樹脂22bの塗布量は、光学基礎形状部30’の第1斜面30a’に生じたうねりの程度に応じて適宜設定することができる。
それから、図5(b)に示すように、基材部21に接合された第1光学基礎層22’を、成形型100の成形面100a上に塗布された紫外線硬化樹脂22b上に配置する。このとき、第1光学基礎層22’は、光学基礎形状部30’を、成形面100aに設けられた凹凸形状に対応させて重ねられる。そのため、未硬化の紫外線硬化樹脂22bは、うねりを有した第1斜面30a’と成形面100aとの間に主に充填される。
次に、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂22bを硬化させて、第1光学基礎層22’及び成形型100との間に、第2光学基礎層22’’を形成する。ここで、第1光学基礎層22’及び第2光学基礎層22’’は、共に同様の紫外線硬化樹脂により形成されているので、両者が合わさって第1光学形状層22が形成されることとなる。
最後に、図5(c)に示すように、第1光学形状層22を成形型100から離型する。
以上により、基材部21の観察者側の面に第1光学形状層22が形成される。ここで、上述の方法により形成された単位光学形状部30は、加熱処理により残留応力が解放されており、第1傾斜面30aのうねりの発生が極力抑制されているので、高さh1が40μm≦h1≦1800μmの範囲に形成され、配列ピッチPが100μm≦P≦1000μmの範囲に形成された場合、第1傾斜面30aの幅方向及び奥行き方向における算術平均うねりWaが、3nm≦Wa≦20nmの範囲に形成されることとなる。
なお、第2光学基礎層22’’は、第1光学基礎層22’に比して厚みが非常に薄く、硬化収縮時の残留応力によるうねりの影響が非常に小さいので、第1光学基礎層22’のように温風機等による加熱処理を行わなくても、第1光学形状層22の第1傾斜面30aにうねりが形成されてしまうのを極力抑制することができる。
次に、図6(a)に示すように、成形型100から離型した第1光学形状層22の単位光学形状部30の第1傾斜面30a上に、アルミニウム等の蒸着金属を付着させて、反射層25を形成する。
続いて、図6(b)に示すように、第1光学形状層22の単位光学形状部30が設けられた側の面に、第2光学形状層23を形成する。具体的には、未硬化の紫外線硬化樹脂を、第1光学形状層22の一辺に沿って点状又は線状に塗布し、ローラ等(不図示)で引き延ばすことにより、第1光学形状層22上に均一に紫外線硬化樹脂を形成することができる。それから、第1光学形状層22上に形成した紫外線硬化樹脂に対して紫外線を照射することにより、紫外線硬化樹脂が硬化して第2光学形状層23となる。
次に、図6(c)に示すように、第2光学形状層23側の面に接合層24を形成して、基材部26を貼り付ける。
そして、接合層24を介して基材部26が貼付された積層体の−X側(単位光学形状部30が形成される側とは反対側)の背面側(+Y側)の角部を加工して反射面20aを形成する。更に、その反射面20aに真空蒸着法等の手法によりアルミニウムを蒸着して、反射膜27を形成する(図1参照)。以上により、導光板20が完成する。
次に、第1光学形状層22の製造方法の別な例について説明する。
図7は、実施形態の第1光学形状層の製造方法を説明する図である。
図7の各図は、第1光学形状層の単位光学形状部30が設けられた部位のXY断面における拡大図である。
まず、図7(a)に示すように、製造する導光板20の第1光学形状層22の単位光学形状部30の形状に対応した成形面100aを有する成形型100を用意し、成形面100aが上方(重力方向の天側)を向くように配置して、成形面100a上に未硬化の紫外線硬化樹脂22aを均一に充填する。ここで、紫外線硬化樹脂22aは、成形面100aの凹凸形状の全体に充填されるのではなく、作製する第1光学形状層22に使用される樹脂量の約1/3の樹脂が、成形面100aに設けられた凹凸形状の第1傾斜面30a及び第2傾斜面30bに対応する各面を覆うようにして塗布される。
次に、成形面100a上に塗布された紫外線硬化樹脂22aに紫外線を照射し、硬化させて第1光学基礎層22’を形成する。続いて、硬化した第1光学基礎層22’に温風機等を用いて加熱処理を行う。なお、加熱処理は、成形面100a上に形成された第1光学基礎層22’を、約50℃の環境下において約30分間加熱させ、その後常温(23℃)環境下に戻すことによって行われる。これにより、第1光学基礎層22’は、硬化収縮時における残留応力を開放することができる。このとき、第1光学基礎層22’は、単位光学形状部側の面が成形面100aに接触しているので、単位光学形状部側の面とは反対側の面に、主にうねりが発生する。
次に、図7(b)に示すように、第1光学基礎層22‘上に紫外線硬化樹脂22aと同様の未硬化の紫外線硬化樹脂22bを塗布する。ここで、紫外線硬化樹脂22bは、第1光学基礎層22’の成形面100a側とは反対側の面を覆うようにして、作製する第1光学形状層22に使用される樹脂量の約1/3が塗布される。
続いて、塗布された紫外線硬化樹脂22bに紫外線を照射し、硬化させて第2光学基礎層22’’を形成する。それから、硬化した第2光学基礎層22’’に温風機等を用いて第1光学基礎層22’と同様の加熱処理を行う。これにより、第2光学基礎層22’’は、硬化収縮時における残留応力を開放することができる。このとき、第2光学基礎層22’’は、単位光学形状部側の面が第1光学基礎層22’に密着しているので、単位光学形状部側の面とは反対側の面に、主にうねりが発生する。
次に、図7(c)に示すように、第2光学基礎層22’’上に紫外線硬化樹脂22aと同様の未硬化の紫外線硬化樹脂22cを塗布する。ここで、紫外線硬化樹脂22cは、第2光学基礎層22’’の成形面100a側とは反対側の面を覆うようにして、作製する第1光学形状層22に使用される樹脂量の約1/3が塗布される。
続いて、塗布された紫外線硬化樹脂22cに紫外線を照射し、硬化させて第3光学基礎層22’’’を形成する。それから、硬化した第3光学基礎層22’’’に温風機等を用いて第1光学基礎層22’と同様の加熱処理を行う。これにより、第3光学基礎層22’’’は、硬化収縮時における残留応力を開放することができる。このとき、第3光学基礎層22’’’は、単位光学形状部側の面が第2光学基礎層22’’に密着しているので、単位光学形状部側の面とは反対側の面に、主にうねりが発生する。
ここで、第1光学基礎層22’、第2光学基礎層22’’、第3光学基礎層22’’’は、共に同様の紫外線硬化樹脂により形成されているので、それぞれが合わさって第1光学形状層22が形成されることとなる。
最後に、第1光学形状層22の成形型100側とは反対側の面を平坦に加工して、基材部21を貼付し、第1光学形状層22を成形型100から離型する。
以上により、基材部21の観察者側の面に第1光学形状層22が形成される。ここで、上述の方法により形成された単位光学形状部30は、加熱処理により残留応力が解放されており、単位光学形状部30の高さh1が40μm≦h1≦1800μmの範囲に形成され、配列ピッチPが100μm≦P≦1000μmの範囲に形成された場合に、第1傾斜面30aの幅方向及び奥行き方向における算術平均うねりWaが、3nm≦Wa≦20nmの範囲に形成されることとなる。そのため、第1傾斜面30aのうねりの発生が極力抑制される。
以上より、本実施形態の第1光学形状層22(樹脂シート)は、単位光学形状部30の厚み方向における頂部から谷部までの高さh1を40μm≦h1≦1800μmの範囲で形成し、配列ピッチPを100μm≦P≦1000μmの範囲で形成した場合に、第1傾斜面30aの幅方向及び奥行き方向における算術平均うねりWaが3nm≦Wa≦20nmの範囲で形成されている。
これにより、第1光学形状層22は、第1傾斜面30aに形成される反射層25の反射面を平滑にすることができ、反射層25に入射した映像光のほとんどを、出光面(第1全反射面20b)に対して垂直な方向(Y方向)に反射させることができ、映像光が二重像として観察者に視認されてしまうのを抑制することができる。
また、本実施形態の第1光学形状層22(樹脂シート)は、単位光学形状部30が設けられた側と反対側の面に基材部21が設けられているので、第1光学形状層22の製造過程において、第1光学形状層22の背面側の面にうねりが生じてしまうのを抑制することができる。また、製造した第1光学形状層22のハンドリング性を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述の実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
図8は、変形形態の透過型反射シートを説明する図である。
(1)上述の実施形態において、透過型反射シートを導光板20に適用した例で説明したが、これに限定されるものでない。例えば、透過型反射シートは、図8に示すように、表示装置1の映像源11からの映像光を導光させずに、反射層25において観察者側に直接反射させる方式の透過型反射シート20Aに適用してもよい。この場合、第1傾斜面30a及び第3傾斜面31aの角度αは5°≦α≦35°の範囲、単位光学形状部30の高さh1は40μm≦h1≦1800μmの範囲、出光側単位光学形状部31の高さh2は40μm≦h2≦1800μmの範囲、単位光学形状部30の配列ピッチPは100μm≦P≦1000μmの範囲で、それぞれ形成することが望ましい。
また、透過型反射シートは、自動車等の乗り物のフロントウィンドウに搭載されるヘッドアップディスプレイ、背景等の外界の光を透過するスクリーン等に適用することも可能である。
(2)上述の実施形態において、第1光学形状層22は、図5に示すように、第1光学基礎層22’及び第2光学基礎層22’’の2層により構成される例を示したが、これに限定されるものでない。第1光学形状層は、3層以上の光学基礎層により構成されるようにしてもよい。この場合、各光学基礎層を形成する毎に加熱処理を行い、各光学基礎層に残留する応力を解放させる必要がある。
また、図7に示す第1光学形状層22の製造方法の別な例においても、第1光学形状層22は、2層の光学基礎層、又は、4層以上の光学基礎層により構成されるようにしてもよい。
(3)上述の実施形態において、導光板20(第1光学形状層22)は、背面側に基材部21が設けられる例を示したが、基材部21を省略する形態としてもよい。なお、この場合、第1光学形状層22の背面側の面が第2全反射面20cとなるので、必要に応じて第1光学形状層22の背面側の面は平坦となるように加工してもよい。
(4)上述の実施形態においては、本発明に係る樹脂シートを、導光板(透過型反射シート)20の一部に適用した例について説明したが、これに限定されない。本発明に係る樹脂シートは、例えば、プリズムシート、フレネルレンズシート等の光を制御する光学部材に適用することも可能である。
(5)上述の実施形態において、導光板20の背面(基材部21の背面)及び導光板20の観察者側の面(基材部26の観察者側の面)のいずれか又はその両方の面に、傷つき防止を目的としたハードコート処理を施してもよい。このハードコート処理として、例えば、導光板20の背面及び観察者側の面のいずれか又は両方の面に、ハードコート機能を有する紫外線硬化型樹脂(例えば、ウレタンアクリレート)を塗布してハードコート層を形成してもよい。
(6)上述の実施形態では、反射層25を、第1傾斜面30a上の全面、すなわち第1傾斜面30a及び第3傾斜面31a間の全体に設けた例を示したが、これに限定されない。反射層25を、第1傾斜面30a上の一部に設けてもよい。例えば、反射層25は、第1傾斜面30aの+X側の領域、すなわち映像光の反射に寄与する領域にのみ設けてもよい。
(7)上述の実施形態では、導光板20において、第1全反射面20bと映像光が入光する面とが同一面内に形成される例を示したが、これに限定されない。導光板20において、第1全反射面と映像光が入光する面とが相違する面として形成されてもよい。
また、上述の実施形態では、導光板20において、第1全反射面20bと映像光が出光する出光面とが同一面内に形成される例を示したが、これに限定されない。導光板20において、第1全反射面と映像光が出光する面とが相違する面として形成されてもよい。
1 表示装置
11 映像源
12 投射光学系
20 導光板
21 基材部
22 第1光学形状層
23 第2光学形状層
24 接合層
25 反射層
26 基材部
30 単位光学形状部
30a 第1傾斜面
30b 第2傾斜面

Claims (2)

  1. エネルギー線硬化樹脂により形成され、第1傾斜面及び第2傾斜面を有する単位光学形状部が複数配列された第1光学形状層を備える樹脂シートの製造方法であって、
    前記単位光学形状部に対応する凹凸形状が形成された成形型の成形面上に、前記第1光学形状層に使用される量よりも少ない量の未硬化のエネルギー線硬化樹脂を充填する第1樹脂充填工程と、
    前記第1樹脂充填工程により充填された未硬化のエネルギー線硬化樹脂にエネルギー線を照射して、エネルギー線硬化樹脂を硬化させる第1硬化工程と、
    前記第1硬化工程によって硬化したエネルギー線硬化樹脂を加熱処理する第1加熱工程と、
    加熱処理したエネルギー線硬化樹脂の上に、未硬化のエネルギー線硬化樹脂を充填する第2樹脂充填工程と、
    前記第2樹脂充填工程によって充填された未硬化のエネルギー線硬化樹脂にエネルギー線を照射して硬化させる第2硬化工程と、
    前記第2硬化工程によって硬化したエネルギー線硬化樹脂を加熱処理する第2加熱工程と、
    を備える樹脂シートの製造方法。
  2. 請求項1に記載の樹脂シートの製造方法において、
    前記第2樹脂充填工程と、前記第2硬化工程と、前記第2加熱工程とは、複数回繰り返されること、
    を特徴とする樹脂シートの製造方法。
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