JP6565458B2 - 光学シート、表示装置 - Google Patents
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Description
このような頭部装着型の表示装置は、例えば、映像源に対向する位置に導光板を配置して、映像源で表示された映像光を、その導光板によって観察者の眼に対応する位置まで導光し、反射層を介して観察者側へ反射させている。また、このような表示装置は、表示される映像によって観察者の視界が遮られてしまうため、反射層にマジックミラーを用いる等して、映像と外界の光とを重ねて見せる、いわゆるシースルーにする場合がある。しかし、この場合、マジックミラーの透過率を向上させて反射率を低下させすぎると観察者側に届く映像が不鮮明になり、逆に反射率を向上させて透過率を低下させすぎると、外界の光(外界の像)が不鮮明になってしまう場合があった。
第1の発明は、背面から外界の光を透過するとともに、映像光を反射して出光面から前記映像光及び前記外界の光を出光する光学シート(20)であって、光透過性を有し、前記出光面に対して傾斜した第1傾斜面(30a)を有した単位光学形状(30)が複数配列された第1光学形状層(22)と、光透過性を有し、前記第1光学形状層の前記単位光学形状側の面に積層される第2光学形状層(23)とを備え、前記単位光学形状は、その配列方向に沿って前記第1傾斜面に対向する第2傾斜面(30b)を有し、前記第1傾斜面の少なくとも一部には、前記映像光の少なくとも一部を反射する反射層(24)が設けられ、前記単位光学形状(30)の配列方向において互いに隣り合う前記反射層間には、光を透過する光透過部(25)と光を吸収する光吸収層とが設けられ、前記光吸収層は、前記第2傾斜面(30b)に形成されていること、を特徴とする光学シートである。
第2の発明は、第1の発明の光学シート(20)において、前記反射層(24)は、入射した光のうち一部を反射し、入射した光のうちその他を透過する透過型の反射層であること、を特徴とする光学シートである。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の光学シート(20)において、前記第1傾斜面(30a)が前記出光面に平行な面となす角度をαとし、前記第2傾斜面(30b)が前記出光面に平行な面となす角度をβとするとき、角度α及び角度βは、5°≦α≦35°、80°≦β≦90°を満たすこと、を特徴とする光学シートである。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかの光学シート(20)と、前記光学シートに映像光を出射する映像源(11)と、を備える表示装置(1)である。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
図1は、本実施形態の頭部装着型の表示装置1を説明する図である。図1は、表示装置1を鉛直方向上方から見た図である。
なお、図1を含め以下に示す図中及び以下の説明において、理解を容易にするために、観察者が頭部に表示装置1を装着した状態において、鉛直方向をZ方向とし、水平方向をX方向及びY方向とする。また、この水平方向のうち、光学シートの厚み方向(正面方向)をY方向とし、それに直交する方向(光学シートの左右方向)をX方向とする。このY方向の−Y側を観察者側(表面側)とし、+Y側を背面側とする。
また、表示装置1は、外界から光の一部を、光学シート20を透過させ観察者側に到達させて、映像と外界の光とを重ねて見せる、いわゆるシースルー機能を備えている。
投射光学系12は、映像源11から出射された映像光を平行光として投射する複数のレンズ群から構成される光学系であり、映像源11の映像光の出光部近傍に配置されている。
図2は、本実施形態の光学シート20の詳細を説明する図であり、図1のa部詳細を示す図である。
図2に示すように、光学シート20は、観察者側(−Y側)から順に、第2光学形状層23、第1光学形状層22、基材部21が積層されている。
基材部21は、光透過性を有し、光学シート20の基礎となる平板状の部材であり、光学シート20の最も観察者側から離れた位置に配置されている。基材部21は、例えば、光透過性の高いアクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂、ポリカーボーネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂等から形成されている。この基材部21の背面側(+Y側)の面は、外界の光が入射する面となる。
この単位光学形状部30は、鉛直方向(Z方向)に延在し、左右方向(X方向)に沿って複数配列されている。また、単位光学形状部30は、観察者側(−Y側)に凸になるようにして形成されている。具体的には、単位光学形状部30は、光学シート20の厚み方向(Y方向)に平行であって単位光学形状部30の配列方向(X方向)に平行な断面(XY面)における断面形状が略三角形状に形成されており、光学シート20の出光面(表面)に対して傾斜した第1傾斜面30aと、第1傾斜面30aよりも+X側に位置する第2傾斜面30bとから構成されている。
第2傾斜面30bは、光学シート20の表面(−Y側の面)から入射した映像光が直接入射しない面であり、その映像源11から離れた側(+X側)の端部が、映像源11側(−X側)の端部よりも背面側(+Y側)に位置している。
この第2光学形状層23の観察者側(−Y側)の面は、映像光が入射する面であるとともに、反射層24を反射した映像光や、光学シート20を透過する外界の光が出射する出光面となる。この第2光学形状層23の観察者側の面は、光学シート20の背面(基材部21の背面)と平行であり、左右方向(X方向)に平行であって、厚み方向(Z方向)に平行な面(XZ面)に平行な面である。
なお、第1光学形状層22の背面側に設けられる基材部21を省略して、第1光学形状層22の背面を光学シート20の背面にしてもよい。
また、単位光学形状部30の配列ピッチは、Pであり、単位光学形状部30の高さ(光学シートの厚み方向(Y方向)における単位光学形状部30の頂部tから各単位光学形状部30間の谷底となる部位vまでの寸法)は、hである。なお、配列ピッチPは、単位光学形状部30の配列方向(X方向)における幅寸法と同等である。
本実施形態の単位光学形状部30は、配列ピッチPが一定であり、また、角度β=90°で一定であるが、角度αが映像光の進行する側(+X側)へ向かうにつれて次第に大きくなり、また、それに伴い高さhも大きくなっている例で説明するが、これに限定されるものでない。例えば、配列ピッチPや角度α、角度β、高さhが一定に形成されるようにしてもよい。
反射層24は、光を反射するために十分な厚さであれば、その材料等に応じて厚さを自由に設定することができる。本実施形態の反射層24は、入射した光のうち一部を反射し、入射した光のうちその他を透過させる透過型の反射層、いわゆるマジックミラー(ハーフミラー)状に形成されている。このように、反射層24をマジックミラー状にすることによって、表示装置1は、映像光の一部を反射するとともに、光学シート20の背面側(+Y側)から入射する外界の光の一部を透過して、より多くの外界の光を観察者側に届けることができる。
なお、この反射層24の反射率と透過率との割合は、適宜設定することができる。本実施形態の反射層24は、反射率及び透過率がともに50%のハーフミラー状に形成されている。
そのため、本実施形態の光学シート20は、単位光学形状部30の配列方向において反射層24と、第1傾斜面30aの反射層が形成されていない部分(以下、光透過部25という)とが交互に配列された形態、すなわち隣り合う反射層24間に光透過部25が設けられる形態となる。
なお、反射層24は、第1傾斜面30aの映像光の反射に寄与する部分にのみ設けられているので、第1傾斜面30aの全面に反射層を形成した場合に比して、反射層によって反射される光量が低減してしまうことはない。
図4は、光学シートの別な形態の詳細を示す図である。図4の各図は、それぞれ図2に対応する断面の拡大図である。
上述の説明において、光学シート20の第1光学形状層22は、複数の単位光学形状部30が連続して配列し、また、単位光学形状部30のXY断面における断面形状が略三角形状に形成される例を示したが、これに限定されるものでない。
また、図4(b)に示すように、第1光学形状層22は、単位光学形状部30の上記断面形状が第1傾斜面30a、第2傾斜面30b、平坦面30cから構成される台形形状に形成される形態としてもよい。この場合、第1傾斜面30aの全面に反射層24を形成することができ、平坦面30cを光透過部25とすることができる。
上述の各形態としても、光学シート20は、図2に示す光学シート20と同様に、単位光学形状部30の配列方向(X方向)において反射層24と光透過部25とが交互に配列される形態にすることができ、反射層24により映像光を反射させるとともに、光透過部25により外界の光を観察者側に透過させることができる。
図1に示すように、映像源11から出射した映像光Lは、投射光学系12を介して光学シート20へと入射する。光学シート20内に入光した映像光Lは、第1光学形状層22に設けられた単位光学形状部30へ入射する。
単位光学形状部30に入射した映像光のうち、一部の映像光L1は、図2に示すように、第1傾斜面30aの反射層24に入射して、光学シート20の表面(出光面)に対してほぼ垂直な方向(−Y方向)に反射して、光学シート20の表面から観察者の眼Eに向けて出光する。また、他の映像光L2は、ハーフミラー状に形成される反射層24を透過することとなるが、光学シート20の背面から出光してしまうため、観察者に観察されることはない。
また、他の外界の光は、第1傾斜面30aの反射層24に入射し、その一部G2はハーフミラー状に形成される反射層24を透過して、光学シート20の表面から観察者の眼Eに向けて出光することとなる。他の一部は、反射層24によって光学シート20の背面側へ反射してしまう。
図3は、本実施形態の光学シート20の製造方法を説明する図である。図3の各図は、光学シート20が製造されるまでの過程を示す図である。
まず、図3(a)に示すように、ウェブ状の基材部21の観察者側の面に、第1光学形状層22を構成する樹脂を充填し、単位光学形状部30に対応する凹凸形状が設けられた金型によって押圧し、硬化させた後に離型する等により、基材部21上に第1光学形状層22が形成される。
続いて、図3(c)に示すように、第1光学形状層22の単位光学形状部30が形成された側の面に、第2光学形状層23を構成する樹脂を充填し、平坦面が形成された金型によって押圧し、硬化させた後に離型する等により、第2光学形状層23が形成される。最後に、ウェブ状の基材部21上に、第1光学形状層22、第2光学形状層23がそれぞれ積層された積層体を所定の寸法に裁断して、光学シート20が完成する。
本実施形態の光学シート20は、反射層24が、入射した映像光の一部を反射し、その他を透過する透過型の反射層であるので、反射層24においても外界の光を観察者側に透過させることができ、より鮮明な外界の光を観察者側に表示することができる。
(1)上述の実施形態において、光学シート20は、映像源から出射した映像光を直接観察者側に反射させる例で説明したが、これに限定されるものでない。例えば、光学シートは、表示装置1の映像源11からの映像光を、シート内で導光させた上で、反射層24により観察者側に反射させる導光板に適用することもできる。
また、光学シートは、自動車等のフロントウィンドウに搭載されるヘッドアップディスプレイ(HUD)や、背景等の外界の光を透過するスクリーン等に適用することも可能である。更に、光学シートをコンバイナー等の大型の虚像投影に適用することも可能であり、その場合、単位光学形状部は、フレネルレンズ形状に形成されるようにしてもよい。
また、反射層24は、入射した光のほぼ全てを反射する完全反射のミラーにしてもよい。この場合、外界の光は、反射層24を透過することができないが、光透過部25から観察者側に透過することができるので、光学シートは、シースルー性を維持するとともに、映像光を更に鮮明に観察者側に反射することができる。
11 映像源
12 投射光学系
20 光学シート
21 基材部
22 第1光学形状層
23 第2光学形状層
24 反射層
25 光透過層
30 単位光学形状部
30a 第1傾斜面
30b 第2傾斜面
E 観察者の眼
Claims (4)
- 背面から外界の光を透過するとともに、映像光を反射して出光面から前記映像光及び前記外界の光を出光する光学シートであって、
光透過性を有し、前記出光面に対して傾斜した第1傾斜面を有した単位光学形状が複数配列された第1光学形状層と、
光透過性を有し、前記第1光学形状層の前記単位光学形状側の面に積層される第2光学形状層とを備え、
前記単位光学形状は、その配列方向に沿って前記第1傾斜面に対向する第2傾斜面を有し、
前記第1傾斜面の少なくとも一部には、前記映像光の少なくとも一部を反射する反射層が設けられ、
前記単位光学形状の配列方向において互いに隣り合う前記反射層間には、光を透過する光透過部と光を吸収する光吸収層とが設けられ、
前記光吸収層は、前記第2傾斜面に形成されていること、
を特徴とする光学シート。 - 請求項1に記載の光学シートにおいて、
前記反射層は、入射した光のうち一部を反射し、入射した光のうちその他を透過する透過型の反射層であること、
を特徴とする光学シート。 - 請求項1又は請求項2に記載の光学シートにおいて、
前記第1傾斜面が前記出光面に平行な面となす角度をαとし、前記第2傾斜面が前記出光面に平行な面となす角度をβとするとき、角度α及び角度βは、
5°≦α≦35°、80°≦β≦90°
を満たすこと、
を特徴とする光学シート。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光学シートと、
前記光学シートに映像光を出射する映像源と、
を備える表示装置。
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