JP2012022336A - 光学フィルム及び液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 液晶表示パネルの側面より入射させた光を効率よく視認方向に光路変換して薄型軽量で明るく、見やすい表示の外光・照明両用型の液晶表示装置を形成しうる光学フィルムの開発。
【解決手段】 光学フィルムの全光線透過率が75〜92%でヘイズが4〜20%となるように、フィルム面に対する傾斜角(θ1)が35〜48度の光路変換斜面(a)を具備する凹部又は凸部からなる光出射手段(A)を透明フィルムの片面に分布させてなることを特徴とする光学フィルム(10)及び前記光学フィルムをその光出射手段を有する側が外側となるように液晶表示パネルの片側に配置してなる液晶表示装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶表示パネルの側面より入射させた光を効率よく視認方向に光路変換して薄型軽量で明るく、像の乱れが少なくて見易い表示の外光・照明両用型の液晶表示装置を形成しうる光学フィルムに関する。
従来、外光・照明両用型の反射型液晶表示装置としては、微細なプリズムからなる光出射手段を具備する光学フィルムを液晶表示パネルの視認側表面に貼付け、そのパネル側面に配置した光源から入射させパネル内部を伝送する光を前記光学フィルムの光出射手段を介し反射させて液晶表示パネルを照明するようにしたものが知られていた(特許文献1)。これはそれまでのサイドライト型導光板よりも遙かに薄い光学フィルムにて液晶表示パネルの照明システムを実現してその薄型軽量化を達成したものである。
また前記の光学フィルムは照明光の指向性に優れて、それまでの側面からの入射光を液晶セルの視認側透明基板を介し液晶層側に全反射させ装置の裏面に配置した粗面型反射板により反射させて照明光とする反射型液晶表示装置(特許文献2)に比べて明るい表示も達成したものである。ちなみに前記の粗面型反射板を介した反射では照明光が液晶表示パネルの正面方向から大きく傾いた方向に出射されることとなり表示に有効利用することが困難である。
しかしながら前記した従来の微細なプリズムからなる光出射手段を具備する光学フィルムを用いたLCD(液晶表示装置)、特に光学フィルムを視認側に配置してそれを介し表示像を視認するフロントライトシステムでは表示が暗くてコントラストに乏しい問題点があった。
特開2000−147499号公報 特開平5−158033号公報
本発明は、液晶表示パネルの側面より入射させた光を効率よく視認方向に光路変換して薄型軽量で明るく、見易い表示の外光・照明両用型の液晶表示装置を形成しうる光学フィルムの開発を課題とする。
本発明は、光学フィルムの全光線透過率が75〜92%でヘイズが4〜20%となるように、フィルム面に対する傾斜角が35〜48度の光路変換斜面を具備する凹部又は凸部からなる光出射手段を透明フィルムの片面に分布させてなることを特徴とする光学フィルム、及びその光学フィルムをその光出射手段を有する側が外側となるように液晶表示パネルの片側に配置してなることを特徴とする液晶表示装置を提供するものである。
本発明によれば、その光学フィルムを接着した液晶表示パネルの側面に光源を配置してそれよりパネル内に光を入射させることにより、光出射手段の光路変換斜面を介してそれを有しないフィルム面側に、かつパネルの法線方向に指向性よく光路変換でき照明モードでの液晶表示を達成することができる。また光学フィルムをパネル視認側に配置してフロントライト方式とした場合においても外光を効率よく入射させることができ、その入射光を所定位置に配置した反射層を介し反転させる方式とすることで外光モードでの液晶表示も達成することができる。その結果、薄型軽量性に優れて明るく、像の乱れが少なくてコントラスト等の表示品位に優れる透過型や反射型、外光・照明両用型の液晶表示装置を形成することができる。
光学フィルムの側面説明図 他の光学フィルムの側面説明図 光出射手段の平面説明図 他の光出射手段の平面説明図 さらに他の光出射手段の平面説明図 反射型液晶表示装置の側面説明図
本発明による光学フィルムは、フィルム面に対する傾斜角が35〜48度の光路変換斜面を具備する凹部又は凸部からなる光出射手段を全光線透過率が75〜92%でヘイズが4〜20%となるように透明フィルムの片面に分布させたものからなる。その例を図1、図2に示した。図は光出射手段(光路変換斜面)に対する横断面を示す側面図であり、10が光学フィルム(透明フィルム)、Aが光出射手段で、aがその光路変換斜面である。また1Cは接着手段、1Dは剥離フィルムである。図例では基材フィルム1Bに光出射手段の形成層1Aを付設したものを示したが、基材フィルムを省略した形態の光出射手段形成層の単層物からなるものであってもよい。
光学フィルム10は、図6に例示した如く側面に光源51を有する液晶表示パネルのパネル平面に沿う方向にその光出射手段Aの形成面が外側となるように配置し、前記光源による側面方向からの入射光ないしその伝送光を光路変換斜面aを介し反射させて透明フィルム10の光出射手段を有しない裏面側に、従って液晶表示パネルの視認方向に光路変換して透明フィルムより出射させ、その出射光を液晶表示パネル等の照明光(表示光)として利用できるようにすることを目的とする。
透明フィルムは、光源等を介して入射させる光の波長域に応じそれに透明性を示す適宜な材料の1種又は2種以上を用いて形成することができる。ちなみに可視光域では例えばアクリル系樹脂やポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂やノルボルネン系樹脂等で代表される透明樹脂、熱や紫外線、電子線等の放射線で重合処理しうる硬化型樹脂などがあげられる。
光路変換斜面への入射効率を高めて明るくてその均一性に優れる表示の液晶表示装置を得る点より透明フィルムの好ましい屈折率は、液晶表示パネル、特にそのパネル基板と同等以上、就中1.49以上、特に1.52以上である。またフロントライト方式とする場合の表面反射を抑制する点よりは1.6以下、就中1.56以下、特に1.54以下の屈折率であることが好ましい。なお斯かる屈折率は、可視光域の場合、D線に基づくことが一般的であるが、入射光の波長域に特異性などがある場合には前記に限定されずその波長域に応じることもできる(以下同じ)。
また輝度ムラや色ムラを抑制して表示ムラの少ない液晶表示装置を得る点より好ましい透明フィルムは、複屈折を示さないか複屈折の小さいもの就中、面内の平均位相差が30nm以下のものである。位相差の小さい透明フィルムとすることにより偏光板等を介した直線偏光が入射した場合にその偏光状態を良好に維持できて表示品位の低下防止に有利である。
表示ムラ防止の点より透明フィルムにおける面内の好ましい平均位相差は、20nm以下、就中15nm以下、特に10nm以下であり、その位相差の場所毎のバラツキが可及的に小さいものがより好ましい。さらに接着処理にて透明フィルムに発生しやすい内部応力を抑制してその内部応力による位相差の発生を防止する点よりは光弾性係数の小さい材料からなる透明フィルムが好ましい。
加えて透明フィルムの厚さ方向の平均位相差も50nm以下、就中30nm以下、特に20nm以下であることが表示ムラ防止等の点より好ましい。斯かる低位相差の透明フィルムの形成は、例えば既成のフィルムを焼鈍処理する方式等にて内部の光学歪みを除去する方式などの適宜な方式にて行いうる。好ましい形成方式は、キャスティング方式にて位相差の小さい透明フィルムを形成する方式である。なお透明フィルムにおける前記の位相差は、可視域の光、特に波長550nmの光に基づくものであることが好ましい。
透明フィルムは通例、単層物として形成されるが、同種又は異種の材料からなる積層体などとして形成されていてもよい。透明フィルムの厚さは、適宜に決定できて特に限定はないが、薄型軽量化等の点よりは5〜500μm、就中10〜300μm、特に20〜100μmが好ましい。斯かる厚さとすることで打ち抜き処理等によるサイズ加工も容易に行うことができる。
光学フィルムは、透明フィルムの片面に上記した出射特性を得るための光出射手段Aを設けることにより形成される。その光出射手段Aは、図例の如くフィルム面に対する傾斜角θ1が35〜48度の光路変換斜面aを具備する凹部又は凸部にて形成される。ちなみに図1の例では断面二等辺三角形の光出射手段Aからなり、二面の光路変換斜面aを具備する。一方、図2の例ではフィルム面に対する傾斜角θ1が35〜48度の光路変換斜面aと当該傾斜角θ2が大きい立面bを具備する断面略三角形の光出射手段Aからなる。
前記により液晶表示パネルの側面等に配置した光源による側面方向からの入射光ないしその伝送光を光路変換斜面aを介し透明フィルムの裏面側(光出射手段を有しない側)に光路変換して、液晶表示パネル等に対し法線方向の指向性に優れる光を光源光の利用効率よく透明フィルムから出射させることができる。光路変換斜面の当該傾斜角が35度未満では液晶表示パネルの視認背面側に反射板を配置して当該光路変換光を反射させた場合に、その反射光に基づく表示光のパネルより出射する角度が30度を越えることとなり視認に不利となる。一方、光路変換斜面の当該傾斜角が48度を超えると全反射されずに斜面から光洩れが生じやすくなり光利用効率が低下する。なお前記した凹部又は凸部は、光出射手段が光学フィルム内に凹んでいるか(溝)、光学フィルム外に突出しているか(山)による。
前記において光路変換斜面による反射方式に代えて、表面を粗面化した光学フィルムによる散乱反射方式とした場合には垂直な方向に反射しにくく液晶表示パネルから正面方向より大きく傾いた方向に出射されて液晶表示が暗く、コントラストに乏しくなる。光路変換斜面を介し効率よく全反射させて透明フィルムの裏面よりフィルム面の法線方向に指向性よく出射させ、液晶表示パネルを効率よく照明して明るくて見やすい液晶表示を達成する点より光路変換斜面の好ましい当該傾斜角θ1は38〜45度、就中40〜43度である。
前記のように光路変換斜面aは、照明モードにおいて光源からの入射光を透明フィルムの裏面方向に反射して光路変換するものである。斯かる光路変換斜面を具備する光出射手段を全光線透過率が75〜92%でヘイズが4〜20%となるように透明フィルムの片面に分布させることにより、光源を介した側面方向からの光を光路変換して液晶表示パネルを効率よく照明する面光源を得ることができる。明るくてコントラストに優れる液晶表示を達成する点より好ましい光学フィルムは、全光線透過率が80〜91%でヘイズが15%以下、就中12%以下のものである。
前記した全光線透過率とヘイズの特性は、光出射手段のサイズや分布密度等の制御にて達成することができる。その場合、過大なサイズや過多な密度では液晶表示パネル内の伝送光の光路変換斜面への入射確率が増大してLCDの照明に有利となる反面、裏面での反射板を介した反射光を照明光とするときにはその反射光が再度光学フィルムを透過する際に光出射手段に当たる確率も増大し、結果として液晶表示が乱されてコントラストが低下する。これは光出射手段の過大サイズや密度過多により光学フィルムの全光線透過率が小さくなり、ヘイズが大きくなることが原因である。また光出射手段のサイズが大きいと観察者にその存在が認識されやすく表示品位を大きく低下させるし、液晶表示パネルの照明の均一性も低下させることになる。発光の均一化を目的に光出射手段の密度を減少させた場合には発光が粗くなり明暗のバラツキが大きくなる。
一方、光出射手段が過小なサイズや粗密度ではパネル内の伝送光の光路変換斜面への入射確率が低下してパネル照明の光量が低減し液晶表示が暗くなりコントラストも低下する。これは光出射手段の過小サイズや密度不足により光学フィルムの全光線透過率が大きくなりヘイズが小さくなることが原因である。従って上記した本発明による全光線透過率とヘイズは、良好な表示品位を達成するために光出射手段のサイズや分布密度を規定したものであり、例えば透明フィルムにおける光出射手段の形成面に占める光出射手段の投影面積に基づく占有面積を1/100〜1/8、就中1/50〜1/10、特に1/30〜1/15とすることにより達成することができる。
光出射手段は、図3〜5に平面図として例示した如く一辺から他辺にわたり連続した凹部又は凸部や、不連続に断続する凹部又は凸部として形成することができる。また光出射手段は、前記した連続又は不連続の状態にてその光路変換斜面に基づいて図3の例の如く平行に分布していてもよいし、図4の例の如く不規則に分布していてもよく、さらに図5の例の如く仮想中心に対してピット状に配置された分布状態にあってもよい。
光出射手段を形成する凹部又は凸部の形態についてもその光路変換斜面に対する横断面に基づいて例えば略三角形〜略五角形等の適宜な形態を有するものであってよい。一般にはサイズの小型化による視覚性の低減や製造効率などの点より図1、2の例の如く断面略三角形の凹部又は凸部からなる光出射手段とされる。なお前記略三角形等の「略」は、辺の角度変化や辺の交点からなる角の円化等の変形を許容することを意味する。
上記した全光線透過率とヘイズの特性の達成は、光出射手段の形態や分布方式などに応じて適宜に決定することができる。ちなみに図3の例の如く連続する光出射手段を平行に分布させる場合には、その繰返しピッチを2mm以下、就中20μm〜1mm、特に50〜500μmとし、光路変換斜面のフィルム面に対する投影幅を40μm以下、就中3〜20μm、特に5〜15μmとすることが好ましい。なお連続する光出射手段の平行分布は、光学フィルムの一辺に対して平行であってもよいし、30度以内の交差状態で配列していてもよい。後者は、液晶表示パネルの画素との干渉によるモアレの防止等に有効である。またモアレ防止は、平行配列の繰返しピッチの調節にても行うことができ、従って当該繰返しピッチは変化していてもよく一定ピッチでなくてもよい。
一方、図4、5の例の如く不連続な光出射手段を平行に又は不規則に分布させる場合や、仮想中心に対してピット状に分布させる場合には上記した全光線透過率とヘイズの特性の達成する点より、光路変換斜面の長辺方向の長さを凹部の深さ又は凸部の高さの5倍以上、就中8以上、特に10以上の光出射手段とすることが好ましい。また光路変換斜面の当該長さは200μm以下、就中170μm以下、特に10〜150μm、凹部の深さ又は凸部の高さは2μm以上、就中20μm以下、特に10μm以下とすることが好ましい。
また個々の凹部又は凸部が大きくなるとそれが視覚されたりヘイズが増大したりすることから光路変換斜面による反射効率も考慮して光出射手段の幅は、3〜20μm、就中5〜15μmであることが好ましく、幅の5倍以上、就中8倍以上の長さであることが好ましい。なお前記の長さは、光路変換斜面の長辺方向の長さ、すなわち凹部の溝又は凸部の山の連続方向に基づき、深さ又は高さは透明フィルムの光出射手段形成面を基準とする。また幅は、長さに直交する方向の長さ、すなわち光路変換斜面の短辺をフィルム面に投影した方向の長さに基づく。
なお光出射手段を形成する面であって所定傾斜角の光路変換斜面aを満足しない面、例えば図2における光路変換斜面aに対向する立面b等は、パネル側面方向からの入射光を裏面より出射することに寄与するものではなく、表示品位や光伝送ないし光出射に可及的に影響しないことが好ましい。ちなみにフィルム面に対する立面の傾斜角θ2が小さいとフィルム面に対する投影面積が大きくなり、フロント配置による外光モードではその立面による表面反射光が観察方向に戻って表示品位を阻害しやすくなる。
従って立面等の当該傾斜角θ2は大きいほど有利であり、それによりフィルム面に対する投影面積を小さくできて全光線透過率の低下やヘイズの増大を抑制でき、また光路変換斜面と立面による頂角も小さくできて表面反射光を低減できその反射光を光学フィルムの平面方向(フィルム面方向)に傾けることができて液晶表示への影響を抑制することができる。斯かる点より立面等の好ましい傾斜角θ2は50度以上、就中60度以上、特に75〜90度である。
光出射手段Aを形成する斜面は、直線面や屈折面や湾曲面等の適宜な面形態に形成されていてよい。また光出射手段Aの断面形状は、その傾斜角等がシートの全面で一定な形状であってもよいし、吸収ロスや先の光路変換による伝送光の減衰に対処して光学フィルム上での発光の均一化を図ることを目的に光が入射する側の側面から遠離るほど光出射手段Aを大きくしてもよい。また一定ピッチの光出射手段Aとすることもできるし、図4、5の例の如く光が入射する側の側面から遠離るほど徐々にピッチを狭くして光出射手段Aの分布密度を多くしたものとすることもできる。さらにランダムピッチにて光学フィルム上での発光の均一化を図ることもでき、ランダムピッチは画素との干渉によるモアレの防止の点よりも有利である。よって光出射手段Aは、ピッチに加えて形状等も異なる凹凸の組合せからなっていてもよい。
光出射手段を形成する凹部又は凸部の断続端の形状等については特に限定はないが、その部分への入射光の低減化等による影響の抑制の点より30度以上、就中45度以上、特に60度以上の斜面とすることが好ましい。なお光出射手段は、その損傷防止や光入射効率等の点より凸部形よりも凹部形が好ましい。
図5に例示した如き光出射手段Aのピット状配置は、点状光源を液晶表示パネルの側面等に配置し、その点状光源による側面方向からの放射状の入射光ないしその伝送光を光路変換斜面aを介し光路変換して光学フィルムの裏面を可及的に均一に発光させ、液晶表示パネル等に対し法線方向の指向性に優れる光を光源光の利用効率よく透明フィルムから出射させることを目的とする。従ってそのピット状配置は、点状光源の配置が容易となるように透明フィルムの端面又はその外側に仮想中心が形成されるように行うことが好ましい。仮想中心は、同じ又は異なるフィルム端面に対して一箇所又は二箇所以上形成することができる。
光出射手段を有する透明フィルムは、例えば熱可塑性樹脂を所定の形状を形成しうる金型に加熱下に押付て形状を転写する方法、加熱溶融させた熱可塑性樹脂あるいは熱や溶媒を介して流動化させた樹脂を所定の形状に成形しうる金型に充填する方法、熱や紫外線、あるいは電子線等の放射線で重合処理しうる液状樹脂を所定の形状を形成しうる型に充填ないし流延して重合処理する方法などの適宜な方法で形成することができる。前記の方法は、光出射手段を有する状態に透明フィルムを一体成形して透明フィルムと光出射手段の構造層を同体に有するものの形成に特に有利である。
光出射手段を有する透明フィルムの好ましい形成方法は例えば、透明フィルムの片面に紫外線ないし放射線等で重合処理しうる硬化型樹脂を塗工し、その塗工層を金型の所定凹凸構造の形成面に密着させて紫外線や放射線等の照射により硬化処理したのち金型よりその透明フィルムを剥離回収する方法や、前記の硬化型樹脂を金型の所定凹凸構造の形成面に充填し、その充填層の上に透明フィルムを密着配置して紫外線や放射線等の照射により充填層を硬化処理したのち金型よりその透明フィルムを剥離回収する方法の如く、所定の凹凸構造を有する金型を介して透明フィルムの片面に光路変換斜面を具備する光出射手段を付加する方法である。従ってこの場合には、図1、2の例の如く透明フィルム10Bにそれとは別体の光出射手段Aの構造層1Aを付設したものが形成される。
前記において後者の透明フィルムに光出射手段を付加する方法の場合、付加する光出射手段の構造層と透明フィルムの屈折率差が大きいと界面反射等にて出射効率が大きく低下する場合があり、それを防止する点より透明フィルムと光出射手段の構造層との屈折率差を可及的に小さくすること、就中0.10以内、特に0.05以内とすることが好ましい。またその場合、透明フィルムよりも付加する光出射手段の構造層の屈折率を高くすることが出射効率の点より好ましい。なお光出射手段の構造層の形成には、透明フィルムに準じ入射光の波長域に応じた適宜な透明材料を用いうる。
光学フィルムは、光出射手段の部分を除きその表裏面が可及的に平滑な平坦面であること、就中±2度以下の角度変化、特に0度の平坦面であることが好ましい。またその角度変化が5mmあたり1度以内であることが好ましい。斯かる平坦面とすることによりフィルム面の大部分を角度変化が2度以下の平滑面とすることでき、液晶表示パネルの内部を伝送する光を効率よく利用できて画像を乱さない均一な光出射を達成することができる。また液晶表示パネル等への光学フィルムの取付やすさ等の点よりも好ましい。
光学フィルムには必要に応じ図1、2の例の如く透明フィルム10の光出射手段Aを有しない面に透明な接着手段1Cを設けることができる。斯かる接着手段は、液晶表示パネル等の支持部材に光学フィルムを接着することを目的とし、接着手段を介した接着処理は、光出射手段Aの光路変換斜面aを介した反射効率、ひいては側面方向よりの入射光の有効利用による輝度向上などを目的とする。その目的の点より透明フィルムとの屈折率差が小さい接着手段とすることが好ましい。液晶表示パネル等との接着界面における全反射を抑制してパネル伝送光の光学フィルムへの入射効率を高め、明るくてその均一性に優れる表示の液晶表示装置を得る点より好ましい接着手段は、透明フィルムよりも0.07低い屈折率以上の屈折率を有して液晶表示パネルのパネル基板よりも高いかそれに近い屈折率を有するものである。
ちなみに液晶表示パネルのパネル基板よりも低い屈折率では側面からの入射光がその伝送の際に全反射を受けやすい。パネル基板には通例、樹脂板や光学ガラス板が用いられ無アルカリガラス板の場合、その屈折率は1.51〜1.52程度が一般的であるから理想的にはそれ以上の屈折率を有する接着手段を介し接着処理することで、パネルより光学フィルムに入射しうる角度を有する伝送光の殆どを接着界面で全反射させずに光学フィルムに入射させることができる。全反射に基づく閉込め作用で出射できない損失光量の抑制による表示輝度や面内での明るさの均一性の向上などの点より、接着手段や液晶表示パネルや透明フィルム等の光透過型光学層の間の各界面における好ましい屈折率差は、0.15以内、就中0.10以内、特に0.05以内である。
接着手段の形成には、例えば紫外線や放射線等の照射又は加熱で硬化する接着剤などの上記の屈折率を満足する適宜なものを用いることができ、特に限定はない。簡便接着性等の取扱性や内部応力の発生を抑制する応力緩和性などの点よりは粘着層が好ましく用いうる。その粘着層の形成には、例えばゴム系やアクリル系、ビニルアルキルエーテル系やシリコーン系、ポリエステル系やポリウレタン系、ポリエーテル系やポリアミド系、スチレン系などの適宜なポリマーをベースポリマーとする粘着剤などを用いうる。就中アクリル酸ないしメタクリル酸のアルキルエステルを主体とするポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤の如く透明性や耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いられる。
また接着手段は、それに例えばシリカやアルミナ、チタニアやジルコニア、酸化錫や酸化インジウム、酸化カドミウムや酸化ノンモン等の導電性のこともある無機系粒子や、架橋又は未架橋ポリマー等の有機系粒子などの適宜な透明粒子を1種又は2種以上含有させて光拡散型のものとすることもできる。なお接着手段に対してはそれを実用に供するまでの間、異物の混入等の防止を目的に剥離シートを仮着してカバーしておくことが好ましい。
一方、光学フィルムにおける光出射手段の形成面には必要に応じて外光の表面反射による視認阻害の防止を目的としたノングレア処理や反射防止処理、傷付き防止を目的としたハードコート処理などを施すことができる。斯かる処理を施した光学フィルムは、特にフロントライト方式に好ましく用いうる。ノングレア処理は、サンドブラスト方式やエンボス加工方式等の粗面化方式、シリカ等の前記した透明粒子を配合した樹脂の塗工方式などの種々の方式で表面を微細凹凸構造化することにより施すことができる。また反射防止処理は、干渉性の蒸着膜を形成する方式などにて施すことができる。更にハードコート処理は、硬化型樹脂等の硬質樹脂を塗工する方式などにて施すことができる。ノングレア処理や反射防止処理やハードコート処理は、その1種又は2種以上の処理を施したフィルムの接着方式などにても施すことができる。
また光学フィルムは、その透明フィルムの光出射手段を有しない面側に液晶表示パネル等に配置する目的の、少なくとも直線偏光子が接着積層されたものであってもよい。直線偏光子を予め接着積層したタイプの光学フィルムは、品質の安定化や液晶表示装置の製造効率の向上などに有利である。直線偏光子としては適宜なものを用いることができ特に限定はない。高度な直線偏光の入射による良好なコントラスト比の表示を得る点などよりは、例えばポリビニルアルコール系フィルムや部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルムの如き親水性高分子フィルムにヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて延伸したものからなる吸収型偏光フィルムなどの如く偏光度の高いものが好ましく用いうる。
用いる直線偏光子は、その片側又は両側に従来に準じた透明保護層を設けたものなどであってもよい。その透明保護層の形成には、透明性や機械的強度、熱安定性や水分遮蔽性などに優れて、上記した透明フィルムに準じた屈折率を有するものが好ましく用いられる。従って光学フィルムを直線偏光子の透明保護層を兼ねるものとして設けることができる。この場合には液晶表示装置等をより薄型軽量化することができる。直線偏光子を予め接着積層したタイプの光学フィルムには、その積層体の透明フィルムでない側、すなわち付設した直線偏光子等の側に必要に応じて他部材と接着するための透明な接着手段を設けることができる。その接着手段は、上記した透明フィルムの場合に準じることができる。
本発明による光学フィルムは、その光出射手段(光路変換斜面)を介して光源による側面方向からの入射光ないしその伝送光を視認に有利な垂直性に優れる方向(法線方向)に光路変換して光の利用効率よく出射し、また外光に対しても良好な透過性を示すものとすることができて、例えば明るくて見やすい薄型軽量の反射型や透過型の外光・照明両用型の液晶表示装置などの種々の装置を形成することができる。その液晶表示装置の例を図6に示した。図は反射式による外光・照明両用型の液晶表示装置の例である。20、30が液晶表示パネルにおけるパネル基板、40が液晶層、31が反射層である。
図例の如く液晶表示装置は、光学フィルム10をその光出射手段Aを有する側が外側となるように液晶表示パネルの片側に配置することにより形成することができる。その場合、照明機構は、図例の如く液晶表示パネルの1又は2以上の側面、特に光学フィルム10を配置した側のパネル基板20の1又は2以上の側面に1個又は2個以上の光源51を配置することにより形成することができる。
前記照明機構の形成に際し図3の例の如きピット状配置の光出射手段Aを有する光学フィルムの場合には、点状光源による放射状入射光を効率よく利用して明るい表示を達成する点よりピット状配置の光出射手段Aの仮想中心を含む垂直線上における液晶表示パネルの側面に点状光源を配置することが好ましい。仮想中心に対応した点状光源の斯かる配置に際しては、光出射手段Aの仮想中心が光学フィルムの端面にあるかその外側にあるかに応じて図6の例の如くパネル基板20の点状光源を配置する側を突出させる方式などの適宜な対応策を採ることができる。
液晶表示パネルの側面に配置する光源としては適宜なものを用いることができ、例えば前記した発光ダイオード等の点状光源のほか、(冷,熱)陰極管等の線状光源、点状光源を線状や面状等に配列したアレイ体、あるいは点状光源と線状導光板を組合せて点状光源からの入射光を線状導光板を介し線状光源に変換するようにしたものなどが好ましく用いうる。
また光源は、光学フィルムの光路変換斜面が対面することとなるパネル側面に配置することが出射効率の点より好ましい。上記したピット状配置の場合も含めて光路変換斜面が光源に対して可及的に垂直に対面するように配置することにより光源を介した側面からの入射光を効率よく面光源に変換して高効率に発光させることができる。従って図1の例の如く二面の光路変換斜面aを有する光学フィルム10の場合には、パネル基板の対向する側面の両方に光源を配置することもできる。またピット状配置の場合には光学フィルムにおける光出射手段の仮想中心に対応した1個所又は2個所以上に点状光源を配置することもできる。
光源は、その点灯による照明モードでの視認を可能とするものであり、外光・照明両用型の液晶表示装置の場合に外光による外光モードにて視認するときには点灯の必要がないので、その点灯・消灯を切り替えうるものとされる。その切り替え方式には任意な方式を採ることができ、従来方式のいずれも採ることができる。なお光源は、発光色を切り替えうる異色発光式のものであってもよく、また異種の光源を介して異色発光させうるものとすることもできる。
図6の例の如く光源51に対しては、必要に応じ発散光を液晶表示パネルの側面に導くためにそれを包囲するリフレクタ52などの適宜な補助手段を配置した組合せ体とすることもできる。リフレクタとしては高反射率の金属薄膜を付設した樹脂シートや白色シートや金属箔などの適宜な反射シートを用いうる。リフレクタは、その端部をパネル基板等の端部に接着する方式などにて光源の包囲を兼ねる固定手段として利用することもできる。
液晶表示装置は一般に、液晶シャッタとして機能する液晶表示パネルとそれに付随の駆動装置、フロントライト又はバックライト、及び必要に応じての偏光板や反射層、補償用位相差板等の構成部品を適宜に組立てることなどにより形成される。本発明においては上記した光学フィルムと光源を用いて照明機構を形成する点を除いて特に限定はなく、従来のフロントライト型やバックライト型のものに準じて形成することができる。従って用いる液晶表示パネルについては特に限定はなく、図例の如くパネル基板20、30間に封止材41を介し液晶40を封入し、その液晶や必要に応じての偏光板等による光制御を介して表示光を得るようにした適宜な反射型や透過型のものを用いることができる。
ちなみに前記した液晶表示パネルの具体例としては、TN型液晶表示パネルやSTN型液晶表示パネル、IPS型液晶表示パネルやHAN型液晶表示パネル、OCB型液晶表示パネルやVA型液晶表示パネルの如きツイスト系や非ツイスト系、ゲスト・ホスト系や強誘電性液晶系の液晶表示パネル、あるいは内部拡散式等の光拡散型の液晶表示パネルなどがあげられる。また液晶の駆動方式も例えばアクティブマトリクス方式やパッシブマトリクス方式などの適宜なものであってよい。液晶の駆動は通例、図6の例の如くパネル基板の内側に設けた電極21、31を介して行われる。
反射型の液晶表示装置では反射層の配置が必須であるが、その配置位置については図6に例示の如く液晶表示パネルの内側に設けることもできるし、液晶表示パネルの外側に設けることもできる。従って図6の例で電極31は反射層も兼ねている。反射層についは例えばアルミニウムや銀、金や銅やクロム等の高反射率金属の粉末をバインダ樹脂中に含有する塗工層や蒸着方式等による金属薄膜の付設層、その塗工層や付設層を基材で支持した反射シート、金属箔や透明導電膜、誘電体多層膜などの従来に準じた適宜な反射層として形成することができる。透過型の液晶表示装置で外光・照明両用型のものとする場合に光学フィルムの外側に配置する反射層についても前記に準じて適宜なものとすることができる。
一方、透過型の液晶表示装置は、液晶表示パネルの視認背面側に光学フィルムを配置することにより形成しうる。その場合、光学フィルムの背面側(外側)に反射層を設けることにより光出射手段の光路変換斜面等から洩れる光を反射させて液晶表示パネルの方向に戻すことでパネル照明に利用でき輝度の向上を図ることができる。このときその反射層を拡散反射面とすることで反射光を拡散させて正面方向に向けることができ、視認により有効な方向に向けることができる。また前記の反射層を設けることで透過型で、かつ外光・照明両用型の液晶表示装置として利用することもできる。
なお前記において反射層を液晶表示パネルの外側に配置する場合、そのパネル基板や電極は、液晶表示を可能とするために透明基板や透明電極として形成することが必要である。一方、図6の例の如く液晶表示パネルの内部に反射層を兼ねる電極31を設ける場合には、液晶表示を可能とするためにその視認側のパネル基板20や電極21は透明基板や透明電極として形成する必要があるが、背面側のパネル基板30はその反射層31と同様に透明である必要はなく、不透明体にて形成されていてもよい。
パネル基板の厚さについては、特に限定はなく液晶の封入強度や配置する光源の大きさなどに応じて適宜に決定しうる。一般には光伝送効率と薄型軽量性のバランスなどの点より10μm〜5mm、就中50μm〜2mm、特に100μm〜1mmの厚さとされる。またパネル基板の厚さは、光源を配置する側と配置しない側とで相違していてもよい。
液晶表示パネルの形成に際しては必要に応じ図6の例の如く、液晶を配向させるためのラビング膜等の配向膜22、32やカラー表示を実現するためのカラーフィルタ23、低屈折率層24、直線偏光子ないし偏光板25、位相差板26などを設けることができる。配向膜は液晶層に隣接するように配置し、カラーフィルタはパネル基板と電極の間に配置する方式が一般的である。また偏光板等は、直線偏光を介した表示光の制御を目的とし液晶表示パネルの視認側及び背面側の一方又は両方の適宜な位置に配置される。
なお偏光板は、液晶表示パネルの液晶に基づく表示タイプに応じて必要に応じ用いられ、例えばゲスト・ホスト型液晶による表示タイプの如く偏光板不要のものでは偏光板を省略した液晶表示装置とすることもできる。偏光板としては上記した直線偏光子に準じた適宜なものを用いることができ、高度な直線偏光の入射による良好なコントラスト比の表示を得る点などよりは偏光度の高いものが好ましく用いうる。
さらに前記した低屈折率層は、光源を介した側面方向よりの入射光を界面反射させて光源より遠離る方向の後方に効率よく伝送し、後方にある光学フィルム10の光路変換斜面aにも光が効率よく入射してパネル表示面の全面での明るさの均一性の向上を目的とする。低屈折率層は、フッ素化合物等の無機物や有機物からなる適宜な低屈折率材料による透明層として形成でき、その配置位置は図6の例の如く光源51を配置したパネル基板20の内側、すなわち基板の光学フィルム付設側とは反対の面がパネル表示の明るさの向上の点より好ましい。またパネル基板よりも屈折率が0.01以上、就中0.02〜0.15、特に0.05〜0.10低い低屈折率層がパネル表示の明るさの向上の点より好ましい。
液晶表示装置の形成に際しては必要に応じ、上記したノングレア層等のほかに光拡散層や位相差板などの適宜な光学層の1層又は2層以上を付加した液晶表示パネルとすることもできる。光拡散層は、表示光の拡散による表示範囲の拡大や発光の平準化による輝度の均一化、液晶表示パネル内の伝送光の拡散による光学フィルムへの入射光量の増大などを目的とする。なお前記の付加する光学層は、必要に応じ接着層等を介し光学フィルムと積層一体化して液晶表示パネルに適用することもできる。
光拡散層は、上記のノングレア層に準じた表面微細凹凸構造を有する塗工層や拡散シートなどによる適宜な方式にて設けることができる。光拡散層は、接着層に透明粒子を配合して接着手段を兼ねる層として配置することもでき、これにより液晶表示装置の薄型化を図かることができる。光拡散層は、光学フィルムと視認側のパネル基板の間などの適宜な位置に1層又は2層以上を配置することができる。
また前記した位相差板は、光学補償による視野角の拡大や着色防止等を目的とし通例、図6の如く視認側又は/及び背面側の偏光板とパネル基板の間に配置される。補償用の位相差板には波長域などに応じて適宜なものを用いることができ1層又は2層以上の位相差層の重畳層として形成されていてもよい。位相差板は、適宜な透明ポリマーからなるフィルムを一軸や二軸等の適宜な方式で延伸処理してなる複屈折性フィルム、ネマチック系やディスコティック系等の適宜な液晶ポリマーの配向フィルムやその配向層を透明基材で支持したものなどとして得ることができ、熱収縮性フィルムの加熱収縮力の作用下に厚さ方向の屈折率を制御したものなどであってもよい。
なお上記した図6の反射式液晶表示装置において外光・照明両用による視認は、光源51の点灯による照明モードにおいて図例の矢印の如く、光学フィルム10の裏面より出射した光が液晶表示パネルを経由してその反射層31で反射された後、液晶表示パネル内を逆経由して光学フィルムに至り光出射手段A以外の部分より透過した表示光が視認される。一方、光源の消灯による外光モードにおいては光学フィルム10の光出射手段形成面における光出射手段以外の部分より入射した光が反射層31を介し前記に準じ液晶表示パネル内を逆経由して光学フィルムに至り光出射手段以外の部分より透過した表示光が視認される。
他方、透過式液晶表示装置において外光・照明両用による視認は、光源の点灯による照明モードにおいて背面側に配置した光学フィルムの裏面(光出射手段を有しない側)より出射した光が液晶表示パネル内に入射し偏光板等を透過した表示光が視認される。また光源の消灯による外光モードでは、視認側表面より偏光板等を介して入射した外光が液晶表示パネルを透過して光学フィルムに至りその光出射手段形成面の光出射手段以外の部分より入射した光が背面に設けた反射層を介し反転し、液晶表示パネル内を逆経由して透過した表示光が視認される。
本発明において、上記した液晶表示装置を形成する液晶表示パネルの形成部品は、全体的又は部分的に積層一体化されて固着されていてもよいし、分離容易な状態に配置されていてもよい。界面反射の抑制によるコントラストの低下防止などの点よりは固着状態にあることが好ましく、少なくとも光学フィルムと液晶表示パネルが固着密着状態にあることが好ましい。前記の固着処理には粘着剤等の適宜な透明接着剤を用いることができ、その透明接着層に透明粒子等を含有させて拡散機能を示す接着層などとすることもできる。
また前記の形成部品、特に視認側のそれには例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などにより紫外線吸収能をもたせることもできる。
実施例1
ポリカーボネート(PC)からなる厚さ60μmの透明フィルムに、アプリケータを用いて紫外線硬化性のアクリル系樹脂を約100μmの厚さで塗工し、その塗工層を予め所定形状に加工した金型にゴムローラにて密着させると共に余分な樹脂と気泡を押し出した後、メタルハライドランプにて紫外線を照射し硬化させて金型から剥離し、所定サイズに切り出してPCフィルムを剥離し単層タイプの光学フィルムを得た。なお硬化後の紫外線硬化性樹脂の屈折率を測定したところ1.515であった。
前記の光学フィルムは、幅30mm、長さ40mmであり、幅方向にわたり連続した光路変換斜面がピッチ210μmで長さ方向に平行に配列し、その斜面とそれに対向する面との間で断面三角形を形成する凹部からなる光出射手段を有するものである。なおフィルム面に対する光路変換斜面の投影幅は10μmで、傾斜角は42.5度であり、対向面の傾斜角は約75度である。また光出射手段を形成した面における光出射手段以外の部分からなる平坦面の面積は、光路変換斜面とその対向面の和の12倍以上である。さらにこの光学フィルムの全光線透過率とヘイズを測定したところ、それぞれ89%と7%であった。
実施例2
凹凸の形状が異なる金型を用いた以外は実施例1と同様にして光学フィルムを得た。この光学フィルムは、当該傾斜角が42度の光路変換斜面と75度の対向面からなる断面が三角形で長さが100μm、幅が10μmの光出射手段を幅方向に断続する状態で、かつピッチ210μmで長さ方向に平行に配列したものである。なおその全光線透過率とヘイズを測定したところ、それぞれ85%と10%であった。
比較例1
凹凸の形状が異なる金型を用いた以外は実施例1と同様にして大サイズの光出射手段を密に有するタイプの光学フィルムを得た。この光学フィルムは、フィルム面に対する投影幅が20〜25μmで所定の傾斜角を満足する光路変換斜面をピッチ130μmで有するものあり、その全光線透過率とヘイズは、それぞれ70%と28%であった。
比較例2
凹凸の形状が異なる金型を用いた以外は実施例1と同様にして小サイズの光出射手段を粗に有するタイプの光学フィルムを得た。この光学フィルムは、フィルム面に対する投影幅が5μmで所定の傾斜角を満足する光路変換斜面をピッチ500μmで有するものあり、その全光線透過率とヘイズは、それぞれ93%と3%であった。
比較例3
凹凸の形状が異なる金型を用いた以外は実施例1と同様にして光路変換斜面が所定の傾斜角を満足しないタイプの光学フィルムを得た。この光学フィルムは、フィルム面に対する光路変換斜面の投影幅が10μmで、傾斜角の最大値が15度であり、対向面の傾斜角は55度である。また光路変換斜面のピッチは210μmである。さらにこの光学フィルムの全光線透過率とヘイズを測定したところ、それぞれ90%と6%であった。
参考例
研磨加工した無アルカリガラス基板にフッ化マグネシウムを蒸着して低屈折率層を形成した後、アルゴン雰囲気中でプラズマ処理を施してその上に酸化インジウム・スズ薄膜をスパッタリングして透明電極を形成し、透明なパネル基板の一対を作製した。このとき視認側用のパネル基板として、幅が1mm、0.5mm、0.4mm、0.3mm、0.2mm又は0.1mmの透明電極をそれぞれ10本ずつ有するものを形成した。
次に前記一対の基板における透明電極上にスピンコート方式でポリビニルアルコール膜を形成してラビング処理した後、透明電極を対向させて、かつラビング軸が直交するように一対の基板を配置し、球形のガラスビーズよりなるギャップ調整剤を配してシール材で固定した。ついでその基板間に液晶(BDH社製、E−7)200重量部と、カイラル剤(メルク社製、MC−32)1重量部の混合液を注入して液晶セルを得た。
前記で得た液晶セルの視認側透明基板の外側にラビング軸と吸収軸が一致するように偏光板を貼り付けると共に、背面側基板の外側に反射層を有する偏光板を視認側偏光板と吸収軸が直交するように、かつ反射層が外側となるように貼り付けて、ノーマリーホワイトの反射型TN液晶表示パネルを得た。偏光板の接着手段には屈折率が1.515のアクリル系粘着剤を使用した。ついで前記の反射型TN液晶表示パネルの視認側基板の側面に照明光源として冷陰極管を配置し、フィルム表面に銀薄膜を形成した反射フィルムで前記冷陰極管の周囲を覆い、反射フィルムの両端を液晶表示パネルの端部上下に光が洩れないように貼り付けた。
評価試験
実施例、比較例で得た光学フィルムをその光出射手段形成面を外側にして、かつ光路変換斜面の長さ方向が冷陰極管を配した端面と平行になるように屈折率1.515の粘着剤を用いて反射型TN液晶表示パネルの視認側に貼り付けて反射型液晶表示装置を作製し、それを黒色板の上に配置した。
前記の液晶表示装置において、液晶表示パネルに電圧を印可しない状態で冷陰極管を点灯させて観察すると共に、輝度計(トプコン社製、BM−7)にて液晶表示装置の中央部における入射端面から20mmの位置の輝度を測定した。その結果を次表に示す。
実施例1 実施例2 比較例1 比較例2 比較例3
正面輝度(cd/m) 24 22 16 4 4
前記において実施例では比較例と比べ明るさの点で優れると共に、発光時の外観において実施例では比較例より明るさが均一であった。また比較例1では背面の反射層で反射した光が再び光学フィルムを通過するときにヘイズが大きいため観測者の方向に光が出射されず、液晶表示装置の照明に実質的に寄与せずに表示が暗かった。一方、比較例2ではフィルムの全光線透過率が大きくてヘイズが小さいことで光源からの光を充分に光路変換できず表示が非常に暗かった。さらに比較例3では出射光の方向が大きく傾いておりパネルの照明に寄与しないため表示が暗かった。
他方、液晶表示パネルに電圧を印可して表示を観察した。その結果、実施例では0.1mmの線においてもはっきりと確認することができた。また比較例2、3においても0.1mmの線を見ることができたが比較例1では0.5mmの線までしか見ることができなかった。以上より本発明による光学フィルムを貼り付けるだけで、従って別体の導光板を用いる必要なく液晶表示パネルの側面に光源を設けてパネルを照明でき、薄くて軽量な透過型や反射型、外光・照明両用型の液晶表示装置を形成できることがわかる。
10:光学フィルム
A:光出射手段
a:光路変換斜面
b:立面
1c:接着手段
C:仮想中心
20、30:パネル基板
40:液晶層
51:光源

Claims (14)

  1. 光学フィルムの全光線透過率が75〜92%でヘイズが4〜20%となるように、フィルム面に対する傾斜角が35〜48度の光路変換斜面を具備する凹部又は凸部からなる光出射手段を透明フィルムの片面に分布させてなることを特徴とする光学フィルム。
  2. 請求項1において、凹部又は凸部からなる光出射手段がその光路変換斜面に対する横断面に基づいて略三角形である光学フィルム。
  3. 請求項2において、光出射手段の光路変換斜面に対向する面がフィルム面に対する傾斜角60〜90度の立面からなる光学フィルム。
  4. 請求項2又は3において、光出射手段の光路変換斜面の長辺方向の長さが凹部の深さ又は凸部の高さの5倍以上である光学フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、光出射手段が連続する又は断続する凹部又は凸部からなる光学フィルム。
  6. 請求項5における断続する凹部又は凸部からなる光出射手段において、その光路変換斜面の長辺方向の長さが200μm以下である光学フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項において、光出射手段がその光路変換斜面に基づいて平行又は不規則に、あるいは仮想中心に対してピット状に配置されてなる光学フィルム。
  8. 請求項7におけるピット状配置の光出射手段において、その光路変換斜面が透明フィルムの端面又はその外側にある一箇所又は二箇所以上の仮想中心と対面するように配置された光学フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項において、光出射手段が凹部からなる光学フィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項において、透明フィルムが光出射手段を有しない面に透明な接着手段を有する光学フィルム。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項において、透明フィルムの光出射手段を有しない面側に少なくとも直線偏光子が接着積層されてなる光学フィルム。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項において、前記透明フィルムにおける光出射手段の形成面に占める前記光出射手段の投影面積に基づく占有面積が、1/100〜1/8である光学フィルム。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項において、前記透明フィルムの厚さが、5〜500μmである光学フィルム。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の光学フィルムをその光出射手段を有する側が外側となるように液晶表示パネルの片側に配置してなることを特徴とする液晶表示装置。
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