JPWO2018135193A1 - 光学装置及び表示装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、コントラスト及び解像度が高い光学装置、並びに、斯かる光学装置を備えた表示装置を提供することを目的とする。本発明の光学装置は、導光板(120)と、導光板(120)の第1面及び第2面の少なくともいずれか一方に配設され、導光板(120)に入射された光が導光板(120)の内部で全反射されるように、導光板(120)に入射された光を偏向させる第1偏向手段(130)と、導光板(120)の第1面及び第2面の少なくともいずれか一方に配設され、導光板(120)の内部を全反射により伝播した光を導光板(120)から出射させるように、導光板(120)の内部を全反射により伝播した光を偏向させる第2偏向手段(140)を備えており、導光板(120)は、第1面、及び、第1面と対向する第2面を有する基板(500)と、基板(500)の第1面上に形成された、有機材料を含む第1平坦化膜(511)と、基板(500)の第2面上に形成された、有機材料を含む第2平坦化膜(512)から成る。基板(500)は樹脂材料とすることができる。

Description

本開示は、光学装置及び表示装置に関し、より具体的には、頭部装着型ディスプレイ(HMD,Head Mounted Display)に用いられる表示装置、及び、斯かる表示装置に用いられる光学装置に関する。
近年、表示装置として、観察者の目の前に配置した光学装置に画像形成装置からの画像を表示させるヘッドマウントディスプレイ(HMD)が話題となっている。この光学装置を構成する導光板として、ガラス基板から成る基板上に反射型又は透過型のホログラム光学素子を配置した導光板が、例えば、特開2010−204397号公報から周知である。ガラス基板を用いた導光板では、良好なコントラストや解像度が得られる。ここで、ガラス基板として、通常、精密品質の面粗さを有する光学ガラス基板が用いられる。また、光学装置の軽量化のために、導光板を構成する基板としてアクリル樹脂等の樹脂基板を用いる光学装置が、例えば、特開2013−109301号公報から周知である。樹脂基板は表面に傷が付き易いという問題があるが、この問題を解決するハードコート層を形成する技術が、例えば、特開2008−156648号公報から周知である。
特開2010−204397号公報 特開2013−109301号公報 特開2008−156648号公報
ところで、樹脂基板を用いた導光板では、コントラストや解像度が低いという問題があった。然るに、この問題の原因については、従来、明確には判っていなかった。
従って、本開示の目的は、コントラスト及び解像度が高い光学装置、並びに、斯かる光学装置を備えた表示装置を提供することにある。より具体的には、軽量な樹脂基板を用いた導光板を備え、且つ、コントラスト及び解像度がガラス基板を用いた導光板を備えた場合と同等の光学装置、及び、斯かる光学装置を備えた表示装置を提供することにある。また、本開示の他の目的は、コントラスト及び解像度が高い光学装置、並びに、斯かる光学装置を備えた表示装置を安価に提供することにある。
上記の目的を達成するための本開示の光学装置は、
画像形成装置から入射された光が内部を全反射により伝播した後、観察者に向けて出射され、第1面、及び、第1面と対向する第2面を有する導光板、
導光板の第1面及び第2面の少なくともいずれか一方に配設され、導光板に入射された光が導光板の内部で全反射されるように、導光板に入射された光を偏向させる第1偏向手段、並びに、
導光板の第1面及び第2面の少なくともいずれか一方に配設され、導光板の内部を全反射により伝播した光を導光板から出射させるように、導光板の内部を全反射により伝播した光を偏向させる第2偏向手段、
を備えており、
導光板は、
第1面、及び、第1面と対向する第2面を有する基板、
基板の第1面上に形成された、有機材料を含む第1平坦化膜、及び、
基板の第2面上に形成された、有機材料を含む第2平坦化膜、
から成る。
上記の目的を達成するための本開示の第1の態様に係る表示装置は、
観察者の頭部に装着されるフレーム、及び、
フレームに取り付けられた画像表示装置、
を備えた表示装置であって、
画像表示装置は、画像形成装置及び光学装置を備えており、
光学装置は、
画像形成装置から入射された光が内部を全反射により伝播した後、観察者に向けて出射され、第1面、及び、第1面と対向する第2面を有する導光板、
導光板の第1面及び第2面の少なくともいずれか一方に配設され、導光板に入射された光が導光板の内部で全反射されるように、導光板に入射された光を偏向させる第1偏向手段、並びに、
導光板の第1面及び第2面の少なくともいずれか一方に配設され、導光板の内部を全反射により伝播した光を導光板から出射させるように、導光板の内部を全反射により伝播した光を偏向させる第2偏向手段、
を備えており、
導光板は、
第1面、及び、第1面と対向する第2面を有する基板、
基板の第1面上に形成された、有機材料を含む第1平坦化膜、及び、
基板の第2面上に形成された、有機材料を含む第2平坦化膜、
から成る。
尚、「全反射」という用語は、内部全反射、あるいは、導光板内部における全反射を意味する。また、第2偏向手段によって、画像形成装置から出射された光に基づき虚像が形成される虚像形成領域が構成される。
上記の目的を達成するための本開示の第2の態様に係る表示装置は、
観察者の頭部に装着されるフレーム、及び、
フレームに取り付けられた画像表示装置、
を備えた表示装置であって、
画像表示装置は、画像形成装置、及び、上記の本開示の光学装置を備えている。
本開示の光学装置、あるいは、本開示の第1の態様〜第2の態様に係る表示装置における光学装置において、基板の第1面には有機材料を含む第1平坦化膜が形成されており、基板の第2面には有機材料を含む第2平坦化膜が形成されているので、コントラスト及び解像度が高い光学装置、並びに、斯かる光学装置を備えた表示装置を提供することができる。尚、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また、付加的な効果があってもよい。
図1は、実施例1の表示装置における画像表示装置の概念図である。 図2は、実施例1の表示装置における画像表示装置の別の概念図である。 図3は、実施例1の表示装置を上方から眺めた模式図である。 図4A及び図4Bは、それぞれ、実施例1の表示装置における光学装置(但し、右眼用)の模式的な正面図、及び、図4Aの矢印B−Bに沿った模式的な断面図であり、図4Cは、実施例1の表示装置を左眼側からを眺めたときの表示装置(主に右眼用)の模式的な側面図である。 図5は、実施例1の表示装置における反射型体積ホログラム回折格子の一部を拡大して示す模式的な断面図である。 図6は、実施例2の表示装置における画像表示装置の概念図である。 図7は、実施例4の表示装置における画像表示装置の概念図である。 図8は、実施例5の表示装置における画像表示装置の概念図である。 図9は、実施例6の表示装置における画像表示装置の概念図である。 図10は、実施例7の表示装置における画像表示装置の概念図である。 図11Aは、実施例8の表示装置における光学装置及び調光装置の模式的な正面図であり、図11Bは、図11Aの矢印B−Bに沿った光学装置及び調光装置の模式的な断面図であり、図11Cは、図11Aの矢印B−Bに沿った光学装置及び調光装置の変形例の模式的な断面図である。 図12は、図11Aの矢印B−Bに沿ったと同様の実施例8の表示装置における調光装置の模式的な断面図である。 図13Aは、実施例8の表示装置における動作前の調光装置の模式的な正面図であり、図13Bは、動作中の調光装置の模式的な正面図である。 図14A及び図14Bは、それぞれ、実施例9の表示装置を上方から眺めた模式図、及び、照度センサを制御する回路の模式図である。 図15A及び図15Bは、それぞれ、実施例10の表示装置を上方から眺めた模式図、及び、照度センサを制御する回路の模式図である。 図16は、実施例1の表示装置の変形例を上方から眺めた模式図である。 図17は、図16に示した実施例1の表示装置の別の変形例における光学装置及び調光装置の模式的な正面図である。 図18は、実施例1の表示装置の更に別の変形例における光学装置の概念図である。 図19A、図19B、図19C、図19D、図19E及び図19Fは、実施例1の表示装置の更に別の変形例における光学装置の概念図である。 図20は、ガラス基板、樹脂基板及び実施例1の導光板の二乗平均平方根粗さRqの測定結果(測定装置:AFM)を示す図である。 図21Aは、ガラス基板から構成された導光板(比較例1A)、平坦化膜を設けない樹脂基板から構成された導光板(比較例1B)、及び、実施例1Aの導光板(但し、第1平坦化膜及び第2平坦化膜の厚さは、それぞれ、1μm)のコントラストの測定結果を示す表であり、図21Bは、コントラストの測定において使用した0.3lp/(画角1度)の白黒の市松模様を示す図である。 図22A及び図22Bは、それぞれ、水平方向MTFを測定するための、縦線を水平方向に並べた白黒の縞模様を示す図、及び、垂直方向MTFを測定するための、横線を垂直方向に並べた白黒の縞模様を示す図である。 図23A、図23B及び図23Cは、それぞれ、実施例2の導光板、ガラス基板及び樹脂基板の二乗平均平方根粗さRqの測定結果(測定装置:触針式プロファイラー)を示す図である。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本開示を説明するが、本開示は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本開示の光学装置及び本開示の第1の態様〜第2の態様に係る表示装置、全般に関する説明
2.実施例1(本開示の光学装置及び本開示の第1の態様〜第2の態様に係る表示装置、第1構造の光学装置及び第1構成の画像形成装置)
3.実施例2(実施例1の変形。粘着層の形成)
4.実施例3(実施例1の別の変形。平坦化膜への反射防止膜としての機能の付与)
5.実施例4(実施例1の別の変形。反射防止膜の形成)
6.実施例5(実施例1〜実施例4の変形。第1構造の光学装置及び第2構成の画像形成装置)
7.実施例6(実施例1〜実施例4の変形。第2構造の光学装置及び第1構成の画像形成装置)
8.実施例7(実施例1〜実施例6の変形。第2構造の光学装置及び第2構成の画像形成装置)
9.実施例8(実施例1〜実施例7の変形。調光装置付きの表示装置)
10.実施例9(実施例8の変形)
11.実施例10(実施例8〜実施例9の変形)
12.その他
〈本開示の光学装置及び本開示の第1の態様〜第2の態様に係る表示装置、全般に関する説明〉
本開示の光学装置及び本開示の第1の態様〜第2の態様に係る表示装置を構成する光学装置(以下、これらの光学装置を総称して、単に『本開示の光学装置等』と呼ぶ)において、基板は樹脂材料から成る形態とすることができる。そして、この場合、限定するものではないが、基板の主成分はシクロオレフィンポリマー(COP)である形態とすることができる。COPは、シクロオレフィン類をモノマーとして合成されるポリマーであり、分子構造中に脂環構造を有するポリマーである。現在工業化されている主なCOPは、シクロオレフィンの中でも反応性の高いノルボルネン誘導体をモノマーに用いており、水素化開環メタセシス重合型及びエチレンとの付加重合型がある。エチレンとの付加重合型は、シクロオレフィンコポリマー(COC)と呼ばれる場合もある。COPは、構造中に極性部が無く、非晶質であるため、優れた耐湿性を有し、また、表面平滑性に優れた基板を得ることができる材料である。しかも、全光線透過率が90%以上であり、アクリル樹脂並みの透明性を有し、透明性に優れている。但し、このような基板(材料)に限定するものではなく、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、硬質塩化ビニル樹脂等に例示される樹脂材料から作製された基板から成る形態とすることができる。また、平面研磨のコストを抑えた安価なガラス材料から成る形態とすることもできる。
上記の好ましい形態を含む本開示の光学装置等において、
第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像によって挟まれた導光板の領域に含まれる第1平坦化膜の部分の外面のRqの値は、3nm以下であり、
第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像によって挟まれた導光板の領域に含まれる第2平坦化膜の部分の外面のRqの値は、3nm以下である形態とすることができる。尚、「Rq」は、JIS B0601:2013によって規定された二乗平均平方根粗さである。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の光学装置等において、
第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像によって挟まれた導光板の領域に含まれる第1平坦化膜の部分の厚さは、5×10-8m以上、好ましくは1.7×10-7m以上であり、
第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像によって挟まれた導光板の領域に含まれる第2平坦化膜の部分の厚さは、5×10-8m以上、好ましくは1.7×10-7m以上である形態とすることができる。そして、この場合、
第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像によって挟まれた導光板の領域に含まれる第1平坦化膜の部分の厚さは、3×10-6m以下であり、
第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像によって挟まれた導光板の領域に含まれる第2平坦化膜の部分の厚さは、3×10-6m以下である形態とすることができる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の光学装置等において、第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像によって挟まれた導光板の領域に含まれる第1平坦化膜の部分の外面に対する、第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像によって挟まれた導光板の領域に含まれる第2平坦化膜の部分の外面の平行度は、2/60度以下、好ましくは1/60度以下である形態とすることができる。そして、この場合、第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像を含む基板の領域に含まれる第1平坦化膜の部分の外面に対する、第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像を含む基板の領域に含まれる第2平坦化膜の部分の外面の平行度は、2/60度以下、好ましくは1/60度以下であることが、より好ましい。
ここで、導光板に入射された光が内部で全反射されるように光が進行する方向を、便宜上、「x方向」と呼び、導光板の第1面、第2面を含む仮想平面内において、x方向と直交する方向を「y方向」と呼ぶ。また、画像形成装置の中心点から入射された光が導光板に入射する導光板の点を『入射点』と呼び、画像形成装置の中心点から入射された光が導光板の内部を全反射により伝播した後、観察者に向けて出射される導光板の点を『出射点』と呼ぶ。入射点と出射点を結ぶ線分(1本の線分から構成される場合もあるし、偏向手段の数、配置位置に依っては2本以上の線分から構成される場合もある)を『線分L0』と呼ぶ。更には、「第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像によって挟まれた導光板の領域」を、便宜上、『導光領域』と呼び、第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像を含む基板の領域、即ち、第1偏向手段の外側端部の正射影像に対応する部分から第2偏向手段の外側端部の正射影像に対応する部分までを含む基板の領域を、便宜上、『全導光領域』と呼ぶ。
以上に説明した本開示の光学装置等にあっては、導光領域に含まれる第1平坦化膜の部分及び第2平坦化膜の部分に対して各種の規定を設けているが、導光領域とは、より具体的には、導光板に入射された光が内部で全反射されるような基板の領域を指す。そして、基板の導光領域や全導光領域に含まれる第1平坦化膜の部分及び第2平坦化膜の部分が上述した各種の規定を満足することが好ましいが、場合によっては、上記の線分L0に沿った(対応した)第1平坦化膜の部分(領域)及び第2平坦化膜の部分(領域)が上述した各種の規定を満足していてもよい。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の光学装置等において、第1平坦化膜と第2平坦化膜とは、同じ材料から成り、且つ、同じ厚さを有する形態とすることができる。そして、これによって、基板に反りが発生することを確実に防止することができる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の光学装置等において、第1平坦化膜及び第2平坦化膜は、アクリル系材料を含む有機材料を主成分とする材料とすることができる。このように有機材料を主成分とする材料から構成することで、無機材料と異なり、例えば樹脂材料から成る基板が反った場合でも、第1平坦化膜及び第2平坦化膜に割れやクラックが発生することを防止することができる。また、アクリル系材料を用いることで、透明度を高くすることができる。尚、アクリル系材料でも、添加剤等を工夫することで、例えばCOPから成る基板に対して高い密着性を維持することができる。具体的には、例えば、アクリル樹脂(有機材料)を主成分とし、添加剤としてシリカ(無機材料)を加えた材料(有機材料を主成分とするハイブリッド材料)から成るUV硬化型のコート剤を用いることができる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の光学装置等において、限定するものではないが、第1偏向手段及び第2偏向手段はホログラム回折格子から成る形態とすることができる。そして、この場合、ホログラム回折格子は、アクリル系材料及びウレタン系材料を含む形態とすることができる。尚、ホログラム回折格子が、アクリル系材料を含む有機材料から成ることで透明度を一層向上させることができるし、ウレタン系材料を含むことで第1平坦化膜や第2平坦化膜への密着性を一層向上させることができる。あるいは又、ホログラム回折格子、第1平坦化膜及び第2平坦化膜は、アクリル系材料を含む有機材料を主成分とする材料とすることができる。そして、これによって、平坦化膜と偏向手段との間の密着性の一層の向上を図ることができる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の光学装置等において、基板の厚さは0.4mm乃至10mmである形態とすることができる。基板の厚さが0.4mm未満では、導光板の第1面と第2面との間での全反射回数が多くなり、コントラストやMTFが低下する虞がある。また、基板の厚さが10mmを超えると基板の質量が増加し、表示装置を使用する観察者の負担が大きくなってしまう。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の光学装置等において、
第1平坦化膜を構成する材料の屈折率をn1、第2平坦化膜を構成する材料の屈折率をn2、基板を構成する材料の屈折率をn0としたとき、コントラストやMTFを高くするためには、n0=n1=n2とすることが理想的であるが、本発明者らの検討によれば、
|n1−n0|/n0≦0.03
|n2−n0|/n0≦0.03
を満足すれば十分であることが判った。あるいは又、第1平坦化膜基板を構成する材料の基板屈折率をn1、第2平坦化膜基板を構成する材料の基板屈折率をn2、基板を構成する材料の屈折率をn0としたとき、n1≧1.48、n2≧1.48、及び、n0≧1.48を満足する形態とすることが好ましい。このように、屈折率の値が高いほど、光学設計マージンが広がるし、屈折率の値が1.48以上の材料の選択幅は広い。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の光学装置等において、
導光板に入射される光に対する基板を構成する材料の光透過率は、基板を構成する材料の厚さを60mmとしたとき、14%以上であり、
導光板に入射される光に対する第1平坦化膜を構成する材料の光透過率は、第1平坦化膜を構成する材料の厚さを60mmとしたとき、14%以上であり、
導光板に入射される光に対する第2平坦化膜を構成する材料の光透過率は、第2平坦化膜を構成する材料の厚さを60mmとしたとき、14%以上である形態とすることができる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の光学装置等において、
第1偏向手段と第1平坦化膜との間には、第1粘着層が形成されており、
第2偏向手段と第2平坦化膜との間には、第2粘着層が形成されている形態とすることができる。粘着層を形成することで、第1偏向手段と第1平坦化膜との間の密着性、第2偏向手段と第2平坦化膜との間の密着性のより一層の向上を図ることができる。粘着層を構成する材料として、具体的には、アクリル樹脂(アクリル酸エステル共重合物、メタクリル酸エステル共重合物)やエポキシ化合物を主成分とする粘着材料を挙げることができる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の光学装置等において、
導光板に入射される光の波長をλ0、基板の屈折率をn0、第1平坦化膜の屈折率をn1(但し、n1<n0)、第2平坦化膜の屈折率をn2(但し、n2<n0)としたとき、
第1平坦化膜の厚さは(n1・λ0/4)であり、又は、
第2平坦化膜の厚さは(n2・λ0/4)であり、又は、
第1平坦化膜の厚さは(n1・λ0/4)であり、且つ、第2平坦化膜の厚さは(n2・λ0/4)である形態とすることができる。第1平坦化膜及び第2平坦化膜の厚さをこのように規定することで、第1平坦化膜及び第2平坦化膜に反射防止膜としての機能を付与することができ、画像形成装置からの光の利用効率を増加させることができる。ここで、厚さの設計誤差は3%以内とすることが好ましい。即ち、
(n1・λ0/4)×0.97≦(第1平坦化膜の厚さ)≦(n1・λ0/4)×1.03
(n2・λ0/4)×0.97≦(第2平坦化膜の厚さ)≦(n2・λ0/4)×1.03
を満足することが好ましい。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の光学装置等において、
第1偏向手段及び第2偏向手段は基板の第2面側に配設されており、
第1平坦化膜を構成する材料の屈折率をn1、導光板に入射される光の波長をλ0としたとき、第1平坦化膜の外面上には、屈折率n3(但し、n3<n1)を有し、且つ、(n3・λ0/4)の厚さを有する反射防止層が形成されている形態とすることができる。この場合、第1平坦化膜の膜厚と反射防止層の膜厚の合計が、第2平坦化膜の膜厚と等しいことが、導光板の反り発生を抑制するといった観点から望ましい。あるいは又、
第1偏向手段及び第2偏向手段は基板の第1面側に配設されており、
第2平坦化膜を構成する材料の屈折率をn2、導光板に入射される光の波長をλ0としたとき、第2平坦化膜の外面上には、屈折率n3(但し、n3<n2)を有し、且つ、(n3・λ0/4)の厚さを有する反射防止層が形成されている形態とすることができる。この場合、第2平坦化膜の膜厚と反射防止層の膜厚の合計が、第1平坦化膜の膜厚と等しいことが、導光板の反り発生を抑制するといった観点から望ましい。ここで、反射防止層を構成する材料として、具体的には、屈折率n3=1.49のPMMA(ポリメタクリル酸メチル)樹脂を主成分とするUV硬化型のコート剤を挙げることができる。ここで、厚さの設計誤差は3%以内とすることが好ましい。即ち、
(n3・λ0/4)×0.97≦(第1平坦化膜の厚さ)≦(n3・λ0/4)×1.03
を満足することが好ましい。
本開示の光学装置等は半透過型(シースルー型)である。具体的には、少なくとも観察者の眼球(瞳)に対向する光学装置の部分を半透過(シースルー)とし、光学装置のこの部分を通して外景を眺めることができる。尚、本明細書において、「半透過」という用語を用いる場合があるが、入射する光の1/2(50%)を透過し、あるいは反射することを意味するのではなく、入射する光の一部を透過し、残部を反射するといった意味で用いている。
前述したとおり、第1偏向手段は、導光板に入射された光を回折し、第2偏向手段は、導光板の内部を全反射により伝播した光を回折する構成とすることができる。そして、この場合、第1偏向手段及び第2偏向手段は、前述したとおり、ホログラム回折格子から成る形態とすることができ、更には、ホログラム回折格子は、反射型のホログラム回折格子から成り、あるいは又、透過型のホログラム回折格子から成り、あるいは又、一方の偏向手段は反射型のホログラム回折格子から成り、他方の偏向手段は透過型のホログラム回折格子から成る構成とすることができる。反射型のホログラム回折格子として、反射型体積ホログラム回折格子を挙げることができる。ホログラム回折格子から成る第1偏向手段を、便宜上、『第1回折格子部材』と呼び、ホログラム回折格子から成る第2偏向手段を、便宜上、『第2回折格子部材』と呼ぶ場合がある。また、このような構造の光学装置を、便宜上、『第1構造の光学装置』と呼ぶ。
本開示の表示装置等における画像表示装置によって、単色(例えば、緑色)の画像表示を行うことができる。そして、この場合、例えば、画角を例えば二分割(より具体的には、例えば二等分割)して、第1偏向手段は、二分割された画角群のそれぞれに対応する2つの回折格子部材が積層されて成る構成とすることができる。あるいは又、カラーの画像表示を行う場合、第1回折格子部材あるいは第2回折格子部材を、異なるP種類(例えば、P=3であり、赤色、緑色、青色の3種類)の波長帯域(あるいは、波長)を有するP種類の光の回折に対応させるために、ホログラム回折格子から成るP層の回折格子層が積層されて成る構成とすることができる。各回折格子層には1種類の波長帯域(あるいは、波長)に対応する干渉縞が形成されている。あるいは又、異なるP種類の波長帯域(あるいは、波長)を有するP種類の光の回折に対応するために、1層の回折格子層から成る第1回折格子部材あるいは第2回折格子部材にP種類の干渉縞が形成されている構成とすることもできる。あるいは又、例えば、第1導光板に、赤色の波長帯域(あるいは、波長)を有する光を回折させるホログラム回折格子から成る回折格子層から構成された回折格子部材を配し、第2導光板に、緑色の波長帯域(あるいは、波長)を有する光を回折させるホログラム回折格子から成る回折格子層から構成された回折格子部材を配し、第3導光板に、青色の波長帯域(あるいは、波長)を有する光を回折させるホログラム回折格子から成る回折格子層から構成された回折格子部材を配し、これらの第1導光板、第2導光板及び第3導光板を隙間を開けて積層する構造を採用してもよい。あるいは又、画角を例えば三等分して、第1回折格子部材あるいは第2回折格子部材を、各画角に対応する回折格子層が積層されて成る構成とすることができる。そして、これらの構成を採用することで、各波長帯域(あるいは、波長)を有する光が第1回折格子部材あるいは第2回折格子部材において回折されるときの回折効率の増加、回折受容角の増加、回折角の最適化を図ることができる。ホログラム回折格子が直接大気と接しないように、保護部材を配することが好ましい。後述する調光装置を構成する第1基板あるいは第2基板が保護部材を兼用していてもよい。
ホログラム回折格子から成る第1回折格子部材及び第2回折格子部材を構成する材料として、前述したとおり、アクリル系材料及びウレタン系材料を含む材料、あるいは又、アクリル系材料を含む有機材料から成る材料、具体的には、フォトポリマー材料を挙げることができる。ホログラム回折格子から成る第1回折格子部材及び第2回折格子部材の構成材料や基本的な構造は、従来のホログラム回折格子の構成材料や構造と同じとすればよい。ホログラム回折格子とは、+1次の回折光のみを回折するホログラム回折格子を意味する。回折格子部材には、その内部から表面に亙り干渉縞が形成されているが、係る干渉縞それ自体の形成方法は、従来の形成方法と同じとすればよい。具体的には、例えば、回折格子部材を構成する部材(例えば、フォトポリマー材料)に対して一方の側の第1の所定の方向から物体光を照射し、同時に、回折格子部材を構成する部材に対して他方の側の第2の所定の方向から参照光を照射し、物体光と参照光とによって形成される干渉縞を回折格子部材を構成する部材の内部に記録すればよい。第1の所定の方向、第2の所定の方向、物体光及び参照光の波長を適切に選択することで、回折格子部材の表面における干渉縞の所望のピッチ、干渉縞の所望の傾斜角(スラント角)を得ることができる。干渉縞の傾斜角とは、回折格子部材(あるいは回折格子層)の表面と干渉縞の成す角度を意味する。第1回折格子部材及び第2回折格子部材を、ホログラム回折格子から成るP層の回折格子層の積層構造から構成する場合、このような回折格子層の積層は、P層の回折格子層をそれぞれ別個に作製した後、P層の回折格子層を、例えば、紫外線硬化型接着剤を使用して積層(接着)すればよい。また、粘着性を有するフォトポリマー材料を用いて1層の回折格子層を作製した後、その上に順次粘着性を有するフォトポリマー材料を貼り付けて回折格子層を作製することで、P層の回折格子層を作製してもよい。
あるいは又、本開示の光学装置等において、第1偏向手段は、導光板に入射された光を偏向し、第2偏向手段は、導光板の内部を全反射により伝播した光を偏向するが、具体的には、第1偏向手段は反射鏡として機能し、第2偏向手段は半透過鏡として機能する構成とすることができる。このような構造の光学装置を、便宜上、『第2構造の光学装置』と呼ぶ。
このような第2構造の光学装置において、第1偏向手段は、例えば、合金を含む金属から構成され、導光板に入射された光を反射させる光反射膜(一種のミラー)や、導光板に入射された光を回折する回折格子(例えば、ホログラム回折格子膜)から構成することができる。あるいは又、第1偏向手段は、例えば、誘電体積層膜が多数積層された多層積層構造体、ハーフミラー、偏光ビームスプリッターから構成することができる。また、第2偏向手段は、誘電体積層膜が多数積層された多層積層構造体や、ハーフミラー、偏光ビームスプリッター、ホログラム回折格子膜から構成することができる。そして、第1偏向手段や第2偏向手段は、基板の内部に配設されている(基板の内部に組み込まれている)が、第1偏向手段においては、導光板に入射された平行光が導光板の内部で全反射されるように、導光板に入射された平行光が反射又は回折される。一方、第2偏向手段においては、導光板の内部を全反射により伝播した平行光が複数回に亙り反射又は回折され、導光板から平行光の状態で出射される。
以上に説明した各種好ましい形態、構成を含む本開示の第1の態様〜第2の態様に係る表示装置(以下、『本開示の表示装置等』と呼ぶ場合がある)における画像表示装置において、画像形成装置は、2次元マトリクス状に配列された複数の画素を有する形態とすることができる。このような画像形成装置の構成を、便宜上、『第1構成の画像形成装置』と呼ぶ。
第1構成の画像形成装置として、例えば、反射型空間光変調装置及び光源から構成された画像形成装置;透過型空間光変調装置及び光源から構成された画像形成装置;有機EL(Electro Luminescence)素子、無機EL素子、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ素子等の発光素子から構成された画像形成装置を挙げることができるが、中でも、反射型空間光変調装置及び光源から構成された画像形成装置、あるいは、有機EL素子から構成された画像形成装置とすることが好ましい。空間光変調装置として、ライト・バルブ、例えば、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)等の透過型あるいは反射型の液晶表示装置、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を挙げることができ、光源として発光素子を挙げることができる。更には、反射型空間光変調装置は、液晶表示装置、及び、光源からの光の一部を反射して液晶表示装置へと導き、且つ、液晶表示装置によって反射された光の一部を通過させて光学系へと導く偏光ビームスプリッターから成る構成とすることができる。光源を構成する発光素子として、赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子、白色発光素子を挙げることができるし、あるいは又、赤色発光素子、緑色発光素子及び青色発光素子から出射された赤色光、緑色光及び青色光をライトパイプを用いて混色、輝度均一化を行うことで白色光を得てもよい。発光素子として、例えば、半導体レーザ素子や固体レーザ、LEDを例示することができる。画素の数は、画像表示装置に要求される仕様に基づき決定すればよく、画素の数の具体的な値として、320×240、432×240、640×480、1024×768、1920×1080等を例示することができる。
あるいは又、以上に説明した好ましい形態、構成を含む本開示の表示装置等における画像表示装置において、画像形成装置は、光源、及び、光源から出射された平行光を走査する走査手段を備えた形態とすることができる。このような画像形成装置の構成を、便宜上、『第2構成の画像形成装置』と呼ぶ。
第2構成の画像形成装置における光源として発光素子を挙げることができ、具体的には、赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子、白色発光素子を挙げることができるし、あるいは又、赤色発光素子、緑色発光素子及び青色発光素子から出射された赤色光、緑色光及び青色光をライトパイプを用いて混色、輝度均一化を行うことで白色光を得てもよい。発光素子として、例えば、半導体レーザ素子や固体レーザ、LEDを例示することができる。第2構成の画像形成装置における画素(仮想の画素)の数も、画像表示装置に要求される仕様に基づき決定すればよく、画素(仮想の画素)の数の具体的な値として、320×240、432×240、640×480、1024×768、1920×1080等を例示することができる。また、カラーの画像表示を行う場合であって、光源を赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子から構成する場合、例えば、クロスプリズムを用いて色合成を行うことが好ましい。走査手段として、光源から出射された光を水平走査及び垂直走査する、例えば、二次元方向に回転可能なマイクロミラーを有するMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)やガルバノ・ミラーを挙げることができる。
第1構造あるいは第2構造の光学装置を備えた画像表示装置における第1構成の画像形成装置あるいは第2構成の画像形成装置において、光学系(出射光を平行光とする光学系であり、『平行光出射光学系』と呼ぶ場合があり、具体的には、例えば、コリメート光学系やリレー光学系)にて複数の平行光とされた光を導光板に入射させるが、このような、平行光であることの要請は、これらの光が導光板へ入射したときの光波面情報が、第1偏向手段と第2偏向手段を介して導光板から出射された後も保存される必要があることに基づく。尚、複数の平行光を生成させるためには、具体的には、例えば、平行光出射光学系における焦点距離の所(位置)に、例えば、画像形成装置の光出射部を位置させればよい。平行光出射光学系は、画素の位置情報を光学装置の光学系における角度情報に変換する機能を有する。平行光出射光学系として、凸レンズ、凹レンズ、自由曲面プリズム、ホログラムレンズを、単独、若しくは、組み合わせた、全体として正の光学的パワーを有する光学系を例示することができる。平行光出射光学系と導光板との間には、平行光出射光学系から不所望の光が出射されて導光板に入射しないように、開口部を有する遮光部を配置してもよい。
導光板は、導光板の軸線(長手方向、水平方向であり、X軸に該当する)と平行に延びる2つの平行面(第1面及び第2面)を有している。尚、導光板の幅方向(高さ方向、垂直方向)はY軸に該当し、導光板の厚さ方向はZ軸に該当する。X軸とx方向とは平行である場合もあるし、X軸とは平行で無いx方向が存在する場合もある。同様に、Y軸とy方向とは平行である場合もあるし、Y軸とは平行で無いy方向が存在する場合もある。光が入射する導光板の面を導光板入射面、光が出射する導光板の面を導光板出射面としたとき、第1面によって導光板入射面及び導光板出射面が構成されていてもよいし、第2面によって導光板入射面及び導光板出射面が構成されていてもよいし、第1面によって導光板入射面が構成され、第2面によって導光板出射面が構成されていてもよいし、第2面によって導光板入射面が構成され、第1面によって導光板出射面が構成されていてもよい。回折格子部材の干渉縞は、概ねY軸と平行に延びるが、回折格子部材の配置状態によっては、概ねY軸と平行には延びない場合もあり得る。
本開示の表示装置等において、画像形成装置から出射された光が入射される光学装置の領域には、光学装置への外光の入射を遮光する遮光部材が配されている構成とすることができる。画像形成装置から出射された光が入射される光学装置の領域に、光学装置への外光の入射を遮光する遮光部材を配することで、画像形成装置から出射された光が入射される光学装置の領域には外光が入射しないので、不所望の迷光等が発生し、表示装置における画像表示品質が低下するといったことが無い。尚、遮光部材の光学装置への射影像内に、画像形成装置から出射された光が入射される光学装置の領域が含まれる形態とすることが好ましい。
遮光部材は、光学装置の画像形成装置が配された側とは反対側に、光学装置と離間して配されている構成とすることができる。このような構成の表示装置にあっては、遮光部材を、例えば、不透明なプラスチック材料から作製すればよく、このような遮光部材は、画像表示装置の筐体から一体に延び、あるいは又、画像表示装置の筐体に取り付けられ、あるいは又、フレームから一体に延び、あるいは又、フレームに取り付けられている形態とすることができる。あるいは又、遮光部材は、画像形成装置が配された側とは反対側の光学装置の部分に配されている構成とすることができるし、遮光部材は、後述する調光装置に配されている構成とすることもできる。不透明な材料から成る遮光部材を、例えば、光学装置の面上に物理的気相成長法(PVD法)や化学的気相成長法(CVD法)に基づき形成してもよいし、印刷法等によって形成してもよいし、不透明な材料(プラスチック材料や金属材料、合金材料等)から成るフィルムやシート、箔を貼り合わせてもよい。遮光部材の光学装置への射影像内に、後述する調光装置の端部の光学装置への射影像が含まれる構成とすることが好ましい。
本開示の表示装置等において、フレームは、観察者の正面に配置されるフロント部と、フロント部の両端に蝶番を介して回動自在に取り付けられた2つのテンプル部とから成る構成とすることができる。尚、各テンプル部の先端部にはモダン部が取り付けられている。画像表示装置はフレームに取り付けられているが、具体的には、例えば、画像形成装置をテンプル部に取り付ければよいし、導光板をフロント部に取り付ければよい。また、フロント部と2つのテンプル部とが一体となった構成とすることもできる。即ち、本開示の表示装置等の全体を眺めたとき、フレームは、概ね通常の眼鏡と略同じ構造を有する。パッド部を含むフレームを構成する材料は、金属や合金、プラスチック、これらの組合せといった、通常の眼鏡を構成する材料と同じ材料から構成することができる。更には、フロント部にノーズパッドが取り付けられている構成とすることができる。即ち、本開示の表示装置等の全体を眺めたとき、フレーム(リムを含む)及びノーズパッドの組立体は、通常の眼鏡と略同じ構造を有する。ノーズパッドも周知の構成、構造とすることができる。
また、本開示の表示装置等にあっては、デザイン上、あるいは、装着の容易性といった観点から、1つあるいは2つの画像形成装置からの配線(信号線や電源線等)が、テンプル部、及び、モダン部の内部を介して、モダン部の先端部から外部に延び、制御装置(制御回路あるいは制御手段)に接続されている形態とすることが望ましい。更には、各画像形成装置はヘッドホン部を備えており、各画像形成装置からのヘッドホン部用配線が、テンプル部、及び、モダン部の内部を介して、モダン部の先端部からヘッドホン部へと延びている形態とすることもできる。ヘッドホン部として、例えば、インナーイヤー型のヘッドホン部、カナル型のヘッドホン部を挙げることができる。ヘッドホン部用配線は、より具体的には、モダン部の先端部から、耳介(耳殻)の後ろ側を回り込むようにしてヘッドホン部へと延びている形態とすることが好ましい。また、フロント部の中央部分に撮像装置が取り付けられている形態とすることもできる。撮像装置は、具体的には、例えば、CCDあるいはCMOSセンサーから成る固体撮像素子とレンズから構成されている。撮像装置からの配線は、例えば、フロント部を介して、一方の画像表示装置(あるいは画像形成装置)に接続すればよく、更には、画像表示装置(あるいは画像形成装置)から延びる配線に含ませればよい。
本開示の表示装置等によって、例えば、頭部装着型ディスプレイ(HMD,Head Mounted Display)を構成することができる。そして、これによって、表示装置の軽量化、小型化を図ることができるし、表示装置装着時の不快感を大幅に軽減させることが可能となり、更には、製造コストダウンを図ることも可能となる。あるいは又、車両や航空機のコックピット等に備えられるヘッドアップディスプレイ(HUD)に本開示の表示装置等を適用することができる。
本開示の光学装置等にあっては、外部から入射する外光の光量を調整する調光装置を更に備えていてもよい。ここで、光学装置は、調光装置の少なくとも一部分と重なっている。
調光装置は、
第1基板、
第1基板と対向する第2基板、
第2基板と対向する第1基板の対向面に設けられた第1透明電極、
第1基板と対向する第2基板の対向面に設けられた第2透明電極、及び、
第1透明電極と第2透明電極とによって挟まれた調光層、
から成る形態とすることができる。尚、調光装置は、更に、第1透明電極の一部の上に形成された第1電極を備えていてもよく、この場合、第1電極は、直接、調光装置の遮光率を制御するための制御回路(調光装置・制御回路)に接続されていてもよいし、場合によっては、第1電極に接続された第1接続部が設けられ、第1接続部が調光装置・制御回路に接続されていてもよい。あるいは、第1電極を設けることなく、第1接続部と第1透明電極とが、直接、接続されてもよい。また、第2透明電極の一部と接する第2接続部が設けられ、第2接続部が調光装置・制御回路に接続されていてもよい。あるいは又、第2透明電極の一部の上に形成された第2電極を更に備えていてもよい。そして、第2電極は、直接、調光装置・制御回路に接続されていてもよいし、場合によっては、第2電極に接続された第2接続部が設けられ、第2接続部が調光装置・制御回路に接続されていてもよい。第1接続部は、第2基板と対向する第1基板の対向面に、接続部以外は第1透明電極と接しないように設ければよい。第2接続部は、第1基板と対向する第2基板の対向面に、接続部以外は第2透明電極と接しないように設ければよい。
調光装置・制御回路から、第1電極(場合によっては、第1接続部及び第1電極)を介して第1透明電極に電圧が印加され、第2接続部(場合によっては、第2接続部及び第2電極)を介して第2透明電極に電圧が印加される。第1透明電極の或る部位(便宜上、『部位−A』と呼ぶ)と、この部位−Aに対向した第2透明電極の部位(便宜上、『部位−B』と呼ぶ)との間の電位差に依存して、これらの部位−Aと部位−Bによって挟まれた調光層の領域の遮光率が制御される。部位−Aの電位は、第1電極と第1透明電極の部位−Aとの間の距離に依存した電気抵抗値によって規定されるし、部位−Bの電位は、第2接続部(あるいは、第2電極)と第2透明電極の部位−Bとの間の距離に依存した電気抵抗値によって規定される。従って、第1電極の位置や長さ、第2接続部の第2透明電極に対する接続位置(あるいは、第2電極の位置や長さ)を、適宜、決定すればよい。
以上に説明した各種好ましい形態を含む本開示の表示装置において、光学装置は調光装置に取り付けられている形態とすることができる。尚、光学装置は、密着した状態で調光装置に取り付けられていてもよいし、隙間を開けた状態で調光装置に取り付けられていてもよい。
更には、以上に説明した各種好ましい形態を含む本開示の表示装置において、前述したとおり、フレームは、観察者の正面に配置されるフロント部、フロント部の両端に蝶番を介して回動自在に取り付けられた2つのテンプル部、及び、ノーズパッドを備えており;調光装置はフロント部に配設されている形態とすることができる。そして、この場合、フロント部はリムを有し;調光装置はリムに嵌め込まれている形態とすることができる。また、以上に説明した種々の好ましい形態を含む本開示の表示装置において、観察者側から、光学装置、調光装置の順に配してもよいし、調光装置、光学装置の順に配してもよい。そして、調光装置の射影像内に第2偏向手段(虚像形成領域)が位置する形態とすることができる。更には、調光装置を構成する基板の一方によって、第2偏向手段、あるいは、第1偏向手段及び第2偏向手段は被覆されている形態とすることができる。また、調光装置の動作時、調光装置の動作時、例えば、第1透明電極には第2透明電極よりも高い電圧が印加される。
本開示の表示装置等にあっては、第1の所望の領域から第2の所望の領域に向かって調光装置の遮光率が変化させてもよく、この場合、遮光率は、徐々に変化してもよいし(即ち、連続的に変化してもよいし)、電極や接続部の配置状態、形状に依っては、階段状に変化する構成とすることもできるし、一定の値から連続的にあるいは階段状に変化する構成とすることもできる。即ち、調光装置を、色のグラデーションが付いた状態としてもよいし、段階的に色が変化する状態とすることもできるし、一定の色が付いた状態から連続的にあるいは段階的に色が変化する状態とすることもできる。遮光率は、第1電極及び第2接続部に印加する電圧によって制御することができる。第1透明電極と第2透明電極との間の電位差を制御してもよいし、第1電極に印加する電圧と第2接続部に印加する電圧とを独立に制御してもよい。遮光率の調整を行う場合、光学装置にテストパターンを表示してもよい。
本開示の表示装置等において、表示装置の置かれた環境の照度を測定する照度センサ(環境照度測定センサ)を更に備えており;照度センサ(環境照度測定センサ)の測定結果に基づき、調光装置の遮光率を制御する形態とすることができる。あるいは又、表示装置の置かれた環境の照度を測定する照度センサ(環境照度測定センサ)を更に備えており;照度センサ(環境照度測定センサ)の測定結果に基づき、画像形成装置によって形成される画像の輝度を制御する形態とすることができる。これらの形態を組み合わせてもよい。
あるいは又、外部環境から調光装置を透過した光に基づく照度を測定する第2の照度センサ(便宜上、『透過光照度測定センサ』と呼ぶ場合がある)を更に備えており;第2の照度センサ(透過光照度測定センサ)の測定結果に基づき、調光装置の遮光率を制御する形態とすることができる。あるいは又、外部環境から調光装置を透過した光に基づく照度を測定する第2の照度センサ(透過光照度測定センサ)を更に備えており;第2の照度センサ(透過光照度測定センサ)の測定結果に基づき、画像形成装置によって形成される画像の輝度を制御する形態とすることができる。尚、第2の照度センサ(透過光照度測定センサ)は、光学装置よりも観察者側に配置されている形態とすることが望ましい。第2の照度センサ(透過光照度測定センサ)を、少なくとも2つ、配置し、高遮光率の部分を通過した光に基づく照度の測定、低遮光率の部分を通過した光に基づく照度の測定を行ってもよい。これらの形態を組み合わせてもよい。更には、これらの形態と、上記の照度センサ(環境照度測定センサ)の測定結果に基づき制御を行う形態とを組み合わせてもよい。
照度センサ(環境照度測定センサ、透過光照度測定センサ)は、周知の照度センサから構成すればよいし、照度センサの制御は周知の制御回路に基づき行えばよい。
調光装置の最高光透過率は50%以上であり、調光装置の最低光透過率は30%以下である構成とすることができる。尚、調光装置の最高光透過率の上限値として99%を挙げることができるし、調光装置の最低光透過率の下限値として1%を挙げることができる。ここで、
(光透過率)=1−(遮光率)
の関係にある。
調光装置にコネクタを取り付け(具体的には、第1電極や第2電極、第1接続部、第2接続部にコネクタを取り付け)、調光装置の遮光率を制御するための制御回路(調光装置・制御回路であり、例えば、画像形成装置を制御するための制御装置に含まれている)にこのコネクタ及び配線を介して調光装置を電気的に接続すればよい。
場合によっては、調光装置を通過する光は調光装置によって所望の色に着色される構成とすることができる。そして、この場合、調光装置によって着色される色は可変である形態とすることができるし、あるいは又、調光装置によって着色される色は固定である形態とすることができる。尚、前者の場合、例えば、赤色に着色される調光装置と、緑色に着色される調光装置と、青色に着色される調光装置とを積層する形態とすればよい。また、後者の場合、調光装置によって着色される色として、限定するものではないが、茶色を例示することができる。
調光装置を構成する基板の一方が光学装置の構成部材を兼ねる構成とすれば、表示装置全体の重量の減少を図ることができ、表示装置の使用者に不快感を感じさせる虞が無い。尚、他方の基板は一方の基板よりも薄い構成とすることができる。
実施例1は、本開示の表示装置(具体的には、頭部装着型ディスプレイ,HMD)に関し、具体的には、第1構造の光学装置、及び、第1構成の画像形成装置を備えた本開示の第1の態様〜第2の態様に係る表示装置に関する。実施例1の表示装置における画像表示装置の概念図を図1及び図2に示し、実施例1の表示装置を上方から眺めた模式図を図3に示す。また、実施例1の表示装置における光学装置及び調光装置(但し、右眼用)の模式的な正面図を図4Aに示し、図4Aの矢印B−Bに沿った模式的な断面図を図4Bに示し、左眼側から表示装置を眺めたときの表示装置(主に右眼用)の模式的な側面図を図4Cに示す。更には、実施例1の表示装置における反射型体積ホログラム回折格子の一部を拡大して示す模式的な断面図を図5に示す。
実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例10の表示装置は、
(A)観察者の頭部に装着されるフレーム10、及び、
(B)フレーム10に取り付けられた画像表示装置100,200,300,400、を備えている。尚、実施例の表示装置は、具体的には、2つの画像表示装置を備えた両眼型としたが、1つ備えた片眼型としてもよい。また、画像形成装置111,211は、例えば、単色の画像を表示する。画像形成装置111,211から出射される光の波長λ0を523nm(緑色)とした。
そして、実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例10における画像表示装置100,200,300,400は、
(a)画像形成装置111,211、及び、
(b)光学装置120,320、
を備えている。更には、実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例9における画像表示装置100,200,300,400にあっては、
(c)画像形成装置111,211から出射された光を平行光とする光学系(平行光出射光学系)112,254、
を備えており、光学系112,254にて平行光とされた光束が光学装置120,320に入射され、導光され、出射される。光学装置は、画像形成装置111,211から出射された光に基づき虚像が形成される虚像形成領域を有する。
実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例10における光学装置120,320は、
(b−1)画像形成装置111,211から入射された光が内部を全反射により伝播した後、観察者に向けて出射され、第1面122,322、及び、第1面122,322と対向する第2面123,323を有する導光板121,321、
(b−2)導光板121,321の第1面122,322及び第2面123,323の少なくともいずれか一方に配設され、導光板121,321に入射された光が導光板121,321の内部で全反射されるように、導光板121,321に入射された光を偏向させる第1偏向手段130,330、並びに、
(b−3)導光板121,321の第1面122,322及び第2面123,323の少なくともいずれか一方に配設され、導光板121,321の内部を全反射により伝播した光を導光板121,321から出射させるように、導光板121,321の内部を全反射により伝播した光を偏向させる第2偏向手段140,340、
を備えている。ここで、第2偏向手段140,340によって光学装置の虚像形成領域が構成される。光学装置120,320は、シースルー型(半透過型)である。
そして、導光板121,321は、
第1面501、及び、第1面501と対向する第2面502を有する基板500、
基板500の第1面501上に形成された、有機材料を含む第1平坦化膜511、及び、
基板500の第2面502上に形成された、有機材料を含む第2平坦化膜512、
から成る。
実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例10において、導光板121,321は、導光板121,321の内部全反射による光伝播方向(X軸)と平行に延びる2つの平行面(第1面122,322及び第2面123,323)を有している。第1面122,322と第2面123,323とは対向している。そして、光入射面に相当する第1面122,322から平行光が入射され、内部を全反射により伝播した後、光出射面に相当する第1面122,322から出射される。但し、これに限定するものではなく、第2面123,323によって光入射面が構成され、第1面122,322によって光出射面が構成されていてもよい。また、第1偏向手段130,330は、導光板121,321の第2面123,323上に配設されており、第2偏向手段140,340も、導光板121,321の第2面123,323上に配設されている。
実施例1において、画像形成装置111は、第1構成の画像形成装置であり、2次元マトリクス状に配列された複数の画素を有する。具体的には、図1に示すように、画像形成装置111は、反射型空間光変調装置150、及び、白色光を出射する発光ダイオードから成る光源153から構成されている。各画像形成装置111全体は、筐体113(図1では、一点鎖線で示す)内に納められており、係る筐体113には開口部(図示せず)が設けられており、開口部を介して光学系(平行光出射光学系,コリメート光学系)112から光が出射される。反射型空間光変調装置150は、ライト・バルブとしてのLCOSから成る液晶表示装置(LCD)151、及び、光源153からの光の一部を反射して液晶表示装置151へと導き、且つ、液晶表示装置151によって反射された光の一部を通過させて光学系112へと導く偏光ビームスプリッター152から構成されている。液晶表示装置151は、2次元マトリクス状に配列された複数(例えば、640×480個)の画素(液晶セル)を備えている。偏光ビームスプリッター152は、周知の構成、構造を有する。光源153から出射された無偏光の光は、偏光ビームスプリッター152に衝突する。偏光ビームスプリッター152において、P偏光成分は通過し、系外に出射される。一方、S偏光成分は、偏光ビームスプリッター152において反射され、液晶表示装置151に入射し、液晶表示装置151の内部で反射され、液晶表示装置151から出射される。ここで、液晶表示装置151から出射した光の内、「白」を表示する画素から出射した光にはP偏光成分が多く含まれ、「黒」を表示する画素から出射した光にはS偏光成分が多く含まれる。従って、液晶表示装置151から出射され、偏光ビームスプリッター152に衝突する光の内、P偏光成分は、偏光ビームスプリッター152を通過し、光学系112へと導かれる。一方、S偏光成分は、偏光ビームスプリッター152において反射され、光源153に戻される。光学系112は、例えば、凸レンズから構成され、平行光を生成させるために、光学系112における焦点距離の所(位置)に画像形成装置111(より具体的には、液晶表示装置151)が配置されている。
あるいは又、図2に示すように、画像形成装置111は、有機EL表示装置150’から構成されている。有機EL表示装置150’から出射され画像は、凸レンズ112を通過し、平行光となって、導光板121へと向かう。有機EL表示装置150’は、2次元マトリクス状に配列された複数(例えば、640×480個)の画素(有機EL素子)を備えている。
フレーム10は、観察者の正面に配置されるフロント部11と、フロント部11の両端に蝶番12を介して回動自在に取り付けられた2つのテンプル部13と、各テンプル部13の先端部に取り付けられたモダン部(先セル、耳あて、イヤーパッドとも呼ばれる)14から成る。また、ノーズパッド(図示せず)が取り付けられている。即ち、フレーム10及びノーズパッドの組立体は、基本的には、通常の眼鏡と略同じ構造を有する。更には、各筐体113が、取付け部材19によって、着脱自在にテンプル部13に取り付けられている。フレーム10は、金属又はプラスチックから作製されている。尚、各筐体113は、取付け部材19によってテンプル部13に着脱できないように取り付けられていてもよい。また、各筐体113を、テンプル部13の内側に取り付けた状態を示しているが、テンプル部13の外側に取り付けてもよい。
更には、一方の画像形成装置111Aから延びる配線(信号線や電源線等)15が、テンプル部13、及び、モダン部14の内部を介して、モダン部14の先端部から外部に延び、制御装置(制御回路、制御手段)18に接続されている。更には、各画像形成装置111A,111Bはヘッドホン部16を備えており、各画像形成装置111A,111Bから延びるヘッドホン部用配線17が、テンプル部13、及び、モダン部14の内部を介して、モダン部14の先端部からヘッドホン部16へと延びている。ヘッドホン部用配線17は、より具体的には、モダン部14の先端部から、耳介(耳殻)の後ろ側を回り込むようにしてヘッドホン部16へと延びている。このような構成にすることで、ヘッドホン部16やヘッドホン部用配線17が乱雑に配置されているといった印象を与えることがなく、すっきりとした表示装置とすることができる。
実施例1の光学装置において、基板500は樹脂材料から成る。具体的には、基板500の主成分はシクロオレフィンポリマー(COP)である。シクロオレフィンポリマーの屈折率n0は1.53である。基板500の厚さを1mmとした。第1平坦化膜511及び第2平坦化膜512はアクリル系材料を含む有機材料を主成分とする材料(具体的には、アクリル樹脂を主成分とし、添加剤としてシリカを加えた材料から成るUV硬化型のコート剤)から成る。第1平坦化膜511を構成する材料の屈折率n1及び第2平坦化膜512を構成する材料の屈折率n2は1.51である。第1平坦化膜511及び第2平坦化膜512の厚さを1μmとした。このように、第1平坦化膜511と第2平坦化膜512とは、同じ材料から成り、且つ、同じ厚さを有するし、n1≧1.48、n2≧1.48、及び、n0≧1.48を満足している。
実施例1において、第1偏向手段(第1回折格子部材)130及び第2偏向手段(第2回折格子部材)140は、基板500の第2面502上(観察者とは反対側の面上)に配設されている。そして、第1偏向手段130は、導光板121に入射された光を回折し、第2偏向手段140は、導光板121の内部を全反射により伝播した光を回折する。第1偏向手段130及び第2偏向手段140はホログラム回折格子、より具体的には、反射型体積ホログラム回折格子から成る。ここで、ホログラム回折格子は、アクリル系材料及びウレタン系材料を含む。あるいは又、ホログラム回折格子、第1平坦化膜511及び第2平坦化膜512は、アクリル系材料を含む有機材料を主成分とする材料から成る。そして、実施例1あるいは後述する実施例2において、第1回折格子部材130及び第2回折格子部材140を、1層の回折格子層が積層されて成る構成としている。フォトポリマー材料から成る各回折格子層には、1種類の波長帯域(あるいは、波長)に対応する干渉縞が形成されており、従来の方法で作製されている。回折格子層(回折光学素子)に形成された干渉縞のピッチは一定であり、干渉縞は直線状であり、Y軸に平行である。第1回折格子部材130及び第2回折格子部材140の軸線はX軸と平行であり、法線はZ軸と平行である。
そして、第1回折格子部材130は、上述したとおり、基板500の第2面502上に形成された第2平坦化膜512上に配設(接着)されており、導光板121の第1面122から導光板121に入射されたこの平行光が導光板121の内部で全反射されるように、導光板121に入射されたこの平行光を回折(具体的には、回折反射)する。更には、第2回折格子部材140も、上述したとおり、基板500の第2面502上に形成された第2平坦化膜512上に配設(接着)されており、導光板121の内部を全反射により伝播したこの平行光を回折(具体的には、複数回、回折反射)し、導光板121から平行光のまま第1面122から出射する。
図5に反射型体積ホログラム回折格子の拡大した模式的な一部断面図を示す。反射型体積ホログラム回折格子には、傾斜角(スラント角)φを有する干渉縞が形成されている。ここで、傾斜角φとは、反射型体積ホログラム回折格子の表面と干渉縞の成す角度を指す。干渉縞は、反射型体積ホログラム回折格子の内部から表面に亙り、形成されている。干渉縞は、ブラッグ条件を満たしている。ここで、ブラッグ条件とは、以下の式(A)を満足する条件を指す。式(A)中、mは正の整数、λは波長、dは格子面のピッチ(干渉縞を含む仮想平面の法線方向の間隔)、Θは干渉縞へ入射する角度の余角を意味する。また、入射角ψにて回折格子部材に光が侵入した場合の、Θ、傾斜角φ、入射角ψの関係は、式(B)のとおりである。
m・λ=2・d・sin(Θ) (A)
Θ=90°−(φ+ψ) (B)
そして、導光板121にあっては、平行光が内部を全反射により伝播した後、出射される。このとき、導光板121が薄く導光板121の内部を進行する光路が長いため、各画角によって第2回折格子部材140に至るまでの全反射回数は異なっている。より詳細に述べれば、導光板121に入射する平行光のうち、第2回折格子部材140に近づく方向の角度をもって入射する平行光の反射回数は、第2回折格子部材140から離れる方向の角度をもって導光板121に入射する平行光の反射回数よりも少ない。これは、第1回折格子部材130において回折される平行光であって、第2回折格子部材140に近づく方向の角度をもって導光板121に入射する平行光の方が、これと逆方向の角度をもって導光板121に入射する平行光よりも、導光板121の内部を伝播していく光が導光板121の内面と衝突するときの導光板121の法線と成す角度が小さくなるからである。また、第2回折格子部材140の内部に形成された干渉縞の形状と、第1回折格子部材130の内部に形成された干渉縞の形状とは、導光板121の軸線に垂直な仮想平面に対して対称な関係にある。
第1偏向手段130を構成するホログラム回折格子の厚さを3μm、第2偏向手段140を構成するホログラム回折格子の厚さを1μmとした。また、第1偏向手段130及び第2偏向手段140の平面形状を矩形とした。第1偏向手段130のX軸の沿った長さを5.0mmとし、第2偏向手段140のX軸の沿った長さを20.0mmとし、第1偏向手段130及び第2偏向手段140の基板500への正射影像によって挟まれた導光板121の領域である導光領域503のX軸の沿った長さを25.0mmとした。全導光領域504のX軸の沿った長さは(5.0+25.0+20.0)=50.0mmである。x方向はX軸と平行であるし、y方向はY軸と平行である。尚、図4Aにおいて、導光領域503を明示するために、導光領域503に斜線を付した。導光板121,321の入射点と出射点を結ぶ線分L0(図4A参照)は、1本の線分から構成されている。導光領域503あるいは全導光領域504に含まれる第1平坦化膜511の部分及び第2平坦化膜512の部分が上述した各種の規定を満足することが好ましいが、場合によっては、この線分L0に沿った(対応した)第1平坦化膜511の部分(領域)及び第2平坦化膜512の部分(領域)が上述した各種の規定を満足していてもよい。
このような導光板121は、以下に説明する方法で作製することができる。即ち、基板500を洗浄した後、第1平坦化膜511及び第2平坦化膜512を構成する材料を溶解した有機溶液に基板500を浸漬し、次いで、基板500を有機溶液から取り出し、有機溶媒を除去した後、紫外線照射を行うことで、基板500の第1面501及び第2面502に第1平坦化膜511及び第2平坦化膜512を形成する。こうして、導光板121を得ることができる。そして、反射型体積ホログラム回折格子から成る第1偏向手段130及び第2偏向手段140を第2平坦化膜512の所定の部分に貼り付けることで、光学装置120を得ることができる。
実施例1の特徴の1つは、樹脂材料から成る基板500上に、高い表面平坦性を有する第1平坦化膜511及び第2平坦化膜512を設けたことにある。第1平坦化膜511の外面に相当する導光板121の第1面122、及び、第2平坦化膜512の外面に相当する導光板121の第2面123の二乗平均平方根粗さ(Rq又はRMS)は3nm以下である。一般に、樹脂材料から成る基板500は、ガラス基板に比べて表面平坦性を高くすることが困難であり、樹脂材料から成る基板500を用いた導光板121では、ガラス基板を用いた導光板と同等のコントラストを得ることが困難である。しかしながら、実施例1にあっては、樹脂材料から成る基板500上に第1平坦化膜511及び第2平坦化膜512を形成することで、コントラスト及びMTFの値をガラス基板を用いた導光板と同等にすることができる。以下、実験データで説明する。
図20に、ガラス基板、樹脂基板(実施例1の樹脂基板を使用)、及び、実施例1の導光板のそれぞれの、二乗平均平方根粗さRqの測定結果を示す。ここで、ガラス基板として、精密品質の表面粗さを有する光学ガラス基板を用いた。尚、図20において、ガラス基板の測定結果を「ガラス」で示し、樹脂基板の測定結果を「樹脂」で示す。また、実施例1の導光板の測定結果を「H」で示すが、「H」の後に付した数字は平坦化膜の厚さを示す。例えば、「H20nm]は厚さ20nmの平坦化膜を設けた実施例1の導光板を示している。
Rqの測定には、AFM(Atomic Force Microscope、原子間力顕微鏡)を用いた。カンチレバーとして、Micro cantilever(型番:OMCL−AC160BN−A2)を用いた。また、バラツキ低減と測定時間のバランスを考慮して、走査範囲を10μm、走査速度を1Hzとした。
図20に示すように、ガラス基板の外面のRqの値は2.0nm〜2.1nmであり、樹脂基板の外面のRqの値は3.9nm〜4.3nmであり、樹脂基板はガラス基板に比べて表面平坦性が低かった。実施例1の導光板のRqの測定結果は、平坦化膜の厚さが20nmでは5.9nm〜9.2nmであり、樹脂基板よりも大きくなった。また、平坦化膜の厚さが30nmではRqの値は3.5nm〜4.2nmであり、樹脂基板と同程度であった。更には、平坦化膜の厚さが50nmではRqの値は2.5nm〜2.7nmであり、樹脂基板のRqの値よりも小さくなった。平坦化膜の厚さが170nm、350mではRqの値は2.3nm〜2.4nmであり、ガラス基板とほぼ同等になった。このように、平坦化膜の厚さが厚くなるほど、Rqの値が小さくなり、表面平坦性が高くなった。この理由として、樹脂基板の表面凹凸を平坦化するためには平坦化膜の厚さを或る値以上にする必要があるためと考えられる。
図21Aに、ガラス基板から構成された導光板(比較例1A、図21Aでは「ガラス基板」で表す)、平坦化膜を設けない樹脂基板(実施例1の樹脂基板)から構成された導光板(比較例1B、図21Aでは「樹脂基板」で表す)、及び、実施例1Aの導光板(第1平坦化膜511及び第2平坦化膜512の厚さは、それぞれ、1μmであり、図21Aでは「平坦化膜1μm」で表す)のそれぞれの、コントラストの測定結果を示す。図21Aにおいて、横軸は画角を示している。ここで、画角は、図1の観察者の瞳21の正面方向からの、図面の紙面内での左右方向の回転角度に相当し、図1において、右側方向(第1偏光手段側)をプラス、左側方向をマイナスとしている。コントラストの測定においては、図21Bに示すような、0.3lp/(画角1度)の白黒の市松模様において、
{(白の市松模様の明るさ)−(黒の市松模様の明るさ)}/{(白の市松模様の明るさ)+(黒の市松模様の明るさ)}
から求めた。
図21Aから判るように、実施例1Aの導光板におけるコントラストの値は、比較例1Aの導光板におけるコントラストの値と同等であり、比較例1Bの導光板におけるコントラストの値よりも高い。比較例1Bの導光板にあっては、導光領域の表面平坦性が低いため、導光領域における光の全反射の際に、大気と樹脂基板の界面において光の散乱が生じたためであると考えられる。
ここで、ヘッドマウントディスプレイのコントラストの基準としては、文字を読むことが容易かどうかの指標として、新聞紙が参考となる。新聞紙のコントラスト比は、例えば
Richo Technical Report No 39, pp.62 (2014) によれば、1.0:7.8とされる。これを前述の式によりコントラストに換算すれば、
(7.8−1.0)/(7.8+1.0)=0.77
である。図21Aから判るように、比較例1Bの導光板ではコントラスト比は新聞紙のコントラスト比よりも低くなってしまうが、実施例1Aの導光板ではコントラスト比が新聞紙よりも高くなり、文字を読むことが容易になる。
また、表1に、比較例1Aの導光板、比較例1Bの導光板及び実施例1Aの導光板のそれぞれの水平方向MTF測定結果を示す。ここで、MTFとは、コントラスト再現比による性能評価方法であり、特定の空間周波数でのMTFが解像度に相当し、値が大きいほど高解像度であることを示す。表1に、図1の観察者の瞳21の正面方向(画角0度)、画角+8度、画角−8度の3点における水平方向MTF測定結果を示す。水平方向MTFは、図22Aに示すような縦線を水平方向に並べた白黒の縞模様で計測する。空間周波数を4.6lp/(画角1度)とした。表1から判るように、実施例1A及び比較例1Aの導光板の水平方向MTFの値はほぼ同等であるが、比較例1Bの導光板の水平方向MTFの値は実施例1A及び比較例1Aの導光板よりも低い。
表1には、第2平坦化膜512と第2偏向手段140との密着性が悪い場合を、実施例1Bとして示している。この場合、画角−8度、つまり、第2偏向手段140の外側方向のMTFの値が低くなっている。このように密着性が悪くなるのを防止するためには、
(A)偏向手段が形成される平坦化膜の部分の表面平坦性を高くして、Rqの値を3nm以下にする。
(B)平坦化膜と偏向手段が共にアクリル系材料を含むようにすることで、平坦化膜と偏向手段の間の密着性の向上を図る。
といった対策が有効である。
更には、表1に、比較例1Aの導光板、比較例1Bの導光板及び実施例1Aの導光板のそれぞれの垂直方向MTF測定結果を示す。表1には、図1の観察者の瞳21の正面方向(仰角0度)、仰角+3度、仰角−3度の3点における垂直方向MTF測定結果を示す。垂直方向MTFは、図22Bのような横線を垂直方向に並べた白黒の縞模様で計測する。空間周波数を4.6lp/(仰角1度)とした。表1から判るように、実施例1A及び比較例1Aの導光板の垂直方向MTFの値はほぼ同等であるが、比較例1Bの導光板の垂直方向MTFの値は実施例1A及び比較例1Aの導光板よりも低い。
〈表1〉
以上のとおり、厚さ1μmの平坦化膜511,512を形成することで、樹脂基板を用いた導光板でも、コントラスト及びMTFの値をガラス基板を用いた導光板と同等にすることができる。
本発明者らの実験によれば、平坦化膜の厚さをパラメータとしてコントラスト及びMTFの値を測定したところ、平坦化膜の厚さが170nm以上であれば、コントラスト及びMTFの値をガラス基板を用いた導光板と同等にすることができることが判った。これは、図20から判るように、平坦化膜の厚さを170nm以上とすることで二乗平均平方根粗さRqの値がガラス基板とほぼ同等になるためであると考えられる。また、平坦化膜の厚さを50nm以上とすることで、平坦化膜を設けない樹脂基板を用いた導光板よりもコントラスト及びMTFの値を高くすることができる。これは、図20から判るように、平坦化膜の厚さを50nm以上とすることで二乗平均平方根粗さRqの値が樹脂基板よりも小さくなるためであると考えられる。これらから、平坦化膜の厚さは50nm(5×10 -8m)以上、好ましくは170nm(1.7×10-7m)以上とすることが望ましい。
また、実施例1の光学装置120において、第1偏向手段130及び第2偏向手段140の基板500への正射影像によって挟まれた導光板121の領域(導光領域)503に含まれる第1平坦化膜511の部分の外面に対する、第1偏向手段130及び第2偏向手段140の基板500への正射影像によって挟まれた導光板121の領域(導光領域)503に含まれる第2平坦化膜512の部分の外面の平行度は、2/60度以下、好ましくは1/60度以下であることが望ましい。更には、第1偏向手段130及び第2偏向手段140の基板500への正射影像を含む基板500の領域(全導光領域504)に含まれる第1平坦化膜511の部分の外面に対する、第1偏向手段130及び第2偏向手段140の基板500への正射影像を含む基板500の領域(全導光領域504)に含まれる第2平坦化膜512の部分の外面の平行度は、2/60度以下、好ましくは1/60度以下であることが望ましい。ここで、平行度は、導光板121の第1面122の平均的な表面位置と第2面123の平均的な表面位置の平行からの角度ずれである。導光領域503あるいは全導光領域504における角度ずれが大きくなると、導光される光が設計値の角度から逸脱してしまい、コントラストやMTFが低下する。このような問題の発生を回避するため、上述したとおり、平行度は、2/60度以下、好ましくは1/60度以下であることが望ましい。
また、上述したような方法(第1平坦化膜511及び第2平坦化膜512を構成する材料を溶解した有機溶液に基板500を浸漬する方法)で導光板121を作製した場合、最終的な第1平坦化膜511及び第2平坦化膜512の厚さが3μmを超えると、平行度を2/60度以下とすることが困難となる。それ故、第1平坦化膜511及び第2平坦化膜512の厚さを3μm(3×10-6m)以下とすることが好ましい。
即ち、第1偏向手段130及び第2偏向手段140の基板500への正射影像によって挟まれた導光板121の領域(導光領域)503に含まれる第1平坦化膜511の部分の厚さは、5×10-8m以上、好ましくは1.7×10-7m以上であり、
第1偏向手段130及び第2偏向手段140の基板500への正射影像によって挟まれた導光板121の領域(導光領域)503に含まれる第2平坦化膜512の部分の厚さは、5×10-8m以上、好ましくは1.7×10-7m以上であることが望ましい。
加えて、第1偏向手段130及び第2偏向手段140の基板500への正射影像によって挟まれた導光板121の領域(導光領域)503に含まれる第1平坦化膜511の部分の厚さは、3×10-6m以下であり、
第1偏向手段130及び第2偏向手段140の基板500への正射影像によって挟まれた導光板121の領域(導光領域)503に含まれる第2平坦化膜512の部分の厚さは、3×10-6m以下であることが好ましい。
また、第1偏向手段130及び第2偏向手段140の基板500への正射影像によって挟まれた導光板121の領域(導光領域)503に含まれる第1平坦化膜511の部分の外面のRqの値は3nm以下であり、第1偏向手段130及び第2偏向手段140の基板500への正射影像によって挟まれた導光板121の領域(導光領域)503に含まれる第2平坦化膜512の部分の外面のRqの値は3nm以下であることが好ましい。
更には、導光板として用いるためには、当然ながら、画像形成装置から導光板121,321に入射される光に対する基板の光透過率が高くなければならない。ヘッドマウントディスプレイとして用いる場合の目安として、人間の眼幅の平均が60mm程度であること、及び、光学における減衰の目安として(1/e2)=0.14が屡々用いられることから、導光板121に入射される光に対する基板500を構成する材料の光透過率は、基板500を構成する材料の厚さを60mmとしたとき、14%以上であり、導光板121,321に入射される光に対する第1平坦化膜511を構成する材料の光透過率は、第1平坦化膜511を構成する材料の厚さを60mmとしたとき、14%以上であり、導光板121,321に入射される光に対する第2平坦化膜512を構成する材料の光透過率は、第2平坦化膜512を構成する材料の厚さを60mmとしたとき、14%以上であることが好ましい。尚、画像形成装置からの光に対する光透過率として、60mm厚さで14%以上の値を維持できれば、必要に応じてCOP以外の材料を基板に用いることもできる。例えば、強度を重視する場合には、ポリカーボネート樹脂から成る基板を用いることができる。また、透明度や第1平坦化膜511及び第2平坦化膜512との密着性を重視する場合には、アクリル系樹脂から成る基板を用いることもできる。
実施例1にあっては、第1平坦化膜511及び第2平坦化膜512を構成する材料を、アクリル系の材料を含む有機材料を主成分とする材料とした。このように有機材料を主成分とする材料とすることで、無機材料と異なり、樹脂材料から成る基板500が反った場合でも、第1平坦化膜511及び第2平坦化膜512に割れやクラックが発生することを防止することができる。また、アクリル系の材料を用いることで、透明度を高くすることができる。尚、アクリル系の材料でも、添加剤等を工夫することでCOPから成る基板500に対して高い密着性を維持することができる。第1平坦化膜511及び第2平坦化膜512を構成する材料の光透過率の目安としては、上述したように、基板500と同様に、画像形成装置からの光に対して60mmの厚さで14%以上である。この光透過率を維持できれば、必要に応じて有機材料と無機材料のハイブリッド材料等を用いることもできる。
また、導光板121に入射される光の波長をλ0(=523nm)、基板500の屈折率をn0(=1.53)、第1平坦化膜511の屈折率をn1(=1.51,但し、n1<n0)、第2平坦化膜512の屈折率をn2(=1.51,但し、n2<n0)とした。コントラストやMTFを高くするためには、屈折率差は可能な限り小さい方が好ましく、n0=n1=n2とすることが理想的であるが、本発明者らの検討によれば、
|n1−n0|/n0≦0.03
|n2−n0|/n0≦0.03
を満足すれば十分であることが判った。あるいは又、第1平坦化膜511を構成する材料の屈折率をn1、第2平坦化膜512を構成する材料の基板屈折率をn2、基板500を構成する材料の屈折率をn0としたとき、n1≧1.48、n2≧1.48、及び、n0≧1.48を満足する形態とすることが好ましい。このように、屈折率の値が高いほど、光学設計マージンが広がる。また、屈折率の値が1.48以上であると材料の選択幅が広くなる。
また、実施例1では、第1平坦化膜511と第2平坦化膜512のRqの測定方法にAFMを用い、走査範囲を10μmとした。AFM測定の場合、バラツキ低減と測定時間のバランスから10μm程度の走査範囲が好ましい。後述するように、Rqの測定方法には触針式プロファイラーを用いることもできる。触針式プロファイラーではバラツキ低減と測定時間のバランスから100μm程度のスキャンが好ましい。尚、実施例1における観察では、表面凹凸はナノメートルオーダーの微小なサイズなので、レーザ顕微鏡、VertScan、Zygo等の光学計測機器では測定装置のCCDの横方向分解能を極めて高くしないと正確な測定が困難となる。
一般に、樹脂基板は、光学ガラス基板に比べて表面平坦性を高くすることが困難であり、樹脂基板を用いた導光板では、光学ガラス基板を用いた導光板と同等のコントラストを得ることが困難であるとされていた。しかしながら、本発明者らは実験を重ねた結果、樹脂基板上に表面平坦性が高い平坦化膜を形成することで導光板のコントラストや解像度が高くなることを独自に見出した。そして、解析を重ねた結果、樹脂基板は外面に微小な凹凸があり、その表面平坦性がガラス基板よりも低いこと、及び、樹脂基板に平坦化膜を設けて表面平坦性をガラス基板と同程度にすることで、樹脂基板を用いた導光板のコントラストや解像度を、ガラス基板を用いた導光板と同程度まで高くすることができることを発見した。また、これらのことから、樹脂基板を用いた導光板のコントラストや解像度がガラス基板を用いた導光板に比べて低い理由は、樹脂基板の外面の微小な凹凸が原因となって光の導光領域において基板の表面と大気との間で光の散乱が生じるためであると考えられる。
もっとも、樹脂材料から成る基板の表面平坦性は、二乗平均平方根粗さRqの値で4nm程度であり、導光する可視光の波長数百nmに比べて極めて小さな値であり、光学特性に大きな影響は無いと考えられていた。しかしながら、本発明者らは、実験から、導光板にあっては導光領域において光の反射が繰り返し生じるため、一般には微小と思われる凹凸であってもコントラストや解像度に影響を与えていることを見出した。そして、本発明者らは、独自に得たこれらの知見から、樹脂材料から成る基板に所定の平坦化膜を形成することで、ガラスの基板を用いた導光板と同等のコントラストや解像度を得ることに成功した。
即ち、以上のとおり、実施例1の光学装置、あるいは、実施例1の表示装置において、基板の第1面には有機材料を主成分とする材料から成る第1平坦化膜が形成されており、基板の第2面には有機材料を主成分とする材料から成る第2平坦化膜が形成されている。従って、第1平坦化膜及び第2平坦化膜が樹脂基板に形成されて成る導光板に、全体として高い表面平滑性を付与することが可能となる。そして、その結果、光学特性が良好な導光板を提供することができる。
より具体的には、樹脂材料から成る軽量な基板を用いた導光板を備えており、ガラス基板を用いた導光板を備えた光学装置と同等のコントラスト及び解像度を有する光学装置、及び、斯かる光学装置を備えた表示装置を提供することができる。また、基板の表面研磨工程を簡略化することができ、光学装置、及び、斯かる光学装置を備えた表示装置を安価に提供することができる。
実施例2は、実施例1の変形である。実施例2の表示装置(頭部装着型ディスプレイ)における画像表示装置の概念図を図6に示す。実施例2の光学装置にあっては、第1偏向手段130と第2平坦化膜512との間には、第1粘着層521が形成されており、第2偏向手段140と第2平坦化膜512との間には、第2粘着層522が形成されている。粘着層521,522を構成する材料として、具体的には、アクリル樹脂(アクリル酸エステル共重合物、メタクリル酸エステル共重合物)やエポキシ化合物を主成分とする粘着材料を用いた。
実施例2にあっても、樹脂材料から成る基板500上に設けた第1平坦化膜511及び第2平坦化膜512の膜厚を1μmとした。また、実施例2では、基板500の屈折率をn0=1.53、第1平坦化膜511の屈折率をn1=1.53、第2平坦化膜512の屈折率をn2=1.53とした。尚、平坦化膜を構成するアクリル樹脂の種類を実施例1と異ならせた。コントラストやMTFを高くするためには、屈折率差は可能な限り小さい方が好ましく、このようにn0=n1=n2とすることが理想的である。その他の点について、実施例2は、実質的に、実施例1の表示装置と同じ構成、構造を有する。
実施例2の導光板121にあっても、樹脂材料から成る軽量の基板500を用いて、ガラス基板を用いた導光板と同等のコントラスト及びMTFを得ることができる。更に、実施例2の導光板121では、粘着層521,522を形成することで、偏向手段130,140と平坦化膜512との間の密着性の一層の改善を図ることができる。
実施例2では、触針式プロファイラーを用いてRqの測定を行った。測定結果を図23A、図23B及び図23Cに示す。具体的には、ULVAC社製の触針式表面形状測定器DEKTAK8を用い、スキャン幅を100μm、スキャン速度5μm/秒、解像度0.05μm/試料の条件で測定した。測定は、実施例2の導光板、ガラス基板、及び、樹脂基板(実施例2の基板500)について行った。図23Bに示すガラス基板の表面位置の測定結果から求められたRqの値は1.2nm、図23Cに示す樹脂基板の表面位置の測定結果から求められたRqの値は4.1nmであり、樹脂基板のRqの値はガラス基板のRqの値に比べて高い値であった。一方、図23Aに示す実施例2の導光板のRqの値は0.8nmであり、ガラス基板に比べて表面平坦性がやや優れていた。
以上のように、実施例2では、膜厚1μmの第1平坦化膜511及び第2平坦化膜512を設けたので、コントラスト及びMTFの値をガラス基板を用いた導光板と同等にすることができる。これは、図23A、図23B及び図23Cから判るように、膜厚1μmの平坦化膜を形成することで二乗平均平方根粗さRqの値がガラス基板と同等以下になるためであると考えられる。また、実施例2にあっては、粘着層521,522を形成することで、偏向手段130,140と平坦化膜511との間の密着性が悪いことに起因するMTFの低下を防止し、製造歩留りを高くすることができる。
実施例3も、実施例1の変形である。実施例3の光学装置にあっては、第1平坦化膜511及び第2平坦化膜512に反射防止膜としての機能を付与している。即ち、実施例3では、導光板121に入射される光の波長をλ0(=523nm)、基板500の屈折率をn0(=1.53)、第1平坦化膜511の屈折率をn1(=1.51,但し、n1<n0)、第2平坦化膜512の屈折率をn2(=1.51,但し、n2<n0)としたとき、第1平坦化膜511の厚さは(n1・λ0/4=0.20μm)であり、第2平坦化膜512の厚さは(n2・λ0/4=0.20μm)である。これによって、第1平坦化膜511及び第2平坦化膜512に反射防止膜としての機能を付与することができ、画像形成装置111,211からの光の利用効率を増加させることができる。ここで、利用効率の増加の効果を得るために、厚さの設計誤差は3%以内とすることが好ましい。
実施例4も、実施例1の変形であり、追加の反射防止層を設けている。実施例4の表示装置(頭部装着型ディスプレイ)における画像表示装置の概念図を図7に示す。実施例4の光学装置にあっては、
第1偏向手段130及び第2偏向手段140は導光板121の第2面123側に配設されており、
第1平坦化膜511を構成する材料の屈折率をn1(=1.53)、導光板121に入射される光の波長をλ0(=523nm)としたとき、第1平坦化膜511の外面上には、屈折率n3(=1.49,但し、n3<n1)を有し、且つ、(n3・λ0/4=195nm)の厚さを有する反射防止層531が形成されている。
ここで、反射防止層531を構成する材料として、具体的には、屈折率n3=1.49のPMMA(ポリメタクリル酸メチル)樹脂を主成分とする材料から成るUV硬化型のコート剤を挙げることができるし、第1平坦化膜511、第2平坦化膜512を構成する材料として、具体的には、アクリル樹脂を主成分とし、添加剤としてシリカを加えた材料から成るUV硬化型のコート剤を挙げることができる。尚、平坦化膜を構成するアクリル樹脂の種類を実施例1と異ならせた。第1平坦化膜511の膜厚と反射防止層531の膜厚の合計を第2平坦化膜512の膜厚と等しくすることが、導光板の反りの発生を抑制するといった観点から望ましい。
実施例5は、実施例1〜実施例4の変形であり、第1構造の光学装置及び第2構成の画像形成装置に関する。実施例5の表示装置(頭部装着型ディスプレイ)における画像表示装置200の概念図を図8に示すように、実施例5において、画像形成装置211は、第2構成の画像形成装置から構成されている。即ち、光源251、及び、光源251から出射された平行光を走査する走査手段253を備えている。より具体的には、画像形成装置211は、
光源251、
光源251から出射された光を平行光とするコリメート光学系252、
コリメート光学系252から出射された平行光を走査する走査手段253、及び、
走査手段253によって走査された平行光をリレーし、出射するリレー光学系254、から構成されている。画像形成装置211全体が筐体213(図8では、一点鎖線で示す)内に納められており、係る筐体213には開口部(図示せず)が設けられており、開口部を介してリレー光学系254から光が出射される。そして、各筐体213が、取付け部材19によって、着脱自在に、テンプル部13に取り付けられている。
光源251は、白色を発光する発光素子から構成されている。そして、光源251から出射された光は、全体として正の光学的パワーを有するコリメート光学系252に入射し、平行光として出射される。そして、この平行光は、全反射ミラー255で反射され、マイクロミラーを二次元方向に回転自在とし、入射した平行光を2次元的に走査することができるMEMSから成る走査手段253によって水平走査及び垂直走査が行われ、一種の2次元画像化され、仮想の画素(画素数は、例えば、実施例1と同じとすることができる)が生成される。そして、仮想の画素からの光は、周知のリレー光学系から構成されたリレー光学系(平行光出射光学系)254を通過し、平行光とされた光束が光学装置120に入射する。
リレー光学系254にて平行光とされた光束が入射され、導光され、出射される光学装置120は、実施例1にて説明した光学装置と同じ構成、構造を有するので、詳細な説明は省略する。また、実施例2の表示装置も、上述したとおり、画像形成装置211が異なる点を除き、実質的に、実施例1の表示装置と同じ構成、構造を有するので、詳細な説明は省略する。
実施例6も、実施例1〜実施例4の変形であるが、第2構造の光学装置及び第1構成の画像形成装置に関する。実施例6の表示装置(頭部装着型ディスプレイ)における画像表示装置300の概念図を図9に示す。実施例6において、画像形成装置111は、実施例1と同様に、有機EL表示装置150’から構成されている。また、光学装置320は、第1偏向手段及び第2偏向手段の構成、構造が異なる点を除き、基本的な構成、構造は、実施例1の光学装置120と同じである。
実施例6において、第1偏向手段330及び第2偏向手段340は導光板321の内部に配設されている。そして、第1偏向手段330は、導光板321に入射された光を反射し、第2偏向手段340は、導光板321の内部を全反射により伝播した光を、複数回に亙り、透過、反射する。即ち、第1偏向手段330は反射鏡として機能し、第2偏向手段340は半透過鏡として機能する。より具体的には、導光板321の内部に設けられた第1偏向手段330は、アルミニウム(Al)から成り、導光板321に入射された光を反射させる光反射膜(一種のミラー)から構成されている。一方、導光板321の内部に設けられた第2偏向手段340は、誘電体積層膜が多数積層された多層積層構造体から構成されている。誘電体積層膜は、例えば、高誘電率材料としてのTiO2膜、及び、低誘電率材料としてのSiO2膜から構成されている。誘電体積層膜が多数積層された多層積層構造体に関しては、特表2005−521099に開示されている。図面においては6層の誘電体積層膜を図示しているが、これに限定するものではない。誘電体積層膜と誘電体積層膜との間には、導光板321を構成する材料と同じ材料から成る薄片が挟まれている。尚、第1偏向手段330においては、導光板321に入射された平行光が導光板321の内部で全反射されるように、導光板321に入射された平行光が反射(又は回折)される。一方、第2偏向手段340においては、導光板321の内部を全反射により伝播した平行光が複数回に亙り反射(又は回折)され、導光板321から平行光の状態で、観察者の瞳21に向かって出射される。
第1偏向手段330は、導光板321の第1偏向手段330を設ける部分324を切り出すことで、導光板321に第1偏向手段330を形成すべき斜面を設け、係る斜面に光反射膜を真空蒸着した後、導光板321の切り出した部分324を第1偏向手段330に接着すればよい。また、第2偏向手段340は、導光板321を構成する材料と同じ材料と誘電体積層膜(例えば、真空蒸着法にて成膜することができる)とが多数積層された多層積層構造体を作製し、導光板321の第2偏向手段340を設ける部分325を切り出して斜面を形成し、係る斜面に多層積層構造体を接着し、研磨等を行って、外形を整えればよい。こうして、導光板321の内部に第1偏向手段330及び第2偏向手段340が設けられた光学装置120を得ることができる。
後述する実施例7における導光板321も、基本的には、以上に説明した導光板321の構成、構造と同じ構成、構造を有する。
実施例6の表示装置は、上述したとおり、光学装置320が異なる点を除き、実質的に、実施例1の表示装置と同じ構成、構造を有するので、詳細な説明は省略する。
実施例7も、実施例1〜実施例6の変形であるが、第2構造の光学装置及び第2構成の画像形成装置に関する。実施例7の表示装置(頭部装着型ディスプレイ)における画像表示装置の概念図を図10に示す。実施例7の画像表示装置400における光源251、コリメート光学系252、走査手段253、平行光出射光学系(リレー光学系254)等は、実施例2と同じ構成、構造(第2構成の画像形成装置)を有する。また、実施例7における光学装置320は、実施例6における光学装置320と同じ構成、構造を有する。実施例7の表示装置は、以上の相違点を除き、実質的に、実施例6の表示装置と同じ構成、構造を有するので、詳細な説明は省略する。
実施例8は、実施例1〜実施例7の変形である。実施例8の表示装置は、調光装置を備えている。実施例8の表示装置における光学装置及び調光装置(但し、右眼用)の模式的な正面図を図11Aに示し、図11Aの矢印B−Bに沿った模式的な断面図を図11Bに示し、図11Aの矢印B−Bに沿ったと同様の調光装置の模式的な断面図を図12に示す。また、実施例8の表示装置における動作前の調光装置の模式的な正面図を図13Aに示し、動作中の調光装置の模式的な正面図を図13Bに示す。図13Bにおいて、調光装置の遮光率の高い領域ほど、細かい斜線を付して模式的に表示した。遮光率は、実際には、図13Bに模式的に示すような階段状に変化するのではなく、徐々に変化する。即ち、調光装置は、色のグラデーションが付いた状態となる。但し、電極や接続部の配置状態、形状に依っては、階段状に変化する構成とすることもできる。即ち、調光装置は、段階的に色が変化する状態とすることもできる。
実施例8の表示装置は、外部から入射する外光の光量を調整する調光装置700を備えている。そして、また、調光装置700の射影像内に第2偏向手段(虚像形成領域)140,340が位置する。更には、調光装置700を構成する基板の一方によって、第2偏向手段140,340は被覆されている。
ここで、実施例8の表示装置において、調光装置700はフロント部11に配設されている。そして、光学装置120,320は調光装置700に取り付けられている。フロント部11はリム11’を有し、調光装置700はリム11’に嵌め込まれている。後述する第1電極716A及び第2電極716Bの射影像はリム11’の射影像に含まれる。観察者側から、光学装置120,320、調光装置700の順に配されているが、調光装置700、光学装置120,320の順に配してもよい。
実施例8において、光学装置120,320は、一種の光シャッタである調光装置700の少なくとも一部分と重なっている。具体的には、図11A、図11Bに示す例では、光学装置120,320は、調光装置700の一部分と重なっている。但し、これに限定するものではなく、光学装置120,320は、調光装置700と重なっていてもよい。即ち、光学装置120,320(より具体的には、光学装置を構成する導光板121,321)の外形形状を、調光装置700の外形形状と同形とすることもできる。このような形態(即ち、実施例8の表示装置の変形例)における光学装置及び調光装置の、図11Aの矢印B−Bに沿ったと同様の模式的な断面図を図11Cに示す。この変形例にあっては、調光装置700と導光板121,321との間に隙間が設けられており、調光装置700と導光板121,321とは接着剤717Dによって外周部において貼り合わされている。以下に説明する実施例においても同様とすることができる。そして、これによって、導光板121,321の外縁は、後述するリム11’によって隠され、導光板121,321の外縁が目視されないようになる。
ここで、観察者の鼻側を内側、耳側を外側と称し、光学装置の虚像形成領域(第2偏向手段140,340)と対向する調光装置700の領域を虚像形成領域対向領域701と称する。そして、実施例8にあっては、虚像形成領域対向領域701の上方領域及び外側領域から虚像形成領域対向領域701の中央部に向かって調光装置の遮光率が減少する。
実施例8の表示装置において、調光装置700は、
第1基板711A、
第1基板711Aと対向する第2基板711B、
第2基板711Bと対向する第1基板711Aの対向面に設けられた第1透明電極712A、
第1基板711Aと対向する第2基板711Bの対向面に設けられた第2透明電極712B、及び、
第1透明電極712Aと第2透明電極712Bとによって挟まれた調光層、
から成る。実施例8において、調光装置700は、更に、第1透明電極712Aの一部の上に形成された第1電極716Aを備えている。そして、第1電極716Aは、直接、調光装置700の遮光率を制御するための制御回路(調光装置・制御回路)に、図示しないコネクタを介して接続されている。また、第2透明電極712Bの一部の上に形成された第2電極716B、及び、第2電極716Bに接続され、且つ、接続部以外は第2電極716Bと接しないように設けられた第2接続部(図示せず)を更に備えており、第2接続部が図示しないコネクタを介して調光装置・制御回路に接続されている。場合によっては、第1電極716Aに接続された第1接続部が設けられ、第1接続部が調光装置・制御回路に接続されていてもよい。また、場合によっては、第2電極716Bが、直接、調光装置・制御回路に接続されていてもよいし、第2透明電極712Bの一部と接する第2接続部が設けられ、第2接続部が調光装置・制御回路に接続されていてもよい。第1基板711Aへの第1電極716Aの射影像と、第1基板711Aへの第2電極716Bの射影像とは、重なっていない。そして、第1基板711Aへの第1電極716Aの射影像と、第1基板711Aへの第2電極716Bの射影像との間に、第1基板711Aへの虚像形成領域(第2偏向手段140,340)の射影像が位置する。
調光装置700は、エレクトロクロミック材料の酸化還元反応によって発生する物質の色変化を応用した光シャッタから成る。具体的には、調光層はエレクトロクロミック材料を含む。より具体的には、調光層は、第1透明電極側から、WO3層713/Ta25層714/IrXSn1-XO層715の積層構造を有する。WO3層713は還元発色する。また、Ta25層714は固体電解質を構成し、IrXSn1-XO層715は酸化発色する。第1透明電極712A及び第1電極716Aと第1基板711Aの間には、SiN層、SiO2層、Al23層、TiO2層あるいはこれらの積層膜から成る保護層717Aが形成されている。保護層717Aを形成することで、イオンの行き来を阻止するイオン遮断性、防水性、防湿性及び耐傷性を調光装置に付与することができる。第1基板711Aと第2透明電極712Bとの間には下地層717Bが形成されている。また、第1基板711Aと第2基板711Bとは、外縁部において、紫外線硬化型エポキシ樹脂や、紫外線と熱とによって硬化するエポキシ樹脂といった紫外線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂から成る封止部材717Cによって封止されている。第1基板711A及び第2基板711Bは、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂、PES(ポリエーテルスルホン)樹脂、COP(シクロオレフィンポリマー)、無色透明のポリイミド樹脂、TACフィルム、高透明性自己粘着型アクリルフィルムから成るが、これらに限定するものではない。ITOから成る第1透明電極712A及び第2透明電極712Bは、パターニングされておらず、所謂ベタ電極である。また、細線状にパターニングされた第1電極716A及び第2電極716Bは、ニッケル、銅、チタン、Al/Ni積層構造等の金属材料から成る。調光装置700、それ自体は、周知の方法で作製することができる。
IrXSn1-XO層715中では、IrとH2Oとが反応して、水酸化イリジウムIr(OH)nとして存在する。第1電極716Aに負の電位を、第2電極716Bに正の電位を加えると、IrXSn1-XO層715からTa25層714へのプロトンH+の移動、第2透明電極712Bへの電子放出が生じ、次の酸化反応が進んで、IrXSn1-XO層715は着色する。
Ir(OH)n → IrOX(OH)n-X(着色) + X・H+ + X・e-
一方、Ta25層714中のプロトンH+がWO3層713中へ移動し、第1透明電極712Aから電子がWO3層713に注入され、WO3層713では、次の還元反応が進んでWO3層713は着色する。
WO3 + X・H+ + X・e- → HXWO3(着色)
これとは逆に、第1電極716Aに正の電位を、第2電極716Bに負の電位を加えると、IrXSn1-XO層715では、上記と逆向きに還元反応が進み、消色し、WO3層713では、上記と逆向きに酸化反応が進み、消色する。尚、Ta25層714にはH2Oが含まれており、第1電極716A、第2電極716Bに電圧を印加することで電離し、プロトンH+、OH-イオンの状態が含まれ、着色反応及び消色反応に寄与している。
実施例8の表示装置にあっては、光学装置における虚像形成領域140,340、及び、調光装置700における虚像形成領域対向領域701の平面形状は矩形である。また、調光装置700の外形形状は、4辺が線分から構成された四角形であり、四角形の頂点は丸みを帯びている。但し、光学装置における虚像形成領域140,340の平面形状、調光装置の外形形状は、これらに限定するものではない。虚像形成領域対向領域701の上辺及び下辺は水平方向(X軸方向)に延び、虚像形成領域対向領域701の内側側辺及び外側側辺は垂直方向(Y軸方向)に延びる。
実施例8の表示装置にあっては、調光装置の動作時、第2電極716Bには第1電極716Aよりも相対的に高い電圧が印加される。また、虚像形成領域対向領域701の上方領域及び外側領域から虚像形成領域対向領域701の中央部に向かって調光装置の遮光率が減少する。
実施例8の表示装置には調光装置が備えられているので、観察者が観察する虚像に高いコントラストを与えることができ、しかも、表示装置を使用する観察者は、虚像形成領域対向領域を通して、外部環境を確実に認識することができる。加えて、調光装置の遮光率は、虚像形成領域対向領域の第1の所定の領域(例えば、上方領域及び外側領域)から虚像形成領域対向領域の第2の所定の領域(例えば、中央部)に向かって減少する。ここで、虚像形成領域対向領域701を広角化し、虚像形成領域対向領域701の外側の領域に虚像を形成することが好ましい場合において、係る虚像に高いコントラストを与えることができる。しかも、観察者は、足下及び体の中心側を確実に視認することが可能となり、現実の環境において安全に行動することができる。
ところで、第1電極と第2電極との間に電圧を印加すると、第1透明電極と第2透明電極との間に電位差が生じる。ここで、透明電極に生じる電位勾配に起因して、第1透明電極と第2透明電極との間に生じる電位差は、第1電極から離れるほど、小さくなる。また、第1透明電極と第2透明電極との間には、僅かではあるが漏れ電流(リーク電流)が生じる。漏れ電流(リーク電流)が生じる現象は、調光層がエレクトロクロミック材料を含む場合、顕著である。そして、これらの結果から、第1電極を設ける位置・部位と第2電極を設ける位置・部位とを最適化するだけで、具体的には、例えば、第1基板への第1電極の射影像と第1基板への第2電極の射影像とが重ならないように第1電極及び第2電極を配置することで、虚像形成領域対向領域の上方領域及び外側領域から虚像形成領域対向領域の中央部に向かって減少するように調光装置の遮光率が変化する。即ち、極めて簡素な構成、構造であるにも拘わらず、確実に、虚像形成領域対向領域の上方領域及び外側領域から虚像形成領域対向領域の中央部に向かって調光装置の遮光率を変化させることができる。云い換えれば、調光装置は、色のグラデーションが付いた状態となる。但し、第1電極と第2電極との配置状態は、以上に説明した配置に限定されるものではなく、調光装置にどのような色を付けるべきかに応じて、適宜、変更することができる。例えば、虚像形成領域対向領域の内側領域から虚像形成領域対向領域の外側領域に向かって調光装置の遮光率を変化させることができる。また、フレームやリムの形状、構造によってはフレームやリムに大きな曲率(小さな曲率半径)を有する部分が生じる。そして、この部分には、第1電極や第2電極によって形成される電界が集中し易い。それ故、場合によっては、このようなフレームやリムに生じた大きな曲率を有する部分には第1電極や第2電極を形成せずに第1電極や第2電極をセグメント化し、セグメント化された第1電極や第2電極を第1接続部や第2接続部で接続してもよい。
場合によっては、第1透明電極及び/又は第2透明電極を、複数のブロックに分割し、各ブロックにおける遮光率を制御することで、虚像形成領域対向領域の第1の所定の領域から虚像形成領域対向領域の第2の所定の領域に向かっての調光装置の遮光率を制御する形態を採用してもよい。あるいは又、第1透明電極あるいは第2透明電極を帯状の電極あるいはメッシュ状の電極とすることで、若しくは、第1透明電極あるいは第2透明電極の上に帯状の補助電極あるいはメッシュ状の補助電極を形成することで、調光装置の複数の領域における遮光率を独立して制御して、虚像形成領域対向領域の第1の所定の領域から虚像形成領域対向領域の第2の所定の領域に向かっての調光装置の遮光率を制御する形態を採用してもよい。あるいは又、例えば、図11Aの第1電極716Aはそのままとし、第2電極716Bを、第1電極716Aと重なるように設ける。これによって、虚像形成領域対向領域の上方領域及び外側領域の遮光率を高くし、虚像形成領域対向領域の中央部の遮光率を低くする形態を採用してもよい。場合によっては、調光装置を、例えば、アクティブマトリクス方式や単純マトリクス方式に基づき駆動される液晶表示装置から構成し、虚像形成領域対向領域の第1の所定の領域から虚像形成領域対向領域の第2の所定の領域に向かっての調光装置の遮光率を制御してもよい。
また、調光層を、WO3層/Ta25層/IrXSn1-XO層といった無機エレクトロクロミック材料層の積層構造から構成したが、代替的に、WO3層/Ta25層/IrOx層といった無機エレクトロクロミック材料層の積層構造から構成することもできるし、あるいは又、WO3層の代わりに、MoO3層やV25層を用いることができるし、IrOx層の代わりに、ZrO2層、リン酸ジルコニウム層を用いることができるし、あるいは又、プルシアンブルー錯体/ニッケル置換プルシアンブルー錯体等を用いることもできる。有機のエレクトロクロミック材料として、例えば、特開2014−111710号公報や特開2014−159385号公報に開示されたエレクトロクロミック材料を用いることもできる。また、調光層を、電気泳動分散液から構成することもできるし、調光装置を、金属(例えば、銀粒子)の可逆的な酸化還元反応によって発生する電着・解離現象を応用した電着方式(エレクトロデポジション・電界析出)による光シャッタ、即ち、調光層は金属イオンを含む電解質を含む形態とすることもできる。調光層を金属イオンを含む電解質層から構成する場合、金属イオンは銀イオンから成り、電解質は、LiX、NaX及びKX(但し、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である)から成る群より選ばれた少なくとも1種類の塩を含むことが望ましい。あるいは又、調光装置として、場合によっては、液晶シャッタや、エレクトロウェッティング現象によって透過率を制御する光シャッタを用いることもできる。また、調光装置によって着色される色を、黒色等の固定色とすることもできるし、調光装置を通過する光は、調光装置によって所望の色に着色され、しかも、調光装置によって着色される色は可変である形態とすることもできる。具体的には、例えば、赤色に着色される調光装置と、緑色に着色される調光装置と、青色に着色される調光装置とを積層すればよい。
実施例9は、実施例8の変形である。実施例9の表示装置を上方から眺めた模式図を図14Aに示す。また、照度センサを制御する回路の模式図を図14Bに示す。
実施例9の表示装置は、表示装置の置かれた環境の照度を測定する照度センサ(環境照度測定センサ)721を更に備えており、照度センサ(環境照度測定センサ)721の測定結果に基づき、調光装置700の遮光率を制御する。併せて、あるいは、独立して、照度センサ(環境照度測定センサ)721の測定結果に基づき、画像形成装置111,211によって形成される画像の輝度を制御する。周知の構成、構造を有する環境照度測定センサ721は、例えば、調光装置700の外側端部に配置すればよい。環境照度測定センサ721は、図示しないコネクタ及び配線を介して制御装置18に接続されている。制御装置18には、環境照度測定センサ721を制御する回路が含まれる。この環境照度測定センサ721を制御する回路は、環境照度測定センサ721からの測定値を受け取り、照度を求める照度演算回路、照度演算回路によって求められた照度の値を標準値の比較する比較演算回路、比較演算回路によって求められた値に基づき、調光装置700及び/又は画像形成装置111,211を制御する環境照度測定センサ制御回路から構成されているが、これらの回路は周知の回路から構成することができる。調光装置700の制御にあっては、調光装置700の遮光率の制御を行い、一方、画像形成装置111,211の制御にあっては、画像形成装置111,211によって形成される画像の輝度の制御を行う。尚、調光装置700における遮光率の制御と画像形成装置111,211における画像の輝度の制御は、それぞれ、独立して行ってもよいし、相関を付けて行ってもよい。
例えば、照度センサ(環境照度測定センサ)721の測定結果が所定値(第1の照度測定値)以上になったとき、調光装置700の遮光率を所定の値(第1の遮光率)以上とする。一方、照度センサ(環境照度測定センサ)721の測定結果が所定値(第2の照度測定値)以下になったとき、調光装置700の遮光率を所定の値(第2の遮光率)以下とする。ここで、第1の照度測定値として10ルクスを挙げることができるし、第1の遮光率として99%乃至70%のいずれかの値を挙げることができるし、第2の照度測定値として0.01ルクスを挙げることができるし、第2の遮光率として49%乃至1%のいずれかの値を挙げることができる。
尚、実施例9における照度センサ(環境照度測定センサ)721を、実施例10において説明する表示装置に適用することができる。また、表示装置が撮像装置を備えている場合、撮像装置に備えられた露出測定用の受光素子から照度センサ(環境照度測定センサ)721を構成することもできる。
実施例9あるいは次に述べる実施例10の表示装置にあっては、照度センサ(環境照度測定センサ)の測定結果に基づき、調光装置の遮光率を制御し、また、照度センサ(環境照度測定センサ)の測定結果に基づき、画像形成装置によって形成される画像の輝度を制御し、また、第2の照度センサ(透過光照度測定センサ)の測定結果に基づき、調光装置の遮光率を制御し、また、第2の照度センサ(透過光照度測定センサ)の測定結果に基づき、画像形成装置によって形成される画像の輝度を制御するので、観察者が観察する虚像に高いコントラストを与えることができるだけでなく、表示装置の置かれた周囲の環境の照度に依存して虚像の観察状態の最適化を図ることができる。
実施例10も、実施例8の変形である。実施例10の表示装置を上方から眺めた模式図を図15Aに示す。また、第2の照度センサを制御する回路の模式図を図15Bに示す。
実施例10の表示装置は、外部環境から調光装置を透過した光に基づく照度を測定する、即ち、環境光が調光装置を透過して所望の照度まで調整されて入射しているかを測定する第2の照度センサ(透過光照度測定センサ)722を更に備えており、第2の照度センサ(透過光照度測定センサ)722の測定結果に基づき、調光装置700の遮光率を制御する。併せて、あるいは、独立して、また、第2の照度センサ(透過光照度測定センサ)722の測定結果に基づき、画像形成装置111,211によって形成される画像の輝度を制御する。周知の構成、構造を有する透過光照度測定センサ722は、光学装置120,320よりも観察者側に配置されている。具体的には、透過光照度測定センサ722は、例えば、筐体113,213の内側面に配置すればよい。透過光照度測定センサ722は、図示しないコネクタ及び配線を介して制御装置18に接続されている。制御装置18には、透過光照度測定センサ722を制御する回路が含まれる。この透過光照度測定センサ722を制御する回路は、透過光照度測定センサ722からの測定値を受け取り、照度を求める照度演算回路、照度演算回路によって求められた照度の値を標準値の比較する比較演算回路、比較演算回路によって求められた値に基づき、調光装置700及び/又は画像形成装置111,211を制御する透過光照度測定センサ制御回路から構成されているが、これらの回路は周知の回路から構成することができる。調光装置700の制御において、調光装置700の遮光率の制御を行い、一方、画像形成装置111,211の制御において、画像形成装置111,211によって形成される画像の輝度の制御を行う。尚、調光装置700における遮光率の制御と画像形成装置111,211における画像の輝度の制御は、それぞれ、独立して行ってもよいし、相関を付けて行ってもよい。更に、透過光照度測定センサ722の測定結果が環境照度測定センサ721の照度から鑑みて所望の照度まで制御できていない場合、即ち、透過光照度測定センサ722の測定結果が所望の照度になっていない場合、若しくは、更に一層の微妙な照度調整が望まれる場合には、透過光照度測定センサ722の値をモニターしながら調光装置の遮光率を調整すればよい。第2の照度センサ(透過光照度測定センサ)を、少なくとも2つ、配置し、高遮光率の部分を通過した光に基づく照度の測定、低遮光率の部分を通過した光に基づく照度の測定を行ってもよい。
実施例10における第2の照度センサ(透過光照度測定センサ)722と実施例9における照度センサ(環境照度測定センサ)721とを組み合わせてもよく、この場合、種々の試験を行い、調光装置700における遮光率の制御と画像形成装置111,211における画像の輝度の制御を、それぞれ、独立して行ってもよいし、相関を付けて行ってもよい。右眼用の調光装置と左眼用の調光装置のそれぞれにおいて、第1電極及び第2電極に印加する電圧を調整することで、右眼用の調光装置における遮光率及び左眼用の調光装置における遮光率の均等化を図ることができる。第1電極と第2電極との間の電位差を制御してもよいし、第1電極に印加する電圧と第2電極に印加する電圧とを独立に制御してもよい。右眼用の調光装置における遮光率及び左眼用の調光装置における遮光率は、例えば、第2の照度センサ(透過光照度測定センサ)722の測定結果に基づき、制御することができるし、あるいは又、観察者が、右眼用の調光装置及び光学装置を通過した光の明るさ及び左眼用の調光装置及び光学装置を通過した光の明るさを観察し、観察者が、スイッチやボタン、ダイアル、スライダ、ノブ等を操作することで手動にて制御、調整することもできる。
以上、本開示を好ましい実施例に基づき説明したが、本開示はこれらの実施例に限定するものではない。実施例において説明した表示装置(頭部装着型ディスプレイ)、画像表示装置、光学装置の構成、構造は例示であり、適宜変更することができる。実施例においては、導光板を構成する基板を樹脂材料から構成したが、代替的に、精密品質に比べて基板の表面研磨工程を簡略化したガラス基板、具体的には、標準品質の5nm程度のRqを有するガラス基板(光学ガラス基板)を用いることもできる。このように表面研磨工程を簡略化することで、コントラスト及び解像度が従来と同等程度に高い光学装置、及び、斯かる光学装置を備えた表示装置を安価に提供することができる。
また、例えば、導光板に表面レリーフ型ホログラム(US2004/0062505A1参照)を配置してもよいし、回折格子として、US9,513,480B2(US2016/0231568A1)に開示された表面レリーフ型回折格子を用いることもできる。第1構造の光学装置にあっては、後述するように、回折格子を透過型回折格子から構成することもできるし、あるいは又、第1偏向手段及び第2偏向手段の内のいずれか一方を反射型回折格子から構成し、他方を透過型回折格子から構成する形態とすることもできる。あるいは又、回折格子を、反射型ブレーズド回折格子とすることもできるし、特開2014−132328号公報に開示された高分子分散液晶(PDLC)混合体からホログラム回折格子を構成することもできる。
また、本開示の表示装置は、立体視ディスプレイ装置として用いることもできる。この場合、必要に応じて、光学装置に偏光板や偏光フィルムを着脱自在に取り付け、あるいは、光学装置に偏光板や偏光フィルムを貼り合わせればよい。
実施例においては、画像形成装置111,211は、単色(例えば、緑色)の画像を表示するとして説明したが、画像形成装置111,211はカラー画像を表示することもでき、この場合、光源を、例えば、赤色、緑色、青色のそれぞれを出射する光源から構成すればよい。より具体的には、例えば、赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子のそれぞれから出射された赤色光、緑色光及び青色光をライトパイプを用いて混色、輝度均一化を行うことで白色光を得ればよい。
また、実施例1〜実施例10において説明した画像表示装置を、以下に説明するように、変形することも可能である。即ち、上方から眺めた模式図を図16に示し、光学装置及び調光装置の模式的な正面図を図17に示すように、第1偏向手段330と対向する調光装置700の外面に、導光板321の外へ光が漏れ出し、光利用効率が低下することを防止するための遮光部材601が形成されている。
実施例1〜実施例4において説明した第1構造の光学装置を、以下に説明するように、変形することも可能である。即ち、図18に実施例1の表示装置の変形例における光学装置の概念図を示すように、第1の反射型体積ホログラム回折格子351、第2の反射型体積ホログラム回折格子352及び第3の反射型体積ホログラム回折格子353を備えていてもよい。第1の反射型体積ホログラム回折格子351にあっては、回折格子部材の干渉縞は、概ねY軸と平行に延びる。第2の反射型体積ホログラム回折格子352にあっては、回折格子部材の干渉縞は、斜めの方向に延びる。第3の反射型体積ホログラム回折格子353にあっては、回折格子部材の干渉縞は、概ねX軸と平行に延びる。画像形成装置111,211から出射された光線は、第1の反射型体積ホログラム回折格子351によって、X軸方向に回折され、導光板321を伝播し、第2の反射型体積ホログラム回折格子352に入射する。そして、第2の反射型体積ホログラム回折格子352によって斜め下方に回折され、第3の反射型体積ホログラム回折格子352に入射する。そして、第3の反射型体積ホログラム回折格子353によってZ軸方向に回折され、観察者の瞳に入射する。そして、入射点と出射点を結ぶ線分は、2本の線分L0-A,L0-Bから構成されている。導光領域は、
[A]第1の反射型体積ホログラム回折格子351の図18における右端と、第2の反射型体積ホログラム回折格子352の図18における左端とによって挟まれた領域に対向する基板500の領域
及び、
[B]第2の反射型体積ホログラム回折格子352の図18における下端と、第3の反射型体積ホログラム回折格子353の図18における上端とによって挟まれた領域に対向する基板500の領域
の2つの領域から構成される。また、全導光領域は、上記の2つの基板500の領域、並びに、
[C]第1の反射型体積ホログラム回折格子351に対向する基板500の領域
[D]第2の反射型体積ホログラム回折格子352に対向する基板500の領域
及び、
[E]第3の反射型体積ホログラム回折格子353に対向する基板500の領域
から構成される。
あるいは又、実施例1〜実施例4において説明した第1構造の光学装置を、以下に説明するように、変形することも可能である。即ち、図19A及び図19Bに実施例1の表示装置の変形例における光学装置の概念図を示すように、光入射側のホログラム回折格子を2つの反射型回折格子361,362とし、光出射側のホログラム回折格子を反射型回折格子363(図19A参照)あるいは反射型回折格子364(図19B参照)とすることができる。あるいは又、図19C及び図19Dに実施例1の表示装置の変形例における光学装置の概念図を示すように、光入射側のホログラム回折格子を反射型回折格子361(図19C参照)あるいは反射型回折格子362(図19D参照)とし、光出射側のホログラム回折格子を2つの反射型回折格子363,364とすることができる。あるいは又、図19Eに実施例1の表示装置の変形例における光学装置の概念図を示すように、光入射側のホログラム回折格子を2つの反射型回折格子361,362とし、光出射側のホログラム回折格子を2つの反射型回折格子363,364とすることもできる。あるいは又、図19Fに実施例1の表示装置の変形例における光学装置の概念図を示すように、光入射側のホログラム回折格子を透過型回折格子365とし、光出射側のホログラム回折格子を透過型回折格子366とすることもできる。
尚、本開示は、以下のような構成を取ることもできる。
[A01]《光学装置》
画像形成装置から入射された光が内部を全反射により伝播した後、観察者に向けて出射され、第1面、及び、第1面と対向する第2面を有する導光板、
導光板の第1面及び第2面の少なくともいずれか一方に配設され、導光板に入射された光が導光板の内部で全反射されるように、導光板に入射された光を偏向させる第1偏向手段、並びに、
導光板の第1面及び第2面の少なくともいずれか一方に配設され、導光板の内部を全反射により伝播した光を導光板から出射させるように、導光板の内部を全反射により伝播した光を偏向させる第2偏向手段、
を備えており、
導光板は、
第1面、及び、第1面と対向する第2面を有する基板、
基板の第1面上に形成された、有機材料を含む第1平坦化膜、及び、
基板の第2面上に形成された、有機材料を含む第2平坦化膜、
から成る光学装置。
[A02]基板は樹脂材料から成る[A01]に記載の光学装置。
[A03]基板の主成分はシクロオレフィンポリマーである[A01]又は[A02]に記載の光学装置。
[A04]第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像によって挟まれた導光板の領域に含まれる第1平坦化膜の部分の外面のRqの値は3nm以下であり、
第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像によって挟まれた導光板の領域に含まれる第2平坦化膜の部分の外面のRqの値は3nm以下である[A01]乃至[A03]のいずれか1項に記載の光学装置。
[A05]第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像によって挟まれた導光板の領域に含まれる第1平坦化膜の部分の厚さは、5×10-8m以上、好ましくは1.7×10-7m以上であり、
第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像によって挟まれた導光板の領域に含まれる第2平坦化膜の部分の厚さは、5×10-8m以上、好ましくは1.7×10-7m以上である[A01]乃至[A04]のいずれか1項に記載の光学装置。
[A06]第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像によって挟まれた導光板の領域に含まれる第1平坦化膜の部分の厚さは、3×10-6m以下であり、
第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像によって挟まれた導光板の領域に含まれる第2平坦化膜の部分の厚さは、3×10-6m以下である[A05]に記載の光学装置。
[A07]第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像によって挟まれた導光板の領域に含まれる第1平坦化膜の部分の外面に対する、第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像によって挟まれた導光板の領域に含まれる第2平坦化膜の部分の外面の平行度は、2/60度以下、好ましくは1/60度以下である[A01]乃至[A06]のいずれか1項に記載の光学装置。
[A08]第1平坦化膜と第2平坦化膜とは、同じ材料から成り、且つ、同じ厚さを有する[A01]乃至[A07]のいずれか1項に記載の光学装置。
[A09]第1平坦化膜及び第2平坦化膜は、アクリル系材料を含む有機材料を主成分とする材料から成る[A01]乃至[A08]のいずれか1項に記載の光学装置。
[A10]第1偏向手段及び第2偏向手段はホログラム回折格子から成る[A01]乃至[A09]のいずれか1項に記載の光学装置。
[A11]ホログラム回折格子は、アクリル系材料及びウレタン系材料を含む[A10]に記載の光学装置。
[A12]ホログラム回折格子、第1平坦化膜及び第2平坦化膜は、アクリル系材料を含む[A10]に記載の光学装置。
[A13]基板の厚さは0.4mm乃至10mmである[A01]乃至[A12]のいずれか1項に記載の光学装置。
[A14]第1平坦化膜を構成する材料の屈折率をn1、第2平坦化膜を構成する材料の屈折率をn2、基板を構成する材料の屈折率をn0としたとき、
|n1−n0|/n0≦0.03
|n2−n0|/n0≦0.03
を満足する[A01]乃至[A13]のいずれか1項に記載の光学装置。
[A15]第1平坦化膜基板を構成する材料の基板屈折率をn1、第2平坦化膜基板を構成する材料の基板屈折率をn2、基板を構成する材料の屈折率をn0としたとき、n1≧1.48、n2≧1.48、及び、n0≧1.48を満足する[A01]乃至[A14]のいずれか1項に記載の光学装置。
[A16]導光板に入射される光に対する基板を構成する材料の光透過率は、基板を構成する材料の厚さを60mmとしたとき、14%以上であり、
導光板に入射される光に対する第1平坦化膜を構成する材料の光透過率は、第1平坦化膜を構成する材料の厚さを60mmとしたとき、14%以上であり、
導光板に入射される光に対する第2平坦化膜を構成する材料の光透過率は、第2平坦化膜を構成する材料の厚さを60mmとしたとき、14%以上である[A01]乃至[A15]のいずれか1項に記載の光学装置。
[A17]第1偏向手段と第1平坦化膜との間には、第1粘着層が形成されており、
第2偏向手段と第2平坦化膜との間には、第2粘着層が形成されている[A01]乃至[A16]のいずれか1項に記載の光学装置。
[A18]導光板に入射される光の波長をλ0、基板の屈折率をn0、第1平坦化膜の屈折率をn1(但し、n1<n0)、第2平坦化膜の屈折率をn2(但し、n2<n0)としたとき、
第1平坦化膜の厚さは(n1・λ0/4)であり、又は、
第2平坦化膜の厚さは(n2・λ0/4)であり、又は、
第1平坦化膜の厚さは(n1・λ0/4)であり、且つ、第2平坦化膜の厚さは(n2・λ0/4)である[A01]乃至[A17]のいずれか1項に記載の光学装置。
[A19]第1偏向手段及び第2偏向手段は基板の第2面側に配設されており、
第1平坦化膜を構成する材料の屈折率をn1、導光板に入射される光の波長をλ0としたとき、第1平坦化膜の外面上には、屈折率n3(但し、n3<n1)を有し、且つ、(n3・λ0/4)の厚さを有する反射防止層が形成されている[A01]乃至[A18]のいずれか1項に記載の光学装置。
[A20]第1平坦化膜と反射防止層の厚さの合計は、第2平坦化膜の厚さと等しい[A20]に記載の光学装置。
[B01]《表示装置:第1の態様》
観察者の頭部に装着されるフレーム、及び、
フレームに取り付けられた画像表示装置、
を備えた表示装置であって、
画像表示装置は、画像形成装置及び光学装置を備えており、
光学装置は、
画像形成装置から入射された光が内部を全反射により伝播した後、観察者に向けて出射され、第1面、及び、第1面と対向する第2面を有する導光板、
導光板の第1面及び第2面の少なくともいずれか一方に配設され、導光板に入射された光が導光板の内部で全反射されるように、導光板に入射された光を偏向させる第1偏向手段、並びに、
導光板の第1面及び第2面の少なくともいずれか一方に配設され、導光板の内部を全反射により伝播した光を導光板から出射させるように、導光板の内部を全反射により伝播した光を偏向させる第2偏向手段、
を備えており、
導光板は、
第1面、及び、第1面と対向する第2面を有する基板、
基板の第1面上に形成された、有機材料を含む第1平坦化膜、及び、
基板の第2面上に形成された、有機材料を含む第2平坦化膜、
から成る表示装置。
[B02]《表示装置:第2の態様》
観察者の頭部に装着されるフレーム、及び、
フレームに取り付けられた画像表示装置、
を備えた表示装置であって、
画像表示装置は、画像形成装置、及び、[A01]乃至[A20]のいずれか1項に記載の光学装置を備えている表示装置。
[C01]外部から入射する外光の光量を調整する調光装置を更に備えており、
光学装置は、調光装置の少なくとも一部分と重なっている[B01]又は[B02]に記載の表示装置。
[C02]調光装置は、
第1基板、
第1基板と対向する第2基板、
第2基板と対向する第1基板の対向面に設けられた第1透明電極、
第1基板と対向する第2基板の対向面に設けられた第2透明電極、及び、
第1透明電極と第2透明電極とによって挟まれた調光層、
から成る[C01]に記載の表示装置。
[C03]調光層は、エレクトロクロミック材料を含む[C02]に記載の表示装置。
[C04]調光層は、第1透明電極側から、WO3層、Ta25層及びIrXSn1-XO層の積層構造を有する[C03]に記載の表示装置。
[C05]光学装置は調光装置に取り付けられている[C01]乃至[C04]のいずれか1項に記載の表示装置。
[C06]フレームは、観察者の正面に配置されるフロント部、フロント部の両端に蝶番を介して回動自在に取り付けられた2つのテンプル部、及び、ノーズパッドを備えており、
調光装置はフロント部に配設されている[C01]乃至[C05]のいずれか1項に記載の表示装置。
[C07]フロント部はリムを有し、
調光装置はリムに嵌め込まれている[C06]に記載の表示装置。
10・・・フレーム、11・・・フロント部、11’・・・リム、12・・・蝶番、13・・・テンプル部、14・・・モダン部、15・・・配線(信号線や電源線等)、16・・・ヘッドホン部、17・・・ヘッドホン部用配線、18・・・制御装置(制御回路、制御手段)、19・・・取付け部材、21・・・瞳、100,200,300,400・・・画像表示装置、111,111A,111B,211,211A,211B・・・画像形成装置、112・・・光学系(コリメート光学系)、113,213・・・筐体、120,320・・・光学装置、121,321・・・導光板、122,322・・・導光板の第1面、123,323・・・導光板の第2面、324,325・・・導光板の一部分、130・・・第1偏向手段(第1回折格子部材)、140・・・第2偏向手段(第2回折格子部材、虚像形成領域)、330・・・第1偏向手段、340・・・第2偏向手段(虚像形成領域)、351・・・第1の反射型体積ホログラム回折格子、352・・・第2の反射型体積ホログラム回折格子、353・・・第3の反射型体積ホログラム回折格子、361,363・・・反射型回折格子、362,364・・・透過型回折格子、150・・・反射型空間光変調装置、150’・・・有機EL表示装置、151・・・液晶表示装置(LCD)、152・・・偏光ビームスプリッター(PBS)、153・・・光源、251・・・光源、252・・・コリメート光学系、253・・・走査手段、254・・・光学系(リレー光学系)、255・・・全反射ミラー、500・・・基板、501・・・基板の第1面、502・・・基板の第2面、503・・・導光領域、504・・・全導光領域、511・・・第1平坦化膜、512・・・第2平坦化膜、521,522・・・粘着層、531・・・反射防止層、601・・・遮光部材、700・・・調光装置、701・・・虚像形成領域対向領域、711A・・・第1基板、711B・・・第2基板、712A・・・第1透明電極、712B・・・第2透明電極、713・・・WO3層、714・・・Ta25層、715・・・IrXSn1-XO層、716A・・・第1電極、716B・・・第2電極、717A・・・保護層、717B・・・下地層、717C・・・封止部材、717D・・・接着剤、721・・・照度センサ(環境照度測定センサ)、722・・・第2の照度センサ(透過光照度測定センサ)

Claims (21)

  1. 画像形成装置から入射された光が内部を全反射により伝播した後、観察者に向けて出射され、第1面、及び、第1面と対向する第2面を有する導光板、
    導光板の第1面及び第2面の少なくともいずれか一方に配設され、導光板に入射された光が導光板の内部で全反射されるように、導光板に入射された光を偏向させる第1偏向手段、並びに、
    導光板の第1面及び第2面の少なくともいずれか一方に配設され、導光板の内部を全反射により伝播した光を導光板から出射させるように、導光板の内部を全反射により伝播した光を偏向させる第2偏向手段、
    を備えており、
    導光板は、
    第1面、及び、第1面と対向する第2面を有する基板、
    基板の第1面上に形成された、有機材料を含む第1平坦化膜、及び、
    基板の第2面上に形成された、有機材料を含む第2平坦化膜、
    から成る光学装置。
  2. 基板は樹脂材料から成る請求項1に記載の光学装置。
  3. 基板の主成分はシクロオレフィンポリマーである請求項1に記載の光学装置。
  4. 第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像によって挟まれた導光板の領域に含まれる第1平坦化膜の部分の外面のRqの値は3nm以下であり、
    第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像によって挟まれた導光板の領域に含まれる第2平坦化膜の部分の外面のRqの値は3nm以下である請求項1に記載の光学装置。
  5. 第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像によって挟まれた導光板の領域に含まれる第1平坦化膜の部分の厚さは、5×10-8m以上であり、
    第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像によって挟まれた導光板の領域に含まれる第2平坦化膜の部分の厚さは、5×10-8m以上である請求項1に記載の光学装置。
  6. 第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像によって挟まれた導光板の領域に含まれる第1平坦化膜の部分の厚さは、3×10-6m以下であり、
    第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像によって挟まれた導光板の領域に含まれる第2平坦化膜の部分の厚さは、3×10-6m以下である請求項5に記載の光学装置。
  7. 第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像によって挟まれた導光板の領域に含まれる第1平坦化膜の部分の外面に対する、第1偏向手段及び第2偏向手段の基板への正射影像によって挟まれた導光板の領域に含まれる第2平坦化膜の部分の外面の平行度は、2/60度以下である請求項1に記載の光学装置。
  8. 第1平坦化膜と第2平坦化膜とは、同じ材料から成り、且つ、同じ厚さを有する請求項1に記載の光学装置。
  9. 第1平坦化膜及び第2平坦化膜は、アクリル系材料を含む有機材料を主成分とする材料から成る請求項1に記載の光学装置。
  10. 第1偏向手段及び第2偏向手段はホログラム回折格子から成る請求項1に記載の光学装置。
  11. ホログラム回折格子は、アクリル系材料及びウレタン系材料を含む請求項10に記載の光学装置。
  12. ホログラム回折格子、第1平坦化膜及び第2平坦化膜は、アクリル系材料を含む請求項10に記載の光学装置。
  13. 基板の厚さは0.4mm乃至10mmである請求項1に記載の光学装置。
  14. 第1平坦化膜を構成する材料の屈折率をn1、第2平坦化膜を構成する材料の屈折率をn2、基板を構成する材料の屈折率をn0としたとき、
    |n1−n0|/n0≦0.03
    |n2−n0|/n0≦0.03
    を満足する請求項1に記載の光学装置。
  15. 第1平坦化膜基板を構成する材料の基板屈折率をn1、第2平坦化膜基板を構成する材料の基板屈折率をn2、基板を構成する材料の屈折率をn0としたとき、n1≧1.48、n2≧1.48、及び、n0≧1.48を満足する請求項1に記載の光学装置。
  16. 導光板に入射される光に対する基板を構成する材料の光透過率は、基板を構成する材料の厚さを60mmとしたとき、14%以上であり、
    導光板に入射される光に対する第1平坦化膜を構成する材料の光透過率は、第1平坦化膜を構成する材料の厚さを60mmとしたとき、14%以上であり、
    導光板に入射される光に対する第2平坦化膜を構成する材料の光透過率は、第2平坦化膜を構成する材料の厚さを60mmとしたとき、14%以上である請求項1に記載の光学装置。
  17. 第1偏向手段と第1平坦化膜との間には、第1粘着層が形成されており、
    第2偏向手段と第2平坦化膜との間には、第2粘着層が形成されている請求項1に記載の光学装置。
  18. 導光板に入射される光の波長をλ0、基板の屈折率をn0、第1平坦化膜の屈折率をn1(但し、n1<n0)、第2平坦化膜の屈折率をn2(但し、n2<n0)としたとき、
    第1平坦化膜の厚さは(n1・λ0/4)であり、又は、
    第2平坦化膜の厚さは(n2・λ0/4)であり、又は、
    第1平坦化膜の厚さは(n1・λ0/4)であり、且つ、第2平坦化膜の厚さは(n2・λ0/4)である請求項1に記載の光学装置。
  19. 第1偏向手段及び第2偏向手段は基板の第2面側に配設されており、
    第1平坦化膜を構成する材料の屈折率をn1、導光板に入射される光の波長をλ0としたとき、第1平坦化膜の外面上には、屈折率n3(但し、n3<n1)を有し、且つ、(n3・λ0/4)の厚さを有する反射防止層が形成されている請求項1に記載の光学装置。
  20. 観察者の頭部に装着されるフレーム、及び、
    フレームに取り付けられた画像表示装置、
    を備えた表示装置であって、
    画像表示装置は、画像形成装置及び光学装置を備えており、
    光学装置は、
    画像形成装置から入射された光が内部を全反射により伝播した後、観察者に向けて出射され、第1面、及び、第1面と対向する第2面を有する導光板、
    導光板の第1面及び第2面の少なくともいずれか一方に配設され、導光板に入射された光が導光板の内部で全反射されるように、導光板に入射された光を偏向させる第1偏向手段、並びに、
    導光板の第1面及び第2面の少なくともいずれか一方に配設され、導光板の内部を全反射により伝播した光を導光板から出射させるように、導光板の内部を全反射により伝播した光を偏向させる第2偏向手段、
    を備えており、
    導光板は、
    第1面、及び、第1面と対向する第2面を有する基板、
    基板の第1面上に形成された、有機材料を含む第1平坦化膜、及び、
    基板の第2面上に形成された、有機材料を含む第2平坦化膜、
    から成る表示装置。
  21. 観察者の頭部に装着されるフレーム、及び、
    フレームに取り付けられた画像表示装置、
    を備えた表示装置であって、
    画像表示装置は、画像形成装置、及び、請求項1乃至請求項19のいずれか1項に記載の光学装置を備えている表示装置。
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