JP2016169456A - 3次元プリンター成形用フィラメント、及び樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

3次元プリンター成形用フィラメント、及び樹脂成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加水分解による靱性の低下や低温環境下における靱性の低下が少なく、成形体表面の凹凸や糸引き、成形体中に黒点や黒条が少ない優れた外観の成形体を安定して連続成形可能な3次元プリンター成形用フィラメントを提供する。【解決手段】(A)脂肪族ポリエステルと、(B)コア−シェル型ゴムとを含有する脂肪族ポリエステル樹脂組成物からなる3次元プリンター成形用フィラメント。(B)コア−シェル型ゴムを含むことで、フィラメントの破断ひずみ及び靱性が改善される。フィラメントの真円度が高く、太さムラが少ないことから、3次元プリンターによる造形時に吐出ムラが少なく、得られる成形体の外観が良好となる。この3次元プリンター成形用フィラメントを3次元プリンターの押出ヘッドから180〜250℃で吐出させる樹脂成形体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、3次元プリンター成形用フィラメント、及びこれを用いた樹脂成形体の製造方法に関する。
押出による熱積層堆積システム、即ち今日一般的に3次元プリンター(3Dプリンター)と呼称されているシステム(例えば米国のストラタシス インコーポレイテッド社製の熱積層堆積システム)は、流動性を有する原料を押出ヘッドに備えたノズル部位から押し出してコンピュータ支援設計(CAD)モデルを基にして3次元物体を層状に構築するために用いられている。その中でも熱溶解積層法(FDM法)は、原料を熱可塑性樹脂からなるフィラメントとして押出ヘッドへ挿入し、加熱溶融しながら押出ヘッドに備えたノズル部位からチャンバー内のX−Y平面基盤上に連続的に押し出し、押し出した樹脂を既に堆積している樹脂積層体上に堆積させると共に融着させ、これが冷却するにつれ一体固化する、という簡単なシステムであるため、広く用いられるようになってきている。FDM法では、通常、基盤に対するノズル位置がX−Y平面に垂直方向なZ軸方向に上昇しつつ前記押出工程が繰り返されることによりCADモデルに類似した3次元物体が構築される(特許文献1)。
従来、FDM法の原料としては、一般的にアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂やポリ乳酸等の熱可塑性樹脂が、加工性や流動性の観点から好適に用いられてきた(特許文献2,3)。
また、加工性や流動性を向上させるために、ポリ乳酸と熱可塑性エラストマーを含む樹脂組成物を3次元プリンター成形用のフィラメントとして用いることが知られている。
(特許文献4)。
特表2003−502184号公報 特表2010−521339号公報 特開2008−194968号公報 中国特許出願公開第103804863号明細書
本発明者等の検討によれば、従来の脂肪族ポリエステルからなるフィラメントは3次元プリンターで成形体を製造する際に、フィラメントが途中で折れてしまい長時間安定的に成形できないといった問題や、フィラメントの太さや断面形状にムラがあり、成形中の吐出ムラから、得られる成形体の外観が悪化するといった問題があることが見出された。特に寒冷地や冬期等の低温環境下での使用においては、フィラメントが折れやすいという問題があった。
本発明者等の更なる検討の結果、フィラメントの材料として、ポリ乳酸や、ポリプロピレン及び相容化剤をポリ乳酸に加えたポリマーアロイを用いると、室温におけるフィラメントの靱性は向上するものの、低温環境下における靱性が十分でないといった問題が見い出された。また、ポリ乳酸に加える添加剤の種類や添加方法によっては、フィラメントの耐衝撃性が悪化したり、3次元プリンターで成形する際にノズル部で樹脂の焼けが生じたり、場合によっては、成形体中に黒点や黒条が生じ外観が悪化するといった新たな問題が見出された。
また、ポリ乳酸等の脂肪族ポリエステルからなるフィラメントやこれを用いた成形体は、長期間保存すると、加水分解によって物性が低下し、十分な靱性や強度が得られないといった問題があった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は長期保存安定性に優れ、室温環境下のみならず、低温環境下においても、優れた靱性を示し、成形体表面の凹凸や糸引き、成形体中に黒点や黒条が少ない優れた外観の成形体を安定して長時間連続運転可能な3次元プリンター成形用フィラメントと、この3次元プリンター成形用フィラメントを用いた樹脂成形体の製造方法を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、脂肪族ポリエステル樹脂とコア−シェル型ゴムを含む3次元プリンター成形用フィラメントは、上記課題を解決し得ることを見出した。
即ち、本発明の要旨は以下の[1]〜[11]に存する。
[1] (A)脂肪族ポリエステルと、(B)コア−シェル型ゴムとを含有する脂肪族ポリエステル樹脂組成物からなる3次元プリンター成形用フィラメント。
[2] (A)脂肪族ポリエステルが、ポリ乳酸系樹脂を含む[1]に記載の3次元プリンター成形用フィラメント。
[3] フィラメントの直径が、1.0〜5.0mmである[1]又は[2]に記載の3次元プリンター成形用フィラメント。
[4] フィラメントの真円度が、0.93以上である[1]〜[3]の何れかに記載の3次元プリンター成形用フィラメント。
[5] (B)コア−シェル型ゴムのコア層が、(メタ)アクリル酸エステルを含む重合体を含有する[1]〜[4]の何れかに記載の3次元プリンター成形用フィラメント。
[6] (B)コア−シェル型ゴムのシェル層が、メタクリル酸メチルを含む重合体を含有する[1]〜[5]の何れかに記載の3次元プリンター成形用フィラメント。
[7] (B)コア−シェル型ゴムのコア層がブタジエン系ゴムを含み、シェル層がスチレン−アクリロニトリル共重合体を含む[1]〜[4]の何れかに記載の3次元プリンター成形用フィラメント。
[8] [1]〜[7]の何れかに記載された3次元プリンター成形用フィラメントを3次元プリンターの押出ヘッドから180〜250℃で吐出させる樹脂成形体の製造方法。
[9] [1]〜[7]の何れかに記載された3次元プリンター成形用フィラメントを熱溶解積層法によって成形することを特徴とする樹脂成形体の製造方法。
[10] [1]〜[7]の何れかに記載された3次元プリンター成形用フィラメントを溶融させた後、押出ヘッドから直径0.01〜1mmのストランド状に吐出させる樹脂成形体の製造方法。
[11] [1]〜[7]の何れか1項に記載された3次元プリンター成形用フィラメントの巻回体。
[12] [11]に記載の巻回体が収納されたカートリッジ。
本発明の3次元プリンター成形用フィラメント及び本発明のフィラメントを用いて製造した樹脂成形体は加水分解による物性の変化が少なく、室温環境下のみならず低温環境下においても優れた靱性、及び、耐衝撃性を持ち、長期間の保存に耐え得るものである。
さらに、本発明の3次元プリンター成形用フィラメントを3次元プリンターの原料に用いることで、表面の凹凸や糸引き、成形体中に黒点や黒条が少なく優れた外観の成形体を長時間安定して成形することができる。
以下に本発明の樹脂成形体の製造方法の実施の形態を詳細に説明する。本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。尚、本明細書において、「〜」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の値を含むものとして用いることとする。また、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル及び/又はメタクリル」を意味する。また、「重合体」は「共重合体」を包含する広義の重合物をさす。
〔3次元プリンター成形用フィラメント〕
本発明の3次元プリンター成形用フィラメントは、(A)脂肪族ポリエステルと(B)コア−シェル型ゴムとを含有する脂肪族ポリエステル樹脂組成物(以下、「本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物」と称す場合がある。)からなるものである。
[メカニズム]
(A)脂肪族ポリエステル樹脂と(B)コア−シェル型ゴムとを含む本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物を原料として製造されたフィラメントを用いることで、3次元プリンターによって樹脂成形体を長時間安定に製造することができる理由の詳細は明らかではないが、以下の様に推定する。
ゴム粒子等の耐衝撃改良剤を添加するだけでは、樹脂組成物内に耐衝撃改良剤が均一に分散されず、十分な靱性が得られないが、コア−シェル型ゴムのシェル層によって脂肪族ポリエステルに対する相溶性が向上し、脂肪族ポリエステル樹脂組成物中にコア−シェル型ゴムが均一に分散されることで、フィラメントの破断ひずみが向上し、結果としてフィラメントの靱性が改善されると考えられる。特に(メタ)アクリル酸エステルを含む重合体をコア層に、メタクリル酸メチルを含む重合体をシェル層に有するコア−シェル型ゴムはポリ乳酸系樹脂に対して高い相溶性を持ち、低温においても高い靱性改良効果を有することから本発明のフィラメントの原料として最適であると考える。
さらに、本発明で用いる脂肪族ポリエステル樹脂組成物は、コアーシェル型ゴムが均一に分散されていることから、押出し成形時の圧力によって生じる内部歪等による影響が少なく、太さムラが少なく真円度が高いフィラメントを得ることが出来たと考えられる。
上記の様な太さムラが少なく真円度が高いフィラメントを3次元プリンターに用いると造形時に吐出ムラが少なく、得られる樹脂成形体の外観が良好となる。
[脂肪族ポリエステル樹脂組成物]
<(A)脂肪族ポリエステル>
(A)脂肪族ポリエステルは、脂肪族構造のモル比率が全体構造に対して最大比率となる樹脂であり、例えば、脂肪族構造以外に、部分的に芳香族構造を有する脂肪族芳香族ポリエステルであってもよい。より具体的には、ジオール・ジカルボン酸からなる脂肪族ポリエステル、オキシカルボン酸からなる脂肪族ポリエステル、脂肪族芳香族ポリエステル、およびそれらの混合物が挙げられる。本発明で用いる(A)脂肪族ポリエステルは、3次元プリンターにおける成形性、成形体の機械物性の観点からオキシカルボン酸からなる脂肪族ポリエステルであることが好ましい。(A)脂肪族ポリエステルがオキシカルボン酸からなる脂肪族ポリエステルと他の脂肪族ポリエステルとの混合物である場合、(A)脂肪族ポリエステルの60重量%以上、特に80〜100重量%がオキシカルボン酸からなる脂肪族ポリエステルであることが好ましい。
ジオールとジカルボン酸からなる脂肪族ポリエステルは、下記式(1)で表される脂肪族ジオールに由来する構成単位、および下記式(2)で表される脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位を含んでなる脂肪族ポリエステル樹脂である。
−O−R−O− (1)
−OC−R−CO− (2)
(式(1)中、Rは、鎖中に酸素原子を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基を表す。式(2)中、Rは、2価の脂肪族炭化水素基を表す。)
式(1)の脂肪族ジオールに由来する構成単位を与える脂肪族ジオールとしては、特に限定されないが、成形性や機械強度の観点から、炭素数が2以上10以下の脂肪族ジオールが好ましく、炭素数4以上6以下の脂肪族ジオールが特に好ましい。例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、中でも1,4−ブタンジオールが特に好ましい。上記脂肪族ジオールは2種類以上を用いることもできる。
式(2)の脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位を与えるジカルボン酸成分としては、特に限定されないが、炭素数が2以上40以下の脂肪族ジカルボン酸が好ましく、炭素数が4以上10以下の脂肪族ジカルボン酸が特に好ましい。例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸等が挙げられ、中でもコハク酸、アジピン酸、セバシン酸が好ましく、コハク酸とアジピン酸が特に好ましい。上記脂肪族ジカルボン酸は2種類以上を用いることもできる。
オキシカルボン酸からなる脂肪族ポリエステルとしては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ3−ヒドロキシブチレート、ポリ4−ヒドロキシブチレート、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシバレレート)、ポリカプロラクトンなどが挙げられ、これらのなかで特に好ましいのは、ポリ乳酸である。
ポリ乳酸系樹脂に含まれるポリ乳酸の構成としてはモル比として、D−乳酸:L−乳酸=100:0〜85:15、または0:100〜15:85であることが好ましい。また、D−乳酸とL−乳酸との構成割合が異なった他のポリ乳酸をブレンドすることも可能である。D−乳酸のみ、または、L−乳酸のみを構成単位とするポリ乳酸系樹脂は結晶性樹脂となり、融点が高く、耐熱性、機械的物性に優れる傾向にある。
さらには、ポリ乳酸系樹脂は、前述のポリ乳酸と、後述する他のヒドロキシカルボン酸との共重合体であってもよく、また少量の鎖延長剤残基(鎖延長剤に由来する構成単位)を含んでもよい。他のヒドロキシカルボン酸としては、乳酸の光学異性体(L−乳酸に対してはD−乳酸、D−乳酸に対してはL−乳酸)、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸類、およびカプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類が挙げられる。このような他のヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位は、ポリ乳酸系樹脂中の乳酸に由来する構成単位と他のヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位との合計に対して15モル%未満で使用するのがよい。
ポリ乳酸系樹脂の重合方法としては、縮合重合法、開環重合法等公知の方法を採用することができる。例えば、縮合重合法では、L−乳酸またはD−乳酸、あるいはこれらの混合物等を直接脱水縮合重合して任意の組成、結晶性を有するポリ乳酸系樹脂を得ることができる。また、開環重合法(ラクチド法)では、乳酸の環状2量体であるラクチドを、必要に応じて重合調節剤等を用いながら、適当な触媒を使用してポリ乳酸系樹脂を得ることができる。なお、ラクチドには、L−乳酸の2量体であるL−ラクチド、D−乳酸の2量体であるD−ラクチド、D−乳酸およびL−乳酸の2量体であるDL−ラクチドがあり、これらを必要に応じて混合し、重合することによって任意の組成、結晶性を有するポリ乳酸系樹脂を得ることができる。
本発明において使用され得るポリ乳酸系樹脂は、重量平均分子量が6万〜70万であることが好ましく、より好ましくは8万〜40万、特に好ましくは10万〜30万である。分子量が6万より小さいと機械物性や耐熱性等の実用物性がほとんど発現されず、70万より大きいと溶融粘度が高すぎて成形加工性に劣る。なお、ここで、ポリ乳酸系樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の値である。
また、ポリ乳酸系樹脂は、フィラメントへの成形性の観点から、JIS K7210に基づき190℃、荷重2.16kgの条件で測定したメルトフローレート(MFR)が10〜1/10分であることが好ましく、5〜1g/10分であることがより好ましく、3.3〜1g/10分であることが特に好ましい。また、示差走査熱量計により測定した融点(Tm)が110〜200℃程度であることが成形時の糸引きが減少する傾向にあることから好ましい。
このようなポリ乳酸系樹脂としては市販品を用いることができ、例えば、Nature Works社製「Ingeo4032D」、「Ingeo2500HP」等を用いることができる。
(A)脂肪族ポリエステルは、1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<(B)コア−シェル型ゴム>
(B)コア−シェル型ゴムは、コア層と、コア層を覆う少なくとも1層以上のシェル層とから構成される粒子状の重合体である。該シェルの層数は特に限定されるものではなく、単層であっても2層以上であっても構わない。
(B)コア−シェル型ゴムのコア層としては、耐衝撃性向上のため、ゴム弾性を有するものが好ましく、例えば、アクリル系、シリコーン系、スチレン系、ニトリル系、共役ジエン系、ウレタン系、オレフィン系の各重合体などからなるものが挙げられる。中でも、コア層としては、シリコーンゴム、アクリル系ゴム(シリコーン・アクリル複合ゴムを含む)、ブタジエン系ゴムが好ましく、低温における靱性改良効果からアクリル系ゴムが好ましく用いられる。
コア層にアクリル系ゴムを用いる場合の代表例としては、(メタ)アクリル酸エステルを含む重合体(以下、コア層の重合体を構成する(メタ)アクリル酸エステルを「(メタ)アクリル酸エステル(B−1)」と称す場合がある。)よりなることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル(B−1)は、(メタ)アクリル酸成分とアルコール成分から構成される(メタ)アクリル酸エステルであればいずれであってもよいが、炭素数1〜15のアルコール成分を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。好ましい(メタ)アクリル酸エステル(B−1)の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸1級アルキルエステル;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸トリメチルシリル等を挙げることができる。(メタ)アクリル酸エステル(B−1)は1種類を用いてもよく、2種類以上を用いてもよい。
中でも、コア層としては、ゴム弾性を有するものが好ましい。その具体例としては、(メタ)アクリル酸エチルや(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル等を重合させた重合体、またはこれらの2以上の共重合体等が好ましい。
また、コア層における(メタ)アクリル酸エステル(B−1)に由来する構成単位の含有量は、耐衝撃性向上のため70重量%以上であることが好ましい。
(B)コア−シェル型ゴムのシェル層、又はシェル層が二層以上である場合はその最外層を形成するシェル層としては、脂肪族ポリエステル及び添加する他の樹脂との相溶性に優れるものが好ましく、例えば、不飽和カルボン酸エステル系単量体、グリシジル基含有ビニル系単量体、脂肪族ビニル系単量体、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、マレイミド系単量体、不飽和ジカルボン酸無水物系単量体、その他のビニル系単量体等に由来する構成単位を含有する重合体が好ましく用いられる。
中でも、不飽和カルボン酸エステルを含む重合体が好ましく、より好ましくは、上記コア層で好ましいとした(メタ)アクリル酸エステル(B−1)とは相違する化学構造を有する(メタ)アクリル酸エステルを含む重合体(以下、シェル層を構成する(メタ)アクリル酸エステルを「(メタ)アクリル酸エステル(B−2)」と称す場合がある。)。シェル層は、(メタ)アクリル酸エステル(B−1)と相違する化学構造を有する(メタ)アクリル酸エステル(B−2)を少なくとも含んでいればよく、(メタ)アクリル酸エステル(B−1)を更に含む重合体であってもよい。
シェル層を構成する(メタ)アクリル酸エステル(B−2)の代表例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸シクロアルキルエステル;メタクリル酸フェニル等のメタクリル酸アリールエステル;メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アラルキルエステル;メタクリル酸グリシジル;メタクリル酸アリル;メタクリル酸トリメチルシリル;メタクリル酸トリメトキシシリルプロピル等のメタクリル酸エステルや、これらのメタクリル酸エステルと同様のアルコール成分からなるアクリル酸エステルを挙げることができる。(メタ)アクリル酸エステル(B−2)は1種類を用いてもよく、2種類以上を用いてもよい。
特には、(A)脂肪族ポリエステルとの相溶性の観点より、(B)コア−シェル型ゴムのシェル層は(メタ)アクリル酸メチル、特にメタクリル酸メチルに由来する構成単位を含む重合体で形成されていることが好ましい。
本発明において、(B)コア−シェル型ゴムは、(メタ)アクリル酸エステル(B−1)に由来する構成単位を含む重合体を有するコア層と、この(メタ)アクリル酸エステル(B−1)と相違する化学構造を有する(メタ)アクリル酸エステル(B−2)に由来する構成単位を含む重合体を有するコア層を覆う少なくとも1層以上のシェル層とから構成される重合体が特に好ましい。
また、(B)コア−シェル型ゴムにおける(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位の含有量は、耐衝撃性向上のため、(B)コア−シェル型ゴム全体の80重量%以上であることが好ましい。
上記のような(B)コア−シェル型ゴムとしては、市販品を用いることもできる。本発明に好適な(B)コア−シェル型ゴムとしては、例えば三菱レイヨン社製「メタブレン(登録商標)W600A」、「メタブレン(登録商標)S2006」、カネカ社製「カネエース(登録商標)」、クラレ社製「パラフェイス(登録商標)」、ロームアンドハース社製「PARALOID(登録商標)」、アイカ工業社製「スタフィロイド(登録商標)」等が挙げられる。
(B)コア−シェル型ゴムは、コア層がブタジエン系ゴムを含み、シェル層がスチレン−アクリロニトリル共重合体を含むものであってもよく、好ましくはブタジエン系ゴムにスチレン−アクリロニトリル共重合体がグラフトされた粒子のみを用いることが好ましい。このような(B)コア−シェル型ゴムは、フィラメントとした際の靱性や成形体の外観が向上する観点から好ましい。
(B)コア−シェル型ゴムは、1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)コア−シェル型ゴムの形態は粉体、エマルジョン水溶液、コア−シェル型ゴムを含む樹脂組成物等が挙げられ、樹脂に添加する際の取り扱い性から紛体が好ましく用いられる。
<(A)脂肪族ポリエステル及び(B)コア−シェル型ゴムの含有量>
本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物における(A)脂肪族ポリエステルと(B)コア−シェル型ゴムの含有量は、(A)脂肪族ポリエステル/(B)コア−シェル型ゴムの重量比で99/1〜50/50であることが好ましく、98/2〜60/40であることがより好ましく、97/3〜70/30であることが更に好ましく、96/4〜80/20であることが特に好ましく、95/5〜90/10であることが最も好ましい。
上記範囲よりも(B)コア−シェル型ゴムの含有量が少ないと、(B)コア−シェル型ゴムを配合することによる本発明の効果を十分に得ることができず、上記範囲よりも(B)コア−シェル型ゴムの含有量が多いと、脂肪族ポリエステル樹脂組成物の流動性が低下し、成形時の押出負荷が高くなり成形性が損なわれるおそれがある。
<カルボジイミド化合物>
本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物は、ポリカルボジイミド化合物やモノカルボジイミド化合物等のカルボジイミド化合物を含有することも好ましい。この場合、これらの化合物が、ポリ乳酸系樹脂のカルボキシル基末端の一部または全部と反応して封鎖する働きを発揮し、これにより得られる成形体の高温高湿環境下での耐久性が更に向上する。
ポリカルボジイミド化合物としては、例えばポリ(4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼン)ポリカルボジイミド、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼン及び1,5−ジイソプロピルベンゼン)ポリカルボジイミド等が挙げられる。モノカルボジイミド化合物としては、例えばN,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド等が挙げられる。これらは、1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このようなカルボジイミド化合物としては市販品を用いることができ、例えば、日清紡ケミカル社製「カルボジライト(登録商標)LA−1」(ポリ(4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド))、「カルボジライト(登録商標)HMV−8CA」、「カルボジライト(登録商標)HMV−15CA」等が挙げられる。
本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物がカルボジイミド化合物を含む場合、脂肪族ポリエステル樹脂組成物中のカルボジイミド化合物の含有量は(A)脂肪族ポリエステルと(B)コア−シェル型ゴムとの合計100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲内であることが好ましい。この含有量が0.1重量部以上であることで成形体の耐久性が更に向上し、5重量部以下であることで成形体の高い機械的強度が維持される。カルボジイミド化合物の含有量は0.1〜3重量部であることがより好ましく、0.1〜1.0重量部であることが更に好ましく、0.1〜0.5重量部であることが特に好ましい。
<その他の成分>
本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物は、(A)脂肪族ポリエステル、(B)コア−シェル型ゴム及び必要に応じて配合されるカルボジイミド化合物のみからなり、その他の成分を実質的に含まない組成物において、その効果を発揮することができるが、本発明の効果を阻害しない範囲で、(A)脂肪族ポリエステル、(B)コア−シェル型ゴム及びカルボジイミド化合物以外のその他の樹脂やゴム、添加剤、充填材等を適宜配合することができる。
その他の樹脂としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、各種エラストマー等が挙げられる(ただし、これらのうち、本発明に用いる(A)脂肪族ポリエステル及び(B)コア−シェル型ゴムに該当するものは除くものとする。)。これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。その他の樹脂の配合量は通常、全成分の50重量%以下であり、好ましくは30重量%以下である。
添加剤としては、酸化防止剤、酸性化合物及びその誘導体、滑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、核剤、難燃剤、衝撃改良剤、発泡剤、着色剤、有機過酸化物や、摩擦抵抗を大きくするための無機添加剤、展着剤、粘着剤等が挙げられる。これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
充填材としては、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、ガラスカットファイバー、ガラスミルドファイバー、ガラスフレーク、ガラス粉末、炭化ケイ素、窒化ケイ素、石膏、石膏ウィスカー、焼成カオリン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属ウィスカー、金属粉、セラミックウィスカー、チタン酸カリウム、窒化ホウ素、グラファイト、炭素繊維等の無機充填材;澱粉、セルロース微粒子、木粉、おから、モミ殻、フスマ等の天然由来のポリマーやこれらの変性品等の有機充填材等が挙げられる。これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。充填材の配合量は通常、全成分の50重量%以下であり、好ましくは30重量%以下である。
<脂肪族ポリエステル樹脂組成物の製造方法>
本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物は、(A)脂肪族ポリエステル、(B)コア−シェル型ゴム、及び必要に応じて用いられるカルボジイミド化合物、その他の成分を所定の割合で配合し、常法に従って溶融混練することにより製造される。
<脂肪族ポリエステル樹脂組成物の物性>
本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物は、JIS K7210に基づき190℃、荷重2.16kgで測定されるメルトフローレート(MFR)が10〜1/10分であることが好ましく、5〜1g/10分であることがより好ましく、3.3〜1g/10分であることが特に好ましい。脂肪族ポリエステル樹脂組成物のMFRが上記下限値以上であると、熱溶解積層法による樹脂成形体の成形時の押出負荷が低くなり、成形がしやすくなる傾向にあるために好ましく、一方、上記上限値以下であると押出ストランド径が安定しやすいために好ましい。
[3次元プリンター成形用フィラメント]
<3次元プリンター成形用フィラメントの製造方法>
本発明の3次元プリンター成形用フィラメントは、上述の本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物を用いて製造される。
本発明の3次元プリンター成形用フィラメントの製造方法は特に制限されないが、本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物を、通常、押出成形等の公知の成形方法により成形する方法や樹脂組成物の製造時にそのままフィラメントとする方法等によって得ることができる。例えば、本発明の3次元プリンター成形用フィラメントを押出成形により得る場合、その条件は、通常80〜250℃、好ましくは100〜230℃である。
<3次元プリンター成形用フィラメントの物性等>
本発明の3次元プリンター成形用フィラメントの直径は、熱溶解積層法による樹脂成形体の成形に使用するシステムの能力に依存するが、通常1.0mm以上、好ましくは1.5mm以上、より好ましくは1.6mm以上、特に好ましくは1.7mm以上であり、一方上限は5.0mm以下、好ましくは4.0mm以下、より好ましくは3.5mm以下、特に好ましくは3.0mm以下である。
更に径の精度はフィラメントの任意の測定点に対して±5%以内の誤差に納めることが原料供給の安定性の観点から好ましい。特に、本発明の3次元プリンター成形用フィラメントは、後掲の実施例の項に記載の方法で測定される径の標準偏差が0.07mm以下、特に0.06mm以下であることが好ましい。
また、本発明の3次元プリンター成形用フィラメントは、後掲の実施例の項に記載の方法で測定される真円度が0.93以上、特に0.95以上であることが好ましい。真円度の上限は1.0である。
このように、径の標準偏差が小さく、真円度が高い3次元プリンター成形用フィラメントであれば、成形時の吐出ムラが抑制され、外観や表面性状等に優れた成形体を安定して製造することができるが、前述の本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物を用いることで、このような標準偏差及び真円度を満たす3次元プリンター成形用フィラメントを容易に製造することができる。
また、本発明の3次元プリンター成形用フィラメントについて、後掲の実施例の項に記載の方法で測定される破断ひずみは、30%以上であることが好ましく、100%以上であることがフィラメントの靱性を向上し、3次元プリンターがフィラメントを取り込む際にフィラメントが折れることを抑制できる観点から好ましい。この破断ひずみの上限は特に設定されないが、通常1000%程度である。
<3次元プリンター成形用フィラメントの巻回体及びカートリッジ>
本発明の3次元プリンター成形用フィラメントを用いて3次元プリンターにより樹脂成形体を製造するにあたり、3次元プリンター成形用フィラメントを安定に保存すること、及び、3次元プリンターに3次元プリンター成形用フィラメントを安定供給することが求められる。そのために、本発明の3次元プリンター成形用フィラメントは、ボビンに巻きとった巻回体として密閉包装されている、又は、巻回体がカートリッジに収納されていることが、長期保存、安定した繰り出し、湿気等の環境要因からの保護、捩れ防止等の観点から好ましい。カートリッジとしては、ボビンに巻き取った巻回体の他、内部に防湿材または吸湿材を使用し、少なくともフィラメントを繰り出すオリフィス部以外が密閉されている構造のものが挙げられる。
通常、3次元プリンター成形用フィラメントをボビンに巻きとった巻回体、又は、巻回体を含むカートリッジは3次元プリンター内又は周囲に設置され、成形中は常にカートリッジからフィラメントが3次元プリンターに導入され続ける。
本発明の3次元プリンター成形用フィラメントは靱性に優れることから、3次元プリンターに導入される際にフィラメントが折れにくく、長時間の連続成形が可能という効果を有する。特に本発明の3次元プリンター成形用フィラメントは日本における梅雨期(高温多湿環境下)や、冬期(低温環境下)においても、十分な靱性を有することから、年間を通して安定して長時間の連続成形が可能という効果を有する。
〔樹脂成形体の製造方法〕
本発明の樹脂成形体の製造方法においては、本発明の3次元プリンター成形用フィラメントを用い、3次元プリンターにより成形することにより樹脂成形体を得る。3次元プリンターによる成形方法としては熱溶解積層法(FDM法)、インクジェット方式、光造形方式、石膏パウダー積層方式等が挙げられ、本発明の3次元プリンター成形用フィラメントは、これらの中でも熱溶解積層法に用いることが好ましい。以下、熱溶解積層法の場合を例示して説明する。
3次元プリンターは一般に、チャンバーを有しており、該チャンバー内に、加熱可能な基盤、ガントリー構造に設置された押出ヘッド、加熱溶融器、フィラメントのガイド、フィラメントカートリッジ設置部等の原料供給部を備えている。3次元プリンターの中には押出ヘッドと加熱溶融器とが一体化されているものもある。
押出ヘッドはガントリー構造に設置されることにより、基盤のX−Y平面上に任意に移動させることができる。基盤は目的の3次元物体や支持材等を構築するプラットフォームであり、加熱保温することで積層物との密着性を得たり、得られる樹脂成形体を所望の3次元物体として寸法安定性を改善したりできる仕様であることが好ましい。押出ヘッドと基盤とは、通常、少なくとも一方がX−Y平面に垂直なZ軸方向に可動となっている。
3次元プリンター成形用フィラメントは原料供給部から繰り出され、対向する1組のローラー又はギアーにより押出ヘッドへ送り込まれ、押出ヘッドにて加熱溶融され、先端ノズルより押し出される。CADモデルを基にして発信される信号により、押出ヘッドはその位置を移動しながら原料を基盤上に供給して積層堆積させていく。この工程が完了した後、基盤から積層堆積物を取り出し、必要に応じて支持材等を剥離したり、余分な部分を切除したりして所望の3次元物体として樹脂成形体を得ることができる。
押出ヘッドへ連続的に原料を供給する手段は、フィラメント又はファイバーを繰り出て供給する方法、粉体又は液体をタンク等から定量フィーダを介して供給する方法、ペレット又は顆粒を押出機等で可塑化したものを押し出して供給する方法等が例示できるが、工程の簡便さと供給安定性の観点から、フィラメントを繰り出して供給する方法、即ち、前述の本発明の3次元プリンター成形用フィラメントを繰り出して供給する方法が最も好ましい。
3次元プリンターにフィラメントを供給する場合、ニップロールやギアロール等の駆動ロールにフィラメントを係合させて、引き取りながら押出ヘッドへ供給することが一般的である。ここでフィラメントと駆動ロールとの係合による把持をより強固にすることで原料供給を安定化させるために、フィラメントの表面に微小凹凸形状を転写させておいたり、係合部との摩擦抵抗を大きくするための無機添加剤、展着剤、粘着剤、ゴム等を配合したりすることも好ましい。フィラメントに太さムラがある場合、フィラメントと駆動ロールとの係合による把持が行えず、駆動ロールが空転しフィラメントを押出ヘッドに供給出来なくなる場合があるが、本発明の3次元プリンター成形用フィラメントは、太さムラが少ないため、このような問題を回避することができる。
本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物は、押出に適当な流動性を得るための温度が、通常190〜240℃程度と、通常の3次元プリンターが設定可能な設定可能な温度であり、本発明の製造方法においては、加熱押出ヘッドの温度を通常230℃以下、好ましくは200〜220℃とし、また、基盤温度を通常80℃以下、好ましくは50〜70℃として安定的に樹脂成形体を製造することができる。
押出ヘッドから吐出される溶融樹脂の温度(吐出温度)は180℃以上であることが好ましく、190℃以上であることがより好ましく、一方、250℃以下であることが好ましく、240℃以下であることがより好ましく、230℃以下であることが更に好ましい。溶融樹脂の温度が上記下限値以上であると、耐熱性の高い樹脂を押し出す上で好ましく、また、一般に造形物中に糸引きと呼ばれる、溶融樹脂が細く伸ばされた破片が残り、外観を悪化させることを防ぐ観点からも好ましい。一方、溶融樹脂の温度が上記上限値以下であると、樹脂の熱分解や焼け、発煙、臭い、べたつきといった不具合の発生を防ぎやすく、また、高速で吐出することが可能となり、造形効率が向上する傾向にあるために好ましい。
押出ヘッドから吐出される溶融樹脂は、好ましくは直径0.01〜1mm、より好ましくは直径0.02〜0.5mmのストランド状で吐出される。溶融樹脂がこのような形状で吐出されると、CADモデルの再現性が良好となる傾向にあるために好ましい。
3次元プリンター成形用フィラメントを用いて3次元プリンターにより樹脂成形体を製造するにあたり、押出ヘッドから吐出させたストランド状の樹脂を積層しながら成形体を作る際に、先に吐出させた樹脂のストランドと、その上に吐出させた樹脂ストランドとの接着性が十分でないことや吐出ムラによって、成形物の表面に凹凸部(段差)が生じることがある。成形物の表面に凹凸部が存在すると、外観の悪化だけでなく、成形体が破損しやすい等の問題が生じることがある。
本発明の3次元プリンター成形用フィラメントは径の標準偏差が小さく、真円度が高いことから、成形時の吐出ムラが抑制され、外観や表面性状等に優れた成形体を安定して製造することができる。
3次元プリンターによって押出ヘッドから吐出させたストランド状の樹脂を積層しながら成形体を作る際に、樹脂の吐出を止めた上で次工程の積層箇所にノズルを移動する工程がある。この時、樹脂が途切れずに細い樹脂繊維が生じ、糸を引いたように成形体表面に残ることがある。上記の様な糸引きが発生すると成形体の外観が悪化する等の問題が生じることがある。
本発明の3次元プリンター成形用フィラメントは、径の標準偏差が小さく、真円度が高いことに加え、高い破断ひずみを有することから糸引きが抑制され、外観や表面性状等に優れた成形体を安定して製造することができる。
3次元プリンターによって押出ヘッドから吐出させたストランド状の樹脂を積層しながら成形体を作る際に、押し出しヘッドのノズル部に付着することがあり、さらに付着した樹脂が熱によって着色し、黒い異物(黒点や黒条)となることがある。そして、このような異物が成形体中に混入することで、外観の悪化だけでなく、成形物が破損しやすい等の問題が生じることがある。
本発明の3次元プリンター成形用フィラメントは、耐熱性に優れ、ノズル部に付着しても熱による着色が生じにくいことから、優れた外観の成形体を安定して製造することができる。
〔樹脂成形体の用途〕
本発明の樹脂成形体の製造方法により製造された樹脂成形体は、長期保存安定性に優れ、表面性状や外観にも優れたものである。このため、文房具;玩具;携帯電話やスマートフォン等のカバー;グリップ等の部品;学校教材、家電製品、OA機器の補修部品、自動車、オートバイ、自転車等の各種パーツ;電機・電子機器用資材、農業用資材、園芸用資材、漁業用資材、土木・建築用資材、医療用品等の用途に好適に用いることができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明を詳細に説明するために示すものであり、本発明はその要旨に反しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
(1)原料
<(A)脂肪族ポリエステル>
ポリ乳酸系樹脂:Nature Works社製「Ingeo4032D」(ポリ乳酸、D−乳酸:L−乳酸=1.23:98.77(モル比)、重量平均分子量=23万、MFR=3.1g/10min(190℃,2.16kgf)、Tm:155〜170℃)
<(B)コア−シェル型ゴム>
コア−シェル型ゴムI:三菱レイヨン社製「メタブレン(登録商標)W600A」(コア層:アクリル系ゴム((メタ)アクリル酸エステルを100重量%含む重合体)、シェル層:メタクリル酸メチル重合体、コア−シェル型ゴム中のコア層の割合:69重量%)
コア−シェル型ゴムII:三菱レイヨン社製「メタブレン(登録商標)S2006」(コア層:シリコーン・アクリル複合ゴム((メタ)アクリル酸エステルを63重量%含む重合体)、シェル層:メタクリル酸メチル重合体、コア−シェル型ゴム中のコア層の割合:71重量%)
<添加剤>
カルボジイミド:日清紡ケミカル社製「カルボジライト(登録商標)LA−1」
(2)原料樹脂及びフィラメントの評価法
(2−1)原料樹脂の評価法
<MFR>
JIS K7210に基づき、メルトインデクサーを用いて、フィラメント原料の樹脂組成物のMFRを190℃、荷重2.16kgにて測定した。単位はg/10分である。
(2−2)フィラメントの評価法
<靱性>
25℃、8℃又は5℃の規定の温度とした長さ15cmのフィラメントの両端を両手でつかみ、両端が接触する様に中心点からゆっくりと180°折り曲げ、楕円状のフィラメントとした。その後、両端の接触部を左手で固定し、右手で両端の接触部から中心点にかけて上下2本のフィラメントが接触する様に力をかけた。2本のフィラメントが平行となるまでの間に中心点又は他の部位でフィラメントが折れ、二つに分かれたかどうかを測定した。上記測定を10回繰り返し、折れた回数を靱性とした。
<破断ひずみ>
フィラメントの破断ひずみは引張試験機を使用して測定した。引張試験機は島津製作所製AG1000を使用し、試験速度は50mm/min、チャック間距離は80mmとし、破断ひずみ(単位:%)を求めた。測定回数は5回とし、その平均値で表示した。破断ひずみは下記式にて計算した。
引張破断ひずみ(%)=(移動距離(mm)/チャック間距離(80mm))×100
<真円度>
フィラメントを3cm間隔にて10点、ノギスにて長径と短径を計測し、それぞれの測定点における短径/長径の比率を求めた。測定した10点における短径/長径の比率の平均を真円度とした。比率が1.0に近いほどフィラメントの断面形状が真円に近い。
<標準偏差>
フィラメントを3cm間隔にて10点、ノギスにて長径と短径を計測し、フィラメントの標準偏差を求めた。この標準偏差が小さいほど、太さが均一なフィラメントとなる。
<加水分解性>
フィラメントを温度40℃、相対湿度90%の環境で2週間保持した後、上記に記載した方法に沿って靱性と破断ひずみを測定した。
(2−3)成形体の評価法
<表面平滑性>
得られた成形体の表面を爪でなぞった時、引っかかるかどうかで表面平滑性を評価した。
〇:成形体の表面を爪でなぞった時、引っかかる箇所が無い。
×:成形体の表面を爪でなぞった時、引っかかる箇所が有る。
<糸引き>
得られた成形体を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
〇:成形体に細い繊維状の樹脂が付着していない。
×:成形体に細い繊維状の樹脂が付着している。
<焼け>
得られた成形体を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
○:成形体に、焼けに由来する黒点や黒条は確認されない。
×:成形体に、焼けに由来する黒点や黒条が確認される。
〔実施例/比較例〕
[実施例1]
<樹脂組成物の製造>
ポリ乳酸系樹脂97重量部とコア−シェル型ゴムIを3重量部となるように配合し二軸混練機(日本製鋼所社製TEX30α)にて樹脂組成物を製造した。混練条件はシリンダー設定温度200℃とし、回転数200rpm、吐出20kg/hの条件とした。得られた樹脂組成物は50℃、窒素気流下にて4時間乾燥した。得られた樹脂組成物のMFRを測定した。
<フィラメントの製造>
上記で得られた樹脂組成物を、スクリュー径15mmの二軸混練押出機に導入し、フィラメントを製造した。
二軸混練押出機は、設定温度200℃、吐出量1.0kg/hrとした上で、ダイス径3mmから樹脂組成物を押出し、40℃の水槽を経て引取り装置で5m/minで引取った。
得られたフィラメントの断面の直径は1.65mmから1.90mmの範囲であった。
得られたフィラメントについて各種評価を行い、結果を表−1に示す。
<成形体の製造>
熱溶解積層法による押出積層堆積システムとして、ホットプロシード社製「BLADE−1」を用い、3次元物体として、上方に開口部を有するカップ形状の成形体(3次元造形物)の成形を行った。製造条件は、スタンダードモード、プリント速度150mm/秒とし、また、基盤温度を60℃として吐出温度は200℃で行った。溶融樹脂は、押出ヘッドから直径0.1mmのストランド状に吐出された。得られた成形体の表面平滑性及び糸引きの有無と焼けによる黒点や黒条の有無を評価し、結果を表−1に示す。
[実施例2]
実施例1において、樹脂組成物の製造にあたり、ポリ乳酸系樹脂を95重量部、コア−シェル型ゴムIを5重量部に変更した以外は実施例1と同様に樹脂組成物の製造と評価、フィラメントの製造と評価、成形体の製造と評価を行った。評価結果を表−1に示す。
[実施例3]
実施例1において、樹脂組成物の製造にあたり、ポリ乳酸系樹脂を90重量部、コア−シェル型ゴムIを10重量部に変更した以外は実施例1と同様に樹脂組成物の製造と評価、フィラメントの製造と評価、成形体の製造と評価を行った。評価結果を表−1に示す。
[実施例4]
実施例1において、樹脂組成物の製造にあたり、ポリ乳酸系樹脂を95重量部、コア−シェル型ゴムIIを5重量部に変更した以外は実施例1と同様に樹脂組成物の製造と評価、フィラメントの製造と評価、成形体の製造と評価を行った。評価結果を表−1に示す。
[実施例5]
実施例2において、樹脂組成物の製造にあたり、さらに添加剤としてカルボジイミドを0.5重量部追加した以外は実施例2と同様に樹脂組成物の製造と評価、フィラメントの製造と評価、成形体の製造と評価を行った。評価結果を表−1に示す。
[実施例6]
実施例4において、樹脂組成物の製造にあたり、さらに添加剤としてカルボジイミドを0.5重量部追加した以外は実施例4と同様に樹脂組成物の製造と評価、フィラメントの製造と評価、成形体の製造と評価を行った。評価結果を表−1に示す。
[比較例1]
実施例1において、樹脂組成物を用いず、ポリ乳酸系樹脂のみを原料に用いて実施例1と同様の条件でフィラメントの製造と評価、成形体の製造と評価を行った。評価結果を表−1に示す。
Figure 2016169456
表−1より、本発明の3次元プリンター成形用フィラメントは、ポリ乳酸系樹脂単独で製造されたフィラメントに比べて靱性及び保存安定性が高く、更にフィラメントの真円度が高く標準偏差が小さいことから、太さムラが少ないことがわかった。更に低温環境下においても高い靱性を有していることがわかった。
また、太さムラが少ない本発明のフィラメントを用いることで、成形体の凹凸や糸引き箇所が少なく、外観が良好な高品質の成形体を製造でき、しかも本発明のフィラメントは耐熱性に優れ、焼けによる黒点や黒条による外観不良の問題もないことが明らかである。

Claims (12)

  1. (A)脂肪族ポリエステルと、(B)コア−シェル型ゴムとを含有する脂肪族ポリエステル樹脂組成物からなる3次元プリンター成形用フィラメント。
  2. (A)脂肪族ポリエステルが、ポリ乳酸系樹脂を含む請求項1に記載の3次元プリンター成形用フィラメント。
  3. フィラメントの直径が、1.0〜5.0mmである請求項1又は2に記載の3次元プリンター成形用フィラメント。
  4. フィラメントの真円度が、0.93以上である請求項1〜3の何れか1項に記載の3次元プリンター成形用フィラメント。
  5. (B)コア−シェル型ゴムのコア層が、(メタ)アクリル酸エステルを含む重合体を含有する請求項1〜4の何れか1項に記載の3次元プリンター成形用フィラメント。
  6. (B)コア−シェル型ゴムのシェル層が、メタクリル酸メチルを含む重合体を含有する請求項1〜5の何れか1項に記載の3次元プリンター成形用フィラメント。
  7. (B)コア−シェル型ゴムのコア層がブタジエン系ゴムを含み、シェル層がスチレン−アクリロニトリル共重合体を含む請求項1〜4の何れか1項に記載の3次元プリンター成形用フィラメント。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載された3次元プリンター成形用フィラメントを3次元プリンターの押出ヘッドから180〜250℃で吐出させる樹脂成形体の製造方法。
  9. 請求項1〜7の何れか1項に記載された3次元プリンター成形用フィラメントを熱溶解積層法によって成形することを特徴とする樹脂成形体の製造方法。
  10. 請求項1〜7の何れか1項に記載された3次元プリンター成形用フィラメントを溶融させた後、押出ヘッドから直径0.01〜1mmのストランド状に吐出させる樹脂成形体の製造方法。
  11. 請求項1〜7の何れか1項に記載された3次元プリンター成形用フィラメントの巻回体。
  12. 請求項11に記載の巻回体が収納されたカートリッジ。
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