JP2023026099A - 熱可塑性樹脂シート - Google Patents

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Akira Hamazaki
至芸泉 古谷
Shigemi Furuya
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Abstract

【課題】 耐油性、接着性に優れた熱可塑性樹脂シートを提供する。【解決手段】結晶性ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、接着付与剤およびスチレン系熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性樹脂シート。【選択図】なし

Description

本発明は、結晶性ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、接着付与剤およびスチレン系熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性樹脂シートに関する。より詳しくは、自動車、通信、コンピュータ、家電用途各種のコネクター、ハーネス、電子部品、スイッチ、プリント配線基板、さらには体重検知センサーや着座センサーなどのセンサー類の電気電子部品の接着や封止、加飾用に用いられる熱可塑性樹脂シートに関する。
熱可塑性樹脂からなる接着シートはヒートプレスや真空成形、または真空・圧空成形真空圧着により各種被着体に対して容易に接着することができることから、金属、プラスチック、紙類等の接着に広く用いられている。
熱可塑性樹脂の中でもポリエステル樹脂は、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPBT(ポリブチレンテレフタレート)、ガラエポ(ガラスエポキシ)基板等への接着性、電気絶縁性、耐水性、耐久性、溶融粘度の観点から好適に使用されている。
一方では、近年、単一の接着シートで多様な基材へ接着する異種材接着性が求められており、異種材接着性確保するために、接着性を底上げする観点から官能基を有する接着付与剤等を配合する試みが積極的に検討されている(例えば特許文献1)。
特開2004-210893号公報
しかしながら、上記文献のようにポリエステル樹脂に接着付与剤等を入れた樹脂組成物においては、PBTや金属などに対する接着性は向上するものの、ポリプロピレンなどのポリオレフィン基材に対する接着性は十分ではなく、耐油性も不十分であるという問題点があった。
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明の目的は、PBT、ガラエポ基板、ポリプロピレンなどへの各種基材に対して良好な接着性を示し、さらに耐油性良好な熱可塑性樹脂シートを提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。すなわち本発明は、以下の構成からなる。
[1] 結晶性ポリエステル樹脂(A)、ポリプロピレン樹脂(B)、接着付与剤(C)およびスチレン系熱可塑性エラストマー(D)を含む熱可塑性樹脂シート。
[2] シート表面のジヨードメタン接触角が45°以上である、前記[1]に記載の熱可塑性樹脂シート。
[3] 結晶性ポリエステル樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の質量比(結晶性ポリエステル樹脂(A)/ポリプロピレン樹脂(B))が、40~99/1~60の範囲である、前記[1]または[2]に記載の熱可塑性樹脂シート。
[4] 結晶性ポリエステル樹脂(A)が構成成分として多価カルボン酸成分を有し、全多価カルボン酸成分量を100モル%としたとき、多価カルボン酸成分としてテレフタル酸および2,6-ナフタレンジカルボン酸のいずれかまたは両方の合計を60モル%以上有する、前記[1]~[3]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂シート。
[5] 結晶性ポリエステル樹脂(A)が、30℃以下のガラス転移温度、220℃以下の融点、および8,000~40,000の数平均分子量を有する、前記[1]~[4]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂シート。
[6] 結晶性ポリエステル樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の合計量を100質量部としたとき、スチレン系熱可塑性エラストマー(D)を21~100質量部含有する、前記[1]~[5]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂シート。
[7] 接着付与剤(C)がテルペン樹脂およびテルペンフェノール樹脂の少なくとも一方を含有する、前記[1]~[6]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂シート。
[8] さらにポリエチレン樹脂(E)および無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(F)の少なくとも一方を含有する、前記[1]~[7]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂シート。
[9] 結晶性ポリエステル樹脂(A)の融点とポリプロピレン樹脂(B)の融点との差が50℃以内である、前記[1]~[8]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂シート。
本発明の熱可塑性樹脂シートは各種基材に対する優れた接着性や耐油性を示す。このため、自動車、通信、コンピュータ、家電用途各種のコネクター、ハーネス、電子部品、スイッチ、プリント配線基板、加飾用の接着や封止に用いられる熱可塑性樹脂シート、さらには体重検知センサーや着座センサーなどの電気電子部品の接着や封止に用いられる熱可塑性樹脂シートとして好適に用いられる。
図1は、示差走査熱量分析計で測定したチャートの模式図を示す。
以下に、発明を実施するための形態の詳細を順次説明していく。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、記述した範囲内で種々の変形を加えた態様で実施できる。
<結晶性ポリエステル樹脂(A)>
本発明の熱可塑性樹脂シートに用いられる結晶性ポリエステル樹脂(A)は、結晶性を有するポリエステル樹脂である。結晶性ポリエステル樹脂(A)の融点は220℃以下であることが好ましく、より好ましくは215℃以下であり、さらに好ましくは210℃以下である。融点が220℃以下であることで、ポリプロピレン樹脂(B)との二軸押出機での混練の際に、混練温度を下げることができる。また、常温での取り扱い性と耐熱性から、結晶性ポリエステル樹脂(A)の融点は100℃以上であることが好ましい。より好ましくは105℃以上であり、さらに好ましくは110℃以上であり、一層好ましくは115℃以上であり、特に好ましくは120℃以上である。
本発明に用いられる結晶性ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度は、30℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が30℃以下であることで、ポリプロピレン樹脂(B)を含む本発明の熱可塑性樹脂シートの接着性が良好となる他、ポリプロピレン樹脂(B)との相溶性が向上する。ガラス転移温度は好ましくは0℃以下であり、より好ましくは-15℃以下であり、さらに好ましくは-20℃以下であり、特に好ましくは-30℃以下である。下限は特に限定されないが、接着性や耐ブロッキング性を考慮すると-100℃以上が現実的である。
本発明に用いられる結晶性ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量は8000以上であることが好ましく、より好ましくは9000以上、さらに好ましくは10000以上である。また、数平均分子量の上限は好ましくは40000以下、より好ましくは35000以下、さらに好ましくは30000以下である。数平均分子量が8000以上であると、ポリプロピレン樹脂(B)を配合した場合であっても優れた耐油性、接着性を示す。40000以下とすることで、ポリプロピレン樹脂(B)との樹脂混練時の相溶性を確保できる。
本発明に用いられる結晶性ポリエステル樹脂(A)は多価カルボン酸成分とグリコール成分からなる重合体であることが好ましい。結晶性ポリエステル樹脂(A)を構成する多価カルボン酸成分としては、テレフタル酸および2,6-ナフタレンジカルボン酸の少なくとも一方を含有することが好ましく、全多価カルボン酸成分量を100モル%としたときに、テレフタル酸および2,6-ナフタレンジカルボン酸のいずれかまたは両方の合計が60モル%以上であることが好ましい。より好ましくは80モル%以上であり、90モル%以上であることがさらに好ましく、95モル%以上であることが一層好ましく、100モル%であっても差し支えない。60モル%以上であれば、十分に結晶性を発現させることができ、シート作製時の固化速度を速めることができる。その結果、ローラやガイド等に対する樹脂の離型性が良好となり、生産性が向上する。
その他の多価カルボン酸成分としては、イソフタル酸、オルソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、4-メチル-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等を挙げることができる。なかでも耐熱性の観点からは芳香族ジカルボン酸を含有することが好ましく、密着性の観点からは脂肪族または脂環族ジカルボン酸が好ましい。
また、結晶性ポリエステル樹脂(A)を構成するグリコール成分としては、直鎖状の脂肪族グリコール成分を含有することが好ましい。直鎖状の脂肪族グリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール等が挙げられる。中でもエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオールが好ましく、1,4-ブタンジオールが特に好ましい。これらの直鎖状の脂肪族グリコール成分を含有することで、結晶性ポリエステル樹脂の結晶化が促進され、シート化後の固化速度を速めることができ、生産性の向上に寄与する。直鎖状の脂肪族グリコール成分は、全グリコール成分量を100モル%としたとき、40~99モル%含有することが好ましく、より好ましくは45モル%以上であり、さらに好ましくは50モル%以上であり、一層好ましくは55モル%以上である。また、90モル%以下であることが好ましく、より好ましくは85モル%以下であり、さらに好ましくは80モル%以下である。
本発明に用いられる結晶性ポリエステル樹脂(A)には、グリコール成分として、ポリアルキレングリコール成分が含有されていても良い。ポリアルキレングリコール成分は平均分子量200以上を有するものであり、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられ、中でもポリテトラメチレングリコールが好ましい。ポリアルキレングリコール成分は、全グリコール成分量を100モル%としたとき、1~60モル%含有することが好ましい。より好ましくは10モル%以上であり、さらに好ましくは15モル%以上であり、一層好ましくは20モル%以上である。また、55モル%以下であることが好ましく、より好ましくは50モル%以下であり、さらに好ましくは45モル%以下である。ポリアルキレングリコール成分を含有することで、ポリプロピレン樹脂(B)との相溶性を向上することができる。
グリコール成分として、前記直鎖状の脂肪族のグリコール成分とポリアルキレングリコールの合計量が60モル%以上であることが好ましく、より好ましくは80モル%以上であり、さらに好ましくは90モル%以上であり、一層好ましくは95モル%以上であり、特に好ましくは99モル%以上であり、100モル%であっても差し支えない。
その他のグリコール成分としては、例えば、1,2-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステル、2-メチルオクタンジオール、1,10-ドデカンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール等の脂肪族または脂環族グリコールを適宜含有することができる。含有量としては、全グリコール成分量を100モル%としたとき、40モル%以下であることが好ましく、35モル%以下であることがより好ましく、30モル%以下であることがさらに好ましく、25モル%以下であることが特に好ましく、0モル%であっても差し支えない。40モル%以下とすることで、結晶性ポリエステル樹脂の結晶化を促進させることができ、シート作製時の固化速度を速めることができる。その結果、生産性の向上に寄与する。
また、本発明に用いられる結晶性ポリエステル樹脂(A)は、必要に応じて無水トリメリット酸、トリメチロールプロパン等の三官能以上のポリカルボン酸やポリオールを共重合し、分岐を有するポリエステルとしても差し支えない。
本発明に用いられる結晶性ポリエステル樹脂(A)は不飽和基を含有していない飽和ポリエステル樹脂であることが望ましい。飽和ポリエステル樹脂であることで、混練時やシート作製時に架橋が生じることがない。
本発明に用いられる結晶性ポリエステル樹脂(A)の製造方法としては、公知の方法をとることができる。例えば、上記の多価カルボン酸成分及びグリコール成分を150~250℃でエステル化反応後、減圧しながら230~300℃で重縮合することにより、目的の結晶性ポリエステル樹脂を得ることができる。あるいは、上記の多価カルボン酸成分のジメチルエステル等の誘導体とグリコール成分を用いて150℃~250℃でエステル交換反応後、減圧しながら230℃~300℃で重縮合することにより、目的の結晶性ポリエステル樹脂を得ることができる。
本発明に用いられる結晶性ポリエステル樹脂(A)を製造する際に使用する触媒としては、特に限定されないが、Ge、Sb、Ti、Al、MnまたはMgの化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物が用いられることが好ましい。これらの化合物は、例えば、粉体、水溶液、エチレングリコール溶液、エチレングリコールのスラリー等として反応系に添加される。
また、本願発明の効果を損ねない範囲で本発明に用いられる結晶性ポリエステル樹脂(A)に安定剤を配合することができる。安定剤として、ポリ燐酸やトリメチルフォスフェート等の燐酸エステル類、ホスホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のリン化合物を使用するのが好ましい。
本発明に用いられる結晶性ポリエステル樹脂(A)の酸価としては、1~40eq/tonであることが好ましく、2~30eq/tonであることがより好ましく、3~20eq/tonであることがさらに好ましい。酸価が40eq/tonを超えると、混練時に分解を促進することがある。また、酸価が1eq/ton未満では、ポリプロピレン樹脂(B)との相溶性が低下することがある。
本発明に用いられる結晶性ポリエステル樹脂(A)には結晶核剤を添加しても良い。結晶性ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して、結晶核剤0.01~5質量部を添加することでシート化後の結晶化を促進することができる。結晶核剤は結晶性ポリエステル樹脂(A)の結晶化速度を速め、シート作製時の固化速度を速めることができる他、結晶核の数を調節することにより球晶の大きさもコントロールできる効果がある。結晶核剤の具体例としてはタルク、シリカ、グラファイト、炭素粉、ピロフェライト、石膏、中性粘土等の無機質微粒子や、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化チタン等の金属酸化物、ヘキサン酸塩、ラウリン酸塩、ステアリン酸塩、モンタン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、シュウ酸塩、ステアリン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、酒石酸塩、スルホン酸塩、モンタン酸ワックス塩、モンタン酸ワックスエステル塩、テレフタル酸塩、カルボン酸塩、α-オレフィンとα,β-不飽和カルボン酸とからなるイオン性共重合体等が挙げられる。それらの中でも特にヘキサン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、モンタン酸等脂肪酸の亜鉛塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩等の金属塩は結晶化速度の調節がしやすく、好ましい。
本発明に用いられる結晶性ポリエステル樹脂(A)の組成及び組成比を決定する方法としては、例えば結晶性ポリエステル樹脂を重クロロホルム等の溶媒に溶解して測定する1H-NMR(核磁気共鳴分光法)や13C-NMR、結晶性ポリエステル樹脂のメタノリシス後に測定するガスクロマトグラフィーによる定量(以下、メタノリシス-GC法と略記する場合がある)等が挙げられる。本発明においては、結晶性ポリエステル樹脂(A)を溶解でき、なおかつ1H-NMR測定に適する溶剤がある場合には、1H-NMRで組成及び組成比を決定することとする。適当な溶剤がない場合や1H-NMR測定だけでは組成比が特定できない場合には、13C-NMRやメタノリシス-GC法を採用または併用することとする。
本発明でいう結晶性とは、示差走査熱量分析計(DSC)を用いて、一度250℃で5分ホールドした後、液体窒素で急冷して、その後-150℃から250℃まで、20℃/minの昇温速度で測定した際に、明確な吸収ピーク(融解ピーク)を示すものをいう。
<ポリプロピレン樹脂(B)>
本発明の熱可塑性樹脂シートにおいては結晶性ポリエステル樹脂(A)に加え、ポリプロピレン樹脂(B)を含むことが必須となる。
ポリプロピレン樹脂は主に、プロピレンのみを重合した剛性が高いホモポリマー(単独重合体)、少量のエチレンを共重合した透明性が高く柔軟なランダム共重合体、ゴム成分(EPR)がホモ・ランダムポリマーに均一微細に分散した耐衝撃性が高いブロック共重合体に分けることができるが、結晶性ポリエステル樹脂(A)との相溶性の観点から、本発明に用いられるポリプロピレン樹脂(B)は、ランダム共重合体が好ましい。
本発明に用いられるポリプロピレン樹脂(B)の融点は特に制限されないが、耐熱性に優れるという観点で、70℃以上であることが好ましく、80℃以上であることがさらに好ましく、90℃以上であることが特に好ましい。混練時の結晶性ポリエステル樹脂(A)との溶融粘度差を小さくするという観点においては、150℃以下が好ましい。
本発明に用いられる上記のランダム共重合のポリプロピレン樹脂(B)としては、プロピレンランダム共重合体が好ましく、具体的には、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・1-ブテンランダム共重合体、プロピレン・エチレン・1-ブテンランダム共重合体などが好ましい。また、シート作製時の加工性(流動性)の観点から、JIS K7210-1:2014に基づいて測定した230℃におけるMFRが7g/10min以上であることが好ましく、このようなポリプロピレン樹脂(B)の具体的な例としては、プライムポリマー社製のJ-2021GRP,J-3021GRPや日本ポリプロ社製のWFW5T、WFX4M、WXK1233、WFX4TA、WFW4M、WMG3B、WMH02、WSX03、WMX03、WSX02、WMG03、WMG03UXが挙げられ、結晶性ポリエステル樹脂(A)との相溶性の観点から、WXK-1233、WSX03、WMG03、WFW4M、WMX03、WMX03UX、J-2021GRP,J-3021GRPが特に好ましい。上記のポリプロピレン樹脂(B)を含むことで、混練時の結晶性ポリエステル樹脂(A)との溶融粘度差を小さくすることができるため、均一に混練、分散することができる。その結果、シート表面も平滑となり、外観や耐油性の向上につながる。
本発明の熱可塑性樹脂シートにおける結晶性ポリエステル樹脂(A)/ポリプロピレン樹脂(B)の質量比は40~99/1~60あることが好ましく、42~97/3~58であることがより好ましく、44~95/5~56の比であることがさらに好ましい。上記範囲内とすることで、耐油性、接着性を満足させることができる。
本発明の熱可塑性樹脂シートにおいては、結晶性ポリエステル樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の融点の差は50℃以内であることが好ましい融点の差は、より好ましくは45℃以内、さらに好ましくは40℃以内、特に好ましくは35℃以内である。上記範囲内とすることで、溶融混練時の粘度差を低減させることができ、均一に混練・分散することができる。その結果、シート表面も平滑になるため、接着性や耐油性の向上につながる。
<接着付与剤(C)>
本発明の熱可塑性樹脂シートにおいては、接着付与剤(C)を含有することを必須とする。接着付与剤の代表的なものとして、テルペンフェノール樹脂、テルペン樹脂(α-ピネン、β-ピネン、リモネンなどの重合体)、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂などのテルペン系樹脂、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、マレイン化ロジン、ロジンエステル等のロジン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂等の石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、スチレン系樹脂、アルキルフェノール、フェノールキシレンホルムアルデヒド、ロジン変性フェノール樹脂等のフェノール樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を併せて用いることができる。これらのうち、特に、高い接着力を発揮させるためには結晶性ポリエステル樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)に対して相溶性が良いものが好ましい。具体的には、テルペンフェノール樹脂、テルペン樹脂、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、エポキシ樹脂、石油樹脂、ロジン系樹脂、水添石油樹脂が特に好ましく、結晶性ポリエステル樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)との相溶性の観点からテルペン系樹脂が好ましく、テルペンフェノール樹脂、テルペン樹脂が特に好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂シートにおける接着付与剤(C)の含有量は、結晶性ポリエステル樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の合計量を100質量部とした時に、1~300質量部が好ましく、5~200質量部がより好ましく、10~100質量部以上がさらに好ましく、15~80質量部が特に好ましい。接着付与剤(C)の配合量を1質量部以上とすることで、接着性の向上や、接着付与剤が結晶性ポリエステル樹脂とポリプロピレン樹脂との相溶化剤として作用し、混練状態が良好となる結果、接着性が向上する。また、300質量部以下とすることで、結晶性ポリエステル樹脂(A)およびポリプロピレン樹脂(B)の有する耐油性、接着性を損なうことがない。
<スチレン系熱可塑性エラストマー(D)>
本発明の熱可塑性樹脂シートにおいては、スチレン系熱可塑性エラストマー(D)を含有することを必須とする。スチレン系熱可塑性エラストマー(D)を含有することで、結晶性ポリエステル樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の相溶性を向上させることができる。その結果、シートとしての表面平滑性が向上し、シート表面の凹凸や欠陥部から油剤が浸透することを防ぐことができるため、耐油性が向上する。スチレン系熱可塑性エラストマー(D)は、スチレン系ブロック共重合体、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体などのスチレン系エラストマーのことを指す。上記の中でも、結晶性ポリエステル樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の相溶性を付与するといった観点から、スチレンとブタジエンのブロックコポリマーや、スチレンとブタジエンからなるブロック共重合体の二重結合部分を水素添加したエラストマーを含有することが特に好ましい。このようなスチレン系熱可塑性エラストマーの具体例としては、アサプレン、タフプレン、アサフレックスや、タフテックH、タフテックM、タフテックP(以上、旭化成社製)などが挙げられる。上記の中でも結晶性ポリエステル樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の相溶性を上げるという観点では、スチレン含量の低いものが好ましく、具体的にはスチレン含量が30質量%以下であるタフテックH1221,H1521,H1943、H1062、H1052,H1053、H1041、M1943,M1911がより好ましく、その中でもスチレン含量が20質量%以下であるH1221,H1521、H1062、H1052、M1943が特に好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂シートにおけるスチレン系可塑性エラストマー(D)の含有量は、結晶性ポリエステル樹脂(A)およびポリプロピレン樹脂(B)の合計量を100質量部とした時に、21~100質量部であることが好ましく、22~90質量部がより好ましく、23~80質量部がさらに好ましい。スチレン系可塑性エラストマー(D)の含有量を21質量部以上とすることで結晶性ポリエステル樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)との相溶性を向上させることができ、その結果、混練時にサージングが生じず、ストランド表面、ペレット表面状態が良好となる。100質量部以下とすることで、ペレット同士のブロッキングを抑制することができる。
<ポリエチレン樹脂(E)>
本発明の熱可塑性樹脂シートは、さらにポリエチレン樹脂(E)および無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(F)の少なくとも一方を含有することが好ましい。これらの成分を含有すると、結晶性ポリエステル樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)との相溶化を促進することができ、ストランド表面、ペレット表面状態が良好となる他、接着性の向上にも寄与する。ポリエチレン樹脂(E)および無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(F)は、熱可塑性樹脂シート中にいずれか1つを有すればよいが、ポリエチレン樹脂(E)および無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(F)の双方を含有してもよく、双方を含有することで相乗効果的に前記の効果をさらに向上させることもできる。
本発明に用いるポリエチレン樹脂(E)は主たる構成単位としてエチレンを有する樹脂であり、超低密度のポリエチレン樹脂であることが好ましい。低密度のポリエチレン樹脂を使用することによって、結晶性ポリエステル樹脂(A)、ポリプロピレン樹脂(B)、接着付与剤(C)およびスチレン系熱可塑性エラストマー(D)を含む熱可塑性樹脂シートに対して、ポリエチレン樹脂(E)を容易に微分散・混合することができる。また、シート作製時の残存応力の経時的な緩和に作用し、接着性の向上に寄与する。このような特性を有するポリエチレン樹脂(E)としては、ポリエチレンおよびエチレン共重合体が、接着性を向上させる観点で特に好ましい。具体的には低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレンプロピレンエラストマー、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-酢酸ビニル-無水マレイン酸三元共重合体、エチレン-アクリル酸エチル-無水マレイン酸三元共重合体、エチレン-メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン-酢酸ビニル-メタクリル酸グリシジル三元共重合体、エチレン-アクリル酸メチル-メタクリル酸グリシジル三元共重合体等が挙げられる。中でも、線状低密度ポリエチンが好ましく、具体的には住友化学社製のエクセレン、スミカセン、宇部丸善ポリエチレン社製のユメリット、東ソー社製のルミタック、ニポロン、日本ポリエチレン社製のノバテック、カーネル、ハーモレックス、プライムポリマー社製のウルトゼックス、ネオゼックス、エボリューなどが挙げられ、その中でもエクセレンVLシリーズのEUL731、VL100、VL102、VL200、VL700、EUL830が好ましい。ポリエチレン樹脂(E)にはカルボキシル基、グリシジル基等の極性基を含んでいても何ら問題はない。
本発明の熱可塑性樹脂シートにおけるポリエチレン樹脂(E)の含有量は、結晶性ポリエステル樹脂(A)およびポリプロピレン樹脂(B)の合計量を100質量部としたときに、1~200質量部であることが好ましく、3~190質量部がより好ましく、5~180質量部がさらに好ましい。ポリエチレン樹脂(E)の含有量を1質量部以上とすることで相溶化剤的な効果が得られ、発生応力を低下することができる。一方、200質量部以下とすることで基材への接着性の低下を抑制することができる。
<無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(F)>
本発明の熱可塑性樹脂シートは、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(F)を含むことで、結晶性ポリエステル樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)との相溶性を向上させることができる他、本発明の熱可塑性樹脂シートの基材に対する接着性を向上させることができる。無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(F)としては、具体的には、東洋紡社製「ハードレン」、三菱ケミカル社製「モディック」、三井化学社製「アドマー」、「ユニストール」、三洋化成工業社製「ユーメックス」などが挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂シートにおける無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(F)の含有量は、結晶性ポリエステル樹脂(A)およびポリプロピレン樹脂(B)の合計量を100質量部としたときに、1~100質量部であることが好ましく、3~90質量部がより好ましく、5~80質量部がさらに好ましい。無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(F)の含有量を1質量部以上とすることで各種基材への接着性を向上させることができる。一方、100質量部以下とすることで結晶性ポリエステル樹脂(A)に対する相溶性の悪化を抑えることができる。
本発明の熱可塑性樹脂シートの表面におけるジヨードメタンの接触角は45°以上が好ましい。ジヨードメタンの接触角は、耐油性の指標とすることができる。ジヨードメタンの接触角が高いほど、耐油性が良好であり、より好ましくは50°以上、さらに好ましくは55°以上とすることで耐油性を向上させることができる。上限は特に設けないが、65°以下とすることで、接着性の悪化を抑えることができる。
<相溶化剤>
本発明の熱可塑性樹脂シートにおいては、相溶化剤と言われるものを添加しても何ら問題はない。具体的な相溶化剤の例としては、ポリエチレンにカルボン酸や水酸基などを付与した樹脂などが挙げられる。具体的な例としては、マリコン(旭化成社製)、エポクロス(日本触媒社製)などが挙げられる。相溶化剤の含有量としては、結晶性ポリエステル樹脂(A)およびポリプロピレン樹脂(B)の合計量を100質量部とした時に、0.1~50質量部であることが好ましく、0.5~40質量部がより好ましく、1~35質量部がさらに好ましい。相溶化剤の含有量を0.1質量部以上とすることで結晶性ポリエステル樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)との相溶性を向上させることができ、50質量部以下とすることで、接着性の低下を抑制することができる。
<離型剤>
本発明の熱可塑性樹脂シートにおいては、さらに離型剤を配合しても良い。熱可塑性樹脂シートに離型剤を配合することにより、シート作製時にダイやガイドの離型性を向上させることができる。その他、シート作製時の加工温度を下げたり、時間を短くできるため、生産性を改善することができる。
離型剤としては例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタムなどの石油系ワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバ油などの植物系ワックス、みつろう、ラノリン、鯨ろうなどの動物系ワックス、モンタンワックスやオゾケライトなどの鉱物系ワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリプロピレンワックスなどの合成炭化水素系ワックス(オレフィン系ワックス)、12-ヒドロキシステアリン酸やステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスベヘン酸アマイド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド、エチレンビスラウリン酸アマイド、N,N’-ジステアリルアジピン酸アマイド、N-ヒドロキシエチル-12-ヒドロキシステアリルアミド、N,N’-エチレン-ビス-12-ヒドロキシステアリルアミド、N,N’-ヘキサメチレン-ビス-12-ヒドロキシステアリルアミド、N,N’-キシリレン-ビス-12-ヒドロキシステアリルアミドなどの油脂系合成ワックス(アマイド系ワックス)、モンタンワックス誘導体やパラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体などの変性ワックス、その他、四フッ化エチレン(PTFE)系ワックスなどのフッ素変性ワックスやライスブランワックス、メタロセンワックス、部分ケン化ワックス、エステルワックス、高級脂肪酸ワックス、高級脂肪酸エステルワックス、フィッシャー・トロプシュワックス等が挙げられる。上記離型剤は単独で用いても、2種以上併用して用いても何ら問題はない。これらの中でも、アマイド系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスが好ましい。具体的には、スリパックスO、スリパックスH(以上、三菱ケミカル社製)、ITOHWAX J-530、J-630、J-700(以上、伊藤製油社製)などのアマイド系ワックス、サンワックス161-P、サンワックス131-P、サンワックス151-P、サンワックス171-Pなどの低分子量ポリエチレンワックス、ビスコール330-P、ビスコール440-P、ビスコール550-P、ビスコール660-P(以上、三洋化成工業社製)、が結晶性ポリエステル樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)を含む熱可塑性樹脂シートとの相溶性の観点から好ましく、接着性を損なわずに生産性を向上させることができる。
本発明の熱可塑性樹脂シートにおける離型剤の配合量は金型離型性と接着性の観点から、結晶性ポリエステル樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の合計量を100質量部としたときに、0.05~20質量部であることが好ましく、0.1~15質量部であることがより好ましく、0.15~10質量部であることがさらに好ましい。離型剤の配合量を0.05質量部以上とすることで、離型性を改善することができ、20質量部以下とすることで、接着性の低下を抑制することができる。
離型剤の形状はパウダー状、粒状、または顆粒状のいずれかの形状あることが好ましい。パウダー状、粒状、または顆粒状であることで、結晶性ポリエステル樹脂(A)、およびポリプロピレン樹脂(B)に容易に分散させることができる。より好ましくはパウダー状である。板状等では投入しやすい形状に粉砕する必要があり、生産工程に時間を要する他、コストアップにもつながることがある。また、その平均粒子径としては、100nm~20mmが好ましい。より好ましくは200nm~10mmであり、さらに好ましくは500nm~1mmであり、一層好ましくは1μm~100μmであり、特に好ましくは2μm~80μmである。100nm以上であればワックス投入時(仕込み時)に浮遊することがないため、生産工程上好ましい。また、20mm以下とすることで例えば二軸押出機で混錬する時に追加の粉砕が不要になり、生産工程上好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂シートには、耐久性等を改良する目的で、結晶性ポリエステル樹脂(A)、ポリプロピレン樹脂(B)、接着付与剤(C)、スチレン系熱可塑性エラストマー(D)、ポリエチレン樹脂(E)、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(F)、相溶化剤、離型剤以外のポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エチレンビニルアセテート樹脂、フェノール樹脂等の他の樹脂、イソシアネート化合物、メラミン等の硬化剤、タルクや雲母等の充填材、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料を本発明の効果を損ねない範囲で配合しても全く差し支えない。配合量としては結晶性ポリエステル樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の合計量を100質量部としたときに、0.1~50質量部であることが好ましく、0.5~40質量部がより好ましく、1~35質量部がさらに好ましい。0.1質量部以上とすることで機械強度などを改善することができ、50質量部以下とすることで、相溶性の悪化を抑制することができる。
さらには本発明の熱可塑性樹脂シートが高温高湿度環境に長期間曝される場合には、酸化防止剤を添加することが好ましい。例えば、ヒンダードフェノール系として、ペンタエリスリチル・テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,1,3-トリ(4-ヒドロキシ-2-メチル-5-t-ブチルフェニル)ブタン、1,1-ビス(3-t-ブチル-6-メチル-4-ヒドロキシフェニル)ブタン、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパノイック酸、ペンタエリトリチルテトラキス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-5-メチル-ベンゼンプロパノイック酸、3,9-ビス[1,1-ジメチル-2-[(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニロキシ]エチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、リン系として、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシベンジル)、3,9-ビス(p-ノニルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジフォスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス(オクタデシロキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジフォスファスピロ[5.5]ウンデカン、トリ(モノノニルフェニル)フォスファイト、トリフェノキシフォスフィン、イソデシルフォスファイト、イソデシフェニルフォスファイト、ジフェニル2-エチルヘキシルフォスファイト、ジノニルフェニルビス(ノニルフェニル)エステルフォスフォラス酸、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ジトリデシルフォスファイト-5-t-ブチルフェニル)ブタン、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイト、ペンタエリスリトールビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニルフォスファイト)、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)2-エチルヘキシルフォスファイト、ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、チオエーテル系として4,4’-チオビス[2-t-ブチル-5-メチルフェノール]ビス[3-(ドデシルチオ)プロピオネート]、チオビス[2-(1,1-ジメチルエチル)-5-メチル-4,1-フェニレン]ビス[3-(テトラデシルチオ)-プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス(3-n-ドデシルチオプロピオネート)、ビス(トリデシル) チオジプロピオネートが挙げられ、これらを単独に、または複合して使用できる。これらの中でも特に、結晶性ポリエステル樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)双方に寄与する酸化防止剤として、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシベンジル)、ペンタエリスリチル・テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートが特に好ましい。添加量は結晶性ポリエステル樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の合計量を100質量部としたときに、0.01~20質量部であることが好ましく、0.05~15質量部であることがより好ましく、0.1~10質量部であることがさらに好ましい。0.01質量部以上添加することで熱劣化防止効果を発現することができる。20質量部以下とすることで接着性を低下させることがない。
本発明の熱可塑性樹脂シートには、無機物を添加することができる。無機物としては炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化タングステン、炭化クロム、炭化モリブテン、炭化カルシウム、ダイヤモンドカーボンラクタム等の各種炭化物;窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム等の各種窒化物、ホウ化ジルコニウム等の各種ホウ化物;酸化チタン(チタニア)、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム等の各種酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等の各種チタン酸化合物;二硫化モリブデン等の硫化物;フッ化マグネシウム、フッ化炭素等の各種フッ化物;ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の各種金属石鹸;その他、滑石、ベントナイト、タルク、炭酸カルシウム、ベントナイト、カオリン、ガラス繊維、雲母、モンモリロナイト、無機イオン捕捉剤等を用いることができる。これらの無機物を添加することによって、耐熱性、さらには機械的強度を向上させることが可能となる場合がある。
さらには本発明の熱可塑性樹脂シートには樹脂分解抑制剤としてカルボジイミド等を適宜使用することもできる。
本発明の熱可塑性樹脂シートには難燃性を付与するために難燃剤を添加しても良い。難燃剤の種類としては特に限定されないが、臭素化ポリスチレン、リン酸エステル、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、メラミンシアヌレート、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハロゲン系化合物、三酸化アンチモン、熱膨張性黒鉛、赤燐などが挙げられる。難燃剤の含有量は、難燃性付与の観点から、結晶性ポリエステル樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の合計量を100質量部としたときに、10~80質量部であることが好ましく、20~70質量部であることがより好ましく、30~60質量部であることがさらに好ましい。10質量部以上とすることで難燃性付与効果を発現することができ、80質量部以下とすることで接着性の低下を抑えることができる。
さらに本発明の熱可塑性樹脂シートには、本発明の効果を損なわない範囲内で公知の各種添加剤を使用することができる。添加剤としては、衝撃改良材、摺動性改良材、着色剤、可塑剤、チキソ性付与剤、加水分解防止剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、ポリエステル以外の熱可塑性樹脂などが挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂シートに添加剤を配合する方法としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、各成分のドライブレンドを行ったり、または、2軸スクリュー型の押出機を用いて各構成成分を溶融混練する方法を挙げることができる。
<熱可塑性樹脂シート>
本発明の熱可塑性樹脂シートは結晶性ポリエステル樹脂(A)、ポリプロピレン樹脂(B)、接着付与剤(C)およびスチレン系熱可塑性エラストマー(D)を含有する。上記の成分を用いて熱可塑性樹脂シートを作ることで、ローラやガイド等への離型性が向上し、さらには耐油性良好なホットメルト接着フィルム、接着シート、電気電子部品などの封止シートとして好適に用いることができる。
本発明の熱可塑樹脂シートは厚みは特に限定されず、厚みが200μm以下のいわゆるフィルムと呼ばれる厚みのものも本発明の範囲に包含される。本発明の熱可塑性樹脂シートの作製方法としては、例えばTダイ法やヒートプレスなどが挙げられ、フィルム程度の厚みで作製する場合は、例えばTダイ法、インフレーション成形法などが用いられる。
本発明の熱可塑性樹脂シートを用いて、自動車、通信、コンピュータ、家電用途各種のコネクター、ハーネス、電子部品、スイッチ、プリント配線基板、加飾、各種検知センサー等の電気電子部品の接着や封止などを行う際にはヒートシーラー等で温度、圧力をかけてプレスを行っても良いし、例えば、真空成形、または真空・圧空成形真空圧着により貼り合わせても良い。本発明の熱可塑性樹脂シートを用いて真空成形、または真空・圧空成形真空圧着を行うことで、凹凸がある基材や、複雑な形状の基材、電子部品等に対しても追従性良く、貼り合わせることができる。
本発明をさらに詳細に説明するために以下に実施例、比較例を挙げるが、本発明は実施例によってなんら限定されるものではない。尚、実施例、比較例に記載された各測定値は次の方法によって測定したものである。
<融点、ガラス転移温度の測定>
結晶性ポリエステル樹脂(A)、ポリプロピレン樹脂(B)の融点は、セイコー電子工業社製の示差走査熱量分析計「DSC220型」にて、測定試料5mgをアルミパンに入れ、蓋を押さえて密封し、一度20℃/minの昇温速度で250℃まで加熱し、溶融した。次いで、液体窒素を用いて20℃/minで-130℃まで冷却し、5分ホールドした後、-130℃から250℃まで、20℃/minの昇温速度で測定した。得られた曲線においての図1に示したようなDSCで変極点が表れる部分の変極点前のベースラインから得られる接線(1)と変極点後のベースラインから得られる接線(2)の交点をガラス転移温度(Tg)、吸熱ピークの極小点(図内×印)を融点(Tm)とした。
尚、複数のピークが現れた場合は、最も高い温度での吸熱ピークの極小点を融点(Tm)と定義した。
<数平均分子量の測定>
結晶性ポリエステル樹脂のサンプル0.0050gをクロロホルム5mlで加熱溶解し、メンブレンフィルターにてろ過し、不溶分を除去した。その後、ろ液(サンプル溶液)80μlを日立ハイテクフィールディング社製のゲル浸透クロマトグラフ(GPC)「EZChrom Elite for Hitachi」にて測定し、数平均分子量を求めた。標準物質としてポリスチレン溶液を調製し、GPC較正曲線用試料とした。
<混練状態の評価>
表2、3に示す配合比で、各原料をドライブレンドにて均一混合した後、二軸押出機TEM-26SS(芝浦機械社製)の主供給口に供給した。そして、スクリュー回転数300rpm、押出温度を250℃に設定し、溶融混練を行い、ダイオリフィスからストランド状に引き取った樹脂組成物を水浴を通して冷却固化し、ペレタイザーでカッティングしてペレットを得た。ストランド状に引き取った際のサージングの状態およびストランド表面、ペレット表面の状態を観察し、混練状態を評価した。
<評価基準>
◎:サージングは生じず、ストランド表面にザラザラ感がなく、ペレタイズ後のペレット表面にもザラザラ感がない。
〇:サージングは生じないが、ストランド表面および/またはペレタイズ後のペレット表面にザラザラ感がある。
△:サージングが生じ、ストランド表面および/またはペレタイズ後のペレット表面にザラザラ感がある。
×:サージングが生じ、ストランドを引くことができない。
<熱可塑性樹脂シートの作製>
上記<混練状態の評価>で得たペレットを、ヒートプレス(テスター産業社製SA-302卓上型テストプレス)を用いて、以下の条件で熱可塑性樹脂シートを作製した。
温度:210℃
圧力:30MPa
プレヒート60秒、プレス時間30秒
厚み:100μm
<接触角の評価>
25℃、相対湿度50%の条件下で接触角計(協和界面科学社製、全自動接触角計 DM-701)を用いて、上記記載の熱可塑性樹脂シートにジヨードメタン(液滴量0.9μL)の液滴を作成しその接触角を測定した。接触角は熱可塑性樹脂シート上に滴下後30秒後の接触角を測定し、5回測定した値の平均値とした。
<評価基準>
◎:接触角 51°以上
〇:接触角 48°以上、51°未満
△:接触角 45°以上、48°未満
×:接触角 45°未満
<耐油性の評価(切削油浸漬後の膨潤率)>
上記作製した熱可塑性樹脂シートを100mm×50mmの大きさに3枚切り出した。次いで、切削油(日興キャスティ社製 ハングスターファーS-500)に上記熱可塑性樹脂シートの試験片を常温(約25℃)で4週間浸漬し、取り出し直後に試験片の全長(約100mm)をノギスで測定し、切削油膨潤率を下記式により求めた。

切削油膨潤率(%)=(浸漬後の試験片の全長(mm)-浸漬前の試験片の全長(mm))÷浸漬前の試験片の全長(mm)×100

<評価基準>
○:切削油膨潤率 0.5%未満
△:切削油膨潤率 0.5%以上1.0%未満
×:切削油膨潤率 1.0%以上
<ヒートシール強度の評価>
上記作製した熱可塑性樹脂シートを10mm×60mmの大きさに切り出し、銅箔および、被着体(PP(ポリプロピレン)、ガラエポ、PBT基板)の間に挟みこみ、ヒートシーラー(テスター産業社製TP-701-B)を用いて、以下の条件でヒートシールを行い、接着評価シートを作成した。
圧力:0.3MPa
時間:15秒
シールバー:10mm(幅)
温度:170℃
被着体:
ポリプロピレン基板:(プライムポリマー社製V7200(ガラスフィラー20質量%含有)、75mm×25mm 厚み1.6mm)
ガラエポ基板(サンハヤト社製No.34、片面銅張ガラスエポキシ基板、75mm×25mm 厚み1.6mm)、
PBT基材(ポリブチレンテレフタレート(GF(ガラス繊維)30質量%含有) ポリプラスチック社製:ジュラネックス 3300、75mm×25mm 厚み2.0mm)
次いで、前記接着評価シートを23℃、相対湿度50%の雰囲気下にて24時間保管した。次いで、オートグラフ(株式会社島津製作所社製AG-IS)を用いて、被着体を固定し、ヒートシールされていない銅箔部分を掴んで、被着体と熱可塑性樹脂シートを剥離させ、90度剥離強度を測定した。引張速度は50mm/分とした。
<評価基準>
◎:90度剥離強度 10N/10mm以上
○:90度剥離強度 8N/10mm以上、10N/10mm未満
△:90度剥離強度 6N/10mmmm以上、8N/10mm未満
×:90度剥離強度 6N/10mm未満
<結晶性ポリエステル樹脂の製造例>
結晶性ポリエステル樹脂(A1)の製造例
撹拌機、温度計、溜出用冷却器を装備した反応缶内にテレフタル酸166質量部、1,4-ブタンジオール180質量部、テトラブチルチタネート0.25質量部を加え、170~220℃で2時間エステル化反応を行った。エステル化反応終了後、数平均分子量1000のポリテトラメチレングリコール「PTMG1000」(三菱ケミカル社製)を300質量部とヒンダードフェノール系酸化防止剤「イルガノックス1330」(BASFジャパン社製)を0.5質量部投入し、245℃まで昇温する一方、系内をゆっくり減圧にしてゆき、60分かけて245℃で665Paとした。そしてさらに133Pa以下で60分間重縮合反応を行い、結晶性ポリエステル樹脂A1を得た。この結晶性ポリエステル樹脂A1のガラス転移温度は-65℃、融点は160℃、数平均分子量は24000であった。
結晶性ポリエステル樹脂A2~A8は、原料の種類および量、反応時間を変更した以外は結晶性ポリエステル樹脂A1と同様な方法により合成した。それぞれの組成及び物性値を表1に示す。
Figure 2023026099000001
表1中の略号は以下の通りである。
TPA:テレフタル酸、NDC:2,6-ナフタレンジカルボン酸、IPA:イソフタル酸、DA:ダイマー酸、AA:アジピン酸、BD:1,4-ブタンジオール、EG:エチレングリコール、PTMG1000:ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量1000)、PTMG2000:ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量2000)、CHDM:1,4-シクロヘキサンジメタノール
<実施例1>
結晶性ポリエステル樹脂として結晶性ポリエステル樹脂A1を68質量部、ポリプロピレン樹脂B1を32質量部、接着付与剤C1として、TO125を22質量部、スチレン系熱可塑性エラストマーD1としてタフテックH1221を47質量部添加し、均一に混合した後、二軸押し出し機を用いてダイ温度230℃において溶融混練することによって樹脂組成物1を得た。別記した方法により、樹脂組成物1の混練状態、および熱可塑性樹脂シートの耐油性、接着性を評価した。結果を表2に示した。
<実施例2~28、比較例1~12>
各成分の種類および配合量を表2および表3に記載の組み合わせに従った以外は実施例1と同様に結晶性ポリエステル樹脂とポリプロピレン樹脂を含む樹脂組成物2~40を作製し、各項目の評価を行った。評価結果を表2および表3に示した。
Figure 2023026099000002
Figure 2023026099000003
表2、表3中の略号は以下の通りである。
ポリプロピレン樹脂B1:WXK1233、日本ポリプロ社製、融点125℃
ポリプロピレン樹脂B2:WSX03、日本ポリプロ社製、融点125℃
接着付与剤C1:TO125、ヤスハラケミカル社製、変性テルペン樹脂
接着付与剤C2:T130、ヤスハラケミカル社製、テルペンフェノール樹脂
接着付与剤C3:KR85、荒川化学工業社製、超淡色ロジン
スチレン系熱可塑性エラストマーD1:タフテックH1221、旭化成社製、水添スチレン-エチレン-ブチレン共重合体
スチレン系熱可塑性エラストマーD2:タフテックH1521、旭化成社製、水添スチレン-エチレン-ブチレン共重合体
ポリエチレン樹脂E1:エクセレン(登録商標)VL EUL731、住友化学社製、α-オレフィン共重合超低密度ポリエチレン
無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂F1:PMA-H1100P、東洋紡社製
表2の実施例に示すように、本発明の結晶性ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、接着付与剤、スチレン系熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性樹脂シートは、混錬状態が良好であり、接触角も高く、耐油性、接着性が良好であった。
一方、表3の比較例1~12では、熱可塑性樹脂シートが結晶性ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、接着付与剤、スチレン系熱可塑性エラストマーのいずれかを有していないため混錬状態、接触角、耐油性、接着性の全てを満たすことはできなかった。
本発明の結晶性ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、接着付与剤およびスチレン系熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性樹脂シートは、各種基材に対する接着性や耐油性が良好であるため、自動車、通信、コンピュータ、家電用途各種のコネクター、ハーネス、電子部品、スイッチ、プリント配線基板、さらには体重検知センサーや着座センサーなどのセンサー類の電気電子部品の接着や封止、加飾用に用いられる熱可塑性樹脂シートとして有用である。

Claims (9)

  1. 結晶性ポリエステル樹脂(A)、ポリプロピレン樹脂(B)、接着付与剤(C)およびスチレン系熱可塑性エラストマー(D)を含む熱可塑性樹脂シート。
  2. シート表面のジヨードメタン接触角が45°以上である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂シート。
  3. 結晶性ポリエステル樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の質量比(結晶性ポリエステル樹脂(A)/ポリプロピレン樹脂(B))が、40~99/1~60の範囲である、請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂シート。
  4. 結晶性ポリエステル樹脂(A)が構成成分として多価カルボン酸成分を有し、全多価カルボン酸成分量を100モル%としたとき、多価カルボン酸成分としてテレフタル酸および2,6-ナフタレンジカルボン酸のいずれかまたは両方の合計を60モル%以上有する、請求項1~3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂シート。
  5. 結晶性ポリエステル樹脂(A)が、30℃以下のガラス転移温度、220℃以下の融点、および8,000~40,000の数平均分子量を有する、請求項1~4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂シート。
  6. 結晶性ポリエステル樹脂(A)とポリプロピレン樹脂(B)の合計量を100質量部としたとき、スチレン系熱可塑性エラストマー(D)を21~100質量部含有する、請求項1~5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂シート。
  7. 接着付与剤(C)がテルペン樹脂およびテルペンフェノール樹脂の少なくとも一方を含有する、請求項1~6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂シート。
  8. さらにポリエチレン樹脂(E)および無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(F)の少なくとも一方を含有する、請求項1~7のいずれかに記載の熱可塑性樹脂シート。
  9. 結晶性ポリエステル樹脂(A)の融点とポリプロピレン樹脂(B)の融点との差が50℃以内である、請求項1~8のいずれかに記載の熱可塑性樹脂シート。
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