JP2016166011A - 自動車の熱交換器装置及び空調システム - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明は、熱交換器装置を備えた、自動車の客室の空気を調和する空調システムに関する。空調システムは、空気を誘導するための第1フローチャネルと第2フローチャネルとを備えたハウジング、並びに第1熱交換器と、圧縮機と、熱交換器装置の熱交換器に相当する第2熱交換器と、膨張素子とを備えた冷媒回路を有し、第1熱交換器は第1フローチャネルに配置され、第2熱交換器は第2フローチャネルに配置されている。
さらに、本発明は、冷却設備運転及び加熱運転、並びに再熱運転で客室の空気を調和する再熱運転のために空調システムを作動させる方法に関する。
網面とは、熱交換器の入口若しくは出口における空気の流れ方向に対して実質的に垂直に向けられた面と解され、流面とも呼ばれる。その場合、網面は、熱交換器のリブ付き、若しくはリブが形成された領域を備え、且つ空気側の流断面に相当する。
その場合、奥行きとは、空気の流れ方向の熱交換器の厚さ、若しくは空気側の流長さと解される。従来技術から公知の凝縮器の奥行の値は、12mm〜16mmの範囲である。空気側の流長さが小さく空気量が多いことに基づいて、空気質量流は、凝縮器を貫流する際に、その全体がほんの少しだけ暖められる。その場合、圧縮機の冷媒側入口領域の空気質量流は、凝縮温度よりも高い温度の冷媒の加熱に基づいて、冷媒がすでに凝縮されて場合によっては過冷却された状態になる凝縮器の冷媒側出口領域よりもはるかに強く暖められる。
グリコール・空気ヒートポンプも内燃機関の冷却剤を利用するが、それは熱源としてである。その場合、熱は、冷却剤から取り出される。その結果、内燃機関は、低温でより長時間運転され、このことが排ガスの排出及び燃費に悪影響を及ぼす。ハイブリッド車では内燃機関を間欠的に作動させるので、作動時間が比較的長い場合でも冷却剤が十分に高い温度に達しない。その結果として、周囲温度が低いと内燃機関の始動・停止運転が中断される。内燃機関はスイッチオフされない。
「リヒート」若しくは再熱運転において、客室に給送された空気が冷却され、その際に除湿され、続いて、除湿された空気がわずかに加熱される。この運転モードにおいて、必要な再熱出力は、大抵の場合、空気を冷却及び除湿するために必要な冷却出力よりも小さい。
従来技術によれば、ヒートポンプシステムにおいて、エンジン冷却回路の冷却剤が貫流する熱交換器の取付けスペースを有する凝縮器が用いられる。この理由から、凝縮器は約40mmの構造奥行、及び約4dm2の流面を有する多列式、例えば2列の交差向流熱交換器として形成されている。約40mmの構造奥行と約4dm2の流面とを有する凝縮器は、2列式交差向流熱交換器としての運転時に250kg/h〜400kg/hの範囲の空気質量流を、冷媒の凝縮温度よりも低い約5K〜15Kの温度に暖めることができる。
従来技術において公知の、冷却設備運転用の凝縮器の構造が大きいために、すなわち、空気側の流断面が大きいために、自動車において冷却モジュール以外の他の領域に配置することはほとんど不可能である。
その一方で、ヒートポンプ運転用に設計された凝縮器の構造では、冷却設備運転のために必要な出力が伝達不可能である。それに加えて、空気質量流は、冷媒の凝縮温度に加熱できず、まして冷媒の凝縮温度よりも高い温度に加熱することなどできない。
本発明のさらに別の課題は、加熱機能を有する、特に自動車において使用するための空調システムを提供することである。空調システムの冷媒回路は、最小限の数の構成部品のみで形成され、従って低コストで、且つ保守の手間がかからないものでなければならない。それに加えて、空調システムは、調和されるべき客室の空気を加熱、冷却、及び除湿する、冷却設備運転とヒートポンプ運転との組合せ、及び再熱運転のために形成されていなければならない。その場合、例えば、エネルギー効率のよい内燃機関、又は内燃機関と電気モータとからなるハイブリッド駆動装置の場合など容量の熱源を有する周囲環境、又は、例えば、電気的に駆動される自動車の場合など、駆動装置からの熱源が無い場合にも、客室における快適な空調のすべての要求を満たす運転が可能であるべきである。空調システムは、空気に熱を放出するための熱交換器装置を用いて非常に効率的に作動可能であるべきである。本発明は、さらに、特に再熱運転において効率的な運転を可能にする空調ステムを作動させる方法を提供することに基づく。
冷媒・相分離要素として、液体分離器が組み込まれたコレクタが使用されることが好ましい。
第2変形実施形態では、凝縮器として作動される熱交換器は、複数の管列の少なくとも1つの列が、複流式であるように形成される。その場合、冷媒は、1つの管列の幾つかの管を通って第1方向に誘導される一方で、同じ管列の別の管を通って第1方向とは逆の第2方向に流れる。その場合、冷媒は、管列の管を通ってそれぞれ平行に流れる。
空気ガイド機構による分割は、第1変形実施形態により制御可能である。制御とは、0%〜100%の分割の無段調節と解される。第2変形実施形態により、分割は静的であり、従って、制御可能でないか、若しくは調節可能でない。
熱交換器の熱交換面は、全面積の0%〜30%、若しくは100%〜70%に分割されることが好ましい。
−ヒートポンプ運転において、有利にも
−+10℃よりも低い好ましくは0℃よりも低い凝縮器への空気流入温度の100kg/hを上回る、好ましくは約250kg/hの空気質量流が、冷媒回路内の冷媒の凝縮温度よりも高い、好ましくは凝縮温度より10Kよりも高い温度に暖められ、
−例えば、250kg/h、及び凝縮器への空気流入温度が−20℃の空気質量流が、冷媒回路内の冷媒の凝縮温度より15K高い温度に加熱され、且つ、
−1kW〜8kWの範囲の出力が伝達され、その場合、例えば、−10℃の周囲温度で、2kW〜6kWの範囲、好ましくは3.5kW〜4.5kWの範囲の出力が伝達可能であり、且つ、
−冷却設備運転において、有利にも
−凝縮器への空気流入温度が+10℃を上回る、好ましくは+30°を上回る、2000kg/hよりも小さく、好ましくは約1000kg/hの空気質量流が、凝縮温度よりも高い、好ましくは冷媒回路内の冷媒の凝縮温度よりも10Kよりも高い温度に暖められ、且つ、
−2kWよりも高い出力が伝達され、その場合、例えば、+30°よりも高い周囲温度で、2kW〜15kWの範囲の出力、好ましくは約10kWの出力が伝達可能である。
−第1部分空気質量流と第2部分空気質量流とを空調システムに導入するステップと、
−蒸発器として形成及び作動される第1熱交換器を流れた後の第2部分空気質量流を、再熱のための部分空気質量流と冷気質量流とに分割するステップと、
−第1部分空気質量流と再熱のための部分空気質量流とを、凝縮器として形成及び作動される第2熱交換器の熱交換面を流れる際に、冷媒の凝縮温度よりも高い温度に暖めるステップであって、
−第1部分空気質量流が加熱され、
−再熱のための部分空気質量流が再熱され、且つ
−熱出力が空気側で制御される、ステップと、
−第1部分空気質量流を自動車の周囲に導出するステップと、
−再熱された部分空気質量流を予め調和された冷気質量流と混合するステップであって、 −冷気質量流が、蒸発器として形成及び作動される第1熱交換器を流れる際に冷却及び/又は除湿され、
−第2熱交換器を用いて伝達される再熱のための熱出力が第2部分空気質量流の配分比率を介して制御され、
−混合された空気質量流の温度が、空気質量流中に配置された温度センサによって検出され、且つ凝縮器内の冷媒の圧力レベルを介して制御されるステップと、
−混合された第2部分空気質量流を客室に導入するステップと、を有する。
再熱とは、第2部分空気質量流の一部分が、凝縮器として形成及び作動される第2熱交換器の第2領域を流れる際に暖められる過程と解されるべきである。第2部分空気質量流は、空調システムに導入され、蒸発器として形成及び作動される第1熱交換器を流れる際に冷却及び/又は除湿され、続いて再び暖められる。再び暖めることを再熱と呼んでいる。
−凝縮器として形成及び作動される第2熱交換器の第1領域に第1部分空気質量流を供給し、第2熱交換器の第2領域に第2部分空気質量流を供給するステップであって、部分空気質量流は、異なった温度及び/又は異なった絶対空気湿度を有する、ステップと、
−第2熱交換器により伝達された出力を第2熱交換器の領域の面の分割によって、且つ第2熱交換器の第1領域を通じて誘導される第1部分空気質量流によって制御するステップと、
−第2熱交換器の第1領域を通じて誘導される第1部分空気質量流を自動車の周囲へ排出するステップと、
−第2熱交換器の第2領域を通じて誘導される第2部分空気質量流の温度を第2熱交換器内の冷媒の圧力レベルを介して制御するステップであって、温度は、空気の流れ方向で第2熱交換器の下流に配置された温度センサによって検出される、ステップと、
−第2熱交換器の第2領域を通じて誘導される第2部分空気質量流を客室に導入するステップと、を有する。
−凝縮器として形成及び作動される第2熱交換器の第1領域に第1部分空気質量流を供給するステップと、
−蒸発器として形成及び作動される第1熱交換器を流れた後の第2部分空気質量流を再熱のための部分空気質量流と冷気質量流とに分割するステップと、
−第2熱交換器の第2領域に再熱のための部分空気質量流を供給するステップと、
−第2熱交換器の領域の面を分割することによって、且つ第2熱交換器の第1領域を通じて誘導される部分空気質量流とによって、且つ第2部分空気質量流の配分比率によって再熱のための熱出力を制御するステップと、
−第2熱交換器の第1領域を通じて誘導される部分空気質量流を周囲へ排出するステップと、
−再熱された部分空気質量流を予め調和された冷気質量流と混合するステップと、
−第2熱交換器の第2領域を通じて誘導される部分空気質量流の温度を、第2熱交換器内の冷媒の圧力レベルを介して制御するステップであって、温度は、空気の流れ方向で第2熱交換器の下流に配置された温度センサによって検出される、ステップと、
−混合された第2部分空気質量流を客室に導入するステップと、
を有する。
−除湿と加熱とを同時に行うことができる効率的な空調システム、
−周囲温度が低い場合、及び内燃機関を備えた自動車でのエンジン冷却水が低温の場合における暖気の迅速な提供、
−冷媒回路における最低限の複雑性、すなわち、実質的に切替弁の省略と、膨張弁、熱交換器、及び冷媒管路の数の最小化、
−冷媒回路内の冷媒の凝縮温度よりも高い可能な限り高い温度への、客室に給送されるべき空気のヒートポンプ運転での、若しくは周囲へ導出されるべき空気の冷却設備運転での加熱、
−従来の加熱システムと比べて低い高圧レベルでの熱出力の提供、そしてそれにより
−特にヒートポンプモードでの運転時の空調システムの効率の向上、並びに
−小型の空調設備で適切な空気誘導を行う凝縮器は従来のシステムと比べて、冷媒回路において冷却設備運転で使用される凝縮器に、そしてエンジン冷却回路において加熱熱交換器に代わるので、コスト削減。
第1フローチャネル3には蒸発器7が配置され、第2フローチャネル4に凝縮器8が配置されており、これら両方が空調システム1の冷媒回路の構成部品として、且つ空気供給される熱交換器として形成されている。その場合、蒸発器7は、フローチャネル3の流断面全体を占める。凝縮器8は、フローチャネルを跨って延びるように配置され、2つの領域を有している。第1領域は、第2フローチャネル4内にあって、流断面全体を覆うように配置されており、第2領域と比べて大きい熱交換面を有している。凝縮器8は、その広がりが第1フローチャネル3の中にまで達するため、凝縮器8の第2領域が第1フローチャネル3の流路14内に配置されている。その場合、凝縮器8の第2領域は、流路14の流断面全体を占める。凝縮器8の各領域は、フローチャネル3、4間の仕切り壁10によって区切られる。
図1による凝縮器8のフローチャネルを跨って延びる構成は、2つの領域への熱交換面の制御不可能な分割をもたらす。その場合、凝縮器8は、熱交換面全体の0%〜100%、好ましくは0%〜30%の領域に区分される。0%若しくは100%の区分では、凝縮器8は、完全にフローチャネル3、4の1つの中に配置される。熱交換面の30%の分割での熱交換器装置では、面の30%がフローチャネル3内に配置され、70%がフローチャネル4内に配置される。
第1フローチャネル3のファン5は、吸入した空気を空気質量流として蒸発器7に導く。空気質量流は、蒸発器7の熱交換面上を流れる際に冷却及び/又は除湿される。
蒸発器7から出た冷気質量流は、部分空気質量流として冷気流路11を介して周囲と、部分空気質量流へ、冷気流路12を介して客室9とに必要な比率で分割されるか、又は、全部が冷気流路11、12の1つに割り当てられる。冷気質量流は、フラップとして形成された空気ガイド装置23、24によって分割される。冷気流路12を通って導かれた空気質量流は、流路14に沿って、従ってバイパス流としてバイパスチャネル15を通って凝縮器8の周囲に誘導される。
暖気質量流は、フラップとして形成された空気ガイド装置25、26によって分割される。その場合、それぞれ2つのフラップ23、24及び25、26は、それぞれ1つの運動装置によって結合されて唯一の駆動装置によって位置調整されてもよい。
ファン5は、空気を第1フローチャネル3から蒸発器7へ送る。空気は、冷却及び除湿され、冷気流路12を通って客室9に流れ込む。ファン6は、第2フローチャネル4内の空気を凝縮器8へ送る。空気は暖められ、暖気流路16を通って周囲へ運ばれる。
ファン5は、空気を第1フローチャネル3から蒸発器7へ送る。空気は冷却され、冷気流路11を通って周囲へと流れる。ファン6は、空気を第2フローチャネル4から凝縮器8へ送る。空気は暖められ、暖気流路17を通って客室9に到達する。
空気ガイド板29、30は、仕切り壁10に対して平行に方向調整して配置されているので、仕切り壁10に沿って流れる空気質量流は、空気ガイド板29、30に当たる際に、且つ通過若しくは貫流する際に、その流れ方向が偏向されない。
両側へ、それぞれフローチャネル3、4の中へ、そしてそれにより、仕切り壁10から遠く離して配置される空気ガイド板29、30の長さLは大きくなっていく。仕切り壁10からの空気ガイド板29、30の配置が遠くなるほど空気板29、30の長さLが増加し、その場合、並設された空気ガイド板29、30の長さLは、空気ガイド板29、30の構成全体の端部が2つの凹状に形成された面31、32をなすように大きくなっていく。
面31、32は、それぞれ矩形に形成され、それぞれ、面31、32に対して平行に方向調整された軸33、34を中心に均等に曲げられているので、矩形面31、32の第1の2つの対向する側縁部は、それぞれ直線をなす一方で、第2の2つの対向する側縁部は円弧を描く。円弧の中心点は、それぞれ軸33、34であり、これらの軸を中心に矩形面31、32が曲げられている。その場合、軸33、34は、可動の空気ガイド装置27、28の回転軸33、34に相当する。円弧状に曲げられた面31、32の半径は、空気ガイド装置27、28の長手方向の広がり、すなわち、フローチャネル3、4を通る空気質量流の流れ方向の可動空気ガイド装置27、28の広がりに相当する。
空気ガイド装置27、28をそれぞれの回転軸33、34を中心に、逆の回転方向35、36で同時に回転させることによって、第1フローチャネル3及び第2フローチャネル4における凝縮器8の領域の配分比率が設定可能である。その場合、凝縮器8の領域の分割は、実質的に無段で行うことができる。空気ガイド装置27、28の回動の範囲内で段が生じるとすれば、フローチャネル3、4を通る空気質量流の流れ方向に対して垂直の空気ガイド板29、30の間隔からである。空気ガイド装置27、28は、回動後、回転軸33、34に対して平行に、且つ回転軸33、34とは反対側に配置された側縁部が空気ガイド板29、30の一端の対向側に位置し、それによって空気質量流が一続きの面に沿って流れることができるように方向付けられる。空気ガイド装置27、28が空気ガイド板29、30に対して中間位置にあるときに生じる漏れ流は、無視することができる。中間位置とは、空気ガイド装置27、28の側縁部が空気ガイド板29、30の縁部と正確に向き合わず、2つの空気ガイド板29、30間に配置されているような空気ガイド装置27、28の位置と解される。
第2フローチャネル4において冷媒から熱を取り込む空気質量流の値は、2000kg/h未満であり、好ましくは約1000kg/hである。その場合、2kWを上回る出力が伝達され、空気質量流は、冷媒の凝縮温度よりも高い温度に暖められる。
第2フローチャネル4において冷媒から熱を取り込む空気質量流の値は100kg/hよりも大きく、好ましくは約250kg/hである。その場合、1kWよりも多い出力が伝達され、空気質量流は、冷媒の凝縮温度よりも高い温度に暖められる。空気質量流は、客室9に入る前には、冷媒の凝縮温度より10Kよりも高い温度を有する。
その場合、再熱のための熱出力は、図1のフラップとして形成された空気ガイド装置19、22、24によって、且つ、図2、又は、図3a及び図3bによるそれぞれフラップとして形成された空気ガイド装置13、24によって、従って、流路14若しくはバイパスチャネル15を通る部分空気質量流によって制御される。凝縮器8の第1領域の貫流時に加熱された部分空気質量流は、図1のフラップ25が開くことによって、及び暖気流路16が開いた場合に図2のフラップ18の位置によって周囲へ誘導される。
て制御される。従って、再熱のための熱出力は、熱交換面の大きさによって、若しくは凝縮器8の領域の面の分割によって、及びバイパスチャネル15を通る混合されるべき部分空気質量流と流路14を通る再熱された部分空気質量流との比率によって変更される。凝縮器8の第1領域を通じて誘導される加熱された部分空気流は、フラップ18の位置によって暖気流路16が開かれると周囲へ誘導される。
空調システム1は、全くの冷却設備運転及び全くの加熱運転、並びに混合運転若しくは再熱運転で作動させることができる。図示されないファン5は、第1フローチャネル3を通じて空気質量流を送り、空気質量流の全部が蒸発器7を介して流れ、その際に冷却及び除湿される。図示されないファン6は、第2フローチャネル4を通じて空気質量流を送り、空気質量流は、凝縮器8の部分領域を介して誘導され、且つ蒸発器7において冷媒から取り込まれた熱を再び排出する。
その場合、空気ガイド装置27、28は、凝縮器8の第1領域が第2フローチャネル4に配置され、凝縮器8の第2領域が第1フローチャネル3に配置されるように方向調整されている。空気ガイド装置24は、バイパス15が閉じ、第1フローチャネル3を通り蒸発器7を介して送られる全空気質量流が凝縮器8の第2領域を通じて誘導されるように方向調整されている。冷却及び除湿された空気からなる空気質量流は、凝縮器8の第2領域の貫流時に再び暖められる。
第2空気質量流は、第1フローチャネル3において空気質量流に対して平行に、第2フローチャネル4における凝縮器8の第1領域を介して送られ、その際に暖められる。第2フローチャネル4を通って流れる空気質量流は周囲へ排出される。
凝縮器8は、熱交換面全体が仕切り壁10の片側に配置されるように方向調整されている。従って、凝縮器8は、完全にフローチャネル4の中に入っている。フローチャネル3、4は、仕切り壁10によって、空気ガイド装置27’、28’によって、且つ静的空気ガイド装置29’、30’によって互いに分離される。
空気ガイド装置27’、28’及び空気ガイド板29’、30’の形状は、図2及び図3aによる形態と類似であり、フローチャネル3、4内での空気質量流の混合が阻止されるように互いに調整されている。空気ガイド板29’、30’もまた、仕切り壁10に対して平行に方向調整されている。空気ガイド板29’、30’の構成全体の終端は、それぞれ軸33’、34’を中心に均等に曲げられ凹状に形成された2つの面を形成する。円弧の中心点は、凹状に形成された面が曲げられる際の中心となる軸33’、34’と、可動の空気ガイド装置27’、28’の回転軸33’、34’とに相当する。円弧状に曲げられた面の半径は、空気ガイド装置27’、28’の長手方向の広がり、すなわち、可動の空気ガイド装置27’、28’の、フローチャネル3、4を通る空気質量流の流れ方向の広がりと同一である。
旋回可能な空気ガイド装置27’、28’は、回転軸33’、34’とは反対側の側縁部が、空気ガイド板29’、30’の端部の凹状に撓曲された面に方向調整されている。
空気ガイド装置27’、28’の自由な可動性のために、空気ガイド装置27’、28’の面と側縁部との間には、空気質量流の流れに影響を及ぼさないか、無視できる程度にしか及ぼさない間隙が残る。
その場合、凝縮器8は、幅が8mmよりも大きい扁平管を有し、幅は、11.5mm〜18mmの範囲であることが好ましい。有利な実施形態では、扁平管は、12.3mm又は16mmの幅で形成されている。
冷媒回路60の構成部品は、冷媒管路62、63、65、66、68、69によって接続されている。吸引管69は、蒸発器7を圧縮機61と接続し、圧力管路62は、圧縮機61を凝縮器8と接続する。冷媒は、圧力管路63を通って凝縮器8の第1区間からコレクタ64に流れる。圧力管路65及び66は、コレクタ64を凝縮器8の第2区間の入口と接続し、凝縮器8の第2区間の出口を膨張素子67と接続する。冷媒は、膨張素子67から冷媒管路68を通って蒸発器7に流れる。
圧縮機61は、電気的に駆動可能な圧縮機として形成されていることが好ましいが、変形例として、車両の内燃機関によって駆動されてもよい。膨張素子67は、制御可能な膨張素子、若しくは膨張弁として形成されていることが有利であるが、変形例として、感温膨張弁として形成されていてもよい。
変形例として、構成部品8bは、空調システム1のハウジング2の外側に配置されていてもよく、その場合、走行中の風が供給される。
2 ハウジング
3 第1フローチャネル
4 第2フローチャネル
5、6 ファン
7 熱交換器、蒸発器
8 熱交換器、凝縮器
8a、8b 凝縮器の構成部品
9 客室
10 仕切り壁
11、12 冷気流路
13 冷気流路の空気ガイド装置/フラップ
14 第1フローチャネルの流路
15 第1フローチャネルのバイパスチャネル
16、17 暖気流路
18 暖気流路の空気ガイド装置/フラップ
19 流路14への吸入用の空気ガイド装置
22 流路14からの吐出用の空気ガイド装置
23 冷気流路の冷気の空気ガイド装置/フラップ
24 バイパスチャネル用の空気ガイド装置/フラップ
25、26 暖気流路の空気ガイド装置/フラップ
27、27’ 第1フローチャネルと第2フローチャネル4の間で凝縮器に向かって流すための空気ガイド装置/フラップ
28、28’ 第1フローチャネル3と第2フローチャネル4との間で凝縮器から離れる場合の空気ガイド装置/フラップ
29、29’ 静的空気ガイド装置/空気ガイド板
30、30’ 静的空気ガイド装置/空気ガイド板
31、32 静的空気ガイド装置の面
33、34 空気ガイド装置の軸、回転軸
35、36 空気ガイド装置の回転方向
60 冷媒回路
61 圧縮機
62、63 冷媒管路、圧力管路
64 コレクタ
65、66、68 冷媒管路、圧力管路
67 膨張素子
69 冷媒管路、吸引管路
L 長さ
Claims (10)
- 熱を冷媒から空気へ伝達可能であり、その際に前記冷媒が抜熱、凝縮、及び過冷却されるように、冷媒回路(60)に組み込まれ、冷媒の貫流が可能であり、且つ空気の供給が可能である熱交換器(8)を有する、空気を暖める熱交換器装置であって、
前記熱交換器(8)は、
互いに分離して形成された2つの構成部品(8a、8b)を有し、
凝縮面及び抜熱面を有する前記第1構成部品(8a)と、過冷却面を有する第2構成部品(8b)とが形成されており、且つ、
前記構成部品(8a、8b)間には冷媒側に冷媒相分離要素が配置されており、
列で配置された管を有する管型熱交換器として形成されており、前記第1構成部品(8a)は、少なくとも2列に形成されており、前記第2構成部品(8b)は、少なくとも1列に形成され、
前記冷媒の凝縮の温度レベルよりも高い温度レベルへの空気の暖めが可能であることを特徴とする熱交換器装置。 - 前記熱交換器(8)は、交差向流型熱交換器として形成されている請求項1記載の熱交換器装置。
- 前記熱交換器(8)は、扁平管から形成されており、前記扁平管は、8mmよりも大きい幅を有する請求項1又は2に記載の熱交換器装置。
- 前記熱交換器(8)は、前記構成部品(8a、8b)に並行して空気が供給可能であるように形成されている請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱交換器装置。
- 前記熱交換器(8)は、前記熱交換面を少なくとも2つの部分領域に分割するための空気ガイド機構を有し、
前記部分領域には、異なった空気質量流が供給可能であり、且つ、
一方の部分領域は、前記熱交換器(8)の熱交換面全体の0%〜100%の範囲を有する請求項1乃至4の何れか1項に記載の熱交換器装置。 - 前記請求項1乃至5の何れか1項に記載の熱交換器装置を備えた自動車の客室(9)の空気を調和する空調システム(1)であって、
前記空調システム(1)は、空気を誘導するための第1フローチャネル(3)と第2フローチャネル(4)とを備えたハウジング(2)を有し、
冷媒回路(60)は、第1熱交換器(7)と圧縮機(61)と第2熱交換器(8)と膨張素子(67)とを有し、前記第1熱交換器(7)は、第1フローチャネル(3)に配置され、前記第2熱交換器(8)は、前記第2フローチャネル(4)に配置されており、
前記空調システム(1)は、前記客室(9)を冷却及び加熱する冷却設備運転及びヒートポンプ運転、並びに再熱運転のために形成されており、前記第2熱交換器(8)は、前記運転モードに関係なく凝縮器として形成され、且つ作動可能であることを特徴とする空調システム。 - 冷却及び加熱する冷却設備運転とヒートポンプ運転との組合せ、並びに自動車の客室(9)の空気を調和する再熱運転のために空調システム(1)を作動させる方法であって、 前記再熱運転において、
第1部分空気質量流と第2部分空気質量流とを前記空調システム(1)に導入するステップと、
蒸発器(7)を流れた後の前記第2部分空気質量流を、前記再熱のための部分空気質量流と冷気質量流とに分割するステップと、
前記第1部分空気質量流と前記再熱のための部分空気質量流とを凝縮器(8)の熱交換面を流れる際に前記冷媒の凝縮温度よりも高い温度に暖めるステップであって、前記第1部分空気質量流が加熱され、且つ、前記再熱のための部分空気質量流が再熱され、熱出力が空気側で制御される、ステップと、
前記第1部分空気質量流を周囲に導出するステップと、
前記再熱された部分空気質量流を予め調節された冷気質量流と混合するステップであって、前記再熱のための熱出力が前記第2部分空気質量流の配分比率を介して制御され、前記混合された空気質量流の温度が、前記空気質量流中に配置された温度センサを介して検出され、且つ前記凝縮器(8)内の冷媒の圧力レベルを介して制御されるステップと、
前記混合された第2部分空気質量流を前記客室(9)に導入するステップと、を有することを特徴とする方法。 - 前記空気質量流は、2000kg/hよりも小さい値を有する請求項7記載の方法。
- 冷却及び加熱する冷却設備運転とヒートポンプ運転との組合せ、並びに自動車の客室(9)の空気を調和する再熱運転のために空調システム(1)を作動させる方法であって、 前記再熱運転において、
凝縮器(8)の第1領域に第1部分空気質量流を供給し、且つ前記凝縮器(8)の第2領域に第2部分空気質量流を供給するステップであって、前記部分空気質量流は、異なった温度及び/又は異なった絶対空気湿度を有するステップと、
前記凝縮器(8)によって伝達された出力を、前記凝縮器(8)の領域の面の分割と、前記凝縮器(8)の第1領域を通じて誘導される部分空気質量流とを介して制御するステップと、
前記凝縮器(8)の第1領域を通じて誘導される部分空気質量流を周囲へ排出するステップと、
前記凝縮器(8)の第2領域を通じて誘導される部分空気質量流の温度を、前記凝縮器(8)内の冷媒の圧力レベルを介して制御するステップであって、前記温度は、空気の流れ方向で前記凝縮器(8)の下流に配置された温度センサを介して検出されるステップと、
前記凝縮器(8)の第2領域を通じて誘導される部分空気質量流を前記客室(9)に導入するステップと、
を有することを特徴とする方法。 - 冷却及び加熱する冷却設備運転とヒートポンプ運転との組合せ、並びに自動車の客室(9)の空気を調和する再熱運転のために空調システム(1)を作動させる方法であって、 前記再熱運転において、
凝縮器(8)の第1領域に第1部分空気質量流を供給するステップと、
蒸発器(7)を通った後の前記第2部分空気質量流を、前記再熱のための部分空気質量流と冷気質量流とに分割するステップと、
前記凝縮器(8)の第2領域に前記再熱のための部分空気質量流を供給するステップと、
前記再熱のための熱出力を前記凝縮器(8)の領域の面の分割と、前記凝縮器(8)の第1領域を通じて誘導される部分空気質量流とを介して、且つ前記第2部分空気質量流の配分比率を介して制御するステップと、
前記凝縮器(8)の第1領域を通じて誘導される部分空気質量流を周囲へ排出するステップと、
前記再熱された部分空気質量流を予め調節された冷気質量流と混合するステップと、
前記凝縮器(8)の第2領域を通じて誘導される部分空気質量流の温度を、前記凝縮器(8)内の冷媒の圧力レベルを介して制御するステップであって、前記温度は、空気の流れ方向で前記凝縮器(8)の下流に配置された温度センサを介して検出されるステップと、
前記混合された第2部分空気質量流を前記客室(9)に導入するステップと、
を有することを特徴とする方法。
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