JP2016163864A - 活性炭の再生方法及び、金の回収方法 - Google Patents

活性炭の再生方法及び、金の回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】使用後の活性炭を高い活性度に再生させ、活性炭を有効に繰り返し用いることを可能にする活性炭の再生方法及び、金の回収方法を提供する。【解決手段】この発明の活性炭の再生方法は、金が吸着した活性炭から当該金を溶離させた後、金を溶離させた使用後の活性炭を、金の吸着に再利用するために活性炭を再生する方法であって、前記使用後の活性炭をアルカリ性洗浄液または中性洗浄液で洗浄し、その洗浄後の洗浄液をアルカリ性領域または中性領域とすることにある。【選択図】なし

Description

この発明は、金を回収するために金を一時的に吸着させることに用いられた使用後の活性炭を、再度の金の吸着に用いるために再生させる活性炭の再生方法及び、金の回収方法に関するものであり、特には、使用後の活性炭を、高い活性度で再生させることのできる技術を提案するものである。
たとえば、含金硫化金属鉱に含まれる金を回収する方法としては、特許文献1、2に記載されたもの等がある。
これらの特許文献1、2に記載された方法では、はじめに、アニオンとして塩化物イオン及び/又は臭化物イオンを含み、カチオンとして銅及び鉄を含む酸性浸出液を用いて、含金硫化金属鉱から金を前記酸性浸出液に加温浸出し、次いで、酸性浸出液中の金を活性炭に吸着させ、その後、活性炭に吸着させた金をアルカリ液で溶離させる。かかる金の回収方法によれば、硫化金属鉱に含まれる金を安価に効率良く回収することができる。
このような金の回収方法で、酸性浸出液中の金を一時的に吸着させる吸着材として用いられた使用後の活性炭は、活性度が低下していることから、再度の金の吸着に繰り返し用いるには再生処理を施すことが必要となる。
使用後の活性炭の再生処理として通常は、特許文献3に記載されているように、使用後の活性炭を非酸化雰囲気の下、250℃程度の温度で加熱して再活性化する、いわゆる賦活処理により、使用後の活性炭の吸着性能を回復させることが行われている。
特開2013−147685号公報 特開2014−55311号公報 米国特許第4188208号明細書
しかしながら、上述したような非酸化雰囲気下で高加熱する賦活処理によっては、再生される活性炭の活性度を、未使用時の活性炭の活性度の60%程度にしか高めることができず、その吸着性能が十分に回復しないことが解かった。
それ故に、そのような賦活処理により再生された活性炭を、先述の金の回収方法における金の吸着に用いた場合は、その活性炭に、酸性浸出液に浸出した金が十分に吸着しない結果として、金の回収率を所期したほどに向上させることができなかった。
この発明は、このような問題を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、使用後の活性炭を、先に述べた賦活処理よりも高い活性度に再生させ、活性炭を有効に繰り返し用いることを可能にする活性炭の再生方法及び、金の回収方法を提供することにある。
発明者は鋭意検討の結果、使用後の活性炭をアルカリ性洗浄液または中性洗浄液で洗浄し、さらに、洗浄後のアルカリ性洗浄液または中性洗浄液がアルカリ性領域または中性領域に維持されるように、使用後の活性炭の洗浄条件を調整することにより、その活性炭の活性度を大きく高めることができることを見出した。
これは、活性炭を上述したような金の吸着に用いたことによって、その使用後の活性炭の表面に付着していたナトリウムイオンないしナトリウム化合物のナトリウム等が、アルカリ性洗浄液または中性洗浄液による洗浄により除去されて、活性炭表面が露出することに起因すると考えられるが、このような理論により限定されることを意図するものではない。
このような知見に基き、この発明の活性炭の再生方法は、金が吸着した活性炭から当該金を溶離させた後、金を溶離させた使用後の活性炭を、金の吸着に再利用するために活性炭を再生する方法であって、前記使用後の活性炭をアルカリ性洗浄液または中性洗浄液で洗浄し、その洗浄後のアルカリ性洗浄液または中性洗浄液をアルカリ性領域または中性領域とすることにある。
ここで好ましくは、前記洗浄後のアルカリ性洗浄液または中性洗浄液のpHを8〜12とする。
また、前記アルカリ性洗浄液または中性洗浄液を、苛性ソーダ水溶液または水のいずれかとすることが好ましく、なかでも、前記アルカリ性洗浄液または中性洗浄液を苛性ソーダ水溶液とした場合、前記苛性ソーダ水溶液のモル濃度は、0.1mol/L〜2.0mol/Lとすることが好適である。
上記の再生方法で、使用後の活性炭をアルカリ性洗浄液または中性洗浄液で洗浄するに当っては、前記使用後の活性炭をカラム内に充填し、該カラム内にアルカリ性洗浄液または中性洗浄液を流すことが好ましい。
また、この発明の活性炭の再生方法では、金が吸着した活性炭から、シアン溶液を用いて当該金を溶離させた後の、使用後の活性炭を対象とすることが好ましい。
そしてまた、金を含む液中の金を活性炭に吸着させ、次いで、金が吸着した前記活性炭から当該金を溶離させた後の、使用後の活性炭を対象とすることが好ましく、この場合、前記金を含む液が、アニオンとして塩化物イオン及び/又は臭化物イオンを含むとともにカチオンとして銅及び鉄を含む酸性浸出液に、含金硫化金属鉱に含まれる金を加温浸出させて得られた液であることが好適である。
この発明の金の回収方法は、アニオンとして塩化物イオン及び/又は臭化物イオンを含み、かつ、カチオンとして銅及び鉄を含む酸性浸出液に、含金硫化金属鉱に含まれる金を加温浸出させる金浸出工程と、前記酸性浸出液に浸出した金を活性炭に吸着させる金吸着工程と、前記活性炭に吸着した金を溶離させる金溶離工程とを備える金の回収方法であって、前記活性炭として、上述したいずれかの活性炭の再生方法により再生させた活性炭を用いることにある。
この発明の活性炭の再生方法によれば、使用後の活性炭をアルカリ性洗浄液または中性洗浄液で洗浄し、その洗浄後のアルカリ性洗浄液または中性洗浄液をアルカリ性領域または中性領域とすることにより、使用後の活性炭の活性度を大きく高めることができる。
また、この発明の金の回収方法によれば、上記の再生方法により吸着性能が十分に回復した活性炭を有効に用いることができる。
この発明の金の回収方法の一の実施形態を示すフローチャートである。 実施例の試験例3における時間の経過に伴う各洗浄液のpHの推移を示すグラフである。
以下に、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
この発明の活性炭の再生方法は、金が吸着した活性炭から当該金を溶離させた後、金を溶離させた使用後の活性炭を、金の吸着に再利用するために活性炭を再生する方法であって、前記使用後の活性炭をアルカリ性洗浄液または中性洗浄液で洗浄し、その洗浄後のアルカリ性洗浄液または中性洗浄液をアルカリ性領域または中性領域とすることにある。
(使用後の活性炭)
活性炭としては、金を吸着させる吸着材として通常用いられているもの、たとえば、木材、椰子殻その他の炭素質原料を多孔質原料に変化させる賦活処理等の物理法又は、化学薬品を用いた化学法等により製造された一般的な活性炭を対象とすることができる。
特に、この発明の再生方法では、金の回収方法で、金を一時的に吸着させるために用いられて、吸着した金を溶離させた後の活性炭を対象とし、ここでは、これを使用後の活性炭という。
(洗浄液)
金の回収に用いられた使用後の活性炭は、その金の回収で、吸着した金を、シアン溶液等を用いて溶離させたことに起因して、アルカリ性領域となっていることがある。
このような使用後の活性炭を、所要に応じて乾燥させた後、この発明では、アルカリ性洗浄液または中性洗浄液を用いて洗浄する。
ここにおいて、使用後の活性炭をアルカリ性洗浄液または中性洗浄液で洗浄した後、その洗浄終了時に、そのアルカリ性洗浄液または中性洗浄液がアルカリ性領域または中性領域、すなわちアルカリ性洗浄液または中性洗浄液のpHが7以上となるように、使用後の活性炭の状態に応じて、アルカリ性洗浄液または中性洗浄液の種類や濃度、洗浄時間その他の条件を調整する。
つまり、使用後の活性炭を洗浄した後のアルカリ性洗浄液または中性洗浄液が、洗浄によって酸性領域となることがないように、各種条件をコントロールする。
それにより、金の回収方法で用いられた際に活性炭表面に付着して残留していたナトリウムイオンないしナトリウム化合物のナトリウムが、このアルカリ性洗浄液または中性洗浄液による洗浄で除去される結果として、使用後の活性炭の、金の吸着に寄与する表面が露出すると考えられる。
その結果として、先述したような非酸化雰囲気かつ高温下での賦活処理に比して、使用後の活性炭の活性度を大きく高めることができ、その吸着性能を有効に回復させることができる。
なお仮に、使用後の活性炭を酸性洗浄液で洗浄した場合であって、使用後の活性炭がそもそもアルカリ性であったことに起因して、その使用後の活性炭の洗浄が終了した際に前記酸性洗浄液が中性ないしアルカリ性となった場合は、使用後の活性炭表面に付着していた銅、鉄等の金属が一旦溶解した後に再析出して、活性炭の細孔を覆うと考えられるので、使用後の活性炭の活性度を有効に高めることができない。
これに対し、この発明の実施形態では、使用後の活性炭をアルカリ性洗浄液または中性洗浄液で洗浄し、洗浄後のアルカリ性洗浄液または中性洗浄液をアルカリ性領域または中性領域とすることにより、使用後の活性炭表面に付着していた銅、鉄等の金属がそもそも溶解せず、洗浄前に付着していたままの状態が維持されるので、活性炭表面のナトリウム等が除去された分、活性度を有効に向上させることができる。なお、使用後の活性炭に吸着していた鉄や銅等は、再析出等せず、使用時に付着した箇所に変わらず存在するのであれば、活性度の増減に大きな影響を及ぼさないと考えられる。
ここで、使用後の活性炭表面に付着しているナトリウム等をより効果的に取り除いて、再生処理後の活性炭の活性度をさらに高めるため、洗浄終了時の洗浄液のpHは7〜12とすることが好ましく、さらにこのpHを8〜12とすることがより一層好ましい。言い換えれば、洗浄後の洗浄液のpHが小さすぎる場合は、アルカリ性領域となった洗浄後の洗浄液のpHを下げるために弱酸を添加すると、使用後の活性炭に付着していた銅や鉄等が一旦溶解した後に析出して、活性炭表面を再度覆うことから、活性度を大きく高めることができない可能性がある。この一方で、当該pHが大きすぎる場合は、アルカリ性洗浄液後の流水洗浄を行ったときに、活性炭に付着した水酸化ナトリウムが十分に除去されずに活性炭に残留することがあり、この活性炭を金の吸着に再利用すると、残留した苛性、あるいはAu溶液中のCu、Feがアルカリで析出してAu吸着が阻害されるおそれがある。
またここで、上記のアルカリ性洗浄液としては、苛性ソーダ水溶液の他、様々なアルカリ性の溶液を用いることができる。また中性洗浄液としては水を挙げることができる。
なかでも、再生後の活性炭を、後述する金の回収方法に使用する場合は、苛性ソーダ水溶液または水を用いることが好ましい。
アルカリ性洗浄液または中性洗浄液のモル濃度は、好ましくは0mol/L〜2.0mol/L、より好ましくは0mol/L〜1.0mol/Lとすることができる。
特に、アルカリ性洗浄液または中性洗浄液として、苛性ソーダ水溶液を選択する場合は、苛性ソーダ水溶液のモル濃度は、0.1mol/L〜2.0mol/Lとすることが好適である。苛性ソーダ水溶液のモル濃度が高すぎる場合は、苛性ソーダのナトリウムが洗浄時に活性炭表面に付着する可能性があり、このナトリウムが活性度の向上を阻害するおそれがある。
アルカリ性洗浄液または中性洗浄液として、水を選択する場合は、具体的には、水道水、工業用水、蒸留水、精製水、イオン交換水、純水、超純水等を用いることができる。
そしてまた、使用後の活性炭を洗浄する際の、活性炭のアルカリ性洗浄液または中性洗浄液中のパルプ濃度は、洗浄後の活性炭の活性度をより有効に高めるとの観点からは低いほうが好ましく、具体的には、100g/L〜400g/Lとすることが好適である。パルプ濃度が400g/Lを超えると、活性度がそれほど大きく向上しないことがある。なおここで、パルプ濃度とは、使用後の活性炭の乾燥重量(g)を、洗浄に用いるアルカリ性洗浄液または中性洗浄液の体積(L)で除したものである。
このようなアルカリ性洗浄液または中性洗浄液による洗浄は、たとえば、使用後の活性炭をアルカリ性洗浄液または中性洗浄液に浸漬させるとともに、撹拌して又は撹拌せずに洗うことにより行う他、使用後の活性炭を、円筒状等のカラムに充填し、そのカラム内にアルカリ性洗浄液または中性洗浄液を通して通液することにより行うことができる。なお後者の場合、カラムを通過したアルカリ性洗浄液または中性洗浄液を洗浄後のアルカリ性洗浄液または中性洗浄液として、そのpHを測定し、また、その測定値に基いて、カラムを通過させるアルカリ性洗浄液または中性洗浄液の濃度や通液速度を変化させる等の調整を行うことで、洗浄終了時のアルカリ性洗浄液または中性洗浄液のpHを制御することができる。
なお、このようなアルカリ性洗浄液または中性洗浄液による洗浄に先立って、使用後の活性炭に賦活処理を施すことも可能である。この賦活処理では、使用後の活性炭に対し、たとえば水蒸気雰囲気の下、200〜300℃で加熱処理を施して再活性化させる。
(再生させた活性炭)
このようにして再生された活性炭の活性度は、たとえば、金含有溶液中に活性炭を投入し、活性炭に金を吸着させる試験を行い、それにより得られた測定値を用いて、以下のFlemingの式(1)から算出することができる。
q=k×c×tn 式(1)
ここで式(1)中、kは炭素活性度、qは活性炭に付着した金の量(g/t)、cは溶液中の金の濃度(g/L)、tは吸着時間(hr)、nは定数をそれぞれ示す。
この式(1)より活性度kを算出することができる。より詳細には、たとえば、所定の試験時間(2時間)内に複数回にわたって定期的に液サンプルを採取し、それらの液サンプルの測定値を、q/cとtの関係を表すグラフにプロットして累積近似することで、Flemingの式(1)と同じ形の近似式を得ることができ、この近似式からkやnを求めることができる。
そして、この発明の再生方法により再生された活性炭の、上記の式(1)から算出した活性度は、未使用の活性炭の同様の活性度に対し、たとえば80%以上に高めることが可能である。
一方、非酸化雰囲気かつ高温下での賦活処理のみで再生された活性炭の同様の活性度は一般に、未使用の活性炭の同様の活性度に対して60%程度又は、それ以下となる。
そのため、この発明の再生方法によれば、賦活処理による再生方法に比して、再生された活性炭の活性度を大きく高めることができる。
以上に述べた再生方法により再生された活性炭を用いる金の回収方法は、図1に例示するように、アニオンとして塩化物イオン及び/又は臭化物イオンを含み、かつ、カチオンとして銅及び鉄を含む酸性浸出液に、含金硫化金属鉱に含まれる金を加温浸出させる金浸出工程と、前記酸性浸出液に浸出した金を活性炭に吸着させる金吸着工程と、前記活性炭に吸着した金を溶離させる金溶離工程とを備えるものである。
この回収方法の実施形態は具体的には以下のとおりである。
(金浸出工程)
金を含む硫化金属鉱を破砕後、必要に応じて浮遊選鉱法により精鉱とし、この含金硫化金属鉱に含まれる金を、アニオンとして塩化物イオン及び/又は臭化物イオンを含み、かつ、カチオンとして銅及び鉄を含む酸性浸出液中に加温浸出する。ここで、浸出温度は60℃〜100℃とすることができ、酸性浸出液のpHは0〜1.9とすることができる。また、酸性浸出液は、塩化物イオンと臭化物イオンとをそれぞれ20〜200g/Lで含み、銅と鉄とをそれぞれ0.01〜30g/Lで含むことが好ましい。
(金吸着工程)
次いで、酸性浸出液中の金を、上記の如く再生させた活性炭に接触させて吸着させる。金の活性炭への接触は、バッチ回分式又は、活性炭を充填した吸着塔に酸性浸出液を連続通水する連続式により行うことができる。ここで用いる活性炭は、先に述べた再生方法によりその活性度が大きく高くなっていることから、金を有効に吸着させることができる。
この金吸着工程では、金とともに酸性浸出液中に浸出していた銅や鉄その他の金属、硫黄等もまた、活性炭に付着する。
(金溶離工程)
その後、金が吸着した活性炭を、苛性ソーダ等にシアンイオンを添加したシアン溶液又は、チオ硫酸塩を添加した溶液その他の溶液に接触させて、活性炭に吸着した金を溶離させる。それにより、金を溶離させた使用後の活性炭はアルカリ性となることがある。なお、金の回収率の観点からは、シアン溶液を用いることが好ましい。
これにより得られる濃厚金溶液は、たとえば金を50〜5000mg程度で含み、この濃厚金溶液から、シュウ酸ナトリウムによる還元、二酸化硫黄による化学的還元法又は、溶媒抽出−電解採取法その他の公知の方法にて、単体の金を得ることができる。
上記の金溶離工程で金を溶離させた使用後の活性炭に対しては再度、この発明の再生方法を実施することができ、それにより、活性炭を有効に繰り返し用いることができる。その結果、新しい活性炭を用いることに必要なコストを抑えることができる。
次に、この発明の活性炭の再生方法を試験的に実施し、その効果を検証したので以下に説明する。但し、ここでの具体的な説明は単なる例示を意図したものであって、これに限定されるものではない。
(試験例1)
実施例1〜4では、使用後の活性炭に対し、表1に示す各条件の下で洗浄を行い、使用後の活性炭を再生させた。
参考例1では、まだ使用されていない未使用の活性炭を対象とし、また参考例2では、使用後の活性炭を対象としたものであり、いずれも再生処理を施さなかった。
比較例1では、使用後の活性炭に賦活処理を施し、洗浄は行わなかった。比較例2では、使用後の活性炭を洗浄したが、洗浄後の洗浄液のpHが7.6となった。
これらの各実施例1〜4、参考例1及び2並びに比較例1及び2で得られた活性炭に対し、下記の試験を実施した。
Figure 2016163864
上記の活性炭のそれぞれを、表2に示す条件の下で評価液に浸漬し、その評価液に含まれる金の濃度を測定する試験を行った。ここで、金の濃度は、ICP発光分光分析法(ICP−OES)により測定した。なお表2中の浸出液とは、先に述べたような金の回収方法に従って特定の金鉱石を浸出した液であり、Cu、Fe等の不純物を含むものである。
そして、それにより得られた測定値から、先述のFlemingの式(1)を用いて活性度を算出し、それらの各活性炭の活性度を、参考例1の活性炭を100%とする比率で評価した。その結果を表3に示す。
Figure 2016163864
Figure 2016163864
表3に示す結果から、賦活処理のみを施した比較例1の活性炭は、活性度が62%であるのに対し、洗浄処理を施した実施例1〜4の活性炭はいずれも活性度が80%を大きく上回っていることが解かる。酸性洗浄液による洗浄処理を施し、洗浄後の洗浄液のpHが7.6となった比較例2の活性炭は、活性度が68.1%と比較的低い値となった。
なお、実施例1〜4のうち、実施例3よりも苛性ソーダのモル濃度が0.5mol/Lと高かった実施例4では、活性度が実施例3ほど大きくは向上しなかった。
(試験例2)
使用後の活性炭を水で洗浄し、洗浄前と洗浄後のそれぞれの活性炭表面の元素品位を、EPMA(Electron Probe MicroAnalyser)により測定した。その結果を表4に示す。
Figure 2016163864
表4に示す結果より、洗浄後の活性炭表面では、洗浄前のものと比較して、Na元素が大きく低下していることが解かる。
従って、使用後の活性炭の表面を覆っていたナトリウムが、洗浄により除去され、その結果として、洗浄後の活性炭の活性度が大きく向上したと考えられる。
(試験例3)
アルカリ性洗浄液、中性洗浄液及び酸性洗浄液のそれぞれで使用後の活性炭を洗浄した際の、各洗浄液のpHの推移を測定した。その結果を図2に示す。ここでは、アルカリ性洗浄液として0.1mol/L及び0.5mol/Lの苛性ソーダ水溶液、中性洗浄液として工業用水、酸性浄液として0.1mol/Lの塩酸溶液を用いた。また、使用後の活性炭としてはアルカリシアン液を用いて金を溶離した後の活性炭を使用した。
各溶液中に使用後の活性炭を投入すると、洗浄時間の経過に伴って、図2に示すように、その活性炭に付着しているアルカリ性物質(苛性ソーダ)により、いずれの溶液でもpHが上昇していることが解かる。
ここで、いずれの苛性ソーダ水溶液及び工業用水も、洗浄の前後にわたってアルカリ性領域ないし中性領域に維持されているのに対し、塩酸溶液では、酸性領域から、洗浄時間が1時間を経過した段階でpHが7を超えて略中性領域に変化している。
この結果から、塩酸溶液では、その後、pHが上昇して中性領域付近になったことに起因して、一旦溶解した銅や鉄等が析出し、活性炭の表面を再度覆ったと推察することができる。そのため、このような塩酸溶液による洗浄では、使用後の活性炭の活性度を高めることができないと考えられる。
以上に述べた各試験結果より、この発明の活性炭の再生方法によれば、再生される活性炭の活性度を大きく高めて、これを有効に再利用できることが解かった。

Claims (8)

  1. 金が吸着した活性炭から当該金を溶離させた後、金を溶離させた使用後の活性炭を、金の吸着に再利用するために活性炭を再生する方法であって、
    前記使用後の活性炭をアルカリ性洗浄液または中性洗浄液で洗浄し、その洗浄後のアルカリ性洗浄液または中性洗浄液をアルカリ性領域または中性領域とする、活性炭の再生方法。
  2. 前記洗浄後のアルカリ性洗浄液または中性洗浄液のpHを8〜12とする、請求項1に記載の活性炭の再生方法。
  3. 前記アルカリ性洗浄液または中性洗浄液を水とする、請求項1又は2に記載の活性炭の再生方法。
  4. 前記アルカリ性洗浄液または中性洗浄液を苛性ソーダ水溶液とし、前記苛性ソーダ水溶液のモル濃度を、0.1mol/L〜2.0mol/Lとする、請求項1又は2に記載の活性炭の再生方法。
  5. 使用後の活性炭をアルカリ性洗浄液または中性洗浄液で洗浄するに当り、前記使用後の活性炭をカラム内に充填し、該カラム内にアルカリ性洗浄液または中性洗浄液を流す、請求項1〜4のいずれか一項に記載の活性炭の再生方法。
  6. 金が吸着した活性炭から、シアン溶液を用いて当該金を溶離させた後の、使用後の活性炭を対象とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の活性炭の再生方法。
  7. 金を含む液中の金を活性炭に吸着させ、次いで、金が吸着した前記活性炭から当該金を溶離させた後の、使用後の活性炭を対象とし、
    前記金を含む液が、アニオンとして塩化物イオン及び/又は臭化物イオンを含むとともにカチオンとして銅及び鉄を含む酸性浸出液に、含金硫化金属鉱に含まれる金を加温浸出させて得られた液である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の活性炭の再生方法。
  8. アニオンとして塩化物イオン及び/又は臭化物イオンを含み、かつ、カチオンとして銅及び鉄を含む酸性浸出液に、含金硫化金属鉱に含まれる金を加温浸出させる金浸出工程と、前記酸性浸出液に浸出した金を活性炭に吸着させる金吸着工程と、前記活性炭に吸着した金を溶離させる金溶離工程とを備える金の回収方法であって、
    前記活性炭として、請求項1〜7のいずれか一項に記載の活性炭の再生方法により再生させた活性炭を用いる、金の回収方法。
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