JP2015196845A - コバルトとタングステンの分離方法 - Google Patents

コバルトとタングステンの分離方法 Download PDF

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陽介 山口
敬太郎 古賀
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Abstract

【課題】Co−Wスクラップ、より具体的にはCo−Wスクラップ由来のコバルト・タングステン含有アルカリ浸出残渣から不純物の少ないコバルト原料をより簡単で効率良く且つ安価に回収可能なコバルトとタングステンの分離方法を提供する。
【解決手段】コバルト・タングステン含有アルカリ浸出残渣に鉱酸を加え、pH4.5〜5.0の浸出条件で、被処理物中のコバルトを浸出させる酸浸出工程S1と、酸浸出工程で得られる酸浸出スラリーを固液分離し、タングステンを含む浸出残渣とコバルトを含む浸出後液とを得る固液分離工程S2と、浸出後液のpHを調整するpH調整工程S3と、浸出後液を濾過する濾過工程S4と、濾過及びpH調整後の浸出後液をイオン交換樹脂に接触させることにより、該浸出後液中に残存するタングステンをイオン交換樹脂に吸着させるタングステン吸着工程S5と、イオン交換樹脂に接触させた後の流出液を精製コバルト液として回収するS6工程とを含むコバルトとタングステンの分離方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、コバルトとタングステンの分離方法に関し、特に、超硬工具メーカーなどから発生するコバルト及びタングステン含有スクラップ(以下「Co−Wスクラップ」という)を焙焼処理した後にアルカリ浸出によりタングステンを抽出した後のコバルト・タングステン含有アルカリ浸出残渣からコバルトとタングステンを分離精製可能なコバルトとタングステンの分離方法に関する。
超硬工具メーカーなどから発生するCo−Wスクラップからコバルトとタングステンを分離回収するための方法として、一般的にCo−Wスクラップを焙焼処理してアルカリ浸出した後に、鉱酸によりアルカリ浸出残渣を溶解することにより、浸出残渣中のコバルトを溶解させ、残渣中にタングステンを残存させることにより、コバルトとタングステンを分離回収する方法が知られている。
例えば、特開平7−300316号公報では、不飽和脂肪酸またはそのエステルの酸化分解からの反応液からのコバルトとタングステンの回収と再使用の方法が記載されている。特開平10−183265号公報には、タングステンと炭化タングステンを比較的低費用で再生する方法として酸温浸を用いる方法が提案されている。特開2008−150251号公報、特開2010−208909号公報及び特開2011−184220号公報のようなイオン交換樹脂を使用する方法も提案されている。
更に、特開2013−194269号公報では、タングステン浸出残渣に鉱酸を加えて不純物金属を浸出させた後、酸浸出スラリーに鉄(II)化合物を添加して液中のクロムを還元し、酸化剤を添加して水酸化物を沈殿させて酸浸出液を得る。これを更に固液分離し、脱銅処理し、固液分離してコバルトを回収する方法が記載されている。
特開平7−300316号公報 特開平10−183265号公報 特開2008−150251号公報 特開2010−208909号公報 特開2011−184220号公報 特開2013−194269号公報
しかしながら、特許文献1〜5のいずれも、Co−Wスクラップからタングステンを回収する方法については記載がされているが、Co−Wスクラップからコバルト原料を回収するための方法については詳しく記載がされていない。一方、Co−Wスクラップ由来のコバルト・タングステン含有アルカリ浸出残渣を鉱酸により溶解した溶液中には、不純物としてタングステンが数10〜数1000mg/L程度溶解するため、コバルト原料として使用する際には、タングステンが不純物として問題となる。
特許文献6は、超硬スクラップからタングステンを回収した後のタングステン浸出残渣からコバルトを得るための技術については一応記載されている。しかしながら、特許文献6は、コバルト溶液から鉄やクロムを分離することを目的とするものであり、浸出残渣に対して鉱酸を加えて不純物金属を浸出させた後に、鉄(II)化合物を添加して液中のクロムを還元する工程、酸化剤を添加して液中の鉄を酸化してクロム及び鉄の水酸化物を沈殿させる工程(不純物沈殿化工程)、脱銅処理して銅を沈殿化する工程(脱銅処理)及び各処理後毎の固液分離等を行っており、工程数が多く、処理が複雑である。
上記課題を鑑み、本発明は、Co−Wスクラップ、より具体的にはCo−Wスクラップ由来のコバルト・タングステン含有アルカリ浸出残渣からタングステンを分離して不純物の少ないコバルト溶液をより簡単で効率良く且つ安価に回収可能なコバルトとタングステンの分離方法を提供する。
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、コバルト・タングステン含有アルカリ浸出残渣を鉱酸で溶解することにより得られたコバルト溶液に対して、固液分離を行った後に濾過を行い、濾過後の浸出後液をイオン交換樹脂に通すことにより、コバルト溶液中の不純物であるタングステンを分離することができ、不純物の少ないコバルト原料が、比較的安価で容易に得られることを見出した。
以上の知見を基礎として完成した本発明は一側面において、コバルト・タングステン含有アルカリ浸出残渣に鉱酸を加え、pH4.5〜5.0の浸出条件でコバルトを浸出させる酸浸出工程と、酸浸出工程で得られる酸浸出スラリーを固液分離し、タングステンを含む浸出残渣とコバルトを含む浸出後液とを得る固液分離工程と、浸出後液のpHを調整するpH調整工程と、浸出後液を濾過する濾過工程と、濾過及びpH調整後の浸出後液をイオン交換樹脂に接触させることにより、浸出後液中に残存するタングステンを前記イオン交換樹脂に吸着させるタングステン吸着工程と、イオン交換樹脂に接触させた後の流出液を精製コバルト液として回収する工程とを含むコバルトとタングステンの分離方法である。
本発明に係るコバルトとタングステンの分離方法は一実施態様において、pH調整工程は、浸出後液のpHを3.5〜4.5に調整することを含む。
本発明に係るコバルトとタングステンの分離方法は別の一実施態様において、イオン交換樹脂が、強塩基性陰イオン交換樹脂である。
本発明に係るコバルトとタングステンの分離方法は更に別の一実施態様において、濾過工程は、孔径10μm以下の濾材を用いて濾過することを含む。
本発明に係るコバルトとタングステンの分離方法は更に別の一実施態様において、タングステンを吸着させたイオン交換樹脂を水洗し、水洗後に苛性ソーダを接触させることにより、タングステンを溶離させる溶離工程と、溶離工程後にイオン交換樹脂を水洗し、水洗後に硫酸ナトリウムをイオン交換樹脂と接触させることにより、浸出後液中に残存するタングステンをイオン交換樹脂に吸着可能な状態に再生させる再生工程とを更に含む。
本発明に係るコバルトとタングステンの分離方法は更に別の一実施態様において、コバルト・タングステン含有浸出残渣が、コバルト及びタングステンを含む被処理物を焙焼後、アルカリ浸出によりタングステンを抽出した後の浸出残渣である。
本発明によれば、Co−Wスクラップ、より具体的にはCo−Wスクラップ由来のコバルト・タングステン含有アルカリ浸出残渣からタングステンを分離して不純物の少ないコバルト溶液をより簡単で効率良く且つ安価に回収可能なコバルトとタングステンの分離方法が提供できる。
本発明の実施の形態に係るコバルトとタングステンの分離方法を表すフローチャートである。 イオン交換樹脂の溶離・再生フローを表すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係るコバルトとタングステンの分離方法に用いられる処理装置の一部を表す概略図である。
以下に図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。本発明が処理対象とする原料は、少なくともコバルト及びタングステンを含む被処理物を焙焼してアルカリ浸出し、タングステンを抽出した後のコバルト・タングステン含有アルカリ浸出残渣(Co−W含有浸出残渣)である。被処理物としては、具体的には超硬工具メーカーなどから発生するコバルト及びタングステン含有スクラップ(Co−Wスクラップ)などが好適に利用できる。
Co−Wスクラップの代表的な組成としては、Coが約15〜70質量%、Wが1〜40%程度であるが、排出元の生産工程での発生状況によりその組成も変化することは勿論である。Co−Wスクラップには、Co、Wの他に、鉄(Fe)、クロム(Cr)等の不純物も含まれている。コバルト・タングステン含有アルカリ浸出残渣としては、Coは例えば20〜60質量%、Wが5〜50質量%含む浸出残渣が好適に用いられる。
<Coの回収方法>
(酸浸出)
蛍光X線分析による分析によれば、コバルト・タングステン含有アルカリ浸出残渣中のCo形態は主に水酸化コバルトであると推測される。このため、図1に示すように、工程S1においては、まず、原料であるコバルト・タングステン含有アルカリ浸出残渣に鉱酸を加えることにより、コバルト・タングステン含有浸出残渣中のコバルトを浸出させる。Wの形態はタングステンカーバイドやタングステン酸等であり鉱酸による溶解度は低いため、工程S1においてコバルト・タングステン含有アルカリ浸出残渣を鉱酸で浸出することで、CoとWとを容易に分離できる。鉱酸としては塩酸、硫酸、硝酸及びこれらの混合物等を利用することができる。
工程S1では、パルプ濃度、pH、温度、処理時間を調整することで、Coの浸出を進行させるとともにWと、Cr、Fe等の不純物の一部を水酸化物として沈殿させる。
パルプ濃度に関しては、濃度をより高くするほど1回に処理できるCo溶解液のCo濃度が高くなるため、短時間でより高濃度のCoを含有するCo溶解液が得られる。しかしながら、パルプ濃度が高すぎると、反応槽で撹拌不良などを起こし、操業面での物理的な問題が発生する。その結果Coの浸出率が低下する問題が発生する場合もある。よって、パルプ濃度としては、150〜250dry−kg/m3、より好ましくは200〜250dry−kg/m3程度になるように調整することが好ましい。
工程S1においては、pHを高くするほど浸出液中のW濃度が低くなるため、浸出時のpHは出来るだけ高い方が好ましい。しかしながら、pHが5.5を越えると、浸出したCoが再度水酸化物となるため、Coの浸出率が低下する場合がある。一方、pHを4.5以下、例えば0.5〜1.0程度とすると、Cr、Feなどの不純物が完全に溶解してしまうため、その後の樹脂工程のpHの調整に薬剤費がかかり、安価に効率良く処理することが困難である。また、pHが低すぎるとWの浸出量が増えるため樹脂工程の負荷が増える上、不純物が完全に溶解してしまい、溶解した不純物を除去するための工程を別途追加する必要が生じるため、処理が複雑化する場合がある。
よって、簡単で効率良く且つ安価にコバルト原料を回収するためには、Co−W含有浸出残渣に鉱酸を加えたCo溶解液の浸出条件を、pH4.5〜5.5程度、より好ましくは4.5〜5.0程度になるように調整する。pHを4.5〜5.5に調整して酸浸出を行うことにより、Cr、Feの一部を水酸化物として沈殿させるとともに、共沈や未溶解分のCoのロスが少なくなる。また、上記pHとすることで、浸出液中のW濃度を100〜500mg/L程度に抑えることができる。
浸出温度は、高くするほどCoの浸出率が高くなるが、加温などのコストと浸出率との関係を考慮すると、加温無しでも十分なCo浸出率が得られる。このため、工程の簡略化の観点からすると、常温で実施するのが好ましい。反応時間については、時間とともにCoの浸出率は上昇するが、反応時間が長すぎるのも操業面での効率が悪くなるため、16〜24時間程度が好ましい。
(固液分離)
工程S2において、酸浸出工程S1で得られた酸浸出スラリーを固液分離し、Wを含む浸出残渣とCoを含む浸出後液とを得る。固液分離方法の具体例は特に制限されないが、工程S2では例えばフィルタープレスを用いた固液分離が好適に利用される。その結果、Co−W含有浸出残渣を処理した場合には、例えばCoを含む浸出後液中のCo濃度が30〜80g/L程度、W濃度が30〜500mg/L程度となる。一方、Wを含む浸出残渣中には、Wと、Cr、Fe等の不純物と、ロス分のCoが含まれる。
(pH調整)
工程S3において、工程S2の固液分離により得られたCoを含む浸出後液のpHを、後述する樹脂吸着工程S5におけるイオン交換樹脂へのW吸着に好適な濃度に調整する。pHは3.5〜4.5となるように調整するのが好ましく、より好ましくは、3.7〜4.0である。上記pH範囲に浸出後液を調整することで、後述するイオン交換樹脂のWの吸着性を更に向上させることができる。
(濾過)
工程S4において、工程S3で得られたpH調整後の浸出後液を濾過して浸出後液中の微細な沈殿物(不純物)を除去する。濾過工程S4で用いられる濾過方法としては、濾材を内部に装填したフィルターカートリッジを採用する方法が利用可能である。例えば、円筒形状の濾過筒(圧力容器)の内部に所定の孔径の濾材を装填し、濾過筒内にCoを含む浸出後液を供給することにより、浸出後液と濾材を接触させる。フィルターカートリッジ内の濾材は、使用状況に応じて酸洗浄、水洗などを行って繰り返し利用できるため、処理に必要な費用を低減できる。
濾材としては、孔径10μm以下の濾材を用いることが好ましい。これにより、浸出後液中に含まれるWを含む沈殿物を除去し、後述する樹脂吸着工程S5において沈殿物が樹脂塔を閉塞する現象を抑制できる。なお、濾材の孔径を小さくするほど不純物の除去効率の向上及び樹脂塔閉塞抑制効果が望めるため、より好ましくは孔径5μm以下、更に好ましくは1μm以下の濾材を用いることができ、例えば0.5μmの孔径の濾材がより好ましく利用できる。
濾材の材質は特に限定されないが、例えば、活性炭、不織布、化学繊維、セルロース、ガラス繊維などが利用可能である。再利用のための強度を考慮すると、メンブレンフィルターなども好適に用いることができる。なお、操業や設備設置の都合上、工程S2で得られた浸出後液に対する上記のpH調整工程S3と濾過工程S4の順番は、変更されてもよい。
(吸着)
pH調整後の浸出後液には微量のWが残存しているため、工程S5においては、イオン交換樹脂に浸出後液を接触させることにより、浸出後液中に残存するWをイオン交換樹脂に吸着させる。イオン交換樹脂は所定の容量を有する樹脂塔内に充填されており、樹脂塔内に浸出後液を通すことで、浸出後液とイオン交換樹脂とを接触させて浸出後液中のWをイオン交換樹脂に吸着させる。
ここでは、Coを含む浸出後液をSV=2〜8、BV=10〜15程度で通液することが好ましい。これにより、浸出後液中に含まれるWを効率良くイオン交換樹脂に吸着させることができる。
イオン交換樹脂としては、架橋したスチレン骨格に四級アンモニウムを有する強塩基性陰イオン交換樹脂、例えばアルキル基を有する第四級アンモニウムイオン塩基型(I型)の強塩基性イオン交換樹脂が好適に用いられる。強塩基性陰イオン交換樹脂には、ポーラス型、ハイポーラス型、ゲル型などが利用可能である。
(精製Co液回収)
工程S6において、イオン交換樹脂に接触させた後の流出液を精製コバルト液として回収する。この精製Co溶液には、W濃度が1mg/L未満に低減されている。従来Co−Wスクラップから最終的に得られるCo溶液は、タングステンを含有するために利用用途が限られ、安価なコバルト原料として取り扱われていた。本発明によれば、Co−Wスクラップ由来のCo−W含有浸出残渣を適正に処理することにより、より広範な用途に利用可能なより高価なコバルト原料として回収できるようになる。
<イオン交換樹脂の再生・溶離>
工程S5で利用されるイオン交換樹脂は、繰り返し利用することで、処理設備及び処理方法の効率化を図ることが好ましい。イオン交換樹脂の再生・溶離工程の処理フローの例を図2に示す。
図2の工程S51においては、図1の工程S5においてタングステンを吸着させたイオン交換樹脂に対し、水洗を行って、イオン交換樹脂に付着しているCo溶解液を洗い流す。ここでは例えば、BV=20〜30、SV=50程度で900〜1000Lの樹脂塔に水を通液することで、樹脂塔内のCoを洗い流すことができる。
次に、工程S52において、5〜10質量%の苛性ソーダ溶液をBV2〜50、SV2〜30で樹脂塔内に通液することで、イオン交換樹脂に吸着したWイオンをイオン交換樹脂から溶離させる。
次に、樹脂塔内に残存するWイオンの溶離に使用した苛性ソーダ溶液を洗い流すため、工程S53において再び水洗を実施する。ここでは例えば、BV=20〜30、SV=50程度で900〜1000Lの樹脂塔に水を通液することで、樹脂塔内の苛性ソーダを洗い流すことができる。
次に、工程S54において、5〜10質量%の硫酸ナトリウム溶液を例えばBV2〜30、SV2〜30でイオン交換樹脂と接触させ、イオン交換樹脂をSO4 2-型に再生させる。これにより、イオン交換樹脂は再びWを吸着可能な状態となるため、図1の工程S5において、再生工程S54を経たイオン交換樹脂をCoを含む浸出後液と接触させることにより、Coを含む浸出後液中のWをイオン交換樹脂に吸着させることができる。
図3は本発明の実施の形態に係るコバルトとタングステンの分離方法に好適な処理装置の一部を表す概略図である。図1の固液分離工程S2によって固液分離された浸出後液は、図3に示す処理タンク1内に一旦収容される。処理タンク1内の浸出後液はポンプ2によって汲み上げられ、フィルターカートリッジ3内に供給される。フィルターカートリッジ3内には孔径10μm以下の濾材が配置されており、浸出後液がフィルターカートリッジ3内で濾過される(濾過工程S3)。これにより、浸出後液中の微細な沈殿物が分離される。濾過後のろ液はpH調整槽4へ送られる。
濾過工程S3による濾過により得られたCoを含むろ液は、pH調整槽4内において樹脂吸着に好適なpHに調整される。ここではpHは3.5〜4.5、より好ましくは、3.5〜4.0に調整されることが好ましい。pH調整槽4に収容されたpH調整後のろ液は、弁11、12及びポンプ9を介して樹脂塔5へ送られる。
樹脂塔5内には強塩基性陰イオン交換樹脂が充填されており、樹脂塔5においてろ液中のWを強塩基性陰イオン交換樹脂に吸着させる。樹脂塔5を通過した流出液は、精製コバルト液として貯蔵タンク8内に回収される。強塩基性陰イオン交換樹脂に吸着したWは、苛性ソーダ収容槽7に収容された苛性ソーダを、弁14、12及びポンプ9を介して樹脂塔5内へ供給させることにより、強塩基性陰イオン交換樹脂から溶離させることが可能である。また、硫酸ナトリウム収容槽6に収容された硫酸ナトリウム溶液を弁13、12及びポンプ9を介して樹脂塔5内に供給することにより、樹脂塔5内の強塩基性陰イオン交換樹脂をWの吸着に好適なSO4 2-型に再生させることが可能である。樹脂塔5の上流側に弁15を介して水洗ラインを接続し、樹脂塔3内で所定の樹脂吸着処理が終了する毎に樹脂塔3内を水洗し、弁11〜15を切り替えて強塩基性陰イオン交換樹脂の溶離、再生、水洗を繰り返すことにより、pH調整槽4内に貯蔵されたCoを含むろ液を効率良く処理することができる。
以下に本発明の実施例を比較例と共に示すが、これらの実施例は本発明及びその利点をよりよく理解するために提供するものであり、発明が限定されることを意図するものではない。
(実施例1)
Co−Wスクラップを酸化焙焼し、苛性ソーダを加えてアルカリ浸出した後のコバルト・タングステン含有アルカリ浸出残渣であってCoを31.8質量%、Wを19.4質量%、不純物として鉄(Fe)及びクロム(Cr)等を含む原料に対し、鉱酸として98%硫酸を加え、常温において、パルプ濃度187dry−kg/m3でpHを4.7となるように調整し、コバルト・タングステン含有アルカリ浸出残渣中のCoを浸出させて浸出後液を得た。この浸出後液をフィルタープレスにより固液分離し、Wを含む浸出残渣とCoを含む浸出後液とに固液分離した。固液分離によって得られたCoを含む浸出後液を、孔径0.5μmの濾材を収容したフィルターカートリッジ内に通液させてろ液を得た。得られたろ液のpHを3.5に調整し、樹脂塔内に80vol%充填したI型強塩基性陰イオン交換樹脂に通液し、ろ液中に含まれるWをイオン交換樹脂に吸着させた。樹脂塔から流出した流出液を精製コバルト液として回収したところ、得られた精製コバルト液中のW濃度は1mg/L未満であった。
(実施例2)
−酸浸出工程におけるCo浸出率とW濃度との関係−
Co−Wスクラップを酸化焙焼し、苛性ソーダを加えてアルカリ浸出した後のコバルト・タングステン含有アルカリ浸出残渣であってCoを31.8質量%、Wを19.4質量%、不純物として鉄(Fe)及びクロム(Cr)等を含む原料に対し、鉱酸として98%硫酸を加え、常温において、パルプ濃度187dry−kg/m3で浸出液中のpHを変化させて、酸浸出工程におけるpH調整の影響を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2015196845
表1に示すように、pHを高くするほどW濃度を低くできることが分かった。しかし、pHが5.5以上になると浸出液中のCo濃度が低くなることが分かった。これは、一旦浸出したCoが再度水酸化物となり、Coのロスが大きくなったものと考えられる。浸出液中のCo濃度とW濃度の関係を考慮すると、酸浸出工程におけるpH調整は4.5〜5.5が望ましいことが分かった。
(実施例3)
−イオン交換樹脂吸着前のpH調整−
実施例1のCoを含む浸出液(濾過後のろ液)に対してpHを調整し、強塩基性陰イオン交換樹脂によるWの吸着性能を評価した。その結果、pH3.5〜4.5程度までは十分な吸着性能を示し、pH3.7〜4.0において特に良好な吸着性能を示していた。
(実施例4)
−イオン交換樹脂の繰り返し工程−
上記強塩基性陰イオン交換樹脂をCl型からSO4型にするために、8%硫酸ナトリウム溶液をBV2〜30、SV2〜30で通液した。その後、実施例1の固液分離によって得られたCoを含む浸出後液に対して、pHを3.7に調整した後に、孔径10μmの濾材で濾過し、強塩基性陰イオン交換樹脂と接触させることにより、液中のWを強塩基性陰イオン交換樹脂に吸着させた。吸着後、強塩基性陰イオン交換樹脂を水洗し、水洗後に10%苛性ソーダを接触させることにより、Wを溶離させた。Wの溶離後に強塩基性陰イオン交換樹脂を水洗し、10%硫酸ナトリウムを強塩基性陰イオン交換樹脂と接触させることにより、強塩基性陰イオン交換樹脂を再生した。上記手法を16回繰り返したところ、いずれも強塩基性陰イオン交換樹脂へのWの吸着及び溶離を十分に達成にできていた。
(比較例)
上記の実施例1と同様の原料に対し、鉱酸として98%硫酸を加え、常温において、パルプ濃度187dry−kg/m3 でpHを4.5〜5.0の範囲となるように調整し、原料中のCoを浸出させて浸出後液を得た。この浸出後液をフィルタープレスにより固液分離し、Wを含む浸出残渣とCoを含む浸出後液とに固液分離した。固液分離によって得られたCoを含む浸出後液を、濾過せずに、pHを3.0に調整し、樹脂塔内に80v%充填したイオン交換樹脂)に通液し、ろ液中に含まれるWをイオン交換樹脂に吸着させた。樹脂塔から流出した流出液を精製コバルト液として回収したところ、得られた精製コバルト液中のW濃度は1mg/Lを大きく超えていた。

Claims (6)

  1. コバルト・タングステン含有アルカリ浸出残渣に鉱酸を加え、pH4.5〜5.0の浸出条件でコバルトを浸出させる酸浸出工程と、
    酸浸出工程で得られる酸浸出スラリーを固液分離し、タングステンを含む浸出残渣とコバルトを含む浸出後液とを得る固液分離工程と、
    前記浸出後液のpHを調整するpH調整工程と、
    前記浸出後液を濾過する濾過工程と、
    濾過及びpH調整後の浸出後液をイオン交換樹脂に接触させることにより、該浸出後液中に残存するタングステンを前記イオン交換樹脂に吸着させるタングステン吸着工程と、
    前記イオン交換樹脂に接触させた後の流出液を精製コバルト液として回収する工程と
    を含むコバルトとタングステンの分離方法。
  2. 前記pH調整工程は、前記浸出後液のpHを3.5〜4.5に調整することを含む請求項1に記載のコバルトとタングステンの分離方法。
  3. 前記イオン交換樹脂が、強塩基性陰イオン交換樹脂である請求項1又は2に記載のコバルトとタングステンの分離方法。
  4. 前記濾過工程は、孔径10μm以下の濾材を用いて濾過することを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のコバルトとタングステンの分離方法。
  5. タングステンを吸着させた前記イオン交換樹脂を水洗し、該水洗後に苛性ソーダを接触させることにより、タングステンを溶離させる溶離工程と、
    前記溶離工程後に前記イオン交換樹脂を水洗し、水洗後に硫酸ナトリウムを前記イオン交換樹脂と接触させることにより、前記浸出後液中に残存するタングステンを前記イオン交換樹脂に吸着可能な状態に再生させる再生工程と
    を更に含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のコバルトとタングステンの分離方法。
  6. 前記コバルト・タングステン含有浸出残渣が、コバルト及びタングステンを含む被処理物を焙焼後、アルカリ浸出によりタングステンを抽出した後の浸出残渣である請求項1〜5のいずれか1項に記載のコバルトとタングステンの分離方法。
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