JP2016161480A - 微量の微小胞の定量、診断及びスクリーニング方法 - Google Patents

微量の微小胞の定量、診断及びスクリーニング方法 Download PDF

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重樹 青木
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Abstract

【課題】少量の試料中の微小胞に対して、超遠心分離を必要とせずに、簡便、迅速かつ高精度の定量方法を確立し、エクソソームの分泌が変動する疾患に対する診断方法及び又は予後予測方法並びに該疾患の治療又は予防薬のスクリーニング方法を提供する。【解決手段】微小胞の定量方法であって、1)微小胞を含む、生体試料又は組織培養若しくは細胞培養の培養上清に、標識剤を加えて微小胞を標識するステップ、2)標識された微小胞を含む試料に金属イオンを添加するステップ、3)金属イオン添加後の試料をインキュベーションすることにより、微小胞の凝集体及び/又は融合体を作製するステップ、及び、4)前記凝集体及び/又は融合体をフローサイトメトリーを用いて定量するステップを含む、微小胞の定量方法を提供する。【選択図】図5A

Description

本発明は、フローサイトメトリーを用いた微量のエクソソーム等の微小胞の定量方法、該方法を用いた疾患の診断及び予後予測方法、並びに、該疾患の治療薬等のスクリーニング方法に関する。
微小胞の一つであるエクソソームは細胞から放出される直径が30〜200 nm程度の微小胞であり、その検出や定量には、従来、超遠心分離法を用いた試料中のエクソソームの回収・精製法が使用されている。しかし、超遠心分離法は、大量スケールから回収することは可能であるが、収率は概して低い。また、既に、エクソソームを定量する手法として、エクソソーム表面タンパク質を抗原に、その特異的な抗体を用いた酵素結合免疫吸着法(ELISA)が開発されている(特許文献1)。具体的には、エクソソーム膜上のハウスキーピングタンパク質(CD63、Rab5等)に対する特異的な抗体をELISA用プレートに固相化し、そこにエクソソームを結合させ、別のエクソソーム特異的な一次抗体、次いでhorseradish peroxidase(HRP)標識した二次抗体を加え、HRP酵素活性によってエクソソーム量を定量するというものである。本手法を用いることで、少量のヒト体液中のエクソソーム量を定量することが可能となっている。
しかし、最近開発されたELISA法では、エクソソーム表面上の抗原を適切に選択する必要があり、またその抗原に対する特異的な抗体を必要とする。ELISA法という特性上、抗体等の作製又は入手に費用を要し、安価に実施することは難しい。また、その検出原理は抗原量依存的であり、生体反応の違い(疾患や薬物応答性等)によって、エクソソームの組成が変化した場合に対応することができない可能性も考えられる。さらに、ELISAの特性上、抗体の固相化や洗浄操作等の操作手順も多く、簡便であるとは言い難い。
特表2011−510309号公報
少量の試料中のエクソソーム等の微小胞に対して、超遠心分離を必要とせずに、煩雑な操作を必要としない、簡便、迅速かつ高精度の定量方法を確立し、微小胞の分泌が変動する疾患に対する診断方法及び/又は予後予測方法並びに該疾患の治療又は予防薬のスクリーニング方法を提供する。
本発明者らは、鋭意、微小の微小胞を簡便に検出する方法を研究し、エクソソーム等の微小胞同士を凝集及び/又は融合させることで微小胞サイズを大きくし、フローサイトメトリーによる定量分析、該定量分析法を利用した疾患の診断方法、及び、該疾患に対する治療薬等のスクリーニング方法を確立した。
具体的には、本発明は、微小胞の定量方法であって、
1)生体試料又は組織培養若しくは細胞培養の培養上清の微小胞を含む試料に、標識剤を加えて微小胞を標識するステップ、
2)標識された微小胞を含む試料に金属イオンを添加するステップ、
3)金属イオン添加後の試料をインキュベーションすることにより、微小胞の凝集体及び/又は融合体を作製するステップ、及び
4)前記凝集体及び/又は融合体をフローサイトメトリーを用いて定量するステップ
を含む、微小胞の定量方法を提供する。
本発明の微小胞の定量方法において、微小胞の標識は、蛍光標識、発光標識又は放射性標識である場合がある。
本発明の微小胞の定量方法において、前記蛍光標識は、DiI (1,1'-dioctadecyl-3,3,3',3'-tetramethylindocarbocyanine perchlorate)、DiD (1,1'-dioctadecyl-3,3,3',3'-tetramethylindodicarbocyanine, 4-chlorobenzenesulfonate salt)又はGFP (Green Fluorescent Protein)で標識される場合がある。
本発明の微小胞の定量方法において、前記金属イオンは、カルシウムイオンである場合がある。
本発明の微小胞の定量方法において、前記微小胞は、エクソソーム又はマイクロベシクルである場合がある。
本発明の微小胞の定量方法において、前記生体試料は、唾液、全血液、血漿、血清、尿、涙液、鼻汁、痰、精液、羊水、乳汁、脳脊髄液(CSF)、炎症性液、リンパ液、乳汁、胃腸液(GI)、肺胞洗浄液、嚢胞液、腹膜流体及び悪性腹水からなる群から選択される1種又は2種以上である場合がある。
さらに、本発明は、エクソソームの定量方法であって、
1)血漿、血清又は培養細胞の培養上清から選択されるエクソソームを含む試料にDiI (1,1'-dioctadecyl-3,3,3',3'-tetramethylindocarbocyanine perchlorate)、DiD (1,1'-dioctadecyl-3,3,3',3'-tetramethylindodicarbocyanine, 4-chlorobenzenesulfonate salt)又はGFP (Green Fluorescent Protein)を加えてエクソソームを蛍光標識するステップ、
2)蛍光標識されたエクソソームを含む試料にカルシウムイオンを添加するステップ、
3)カルシウムイオン添加後の試料をインキュベーションすることにより、エクソソームの凝集体及び/又は融合体を作製するステップ、及び、
4)該凝集体及び/又は融合体をフローサイトメトリーを用いて定量するステップ
を含む、エクソソームの定量方法を提供する。
さらに、本発明は、前記微小胞又はエクソソームの定量方法を用いて、被験者の疾患の有無、リスク若しくは重症度を診断又は予後予測する方法を提供する。
被験者の疾患の有無、リスク若しくは重症度を診断又は予後予測する方法の発明において、前記疾患は、がん、感染症、炎症性疾患、免疫性疾患、自己免疫疾患、心血管疾患及び神経系疾患からなる群から選択される疾患である場合がある。
被験者の疾患の有無、リスク若しくは重症度を診断又は予後予測する方法の発明において、前記がんは、メラノーマ(悪性黒色腫)、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、膠芽細胞腫、肺がん、膵臓がん、大腸がん、結腸がん、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん及び子宮内膜がんからなる群から選択される場合がある。
被験者の疾患の有無、リスク若しくは重症度を診断又は予後予測する方法の発明において、前記神経疾患は、アルツハイマー病、軽度認知障害、パーキンソン病及びプリオン病からなる群から選択される場合がある。
また、本発明は、微小胞の放出を増加又は減少させる化合物のスクリーニング方法であって、
1)微小胞を放出する、培養細胞若しくは培養組織の培養液の微小胞を含む試料又は生体に、被験化合物を添加又は投与するステップ、
2)前記微小胞を含む試料又は前記生体より得られた生体試料に標識剤を加えて微小胞を標識するステップ、
3)標識された微小胞を含む試料に金属イオンを添加するステップ、
4)金属イオン添加後の試料をインキュベーションすることにより、微小胞の凝集体及び/又は融合体を作製するステップ、
5)前記凝集体及び/又は融合体をフローサイトメトリーを用いて定量するステップ、及び
6)前記被験化合物の効果を判定するステップ
を含む、スクリーニング方法を提供する。
少量の試料中に存在する微小胞に対して、超遠心分離方法による分離等の精製操作を必要とせずに、ELISA法等の他の方法で必要な煩雑な操作を必要とせずに、簡便、迅速かつ高精度の定量分析が可能である。さらに、本定量方法の利用により、エクソソーム等の微小胞の分泌が変動する疾患に対する診断方法及び又は予後予測方法並びに該疾患の治療又は予防薬のスクリーニング方法に使用できる。
DiI及びDiDで蛍光標識したリポソームを混合し、種々のカルシウムイオンを加えて融合反応を行い、その結果をフローサイトメーターを用いて分析した結果を示した。縦軸SS-peakは側方散乱光の強度の最大値を表し、横軸FSは前方散乱光の強度を表す。 図1Aにおいて、右上の領域のDiI蛍光強度ヒストグラムを示した。反応系中のカルシウムイオン濃度が2 mMのものでは、DiI蛍光強度の高い領域にピークを認め、この集団が融合したリポソーム由来のものと考えられる。縦軸は蛍光粒子の計数値を表し、横軸は蛍光強度を表す。 DiI及びDiDで蛍光標識したリポソーム混合し、反応系中のカルシウムイオン濃度を2 mMとして融合反応を行い、その産物を共焦点顕微鏡によって観察した。DiIとDiD蛍光の局在パターンが一致し、数μmサイズの小胞が認められたことから、リポソーム同士が融合していると考えられる。図中のバーは10 μmを示す。 図1Cにおいて、融合反応前後の試料の粒子径分布を測定した結果を示した。 図1Aにおいて、DiI蛍光が確認された領域に含まれる計数値を反応系中の、1、2及び5 mMの範囲のカルシウムイオン濃度ごとに示した。データは3〜4試料の平均値±標準偏差で表した。 DiIで蛍光標識したリポソームをDiDで蛍光標識した様々な濃度のリポソームと混合させ、反応系中のカルシウムイオン濃度を2 mMとして融合反応を行った後に、フローサイトメトリーによる分析を行い、DiIリポソームと融合したDiDリポソーム数を定量した。データは3〜4試料の平均値±標準偏差で表した。 ラット血漿とラット血漿由来のエクソソームをウェスタンブロッティング法によって分析した結果を示した。 DiIで蛍光標識したラット血漿由来のエクソソーム10 μg/mLに対して2 mMのカルシウムイオンを用いて融合反応を行い、フローサイトメトリーにより分析した。縦軸SS-peakは側方散乱光の強度の最大値を表し、横軸FSは前方散乱光の強度を表す。 図2Bにおいて、右上の領域のDiI蛍光強度ヒストグラムを示した。 図2Bにおいて、融合反応前後の試料の粒子径分布を測定した結果を示した。 DiIで蛍光標識した様々な濃度のラット血漿由来のエクソソームに対して2 mMのカルシウムイオンを用いて融合反応を行った後に、フローサイトメトリーによる分析を行った。データは3〜4試料の平均値±標準偏差で表した。 HEK293又はK562細胞の可溶化液(Cell)とエクソソーム産物(Exo)をウェスタンブロッティング法によって分析した結果を示した。 DiIで蛍光標識したHEK293又はK562細胞由来のエクソソーム10 μg/mLに対して2 mMのカルシウムイオンを用いて融合反応を行い、フローサイトメトリーを用いて分析した結果を示した。縦軸SS-peakは側方散乱光の強度の最大値を表し、横軸FSは前方散乱光の強度を表す。 図3Bにおいて右上の領域のDiI蛍光強度ヒストグラムを示した。 DiIで蛍光標識した様々な濃度のHEK293細胞由来のエクソソームに対して2 mMのカルシウムイオンを用いて融合反応を行った結果を示した。データは3〜4試料の平均値±標準偏差で表した。 DiIで蛍光標識したラット血漿0.05 v/v %に対して2 mMのカルシウムイオンを用いて融合反応を行い、フローサイトメトリーを用いて分析した結果を示した。縦軸SS-peakは側方散乱光の強度の最大値を表し、横軸FSは前方散乱光の強度を表す。 図4Aにおいて右上の領域のDiI蛍光強度ヒストグラムを示した。 図4Aにおいて融合反応前後の試料の粒子径分布を測定した結果を示した。 DiIで蛍光標識したラット血漿に対して2 mMのカルシウムイオンを用いて融合反応を行った後に、フローサイトメトリーを用いて分析を行い、DiI蛍光の確認された領域に含まれる計数値をプロットした結果を示した。データは3〜4試料の平均値±標準偏差で表した。 DiIで蛍光標識したヒト血漿0.05 v/v %に対して2 mMのカルシウムイオンを用いて融合反応を行い、フローサイトメトリーを用いて分析した結果を示した。縦軸SS-peakは側方散乱光の強度の最大値を表し、横軸FSは前方散乱光の強度を表す。 図5Aにおいて右上の領域のDiI蛍光強度ヒストグラムを示した。 DiIで蛍光標識したヒト血漿に対して2 mMのカルシウムイオンを用いて融合反応を行った後に、フローサイトメトリーを用いて分析を行い、DiI蛍光の確認された領域に含まれる計数値をプロットした結果を示した。データは3〜4試料の平均値±標準偏差で表した。 DiIで蛍光標識したマウス(6ヶ月齢)血漿0.05 v/v %に対して2 mMのカルシウムイオンを用いて融合反応を行い、フローサイトメーターを用いて分析した結果を示した。縦軸SS-peakは側方散乱光の強度の最大値を表し、横軸FSは前方散乱光の強度を表す。 図5Dにおいて右上の領域のDiI蛍光強度ヒストグラムを示した。 4匹のマウス(6週齢)からそれぞれ調製したエクソソームに対してDiIで蛍光標識を行い、血漿0.1 μL相当のエクソソームに対して2 mMのカルシウムイオンを用いて融合反応を行った。フローサイトメーターを用いて分析を行い、DiI蛍光の確認された領域に含まれる計数値を示した。データは6試料の平均値±標準偏差で表した。
1.生体試料等中のエクソソーム等の微小胞の定量
本発明は、エクソソーム等の微小胞を含む生体から採取した液体試料、又は培養された細胞若しくは組織の培養上清中のエクソソーム等の微小胞を超遠心分離や抗体処理等の煩雑な操作を行うことなく、微小胞を含む液体試料に金属イオンを添加し、インキュベーションすることにより凝集及び/又は融合させ、その後フローサイトメトリーを用い、迅速かつ簡便に微小胞を定量する方法である。
具体的には、本発明の微小胞の定量法は、例えば、
1)微小胞を含む、生体試料又は組織培養若しくは細胞培養の培養上清に、標識剤を加えて微小胞を標識するステップ、
2)標識された微小胞を含む試料に金属イオンを添加するステップ、
3)金属イオン添加後の試料をインキュベーションすることにより、微小胞の凝集体及び/又は融合体を作製するステップ、及び
4)前記凝集体及び/又は融合体をフローサイトメトリーを用いて定量するステップ
等によって実施される。
本明細書において、「微小胞」とは、細胞が自然的に分泌する脂質で覆われた膜小胞の総称であり、その直径は、好ましくは30 nm〜1 μm程度であり、由来する細胞の細胞膜成分からなる脂質二重膜によって内部と外部が区分され、細胞の細胞脂質及び細胞膜タンパク質、核酸、並びに細胞成分を持っている。これらの微小胞の中で、本発明は、特に、エクソソームの定量に使用される。
本明細書において、「エクソソーム」は、細胞から分泌された脂質二重膜で形成される直径30 nm〜200 nm程度の小胞である。生体では唾液、血液、尿、羊水、悪性腹水等の体液中で観察され、培養細胞からも分泌され、がん患者ではがん細胞から血漿中への分泌が亢進することが知られており、がん以外にも神経疾患、炎症性疾患、感染症等において、血漿中のエクソソームが上昇することが報告されている。
「フローサイトメトリー」は、一般に、水流中の粒子に、例えば、励起光を照射し、個々の粒子から発する蛍光や散乱光を測定するという原理により、細胞集団中の個々の細胞の大きさ、細胞内微細構造、DNA含量や膜抗原の発現量の分布を測定する方法として広く使用されている。これらの多様な用途の中、本発明におけるフローサイトメトリーの使用においては、例えば、微小胞の大きさと複雑度との関係の評価を中心とした解析による、エクソソーム等の微小胞の定量が好ましいが、これに限定されない。
本明細書におけるフローサイトメトリーにおいて、例えば、前方散乱光は細胞の大きさに相関するパラメータとして、また、側方散乱光は、例えば細胞内構造の複雑性・内部構造(顆粒密度や核形など)を表すパラメータとして用いられる。概ね、これらのパラメータは正の相関関係を示す。
液体中の微小胞を蛍光標識する方法は、例えば、市販の蛍光標識剤を利用し、その使用マニュアルに従い、微小胞を蛍光標識できる。市販の蛍光標識剤としては、アクリロダン、ダンジルアジリジン、4−[N−[(2−ヨードアセトキシ)エチル]−N−メチルアミノ]−7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾールエステル(IANBDE)又は4−[N−[(2−ヨードアセトキシ)エチル]−N−メチルアミノ−7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール(IANBDA)、Alexa Fluor色素、Bodipy、フルオレセイン誘導体、ローダミン誘導体、Texas Red、DiI (1,1'-dioctadecyl-3,3,3',3'-tetramethylindocarbocyanine perchlorate)、DiD (1,1'-dioctadecyl-3,3,3',3'-tetramethylindodicarbocyanine, 4-chlorobenzenesulfonate salt)等が挙げられるが、これらに限定されない。本発明においては、DiI及びDiDが好ましい。また、GFP (Green Fluorescent Protein)等の蛍光タンパク質をコードする核酸を有するベクターを細胞にトランスフェクトすることにより、細胞を蛍光標識し、フローサイトメトリーによる解析に利用することができる。
微小胞の発光標識としては、リン光、及び生物発光などを利用したルシフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼ又はローダミンを結合した抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
微小胞の放射性標識の例としては、例えば、125I放射性核種で標識したモノクローナル抗体を使用することにより、微小胞を定量することができる。標識用放射性核種として、125I以外にも、ガンマ線又は消滅ガンマ線を放出する11C、14C、13N、15O、18F、22Na、24Na、42K、43K、47Ca、51Cr、52Mn、52Fe、55Fe、59Fe、57Co、58Co、60Co、62Cu、64Cu、65Zn、67Ga、68Ga、72Ga、68Ge、74As、76As、75Se、82Br、81mKr、85Kr、81Rb、86Rb、85Sr、87mSr、87Y、88Y、99Mo、99mTc、103Ru、105Rh、109Pd、111Ag、111In、113mIn、113Sn、117mSn、132Te、123I、131I、132I、133Xe、131Cs、141Ce、140La、149Pm、153Sm、161Tb、157Dy、166Dy、166Ho、167Tm、169Yb、175Yb、177Lu、182Ta、186Re、188Re、192Ir、198Au、199Au、197Hg、203Hg、201Tl、203Pb、211Bi、212Bi、213Bi、214Bi、222Rn、226Ra及び225Acからなる群から選択される放射性核種を使用することができる。モノクローナル抗体は、微小胞に内在又は表在する分子に対して、特異的に結合するモノクローナル抗体を、公知の方法により作製し、使用することができる。
例えば、エクソソームに内在する分子として、がん患者での産生、放出の亢進が認められているmiRNAが、エクソソームに表在する分子として、CD63が挙げられ、これらの抗miRNAモノクローナル抗体及び抗CD63モノクローナル抗体を、上記に記載の標識剤から選択される標識剤を使用して標識することにより、本発明を実施できる。
前記エクソソームの標識は、複数の標識方法及び/又は複数の標識剤を用い、多重標識することもできる。
本発明において、微小胞の融合及び/又は凝集は、金属イオンを添加し、インキュベーションすることによって行われる。
金属イオンとしては、多価の金属カチオン、有利にはカルシウム、ストロンチウム、バリウム及びラジウム等のアルカリ土類金属イオン及びアルミニウムイオンが挙げられ、特に、カルシウムイオンが好ましい。これらの金属イオンの濃度は、終濃度とし0.5 mMを超える濃度であり、好ましくは1〜10 mMであり、さらに好ましくは2 mMである。
インキュベーションは、所定の温度で行われる。温度は、15〜80℃、好ましくは35〜75℃の範囲の温度である。
また、カルシウムの場合には、添加するカルシウムイオンの濃度は、終濃度として0.5 mM以上であり、好ましくは1〜10 mMであり、もっとも好ましくは2 mMである。
2.前記微小胞の定量法を用いた各種疾患の被験者の診断又は予後予測する方法
前記フローサイトメトリーを用いた微小胞の定量法は、さらに、エクソソーム等微小胞の産生又は放出が変動する疾患の診断方法又は予後予測する方法として、使用することができる。
具体的には、被験者の生体試料を測定試料として、該測定試料中のエクソソーム等の微小胞の量又は濃度を定量することにより、該被験者の疾患の有無、リスク若しくは重症度を診断又は予後予測できる。
また、本発明は、前記診断又は予後予測の補助に使用できる。例えば、本発明で得られたエクソソームの量又は濃度の測定値を参考にして、被験者から得られる前記疾患に関連する症状、病理学的所見、生化学的所見及び/又は理学的所見等の他の所見と併せて、被験者の疾患の有無、リスク若しくは重症度を診断又は予後予測することができる。
前記測定試料は、患者から採取した唾液、全血液、血漿、血清、尿、涙液、鼻汁、痰、精液、羊水、乳汁、脳脊髄液(CSF)、炎症性液、リンパ液、乳汁、胃腸液(GI)、肺胞洗浄液、嚢胞液、腹膜流体及び悪性腹水などから選択される生体試料、並びに、患者から採取した細胞又は組織を培養し、その培養上清等が挙げられる。これらの試料中の微小胞濃度を測定し、健常人の試料で得られた値と比較することにより、エクソソーム等微小胞の産生又は放出が変動する疾患の診断方法又は予後予測する方法として、使用可能である。
エクソソーム等微小胞の産生又は放出が変動する疾患としては、例えば、がん、感染症、炎症性疾患、免疫性疾患、自己免疫疾患、心血管疾患及び神経系疾患などが挙げられる。
前記がんとしては、メラノーマ(悪性黒色腫)、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、膠芽細胞腫、肺がん、膵臓がん、大腸がん、結腸がん、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、前立腺がん、胃がん、精巣がん、肝臓がん、皮膚がん、食道がん、白血病、骨肉腫、軟部腫瘍、胆道がん、多発性骨髄腫、腎臓がん、悪性リンパ腫、膀胱がん、喉頭がん、頭頸部のがん、卵巣がん、小児がん及び乳がんなどが挙げられるが、これらに限定されない。
前記感染症としては、細菌感染症、真菌感染症、リケッチア感染症、クラミジア感染症、ウイルス感染症、原虫感染症、寄生虫感染症及び異常プリオン感染症などが挙げられる。
前記感染症により、髄膜炎、脳炎、鼻炎、副鼻腔炎、咽頭炎、喉頭炎、眼窩蜂窩織炎、喉頭蓋炎、咽頭後壁膿瘍、亜急性甲状腺炎、レミエール症候群、肺炎、気管支炎、結核、感染性心内膜炎、心外膜炎、心筋炎、感染性大動脈炎、敗血症、胆嚢炎、胆管炎、肝炎、肝膿瘍、膵炎、脾膿瘍、胃炎・胃潰瘍、腸炎、虫垂炎、腸腰筋膿瘍、クラミジア肝周囲炎、腎盂腎炎、膀胱炎、前立腺炎、膣炎、骨盤内感染症、蜂窩織炎、脂肪織炎、ガス壊疽、せつ、よう、伝染性膿痂疹(とびひ)、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群、帯状疱疹、水痘、麻疹、風疹、皮膚白癬、疥癬など関節、筋肉、骨感染性関節炎、骨髄炎、筋膜炎、筋炎、脊椎カリエス、リンパ節炎、歯周炎、齲蝕、根尖性歯周炎及びインプラント周囲炎などの炎症性症状を呈する。本発明は、これらに限らない炎症性疾患の診断や予後予測にも使用できる。
前記免疫性疾患及び自己免疫疾患としては、例えば、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、花粉症、蕁麻疹、アナフィラキシー、アトピー性皮膚炎、薬剤性溶血性貧血、薬剤性血小板減少症、子宮体腎炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、過敏性肺炎、関節リウマチによる血管円、ウイルス性肝炎、接触性皮膚炎及びバセドウ病等があげられる。
心血管疾患としては、心不全、心筋梗塞、狭心症、動脈硬化症、高血圧症、脳卒中、脳血管障害、脳出血、くも膜下出血、脳梗塞、一過性脳虚血発作、脳塞栓及び脳血栓などが挙げられるが、これらに限定されない。
前記神経系疾患としては、アルツハイマー病、軽度認知障害、パーキンソン病及びプリオン病などが挙げられるが、これらに限定されない。
3.前記微小胞の定量法を用いた各種疾患に対する治療薬又は予防薬のスクリーニング方法
また、本発明は、前記本発明の微小胞の定量法法を用い、前記微小胞の産生又は放出の増加又は減少を伴う疾患に対する治療薬又は予防薬のスクリーニング方法として、実施できる。
ヒトを含む動物の生体より採取した細胞若しくは組織、又は、市販若しくは寄託機関より分譲される細胞若しくは組織を培養し、培養液中に被験化合物を添加し、一定時間インキュベーション後の培養上清を採取し、該培養上清中のエクソソームの濃度又は量を、前記の微小胞の定量方法を用いて定量する。被験化合物を添加すること以外は同条件で測定した被験化合物非添加群の培養上清中のエクソソーム濃度又は量を対照として比較することにより、被験化合物のエクソソーム量の放出活性に対する活性を評価する。
市販若しくは寄託機関より分譲されているヒト由来の培養細胞として、がん若しくは腫瘍由来の培養細胞、又は胎児由来の細胞等を使用でき、例えば、K562細胞、HL-60細胞、Jurkat細胞、A549細胞、RAW264.7細胞、HeLa細胞又はHEK293細胞などが挙げられるが、これらに限定されない。
前記動物より採取する組織としては、中枢神経系、骨、胸部、腎臓、子宮頸部、子宮内膜、頭部/頚部、胆嚢、耳下腺、前立腺、下垂体、筋肉、食道、胃、小腸、大腸、肝臓、脾臓、膵臓、甲状腺、心臓、肺、膀胱、脂肪、リンパ節、子宮、卵巣、副腎、精巣、扁桃腺及び胸腺等から選択される器官又は組織から採取した組織試料などが挙げられるが、これらに限定されない。
前記培養液は、公知の細胞培養液又は組織培養液を用いることにより実施することが可能であり、市販の細胞培養液又は組織培養液を用いることもできる。例えば、DMEM(ナカライテスク株式会社、京都)、RPMI1640(ナカライテスク株式会社、京都)にそれぞれ10% fetal bovine serum(FBS)(Life Technologies, Carlsbad, CA, USA)、Antibiotic Antimycotic(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO, USA)を加えた培地を使用することもできる。
また、前記スクリーニング方法は、被験化合物を動物等に投与し、該動物より採取した細胞又は組織を培養し、その培養上清中のエクソソームを測定することにより実施できる。
さらに、前記スクリーニング方法は、被験化合物を動物等に投与し、該動物より生体試料を採取し、該生体試料中のエクソソーム濃度又は量を定量し、被験化合物非投与動物の生体試料中のエクソソーム濃度又は量と比較することにより、実施できる。
前記被験化合物を投与する動物の動物種としては、例えば、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、イヌ、ネコ、サル、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ウシ及びニワトリ等が挙げられるが、これらに限定されない。
これらの動物から採取する生体試料としては、例えば、唾液、全血液、血漿、血清、尿、涙液、鼻汁、痰、精液、羊水、乳汁、脳脊髄液(CSF)、炎症性液、リンパ液、乳汁、胃腸液(GI)、肺胞洗浄液、嚢胞液、腹膜流体及び悪性腹水など等が挙げられる。
本明細書において言及される全ての文献はその全体が引用により本明細書に取り込まれる。ここに記述される実施例は本発明の実施形態を例示するものであり、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
[材料及び実験方法]
(1)人工リポソームの作製
人工リポソームは、実際のエクソソームを模するために以下の脂質類を混合して作製した:卵黄由来ホスファチジルコリン(PC)(和光純薬工業株式会社、大阪)、卵黄由来ホスファチジルエタノールアミン(PE)(和光純薬工業株式会社、大阪)、ウシ脳由来ホスファチジルセリン(PS)(和光純薬工業株式会社、大阪)、コレステロール(CHL)(和光純薬工業株式会社、大阪)。文献(Sadia Beloribi et al. PLOS ONE. 7(10):e47480, 2012)を参考に、組成はモル比でPC:PE:PS:CHL=54:7:9:30とした。
秤量した各脂質10 mgをクロロホルム3 mLに溶解した後に混合し、そこに蛍光色素である1,1'-dioctadecyl-3,3,3',3'-tetramethylindocarbocyanine perchlorate(DiI)(和光純薬工業株式会社、大阪)又は1,1'-dioctadecyl-3,3,3',3'-tetramethylindodicarbocyanine, 4-chlorobenzenesulfonate salt(DiD)(和光純薬工業株式会社、大阪)を0.2 mol%となるように加えた。溶液に対して窒素ガスを吹き付けてクロロホルムを蒸発させて、ナスフラスコの内壁に薄膜を形成させた。さらに、デシケーター内で一晩乾燥させ、65℃に加温した5%グルコース溶液を加えて薄膜を剥離して脂質の懸濁液とし、プローブ型ソニケーターを用いて溶液が澄明になるまで約15分間超音波破砕した。その後、ポア径0.22 μmのメンブレンフィルター(Merck Millipore, Berlin, Germany)でろ過した。リポソームの回収量の評価はリン脂質C-テストワコー(和光純薬工業株式会社、大阪)によるPC濃度の測定によって行った。すべての試料は4℃で保存した。
(2)エクソソーム源
A.細胞培養上清
ヒト胎児腎細胞由来のHEK293細胞(独立行政法人理化学研究所、つくば)とヒト慢性骨髄性白血病由来のK562細胞(独立行政法人理化学研究所、つくば)を用いた。HEK293細胞(細胞数7×106個/dish)はDMEM(ナカライテスク株式会社、京都)、K562細胞(細胞数7.5×106個/dish)はRPMI1640(ナカライテスク株式会社、京都)にそれぞれ10% fetal bovine serum(FBS)(Life Technologies, Carlsbad, CA, USA)、Antibiotic Antimycotic(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO, USA)加えた培地(10 mL)中で培養を行った。培養上清中のエクソソームを回収するにあたり、FBS由来のエクソソームを除去する必要があるため、20% FBSを含む培地を100,000×gで16時間以上の遠心を行い、その上澄みをポア径0.22 μmのメンブレンフィルター(Merck Millipore, Berlin, Germany)でろ過した試料(Exosome free medium, E.F.M.)を用意した。このE.F.M.中で、K562又はHEK293細胞を24時間培養した後に上清を回収し、400×gで20分間、800×gで10分間、10,000×gで20分間の段階的な遠心処理を行い、細胞断片等を除去した試料を培養上清試料とした。すべての試料は4℃で保存した。
B.動物血漿・血清
SPFグレードの雄性SDラット(6ヶ月齢、日本エスエルシー株式会社、静岡)又は雄性ddYマウス(6ヶ月齢又は6週齢、日本エスエルシー株式会社、静岡)の頸静脈からペントバルビタールによる麻酔下全血を採取した。その際、ヘパリン処理を施したシリンジを用い、ラットに対しては21G、マウスに対しては23Gの針を使用した。回収した血液は氷上で一時的に保存し、次のとおりに段階的な遠心処理を行った。はじめに400×gで20分間遠心し、血球成分と血漿成分を分離して血漿画分を回収した。その後、800×gで10分間、10,000×gで20分間遠心して上清を回収し、これらを血漿試料として用いた。また、ラット又はマウスの血清は、ヘパリン処理を施さないシリンジを使用して同様に全血を回収した後に、血清回収用のBD Microtainer(R) Blood Collection Tubes(Becton Dickinson, Franklin Lakes, NJ, USA)を用いて0.2 mLを取得した。すべての試料は4℃で保存した。なお、本実験は、千葉大学動物実験委員会の承認の下、実施された。
C.ヒト血漿
ヒト血漿は、Georoge King Bio-medical, inc.(Overland Park, KS, USA)より購入したHuman plasma Pooled normal(Lot No. 3278)を用いた。
(3)エクソソームの取得
上記(2)A.の10,000×gで20分間遠心した後の上清5 mLに対してその5分の1量のExoQuick-TC(System Biosciences, Mountain View, CA, USA)を加え、4℃で一晩静置させた後に1,500×gで30分間遠心分離を行い、細胞培養上清由来のエクソソーム試料0.1 mLを得た。また、ラット血清又はマウス血清0.1 mLの4分の1量のExoQuick(System Biosciences, Mountain View, CA, USA)を加え、4℃で30分間静置させた後に1,500×gで30分間遠心を行い、エクソソーム試料0.1 mLを得た。すべての試料は4℃で保存した。
(4)カルシウムイオンによる融合反応
A.DiIによる血漿中微小胞の蛍光標識
血漿試料10 μLを含む5%グルコース溶液に、蛍光色素であるDiIを終濃度が25 μg/mlとなるように加えて0.1 mLとし、37℃で15分間インキュベーションを行った。
B.融合反応
反応に用いたカルシウムイオン2 mMは塩化カルシウムを5%グルコース溶液に溶解させたものである。また、5%グルコース溶液を融合反応バッファーとして用いた。
a.リポソームの融合反応
作製したリポソーム(4 μg PC/mL)とカルシウムイオン(2 mM)とを混合し、反応液量が100 μLとなるように調製した。この混合液をまず室温(23℃)で10分間静置してリポソームを凝集させ、続く65℃、60分間の加温処理によってリポソームの融合を行った。その後、形成された小胞の安定化を図るために、室温で60分間静置した。
b.血漿試料の融合反応
DiIによる蛍光標識を行った血漿試料とカルシウムイオン(終濃度で2 mM)を混合し、反応液量が100 μLとなるように調製した。融合反応のプロトコールはリポソームのそれと同じである。
(5)フローサイトメトリーによる測定及び解析法
A.フローサイトメトリーによる測定
測定は、フローサイトメーターとしてセルアナライザーEC800(ソニー株式会社、東京)を用いて行った。測定プロトコールは次のとおりである。Run volumeは30 μL、flow rateは60 μL/min、蛍光の検出感度(PMT)は最大の10に設定した。測定対象は、FS-PeakにおいてGain=1で102以上のものとした。各蛍光物質に対する励起光(Ex.)及び蛍光検出フィルター(Em.)の波長は、DiI:Ex.488 nm、Em.585/40 nm、DiD:Ex.642 nm、Em.665/30 nmとした。
B.測定結果の解析
まず、測定データを横軸FS(前方散乱光の強度;小胞の大きさ)、縦軸SS-Peak(側方散乱光の強度の最大値;小胞構造の複雑性)にて展開した。このチャートにおいて下部のノイズ由来の集団と分離して得られる領域を抽出し、これらに対して試料の蛍光での展開を行ない、顕著に蛍光強度の大きい領域を解析対象とした。また、その領域に含まれる計数値は、4パラメータロジスティック回帰分析により解析した。
(6)ウェスタンブロッティングによる分析
ラット血漿試料、回収した細胞又はエクソソーム試料をBCA protein assay Kit(Thermo Fisher Scientific, Waltham, MA, USA)を用い、タンパク質濃度を測定した後に、タンパク質量として5又は10 μg相当を12.5%のSDS-ポリアクリルアミドゲルを用いて展開した。電気泳動後、ゲル上のタンパク質をPVDFメンブレン(Merck Millipore, Berlin, Germany)に転写した。このメンブレンを5% BSAを含む0.05% Tween20入りTBS(TTBS)でブロッキングし、次の一次抗体と反応させた:抗CD81抗体(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO, USA)、抗β-actin抗体(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO, USA)、抗Cofilin抗体(Cell Signaling Technology, Beverly, MA, USA)、抗Calnexin抗体(Abcam, Cambridge, UK)を用いた。その後、対応する二次抗体(GE Healthcare, Buckinghamshire, UK)とインキュベーションを行い、ECL Prime Western Blotting Detection Reagent(GE Healthcare, Buckinghamshire, UK)を用いて検出した。検出器はLAS 4000(GE Healthcare, Buckinghamshire, UK)を用いた。
(7)融合したリポソームの共焦点顕微鏡による観察
融合反応を行ったリポソーム試料をLSM 700(ZEIS, Thornwood, NY, USA)を用いて観察し、画像の編集にはImageJ(NIH, Bethesda, MD, USA)を使用した。
(8)試料の粒子径分布測定装置による測定
各種試料の粒度分布を粒子径分布測定装置(UPA-UT151型、日機装株式会社、東京)を用いて測定した。
[リポソームの融合とフローサイトメトリーによる解析結果]
(A)DiI及びDiDで蛍光標識したリポソームそれぞれ2 μg PC/mLを混合し、0〜10 mMの範囲の種々のカルシウムイオンを加えて、全量0.1 mLとして、65℃、60分間で融合反応を行い、その結果をフローサイトメーターを用いて分析した(図1A)。反応系中のカルシウムイオン濃度を2 mMとすることで、下部のノイズの集団から分離されたサイズの大きな領域(右上)に集団が現れたことが確認でき、リポソーム同士の融合が起きたものと考えられる。
(B)上記(A)において、右上の領域のDiIの蛍光強度のヒストグラムを示した(図1B)。反応系中のカルシウムイオン濃度が2 mMのものでは、DiI蛍光強度の高い領域にピークを認め、この集団が融合したリポソーム由来のものと考えられる。
(C)DiI及びDiDで蛍光標識したリポソームそれぞれ2 μg PC/mLずつを混合し、反応系中のカルシウムイオン濃度を2 mMとして65℃、60分間で融合反応を行い、その産物を共焦点顕微鏡によって観察した(図1C)。DiIとDiDによる蛍光の局在パターンが一致し、数μmサイズの小胞が認められたことから、リポソーム同士が融合していると考えられる。図中のバーは10 μmを示す。
(D)上記(C)において、融合反応前後の試料の粒子径分布を測定したところ、反応後において顕著に小胞サイズが大きくなっていることが示された(図1D)。
(E)上記(A)において、DiIの蛍光が確認された領域に含まれる計数値を反応系中のカルシウムイオン濃度ごとに示した(図1E)。カルシウムイオン濃度が1、2及び5 mMの範囲では、安定したリポソームの融合が認められた。データは3〜4試料の平均値±標準偏差で表した。
(F)DiIで蛍光標識したリポソーム4 μg PC/mLをDiDで蛍光標識した様々な濃度のリポソームと混合させ、反応系中のカルシウムイオン濃度を2 mMとして、全量0.1 m Lとして、65℃、60分間で融合反応を行った(図1F)。フローサイトメーターによる分析を行い、DiIリポソームと融合したDiDリポソーム数の定量を試みた。DiI及びDiDによる蛍光が確認された領域に含まれる計数値はほぼ変わらなかったが、DiDによる蛍光強度の幾何平均値は使用したDiDで標識されたリポソーム濃度と線形性を示した。データは3〜4試料の平均値±標準偏差で表した。
[ラット血漿とラット血漿より精製したエクソソームの融合とフローサイトメトリーでの解析結果]
(A)ラット血漿とラット血漿より精製したエクソソームをウェスタンブロッティングによって分析した(図2A)。その結果、エクソソーム試料ではエクソソームタンパク質であるCD81の高い発現を認め、細胞骨格タンパク質であるβ-actinと Cofilinの発現も確認された。また、小胞体タンパク質であるCalnexinは検出されなかったことから、エクソソームが濃縮的に取得できていることが示された。
(B)DiIで蛍光標識したラット血漿由来のエクソソーム5 μg/mL(血漿0.028 μL相当)に対して2 mMのカルシウムイオンを用いて、全量0.1 m Lとして、65℃、60分間で融合反応を行い、フローサイトメーターを用いて分析した(図2B)。リポソームを用いた検討と同様に、小胞サイズが大きくなり、融合が顕著に惹起されたことが示された。
(C)上記(B)において、右上の領域のDiIの蛍光強度ヒストグラムを示した(図2C)。融合反応によって、DiIの蛍光強度の高い領域にピークを認め、エクソソームが融合したものと考えられる。
(D)上記(B)において、融合反応前後の試料の粒子径分布を測定したところ、反応後において小胞サイズが顕著に大きくなっていることが分かる(図2D)。
(E)0.1 mLの系においてDiIで蛍光標識した様々な濃度のラット血漿由来のエクソソームに対して2 mMのカルシウムイオンを用いて65℃、60分間で融合反応を行った。フローサイトメーターによる分析を行い、DiIによる蛍光が確認された領域に含まれる計数値をプロットしたところ、用いたエクソソーム濃度と良好な相関関係(R2=0.9976)を示した(図2E)。データは3〜4試料の平均値±標準偏差で表した。
[培養細胞の培養上清中のエクソソームの融合とフローサイトメトリーによる解析結果]
(A)HEK293又はK562細胞の可溶化液(Cell)と精製したエクソソーム(Exo)それぞれ5 μg相当をウェスタンブロッティングによって分析した(図3A)。その結果、エクソソーム試料ではエクソソームタンパク質であるCD81の高い発現を認め、細胞骨格タンパク質であるβ-actinも検出された。一方で、小胞体タンパク質であるCalnexinは検出されなかったことから、エクソソームが濃縮的に取得できていることが示された。
(B)0.1 mLの系においてDiIで蛍光標識したHEK293又はK562細胞由来のエクソソーム10 μg/mL(それぞれ細胞培養上清32 μL、36 μL相当)に対して2 mMのカルシウムイオンを用いて融合反応を行い、フローサイトメーターを用いて分析した(図3B)。ラット血漿より精製したエクソソームを用いた検討と同様に、小胞サイズが大きくなり、融合が顕著に惹起されたものと考えられる。
(C)上記(B)において、右上の領域のDiIの蛍光強度のヒストグラムを示した(図3C)。いずれの細胞においても、融合反応によって、DiI蛍光強度の高い領域にピークを認め、エクソソームが融合したものと考えられる。
(D)DiIで蛍光標識した1〜20 μg/mL(細胞培養上清3.2〜65 μL相当)の範囲の様々な濃度のHEK293細胞より精製したエクソソームに対して2 mMのカルシウムイオンを用いて、全量0.1 m Lとして、65℃、60分間で融合反応を行った(図3D)。フローサイトメーターによる分析を行い、DiI蛍光の確認された領域に含まれる計数値をプロットしたところ、用いたエクソソーム濃度と良好な相関関係(R2=0.9963)を示した。データは3〜4試料の平均値±標準偏差で表した。
[ラット血漿中のエクソソームの融合とフローサイトメトリーによる解析結果]
(A)DiIで蛍光標識したラット血漿0.05 v/v %に対して2 mMのカルシウムイオンを用いて、全量0.1 m Lとして、65℃、60分間で融合反応を行い、フローサイトメーターを用いて分析した(図4A)。精製したエクソソームのみならず血漿試料中のエクソソームを含む微小胞においても融合反応が起きたものと考えられる。
(B)上記(A)において、右上の領域のDiIの蛍光強度ヒストグラムを示した。融合反応によって、DiI蛍光強度の高い領域にピークを認めた(図4B)。
(C)上記(A)において、融合反応前後の試料の粒子径分布を測定したところ、反応後において顕著に小胞サイズが大きくなっていることが分かる(図4C)。
(D)DiIで蛍光標識したラット血漿に対して2 mMのカルシウムイオンを用いて、全量0.1 m Lとして、65℃、60分間で融合反応を行った。フローサイトメーターを用いて分析を行い、DiIの蛍光が確認された領域に含まれる計数値をプロットしたところ、用いた血漿試料量と良好な相関関係(R2=0.9998)を示した(図4D)。データは3〜4試料の平均値±標準偏差で表した。
[ヒト血漿中のエクソソームの融合とフローサイトメトリーによる解析結果]
(A)DiIで蛍光標識したヒト血漿0.05 v/v %に対して2 mMのカルシウムイオンを用いて、全量0.1 m Lとして、65℃、60分間で融合反応を行い、フローサイトメーターを用いて分析した(図5A)。血漿中のエクソソームを含む微小胞同士が融合したと考えられる。
(B)上記(A)において、右上の領域のDiI蛍光強度ヒストグラムを示した(図5B)。融合反応によって、DiI蛍光強度の高い領域にピークを認めた。
(C)DiIで蛍光標識したヒト血漿に対して2 mMのカルシウムイオンを用いて、全量0.1 m Lとして、65℃、60分間で融合反応を行った。フローサイトメーターを用いて分析を行い、DiI蛍光が確認された領域に含まれる計数値をプロットしたところ、用いた血漿試料量と良好な相関関係を示した(R2=0.9879)(図5C)。データは3〜4試料の平均値±標準偏差で表した。
(D)0.1 mLの系においてDiIで蛍光標識したマウス血漿0.05 v/v %に対して2 mMのカルシウムイオンを用いて65℃60分間で融合反応を行い、フローサイトメーターを用いて分析した(図5D)。血漿中のエクソソームを含む微小胞同士が融合したと考えられる。
(E)上記(D)において、右上の領域のDiI蛍光強度ヒストグラムを示した。融合反応によって、DiI蛍光強度の高い領域にピークを認めた(図5E)。
(F)0.1 mLの系において4匹のマウス(6週齢)からそれぞれ調製したエクソソームに対してDiIで蛍光標識を行い、血漿0.1 μL相当のエクソソームに対して2 mMのカルシウムイオンを用いて0.1 mL、65℃、60分間で融合反応を行った。フローサイトメーターを用いて分析を行い、DiI蛍光の確認された領域に含まれる計数値を示した(図5F)。データは6試料の平均値±標準偏差で表した。また、それぞれのエクソソーム溶液のタンパク質濃度を測定した。棒グラフがフローサイトメーターによる計数値を、黒い円がエクソソーム濃度を表している。エクソソーム濃度とフローサイトメーターによる計数値の良好な相関を認めた。
[実施例の総括]
以上の結果より、ラット血漿やヒト血漿等の生体試料中のエクソソームを、超遠心分離を行うことなく、即ち、前処理による生体試料中のエクソソームを精製する操作を必要とせず、また、抗体を使用することなく、1 μL以下の微量の試料で、簡便かつ迅速に生体試料中に含まれるエクソソームを定量できることが示された。
すなわち、本測定系における手技は、遠心分離による培養上清の精製、試薬(脂質膜蛍光標識剤、カルシウム溶液)の添加、加温処理のみであり、従来のELISA法に比べれば非常に操作が簡便である。また、使用する試薬等も抗体などの高価なものでなく、安価であり、コストダウンも図ることができる。また、培養上清の回収からフローサイトメーターによる検出まで数時間で完了し、かかる時間も従来法と同等かそれより短いと考えられる。
本測定系を応用することによって、がんを含む疾患等によるエクソソーム分泌量の変化の定量的解析や、薬剤刺激等に応答したエクソソーム分泌量の変化を測定することによる化合物の網羅的スクリーニングも可能となり、各疾患のバイオマーカー探索にも応用が可能である(マーカータンパク質も同時に蛍光標識することによって、フローサイトメトリーによる分析を行うことができる)。
現在、疾患バイオマーカーとしてmiRNAが着目されているが、miRNAの運搬体はエクソソームであり、本発明の方法を用い患者の血中エクソソーム量を測定することで、疾患の検査を簡便に行うことができる。疾患や癌特異的なエクソソームが見出されれば、本手法を応用して、疾患特異的プローブ(抗体を含む)を用いたフローサイトメトリーによる検査も可能となり、大幅なコストダウンと操作の簡略化が期待できる。本技術は、個別化医療への足掛かりや、様々な疾患の予防に有用と考えられる。

Claims (12)

  1. 微小胞の定量方法であって、
    1)生体試料又は組織培養若しくは細胞培養の培養上清の微小胞を含む試料に、標識剤を加えて微小胞を標識するステップ、
    2)標識された微小胞を含む該試料に金属イオンを添加するステップ、
    3)金属イオン添加後の試料をインキュベーションすることにより、微小胞の凝集体及び/又は融合体を作製するステップ、及び
    4)前記凝集体及び/又は融合体をフローサイトメトリーを用いて定量するステップ
    を含む、微小胞の定量方法。
  2. 微小胞の標識は、蛍光標識、発光標識又は放射性標識である、請求項1に記載の微小胞の定量方法。
  3. 前記蛍光標識は、DiI (1,1'-dioctadecyl-3,3,3',3'-tetramethylindocarbocyanine perchlorate)、DiD (1,1'-dioctadecyl-3,3,3',3'-tetramethylindodicarbocyanine, 4-chlorobenzenesulfonate salt)又はGFP (Green Fluorescent Protein)である、請求項2に記載の微小胞の定量方法。
  4. 前記金属イオンは、カルシウムイオンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の微小胞の定量方法。
  5. 前記微小胞は、エクソソーム又はマイクロベシクルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の微小胞の定量方法。
  6. 前記生体試料は、唾液、全血液、血漿、血清、尿、涙液、鼻汁、痰、精液、羊水、乳汁、脳脊髄液(CSF)、炎症性液、リンパ液、乳汁、胃腸液(GI)、肺胞洗浄液、嚢胞液、腹膜流体及び悪性腹水からなる群から選択される1種又は2種以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の微小胞の定量方法。
  7. エクソソームの定量方法であって、
    1)血漿、血清又は培養細胞の培養上清から選択されるエクソソームを含む試料にDiI (1,1'-dioctadecyl-3,3,3',3'-tetramethylindocarbocyanine perchlorate)、DiD (1,1'-dioctadecyl-3,3,3',3'-tetramethylindodicarbocyanine, 4-chlorobenzenesulfonate salt)又はGFP (Green Fluorescent Protein)を加えてエクソソームを蛍光標識するステップ、
    2)蛍光標識されたエクソソームを含む試料にカルシウムイオンを添加するステップ、
    3)カルシウムイオン添加後の試料をインキュベーションすることにより、エクソソームの凝集体及び/又は融合体を作製するステップ、
    4)該凝集体及び/又は融合体をフローサイトメトリーを用いて定量するステップ
    を含む、エクソソームの定量方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の微小胞又はエクソソームの定量方法を用いて、被験者の疾患の有無、リスク若しくは重症度を診断又は予後予測する方法。
  9. 前記疾患は、がん、感染症、炎症性疾患、免疫性疾患、自己免疫疾患、心血管疾患及び神経系疾患からなる群から選択される疾患である、請求項8に記載の被験者の疾患の有無、リスク若しくは重症度を診断又は予後予測する方法。
  10. 前記がんは、メラノーマ(悪性黒色腫)、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、膠芽細胞腫、肺がん、膵臓がん、大腸がん、結腸がん、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん及び子宮内膜がんからなる群から選択される、請求項9に記載の被験者の疾患の有無、リスク若しくは重症度を診断又は予後予測する方法。
  11. 前記神経疾患は、アルツハイマー病、軽度認知障害、パーキンソン病及びプリオン病からなる群から選択される、請求項9に記載の被験者の疾患の有無、リスク若しくは重症度を診断又は予後予測する方法。
  12. 微小胞の放出を増加又は減少させる化合物のスクリーニング方法であって、
    1)微小胞を放出する、培養細胞若しくは培養組織の培養液の微小胞を含む試料又は生体に、被験化合物を添加又は投与するステップ、
    2)前記微小胞を含む試料又は前記生体より得られた生体試料に標識剤を加えて微小胞を標識するステップ、
    3)標識された微小胞を含む試料に金属イオンを添加するステップ、
    4)金属イオン添加後の試料をインキュベーションすることにより、微小胞の凝集体及び/又は融合体を作製するステップ、
    5)前記凝集体及び/又は融合体をフローサイトメトリーを用いて定量するステップ、及び
    6)前記被験化合物の効果を判定するステップ
    を含む、スクリーニング方法。
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