JP2018112496A - 被検者が膵臓癌に罹患している可能性を試験する方法 - Google Patents

被検者が膵臓癌に罹患している可能性を試験する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被検者が膵臓癌に罹患している可能性を試験するための方法及び試薬、膵臓癌と膵臓癌以外の膵臓疾患とを鑑別する方法及び試薬、並びに被検者が膵臓癌に罹患している可能性をモニタリングする方法及び試薬を提供する。
【解決手段】被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8(Epidermal growth factor Receptor kinase substrate 8:上皮成長因子受容体キナーゼ 基質8)を測定することを特徴とする、被検者が膵臓癌に罹患している可能性を試験する方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、被検者が膵臓癌に罹患している可能性を試験する方法、膵臓癌と膵臓癌以外の膵臓疾患とを鑑別する方法、被検者が膵臓癌に罹患している可能性をモニタリングする方法、被検者が膵臓癌に罹患している可能性を試験するための試薬、膵臓癌と膵臓癌以外の膵臓疾患とを鑑別するための試薬、及び被検者が膵臓癌に罹患している可能性をモニタリングするための試薬に関する。
エクソソームは、生体内の体液中に存在する小胞顆粒である。エクソソーム表面には、一般的な細胞表面と同様に、種々の膜タンパク質が存在することが知られている。また、エクソソームは、種々の細胞、例えば免疫系の細胞や各種がん細胞から分泌されることが報告されており、生体内の細胞間コミュニケーションの媒介役として機能し生理現象と関連することや、がんなどの疾患との関連性が注目されている。
近年、エクソソーム表面に特定抗原(CD9、CD63、CD147)を発現するエクソソーム量を測定することによる大腸がんの検出方法(特許文献1)、卵巣がん患者において、がんの進行に伴い血液中のエクソソーム量が増大すること(非特許文献1)等がこれまでに報告されている。
また、エクソソームが有する成分の測定方法としては、エクソソームが有する第1抗原と特異的に結合する第1抗体、及び、エクソソームが有する第2抗原と特異的に結合する第2抗体を用いる免疫測定方法が知られている(特許文献2)。
EPS8(Epidermal growth factor Receptor kinase substrate 8:上皮成長因子受容体キナーゼ 基質8)は上皮成長因子受容体の基質であって、Racを活性化させる因子であること、及び、膵臓癌患者の組織で高発現していることが報告されている(非特許文献2)。
国際公開第2014/167969号 国際公開第2013/094307号
Taylor., et al., Gynecologic Oncol, 100(2008) pp13-21 T. Welsch., et al., Cancer Letters, 255(2007) pp205-218
本発明の目的は、被検者が膵臓癌に罹患している可能性を試験するための方法及び試薬、膵臓癌と膵臓癌以外の膵臓疾患とを鑑別する方法及び試薬、並びに被検者が膵臓癌に罹患している可能性をモニタリングする方法及び試薬を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、被検者より採取した検体中の、EPS8、特にエクソソームが有するEPS8を測定することにより、被検者が膵臓癌に罹患している可能性を判定でき、さらに膵臓癌患者と膵臓癌以外の膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8を測定することにより、膵臓癌と膵臓癌以外の膵臓疾患とを鑑別でき、さらに、被検者が膵臓癌に罹患している可能性をモニタリングすることができることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、以下の[1]〜[47]に関する。
[1]被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8を測定することを特徴とする、被検者が膵臓癌に罹患している可能性を試験する方法。
[2]以下の工程を含むことを特徴とする、[1]に記載の方法。
(1)被検者より検体を採取する工程;
(2)工程(1)で採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8の濃度を測定する工程;
(3)工程(2)で測定したEPS8濃度が、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度よりも高い場合には該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が高いと判定し、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低い場合には該被検者は膵臓癌に罹患している可能性は低いと判定する工程
[3]前記工程(2)において、前記工程(1)で採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8の濃度の測定が、検体より単離されたエクソソームを用いて行われる、[2]に記載の方法。
[4]前記工程(2)が免疫学的測定法によって行われる、[2]又は[3]に記載の方法。
[5]前記免疫学的測定法が、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を用いて行われる、[4]に記載の方法。
[6]前記免疫学的測定法が、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及びエクソソームに特異的に発現する抗原(以下、エクソソーム特異的抗原という)に結合する抗体又は該抗体断片を用いて行われる、[4]に記載の方法。
[7]前記エクソソーム特異的抗原が、CD63、CD9、CD81、CD37、CD53、CD82、CD13、CD11、CD86、ICAM−1、Rab5、Annexin V、又はLAMP1である、[6]に記載の方法。
[8]前記検体が、血液である、[1]〜[7]のいずれか一つに記載の方法。
[9]膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8を測定することを特徴とする、膵臓疾患患者において、膵臓癌と膵臓癌以外の膵臓疾患とを鑑別する方法。
[10] 以下の工程を含むことを特徴とする、[9]に記載の方法。
(1)被検者より検体を採取する工程;
(2)工程(1)で採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8の濃度を測定する工程;
(3)工程(2)で測定したEPS8濃度が、膵臓癌以外の膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度よりも高い場合には該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が高いと判定し、膵臓癌以外の膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低い場合には該被検者は膵臓癌以外の膵臓疾患に罹患している可能性が高いと判定する工程
[11]前記工程(2)において、前記工程(1)で採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8の濃度の測定が、検体より単離されたエクソソームを用いて行われる、[10]に記載の方法。
[12]前記工程(2)が免疫学的測定法によって行われる、[10]又は[11]に記載の方法。
[13]前記免疫学的測定法が、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を用いて行われる、[12]に記載の方法。
[14]前記免疫学的測定法が、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及びエクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を用いて行われる、[12]に記載の方法。
[15]前記エクソソーム特異的抗原が、CD63、CD9、CD81、CD37、CD53、CD82、CD13、CD11、CD86、ICAM−1、Rab5、Annexin V、又はLAMP1である、[14]に記載の方法。
[16]前記膵臓癌以外の膵臓疾患が、膵炎である、[9]〜[15]のいずれか一つに記載の方法。
[17]前記検体が、血液である、[9]〜[16]のいずれか一つに記載の方法。
[18]被検者より経時的に採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8を測定することを特徴とする、被検者が膵臓癌に罹患している可能性をモニタリングする方法。
[19]以下の工程を含むことを特徴とする、[18]に記載の方法。
(1)被検者より経時的に検体を採取する工程;
(2)工程(1)で採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8の濃度を測定する工程;
(3)工程(2)で測定したEPS8濃度が、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度よりも高い濃度で維持されている場合には該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が高いと判定し、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低い濃度で維持されている場合には該被検者は膵臓癌に罹患している可能性は低いと判定する工程。
[20]前記工程(2)において、前記工程(1)で採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8の濃度の測定が、検体より単離されたエクソソームを用いて行われる、[19]記載の方法。
[21]前記工程(2)が免疫学的測定法によって行われる、[19]又は[20]に記載の方法。
[22]前記免疫学的測定法が、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を用いて行われる、[21]に記載の方法。
[23]前記免疫学的測定法が、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及びエクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を用いて行われる、[21]に記載の方法。
[24]前記エクソソーム特異的抗原が、CD63、CD9、CD81、CD37、CD53、CD82、CD13、CD11、CD86、ICAM−1、Rab5、Annexin V、又はLAMP1である、[23]に記載の方法。
[25]前記検体が、血液である、[18]〜[24]のいずれか一つに記載の方法。
[26]被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8測定試薬を含むことを特徴とする、被検者が膵臓癌に罹患している可能性を試験するための試薬。
[27]前記EPS8測定試薬が、免疫学的測定試薬である、[26]に記載の試薬。
[28]前記免疫学的測定試薬が、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を含む、[27]に記載の試薬。
[29]前記免疫学的測定試薬が、さらに、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を含む、[28]に記載の試薬。
[30]前記エクソソーム特異的抗原が、CD63、CD9、CD81、CD37、CD53、CD82、CD13、CD11、CD86、ICAM−1、Rab5、Annexin V、又はLAMP1である、[29]に記載の試薬。
[31]さらに、エクソソーム単離試薬を含む、[26]〜[30]のいずれか一つに記載の試薬。
[32]前記検体が、血液である、[26]〜[31]のいずれか一つに記載の試薬。
[33]被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8測定試薬を含むことを特徴とする、膵臓癌患者と膵臓癌以外の膵臓疾患患者とを鑑別するための試薬。
[34]前記EPS8測定試薬が、免疫学的測定試薬である、[33]に記載の試薬。
[35]前記免疫学的測定試薬が、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を含む、[34]に記載の試薬。
[36]前記免疫学的測定試薬が、さらに、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を含む、[35]に記載の試薬。
[37]前記エクソソーム特異的抗原が、CD63、CD9、CD81、CD37、CD53、CD82、CD13、CD11、CD86、ICAM−1、Rab5、Annexin V、又はLAMP1である、[36]に記載の試薬。
[38]さらに、エクソソーム単離試薬を含む、[33]〜[37]のいずれか一つに記載の試薬。
[39]前記膵臓癌以外の膵臓疾患が、膵炎である、[33]〜[38]のいずれか一つに記載の試薬。
[40]前記検体が、血液である、[33]〜[39]のいずれか一つに記載の試薬。
[41]被検者より経時的に採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8測定試薬を含むことを特徴とする、被検者が膵臓癌に罹患している可能性をモニタリングするための試薬。
[42]前記EPS8測定試薬が、免疫学的測定試薬である、[41]に記載の試薬。
[43]前記免疫学的測定試薬が、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を含む、[42]に記載の試薬。
[44]前記免疫学的測定試薬が、さらに、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を含む、[43]に記載の試薬。
[45]前記エクソソーム特異的抗原が、CD63、CD9、CD81、CD37、CD53、CD82、CD13、CD11、CD86、ICAM−1、Rab5、Annexin V、又はLAMP1である、[44]に記載の試薬。
[46]さらに、エクソソーム単離試薬を含む、[41]〜[45]のいずれか一つに記載の試薬。
[47]前記検体が、血液である、[41]〜[46]のいずれか一つに記載の試薬。
本発明により、被検者が膵臓癌に罹患している可能性を試験するための方法及び試薬、膵臓癌と膵臓癌以外膵臓疾患とを鑑別するための方法及び試薬、並びに被検者が膵臓癌に罹患している可能性をモニタリングするための方法及び試薬が提供される。
健常人(4検体)、膵炎患者(4検体)、膵臓癌患者(4検体)から採取された血清中のエクソソームを用いて、ウェスタンブロット法により、EPS8(97kD)、及び、エクソソーム特異的抗原であるCD63を検出した結果である。 健常人(10検体)、膵炎患者(10検体)、及び膵臓癌患者(23検体)から採取した血清中のエクソソームを用いて、それぞれの血清中のエクソソームが有するEPS8量を比較した結果である。縦軸は、ウェスタンブロット法で得られたEPS8のシグナル及びCD63のシグナルから算出した、EPS8/CD63のシグナル比を示す。 手術前及び手術後の膵臓癌患者(ステージIB:1検体、ステージIIB:2検体、ステージIII:2検体)から採取した血清中のエクソソームを用いて、ウェスタンブロット法により、EPS8(97kD)を検出した結果である。 再発した膵臓癌患者(22検体)及び健常人(2検体)から採取した血清中のエクソソームを用いて、それぞれの血清中のエクソソームが有するEPS8量を比較した結果である。縦軸は、ウェスタンブロット法で得られたEPS8のシグナル及びCD9のシグナルから算出した、EPS8/CD9のシグナル比を示す。
1.被検者が膵臓癌に罹患している可能性を試験する方法
本発明の、被検者が膵臓癌に罹患している可能性を試験する方法は、被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8の濃度を測定することを特徴とする方法である。
本発明におけるエクソソームとは、動物細胞から分泌される直径30〜100nmの脂質二重膜で覆われた膜小胞である。
本発明における検体としては、エクソソームが有するEPS8が測定され得る検体であれば特に制限はなく、例えば血液、尿、唾液、乳汁、鼻汁、脳脊髄液等が挙げられ、血液が好ましい。前記血液としては、例えば、全血、血清、血漿等が挙げられ、血清が好ましい。
本発明において、エクソソームが有するEPS8とは、エクソソームに内包されているEPS8、エクソソームの膜表面に存在しているEPS8、エクソソームの膜を貫通しているEPS8等の何れの形態のEPS8をも意味する。
本発明において、エクソソームが有するEPS8濃度とは、単位容量あたりの質量又はモル数のみならず、単位容量あたりのシグナル強度をも包含する。
[測定方法1]
本発明において、被検者が膵臓癌に罹患している可能性を試験する方法は、以下の工程を含む方法により行うことができる。
(1)被検者より検体を採取する工程;
(2)工程(1)で採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8の濃度を測定する工程;
(3)工程(2)で測定したEPS8濃度が、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度よりも高い場合には被検者は膵臓癌に罹患している可能性が高いと判定し、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低い場合には被検者は膵臓癌に罹患している可能性は低いと判定する工程。
以下、各工程について詳細に説明する。
<工程(1)>
工程(1)において、被検者より採取された検体としては、前述の検体等が挙げられる。
<工程(2)>
工程(2)は、工程(1)で採取された検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を測定する工程である。工程(1)で採取された検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度は、例えば、免疫学的測定法によって測定することができる。免疫学的測定法としては、検体中の、エクソソームが有するEPS8の濃度を抗原抗体反応を用いて測定できる方法であれば如何なる方法でも用いることができ、例えば、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及び、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片と、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片とを用いる方法等が挙げられる。
工程(2)におけるEPS8に結合する抗体としては、EPS8を測定できる抗体であれば特に制限はなく、例えば、Purified Mouse Anti−Eps8(日本ベクトン・ディッキンソン社製、クローン:15/Eps8)等が挙げられる。
工程(2)におけるエクソソーム特異的抗原としては、例えば、CD63、CD9、CD81、CD37、CD53、CD82、CD13、CD11、CD86、ICAM−I、Rab5、AnnexinV、LAMP1等が挙げられる。
エクソソーム特異的抗原に結合する抗体としては、エクソソーム特異的抗原に結合できる抗体であれば特に制限はなく、Purified Mouse Anti−Human CD63(日本ベクトン・ディッキンソン社製、クローン:H5C6)、Purified Mouse Anti−Human CD9(日本ベクトン・ディッキンソン社製、クローン:M−L13)、Purified Mouse Anti−Human CD81(日本ベクトン・ディッキンソン社製、クローン:JS−81)、Purified Mouse Anti−Human CD37(日本ベクトン・ディッキンソン社製、クローン:M−B371)、Purified Mouse Anti−Human CD53(日本ベクトン・ディッキンソン社製、クローン:HI29)、Anti−CD82 antibody[C33](アブカム社製)、Purified Mouse Anti−Human CD13(日本ベクトン・ディッキンソン社製、クローン:WM15)、Purified Mouse Anti−Human CD11a(日本ベクトン・ディッキンソン社製、クローン:27/CD11a)、Purified Mouse Anti−Human CD11b/Mac−1(日本ベクトン・ディッキンソン社製、クローン:ICRF44)、Purified Mouse Anti−Human CD11c(日本ベクトン・ディッキンソン社製、クローン:3.9)、Purified Mouse Anti−Human CD86(日本ベクトン・ディッキンソン社製、クローン:2331 (FUN−1))、Anti−ICAM1 antibody[HM1](アブカム社製)、Purified Mouse Anti−Rab5(日本ベクトン・ディッキンソン社製、クローン:1/Rab5)、Anti−Annexin V antibody[EPR3979](アブカム社製)、Purified Mouse Anti−Human Lamp−1(日本ベクトン・ディッキンソン社製、クローン:25/Lamp−1)等が挙げられる。
工程(2)におけるEPS8に結合する抗体断片、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体断片としては、それぞれEPS8、エクソソーム特異的抗原を測定できる抗体断片であれば特に制限はなく、例えば抗体をパパイン処理により得られるFab、ペプシン処理により得られるF(ab’)、ペプシン処理−還元処理により得られるFab’等のFc部分が除去された抗体断片、遺伝子工学的手法によりFc部分が除去された抗体断片等が挙げられる。
工程(2)の、検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度は、サンドイッチELISAや後述のエクソスクリーン法等により測定することができる。サンドイッチELISAにおいて、エクソソームが有するEPS8濃度の測定に用いる上記2種類の抗体のうち、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を固相用抗体として、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を標識用抗体として用いることができる。あるいは、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を固相用抗体として、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を標識用抗体として用いることもできる。固相用抗体及び標識用抗体の調製は、特に限定はなく、公知の方法に従って行うことができる。
エクソソームが有するEPS8の測定方法は、エクソソームが有するEPS8を測定し得る方法であれば、如何なる方法を用いて行うことができ、例えば免疫学的測定法等の方法を用いて行うことができる。
具体的には、固相用抗体として、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を用い、標識用抗体として、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を用いる場合は、固相に固定化されたEPS8に結合する抗体又は該抗体断片に、検体中の、EPS8を有するエクソソームを結合させ、次いで、標識化された、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を添加して、固相上に、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、エクソソーム、及び、標識化された、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片の複合体を形成させ、形成した該複合体中の該標準を測定することにより、該検体中の、エクソソームが有するEPS8を測定することができる。
また、固相用抗体として、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を用い、標識用抗体として、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を用いる場合は、固相に固定化されたエクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片に、検体中のエクソソームを結合させ、次いで、標識化された、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を添加して、固相上に、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片、エクソソーム、及び、標識化された、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片の複合体を形成させ、形成した該複合体中の該標準を測定することにより、該検体中の、エクソソームが有するEPS8を測定することができる。
上記において、固相としては、例えば、マイクロタイタープレート、ガラス製又は合成樹脂製の粒状物(ビーズ)、ガラス製又は合成樹脂製の球状物(ボール)、ラテックス、磁性粒子、ニトロセルロース膜等の各種メンブレン、合成樹脂製の試験管等を用いることができる。標識としては、例えば酵素、蛍光物質、発光物質、放射性同位元素、ビオチン、ジゴキシゲニン、タグ配列を含むポリペプチド、金属コロイド粒子、着色ラテックス粒子等を用いることができる。
酵素としては、例えば、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、ガラクトシダーゼ、グルクロニダーゼ、ルシフェラーゼ等が挙げられる。
蛍光物質としては、例えば、フルオレッセイン イソチオシアナート(FITC)、ローダミンB−イソチオシアナート(RITC)等が挙げられる。その他の蛍光物質としては、例えば、quantum dot(Science, 281, 2016−2018, 1998)、フィコエリスリン等のフィコビリ蛋白質、GFP(Green fluorescent Protein)、RFP(Redfluorescent Protein、YFP (Yellow fluorescent Protein)、BFP(Blue fluorescent Protein)等の蛍光を発する蛋白質が挙げられる。
発光物質としては、例えば、アクリジニウム及びその誘導体、ルテニウム錯体化合物、ロフィン等が挙げられる。ルテニウム錯体化合物としては、電子供与体と共に電気化学的に発光する、Clin.Chem.37,9,1534−1539, 1991に示されたものが好ましい。
放射性同位元素としては、例えば、H、14C、35S、32P、125I、131I等が挙げられる。
タグ配列を含むポリペプチドとしては、FLAGペプチド(FLAGタグ、Asp Tyr Lys Asp Asp Asp Asp Lys)、ポリヒスチジン(Hisタグ、His His His His His His)、mycエピトープペプチド(mycタグ、Glu Gln Lys Leu Ile Ser Glu Glu Asp Leu)、ヘマグルチニンエピトープペプチド(HAタグ、Tyr Pro Tyr Asp Val Pro Asp Tyr Ala)等が挙げられる。
工程(2)において、検体中のエクソソームを破壊せずに、検体中の、エクソソームが有するEPS8の濃度を測定する場合には、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片として、上記EPS8に結合する抗体又は該抗体断片のうち、エクソソーム表面に存在するEPS8のエピトープに結合する抗体又は抗体断片を用いることが好ましい。
工程(2)における免疫学的測定法としては、前述のサンドイッチELISAの他に、エクソスクリーン法が挙げられる。エクソスクリーン法 は、PerkinElmer社が開発したAlphaLISAを応用したものである。本方法においては、エピトープの異なる2種類の抗体を用いて、片方の抗体にはビオチンを結合させたビオチン化抗体を、もう片方にはAlphaLISAアクセプタービーズを結合させた抗体を用いて解析試料と反応させる。その後、ストレプ卜アビジンが結合したドナービーズを添加することで、ビオチン化抗体とドナービーズがストレプ卜アビジンを介して結合し、アクセプタービーズとドナービーズが隣接する。200nm以内に隣接した状態で、680nm励起により、ドナービーズから一重項酸素が発生し、アクセプタービーズに一重項酸素が到達すると615nmの光を発してシグナルとして検出することができる。
具体的には、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片にビオチンを結合させたビオチン化抗体、及び、AlphaLISAアクセプタービーズを結合させた、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は抗体断片を、検体中の、エクソソームが有するEPS8と反応させ、その後、ストレプ卜アビジンが結合したドナービーズを添加することで、該アクセプタービーズ、エクソソーム、及び、該ドナービーズの複合体を形成させる。該複合体のドナービーズに励起光を照射し一重項酸素を発生させ、発生した一重項酸素と該アクセプタービーズとの反応により生成する光を測定する。
また、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片にビオチンを結合させたビオチン化抗体、及びAlphaLISAアクセプタービーズを結合させたEPS8に結合する抗体又は抗体断片を、検体中の、エクソソームが有するEPS8と反応させ、その後、ストレプ卜アビジンが結合したドナービーズを添加することで、該アクセプタービーズ、エクソソーム、及び、該ドナービーズの複合体を形成させる。該複合体のドナービーズに励起光を照射し一重項酸素を発生させ、発生した一重項酸素と該アクセプタービーズとの反応により生成する光を測定する。
<工程(3)>
工程(3)は、工程(2)で得られた、被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度とを対比する工程であり、被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度が、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度よりも高い場合には該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が高いと判定され、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低い場合には、該被検者は膵臓癌に罹患している可能性は低いと判定される。
健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度は、該被検者が膵臓癌に罹患している可能性を判定するための基準値であり、複数の健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を測定し、その統計から健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を設定することができる。
健常者より採取した検体としては、被検者より採取した検体と同種の試料であることが好ましく、例えば、被検者より採取した検体が血液である場合、健常者より採取した検体も血液を用いることが好ましい。
被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度とを対比する方法としては、特に限定はなく、公知の方法(Steel法、t検定、Wilcoxon検定等)を用いることができる。該解析により、被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度が、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度よりも高いことが示された場合は、該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が高いと判定され、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低いことが示された場合は、該被検者は膵臓癌に罹患している可能性は低いと判定される。
また、前記測定方法1の工程(2)において、被検者より採取した検体より単離したエクソソームを用いて、検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を測定することもできる。具体的には、以下の工程を含む方法が挙げられる。
[測定方法2]
(1A)被検者より検体を採取する工程;
(2A)工程(1A)で採取した検体からエクソソームを単離する工程;
(3A)工程(2A)で単離したエクソソームが有するEPS8濃度を測定する工程;
(4A)工程(3A)で測定したEPS8濃度から、該検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を決定する工程;
(5A)工程(4A)で決定したEPS8濃度が、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度よりも高い場合には該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が高いと判定し、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低い場合には該被検者は膵臓癌に罹患している可能性は低いと判定する工程。
以下、各工程について詳細に説明する。
<工程(1A)>
工程(1A)において、被検者より採取された検体としては、前述の検体等が挙げられる。
<工程(2A)>
工程(2A)における、エクソソームを単離する方法としては、検体中のエクソソームを単離できる方法であれば特に制限はなく、例えば超遠心法(Trends in Molecular Medicine.21,533(2015))、エクソソーム単離キットEXO−Prep(コスモバイオ社製)を用いる方法等が挙げられる。
<工程(3A)>
工程(3A)におけるエクソソームが有するEPS8の測定方法は、エクソソームが有するEPS8を測定し得る方法であれば、如何なる方法を用いて行うことができ、例えば免疫学的測定法等の方法を用いて行うことができる。免疫学的測定法によるエクソソームが有するEPS8濃度の測定方法としては、以下の態様が挙げられる。
・態様1
EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を用いる方法。
・態様2
EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及びエクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を用いる方法。
EPS8に結合する抗体又は該抗体断片としては、例えば前述のEPS8に結合する抗体又は該抗体断片等が挙げられる。エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片としては、例えば、前述のエクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片等が挙げられる。
態様1の方法としては、例えばウェスタンブロッティング法等が挙げられる。ウェスタンブロッティング法としては、例えば、Monoclonal Antibodies−Principles and practice, Third edition, Academic Press (1996)に記載の方法等が挙げられる。
態様2の方法としては、単離したエクソソームを破壊せずに測定する場合には、上記測定方法1に記載した免疫学的測定方法、例えば、エクソスクリーン法等が挙げられ、単離したエクソソームを破壊して測定する場合には、サンドイッチELISA法等が挙げられる。エクソスクリーン法としては、例えば、前述のエクソスクリーン法等が挙げられる。単離したエクソソームを破壊せずに測定する場合は、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片は、前記EPS8に結合する抗体又は該抗体断片のうち、エクソソーム表面に存在するEPS8のエピトープに結合する抗体又は抗体断片を用いる。
単離したエクソソームを破壊する方法としては、例えば、超音波を用いる方法等が挙げられる。サンドイッチELISA法としては、例えば、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を固相用抗体として、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を標識用抗体として用いても、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を固相用抗体として、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を標識用抗体として用いてもよい。固相及び標識としては、例えば公知の固相及び標識がそれぞれ挙げられ、例えば、前記の固相及び標識がそれぞれ用いられる。固相用抗体及び標識用抗体の調製方法としては、例えば公知の調製方法が挙げられる。
<工程(4A)>
工程(4A)は、工程(3A)で測定したEPS8濃度から、該検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を決定する工程である。該検体の容量と、工程(3A)で測定したEPS8濃度とから、該検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を決定することができる。
<工程(5A)>
工程(5A)は、工程(4A)で決定された、該被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度とを対比する工程であり、被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度が、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度よりも高い場合には該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が高いと判定され、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低い場合には、該被検者は膵臓癌に罹患している可能性は低いと判定される。
健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度は、該被検者が膵臓癌に罹患している可能性を判定するための基準値であり、複数の健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を測定し、その統計から健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を設定してもよい。
健常者の検体としては、被検者の検体と同種の試料であることが好ましく、例えば、被検者の検体が血液である場合、健常者の検体も血液を用いることが好ましい。
被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度とを対比する方法としては、前述の方法を用いることができる。該解析により、被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度が、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度よりも高いことが示された場合は、該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が高いと判定され、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低いことが示された場合は、該被検者は膵臓癌に罹患している可能性は低いと判定される。
2.膵臓疾患患者において、膵臓癌と膵臓癌以外の膵臓疾患とを鑑別する方法
本発明の、膵臓疾患患者において、膵臓癌と膵臓癌以外膵臓疾患とを鑑別する方法は、膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8の濃度を測定することを特徴とする方法である。
本発明の鑑別方法における検体としては、エクソソームが有するEPS8が測定され得る検体であれば特に制限はなく、例えば前述の検体等が挙げられる。
本発明の鑑別方法において、エクソソームが有するEPS8は、エクソソームに内包されていても、エクソソームの膜表面に存在していても、エクソソームの膜を貫通していても、何れの形態で存在していてもよい。
本発明の鑑別方法において、エクソソームが有するEPS8濃度とは、単位容量あたりの質量又はモル数のみならず、単位容量あたりのシグナル強度をも包含する。
[測定方法3]
本発明の、膵臓疾患患者において、膵臓癌と膵臓癌以外膵臓疾患とを鑑別する方法は、以下の工程を含む方法により行うことができる。
(1B)被検者より検体を採取する工程;
(2B)工程(1B)で採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8の濃度を測定する工程;
(3B)工程(2B)で測定したEPS8濃度が、膵臓癌以外の膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度よりも高い場合には該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が高いと判定し、膵臓癌以外の膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低い場合には該被検者は膵臓癌以外の膵臓疾患に罹患している可能性が高いと判定する工程。
以下、各工程について詳細に説明する。
<工程(1B)>
工程(1B)において、被検者より採取された検体としては、前述の検体等が挙げられる。
<工程(2B)>
工程(2B)は、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及び、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を用い、工程(1B)で採取された検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を測定する工程である。
工程(2B)におけるEPS8に結合する抗体としては、EPS8を測定できる抗体であれば特に制限はなく、例えば前述の抗体等が挙げられる。
工程(2B)におけるエクソソーム特異的抗原としては、例えば前述の抗原等が挙げられる。
エクソソーム特異的抗原に結合する抗体としては、エクソソーム特異的抗原に結合できる抗体であれば特に制限はなく、例えば前述の抗体等が挙げられる。
工程(2B)におけるEPS8に結合する抗体断片、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体断片としては、それぞれEPS8、エクソソーム特異的抗原を測定できる抗体断片であれば特に制限はなく、例えば前述の抗体断片等が挙げられる。
工程(2B)において、エクソソームが有するEPS8濃度の測定に用いる上記2種類の抗体は、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を固相用抗体として、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を標識用抗体として用いることができる。あるいは、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を固相用抗体として、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を標識用抗体として用いることもできる。固相用抗体及び標識用抗体の調製は、特に限定はなく、公知の方法に従って行うことができる。
エクソソームが有するEPS8の測定方法は、エクソソームが有するEPS8を測定し得る方法であれば、如何なる方法を用いて行うことができ、例えば前述の免疫学的測定法等の方法を用いて行うことができる。
工程(2B)において、検体中のエクソソームを破壊せずに、検体中の、エクソソームが有するEPS8の濃度を測定する場合には、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片として、上記EPS8に結合する抗体又は該抗体断片のうち、エクソソーム表面に存在するEPS8のエピトープに結合する抗体又は抗体断片を用いることが好ましい。
上記の免疫学的測定法としては、例えば前述のサンドイッチELISA、エクソスクリーン法等が挙げられる。
<工程(3B)>
工程(3B)は、工程(2B)で得られた、膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と、膵臓癌以外の膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度とを対比する工程であり、膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度が、膵臓癌以外の膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度よりも高い場合には該膵臓疾患患者は膵臓癌に罹患している可能性が高いと判定し、膵臓癌以外の膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低い場合には該膵臓疾患患者は膵臓癌以外の膵臓疾患に罹患している可能性が高いと判定する工程である。
膵臓癌以外の膵臓疾患としては、膵炎が挙げられ、膵炎としては、急性膵炎、慢性膵炎が挙げられる。
膵臓癌以外の膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度は、該検者が膵臓癌に罹患しているか、膵臓癌以外の膵臓疾患に罹患しているかを鑑別するための基準値であり、複数の膵臓癌以外の膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を測定し、その統計から膵臓癌以外の膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を設定することができる。
膵臓癌以外の膵臓疾患患者より採取した検体としては、被検者より採取した検体と同種の試料であることが好ましく、例えば、被検者より採取した検体が血液である場合、膵臓癌以外の膵臓疾患患者より採取した検体も血液を用いることが好ましい。
被検者より採取した検体中のエクソソームが有するEPS8濃度と、膵臓癌以外の膵臓疾患患者より採取した検体中のエクソソームが有するEPS8濃度とを対比する方法としては、特に限定はなく、例えば前述の方法等を用いることができる。該解析により、被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度が、膵臓癌以外の膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度よりも高いことが示された場合は、該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が高いと判定され、膵臓癌以外の膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低いことが示された場合は、該被検者は膵臓癌以外の膵臓疾患に罹患している可能性が高いと判定される。
また、前記測定方法3の工程(2B)において、被検者より採取した検体より単離したエクソソームを用いて、検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を測定することもできる。具体的には、以下の工程を含む方法が挙げられる。
[測定方法4]
(1C)膵臓疾患患者より検体を採取する工程;
(2C)工程(1C)で採取した検体からエクソソームを単離する工程;
(3C)工程(2C)で単離したエクソソームが有するEPS8濃度を測定する工程;
(4C)工程(3C)で測定したEPS8濃度から、該検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を決定する工程;
(5C)工程(4C)で決定したEPS8濃度が、膵臓癌以外の膵臓疾患より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度よりも高い場合には該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が高いと判定し、膵臓癌以外の膵臓疾患より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低い場合には該被検者は膵臓癌以外の膵臓疾患に罹患している可能性が高いと判定する工程。
<工程(1C)>
工程(1C)において、被検者より採取された検体としては、前述の検体等が挙げられる。
<工程(2C)>
工程(2C)における、エクソソームを単離する方法としては、検体中のエクソソームを単離できる方法であれば特に制限はなく、例えば前述の方法等が挙げられる。
<工程(3C)>
工程(3C)におけるエクソソームが有するEPS8の測定方法は、エクソソームが有するEPS8を測定し得る方法であれば、如何なる方法を用いて行うことができ、例えば免疫学的測定法等の方法を用いて行うことができる。免疫学的測定法によるエクソソームが有するEPS8濃度の測定方法としては、以下の態様が挙げられる。
・態様1
EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を用いる方法。
・態様2
EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及びエクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を用いる方法。
EPS8に結合する抗体又は該抗体断片としては、例えば前述のEPS8に結合する抗体又は該抗体断片等が挙げられる。エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片としては、例えば前述のエクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片等が挙げられる。
態様1の方法としては、例えばウェスタンブロッティング法等が挙げられる。ウェスタンブロッティング法としては、例えば前述の方法等が挙げられる。
態様2の方法としては、単離したエクソソームを破壊せずに測定する場合には、上記測定方法1に記載した免疫学的測定方法、例えば、エクソスクリーン法等が挙げられ、単離したエクソソームを破壊して測定する場合には、サンドイッチELISA法等が挙げられる。エクソスクリーン法としては、例えば前述のエクソスクリーン法等が挙げられる。
単離したエクソソームを破壊せずに測定する場合は、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片は、前記EPS8に結合する抗体又は該抗体断片のうち、エクソソーム表面に存在するEPS8のエピトープに結合する抗体又は抗体断片を用いる。
単離したエクソソームを破壊する方法としては、例えば前述の方法等が挙げられる。
サンドイッチELISA法としては、例えばEPS8に結合する抗体又は該抗体断片を固相用抗体として、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を標識用抗体として用いても、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を固相用抗体として、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を標識用抗体として用いてもよい。固相及び標識としては、例えば公知の固相及び標識がそれぞれ挙げられ、例えば前述の固相及び標識がそれぞれ用いられる。固相用抗体及び標識用抗体の調製方法としては、例えば公知の調製方法が挙げられる。
<工程(4C)>
工程(4C)は、工程(3C)で測定したEPS8濃度から、該検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を決定する工程である。該検体の容量と、工程(3C)で測定したEPS8濃度とから、該検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を決定することができる。
<工程(5C)>
工程(5C)は、工程(4C)で決定された、該膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と、膵臓癌以外の膵臓疾患より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度とを対比する工程であり、膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度が、膵臓癌以外の膵臓疾患より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度よりも高い場合には該膵臓疾患患者は膵臓癌に罹患している可能性が高いと判定され、膵臓癌以外の膵臓疾患より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低い場合には、該膵臓疾患患者は膵臓癌以外の膵臓疾患に罹患している可能性が高いと判定される。
膵臓癌以外の膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度は、該膵臓疾患患者が膵臓癌に罹患しているか、膵臓癌以外の膵臓疾患に罹患しているかを鑑別するための基準値であり、複数の膵臓癌以外の膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を測定し、その統計から膵臓癌以外の膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を設定することができる。
この場合、基準値を設定する際に用いた膵臓癌以外の膵臓疾患患者の検体は、被検者である膵臓疾患患者の検体と同種の試料であることが好ましく、例えば、被検者である膵臓疾患患者の検体が血液である場合、膵臓癌以外の膵臓疾患患者の検体も血液を用いることが好ましい。
被検者のエクソソームが有するEPS8濃度と、膵臓癌以外の膵臓疾患患者のエクソソームが有するEPS8濃度とを対比する方法としては、前述の方法を用いることができる。該解析により、被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度が、膵臓癌以外の膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度よりも高いことが示された場合は、該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が高いと判定され、膵臓癌以外の膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低いことが示された場合は、該被検者は膵臓癌以外の膵臓疾患患者に罹患している可能性が高いと判定される。
3.被検者が膵臓癌に罹患している可能性をモニタリングする方法
本発明の、被検者が膵臓癌に罹患している可能性をモニタリングする方法は、被検者より経時的に採取した検体中のエクソソームが有するEPS8の濃度を測定することを特徴とする方法である。
本発明における検体としては、エクソソームが有するEPS8が測定され得る検体であれば特に制限はなく、例えば前述の検体等が挙げられる。
本発明において、エクソソームが有するEPS8は、エクソソームに内包されていても、エクソソームの膜表面に存在していても、エクソソームの膜を貫通していても、何れの形態で存在していてもよい。
本発明において、エクソソームが有するEPS8濃度とは、単位容量あたりの質量又はモル数のみならず、単位容量あたりのシグナル強度をも包含する。
[測定方法5]
本発明において、被検者が膵臓癌に罹患している可能性をモニタリングする方法は、以下の工程を含む方法により行うことができる。
(1D)被検者より経時的に検体を採取する工程;
(2D)工程(1D)で採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8の濃度を測定する工程;
(3D)工程(2D)で測定したEPS8濃度が、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度よりも高い濃度で維持されている場合には該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が高いと判定し、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低い濃度で維持されている場合には該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が低いと判定する工程。
<工程(1D)>
工程(1D)において、被検者より採取された検体としては、前述の検体等が挙げられる。
<工程(2D)>
工程(2D)は、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及び、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を用い、工程(1D)で採取された検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を測定する工程である。
工程(2D)におけるEPS8に結合する抗体としては、EPS8を測定できる抗体であれば特に制限はなく、例えば前述の抗体等が挙げられる。
工程(2D)におけるエクソソーム特異的抗原としては、例えば前述の抗原等が挙げられる。
エクソソーム特異的抗原に結合する抗体としては、エクソソーム特異的抗原に結合できる抗体であれば特に制限はなく、例えば前述の抗体等が挙げられる。
工程(2D)におけるEPS8に結合する抗体断片、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体断片としては、それぞれEPS8、エクソソーム特異的抗原を測定できる抗体断片であれば特に制限はなく、例えば前述の抗体断片等が挙げられる。
工程(2D)において、エクソソームが有するEPS8濃度の測定に用いる上記2種類の抗体は、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を固相用抗体として、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を標識用抗体として用いることができる。あるいは、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を固相用抗体として、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を標識用抗体として用いることもできる。固相用抗体及び標識用抗体の調製は、特に限定はなく、公知の方法に従って行うことができる。
エクソソームが有するEPS8の測定方法は、エクソソームが有するEPS8を測定し得る方法であれば、如何なる方法を用いて行うことができ、例えば前述の免疫学的測定法等の方法を用いて行うことができる。
工程(2D)において、検体中のエクソソームを破壊せずに、検体中の、エクソソームが有するEPS8の濃度を測定する場合には、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片として、上記EPS8に結合する抗体又は該抗体断片のうち、エクソソーム表面に存在するEPS8のエピトープに結合する抗体又は抗体断片を用いることが好ましい。
上記の免疫学的測定法としては、例えば前述のサンドイッチELISA、エクソスクリーン法等が挙げられる。
<工程(3D)>
工程(3D)は、工程(2D)で得られた、被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度とを対比する工程であり、被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度が、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度よりも高い場合には該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が高いと判定し、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低い場合には該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が低いと判定する。
健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度は、該検者が膵臓癌に罹患している可能性を判定するための基準値であり、複数の健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を測定し、その統計から健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を設定することができる。
健常者より採取した検体としては、被検者より採取した検体と同種の試料であることが好ましく、例えば、被検者より採取した検体が血液である場合、健常者より採取した検体も血液を用いることが好ましい。
被検者より経時的に採取した検体中のエクソソームが有するEPS8濃度と、健常者より採取した検体中のエクソソームが有するEPS8濃度とを対比する方法としては、特に限定はなく、例えば前述の方法等を用いることができる。該解析により、被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度が、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度よりも高い濃度で維持されている場合は、該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が高いと判定され、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低い濃度で維持されている場合は、該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が低いと判定される。
また、前記測定方法5の工程(2D)において、被検者より採取した検体より単離したエクソソームを用いて、検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を測定することもできる。具体的には、以下の工程を含む方法が挙げられる。
[測定方法6]
(1E)被検者より経時的に検体を採取する工程;
(2E)工程(1E)で採取した検体からエクソソームを単離する工程;
(3E)工程(2E)で単離したエクソソームが有するEPS8濃度を測定する工程;
(4E)工程(3E)で測定したEPS8濃度から、該検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を決定する工程;
(5E)工程(4E)で決定したEPS8濃度が、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度よりも高い濃度で維持されている場合には該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が高いと判定し、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低い濃度で維持されている場合には該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が低いと判定する工程。
<工程(1E)>
工程(1E)において、被検者より採取された検体としては、前述の検体等が挙げられる。
<工程(2E)>
工程(2E)における、エクソソームを単離する方法としては、検体中のエクソソームを単離できる方法であれば特に制限はなく、例えば前述の方法等が挙げられる。
<工程(3E)>
工程(3E)におけるエクソソームが有するEPS8の測定方法は、エクソソームが有するEPS8を測定し得る方法であれば、如何なる方法を用いて行うことができ、例えば免疫学的測定法等の方法を用いて行うことができる。免疫学的測定法によるエクソソームが有するEPS8濃度の測定方法としては、以下の態様が挙げられる。
・態様1
EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を用いる方法。
・態様2
EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及びエクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を用いる方法。
EPS8に結合する抗体又は該抗体断片としては、例えば前述のEPS8に結合する抗体又は該抗体断片等が挙げられる。エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片としては、例えば前述のエクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片等が挙げられる。
態様1の方法としては、例えばウェスタンブロッティング法等が挙げられる。ウェスタンブロッティング法としては、例えば前述の方法等が挙げられる。
態様2の方法としては、単離したエクソソームを破壊せずに測定する場合には、上記測定方法1に記載した免疫学的測定方法、例えば、エクソスクリーン法等が挙げられ、単離したエクソソームを破壊して測定する場合には、サンドイッチELISA法等が挙げられる。エクソスクリーン法としては、例えば前述のエクソスクリーン法等が挙げられる。
単離したエクソソームを破壊せずに測定する場合は、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片は、前記EPS8に結合する抗体又は該抗体断片のうち、エクソソーム表面に存在するEPS8のエピトープに結合する抗体又は抗体断片を用いる。
単離したエクソソームを破壊する方法としては、例えば前述の方法等が挙げられる。サンドイッチELISA法としては、例えばEPS8に結合する抗体又は該抗体断片を固相用抗体として、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を標識用抗体として用いても、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を固相用抗体として、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を標識用抗体として用いてもよい。固相及び標識としては、例えば公知の固相及び標識がそれぞれ挙げられ、例えば前述の固相及び標識がそれぞれ用いられる。固相用抗体及び標識用抗体の調製方法としては、例えば公知の調製方法が挙げられる。
<工程(4E)>
工程(4E)は、工程(3E)で測定したEPS8濃度から、該検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を決定する工程である。該検体の容量と、工程(3E)で測定したEPS8濃度とから、該検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を決定することができる。
<工程(5E)>
工程(5E)は、工程(4E)で決定された、該被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度とを対比する工程であり、被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度が、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度よりも高い濃度で維持されている場合には該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が高いと判定され、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低い濃度で維持されている場合には、該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が低いと判定される。
健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度は、該検者が膵臓癌に罹患している可能性を判定するための基準値であり、複数の健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を測定し、その統計から健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を設定することができる。
健常者の検体としては、被検者の検体と同種の試料であることが好ましく、例えば、被検者の検体が血液である場合、健常者の検体も血液を用いることが好ましい。
被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度とを対比する方法としては、前述の方法を用いることができる。該解析により、被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度が、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度よりも高い濃度で維持されている場合は、該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が高いと判定され、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低い濃度で維持されている場合は、該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が低いと判定される。
実施例にて後述するように、本発明によれば、手術前から手術後の膵臓癌患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を測定することで、手術を施した際の治療効果、癌部の縮小等の膵臓癌患者の状態をモニタリングすることができる。
また、本発明によれば、治療中の膵臓癌患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を測定することで、膵臓癌の再発を予測することができる。
また、本発明によれば、被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度を測定することで、被検者が膵臓癌に罹患している可能性をモニタリングすることができる。
4.被検者が膵臓癌に罹患している可能性を試験するための試薬
本発明の、被検者が膵臓癌に罹患している可能性を試験するための試薬は、エクソソームが有するEPS8測定試薬を含有することを特徴とする試薬であり、本発明の、被検者が膵臓癌に罹患している可能性を試験する方法に用いることができる。
また、本発明の、被検者が膵臓癌に罹患している可能性を試験するための試薬には、さらに、被検者より採取された検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度が、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度より高い場合には、該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が高く、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低い場合には、該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が低い、という基準が記載された基準表が含まれていてもよい。
本発明の、被検者が膵臓癌に罹患している可能性を試験するための試薬における、エクソソームが有するEPS8測定試薬は、前述のエクソソームが有するEPS8の測定方法に使用される試薬である。エクソソームが有するEPS8測定試薬としては、検体中のエクソソームが有するEPS8を測定し得る試薬であれば特に制限はなく、例えば免疫学的測定試薬等が挙げられる。免疫学的測定試薬としては、例えば前述の免疫学的測定方法に基づく試薬等が挙げられる。
免疫学的測定法に基づいた、エクソソームが有するEPS8測定試薬の具体的態様を以下に示す。
・測定試薬1
EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を含む試薬。
・測定試薬2
標識が結合した、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を含む試薬。
・測定試薬3
EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及び、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を含む試薬。
・測定試薬4
固相に固定化された、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及び、標識が結合した、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を含む試薬。
・測定試薬5
固相に固定化された、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片、及び、標識が結合した、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を含む試薬。
・測定試薬6
固相に固定化された、EPS8に結合する第1抗体又は該抗体断片、及び、標識が結合した、EPS8に結合する第2抗体又は該抗体断片を含む試薬。
EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及び、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片としては、それぞれ前述のEPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及び、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片等が挙げられる。
標識が結合した、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及び、標識が結合した、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片における標識としては、例えば前述の標識等が挙げられる。標識が結合した、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及び、標識が結合した、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片の調製は、例えば公知の標識化抗体の調製方法に従って行うことができる。
固相に固定化された、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及び、固相に固定化された、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片における固相としては、例えば前述の固相等が挙げられる。EPS8に結合する抗体又は該抗体断片の固相への固定化、及び、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片の固相への固定化は、例えば公知の方法に従って行うことができる。
測定試薬6において、EPS8に結合する第1抗体又は該抗体断片が結合するエピトープと、EPS8に結合する第2抗体又は該抗体断片が結合するエピトープは異なっていても同じでもよいが、異なっている方が好ましい。
前記測定試薬1〜6には、さらにエクソソーム単離試薬が含まれていてもよい。エクソソーム単離試薬としては、検体からエクソソームを単離できる試薬であれば特に制限はなく、例えば前述のエクソソーム単離キット等が挙げられる。
5.膵臓疾患患者において、膵臓癌と膵臓癌以外の膵臓疾患とを鑑別するための試薬
本発明の、膵臓疾患患者において、膵臓癌と膵臓癌以外の膵臓疾患とを鑑別するための試薬は、エクソソームが有するEPS8測定試薬を含有することを特徴とする試薬であり、本発明の、腎臓疾患患者において、膵臓癌と膵臓癌以外の膵臓疾患とを鑑別する方法に用いることができる。
また、本発明の、膵臓疾患患者において、膵臓癌と膵臓癌以外の膵臓疾患とを鑑別するための試薬には、さらに、膵臓疾患患者より採取された検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度が、膵臓癌以外の膵臓疾患患者の検体中のエクソソームが有するEPS8濃度より高い場合には、該膵臓疾患患者は膵臓癌に罹患している可能性が高く、膵臓癌以外の膵臓疾患患者の検体中のエクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低い場合には、該膵臓疾患患者は膵臓癌以外の膵臓疾患に罹患している可能性が高い、という基準が記載された基準表が含まれていてもよい。
本発明の、膵臓疾患患者において、膵臓癌と膵臓癌以外の膵臓疾患とを鑑別するための試薬における、エクソソームが有するEPS8測定試薬は、前述のエクソソームが有するEPS8の測定方法に使用される試薬である。エクソソームが有するEPS8測定試薬としては、検体中のエクソソームが有するEPS8を測定し得る試薬であれば特に制限はなく、例えば免疫学的測定試薬等が挙げられる。免疫学的測定試薬としては、例えば前述の免疫学的測定方法に基づく試薬等が挙げられる。
免疫学的測定法に基づいた、エクソソームが有するEPS8測定試薬の具体的態様を以下に示す。
・測定試薬7
EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を含む試薬。
・測定試薬8
標識が結合した、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を含む試薬。
・測定試薬9
EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及び、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を含む試薬。
・測定試薬10
固相に固定化された、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及び、標識が結合した、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を含む試薬。
・測定試薬11
固相に固定化された、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片、及び、標識が結合した、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を含む試薬。
・測定試薬12
固相に固定化された、EPS8に結合する第1抗体又は該抗体断片、及び、標識が結合した、EPS8に結合する第2抗体又は該抗体断片を含む試薬。
EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及び、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片としては、それぞれ前述のEPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及び、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片等が挙げられる。
標識が結合した、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及び、標識が結合した、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片における標識としては、例えば前述の標識等が挙げられる。標識が結合した、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及び、標識が結合した、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片の調製は、例えば公知の標識化抗体の調製方法に従って行うことができる。
固相に固定化された、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及び、固相に固定化された、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片における固相としては、例えば前述の固相等が挙げられる。EPS8に結合する抗体又は該抗体断片の固相への固定化、及び、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片の固相への固定化は、例えば公知の方法に従って行うことができる。
測定試薬12において、EPS8に結合する第1抗体又は該抗体断片が結合するエピトープと、EPS8に結合する第2抗体又は該抗体断片が結合するエピトープは異なっていても同じでもよいが、異なっている方が好ましい。
前記測定試薬7〜12には、さらにエクソソーム単離試薬が含まれていてもよい。エクソソーム単離試薬としては、検体からエクソソームを単離できる試薬であれば特に制限はなく、例えば前述のエクソソーム単離キット等が挙げられる。
6.被検者が膵臓癌に罹患している可能性をモニタリングするための試薬
本発明の、被検者が膵臓癌に罹患している可能性をモニタリングするための試薬は、エクソソームが有するEPS8測定試薬を含有することを特徴とする試薬であり、本発明の、被検者が膵臓癌に罹患している可能性をモニタリングする方法に用いることができる。
また、本発明の、被検者が膵臓癌に罹患している可能性をモニタリングするための試薬には、さらに、被検者より経時的に採取された検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度が、健常者の検体中のエクソソームが有するEPS8濃度より高い濃度で維持されている場合には、該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が高く、健常者の検体中のエクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低い濃度で維持されている場合には、該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が低い、という基準が記載された基準表が含まれていてもよい。
本発明の、被検者が膵臓癌に罹患している可能性をモニタリングするための試薬における、エクソソームが有するEPS8測定試薬は、前述のエクソソームが有するEPS8の測定方法に使用される試薬である。エクソソームが有するEPS8測定試薬としては、検体中のエクソソームが有するEPS8を測定し得る試薬であれば特に制限はなく、例えば免疫学的測定試薬等が挙げられる。免疫学的測定試薬としては、例えば前述の免疫学的測定方法に基づく試薬等が挙げられる。
免疫学的測定法に基づいた、エクソソームが有するEPS8測定試薬の具体的態様を以下に示す。
・測定試薬13
EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を含む試薬。
・測定試薬14
標識が結合した、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を含む試薬。
・測定試薬15
EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及び、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を含む試薬。
・測定試薬16
固相に固定化された、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及び、標識が結合した、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片を含む試薬。
・測定試薬17
固相に固定化された、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片、及び、標識が結合した、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を含む試薬。
・測定試薬18
固相に固定化された、EPS8に結合する第1抗体又は該抗体断片、及び、標識が結合した、EPS8に結合する第2抗体又は該抗体断片を含む試薬。
EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及び、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片としては、それぞれ前述のEPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及び、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片等が挙げられる。
標識が結合した、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及び、標識が結合した、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片における標識としては、例えば前述の標識等が挙げられる。標識が結合した、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及び、標識が結合した、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片の調製は、例えば公知の標識化抗体の調製方法に従って行うことができる。
固相に固定化された、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及び、固相に固定化された、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片における固相としては、例えば前述の固相等が挙げられる。EPS8に結合する抗体又は該抗体断片の固相への固定化、及び、エクソソーム特異的抗原に結合する抗体又は該抗体断片の固相への固定化は、例えば公知の方法に従って行うことができる。
測定試薬18において、EPS8に結合する第1抗体又は該抗体断片が結合するエピトープと、EPS8に結合する第2抗体又は該抗体断片が結合するエピトープは異なっていても同じでもよいが、異なっている方が好ましい。
前記測定試薬13〜18には、さらにエクソソーム単離試薬が含まれていてもよい。エクソソーム単離試薬としては、検体からエクソソームを単離できる試薬であれば特に制限はなく、例えば前述のエクソソーム単離キット等が挙げられる。
また、上記各発明において、「エクソソームが有するEPS8の濃度」とは、タンパク質レベルの濃度、すなわち、EPS8の濃度だけでなく、遺伝子レベルの濃度であってもよい。遺伝子レベルでの「エクソソームが有するEPS8の濃度」の測定方法としては、EPS8遺伝子を増幅可能なプライマーセット、又はEPS8遺伝子のmRNAに特異的にハイブリダイズするプローブを用いた測定方法が挙げられる。
(プライマーセット)
EPS8遺伝子を増幅可能なプライマーセットとは、EPS8遺伝子のmRNAをRT−PCR等により増幅することができるものであれば特に制限されない。
例えば、被検者の組織等を試料に用い、本プライマーセットを用いたRT−PCR等を行うことにより、試料中の、EPS8遺伝子のmRNAを検出することができる。
(プローブ)
プローブとしては、EPS8遺伝子のmRNAに特異的にハイブリダイズするものであれば特に限定されない。プローブは、担体上に固定されてDNAマイクロアレイ等を構成していてもよい。「エクソソームが有するEPS8の濃度」を測定する工程は、上述したプライマーセットを用いたRT−PCR、定量的RT−PCR等により行うことができる。あるいは、上述したプローブを用いたDNAマイクロアレイ解析、ノーザンブロッティング等により、EPS8遺伝子の発現量を測定してもよい。ここで、測定したEPS8遺伝子の発現量は、段階希釈した既知濃度の各遺伝子の断片等を基準に用いて定量値に換算してもよい。担体としては、例えば前述の担体等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
各血清中のエクソソームが有するEPS8の検出
健常人から採取した血清(4検体)、膵炎患者から採取した血清(4検体)、及び膵臓癌患者から採取した血清(4検体:ステージIIAが2種類、ステージIIBが1種類、ステージIIIが1種類)を、スイングロータにて100,000×g以上で(4 ℃)で70分間超遠心分離後、上清を捨てて、PBSを加えて沈殿させ、この沈殿画分をエクソソーム画分とした。このエクソソーム画分をPBS(総量100 μL)で溶解した。1wellにつき血清100μL相当量のエクソソーム画分溶液に、該溶液と1/3量の4×サンプルバッファー(4%ドデシル硫酸ナトリウム、10% スクロース、0.01% ブロモフェノールブルー、10% 2-メルカプトエタノールを含む、0.125 mol/L トリス緩衝液[pH6.8])を加えて混合し、95℃で5分間保温した後、氷冷した。該処理液を、4-15%ミニプロティアンTGXゲル(バイオラッド社製)のウェルにアプライし、SDS-PAGEを行った。SDS-PAGE後のゲルをPVDF メンブレンに転写した後、該メンブレンを、Nacalai Blocking One solution[ナカライテスク社製]を用いて、室温(25℃)で1時間ブロッキングした。次に、室温(25℃)で1時間、一次抗体反応を行った(Purified Mouse Anti-EPS8 (15/EPS8) mouse monoclonal[日本ベクトン・ディッキンソン社製] 1:2000)。続いて室温(25℃)で1時間、二次抗体反応を行った(Mouse IgG HRP[GEヘルスケア社製] 1:5000)。最後に、ImmunoStar LD(和光純薬工業社製)を用いて発色反応(室温[25℃]5分)を行い、ブロッティング画像を撮影し、それぞれの血清中のエクソソームが有するEPS8のシグナルを検出した。ブロッティング画像の結果を図1に示す。
また、上記方法に従い、Purified Mouse Anti-Human CD63(日本ベクトン・ディッキンソン社製、クローン:H5C6)を用いて、各血清中のエクソソームが有するCD63の発現量をウェスタンブロッティングにて評価した。その結果を図1に示す。
図1から明らかなように、膵臓癌患者において、該膵臓癌患者血清から単離したエクソソームが有するEPS8が高発現していることが判明した。
[実施例2]
健常人から採取した血清(10検体)、膵炎患者から採取した血清(10検体)、及び膵臓癌患者から採取した血清(23検体)を用いて、それぞれの血清中のエクソソームが有するEPS8濃度を比較するため、実施例1の方法に従い、それぞれの血清中のエクソソームが有するEPS8及びCD63のシグナルを検出した。EPS8/CD63のシグナル比を図2に示す。
図2から明らかなように、健常人から採取した血清中の、エクソソームが有するEPS8濃度に比べ、膵臓癌患者から採取した血清中の、エクソソームが有するEPS8濃度が高値であることが判明した。また、膵炎患者から採取した血清中の、エクソソームが有するEPS8濃度に比べ、膵臓癌患者から採取した血清中の、エクソソームが有するEPS8濃度が高値であることが判明した。
[実施例3]
膵臓癌患者(5症例)について、手術前と手術後における、それぞれの血清中のエクソソームが有するEPS8量を比較するため、実施例1の方法に従い、ウェスタンブロット法で評価した。ブロッティング画像の結果を図3に示す。
図3から明らかなように、手術後の患者血清中の、エクソソームが有するEPS8の量が低下していることが判明した。
[実施例4]
再発した膵臓癌患者の血清中のエクソソーム、又は健常人血清中のエクソソームが有するEPS8の量を比較するため、実施例1の方法に従い、ウェスタンブロット法によりシグナルを検出した。また、同時に、抗CD9抗体(8A12)(コスモバイオ社製)をビオチン化したビオチン化抗CD9抗体(1000倍希釈)及びHRP結合ストレプトアビジン (CST社製)(2000倍希釈)を用いて、それぞれの血清中のエクソソームが有するCD9の量を、ウェスタンブロット法により検出した。EPS8のシグナル及びCD9のシグナルから算出した、EPS8/CD9のシグナル比を図4に示す。
図4から明らかなように、健常人の血清中の、エクソソームが有するEPS8の量と比較して、再発した膵臓癌患者の血清中の、エクソソームが有するEPS8の量の方が高値であることが判明した。
本発明の、被検者が膵臓癌に罹患している可能性を試験するための方法及び試薬、膵臓癌と膵臓癌以外の膵臓疾患とを鑑別するための方法及び試薬、並びに被検者が膵臓癌に罹患している可能性をモニタリングするための方法及び試薬は、臨床診断において有用である。

Claims (47)

  1. 被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8(Epidermal growth factor Receptor kinase substrate 8:上皮成長因子受容体キナーゼ 基質8)を測定することを特徴とする、被検者が膵臓癌に罹患している可能性を試験する方法。
  2. 以下の工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
    (1)被検者より検体を採取する工程;
    (2)工程(1)で採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8の濃度を測定する工程;
    (3)工程(2)で測定したEPS8濃度が、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度よりも高い場合には該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が高いと判定し、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低い場合には該被検者は膵臓癌に罹患している可能性は低いと判定する工程
  3. 前記工程(2)において、前記工程(1)で採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8の濃度の測定が、検体より単離されたエクソソームを用いて行われる、請求項2に記載の方法。
  4. 前記工程(2)が免疫学的測定法によって行われる、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 前記免疫学的測定法が、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を用いて行われる、請求項4に記載の方法。
  6. 前記免疫学的測定法が、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及びエクソソームに特異的に発現する抗原(以下、エクソソーム特異的抗原という)に結合する抗体又は該抗体断片を用いて行われる、請求項4に記載の方法。
  7. 前記エクソソーム特異的抗原が、CD63、CD9、CD81、CD37、CD53、CD82、CD13、CD11、CD86、ICAM−1、Rab5、Annexin V、又はLAMP1である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記検体が、血液である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8(Epidermal growth factor Receptor kinase substrate 8:上皮成長因子受容体キナーゼ 基質8)を測定することを特徴とする、膵臓疾患患者において、膵臓癌と膵臓癌以外の膵臓疾患とを鑑別する方法。
  10. 以下の工程を含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
    (1)被検者より検体を採取する工程;
    (2)工程(1)で採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8の濃度を測定する工程;
    (3)工程(2)で測定したEPS8濃度が、膵臓癌以外の膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度よりも高い場合には該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が高いと判定し、膵臓癌以外の膵臓疾患患者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低い場合には該被検者は膵臓癌以外の膵臓疾患に罹患している可能性が高いと判定する工程
  11. 前記工程(2)において、前記工程(1)で採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8の濃度の測定が、検体より単離されたエクソソームを用いて行われる、請求項10に記載の方法。
  12. 前記工程(2)が免疫学的測定法によって行われる、請求項10又は11に記載の方法。
  13. 前記免疫学的測定法が、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を用いて行われる、請求項12に記載の方法。
  14. 前記免疫学的測定法が、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及びエクソソームに特異的に発現する抗原(以下、エクソソーム特異的抗原という)に結合する抗体又は該抗体断片を用いて行われる、請求項12に記載の方法。
  15. 前記エクソソーム特異的抗原が、CD63、CD9、CD81、CD37、CD53、CD82、CD13、CD11、CD86、ICAM−1、Rab5、Annexin V、又はLAMP1である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記膵臓癌以外の膵臓疾患が、膵炎である、請求項9〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記検体が、血液である、請求項9〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 被検者より経時的に採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8(Epidermal growth factor Receptor kinase substrate 8:上皮成長因子受容体キナーゼ 基質8)を測定することを特徴とする、被検者が膵臓癌に罹患している可能性をモニタリングする方法。
  19. 以下の工程を含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
    (1)被検者より経時的に検体を採取する工程;
    (2)工程(1)で採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8の濃度を測定する工程;
    (3)工程(2)で測定したEPS8濃度が、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度よりも高い濃度で維持されている場合には該被検者は膵臓癌に罹患している可能性が高いと判定し、健常者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8濃度と同じか又は低い濃度で維持されている場合には該被検者は膵臓癌に罹患している可能性は低いと判定する工程。
  20. 前記工程(2)において、前記工程(1)で採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8の濃度の測定が、検体より単離されたエクソソームを用いて行われる、請求項19記載の方法。
  21. 前記工程(2)が免疫学的測定法によって行われる、請求項19又は20に記載の方法。
  22. 前記免疫学的測定法が、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を用いて行われる、請求項21に記載の方法。
  23. 前記免疫学的測定法が、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片、及びエクソソームに特異的に発現する抗原(以下、エクソソーム特異的抗原という)に結合する抗体又は該抗体断片を用いて行われる、請求項21に記載の方法。
  24. 前記エクソソーム特異的抗原が、CD63、CD9、CD81、CD37、CD53、CD82、CD13、CD11、CD86、ICAM−1、Rab5、Annexin V、又はLAMP1である、請求項23に記載の方法。
  25. 前記検体が、血液である、請求項18〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8(Epidermal growth factor Receptor kinase substrate 8:上皮成長因子受容体キナーゼ 基質8)測定試薬を含むことを特徴とする、被検者が膵臓癌に罹患している可能性を試験するための試薬。
  27. 前記EPS8測定試薬が、免疫学的測定試薬である、請求項26に記載の試薬。
  28. 前記免疫学的測定試薬が、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を含む、請求項27に記載の試薬。
  29. 前記免疫学的測定試薬が、さらに、エクソソームに特異的に発現する抗原(以下、エクソソーム特異的抗原という)に結合する抗体又は該抗体断片を含む、請求項28に記載の試薬。
  30. 前記エクソソーム特異的抗原が、CD63、CD9、CD81、CD37、CD53、CD82、CD13、CD11、CD86、ICAM−1、Rab5、Annexin V、又はLAMP1である、請求項29に記載の試薬。
  31. さらに、エクソソーム単離試薬を含む、請求項26〜30のいずれか一項に記載の試薬。
  32. 前記検体が、血液である、請求項26〜31のいずれか一項に記載の試薬。
  33. 被検者より採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8(Epidermal growth factor Receptor kinase substrate 8:上皮成長因子受容体キナーゼ 基質8)測定試薬を含むことを特徴とする、膵臓癌患者と膵臓癌以外の膵臓疾患患者とを鑑別するための試薬。
  34. 前記EPS8測定試薬が、免疫学的測定試薬である、請求項33に記載の試薬。
  35. 前記免疫学的測定試薬が、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を含む、請求項34に記載の試薬。
  36. 前記免疫学的測定試薬が、さらに、エクソソームに特異的に発現する抗原(以下、エクソソーム特異的抗原という)に結合する抗体又は該抗体断片を含む、請求項35に記載の試薬。
  37. 前記エクソソーム特異的抗原が、CD63、CD9、CD81、CD37、CD53、CD82、CD13、CD11、CD86、ICAM−1、Rab5、Annexin V、又はLAMP1である、請求項36に記載の試薬。
  38. さらに、エクソソーム単離試薬を含む、請求項33〜37のいずれか一項に記載の試薬。
  39. 前記膵臓癌以外の膵臓疾患が、膵炎である、請求項33〜38のいずれか一項に記載の試薬。
  40. 前記検体が、血液である、請求項33〜39のいずれか一項に記載の試薬。
  41. 被検者より経時的に採取した検体中の、エクソソームが有するEPS8(Epidermal growth factor Receptor kinase substrate 8:上皮成長因子受容体キナーゼ 基質8)測定試薬を含むことを特徴とする、被検者が膵臓癌に罹患している可能性をモニタリングするための試薬。
  42. 前記EPS8測定試薬が、免疫学的測定試薬である、請求項41に記載の試薬。
  43. 前記免疫学的測定試薬が、EPS8に結合する抗体又は該抗体断片を含む、請求項42に記載の試薬。
  44. 前記免疫学的測定試薬が、さらに、エクソソームに特異的に発現する抗原(以下、エクソソーム特異的抗原という)に結合する抗体又は該抗体断片を含む、請求項43に記載の試薬。
  45. 前記エクソソーム特異的抗原が、CD63、CD9、CD81、CD37、CD53、CD82、CD13、CD11、CD86、ICAM−1、Rab5、Annexin V、又はLAMP1である、請求項44に記載の試薬。
  46. さらに、エクソソーム単離試薬を含む、請求項41〜45のいずれか一項に記載の試薬。
  47. 前記検体が、血液である、請求項41〜46のいずれか一項に記載の試薬。
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