JP2016160866A - 圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧縮機100は、容器110内に配置されている圧縮機構部120と永久磁石電動機200を有している。永久磁石電動機200は、鉛直方向に沿って圧縮機構部120より下方に配置されている。容器110には、鉛直方向に沿って圧縮機構部120より上方に吐出口112が設けられ、圧縮機構部120と永久磁石電動機200の間に吸入口111が設けられている。永久磁石電動機200は、軸方向に沿った一方側と他方側を連通するように軸方向に沿って形成された通路480を有している。吸入口111から吸入された作動媒体は、永久磁石電動機200の通路480、圧縮機構部120を介して吐出口112から吐出される。
【選択図】図1
Description
近年、作動媒体として、オゾン層破壊係数(ODP)がゼロで、地球温暖化係数(GWP)も小さいHFC(ハイドロフルオロカーボン)−R32が用いられるようになっている。
作動冷媒としてHCFC−R32を使用すると、圧縮機の吐出温度(圧縮後の温度)が高くなる。
一方、永久磁石電動機の永久磁石として用いられる希土類磁石は高温では減磁し易い。永久磁石が減磁すると、磁束量が低下する。永久磁石の減磁を防止するためには、永久磁石を厚くする必要がある。永久磁石を厚くすると、磁石使用量が増大するため、永久磁石電動機が高価となる。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、圧縮機構部を駆動する永久磁石電動機に設けられている永久磁石の、高温の作動媒体による減磁を防止することができる圧縮機を提供することを目的とする。
「軸方向」という記載は、永久磁石電動機の回転子が固定子に対して回転可能に配置されている状態において、回転軸の延在方向を表している。
圧縮機構部としては、スクロール型の圧縮機構部やロータリ型の圧縮機構部等の種々の構成の圧縮機構部を用いることができる。
本発明では、吸入口と永久磁石電動機が、圧縮機構部に対して鉛直方向に沿った一方側に配置され、吐出口が、圧縮機構部に対して鉛直方向に沿った他方側に配置されている。さらに、吸入口から吸入された作動媒体が、永久磁石電動機に設けられた通路を介して圧縮機構部に送られるように構成されている。
吸入口から吸入された作動媒体を永久磁石電動機に設けられた通路を介して圧縮機構部に送る方法としては種々の方法を用いることができる。例えば、圧縮機構部を軸方向に沿って通路の他方側に配置し、作動媒体を、通路を介して軸方向に沿って一方側から他方側に送る方法を用いることができる。あるいは、圧縮機構部を軸方向に沿って通路の一方側に配置し、作動媒体を、通路を介して軸方向に沿って一方側から他方側に送り、さらに、他方側から一方側に送る方法を用いることができる。
本発明では、吸入口から吸入された作動媒体は、永久磁石電動機に設けられている通路を介して圧縮機構部に送られ、圧縮機構部で圧縮された後吐出口から吐出される。このため、高温となった作動媒体が永久磁石電動機を通るのを防止することができ、永久磁石電動機に設けられている永久磁石の高温減磁を防止することができる。
本発明の異なる形態では、圧縮機構部としてスクロール型の圧縮機構部が用いられている。
スクロール型の圧縮機構部を用いていることにより、永久磁石電動機、吸入口や吐出口を、高温となった作動媒体が永久磁石電動機を通らないように容易に配置することができる。
本発明の他の異なる形態では、吸入口が、永久磁石電動機と圧縮機構部の間に配置されており、また、永久磁石電動機に複数の通路が設けられている。そして、吸入口から吸入された作動媒体が、複数の通路のうちの少なくとも一つを介して永久磁石電動機の圧縮機構部側から圧縮機構部と反対側に流れた、その後、複数の通路のうちの他の少なくとも一つを介して圧縮機構部と反対側から圧縮機構部側に流れるように構成されている。
本形態では、吸入口から吸入された作動媒体を、永久磁石電動機に設けた通路を介して圧縮機構部に容易に送ることができる。
本発明の他の異なる形態では、永久磁石電動機に設けられる通路は、回転子に形成された回転子通路および固定子の外周面と容器の内周面の間に形成された固定子通路の少なくとも一方を含んでいる。
本形態では、通路を永久磁石電動機に容易に設けることができる。
本発明の他の異なる形態では、回転子は、周方向に沿って交互に配置されている主磁極部と補助磁極部を有し、主磁極部には、永久磁石が挿入される磁石挿入孔が設けられている。磁石挿入孔は、第1の外周側壁部と第1の外周側壁部より回転中心側に配置されている第1の内周側壁部により形成される磁石挿入部を有している。また、磁石挿入孔に挿入されている永久磁石の外周側端壁部と回転子の外周面の間に空隙が設けられている。好適には、第1の外周側壁部と第1の内周側壁部は平行(「略平行」を含む)に配置される。空隙は、永久磁石の外周側端壁部と対向する第1の部分と、第1の部分から主磁極部中心方向に延在する第2の部分を有している。第2の部分は、第2の外周側壁部と、第2の外周側壁部より回転中心側に配置されている第2の内周側壁部により形成されている。好適には、第2の外周側壁部と第2の内周側壁部は平行(「略平行」を含む)に配置される。空隙は、磁石挿入孔内に設けてもよいし、磁石挿入孔と回転子の外周面の間に設けてもよい。
本形態では、第1の外周側壁部と第2の内周側壁部により形成される角度θ、第2の内周側壁部を第1の外周側壁部に投影した時の長さN、第2の内周側壁部の主磁極部中心側の端部を第1の外周側壁部に投影した位置から永久磁石の外周側端壁部までの長さLが、[38度≦θ≦44度]および[0.7≦(L/N)≦1.0]を満足するように構成されている。
本形態では、主磁極部の主磁束の短絡および永久磁石の外周側端壁部の減磁を防止しながら、主磁束の磁束量を確保することができる。
本発明の他の異なる形態では、空隙の幅G、永久磁石の厚さH、第2の外周側壁部と第2の内周側壁部の間隔Sが、[G≦S≦H]を満足するように構成されている。
本形態では、[G≦S]を満足するように構成されていることにより、空隙の第2の部分を介して短絡磁束が流れるのを防止することができる。また、[S≦H]を満足するように構成されていることにより、永久磁石の長さを長くすることができ、主磁束の磁束量を確保することができる。
なお、本明細書では、「上方」あるいは「上側」は、特に断りがない場合には、鉛直方向に沿った上方あるいは上側を表し、「下方」あるいは「下側」は、特に断りがない場合には、鉛直方向に沿った下方あるいは下側を表す。
また、「軸方向」は、回転子が固定子に対して回転可能に配置されている状態において、回転子(回転軸)の回転中心を通る回転中心線の方向を示す。「周方向」は、回転子が固定子に対して回転可能に配置されている状態において、軸方向(回転中心線の方向)に直角な断面でみて、回転中心を中心とする円周方向を示す。「径方向」は、回転子が固定子に対して回転可能に配置されている状態において、軸方向に直角な断面でみて、回転中心を通る方向を示す。
また、「d軸」は、軸方向に直角な断面で見て、主磁極部の周方向中心(主磁極部中心)と回転中心を結ぶ線を示し、「q軸」は、軸方向に直角な断面で見て、補助磁極部の周方向中心(補助磁極部中心)と回転中心を結ぶ線を示す。
また、「内周側」は、軸方向に直角な断面で見て、回転中心側を示し、「外周側」は、軸方向に直角な断面で見て、回転中心と反対側(回転子の外周面側)を示す。
また、「平行」という記載は、「略平行」を含むものとして用いられている。
本実施形態の圧縮機100は、密閉容器内にスクロール型の圧縮機構部が配置されているスクロール型の密閉圧縮機として構成されている。
圧縮機100は、密閉容器110、密閉容器110内に収容されている圧縮機構部120および永久磁石電動機200等により構成されている。本実施形態では、永久磁石電動機200は、鉛直方向に沿って、圧縮機構部120の下方に配置されている。
密閉容器110には、圧縮機構部120と永久磁石電動機200の間に吸入口111が設けられ、圧縮機構部120の上方に吐出口112が設けられている。
密閉容器110の底部(永久磁石電動機200の下方)には、回転軸210の軸受部124および125や圧縮機構部120の摺動部等に供給する潤滑油が貯留される油溜め129が設けられている。
密閉容器110が、本発明の「容器」に対応する。
圧縮機構部120は、固定スクロール121、回転軸210により回転される旋回スクロール122、圧縮室123により構成されている。回転軸210は、軸受部124と125により回転可能に支持されている。また、圧縮室123で圧縮した作動媒体を吐出する吐出部126を有している。
回転軸210の回転によって圧縮機構部120の旋回スクロール122が回転すると、吸入口111から吸入された作動媒体が圧縮室123内で圧縮され、吐出部126から吐出される。
固定子300は、複数の電磁鋼板を積層した固定子コアと固定子巻線320により構成されている。固定子300(固定子コア)は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延在するヨーク311、ヨーク311から径方向に沿って回転中心O側に延在する複数のティース312を有している。ティース312は、径方向に沿って延在するティース基部312aと、ティース基部312aの先端側に設けられ、周方向に沿って延在するティース先端部312bを有している。ティース先端部312bは、回転子400(外周面400a)と対向する側にティース先端面312cを有している。周方向に隣接するティース312により形成されるスロット313内に固定子巻線320が挿入されている。
回転子400は、複数の電磁鋼板を積層した回転子コアと回転軸210により構成されている。積層体の軸方向両端部には、端板401とバランスウェイト402が配設される。そして、カシメピン挿入孔に挿入されたカシメピン403によって、積層体、端板401とバランスウェイト402が一体化される。本実施形態では、軸方向に直角な断面で見て、回転子400の外周面400aが円形に形成されている。回転子400(回転子コア)は、回転子400の外周面400aと固定子300の内周面(ティース先端面312c)の間の間隙(エアギャップ)の長さGを所定値に維持した状態で、回転中心Oを中心に回転可能に配置されている。回転子400には磁石挿入孔が形成されており、磁石挿入孔に永久磁石が挿入されている。磁石挿入孔および永久磁石については後述する。
永久磁石電動機200は、軸方向に沿った一方側と他方側を連通するように軸方向に沿って延在する通路を有している。図1には、回転子400(回転子コア)の軸方向両端面400Aと400B間を連通するように形成された回転子通路480が示されている。
固定子巻線320への電流の供給により固定子巻線320から磁界が発生して回転子400(回転軸210)が回転中心Oを中心に回転すると、圧縮機構部120の旋回スクロール122が回転する。
これにより、吸入口111から作動媒体が吸入される。作動媒体は、永久磁石電動機200に設けられた回転子通路480の少なくとも一つを通り、軸方向に沿って、永久磁石電動機200の圧縮機構部120側から圧縮機構部120と反対側に流れる。さらに、回転子通路480の他の少なくとも一つを通り、軸方向に沿って、永久磁石電動機200の圧縮機構部120と反対側から圧縮機構部120側に流れる。
そして、圧縮機構部120の圧縮室123に送られて圧縮される。
圧縮された作動媒体は、吐出部126から吐出口112を介して吐出される。
このように、圧縮された作動媒体が永久磁石電動機200を通らないため、永久磁石電動機200に設けられている永久磁石が、高温の作動媒体により減磁するのを防止することができる。
また、圧縮機構部120や永久磁石電動機200の構成は、適宜変更可能である。
また、吸入口111から吸入した作動媒体を、永久磁石電動機200に設けた通路を介して圧縮機構部120に送る方法は、適宜変更可能である。
永久磁石電動機200に設ける通路の数や形状は、適宜変更可能である。
通常、回転子400は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って主磁極部と補助磁極部が交互に配置され、主磁極部には磁石挿入孔が形成され、磁石挿入孔には永久磁石尺が挿入されている。
ここで、永久磁石の外周側端壁部と回転子の外周面の間の回転子部分(鉄心部分)を介して短絡磁束が流れると、主磁束の磁束量が減少する。永久磁石の外周側端壁部と回転子の外周面の間に空隙が設けられている。
従来、短絡磁束量をより低減して主磁束の磁束量を増大させるために、永久磁石の外周側端壁部と回転子の外周面の間に設けられる空隙を、主磁極部中心方向に延在させた永久磁石電動機が提案されている(特開昭2007−300796号公報)。
ここで、永久磁石の外周側端部(外周側端壁部の近傍)に主磁束が集中すると、永久磁石の外周側端部が減磁し、主磁束の磁束量が低下する。永久磁石の減磁を防止するためには、永久磁石を厚くする必要がある。永久磁石を厚くすると、磁石使用量が増大するため、永久磁石電動機が高価となる。
そこで、本実施形態の永久磁石電動機200の回転子400は、永久磁石の減磁を防止しながら磁束量を確保することができるように構成している。
主磁極部[A]〜[D]には磁石挿入孔が形成され、磁石挿入孔には永久磁石が挿入されている。
主磁極部[A]〜[D]および主磁極部[A]〜[D]の間に配置されている補助磁極[AB]〜[DA]は同じ構成であるため、以下では、図3を参照して、主磁極部[A]の構成を説明する。
第1の永久磁石450A1は、軸方向に直角な断面形状が、外周側壁部451A1、内周側壁部452A1、内周側端壁部453A1および外周側端壁部454A1により四角形(「略四角形」を含む)に形成されている。
第2の永久磁石450A2は、第1の永久磁石450A1と同様に、断面形状が、外周側壁部451A2、内周側壁部452A2、内周側端壁部453A2および外周側端壁部454A2により四角形に形成されている。
第1の外周側壁部411A1と第1の内周側壁部412A1は、隣接する補助磁極部[DA]のq軸に対して傾斜する方向に、平行(「略平行」を含む)に延在している。内周側端壁部413A1は、第1の外周側壁部411A1および第1の内周側壁部412A1の主磁極部中心側(d軸側)の端部に接続され、d軸に平行(「略平行」を含む)に延在している。外周側端壁部414A1は、第1の内周側壁部412A1の、回転子400の外周面400a側の端部に接続され、周方向に沿って主磁極部中心(d軸)方向に延在している。外周側端壁部414A1は、直線状に延在させてもよいし、回転子400の外周面400aに平行(「略平行」を含む)に円弧状に延在させてもよい。第2の内周側壁部415A1および第2の外周側壁部416A1は、それぞれ第1の外周側壁部411A1の、回転子400の外周面400a側の端部および外周側端壁部414A1の主磁極部中心側(d軸側)の端部に接続され、主磁極部中心方向に平行(「略平行」を含む)に延在している。連結用端壁部417A1は、第2の内周側壁部415A1および第2の外周側壁部416A1の主磁極部中心側の端部に接続され、径方向に沿って延在している。
第1の内周側壁部412A1には、第1の永久磁石450A1を第1の磁石挿入孔410A1内の所定位置に位置決めするための突部418A1が第1の磁石挿入孔410A1内に突出するように設けられている。なお、位置決め用の突部は、第1の外周側壁部411A1および第1の内周側壁部412A1の少なくとも一方に設けられていればよい。また、突部以外の位置決め部材を設けることもできる。
本実施形態では、第1の空隙442A1は、第1の永久磁石450A1の外周側端壁部454A1と対向する第1の部分と、第1の部分から周方向に沿って主磁極部中心方向(d軸方向)に延在する第2の部分を有している。第1の空隙442A1の第1の部分は、第1の外周側壁部411A1、第1の内周側壁部412A1および外周側端壁部414A1により形成されている。第1の空隙442A1の第2の部分は、第2の内周側壁部415A1、第2の外周側壁部416A1および連結用端壁部417A1により形成されている。
第1の空隙442A1によって、第1の永久磁石450A1の磁束(主磁束)が短絡されるのが防止される。
そして、第1の外周側壁部411A2、第1の内周側壁部412A2および内周側端壁部413A2によって、第2の永久磁石450A2が挿入される磁石挿入部が形成されている。また、第1の外周側壁部411A2、第1の内周側壁部412A2、外周側端壁部414A2、第2の内周側壁部415A2、第2の外周側壁部416A2および連結用端壁部417A2によって、第2の永久磁石450A2の外周側端壁部454A2と回転子400の外周面400aの間に第2の空隙442A2が形成されている。
また、第1の磁石挿入孔410A1と回転子400の外周面400aの間、すなわち、第1の磁石挿入孔410A1の外周側端壁部414A1と外周面400aの間に第1の外周ブリッジ部432Aが形成されている。同様に、第2の磁石挿入孔410A2と回転子400の外周面400aの間、すなわち、第2の磁石挿入孔410A2の外周側端壁部414A2と外周面400aの間に第2の外周ブリッジ部433Aが形成されている。
内周ブリッジ部431A、第1の外周ブリッジ部432Aおよび第2の外周ブリッジ部433Aにより、回転時に発生する遠心力に対する回転子400の強度が高められる。
ここで、第1の空隙442A1の第2の部分を形成する第2の内周側壁部415A1と、磁石挿入部を形成する第1の外周側壁部411A1により形成される角度をθ(度)とする。
また、第1の空隙442A1の第2の部分を形成する第2の内周側壁部415A1(長さM)を、磁石挿入部を形成する第1の外周側壁部411A1に投影した時の長さ(第1の外周側壁部411A1の延在方向に沿った長さ)をNとする。なお、第1の永久磁石450A1の延在方向(外周壁部451A1あるいは内周壁部452A1の延在方向)は、第1の磁石挿入孔410A1の第1の外周側壁部411A1の延在方向と平行であるから、第2の内周側壁部415A1の長さMを第1の外周側壁部411A1に投影することは、第2の内周側壁部415A1の長さMを第1の永久磁石450A1の延在方向に投影することと等価である。
さらに、第1の空隙442A1の第2の部分を形成する第2の内周側壁部415A1の主磁極部中心側(d軸側)の端部Qを、磁石挿入部を形成する第1の外周側壁部411A1に投影した位置Rから、第1の永久磁石450A1の外周側端壁部454A1までの長さをLとする。
図5において、実線は、主磁束の磁束量を示すグラフである。実線X1は[(L/N)=0.95]である場合の磁束量のグラフ、実線X2は[(L/N)=0.72]である場合の磁束量のグラフ、実線X3は[(L/N)=0.7]である場合の磁束量のグラフ、実線X4は[(L/N)=0.68]である場合の磁束量のグラフである。
また、破線は、減磁開始電流を示すグラフである。破線Y1は[(L/N)=0.95]である場合の減磁開始電流のグラフ、破線Y2は[(L/N)=0.72]である場合の減磁開始電流のグラフ、破線Y3は[(L/N)=0.7]である場合の減磁開始電流のグラフ、破線Y4は[(L/N)=0.68]である場合の減磁開始電流のグラフである。
ここで、図5から、(L/N)が0.7より小さくなると[(L/N)<0.7]、(L/N)が0.7以上である場合[0.7≦(L/N)]に較べて磁束量が少ないことが理解できる。さらに、(L/N)が0.7以上である場合[0.7≦(L/N)]には、角度θが38度以上の領域[38度≦θ]では、角度θの増加とともに磁束量が緩やかに増加しているが、角度θが38度より小さくなると[θ<38度]、磁束量が急激に減少していることが理解できる。
ここで、図5から、(L/N)が0.7より小さくなると[(L/N)<0.7]、(L/N)が0.7以上である場合[0.7≦(L/N)]に較べて減磁開始電流が大きく低下することが理解できる。さらに、(L/N)が0.7以上である場合[0.7≦(L/N)]には、角度θが44度以下の領域[θ≦44度]では、角度θの増加とともに減磁開始電流は緩やかに低下しているが、角度θが44度を超えると[44度<θ]、減磁開始電流が急激に低下していることが理解できる。
以上のことから、[38度≦θ≦44度]および[0.7≦(L/N)≦1.0]が満足されるように構成することにより、減磁開始電流の低下を抑制しながら(永久磁石の外周側端部の減磁を抑制しながら)、主磁束の磁束量を確保することができることが理解できる。
間隔Sが、固定子300の内周面312cと回転子400の外周面400aの間隙Gより小さいと、主磁束の短絡を防止する効果が低い。
また、間隔Sが、第1の永久磁石450A1の厚さHより大きいと、第1の永久磁石450A1の長さを長くするのが困難となり、主磁束の磁束量を確保することができなくなる。この場合、マグネットトルクが低下するため、固定子巻線に供給する電流を増加させる必要がある。
したがって、主磁束の短絡を防止しながら、主磁束の磁束量を確保することができるようにするために、[G≦S≦H]が満足されるように構成することが好ましい。
したがって、第1の永久磁石450A1の外周側端部での減磁を防止して主磁束の磁束量を確保するために、[H≦L]が満足されるように構成することが好ましい。
したがって、遠心力に対する回転子400の強度を確保するとともに、主磁束の短絡を抑制するために、[0.4mm≦T≦1.0mm]が満足されるように構成することが好ましい。
第1の実施形態の回転子400では、永久磁石の外周側端壁部と回転子の外周面の間に配置する空隙を磁石挿入孔内に設けたが、本実施形態の回転子500では、磁石挿入孔と回転子の外周面の間に設けている。
本実施形態の回転子500の主磁極部[A]には、周方向に沿って、d軸を挟んで両側に第1の磁石挿入孔510A1および第1の孔520A1と第2の磁石挿入孔510A2および第2の孔520A2が形成されている。そして、第1の磁石挿入孔510A1に第1の永久磁石550A1が挿入され、第2の磁石挿入孔510A2に第2の永久磁石550A2が挿入されている。
第1の磁石挿入孔510A1と第2の磁石挿入孔510A2、第1の永久磁石550A1と第2の永久磁石550A2は、中央が回転中心O方向に飛び出ているV字状に配置されている。
本実施形態では、第1の磁石挿入孔510A1の外周側壁部511A1、内周側壁部512A1、内周側端壁部513A1および外周側端壁部514A1によって、第1の永久磁石550A1が挿入される磁石挿入部が形成されている。
第1の孔520A1は、第1の連結用端壁部521A1、内周側壁壁部522A1、外周側端壁部523A1、内周側壁部524A1、外周側壁部525A1および第2の連結用端壁部526A1を有している。
内周側端壁部522A1は、第1の磁石挿入孔510A1の外周側端壁部514A1と対向する位置に配置され、外周側端壁部514A1と平行に延在する。第1の連結用端壁部521A1は、内周側端壁部522A1の、隣接する補助磁極部(図6では、補助磁極部[DA])側の端部に接続され、q軸に沿って外周方向に延在している。外周側端壁部523A1は、第1の連結用端壁部521A1の外周側の端部に接続され、周方向に沿って主磁極部中心方向(d軸方向)に延在している。内周側壁部524A1および外周側壁部525A1は、それぞれ内周側壁部522A1および外周側端壁部523A1の主磁極部中心側(d軸側)の端部に接続され、周方向に沿って平行に延在している。第2の連結用端壁部526A1は、内周側壁部524A1および外周側壁部525A1の主磁極部中心側の端部に接続され、径方向に沿って延在している。
本実施形態では、第1の孔520A1によって、第1の永久磁石510A1の外周側端壁部554A1と回転子500の外周面500aの間に第1の空隙542A1が配置されている。また、第1の連結用端壁部521A1、内周側端壁部522A1および外周側端壁部523A1によって、第1の空隙542A1の第1の部分が形成され、内周側壁部524A1、外周側壁部525A1および第2の連結用端壁部526A1によって、第1の空隙542A1の第2の部分(第1の部分から周方向に沿って主磁極部中心側に延在する第2の部分)が形成されている。
また、第2の孔520A2は、第1の孔520A1と同様に、第1の連結用端壁部521A2、内周側壁壁部522A2、外周側端壁部523A2、内周側壁部524A2、外周側壁部525A2および第2の連結用端壁部526A2を有している。第2の孔520A2によって、第2の永久磁石510A2の外周側端壁部554A2と回転子500の外周面500aの間に第2の空隙542A2が配置されている。
また、第1の孔520A1(外周側端壁部523A1)と回転子500の外周面500aの間に第1の外周ブリッジ部532Aが形成されているとともに、第1の磁石挿入孔510A1(外周側端壁部514A1)と第1の孔520A1(内周側端壁部522A1)の間に第2の外周ブリッジ部534Aが形成されている。同様に、第2の孔520A2(外周側端壁部523A2)と回転子500の外周面500aの間に第3の外周ブリッジ部533Aが形成されているとともに、第2の磁石挿入孔510A2(外周側端壁部514A2)と第2の孔520A2(内周側端壁部522A2)の間に第4の外周ブリッジ部535Aが形成されている。
内周ブリッジ部531A、第1〜第4の外周ブリッジ部532A、534A、533Aおよび535Aにより、回転時に発生する遠心力に対する回転子500の強度をより高めることができる。
なお、本実施形態では、永久磁石を磁石挿入孔内の所定位置に位置決めするための位置決め部材を設けていないが、位置決め部材を用いることもできる。
また、「第1の磁石挿入孔510A1の外周側壁部511A1(第2の磁石挿入孔510A2の外周側壁部511A2)と第1の孔520A1の内周側壁部524A1(第2の孔520A2の内周側壁部524A2)の延長線上の接続箇所」が、図4に示されている第1の実施形態の「第1の外周側壁部411A1と第2の内周側壁部415A1との接続箇所」に対応する。
角度θ、(L/N)、永久磁石の厚さH、長さL、空隙と回転子の外周面との間隔の最小値Tに関しては、第1の実施形態と同様である。
第1の実施形態の回転子400では、永久磁石を磁石挿入孔内の所定位置に位置決めする突部(位置決め部材)を設けたが、本実施形態の回転子600では、磁石挿入孔の壁部材に、位置決め用の段差部を設けている。
本実施形態の回転子600は、磁石挿入孔の壁部材に段差部を設けている点のみが第1の実施形態の回転子400と異なっているため、段差部についてのみ説明する。
第1の磁石挿入孔610A1は、第1の外周側壁部611A1、第1の内周側壁部612A1、第2の内周側壁部613A1、内周側端壁部614A1、外周側端壁部615A1、第3の内周側壁部616A1、第2の外周側壁部617A1および連結用端壁部618A1を有している。
第2の内周側壁部613A1は、第2の内周側壁部613A1と第1の外周側壁部611A1の間隔が第1の内周側壁部612A1と第1の外周側壁部611A1の間隔より小さくなるように配置されている。すなわち、第2の内周側壁部613A1と第1の内周側壁部612A1は、段差状に配置されている。そして、第2の内周側壁部613A1と第1の外周側壁部611A1の間隔は、第1の磁石挿入孔610A1に挿入される第1の永久磁石650A1の外周側端壁部654A1の長さより短く設定されている。これにより、第2の内周側壁部613A1と第1の内周側壁部612A1の境界部(段差部)が、第1の永久磁石650A1を第1の磁石挿入孔610A内の所定位置に位置決めするための位置決め部材として作用する。
また、第1の外周側壁部611A1、第2の内周側壁部613A1および外周側端壁部615A1によって第1の空隙642A1の第1の部分が形成され、第2の内周側壁部616A1、第2の外周側壁部617A1および連結用端壁部618A1によって第1の空隙642A1の第2の部分(第1の部分から周方向に沿って主磁極部中心方向に延在する第2の部分)が形成されている。
他の構成は、第1の実施形態の回転子400と同じである。
本実施形態の回転子700は、主磁極部[A]〜[D]に磁石挿入孔710A〜710Dが形成され、各磁石挿入孔710A〜710Dに永久磁石750A〜750Dが挿入されている。
主磁極部[A]〜[D]は同じ構成であるため、以下では、図9を参照して、主磁極部[A]の構成を説明する。
第1の外周側壁部711Aと第1の内周側壁部712Aは、d軸に直交する方向に、平行に延在している。
第1の連結用端壁部713A1は、第1の内周側端壁部712Aの、周方向に沿った一方側(図9では、左側)の端部に接続され、周方向に沿った一方側に隣接する補助磁極部(図9では、補助磁極部[DA])のq軸に沿って延在している。第1の外周側端壁部714A1は、第1の連結用端壁部713A1の外周側の端部に接続され、周方向に沿って主磁極部中心方向(d軸方向)に延在している。第2の内周側壁部715A1および第2の外周側壁部716A1は、それぞれ第1の外周側壁部711A1の、周方向に沿った一方側の端部および外周側端壁部714A1の主磁極中心側(d軸側)の端部に接続され、周方向に沿って主磁極中心方向に延在している。第2の連結用端壁部717A1は、第2の内周側壁部715A1および第2の外周側壁部716A1の主磁極部中心側の端部に接続され、径方向に沿って延在している。
第3の連結用端壁部713A2は、第1の内周側端壁部712Aの、周方向に沿った他方側(図9では、右側)の端部に接続され、周方向に沿った他方側に隣接する補助磁極部(図9では、補助磁極部[AB])のq軸に沿って延在している。第2の外周側端壁部714A2は、第3の連結用端壁部713A2の外周側の端部に接続され、周方向に沿って主磁極部中心方向(d軸方向)に延在している。第3の内周側壁部715A2および第2の外周側壁部716A2は、それぞれ第1の外周側壁部711Aの、周方向に沿った他方側の端部および外周側端壁部714A2の主磁極中心側(d軸側)の端部に接続され、周方向に沿って主磁極中心方向に延在している。第4の連結用端壁部717A2は、第3の内周側壁部715A2および第3の外周側壁部716A2の主磁極部中心側の端部に接続され、径方向に沿って延在している。
なお、位置決め用の突部は、第1の外周側壁部711Aおよび第1の内周側壁部712Aの少なくとも一方に設けられていればよい。また、突部以外の位置決め部材を設けることもできる。
あるいは、第3の実施形態の回転子600のように、第1の外周側壁部および第1の内周側壁部の少なくとも一方に位置決め用の段差部を設けてもよい。
また、第2の実施形態の回転子500のように、磁石挿入孔と回転子の外周面の間に、孔を形成し、位置決め部材を省略することもできる。
また、第1の外周側壁部711A、第1の内周側壁部712A、第1の連結用端壁部713A1、第1の外周側端壁部714A1、第2の内周側壁部715A1、第2の外周側壁部716A1および第2の連結用端壁部717A1によって、永久磁石750Aの周方向に沿った一方側の端壁部753Aと回転子700の外周面700aの間に第1の空隙741A1が形成されている。そして、第1の外周側壁部711A、第1の内周側壁部712A、第1の連結用端壁部713A1および第1の外周側端壁部714A1によって、第1の空隙741A1の第1の部分が形成され、第2の内周側壁部715A1、第2の外周側壁部716A1および第2の連結用端壁部717A1によって、第1の空隙741A1の第2の部分が形成されている。
同様に、第1の外周側壁部711A、第1の内周側壁部712A、第3の連結用端壁部713A2、第2の外周側端壁部714A2、第3の内周側壁部715A2、第3の外周側壁部716A2および第4の連結用端壁部717A2によって、永久磁石750Aの周方向に沿った他方側の端壁部754Aと回転子700の外周面700aの間に第2の空隙741A2が形成されている。そして、第1の外周側壁部711A、第1の内周側壁部712A、第3の連結用端壁部713A2および第2の外周側端壁部714A2によって、第2の空隙741A2の第1の部分が形成され、第3の内周側壁部715A2、第3の外周側壁部716A2および第4の連結用端壁部717A2によって、第2の空隙741A2の第2の部分が形成されている。
また、本実施形態では、磁石挿入孔710A1の周方向に沿った一方側および他方側と回転子700の外周面700aの間に外周ブリッジ部が形成されている。すなわち、磁石挿入孔710Aの第1の外周側端壁部714A1と外周面700aの間に第1の外周ブリッジ部731Aが形成され、磁石挿入孔710Aの第2の外周側端壁部714A2と外周面700aの間に第2の外周ブリッジ部732Aが形成されている。
本実施形態の回転子800は、主磁極部[A]〜[D]に磁石挿入孔810A〜810Dが形成され、各磁石挿入孔810A〜810Dに第1の永久磁石850A1〜850D1、第2の永久磁石850A2〜850D2および第3の永久磁石850A3〜850D3が挿入されている。
主磁極部[A]〜[D]は同じ構成であるため、以下では、図11を参照して、主磁極部[A]の構成を説明する。
第1の外周側壁部811A1および第1の内周側壁部812A1は、d軸に直交する方向に、平行に延在している。
第2の外周側壁部813A2および第2の内周側壁部814A2は、それぞれ第1の外周側壁部811A1および第1の内周側壁部812A1の、周方向に沿った一方側(図11では、左側)の端部に接続され、周方向に沿った一方側に隣接する補助磁極部(図11では、補助磁極部[DA])のq軸に沿って平行に延在している。
第1の外周側端壁部815A2は、第2の内周側壁部814A2の外周側の端部に接続され、周方向に沿って主磁極部中心方向(d軸方向)に延在している。第4の内周側壁部816A2および第4の外周側壁部817A2は、それぞれ第2の外周側壁部813A2の外周側の端部および第1の外周側端壁部815A2の主磁極中心側(d軸側)の端部に接続され、周方向に沿って主磁極部中心方向に延在している。第1の連結用端壁部818A2は、第4の内周側壁部816A2および第4の外周側壁部817A2の主磁極部中心側の端部に接続され、径方向に沿って延在している。
第3の外周側壁部813A3および第3の内周側壁部814A3は、それぞれ第1の外周側壁部811A1および第1の内周側壁部812A1の、周方向に沿った他方側(図10では、右側)の端部に接続され、周方向に沿った他方側に隣接する補助磁極部(図10では、補助磁極部[AB])のq軸に沿って平行に延在している。
第2の外周側端壁部815A3は、第3の内周側壁部814A3の外周側の端部に接続され、周方向に沿って主磁極部中心方向(d軸方向)に延在している。第5の内周側壁部816A3および第5の外周側壁部817A3は、それぞれ第3の外周側壁部813A3の外周側の端部および第2の外周側端壁部815A3の主磁極中心側(d軸側)の端部に接続され、周方向に沿って主磁極中心方向に延在している。第2の連結用端壁部818A3は、第5の内周側壁部816A3および第5の外周側壁部817A3の主磁極部中心側の端部に接続され、径方向に沿って延在している。
また、第2の外周側壁部813A2、第2の内周側壁部814A2、第1の外周側端壁部815A2、第4の内周側壁部816A2、第4の外周側壁部817A2および第1の連結用端壁部818A2によって、第2の永久磁石850A2の外周側端壁部854A2と回転子800の外周面800aの間に第1の空隙841A1が形成されている。そして、第2の外周側壁部813A2、第2の内周側壁部814A2および第1の外周側端壁部815A2によって、第1の空隙841A1の第1の部分が形成され、第4の内周側壁部816A2、第4の外周側壁部817A2および第1の連結用端壁部818A2によって、第1の空隙841A1の第2の部分が形成されている。
同様に、第3の外周側壁部813A3、第3の内周側壁部814A3、第2の外周側端壁部815A3、第5の内周側壁部816A3、第5の外周側壁部817A3および第2の連結用端壁部818A3によって、第3の永久磁石850A3の外周側端壁部854A3と回転子800の外周面800aの間に第2の空隙841A2が形成されている。そして、第3の外周側壁部813A3、第3の内周側壁部814A3および第2の外周側端壁部815A3によって、第2の空隙841A2の第1の部分が形成され、第5の内周側壁部816A3、第5の外周側壁部817A3および第2の連結用端壁部818A3によって、第2の空隙841A2の第2の部分が形成されている。
圧縮機構部、永久磁石電動機、吸入口および吐出口の配置態様は、適宜変更可能である。
圧縮機構部や永久磁石電動機の構成は、適宜変更可能である。
作動媒体を、永久磁石電動機に設けた通路を介して圧縮機構部に送る方法は、適宜変更可能である。また、永久磁石電動機に設ける通路の数や形状は、適宜変更可能である。
圧縮機構部を駆動する永久磁石電動機として、主磁極部と補助磁極部が周方向に沿って交互に配置され、主磁極部に形成された磁石挿入孔に永久磁石(典型的には、希土類磁石)が挿入されている回転子を備える永久磁石電動機を用いる際には、[38度≦θ≦44度]および[0.7≦(L/N)≦1.0]が満足されていればよい。他の構成は、適宜選択した一つあるいは複数を組み合わせて用いてもよいし、省略することもできる。
主磁極部に形成される磁石挿入孔および磁石挿入孔に挿入される永久磁石の数や断面形状等は、マグネットトルクとリラクタンストルクの両方を使用することができる範囲内で適宜変更可能である。
磁石挿入孔に挿入されている永久磁石の外周側端壁部と回転子の外周面の間に設ける空隙の形状は、適宜変更可能である。また、空隙を設ける方法としては、磁石挿入孔内に空隙を形成する方法や、磁石挿入孔と回転子の外周面の間に孔を形成する方法を適宜選択して用いることができる。
永久磁石を磁石挿入孔内の所定位置に位置決めする必要がある場合には、磁石挿入孔の少なくとも一つの壁部に位置決め用の突部を設ける方法や、磁石挿入孔の少なくとも一つの壁部に位置決め用の段差部を設ける方法等を適宜選択して用いることができる。
本形態では、永久磁石の外周側端部の減磁を防止しながら主磁束の磁束量を確保することができる。
また、本発明は、「(態様2)請求項5、6または態様1のうちのいずれかに記載の圧縮機であって、前記空隙と前記回転子の外周面との間隔の最小値をTとした場合、[0.4mm≦T≦1.0mm]を満足するように構成されていることを特徴とする圧縮機。」として構成することができる。
本形態では、遠心力に対する回転子の強度を確保することができるとともに、永久磁石の短絡を抑制することができる。
また、本発明は、「(態様3)請求項5、6、態様1、2のうちのいずれかに記載の圧縮機であって、前記空隙は、前記磁石挿入孔の内部に設けられていることを特徴とする圧縮機。」として構成することができる。
本形態では、空隙を容易に形成することができる。
また、本発明は、「(態様4)請求項5、6、態様1〜3のうちのいずれかに記載の圧縮機であって、前記空隙は、前記磁石挿入孔と前記回転子の外周面との間に設けられていることを特徴とする圧縮機。」として構成することができる。
本形態では、磁石挿入孔と孔の間および孔と回転子の外周面の間に外周ブリッジ部が形成されるため、遠心力に対する回転子の強度をより高めることができる。
また、本発明は、「(態様5)請求項5、6、態様1〜4のうちのいずれかに記載の圧縮機であって、前記磁石挿入孔は、中央ブリッジ部を挟んで両側に形成されている第1の磁石挿入孔と第2の磁石挿入孔を有し、前記永久磁石は、前記第1の磁石挿入孔と前記第2の磁石挿入孔に挿入されている第1の永久磁石と第2の永久磁石を有していることを特徴とする圧縮機。」として構成することができる。
本形態では、遠心力に対する回転子の強度をより高めることができる。
また、本発明は、「(態様6)請求項5、6、態様1〜5のうちのいずれかに記載の圧縮機であって、前記磁石挿入孔は、中央が回転中心方向に飛び出ているV字状に配置されていることを特徴とする圧縮機。」として構成することができる。
また、本発明は、「(態様7)請求項5、6、態様1〜5のうちのいずれかに記載の圧縮機であって、前記磁石挿入孔は、周方向に沿って直線状に配置されていることを特徴とする圧縮機。」として構成することができる。
また、本発明は、「(態様8)請求項5、6、態様1〜5のうちのいずれかに記載の圧縮機であって、前記磁石挿入孔は、中央が回転中心方向に飛び出ている台形状に配置されていることを特徴とする圧縮機。」として構成することができる。
110 密閉容器
110a 内周面
111 吸入口
112 吐出口
120 圧縮機構部
121 固定スクロール
122 旋回スクロール
123 圧縮室
124、125 軸受部
126 吐出部
129 油溜め
200 永久磁石電動機
210 回転軸
300 固定子
300A、300B 端面
311 ヨーク
312 ティース
312a ティース基部
312b ティース先端部
312c ティース先端面
400、500、600、700、800 回転子
400a、500a、600a、700a、800a 外周面
400A、400B 端面
401 端板
402 バランスウェイト
403 カシメピン
410A1、410A2、410B1、410B2、410C1、410C2、410D1、410D2、510A1、510A2、510B1、510D2、610A1、610A2、610B1、610D2、710A、710B、710C、710D、810A、810B、810C、810D 磁石挿入孔
411A1〜417A1、411A2〜417A2、411B1〜417B1、411D2〜417D2、511A1〜514A1、511A2〜514A2、511B1〜514B1、511D2〜514D2、521A1〜526A1、521A2〜526A2、521B1〜526B1、521D2〜526D2、611A1〜618A1、611A2〜618A2、611B1〜618B1、611D2〜618D2、711A、712A、713A1〜717A1、713A2〜717A2、711B、712B、713B1〜717B1、711D、712D、713D2〜717D2、811A1、812A1、813A2〜818A2、813A3〜818A3、811B1、812B1、813B2〜818B2、811D1、812D1、813D3〜818D3 壁部
431A〜431D、531A、631A 中央ブリッジ部
432A〜432D、433A〜433D、532A〜535A、532B、534B、533A、533D、535D、632A、633A、632B、633D、731A〜731D、732A〜732D、831A〜831D、832A〜832D 外周ブリッジ部
441A1〜441D1、441A2〜441D2、442A1〜442D1、442A2〜442D2、541A1、541A2、541B1、541D2、542A1、542A2、542B1、542D2、641A1、641A2、641B1、641D2、642A1、642A2、642B1、642D2、741A1〜741D1、741A2〜741D2、841A1〜841D1、841A2〜841D2 空隙
450A1〜450D1、450A2〜450D2、550A1、550A2、550B1、550D2、650A1、650A2、650B1、650D2、750A〜750D、850A1〜850D1、850A2〜850D2、850A3〜850D3 永久磁石
451A1〜454A1、451A2〜454A2、451B1〜454B1、451D2〜454D2、551A1〜554A1、551A2〜554A2、551B1〜554B1、551D2〜554D2、611A1〜65A1、611A2〜654A2、651B1〜654B1、651D2〜654D2、711A〜754A、751B〜753B、751D、752D、754D、851A1〜854A1、851A2〜854A2、851A3〜854A3、851B1〜853B1、851D1、852D2、854D1、851D3〜854D3 壁部
418A1、418A2、418B1、418D2、718A1、718A2、718B1、718D2 突部
542A1、542A2、542B1、542D2 孔
Claims (6)
- 容器と、前記容器に設けられた吸入口および吐出口と、前記容器内に配置された圧縮機構部および前記圧縮機構部を駆動する永久磁石電動機を備え、前記永久磁石電動機は、固定子と、前記固定子の内側に間隙を介して回転可能に配置された回転子を有しているとともに、軸方向に沿った一方側と他方側を連通するように軸方向に沿って形成された通路を有しており、前記吸入口から吸入された作動媒体が前記圧縮機構部で圧縮されて前記吐出口から吐出される圧縮機であって、
前記吸入口と前記永久磁石電動機は、前記圧縮機構部に対して鉛直方向に沿った一方側に配置され、前記吐出口は、前記圧縮機構部に対して鉛直方向に沿った他方側に配置されているとともに、前記吸入口から吸入された作動媒体が、前記通路を介して前記圧縮機構部に送られるように構成されていることを特徴とする圧縮機。 - 請求項1に記載の圧縮機であって、
前記圧縮機構部としてスクロール型の圧縮機構部が用いられていることを特徴とする圧縮機。 - 請求項1または2に記載の圧縮機であって、
前記吸入口は、前記永久磁石電動機と前記圧縮機構部の間に配置されており、
前記通路は、複数形成されており、
前記吸入口から吸入された作動媒体が、前記複数の通路のうちの少なくとも一つを介して前記永久磁石電動機の前記圧縮機構部側から前記圧縮機構部と反対側に流れた後、前記複数の通路のうちの他の少なくとも一つを介して前記圧縮機構部と反対側から前記圧縮機構部側に流れるように構成されていることを特徴とする圧縮機。 - 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の圧縮機であって、
前記通路は、前記回転子に形成された回転子通路および前記固定子の外周面と前記容器の内周面との間に形成された固定子通路の少なくとも一方を含んでいることを特徴とする圧縮機。 - 請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の圧縮機であって、
前記回転子は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って交互に配置されている主磁極部と補助磁極部を有し、前記主磁極部には磁石挿入孔が設けられ、前記磁石挿入孔には永久磁石が挿入されており、
前記磁石挿入孔は、第1の外周側壁部と前記第1の外周側壁部より回転中心側に配置されている第1の内周側壁部により形成される磁石挿入部を有しており、
前記回転子は、前記磁石挿入孔に挿入されている前記永久磁石の外周側端壁部と前記回転子の外周面の間に空隙を有しており、
前記空隙は、前記永久磁石の前記外周側端壁部と対向する第1の部分と、前記第1の部分から主磁極部中心方向に延在する第2の部分を有し、前記第2の部分は、第2の外周側壁部と前記第2の外周側壁部より回転中心側に配置されている第2の内週側壁部により形成されており、
前記第1の外周側壁部と前記第2の内周側壁部により形成される角度をθ、前記第2の内周側壁部を前記第1の外周側壁部に投影した時の前記第1の外周側壁部の延在方向に沿った長さをN、前記第2の内周側壁部の主磁極部中心側の端部を前記第1の外周側壁部に投影した位置から前記永久磁石の前記外周側端壁部までの長さをLとした場合、[38度≦θ≦44度]、[0.7≦(L/N)≦1.0]を満足するように構成されていることを特徴とする圧縮機。 - 請求項5に記載の電動機であって、
前記間隙の幅をG、前記永久磁石の厚さをH、前記第2の外周側壁部と前記第2の内周側壁部の間隔をSとした場合、[G≦S≦H]を満足するように構成されていることを特徴とする永久磁石電動機。
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