JP2016158448A - 圧電駆動装置、ロボット及びロボットの駆動方法 - Google Patents

圧電駆動装置、ロボット及びロボットの駆動方法 Download PDF

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Yutaka Arakawa
豊 荒川
晃雄 小西
Akio Konishi
晃雄 小西
上條 浩一
Koichi Kamijo
浩一 上條
喜一 梶野
Kiichi Kajino
喜一 梶野
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Abstract

【課題】複数の接触部材と、被駆動部材との接触による溝の形成を抑制する。
【解決手段】圧電駆動装置は、第1圧電振動体と、被駆動部材に接触可能な第1接触部材と、を有する第1圧電駆動部と、第2圧電振動体と、前記被駆動部材に接触可能な第2接触部材と、を有する第2圧電駆動部と、を備え、前記第1接触部材と前記被駆動部材との接触点の第1位置は、前記第2接触部材と前記被駆動部材との接触点の第2位置とは異なる。
【選択図】図5

Description

本発明は、圧電駆動装置、ロボット及びロボットの駆動方法に関する。
特許文献1には、圧電振動体の側面に複数のスペーサ(接触部材)を備えている圧電マイクロモーターが記載されている。
特開平08−237971号公報
しかし、特許文献1では、複数のスペーサ(接触部材)が被駆動部材と接触してできる接触点の軌跡が重なるため、その軌跡上において摩擦によって被駆動部材に溝が発生し、動作を不安定にするおそれがあった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、圧電駆動装置が提供される。この圧電駆動装置は、第1圧電振動体と、被駆動部材に接触可能な第1接触部材と、を有する第1圧電駆動部と、第2圧電振動体と、前記被駆動部材に接触可能な第2接触部材と、を有する第2圧電駆動部と、を備え、前記第1接触部材と前記被駆動部材との接触点の第1位置は、前記第2接触部材と前記被駆動部材との接触点の第2位置とは異なる。この形態によれば、第1接触部材と前記被駆動部材との接触点の第1位置は、第2接触部材と被駆動部材との接触点の第2位置とは異なるので、第1接触部材と前記被駆動部材との接触点の第1位置と第2接触部材と被駆動部材との接触点の第2位置とが同じ圧電駆動装置と比べて被駆動部材に溝を発生し難くできる。その結果、圧電駆動装置の動作を安定にできる。
(2)上記形態の圧電駆動装置において、前記第1位置は、前記第2位置に対して、前記被駆動部材の移動方向と交差する方向にずれていてもよい。この形態によれば、第1位置の軌跡と第2位置の軌跡をずらすことができるので、被駆動部材に溝を発生し難くできる。
(3)上記形態の圧電駆動装置において、前記被駆動部材は、円板形状を有しており、回転可能であってもよい。この形態によれば、前記被駆動部材が、円板形状を有しており、回転可能な場合であっても、第1位置の軌跡と第2位置の軌跡をずらすことができるので、被駆動部材に溝を発生し難くできる。
(4)上記形態の圧電駆動装置において、前記第1圧電駆動部の位置は、前記第2圧電駆動部の位置に対して、前記被駆動部材の半径方向にずれていてもよい。この形態によれば、第1位置の軌跡と第2位置の軌跡は、異なる半径の同心円を描くので、溝を発生し難くできる。
(5)上記形態の圧電駆動装置において、前記第1圧電駆動部のみを用いて前記被駆動部材を回転させるときの前記被駆動部材の角速度は、前記第2圧電駆動部のみを用いて前記被駆動部材を回転させるときの前記被駆動部材の角速度と等しくても良い。この形態によれば、第1圧電駆動部のみを用いて被駆動部材を回転させるときの被駆動部材の角速度と、第2圧電駆動部のみを用いて被駆動部材を回転させるときの被駆動部材の角速度が等しいので、被駆動部材を滑らかに回転させることができる。
(6)上記形態の圧電駆動装置において、前記第1圧電駆動部を駆動する第1の電圧と、前記第2圧電駆動部を駆動する第2の電圧の比は、前記第1位置と前記被駆動部材の回転中心との距離と、前記第2位置と前記回転中心との距離の比に等しくてもよい。この形態によれば、第1圧電駆動部によって与えられる被駆動部材の角速度と、第2圧電駆動部によって与えられる被駆動部材の角速度とを等しく出来る。
(7)上記形態の圧電駆動装置において、前記第1圧電駆動部は、前記被駆動部材の回転中心との第1距離がそれぞれ等しい複数の圧電駆動部を有し、前記第2圧電駆動部は、前記被駆動部材の回転中心との第2距離がそれぞれ等しい複数の圧電駆動部を有し、前記第1距離と前記第2距離とは異なっており、前記第1圧電駆動部が有する複数の圧電駆動部を駆動する第1駆動回路と、前記第2圧電駆動部が有する複数の圧電駆動部を駆動する第2駆動回路と、を備えてもよい。この形態のように、第1圧電駆動部や第2圧電駆動部は、それぞれ複数の圧電駆動部を備えていても良い。第1圧電駆動部と第2圧電駆動部との全てについて被駆動部材の回転中心との距離が同じ場合に比べて、溝を発生し難くできる。
(8)上記形態の圧電駆動装置において、前記第1圧電振動体を配置する第1振動板と、前記第2圧電振動体を配置する第2振動板と、を備えてもよい。
(9)本発明の一形態によれば、ロボットが提供される。このロボットは、複数のリンク部と、前記複数のリンク部を接続する関節部と、前記複数のリンク部を前記関節部で回動させる、上記形態のいずれかに記載の圧電駆動装置と、を備える。この形態によれば、圧電駆動装置をロボットの駆動に利用できる。
(10)本発明の一形態によれば、ロボットの駆動方法が提供される。この駆動方法は、前記第1圧電振動体および前記第2圧電振動体に周期的に変化する電圧を印加することで前記圧電駆動装置を駆動し、前記複数のリンク部を前記関節部で回動させる。
本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、圧電駆動装置の他、圧電駆動装置の駆動方法、圧電駆動装置の製造方法、圧電駆動装置を搭載するロボット、圧電駆動装置を搭載するロボットの駆動方法、送液ポンプ、投薬ポンプ等、様々な形態で実現することができる。
圧電駆動部の概略構成を示す平面図及び断面図。 振動板の平面図。 圧電駆動部と駆動回路の電気的接続状態を示す説明図。 圧電駆動部の屈曲振動の例を示す説明図。 第1の実施形態の圧電駆動装置を示す説明図。 第2の実施形態の圧電駆動装置を示す説明図。 第3の実施形態の圧電駆動装置を示す説明図。 第4の実施形態の圧電駆動装置を示す説明図。 第5の実施形態の圧電駆動装置を示す説明図。 第6の実施形態の圧電駆動装置を示す説明図。 第7の実施形態の圧電駆動装置を示す説明図。 第7の実施形態の圧電駆動装置の駆動回路の一例を示す説明図。 本発明の他の実施形態としての圧電駆動部の断面図。 他の実施形態としての圧電駆動部の平面図。 上述の圧電駆動部を利用したロボットの一例を示す説明図。 ロボットの手首部分の説明図。 圧電駆動部を利用した送液ポンプの一例を示す説明図。
・圧電駆動部の構成:
図1(A)は、本発明に用いられる圧電駆動部10の概略構成を示す平面図であり、図1(B)は、圧電駆動部10を図1(A)のB−B切断線で切ったときに、その断面から圧電駆動部10を見たときの図である。圧電駆動部10は、振動板200と、振動板200の両面(第1面211(「表面」とも呼ぶ)と第2面212(「裏面」とも呼ぶ))にそれぞれ配置された2つの圧電振動体100とを備える。圧電振動体100は、基板120と、基板120の上に形成された第1電極130と、第1電極130の上に形成された圧電体140と、圧電体140の上に形成された第2電極150と、を備えている。第1電極130と第2電極150は、圧電体140を挟持している。2つの圧電振動体100は、振動板200を中心として対称に配置されている。2つの圧電振動体100は同じ構成を有しているので、以下では特に断らない限り、振動板200の上側にある圧電振動体100の構成を説明する。
圧電振動体100の基板120は、第1電極130と圧電体140と第2電極150を成膜プロセスで形成するための基板として使用される。また、基板120は機械的な振動を行う振動板としての機能も有する。基板120は、例えば、Si,Al,ZrOなどで形成することができる。シリコン(以下「Si」とも呼ぶ。)製の基板120として、例えば半導体製造用のSiウェハーを利用することが可能である。この実施形態において、基板120の平面形状は長方形である。基板120の厚みは、例えば10μm以上100μm以下の範囲とすることが好ましい。基板120の厚みを10μm以上とすれば、基板120上の成膜処理の際に基板120を比較的容易に取扱うことができる。また、基板120の厚みを100μm以下とすれば、薄膜で形成された圧電体140の伸縮に応じて、基板120を容易に振動させることができる。
第1電極130は、基板120上に形成された1つの連続的な導電体層として形成されている。一方、第2電極150は、図1(A)に示すように、5つの導電体層150a〜150e(「第2電極150a〜150e」とも呼ぶ)に区分されている。中央にある第2電極150eは、基板120の幅方向の中央において、基板120の長手方向のほぼ全体に亘る長方形形状に形成されている。他の4つの第2電極150a,150b,150c,150dは、同一の平面形状を有しており、基板120の四隅の位置に形成されている。図1の例では、第1電極130と第2電極150は、いずれも長方形の平面形状を有している。第1電極130や第2電極150は、例えばスパッタリングによって形成される薄膜である。第1電極130や第2電極150の材料としては、例えばAl(アルミニウム)や、Ni(ニッケル)、Au(金)、Pt(白金)、Ir(イリジウム)、Cu(銅)などの導電性の高い任意の材料を利用可能である。なお、第1電極130を1つの連続的な導電体層とする代わりに、第2電極150a〜150eと実質的に同じ平面形状を有する5つの導電体層に区分してもよい。なお、第2電極150a〜150eの間の電気的接続のための配線(又は配線層及び絶縁層)と、第1電極130及び第2電極150a〜150eと駆動回路との間の電気的接続のための配線(又は配線層及び絶縁層)とは、図1では図示が省略されている。
圧電体140は、第2電極150a〜150eと実質的に同じ平面形状を有する5つの圧電体層として形成されている。この代わりに、圧電体140を、第1電極130と実質的に同じ平面形状を有する1つの連続的な圧電体層として形成してもよい。第1電極130と圧電体140と第2電極150a〜150eとの積層構造によって、5つの圧電素子110a〜110e(図1(A))が構成される。
圧電体140は、例えばゾル−ゲル法やスパッタリング法によって形成される薄膜である。圧電体140の材料としては、ABO型のペロブスカイト構造を採るセラミックスなど、圧電効果を示す任意の材料を利用可能である。ABO型のペロブスカイト構造を採るセラミックスとしては、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、タングステン酸ナトリウム、酸化亜鉛、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)、タンタル酸ストロンチウムビスマス(SBT)、メタニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等を用いることが可能である。またセラミック以外の圧電効果を示す材料、例えばポリフッ化ビニリデン、水晶等を用いることも可能である。圧電体140の厚みは、例えば50nm(0.05μm)以上20μm以下の範囲とすることが好ましい。この範囲の厚みを有する圧電体140の薄膜は、成膜プロセスを利用して容易に形成することができる。圧電体140の厚みを0.05μm以上とすれば、圧電体140の伸縮に応じて十分に大きな力を発生することができる。また、圧電体140の厚みを20μm以下とすれば、圧電駆動部10を十分に小型化することができる。
図2は、振動板200の平面図である。振動板200は、長方形形状の振動体部210と、振動体部210の左右の長辺からそれぞれ3本ずつ延びる接続部220とを有しており、また、左右の3本の接続部220にそれぞれ接続された2つの取付部230を有している。なお、図2では、図示の便宜上、振動体部210にハッチングを付している。取付部230は、ネジ240によって他の部材に圧電駆動部10を取り付けるために用いられる。振動板200は、例えば、シリコン、シリコン化合物、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金、鉄−ニッケル合金などの金属、金属酸化物、またはダイヤモンド等の材料で形成することが可能である。
振動体部210の上面(第1面)及び下面(第2面)には、圧電振動体100(図1)がそれぞれ接着剤を用いて接着される。振動体部210の長さLと幅Wの比は、L:W=約7:2とすることが好ましい。この比は、振動体部210がその平面に沿って左右に屈曲する超音波振動(後述)を行うために好ましい値である。振動体部210の長さLは、例えば0.1mm以上30mm以下の範囲とすることができ、幅Wは、例えば0.02mm以上9mm以下の範囲とすることができる。なお、振動体部210が超音波振動を行うために、長さLは50mm以下とすることが好ましい。振動体部210の厚み(振動板200の厚み)は、例えば20μm以上800μm以下の範囲とすることができる。振動体部210の厚みを20μm以上とすれば、圧電振動体100を支持するために十分な剛性を有するものとなる。また、振動体部210の厚みを800μm以下とすれば、圧電振動体100の変形に応じて十分に大きな変形を発生することができる。
振動板200の一方の短辺には、先端が凸になっている接触部材20が設けられている。接触部材20は、被駆動体と接触可能な、被駆動体に力を与えるための部材である。接触部材20は、セラミックス(例えばAl)などの耐久性がある材料で形成することが好ましい。
図3は、圧電駆動部10と駆動回路300の電気的接続状態を示す説明図である。5つの第2電極150a〜150eのうちで、対角にある一対の第2電極150a,150dが配線151を介して互いに電気的に接続され、他の対角の一対の第2電極150b,150cも配線152を介して互いに電気的に接続されている。これらの配線151,152は成膜処理によって形成しても良く、或いは、ワイヤ状の配線によって実現してもよい。図3の右側にある3つの第2電極150b,150e,150dと、第1電極130(図1)は、配線310,312,314,320を介して駆動回路300に電気的に接続されている。駆動回路300は、一対の第2電極150a,150dと第1電極130との間に周期的に変化する交流電圧又は脈流電圧を印加することにより、圧電駆動部10を超音波振動させて、接触部材20に接触するローター(被駆動体)を所定の回転方向に回転させることが可能である。ここで、「脈流電圧」とは、交流電圧にDCオフセットを付加した電圧を意味し、その電圧(電界)の向きは、一方の電極から他方の電極に向かう一方向である。また、他の一対の第2電極150b,150cと第1電極130との間に交流電圧又は脈流電圧を印加することにより、接触部材20に接触するローターを逆方向に回転させることが可能である。このような電圧の印加は、振動板200の両面に設けられた2つの圧電振動体100に同時に行われる。なお、図3に示した配線151,152,310,312,314,320を構成する配線(又は配線層及び絶縁層)は、図1では図示が省略されている。
図4は、圧電駆動部10の屈曲振動の例を示す説明図である。圧電駆動部10の接触部材20は、被駆動体としてのローター50の外周に接触している。図4に示す例では、駆動回路300(図3)は、第1の対角に配置された一対の第2電極150a,150dと第1電極130との間に交流電圧又は脈流電圧を印加しており、圧電素子110a,110dは図4の矢印xの方向に伸縮する。これに応じて、圧電駆動部10の振動体部210は、図4(A)に示す蛇行していないまっすぐな形状と、図4(B)に示す振動体部210の平面内で屈曲して蛇行形状(S字形状)に交互に変形し、接触部材20の先端が矢印yの向きに楕円運動する。その結果、ローター50は、その中心51の周りに第1の方向z(図4では時計回り方向)に回転する。本実施形態では、振動体部210は、図4(A)に示すような蛇行していないまっすぐな形状と、図4(B)に示すような振動体部210の平面内で屈曲して蛇行形状(S字形状)と、に交互に変形することを屈曲振動と呼ぶ。図2で説明した振動板200の3つの接続部220(図2)は、このような振動体部210の振動の節(ふし)の位置に設けられている。なお、駆動回路300が、第1の対角とは異なる第2の対角に配置された他の一対の第2電極150b,150cと第1電極130との間に交流電圧又は脈流電圧を印加する場合には、ローター50は逆方向(第2の方向あるいは、反時計回り方向)に回転する。なお、屈曲振動では、時計回り時に駆動される2つの圧電素子110a,110dは、振動体部210(あるいは圧電振動体100)の中心205に対して点対称位置にあり、反時計回り時に駆動される2つの圧電素子110b,110cは、振動体部210(あるいは圧電振動体100)の中心205に対して点対称位置にある。中央の第2電極150eに、一対の第2電極150a,150d(又は他の一対の第2電極150b,150c)と同じ電圧を印加すれば、圧電駆動部10が長手方向に伸縮するので、接触部材20からローター50に与える力をより大きくすることが可能である。なお、駆動回路300が屈曲振動時に駆動する圧電素子は、点対称位置になくてもよく、例えば、中心205に対して偏った位置にあっても良い。なお、圧電駆動部10(又は圧電振動体100)のこのような動作については、上記先行技術文献1(特開2004−320979号公報、又は、対応する米国特許第7224102号)に記載されており、その開示内容は参照により組み込まれる。
・第1の実施形態:
図5は、第1の実施形態の圧電駆動装置1000を示す説明図である。図5(A)は、圧電駆動装置1000をz方向(被駆動部材60の法線方向)から見た図を示し、図5(B)は、圧電駆動装置1000をy方向(被駆動部材60の移動方向と交差する方向)から見た図を示している(後述する図6〜図8についても同じ)。圧電駆動装置1000は、3つの圧電駆動部10s1、10s2、10s3と、被駆動部材60を備える。被駆動部材60は、長方形の板状部材である。3つの圧電駆動部10s1、10s2、10s3は、上述した圧電駆動部10により構成されている。圧電駆動部10s1を第1圧電駆動部10s1、圧電駆動部10s2を第2圧電駆動部10s2、圧電駆動部10s3を第3圧電駆動部10s3とも呼ぶ。また、第1圧電駆動部10s1の圧電振動体100を第1圧電振動体と呼び、振動板200を第1振動板と呼ぶ。第2圧電駆動部10s2の圧電振動体100や振動板200についても、同様に、第2圧電振動体、第2振動板と呼ぶ。第3圧電駆動部10s3についても同様である。これらの呼び方については、以後の実施形態において同様である。第1圧電駆動部10s1の第1接触部材20s1、第2圧電駆動部10s2の第2接触部材20s2、第3圧電駆動部10s3の第3接触部材20s3が被駆動部材60と接触してできる接触点の位置(第1位置P1、第2位置P2、第3位置P3)は、x方向、y方向、いずれも重なっておらず、異なる位置である。すなわち、被駆動部材60の移動方向及び被駆動部材60の移動方向と交差する方向のいずれともずれている。その結果、3つの圧電駆動部10s1、10s2、10s3が駆動することにより形成される接触点の軌跡L20s1、L20s2、L20s3は重ならない。なお、第1位置P1、第2位置P2、第3位置P3のx方向の位置は同じ位置であっても良い。第1位置P1、第2位置P2、第3位置P3のy方向の位置が異なっていれば、接触点の軌跡L20s1、L20s2、L20s3は重ならないからである。
接触部材20s1、20s2、20s3は、上述したように、セラミックス(例えばAl)などの耐久性がある材料で形成されており、硬い。そのため、長年の使用により、接触部材20s1、20s2、20s3が被駆動部材60を削り、軌跡L20s1、L20s2、L20s3の跡に溝を形成する場合がある。ここで、溝が深くなったり、溝の深さが異なると、接触部材20s1、20s2、20s3による押圧力が小さくなったり、異なったりして、被駆動部材60の移動が滑らかで無くなり、圧電駆動装置1000動作を不安定にする虞がある。本実施形態では、接触部材20s1、20s2、20s3が被駆動部材60と接触してできる接触点の位置(第1位置P1、第2位置P2、第3位置P3)が異なっているため、接触部材20s1、20s2、20s3が被駆動部材60と接触してできる接触点の位置、特にy方向の位置が同一の場合に比べて、溝が形成され難い。その結果、圧電駆動装置1000の動作を不安定にし難い。
・第2の実施形態:
図6は、第2の実施形態の圧電駆動装置1000sを示す説明図である。圧電駆動装置1000sは、3つの圧電駆動部10s1、10s2、10s3と、被駆動部材60を備える。第1の実施形態との違いは、接触部材20s1、20s2、20s3が被駆動部材60と接触してできる接触点の位置(第1位置P1、第2位置P2、第3位置P3)のy方向の間隔が狭まっており、軌跡L20s1と軌跡L20s2が一部重なり、軌跡L20s2と軌跡L20s3が一部重なっている点である。なお、このように2つの軌跡L20s1と軌跡L20s2が一部重なっていても、第1位置P1と第2位置P2、特に第1位置P1の中心と第2位置P2の中心が異なっている場合には、接触点の位置が異なる場合に含まれるものとする。
上述したように、接触部材20s1、20s2、20s3の先端は凸となっている。そのため、軌跡L20s1、L20s2、L20s3の中心線L20s1c、L20s2c、L20s3cが、接触部材20s1、20s2、20s3が最も強く押圧する位置である。これに対し、軌跡L20s1、L20s2、L20s3の重なる部分は、接触部材20s1、20s2、20s3が強く押圧しない。すなわち、軌跡L20s1、L20s2、L20s3の重なる部分における押圧力は、中心線軌跡L20s1c、L20s2c、L20s3cにおける押圧力よりも弱い。したがって、軌跡L20s1、L20s2、L20s3の重なる部分については、2つの接触部材、例えば接触部材20s1、20s2により押圧されても、被駆動部材60が削られ難い。その結果、2つの軌跡L20s1と軌跡L20s2の一部が重なっていていても、完全に重なっていなければ、溝が形成され難く、圧電駆動装置1000sの動作を不安定にし難い。
・第3の実施形態:
図7は、第3の実施形態の圧電駆動装置1000tを示す説明図である。圧電駆動装置1000tは、9個の圧電駆動部10s1〜10s9を備える。圧電駆動部10s1〜10s3の接触点の位置P1、P2、P3のx方向の位置は同じであり、圧電駆動部10s4〜10s6の接触点の位置P4〜P6、圧電駆動部10s7〜10s9の接触点の位置P7〜P9についても同様である。また、圧電駆動部10s1〜10s9の軌跡の中心線L20s1c〜L20s9cは、互いにずれている。なお、図7では、圧電駆動部10s1〜10s9の軌跡を図示すると見難くなるので、軌跡の図示を省略している。第3の実施形態の圧電駆動装置1000tにおいても、第2の実施形態と同様に、2つの軌跡の一部が重なっていたとしても、完全に重ならないので、被駆動部材60が削られ難く、圧電駆動装置1000tの動作を不安定にし難い。
・第4の実施形態:
図8は、第4の実施形態の圧電駆動装置1000uを示す説明図である。圧電駆動装置1000uは、3つの圧電駆動部10s1、10s2、10s3と、被駆動部材60を備える。第1の実施形態との違いは、3つの圧電駆動部10s1、10s2、10s3は、接触部材20s1、20s2、20s3が被駆動部材60と接触してできる接触点の位置(第1位置P1、第2位置P2、第3位置P3)が、x方向には重なっていないが、y方向には重なっている点である。そのため、接触点の軌跡L20s1、L20s2、L20s3の一部が重ならない。すなわち、図8の第1位置P1から第2位置P2までの間は、1つの接触部材20s1のみが接触し、第2位置P2から第3位置P3までの間は、2つの接触部材20s1と20s2のみが接触し、第3位置P3からx座標のマイナス方向は、3つの接触部材20s1、20s2、20s3が接触する。したがって、第1位置P1から第2位置P2までの間や、第2位置P2から第3位置P3までの間は、第3位置P3からx座標のマイナス方向よりも被駆動部材60が削られ難く、圧電駆動装置1000uの動作を不安定にし難い。
・第5の実施形態:
図9は、第5の実施形態の圧電駆動装置1000vを示す説明図である。圧電駆動装置1000vは、4つの圧電駆動部10s1、10s2、10s3、10s4と、被駆動部材70を備える。被駆動部材70は、円板形状を有する部材であり、中心71周りに回転可能である。4つの圧電駆動部10s1、10s2、10s3、10s4は、上述した圧電駆動部10により構成されており、それぞれの接触部材20s1、20s2、20s3、20S4が被駆動部材70と接触してできる接触点の位置(第1位置P1、第2位置P2、第3位置P3、第4位置P4)が、半径方向、円周方向、いずれも重なっておらず、異なる位置である。接触点の位置(第1位置P1、第2位置P2、第3位置P3、第4位置P4)の位置は、半径方向にずれている。その結果、接触点の軌跡L20s1、L20s2、L20s3、L20s4が重ならない。その結果、溝が形成され難く、圧電駆動装置1000vの動作を不安定にし難い。
・第6の実施形態:
図10は、第6の実施形態の圧電駆動装置1000wを示す説明図である。圧電駆動装置1000wは、2つの圧電駆動部10s1、10s2と、被駆動部材72を備える。被駆動部材72は、円板形状を有する部材であり、中心73周りに回転可能である。2つの圧電駆動部10s1、10s2は、上述した圧電駆動部10により構成されている。第1圧電駆動部10s1が被駆動部材70と接触してできる接触点の位置(第1位置P1)と被駆動部材72の回転中心との第1距離はL1であり、第2圧電駆動部10s2が被駆動部材70と接触してできる接触点の位置(第2位置P2)と被駆動部材72の回転中心との第2距離はL2である。
図10(B)は、圧電駆動部10s1、10s2を駆動するための駆動信号の一例を示す説明図である。駆動信号の第1の電圧V1、第2の電圧V2の最大値をV1max、V2maxとすると、V1max:V2max=L1:L2の関係にある。すなわち、V2max=V1max×L2/L1である。一般に、ある電圧Vlimitまでであれば、圧電体に印加される電圧と圧電体の変位量とは、ほぼ比例し、圧電駆動部10s1、10s2の屈曲振動の変位量は、圧電体に印加される電圧にほぼ比例する。したがって、V1max:V2max=L1:L2の関係があるようにすれば、第1の圧電駆動部10s1のみにより被駆動部材72を駆動したときの被駆動部材72の角速度ω1と、第2の圧電駆動部10s2のみにより被駆動部材72を駆動したときの被駆動部材72の角速度ω2とをほぼ等しくできる。その結果、2つの圧電駆動部10s1、10s2で被駆動部材72を駆動したときに、滑らかに駆動することができる。なお、V2maxは、±10%程度の誤差があっても良い。すなわち、0.9×V1max×L2/L1≦V2max≦=1.1×V1max×L2/L1であってもよい。なお、V2maxの誤差は、±5%程度であれば、なお良い。なお、V1maxとV2maxは、Vlimitより低い電圧である。
図10(C)は、圧電駆動部10s1、10s2を駆動するための駆動信号の別の例を示す説明図である。この例では、駆動信号の振幅V1、V2の最大値は同じであるが、周期(あるいは周波数)が異なる。第1の圧電駆動部10s1の駆動信号V1の周期をT1、第2の圧電駆動部10s2の駆動信号V2の周期をT2とすると、T1:T2=L2:L1の関係があるようにすれば、第1の圧電駆動部10s1のみにより被駆動部材72を駆動したときの被駆動部材72の角速度ω1と、第2の圧電駆動部10s2のみにより被駆動部材72を駆動したときの被駆動部材72の角速度ω2とをほぼ等しくできる。その結果、2つの圧電駆動部10s1、10s2で被駆動部材72を駆動したときに、滑らかに駆動することができる。なお、周期T2は、±10%程度の誤差があっても良い。すなわち、0.9×T1×L1/L2≦T2≦=1.1×T1×L1/L2であってもよい。また、周波数は、周期の逆数に比例するので、第1の圧電駆動部10s1の駆動信号の周波数をf1、第2の圧電駆動部10s2の駆動信号の周波数をf2としたときに、f1:f2=L1:L2の関係があるようしてもよい。
なお、第1の圧電駆動部10s1のみにより被駆動部材72を駆動したときの被駆動部材72の角速度ω1と、第2の圧電駆動部10s2のみにより被駆動部材72を駆動したときの被駆動部材72の角速度ω2とをほぼ等しくできるのであれば、例えば駆動電圧を下げてその分周期を短くするなど、駆動電圧の制御と周期(周波数)の制御とを組み合わせてもよい。
以上、第6の実施形態によれば、第1の圧電駆動部10s1のみにより被駆動部材72を駆動したときの被駆動部材72の角速度ω1と、第2の圧電駆動部10s2のみにより被駆動部材72を駆動したときの被駆動部材72の角速度ω2とをほぼ等しくできる。その結果、2つの圧電駆動部10s1、10s2で被駆動部材72を駆動したときに、滑らかに駆動することができる。
・第7の実施形態:
図11は、第7の実施形態の圧電駆動装置1000xを示す説明図である。圧電駆動装置1000xは、4つの圧電駆動部10s1〜10s4と、被駆動部材70を備える。被駆動部材70の回転中心71と第1圧電駆動部10s1、第2圧電駆動部10s2との間の距離は、いずれもL1であり、被駆動部材70の回転中心71と第3圧電駆動部10s3、第4圧電駆動部10s4との間の距離は、いずれもL2である。したがって、圧電駆動部10s1の接触部材20s1による接触点の軌跡L20s1と、圧電駆動部10s2の接触部材20s2による接触点の軌跡L20s2とが重なる。また、軌跡L20s3と軌跡L20s4についても同様に重なる。しかし、軌跡L20s1と軌跡L20s3とは重ならない。このように、全ての軌跡が重ならない場合だけでなく、一部の軌跡が重なるように構成しても良い。全ての軌跡が重なる場合と比べると、溝が形成され難く、圧電駆動装置1000xの動作を不安定にし難い。
図12は、第7の実施形態の圧電駆動装置1000xの駆動回路の一例を示す説明図である。第7の実施形態では2つの駆動回路300a、300bを備える。第1駆動回路300aは、軌跡が重なる第1圧電駆動部10s1と第2圧電駆動部10s2を駆動し、第2駆動回路300bは、軌跡が重なる第3圧電駆動部10s3と第2圧電駆動部10s4を駆動する。第1駆動回路300aと第2駆動回路300bとは、同じ構成を備えるので、第1駆動回路300aを例にとって説明する。
第1駆動回路300aは、制御回路330と、基準クロック発生回路335と、分周回路340と、増幅回路350と、を備える。基準クロック発生回路335は、所定の周波数(例えば数百kHz〜数MHz)の基準クロック信号Clkを発生させる。分周回路340は、クロック信号Clkを分周して、基準クロック信号Clkよりも周波数の低いデジタル信号DSを生成する。増幅回路350は、D級アンプであり、デジタル信号DSを用いて、交流電圧(「駆動信号Drv1」とも呼ぶ。)を生成する。駆動信号Drv1は、第1圧電駆動部10s1と第2圧電駆動部10s2に入力される。制御回路330は、分周回路340に対して、クロック信号Clkからの分周の回数や、それぞれの分周開始のタイミングを指示し、制御する。また、制御回路330は、駆動信号Drv1を生成するときの増幅率を指示する。分周の回数や、それぞれの分周開始のタイミング、増幅率は、被駆動部材70の回転中心71と第1圧電駆動部10s1、第2圧電駆動部10s2との間の距離L1に応じて決定される。第2駆動回路300bについても、分周の回数や、それぞれの分周開始のタイミング、増幅率は、被駆動部材70の回転中心71と第3圧電駆動部10s3、第4圧電駆動部10s4との間の距離L2に応じて決定され、駆動信号Drv2が生成される。
本実施形態では、被駆動部材70の中心との距離が等しい複数の圧電駆動部、例えば、第1圧電駆動部10s1と第2圧電駆動部10s2とは、同一の駆動回路300aで駆動される。本実施形態では、同一の電圧を印加、あるいは、周期、周波数が同一である複数の圧電駆動部については、一つの駆動回路300aで駆動するので、それぞれの圧電駆動部にそれぞれ駆動回路を設ける場合と比較して小型化が可能となる。
・圧電駆動装置の他の実施形態:
図13は、本発明の他の実施形態としての圧電駆動部10aの断面図であり、第1実施形態の図1(B)に対応する図である。この圧電駆動部10aでは、圧電振動体100が、図1(B)とは上下を逆にした状態で振動板200に配置されている。すなわち、ここでは、第2電極150が振動板200に近く、基板120が振動板200から最も遠くなるように配置されている。なお、図13においても、図1(B)と同様に、第2電極150a〜150eの間の電気的接続のための配線(又は配線層及び絶縁層)と、第1電極130及び第2電極150a〜150eと駆動回路との間の電気的接続のための配線(又は配線層及び絶縁層)とは、図示が省略されている。この圧電駆動部10aも、第1実施形態と同様な効果を達成することができる。第2の実施形態と同様に、圧電振動体100の基板120を振動板200より突出させても良く、接触部材の形状を第3の実施形態と同様の形状としても良い。
図14(A)、(B)は、本発明の更に他の実施形態としての圧電駆動部10bの平面図であり、第1実施形態の図1(A)に対応する図である。図14(A)、(B)では、図示の便宜上、振動板200の接続部220や取付部230は図示が省略されている。図14(A)の圧電駆動部10bでは、一対の第2電極150b,150cが省略されている。この圧電駆動部10bも、図4に示すような1つの方向zにローター50を回転させることが可能である。なお、図14(A)の3つの第2電極150a,150e,150dには同じ電圧が印加されるので、これらの3つの第2電極150a,150e,150dを、連続する1つの電極層として形成してもよい。
図14(B)は、本発明の更に他の実施形態としての圧電駆動部10cの平面図である。この圧電駆動部10cでは、図1(A)の中央の第2電極150eが省略されており、他の4つの第2電極150a,150b,150c,150dが図1(A)よりも大きな面積に形成されている。この圧電駆動部10cも、第1実施形態とほぼ同様な効果を達成することができる。
図1及び図14(A)、(B)から理解できるように、圧電振動体100の第2電極150としては、少なくとも1つの電極層を設けることができる。但し、図1及び図14(A),(B)に示す実施形態のように、長方形の圧電振動体100の対角の位置に第2電極150を設けるようにすれば、圧電振動体100及び振動板200を、その平面内で屈曲する蛇行形状に変形させることが可能である点で好ましい。
上記各実施形態において、圧電振動体100は振動板200に配置されているが、振動板200はなくてもよい。この場合、接触部材20は、圧電振動体100に接続される。振動板200を備えない構成であっても、複数の接触部材20と被駆動部材70の接触位置を異ならせることができるので、被駆動部材70に溝を発生し難くできる。
・圧電駆動装置を用いた装置の実施形態:
上述した圧電駆動部10は、共振を利用することで被駆動体に対して大きな力を与えることができるものであり、各種の装置に適用可能である。圧電駆動部10は、例えば、ロボット(電子部品搬送装置(ICハンドラー)も含む)、投薬用ポンプ、時計のカレンダー送り装置、印刷装置(例えば紙送り機構。ただし、ヘッドに利用される圧電駆動装置では、振動板を共振させないので、ヘッドには適用不可である。)等の各種の機器における駆動装置として用いることが出来る。以下、代表的な実施の形態について説明する。
図15は、上述の圧電駆動部10を利用したロボット2050の一例を示す説明図である。ロボット2050は、複数本のリンク部2012(「リンク部材」とも呼ぶ)と、それらリンク部2012の間を回動又は屈曲可能な状態で接続する複数の関節部2020とを備えたアーム2010(「腕部」とも呼ぶ)を有している。それぞれの関節部2020には、上述した圧電駆動部10が内蔵されており、圧電駆動部10を用いて関節部2020を任意の角度だけ回動又は屈曲させることが可能である。アーム2010の先端には、ロボットハンド2000が接続されている。ロボットハンド2000は、一対の把持部2003を備えている。ロボットハンド2000にも圧電駆動部10が内蔵されており、圧電駆動部10を用いて把持部2003を開閉して物を把持することが可能である。また、ロボットハンド2000とアーム2010との間にも圧電駆動部10が設けられており、圧電駆動部10を用いてロボットハンド2000をアーム2010に対して回転させることも可能である。
図16は、図15に示したロボット2050の手首部分の説明図である。手首の関節部2020は、手首回動部2022を挟持しており、手首回動部2022に手首のリンク部2012が、手首回動部2022の中心軸O周りに回動可能に取り付けられている。手首回動部2022は、圧電駆動部10を備えており、圧電駆動部10は、手首のリンク部2012及びロボットハンド2000を中心軸O周りに回動させる。ロボットハンド2000には、複数の把持部2003が立設されている。把持部2003の基端部はロボットハンド2000内で移動可能となっており、この把持部2003の根元の部分に圧電駆動部10が搭載されている。このため、圧電駆動部10を動作させることで、把持部2003を移動させて対象物を把持することができる。
なお、ロボットとしては、単腕のロボットに限らず、腕の数が2以上の多腕ロボットにも圧電駆動部10を適用可能である。ここで、手首の関節部2020やロボットハンド2000の内部には、圧電駆動部10の他に、力覚センサーやジャイロセンサー等の各種装置に電力を供給する電力線や、信号を伝達する信号線等が含まれ、非常に多くの配線が必要になる。従って、関節部2020やロボットハンド2000の内部に配線を配置することは非常に困難だった。しかしながら、上述した実施形態の圧電駆動部10は、通常の電動モーターや、従来の圧電駆動装置よりも駆動電流を小さくできるので、関節部2020(特に、アーム2010の先端の関節部)やロボットハンド2000のような小さな空間でも配線を配置することが可能になる。
図17は、上述の圧電駆動部10を利用した送液ポンプ2200の一例を示す説明図である。送液ポンプ2200は、ケース2230内に、リザーバー2211と、チューブ2212と、圧電駆動部10と、ローター2222と、減速伝達機構2223と、カム2202と、複数のフィンガー2213、2214、2215、2216、2217、2218、2219と、が設けられている。リザーバー2211は、輸送対象である液体を収容するための収容部である。チューブ2212は、リザーバー2211から送り出される液体を輸送するための管である。圧電駆動部10の接触部材20は、ローター2222の側面に押し付けた状態で設けられており、圧電駆動部10がローター2222を回転駆動する。ローター2222の回転力は減速伝達機構2223を介してカム2202に伝達される。フィンガー2213から2219はチューブ2212を閉塞させるための部材である。カム2202が回転すると、カム2202の突起部2202Aによってフィンガー2213から2219が順番に放射方向外側に押される。フィンガー2213から2219は、輸送方向上流側(リザーバー2211側)から順にチューブ2212を閉塞する。これにより、チューブ2212内の液体が順に下流側に輸送される。こうすれば、極く僅かな量を精度良く送液可能で、しかも小型な送液ポンプ2200を実現することができる。なお、各部材の配置は図示されたものには限られない。また、フィンガーなどの部材を備えず、ローター2222に設けられたボールなどがチューブ2212を閉塞する構成であってもよい。上記のような送液ポンプ2200は、インシュリンなどの薬液を人体に投与する投薬装置などに活用できる。ここで、上述した実施形態の圧電駆動部10を用いることにより、従来の圧電駆動装置よりも駆動電流が小さくなるので、投薬装置の消費電力を抑制することができる。従って、投薬装置を電池駆動する場合は、特に有効である。
・変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
・変形例1:
上記実施形態では、基板120の上に第1電極130と圧電体140と第2電極150とが形成されていたが、基板120を省略して、振動板200の上に第1電極130と圧電体140と第2電極150とを形成するようにしてもよい。
・変形例2:
上記実施形態では、振動板200の両面にそれぞれ1つの圧電振動体100を設けていたが、圧電振動体100の一方を省略することも可能である。但し、振動板200の両面にそれぞれ圧電振動体100を設けるようにすれば、振動板200をその平面内で屈曲した蛇行形状に変形させることがより容易である点で好ましい。
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
10、10a〜10c、10s1〜10s9…圧電駆動部 20、20s1〜20s9…接触部材 50…ローター 51、71、73…中心 60、70、72…被駆動部材 100、100a〜100e…圧電振動体 120…基板 130…第1電極 140…圧電体 150、150a〜150e…第2電極(導電体層) 151、152…配線 200…振動板 205…中心 210…振動体部 211…第1面 212…第2面 220…接続部 230…取付部 240…ネジ 300…駆動回路 310…配線 330…制御回路 335…基準クロック発生回路 340…波形形成回路 342、344…分周回路 350、352…増幅回路 1000、1000s〜1000x…圧電駆動装置 2000…ロボットハンド 2003…把持部 2010…アーム 2012…リンク部 2020…関節部 2022…手首回動部 2050…ロボット 2200…送液ポンプ 2202…カム 2202A…突起部 2211…リザーバー 2212…チューブ 2213…フィンガー 2222…ローター 2223…減速伝達機構 Clk…基準クロック信号 DS…デジタル信号 Drv1、Drv2…駆動信号 L20s1c〜L20s9c…中心線 L20s1〜L20S9…軌跡 P1…第1位置 P2…第2位置 P3…第3位置 P4…第4位置 T1、T2…周期 V1、V2…電圧

Claims (10)

  1. 第1圧電振動体と、被駆動部材に接触可能な第1接触部材と、を有する第1圧電駆動部と、
    第2圧電振動体と、前記被駆動部材に接触可能な第2接触部材と、を有する第2圧電駆動部と、を備え、
    前記第1接触部材と前記被駆動部材との接触点の第1位置は、前記第2接触部材と前記被駆動部材との接触点の第2位置とは異なる、圧電駆動装置。
  2. 請求項1に記載の圧電駆動装置であって、
    前記第1位置は、前記第2位置に対して、前記被駆動部材の移動方向と交差する方向にずれている、圧電駆動装置。
  3. 請求項1または2に記載の圧電駆動装置であって、
    前記被駆動部材は、円板形状を有しており、回転可能である、圧電駆動装置。
  4. 請求項3に記載の圧電駆動装置であって、
    前記第1圧電駆動部の位置は、前記第2圧電駆動部の位置に対して、前記被駆動部材の半径方向にずれている、圧電駆動装置。
  5. 請求項4に記載の圧電駆動装置であって、
    前記第1圧電駆動部のみを用いて前記被駆動部材を回転させるときの前記被駆動部材の角速度は、前記第2圧電駆動部のみを用いて前記被駆動部材を回転させるときの前記被駆動部材の角速度と等しい、圧電駆動装置。
  6. 請求項5に記載の圧電駆動装置であって、
    前記第1圧電駆動部を駆動する第1の電圧と、前記第2圧電駆動部を駆動する第2の電圧の比は、前記第1位置と前記被駆動部材の回転中心との距離と、前記第2位置と前記回転中心との距離の比に等しい、圧電駆動装置。
  7. 請求項3〜6のいずれか一項に記載の圧電駆動装置であって、
    前記第1圧電駆動部は、前記被駆動部材の回転中心との第1距離がそれぞれ等しい複数の圧電駆動部を有し、
    前記第2圧電駆動部は、前記被駆動部材の回転中心との第2距離がそれぞれ等しい複数の圧電駆動部を有し、
    前記第1距離と前記第2距離とは異なっており、
    前記第1圧電駆動部が有する複数の圧電駆動部を駆動する第1駆動回路と、
    前記第2圧電駆動部が有する複数の圧電駆動部を駆動する第2駆動回路と、を備える、圧電駆動装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の圧電駆動装置であって、
    前記第1圧電振動体を配置する第1振動板と、
    前記第2圧電振動体を配置する第2振動板と、
    を備える、圧電駆動装置。
  9. 複数のリンク部と、
    前記複数のリンク部を接続する関節部と、
    前記複数のリンク部を前記関節部で回動させる請求項1〜8のいずれか一項に記載の圧電駆動装置と、
    を備えるロボット。
  10. 請求項9に記載のロボットの駆動方法であって、
    前記第1圧電振動体および前記第2圧電振動体に周期的に変化する電圧を印加することで前記圧電駆動装置を駆動し、前記複数のリンク部を前記関節部で回動させる、ロボットの駆動方法。
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