JP2016155923A - 親水性塗料組成物及び熱交換器用アルミニウムフィン材 - Google Patents

親水性塗料組成物及び熱交換器用アルミニウムフィン材 Download PDF

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貴子 松田
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貴子 松田
俊郎 越智
Toshiro Ochi
俊郎 越智
康成 芦田
Yasunari Ashida
康成 芦田
貴祐 樋口
Takasuke Higuchi
貴祐 樋口
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Abstract

【課題】 耐水性、親水持続性、特にヒートサイクル試験後の親水持続性及び水滴除去性に優れた熱交換器用アルミニウムフィン材を提供すること。【解決手段】下記の親水性重合体(a)及び架橋剤(b)を含有する親水性塗料組成物。親水性重合体(a):親水性モノマー(a1)51〜80質量%、(メタ)アクリルアミド系重合性不飽和モノマー(a2)0〜20質量%、N−メチロール(メタ)アクリルアミド又はN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド(a3)1〜29質量%、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(a4)1〜30質量%、並びに上記(a1)、(a2)、(a3)及び(a4)以外の1分子中に重合性不飽和基を有するその他のモノマー(a5)0〜47質量%含有するモノマー混合物の共重合体【選択図】 なし

Description

本発明は、耐水性、親水持続性、特にヒートサイクル試験後の親水持続性及び水滴除去性に優れた塗膜を形成できる親水性塗料組成物及び熱交換器用アルミニウムフィン材に関する。
エアコン室内機の熱交換器におけるアルミニウムフィン材は、夏場の冷房運転では、冷やされたアルミニウムフィン材上で水が結露し、濡れた状態となる(所謂、ウェット/クール状態)。さらに結露した水が成長して水滴になるとフィン間にブリッジを形成し、空気の通風路を狭めることがある。これによって通風抵抗が大きくなり、電力の損失、騒音の発生、水滴の飛散などの不具合が発生する。一方、エアコン室内機の熱交換器におけるアルミニウムフィン材は、冬場の暖房運転では、加熱されて乾いた状態となる(所謂、ドライ/ヒート状態)。
また、エアコン室外機の熱交換器におけるアルミニウムフィン材は、室内機の場合とは逆の状態となり、夏場の冷房運転時では、加熱されて乾いた状態となる(所謂、ドライ/ヒート状態)。エアコン室外機の熱交換器におけるアルミニウムフィン材は、冬場の暖房運転時では、冷やされて濡れた状態となる(所謂、ウェット/クール状態)。特に、外気温が低い場合には、結露水が霜となってアルミニウムフィン材表面に固着し、熱交換効率を低下させる原因となる。
このようにエアコン用の熱交換器用のアルミニウムフィン材は、ウェット/クール状態とドライ/ヒート状態を繰り返し受けている。
また従来からアルミニウムフィン材(以下、フィン材という)の表面に親水性処理を施して、上記のようなフィン材上に溜まった凝集水の影響を軽減する処置が採られてきた。
例えば、特許文献1には、親水性処理組成物として、ポリオキシアルキレン鎖を有する化合物(A)、親水性重合体微粒子(B)、必要に応じて、架橋剤(C)を含有する親水性処理用組成物が開示されている。
また、特許文献2には、水溶性ないしは水分散性ポリアミド樹脂(A)、ポリオキシアルキレン鎖を有する化合物(B)、ポリアクリルアミド系樹脂(C)及び親水性重合体微粒子(D)を含有する親水性処理組成物が開示されている。
詳しくは、上記特許文献1又は特許文献2には、親水性モノマー(a)2〜50重量%、(メタ)アクリルアミド系モノマー(b)20〜97重量%、架橋性不飽和モノマー(c)1〜30重量%、カルボキシル基含有不飽和モノマー(d)2〜50重量%及びその他のモノマー(e)0〜50重量%からなるモノマー成分を共重合して得られた親水性重合体微粒子を含有する親水性処理用組成物が開示されている。
また、特許文献3には、N−メチロールアクリルアミドなどのモノマー(a)30〜95質量%、ポリオキシアルキレン鎖及び重合性二重結合を有するモノマー(b)5〜60質量%及びその他の重合性モノマー(c)0〜50質量%からなるモノマー成分を共重合して得られた架橋性微粒子を含有する親水性処理用組成物が開示されている。
しかし、特許文献1〜3に記載された親水性処理用組成物を塗装したアルミニウムフィン材では、ウェット/クール状態とドライ/ヒート状態を繰り返し受けると、アルミニウムフィン材上に形成した塗膜が劣化して、耐水性、親水持続性及び水滴除去性のいずれかが低下することがあり、さらなる改良が求められていた。特に、親水持続性と水滴除去性の両立は容易でなかった。
特開平9−87576号公報 特開2000−328038号公報 特開2005−2151号公報
発明が解決しようとする課題は、塗料安定性に優れ、かつ耐水性、親水持続性、特にヒートサイクル試験後の親水持続性及び水滴除去性に優れる塗膜を形成できる親水性塗料組成物を見出し、上記塗膜性能に優れる熱交換器用アルミニウムフィン材を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解消するために鋭意検討した結果、特定の親水性重合体(a)及び架橋剤(b)を含有する親水性塗料組成物によって課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
1.下記特徴の親水性重合体(a)及び架橋剤(b)を含有する親水性塗料組成物、
親水性重合体(a):
1分子中に1個の重合性二重結合とポリオキシアルキレン鎖とを有する親水性モノマー(a1)51〜80質量%、(メタ)アクリルアミド系重合性不飽和モノマー(a2)0〜20質量%、N−メチロール(メタ)アクリルアミド又はN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド(a3)1〜29質量%、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(a4)1〜30質量%、並びに上記(a1)、(a2)、(a3)及び(a4)以外の1分子中に重合性不飽和基を有するその他のモノマー(a5)0〜47質量%からなるモノマー混合物の共重合体
2.親水性重合体(a)と架橋剤(b)の固形分合計100質量部に対して、タンニン酸、没食子酸、アスコルビン酸及びその塩類の中から選ばれる少なくとも1種の化合物(c)を1〜10質量部含有する1項に記載の親水性塗料組成物、
3.プライマー塗膜を有していてもよいアルミニウム又はアルミニウム合金上に、1項又は2項に記載の親水性塗料組成物を塗装し、加熱乾燥して硬化塗膜を形成する熱交換器用アルミニウムフィン材の塗膜形成方法、
4.3項に記載の塗膜形成方法により得られた熱交換器用アルミニウムフィン材、に関する。
本発明の親水性処理組成物を施した熱交換器用のアルミニウムフィン材は、冷暖房時においてウェット/クール状態とドライ/ヒート状態を繰り返し受けても、耐水性、親水持続性、特にヒートサイクル試験後の親水持続性及び水滴除去性に優れた性能を得ることができる。
本発明は、特定の親水性重合体(a)及び架橋剤(b)を含有する親水性塗料組成物、並びに熱交換器用アルミニウムフィン材に関する。以下、詳細に説明する。
[本発明の親水性塗料組成物]
親水性重合体(a)
本発明の親水性塗料組成物における親水性重合体(a)としては、1分子中に1個の重合性二重結合とポリオキシアルキレン鎖とを有する親水性モノマー(a1)51〜80質量%、(メタ)アクリルアミド系重合性不飽和モノマー(a2)0〜20質量%、N−メチロール(メタ)アクリルアミド又はN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド(a3)1〜29質量%、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(a4)1〜30質量%、並びに上記(a1)、(a2)、(a3)及び(a4)以外の1分子中に重合性不飽和基を有するその他のモノマー(a5)0〜47質量%からなるモノマー混合物の共重合体である。以下、上記1分子中に1個の重合性二重結合とポリオキシアルキレン鎖とを有する親水性モノマー(a1)を、親水性モノマー(a1)と称することがある。
なお本明細書において「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。また、「(メタ)アクリルアミド」は、「アクリルアミド又はメタクリルアミド」を意味する。
1分子中に1個の重合性二重結合とポリオキシアルキレン鎖とを有する親水性モノマー(a1
上記親水性モノマー(a1)としては、例えば、下記式(1)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2016155923
式(1)
(式(1)中、R、R及びR同一又は相異なり、それぞれ水素原子又はメチル基を表わし、Rは水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表わし、nは2〜200、好ましくは9〜120、さらに好ましくは20〜100の整数を表す)
上記式(1)で示される化合物は一種を単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。上記親水性モノマー(a1)の市販品としては、FA−1000MW、FA−2000MW(以上、日立化成社製、商品名)、ブレンマーPME−100、ブレンマーPME−400、ブレンマーPME−1000、ブレンマーPME−4000、ブレンマーPLE−200(以上、日油社製、商品名)が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド系重合性不飽和モノマー(a2)
上記(メタ)アクリルアミド系重合性不飽和モノマー(a2)としては、(メタ)アクリロイルモルホルリン、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリルアミドを挙げることができる。
なお上記(メタ)アクリルアミド系重合性不飽和モノマー(a2)は、次に述べるN−メチロール(メタ)アクリルアミド又はN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド(a3)とは、異なるモノマーである。
N−メチロール(メタ)アクリルアミド又はN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド(a3)
上記N−メチロール(メタ)アクリルアミド又はN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド(a3)におけるN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシルオキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソヘキシルオキシメチル(メタ)アクリルアミドを挙げることができる。
カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(a4)
上記カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(a4)としては、1分子中に少なくとも1個のカルボキシル基と1個の重合性不飽和基を有する化合物であれば特に制限なく使用でき、その代表例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などを挙げることができる。
その他のモノマー(a5)
上記(a1)、(a2)、(a3)及び(a4)以外のその他のモノマー(a5)としては、1分子中に重合性不飽和基を有し、前記モノマー(a1)、(a2)、(a3)及び(a4)と共重合可能な、前記モノマー(a1)、(a2)、(a3)及び(a4)以外の化合物であり、必要に応じて使用されるものである。
上記以外のその他のモノマー(a5)としては、水酸基含有重合性不飽和モノマー等の親水基を有するモノマーを使用することが好ましい。水酸基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の如きアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエステルを
挙げることができる。
上記水酸基含有重合性不飽和モノマー以外のその他のモノマー(a5)の代表例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の如きアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜24のアルキル又はシクロアルキルエステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの重合性不飽和ニトリル;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜8の含窒素アルキルエステル;エチレン、プロピレンなどのα−オレフィン;ブタジエン、イソプレンなどのジエン化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル;エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテルなどのビニルエーテルを挙げることができる。
また、1分子中に加水分解性シリル基及びエポキシ基から選ばれる少なくとも1個の官能基と1個の重合性二重結合とを有する化合物を使用することもできる。上記化合物の代表例としては、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、2−スチリルエチルトリメトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シランなどの加水分解性シリル基を有する不飽和化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基を有する不飽和化合物;などを挙げることができる。
他に、その他のモノマー(a5)としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、グリセリンジメタクリレート、グリセリントリメタクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等の多ビニルモノマーが使用できる。
前記その他のモノマー(a5)としては、1種で又は2種以上の混合物として使用することができるが、疎水性の化合物を多く用いると重合体粒子の親水性が損なわれるため注意が必要である。
本発明の親水性塗料組成物における親水性重合体(a)は、以上に述べた親水性モノマー(a1)、(メタ)アクリルアミド系重合性不飽和モノマー(a2)、N−メチロール(メタ)アクリルアミド又はN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド(a3)、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(a4)、並びに必要に応じてその他のモノマー(a5)からなるモノマー混合物を、水中、水混和性有機溶媒中、又は水混和性有機溶媒/水混合溶媒中で重合することにより、製造することができる。
その際の各モノマーの使用割合は、親水性モノマー(a1)51〜80質量%、好ましくは52〜75質量%、(メタ)アクリルアミド系重合性不飽和モノマー(a2)0〜20質量%、好ましくは3〜18質量%、N−メチロール(メタ)アクリルアミド又はN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド(a3)1〜29質量%、好ましくは3〜25質量%、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(a4)1〜30質量%、好ましくは3〜25質量%、並びに上記(a1)、(a2)、(a3)及び(a4)以外のその他のモノマー(a5)を0〜47質量%、好ましくは1〜45質量%の範囲内であることが適している。
前記モノマー混合物の共重合は、通常、ラジカル重合開始剤の存在下に行なわれる。ラジカル重合開始剤としては、それ自体既知のものを使用することができ、その使用量は、通常、モノマーの合計量に対して0.2〜5質量%の範囲内が好ましい。
重合温度は、使用する重合開始剤の種類等によって変えることができるが、通常、約50〜約160℃、さらには90〜160℃の範囲内の温度が適当であり、反応時間は0.5〜10時間程度とすることができる。
また、必要に応じて、架橋反応触媒を加えてもよい。架橋反応触媒としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の強酸触媒;トリエチルアミンなどの塩基触媒などを挙げることができ、適宜選定すればよい。
以上に述べたように製造される親水性重合体(a)の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、親水性重合体(a)の安定性、凝集物の発生抑制などの点から、30,000〜350,000の範囲が好ましく、70,000〜250,000の範囲がさらに好ましい。
本発明の明細書における数平均分子量又は重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した数平均分子量又は重量平均分子量を、標準ポリスチレンの分子量を基準にして換算した値である。具体的には、ゲルパーミュエーションクロマトグラフとして、「HLC8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel G−4000HXL」「TSKgel G−3000HXL」「TSKgel G−2500HXL」及び「TSKgel G−2000HXL」(商品名、いずれも東ソー社製)の4本を使用し、移動相テトラヒドロフラン、測定温度40℃、流速1mL/min及び検出器RIの条件下で測定することができる。
架橋剤(b)
上記架橋剤(b)としては、例えばアミノ樹脂、フェノール樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネートが挙げられる。アミノ樹脂としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。これらの架橋剤(b)の中でも加工性や耐食性の面からメラミン樹脂、フェノール樹脂が好ましい。
メラミン樹脂としては、例えば、メチロール化メラミン樹脂のメチロール基を炭素数1〜8の1価アルコールでエーテル化したメラミン樹脂を使用できる。上記エーテル化メラミン樹脂は、メチロール化メラミン樹脂のメチロール基がすべてエーテル化されているものでもよいし、又は部分的にエーテル化され、メチロール基やイミノ基が残存しているものでもよい。
メラミン樹脂の具体例としては、完全アルキル型メチル/ブチル混合エーテル化メラミン樹脂、メチロール基型メチル/ブチル混合エーテル化メラミン樹脂、イミノ型メチル/ブチル混合エーテル化メラミン樹脂、完全アルキル型メチル化メラミン樹脂、イミノ基型メチル化メラミン樹脂などを挙げることができる。これらのメラミン樹脂は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記メラミン樹脂の市販品としては、例えばサイメル232、サイメル232S、サイメル235、サイメル236、サイメル238、サイメル266、サイメル267、サイメル285などの完全アルキル型メチル/ブチル混合エーテル化メラミン樹脂;サイメル272などのメチロール基型メチル/ブチル混合エーテル化メラミン樹脂;サイメル202、サイメル207、サイメル212、サイメル253、サイメル254などのイミノ型メチル/ブチル混合エーテル化メラミン樹脂;サイメル300、サイメル301、サイメル303、サイメル350などの完全アルキル型メチル化メラミン樹脂;サイメル325、サイメル327、サイメル701、サイメル703、サイメル712、サイメル254、サイメル253、サイメル212、サイメル1128などのイミノ基型メチル化メラミン樹脂(以上、ダイセル・オルネクス社製、商品名)、ユーバン20SE60(三井サイテック株式会社製、ブチルエーテル化メラミン樹脂)等が挙げられる。
上記フェノール樹脂としては、フェノール、クレゾール、ビスフェノールA等のフェノール化合物とホルムアルデヒド等のアルデヒドとを酸性触媒や塩基性触媒の存在下で縮合反応させた樹脂で、この中でも酸性触媒で縮合したものをノボラック型フェノール樹脂、塩基性触媒で縮合させたものをレゾール型フェノール樹脂と称する。
本発明の親水性塗料組成物には、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂のいずれも用いることができる。また、メチロール基が導入された樹脂も含まれ、さらに導入されたメチロール基の一部、あるいはすべてを炭素数6以下のアルコールでアルキルエーテル化したフェノール樹脂も用いることができる。
上記フェノール樹脂の市販品としては、SUMILITERESIN PR−HF−3、SUMILITERESIN PR−HF−6、SUMILITERESIN PR−53194、SUMILITERESIN PR−53195、SUMILITERESIN PR−54869、SUMILITERESIN PR−16382、SUMILITERESIN PR−51939、SUMILITERESIN PR−53153、SUMILITERESIN PR−53364、SUMILITERESIN PR−53365、SUMILITERESIN PR−50702(以上、「住友ベークライト社」製);PHENOLITE TD−2131、PHENOLITE TD−2106、PHENOLITE TD−2093、PHENOLITE TD−2091、PHENOLITE TD−2090、PHENOLITE VH−4150、PHENOLITE VH−4170、PHENOLITE VH−4240、PHENOLITE KH−1160、PHENOLITE KH−1163、PHENOLITE KH−1165、PHENOLITE TD-2093−60M、PHENOLITE TD-2090−60M、PHENOLITE LF−4711、PHENOLITE LF−6161、PHENOLITE LF−4871、PHENOLITE LA−7052、PHENOLITE LA−7054、PHENOLITE LA−7751、PHENOLITE LA−1356、PHENOLITE LA−3018−50P(以上、DIC社製);ショーノールBKM−262、ショウノールBRG−555、ショウノールBRG−556、ショウノールBRG−558、ショウノールCKM−923、ショウノールCKM−983、ショウノールBKM−2620、ショウノールBRL−2854、ショウノールBRG−5590M、ショウノールCKS−3898、ショウノールCKS−3877A、ショウノールCKM−937(以上、昭和高分子社製)等が挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物としては、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート及びシクロペンタンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート;該ポリイソシアネートのビユーレットタイプ付加物、イソシアヌル環タイプ付加物;これらのポリイソシアネートと低分子量もしくは高分子量のポリオール化合物(例えば、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールなど)とをイソシアネート基過剰で反応させてなる遊離イソシアネート基含有プレポリマーなどが挙げられる。
さらに、ポリイソシアネート化合物としては、遊離イソシアネート基をフェノール化合物、オキシム化合物、活性メチレン化合物、ラクタム化合物、アルコール化合物、メルカプタン化合物、酸アミド系化合物、イミド系化合物、アミン系化合物、イミダゾール系化合物、尿素系化合物、カルバミン酸系化合物、イミン系化合物などのブロック剤で封鎖したブロック化ポリイソシアネート化合物も使用することができる。
なお親水性重合体(a)と架橋剤(b)との配合割合は、親水性重合体(a)/架橋剤(b)の固形分質量比において、親水性重合体(a)/架橋剤(b)=99/1〜50/50、特に親水性重合体(a)/架橋剤(b)=90/10〜70/30の範囲内が、耐水性、親水持続性、水滴除去性の面から好ましい。
タンニン酸、没食子酸、アスコルビン酸及びその塩類の中から選ばれる少なくとも1種の化合物(c)
本発明の親水性塗料組成物は、必要に応じて、タンニン酸、没食子酸、アスコルビン酸及びその塩類の中から選ばれる少なくとも1種の化合物(c)を配合できる。これらの中でも特に、没食子酸が、耐食性向上の面からも好ましい。
以下、タンニン酸、没食子酸及びアスコルビン酸並びにその塩類から選ばれる少なくとも1種の化合物(c)を化合物(c)と称することがある。
上記化合物(c)を配合する場合、その配合量は、親水性重合体(a)と架橋剤(b)との固形分合計100質量部に対して、化合物(c)の固形分合計量で1〜10質量部、好ましくは1〜5質量部の範囲内であることが、塗料安定性、耐水性向上の面から望ましい。
本発明の親水性塗料組成物は、必要に応じて、顔料、防錆剤、レオロジーコントロール剤、表面調整剤、界面活性剤、イオン液体、消泡剤、造膜助剤などの塗料用添加剤を適宜含有することができ、また希釈溶媒として水または適当な有機溶剤を用いることができる。必要に応じて配合できる上記顔料としては、着色顔料、体質顔料、防錆顔料等を挙げることができる。
着色顔料としては、例えば、二酸化チタン、ベンガラ、アルミペースト、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料などを挙げることができる。
体質顔料としては、例えば、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、亜鉛華(酸化亜鉛)などを挙げることができる。
防錆顔料としては、環境汚染防止の観点から鉛やクロム等の有害金属を含有しないものが好ましく、例えば、リン酸亜鉛、亜リン酸亜鉛・酸化亜鉛複合体、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウムのようなリン酸塩系、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸亜鉛のようなモリブデン酸塩系を挙げることができる。これらの顔料はそれぞれ単独で又は2種以上組合せて用いることができる。
必要に応じて配合できる前記防錆剤としては、例えば、フイチン酸、ホスフィン酸などの有機リン酸、重リン酸の金属塩類、亜硝酸塩などが挙げられる。
また、本発明の親水性塗料組成物は、さらに必要に応じて、水性有機樹脂(カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリグリセリン、ポリビニルアルコールなど)、ポリオキシアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール)などを含有することもできる。
本発明の親水性塗料組成物は、例えば、親水性重合体(a)、架橋剤(b)、必要に応じて、その他の成分を水性媒体中に溶解ないしは分散することにより調製することができる。水性媒体は、水を主成分とするものであり、さらに有機溶剤や中和剤などを含有していてもよい。
熱交換器用アルミニウムフィン材の塗膜形成方法について
本発明の熱交換器用アルミニウムフィン材の塗膜形成方法は、プライマー塗膜を有していてもよいアルミニウム又はアルミニウム合金上に、前記親水性塗料組成物を塗装し、加熱乾燥して硬化塗膜を形成する方法である。
上記アルミニウム又はアルミニウム合金は、表面が脱脂され、必要に応じて化成処理されたアルミニウム又はアルミニウム合金板(熱交換器に組立てられたものであってもよい)を用いることができる。なお表面が化成処理されていることが、付着性、耐食性などの点から好適である。上記化成処理としては、りん酸塩処理、ジルコニウム処理及びクロメート処理等が挙げられる。
上記プライマー塗膜の形成に用いられるプライマー塗料組成物は、例えば、基体樹脂として、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル変性エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオキシアルキレン樹脂、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、エチレンアイオノマー樹脂、塩化ビニル樹脂などの有機化合物系のプライマー塗料組成物が挙げられる。プライマー塗料組成物は、水系塗料であっても有機溶剤系塗料であってもよい。
また、プライマー塗料組成物は、無機化合物系のプライマー塗料組成物であってもよく、例えば、特開2006−22370号公報に記載されている塗料組成物(チタン含有水性液/有機リン酸化合物/水溶性又は水分散性有機樹脂/メタバナジン酸塩/ジルコニウム弗化塩/炭酸ジルコニウム塩)が使用できる。
本発明に用いるプライマー塗料組成物は、必要に応じて、架橋剤、顔料、防錆剤、フェノール樹脂、レオロジーコントロール剤、表面調整剤、消泡剤、造膜助剤などの塗料用添加剤を適宜含有せしめることができ、また希釈溶媒として水または適当な有機溶剤を用いることができる。
プライマー塗料組成物の塗装は、それ自体既知の方法、例えば浸漬塗装、シャワー塗装、スプレー塗装、ロール塗装、電気泳動塗装などによって行うことができ、通常、乾燥膜厚が0.2〜20μm、好ましくは0.5〜10μmとなるように塗布され、常温によるセッティング又は焼付け乾燥などによってプライマー塗膜が形成される。
上記プライマー塗膜の焼付け乾燥は、通常、素材到達最高温度が約80〜約250℃、好ましくは190〜240℃で、焼付時間が6秒間〜約30分間、好ましくは8秒間〜10分間の条件下で行なわれる。
また、本発明の親水性塗料組成物の塗装は、それ自体既知の方法、例えば浸漬塗装、シャワー塗装、スプレー塗装、ロール塗装、電気泳動塗装などによって行うことができ、通常、乾燥膜厚が0.2〜20μm、好ましくは0.5〜10μmとなるように塗装され、常温によるセッティング又は焼付け乾燥などによって親水性塗膜が形成される。
なお上記親水性塗膜の焼付け乾燥は、通常、素材到達最高温度が約150〜約250℃、好ましくは190〜240℃、焼付け時間が10秒間〜約20分間、好ましくは11秒間〜10分間の条件で行われる
以下、製造例、実施例及び比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。各例中の「部」は質量部、「%」は質量%を示す。
親水性重合体(a)の製造例
製造例1 親水性重合体No.1溶液の製造
撹拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入口を備えた四ツ口フラスコに、イソプロピルアルコール25部、脱イオン水250部を入れ、80℃に昇温した。
次に、フラスコ内に下記モノマー、溶媒及び開始剤の混合物を4時間かけて滴下し、滴下終了後さらに2時間80℃に保持して、固形分15%の親水性重合体No.1溶液を得た。
ブレンマーPME−1000(注1) 60部
アクリルアミド 5部
N−メチロールアクリルアミド 10部
アクリル酸 20部
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 5部
脱イオン水 290部
過硫酸アンモニウム 1.5部
製造例2〜15 親水性重合体No.2溶液〜No .15溶液の製造
表1に示す配合とする以外は、製造例1と同様にして、親水性重合体No.2溶液〜No .15溶液を得た。
比較製造例1〜8 親水性重合体No.16溶液〜No.23溶液の製造
表1に示す配合とする以外は、製造例1と同様にして、親水性重合体No.16溶液〜No .23溶液を得た。
Figure 2016155923
(注1)ブレンマーPME-1000:日油株式会社製、商品名、ポリオキシアルキレン基含有モノマー、式(1)における(CO)の繰り返し単位数n=23(平均値)
(注2)ブレンマーPME−100:日油株式会社製、商品名、ポリオキシアルキレン基含有モノマー、式(1)における(CO)の繰り返し単位数n=2(平均値)
(注3)ブレンマーPME−400:ポリオキシアルキレン基含有モノマー、式(1)における(CO)の繰り返し単位数n=9(平均値)
(注4)ブレンマーPME−4000:ポリオキシアルキレン基含有モノマー、式(1)における(CO)の繰り返し単位数n=90(平均値)。
ポリオキシアルキレン化合物溶液の製造
製造例16 ポリオキシアルキレン化合物溶液の製造
温度計、サーモスタット、還流冷却器、モノマー槽No.1とモノマー槽No.2、攪拌機、水分離器等を備えた反応槽に、プロピレングリコールモノメチルエーテル70部を仕込み、窒素気流下で110℃に加熱して保持し「アクリル酸10部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10部、2−エチルヘキシルアクリレート25部、メチルメタクリレート5部、ラジカル重合開始剤t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.7部」からなる混合物をモノマー槽No.1に仕込み、ブレンマーPME−4000(注4)の50質量%水溶液を100部(モノマー量で50部)と酢酸エチル5部」からなる混合物をモノマー槽No.2に仕込んだ。
モノマー槽No.1とモノマー槽No.2内のモノマー混合物を同時に、2時間かけて反応槽内に滴下した。滴下終了後、さらに同温度で0.5時間保持してから、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5部とプロピレングリコールモノメチルエーテル5部との混合物を0.5時間かけて滴下した。その後、同温度で1時間保持してから50℃まで冷却し、プロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈し固形分50%のポリオキシアルキレン化合物溶液を得た。
なお重合中は水分離器により、系中の水分を酢酸エチルと共沸し、分離除去した。得られたポリオキシアルキレン化合物は、酸価78mgKOH/g、水酸基価48mgKOH/g、重量平均分子量21,000を有していた。
製造例17 ポリエチレングリコール水溶液の製造
四つ口フラスコ中に水を150部仕込み、50℃にて撹拌しながらフレーク状
のPEG6000(三洋化成工業社製、ポリエチレングリコール、数平均分子量6,000)を100部添加して溶解させ、固形分40%のポリエチレングリコール水溶液を得た。
プライマー塗料組成物の製造
製造例18 プライマー塗料組成物の製造
ガラス製容器に、スーパーフレックス130(第一工業製薬株式会社、商品名、水性ウレタン樹脂)228.6部、製造例17にて得たポリエチレングリコール水溶液47.5部、ノイゲンEA−152B(第一工業製薬株式会社、商品名、ノニオン系界面活性剤、HLB=14)1部を仕込み、脱イオン水223部を加え十分に撹拌し、固形分20%のプライマー塗料組成物を得た。
親水性塗料組成物の製造
実施例1 親水性塗料組成物No.1の製造
製造例1で得られた親水性重合体No.1分散液を75部(固形分)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、サイメル327(注5)25部(固形分)を混合攪拌し、脱イオン水で調整して、固形分10%の親水性塗料組成物No.1を得た。
実施例2〜37 親水性塗料組成物No.2〜No.37の製造
表2及び表3に示す配合とする以外は、実施例1と同様にして、固形分10%の親水性塗料組成物No.2〜No .37を得た。
比較例1〜33 親水性塗料組成物No.38〜No.70の製造
表4及び表5に示す配合とする以外は、実施例1と同様にして、固形分10%の親水性塗料組成物No.38〜No.70を得た。
試験板(1)の作成
アルミニウム板(A1050、板厚0.1mm)を、アルカリ脱脂剤(日本シービーケミカル社製、商品名「ケミクリーナー561B」)を溶解した濃度2%の水溶液を使用して脱脂を行い、水洗後、ついでリン酸クロメート処理を施し化成処理板を得た。
次いで、上記化成処理板に各々の親水性塗料組成物を乾燥塗膜の塗布量が1.0g/mとなるように塗布し、素材到達最高温度が220℃となる条件で10秒間焼付けして試験板(1)を得た。
試験板(2)の作成
アルミニウム板(A1050、板厚0.1mm)を、アルカリ脱脂剤(日本シービーケミカル社製、商品名、ケミクリーナー561B)を溶解した濃度2%の水溶液を使用して脱脂し、水洗を行い脱脂板を得た。
次いで、上記脱脂板に製造例18で得られたプライマー塗料組成物を1.0μmとなるように塗布し、素材到達最高温度が190℃で10秒間焼付けた。さらに、上記プライマー塗装板に各々の親水性塗料組成物を乾燥塗膜の塗布量が1.0g/mとなるように塗布し、素材到達最高温度が220℃となる条件で10秒間焼付けして試験板(2)を得た。
塗膜性能試験
上記の試験板を用い、後記の試験条件に従って塗膜性能試験に供した。結果を併せて表2〜表5中に併せて示す。
Figure 2016155923
Figure 2016155923
Figure 2016155923
Figure 2016155923
(注5)サイメル327:ダイセル・オルネクス社製、商品名、イミノ基型メチル化メラミン樹脂、固形分90%
(注6)ショーノールBKM−262:昭和高分子社製、商品名、フェノール樹脂
(注7)ニューコール290−A:日本乳化剤社製、商品名、スルホコハク酸系のアニオン性界面活性剤
(注8)ネオコールSW−C:第一工業製薬社製、商品名、スルホコハク酸系のアニオン性界面活性剤
(注9)アミノイオンAS−100:日本乳化剤株式会社製、商品名、イオン液体
(注10)PEG−4000:三洋化成社製、商品名、数平均分子量約4,000、ポリオキシアルキレン化合物
(注11)PEG−6000:三洋化成社製、商品名、数平均分子量約8,300、ポリオキシアルキレン化合物。
(注12)塗料安定性:各塗料組成物を100mLのガラス容器に入れ、40℃の恒温室にて1ヶ月間貯蔵し、処理組成物の状態を目視で観察し、下記基準で評価した。
◎は、相分離、沈降、凝集のいずれも確認できず良好である
○は、相分離、凝集はみられず、わずかに沈降がみられるが簡単な攪拌で戻る
△は、相分離、凝集のいずれかが発生する
×は、相分離、凝集のいずれかが著しく発生する。
(注13)耐水性:
各試験板(1)を用いて、3枚重ねのガーゼに水をしみ込ませてこすった時に、素地露出までの往復回数を下記基準で評価した。
◎は、30回以上で問題なし。
○は、20回以上でかつ30回未満であり、実用の範囲である
△は、10回以上で20回未満でありやや問題がある
×は、10回未満であり著しく不十分である。
(注14)親水持続性:
各試験板(1)及び各試験板(2)に、揮発性プレス油RF−530(エヌエスルブリカンツ社製)を塗布し、180℃にて5分間乾燥させた。ついで、これらの試験板を水道水の流水(流水量は、塗装面の塗板1m当り15kg/時)に120時間浸漬し、80℃で5分間乾燥したのち、該塗面に水を0.03ml滴下し、その水滴と塗面との接触角を協和界面科学(株)製「接触角計CA−X150」(商品名)を用いて測定することによって、ヒートサイクル性を評価した。Bランク以上を合格レベルとする。
Sは、接触角が25°未満で、親水持続性がAランク以上の良好なレベル
Aは、接触角が25°以上でかつ30°未満で、親水持続性が良好なレベル
Bは、接触角が30°以上でかつ40°未満で、親水持続性が実用性の範疇である
Cは、接触角が40°以上でかつ50°未満で、親水持続性が不十分である
Dは、接触角が50°以上であり、親水持続性が著しく不十分である。
(注15)ヒートサイクル試験後の親水持続性:
各試験板(1)を用いて、揮発性プレス油RF−530(エヌエスルブリカンツ社製)を塗布し180℃にて5分間乾燥させた。次いで、「水道水の流水(流水量は、塗装面の塗板1m当り15kg/時)に17時間浸漬−80℃で7時間の乾燥」を1サイクルとして、10サイクル繰り返した。その後の該塗面に水を0.03ml滴下し、その水滴と塗面との接触角を協和界面科学(株)製、「接触角計CA−X150」(商品名)を用いて測定することによって、ヒートサイクル性を評価した。Bランク以上を合格レベルとする。
Sは、接触角が30°未満で、ヒートサイクル性がAランク以上の良好なレベル
Aは、接触角が30°以上でかつ35°未満で、ヒートサイクル性が良好なレベル
Bは、接触角が35°以上でかつ40°未満で、ヒートサイクル性が実用性の範疇である
Cは、接触角が40°以上でかつ50°未満で、ヒートサイクル性が不十分である
Dは、接触角が50°以上であり、ヒートサイクル性が著しく不十分である。
(注16)水滴除去性:
各試験板(1)を、脱イオン水の流水(流水量は、塗装面の塗板1m当り15kg/時)に240時間浸漬して、80℃で5分間乾燥した。次いで、試験板の表面に水滴(10μL)を垂らして試験板を垂直に傾けた。次いで、水滴の量を順番に、9μL、8μL、7μL、6μL・・・と順番に少なくしていき、水滴が試験板の表面から移動するときの最小の水滴量を読み取った。
◎は、垂直に傾けた試験板の表面から水滴が移動した時の水滴量が5μL未満である
○は、垂直に傾けた試験板の表面から水滴が移動した時の水滴量が5μL以上で、かつ7μL未満である
△は、垂直に傾けた試験板の表面から水滴が移動した時の水滴量が7μL以上で、かつ10μL未満である
×は、垂直に傾けた試験板の表面から水滴が移動した時の水滴量が10μL以上である。
耐水性、親水持続性、特にヒートサイクル試験後の親水持続性及び水滴除去性に優れた熱交換器用アルミニウムフィン材を提供できる。
Figure 2016155923



Claims (4)

  1. 下記特徴の親水性重合体(a)及び架橋剤(b)を含有する親水性塗料組成物。
    親水性重合体(a):
    1分子中に1個の重合性二重結合とポリオキシアルキレン鎖とを有する親水性モノマー(a1)51〜80質量%、(メタ)アクリルアミド系重合性不飽和モノマー(a2)0〜20質量%、N−メチロール(メタ)アクリルアミド又はN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド(a3)1〜29質量%、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(a4)1〜30質量%、並びに上記(a1)、(a2)、(a3)及び(a4)以外の1分子中に重合性不飽和基を有するその他のモノマー(a5)0〜47質量%からなるモノマー混合物の共重合体
  2. 親水性重合体(a)と架橋剤(b)の固形分合計100質量部に対して、タンニン酸、没食子酸、アスコルビン酸及びその塩類の中から選ばれる少なくとも1種の化合物(c)を1〜10質量部含有する請求項1に記載の親水性塗料組成物。
  3. プライマー塗膜を有していてもよいアルミニウム又はアルミニウム合金上に、請求項1又は2に記載の親水性塗料組成物を塗装し、加熱乾燥して硬化塗膜を形成する熱交換器用アルミニウムフィン材の塗膜形成方法。
  4. 請求項3に記載の塗膜形成方法により得られた熱交換器用アルミニウムフィン材。
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