JP4834194B2 - 水性塗料組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、親水持続性に優れた被膜を形成しうる水性塗料組成物、それを用いた熱交換器フィン材の親水化処理方法及び該組成物を塗布した熱交換器フィン材に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
空調機の熱交換器は冷房時に発生する凝縮水が水滴となってフィン間に水のブリッジを形成し、空気の通風路を狭めるため、通風抵抗が大きくなって電力の損失、騒音の発生、水滴の飛散などの不具合が発生する。かかる現象を防止する方策として、例えば、アルミニウム製フィン材(以下、フィン材という)の表面を親水化処理して水滴および水滴によるブリッジの形成を防止することが行なわれている。
【0003】
親水化処理方法としては、例えば、(1)アルミニウムの表面処理法として知られているベーマイト処理方法;(2)一般式mSiO/nNaOで示される水ガラスを塗布する方法(例えば、特公昭55−1347号公報、特開昭58−126989号公報など参照);(3)有機樹脂にシリカ、水ガラス、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、チタニアなどを混合した塗料またはこれらの塗料に界面活性剤を併用した塗料を塗布する方法(例えば、特公昭57−46000号公報、特公昭59−8372号公報、特公昭62−61078号公報、特開昭59−229197号公報、特開昭61−225044号公報など参照);(4)有機−無機(シリカ)複合体樹脂と界面活性剤よりなる塗料を塗布する方法(特開昭59−170170号公報参照)などがあげられ、これら方法の中の一部は既に実用化されている。
【0004】
以上に例示したごとく熱交換器の親水化処理技術は実用化されているものの、処理板の親水性の持続性(水滴接触角、全面水濡性)、耐食性、臭気、金型摩耗などの点で未だ改良すべき問題点がある。さらに、プレス成型加工法も、従来のドロー加工法(張り出し、絞り加工)から、より厳しいドローレス加工法(しごき加工)にかわってきており、このようなより厳しい加工法が採用された場合には、今までのものでは対応できない。
【0005】
これに対応する親水化処理方法として、例えば、以下の方法が提案されている。
【0006】
(1)ポリビニルアルコールと特定の水溶性ポリマーと水溶性架橋剤とを組合せて用いる方法(特開平3−26381号公報、特開平1−299877号公報参照)、(2)特定の親水性モノマーからなる親水性重合体部分と疎水性重合体部分とからなるブロック共重合体と、金属キレート型架橋剤とを組合せて用いる方法(特開平2−107678号公報、特開平2−202967号公報参照)、(3)ポリアクリルアミド系樹脂を用いる方法(特開平1−104667号公報、特開平1−270977号公報参照)、(4)ポリアクリル酸ポリマーなどの高分子と、この高分子と水素結合によるポリマーコンプレックスを形成し得るポリエチレンオキサイドやポリビニルピロリドンなどの高分子とを組合せて用いる方法(特開平6−322292号公報参照)。
【0007】
しかしながら、これらの方法で得られる親水化処理被膜は、プレス成型時における成型不良の問題は少ないものの、親水性の持続性や処理被膜の耐水溶解性に問題があった。かかる問題を解決する方法としてポリオキシアルキレングリコールと親水性重合体微粒子を組み合わせた親水化処理用組成物を特開平9−87576公報において開示したが、焼付け硬化時において樹脂の熱分解が起こりやすく、素材密着性、潤滑性等の塗膜性能が低下しやすい傾向にある。
【0008】
本発明の目的は、プレス成型時における成型不良の問題がなく、親水性の持続性が良好で、且つ、素材密着性、潤滑性等の塗膜性能が良好な皮膜を形成できる水性塗料組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、親水持続性の良好なポリオキシアルキレングリコールと親水性重合体微粒子との系にフェノール酸、フェノール酸縮合物及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を特定量添加することにより、塗膜の焼付け硬化時の樹脂の熱分解を抑制でき、素材密着性、潤滑性等の塗膜性能の良好な皮膜を形成できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0010】
かくして本発明は、(A)ポリオキシアルキレングリコール、(B)親水性架橋重合体微粒子、及び(C)フェノール酸、フェノール酸縮合物及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する水性塗料組成物であって、ポリオキシアルキレングリコール(A)と親水性架橋重合体微粒子(B)との配合比率が(A)/(B)の固形分重量比で10/90〜90/10の範囲内にあり、化合物(C)の配合量がポリオキシアルキレングリコール(A)と親水性架橋重合体微粒子(B)との合計量100重量部に基いて1〜20重量部の範囲内にある水性塗料組成物が提供される。また、該水性塗料組成物を用いたフィン材の親水化処理方法及びアルミニウム製熱交換器フィン材が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
【0012】
本発明の水性塗料組成物はポリオキシアルキレングリコール(A)、親水性架橋重合体微粒子(B)及びフェノール酸、フェノール酸縮合物及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)を必須成分として含有するものである。
【0013】
ポリオキシアルキレングリコール(A)
本発明の組成物における(A)成分はポリオキシアルキレングリコールであり、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖とがブロック状に結合したブロック化ポリオキシアルキレングリコールなどが挙げられるが、中でも親水性の点からポリエチレングリコールが好ましい。
【0014】
ポリオキシアルキレングリコール(A)の分子量は、特に限定されるものではないが、数平均分子量が通常、500〜500,000、特に3,000〜100,000の範囲内にあることが好ましい。
【0015】
親水性架橋重合体微粒子(B)
本発明の(B)成分である親水性架橋重合体微粒子(B)は、ポリオキシアルキレン鎖又はポリビニルピロリドン鎖を有する親水性不飽和単量体(a)、アクリルアミド系又はメタアクリルアミド系不飽和単量体(b)、架橋性基を有する不飽和単量体(c)、カルボキシル基含有不飽和単量体(d)及び必要に応じて(a)、(b)、(c)及び(d)以外の不飽和単量体(e)を共重合してなるものである。
【0016】
親水性不飽和単量体(a)
親水性不飽和単量体(a)は、1分子中に少なくとも1個の重合性二重結合と、ポリオキシアルキレン鎖又はポリビニルピロリドン鎖を有する化合物であり、その代表例としては下記一般式(1)、(2)又は(3)で示される化合物を挙げることができる。
【0017】
【化1】
Figure 0004834194
【0018】
[式中、R、RおよびRは同一又は相異なり、それぞれ水素原子又はメチル基を表わし、Rは−OH、−OCH、−SOH又は−SO を表わし、ここでMはNa、K、Li、NH 又は有機アンモニウム基を表わし、nは10〜200の数であり、そしてn個の式
【0019】
【化2】
Figure 0004834194
【0020】
の単位における各Rは同一であってもよく或いは互に異なっていてもよい。ここで、上記有機アンモニウム基は、1級、2級、3級および4級のいずれであってもよく、その窒素原子には少なくとも1個の有機基と0〜3個の水素原子が結合したものであり、上記有機基としては、O、S、N原子などを含有していてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、アリール基、アラルキル基などを挙げることができる。]
【0021】
【化3】
Figure 0004834194
【0022】
[式中、R、R、R、Rおよびnはそれぞれ前記と同じ意味を有する]
【0023】
【化4】
Figure 0004834194
【0024】
[式中、RおよびRは前記と同じ意味を有し、XはO、S又はN原子を含有してもよい炭素原子数5〜10の二価の有機基を表わし、mは10〜100の整数である。]
上記式(3)において、Xによって表わされる「O、S又はN原子を含有してもよい炭素原子数5〜10の二価の有機基」の具体例としては、下記式で表わされる基などを挙げることができる。
【0025】
【化5】
Figure 0004834194
【0026】
上記親水性不飽和単量体(a)としては、(メタ)アクリルアミド系不飽和単量体(b)を多量に使用した際の分散安定性等の観点から、中でも、nが50〜200である式(1)又は(2)の化合物が好ましい。
【0027】
(メタ)アクリルアミド系不飽和単量体(b)
(メタ)アクリルアミド系不飽和単量体(b)は、下記一般式(4)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
【0028】
【化6】
Figure 0004834194
【0029】
[式中、Rは水素原子又はメチル基を表わし、RおよびRは同一又は相異なり、それぞれ水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表わし、ただしRとRとの炭素原子数の和は5以下である]
上記式(4)において、R又はRによって表わされうる「炭素原子数1〜5のアルキル基」は、直鎖状のもの又は分枝鎖状のもののいずれであってもよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、アミルなどを挙げることができる。
【0030】
しかして、上記一般式(4)で示される(メタ)アクリルアミド系不飽和単量体(b)の代表例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−n−ブチルアクリルアミドなどが挙げられる。
【0031】
架橋性不飽和単量体(c)
架橋性不飽和単量体(c)は、粒子の架橋に寄与する成分であり、1分子中に2個以上の重合性二重結合を有する化合物、ならびに1分子中に加水分解性シリル基、エポキシ基、N−メチロール基及びN−アルコキシメチル基から選ばれる少なくとも1個の官能基と1個の重合性二重結合とを有する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
【0032】
上記架橋性不飽和単量体(c)のうち、1分子中に2個以上の重合性二重結合を有する化合物(c−1)としては、例えば、メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。これらのうち、得られる重合体微粒子の分散安定性および親水性等の観点から、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミドが好適である。本発明において各化合物の語尾の「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
【0033】
上記架橋性不飽和単量体(c)のうち、1分子中に加水分解性シリル基、エポキシ基、N−メチロール基及びN−アルコキシメチル基から選ばれる少なくとも1個の官能基と1個の重合性二重結合とを有する化合物(c−2)の代表例としては下記の化合物を挙げることができる。なお、本明細書において「加水分解性シリル基」とは、加水分解することによってシラノール基(Si−OH)を生成する珪素含有基を意味し、例えば、下記式で表わされる基を挙げることができる。
【0034】
【化7】
Figure 0004834194
【0035】
[式中、2個のRは同一又は相異なり、それぞれ水素原子、炭素数1〜18個の炭化水素基、炭素数1〜4のアルコキシ基又は炭素数2〜4のアルコキシル基置換アルコキシル基を表わし、Rは炭素数1〜4のアルコキシル基又は炭素数2〜4のアルコキシル基置換アルコキシル基を表わす]
しかして、上記化合物(c−2)の代表例としては、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、2−スチリルエチルトリメトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シランなどの加水分解性シリル基を有する不飽和化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基を有する不飽和化合物;N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどのN−メチロール基を有する不飽和化合物;N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミドなどのN−アルコキシメチル基を有する不飽和化合物を挙げることができる。これらの中、重合体微粒子の有機溶剤中での安定性等の点から、N−メチロール基又は炭素数1〜7のアルコキシメチル基を有する不飽和化合物が好ましい。
【0036】
カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(d)
カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(d)としては、1分子中に少なくとも1個のカルボキシル基と1個の重合性不飽和基を有する化合物であれば特に制限なく使用でき、その代表例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸モノブチル、マレイン酸モノブチルなどを挙げることができる。カルボキシル基含有重合性不飽和単量体(d)は、それが有するカルボキシル基が前記ポリオキシアルキレングリコール(A)と水素結合し、本発明の親水化処理用組成物の硬化性に寄与するものである。
【0037】
その他の不飽和単量体(e)
その他の不飽和単量体(e)は必要に応じて用いられる不飽和単量体であり、1分子中に1個の重合性不飽和基を有し、前記(a)、(b)、(c)及び(d)と共重合可能な、前記(a)、(b)、(c)及び(d)以外の化合物である。
【0038】
上記不飽和単量体(e)の代表例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の如きアクリル酸又はメタアクリル酸の炭素数1〜24のアルキル又はシクロアルキルエステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の如きアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの重合性不飽和ニトリル;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数3〜8の含窒素アルキルエステル;エチレン、プロピレンなどのα−オレフイン;ブタジエン、イソプレンなどのジエン化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル;エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテルなどのビニルエーテルなどを挙げることができる。これらの化合物は1種で又は2種以上の混合物として使用することができるが、疎水性の化合物を多く用いると重合体粒子の親水性が損なわれるため注意が必要である。
【0039】
不飽和単量体(e)として、前記不飽和単量体(c−2)における官能基と相補的に反応する官能基を有する化合物を使用すると、不飽和単量体(c−2)中の官能基と不飽和単量体(e)中の官能基の反応によって架橋させることができる。なお、不飽和単量体(c−2)中の官能基が加水分解性シリル基、N−メチロール基又はN−アルコキシメチル基である場合、これらの基はそれぞれこれらの基同志で反応して架橋することもできる。この場合、加水分解性シリル基同志でシロキサン結合を形成し、N−メチロール基又はN−アルコキシメチル基は脱水縮合反応又は脱アルコール反応によって(=N−CH−O−CH−N=)結合を形成して架橋することができる。
【0040】
不飽和単量体(c−2)中の官能基と反応性を有する不飽和単量体(e)が有しうる官能基としては、例えば下記表1に示すものを挙げることができる。
【0041】
【表1】
Figure 0004834194
【0042】
不飽和単量体(c)としてエポキシ基を有する化合物(c−2)を用いる場合、架橋重合体微粒子を得るためには、不飽和単量体(e)としてエポキシ基と反応性を有する官能基、例えば、アミノ基又は水酸基を有する化合物を化合物(d)の全部又は一部として使用することができ、また 不飽和単量体(d)中のカルボキシル基は化合物(c−2)としてエポキシ基を有するものを用いることにより該エポキシ基との反応によって架橋することもできる。
【0043】
親水性架橋重合体微粒子(B)の製造
親水性架橋重合体微粒子(B)は、以上に述べた親水性不飽和単量体(a)、アクリルアミド系又はメタアクリルアミド系不飽和単量体(b)、架橋性基を有する不飽和単量体(c)、カルボキシル基含有不飽和単量体(d)及び必要に応じて(a)、(b)、(c)及び(d)以外の不飽和単量体(e)を、分散安定剤の不存在下に、上記モノマーは溶解するが生成する共重合体を実質的に溶解しない水混和性有機溶媒中又は水混和性有機溶媒/水混合溶媒中で重合せしめることにより製造することができる。
【0044】
その際の各不飽和単量体(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)の使用割合は、形成される共重合体中に望まれる不飽和単量体の構成割合と同じにすることができ、例えば、以下のとおりとすることができる。
(a):2〜50重量%、好ましくは2〜40重量%、
(b):20〜97重量%、好ましくは30〜97重量%、
(c):1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%、
(d):2〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、
(e):0〜50重量%、好ましくは0〜30重量%。
【0045】
親水性架橋重合体微粒子(B)の製造において使用される親水性不飽和単量体(a)は、分子中に、親水性に富んだポリオキシアルキレン鎖又はポリビニルピロリドン鎖を有しているため、この不飽和単量体(a)が生成重合体の分散安定化の役割を果すため、重合体微粒子(B)の製造においては、分散安定剤の使用を必要としない。
【0046】
上記重合体微粒子(B)の製造に際して反応溶媒として、原料のモノマー混合物は溶解するが、生成する共重合体を実質的に溶解しない水混和性有機溶媒又は水混和性有機溶媒/水混合溶媒が使用される。ここで、「水混和性」又は「水と混和する」とは、20℃の温度で水に任意の割合で溶解しうることを意味する。上記水混和性有機溶媒としては、上記の要件を満たす限り任意のものを使用することができるが、特に、溶解性パラメータ(SP)値が一般に9〜11、特に9.5〜10.7の範囲内にある有機溶媒を少なくとも50重量%、特に70重量%以上含有するものが、重合安定性の観点から好適である。なお、本明細書における「溶解性パラメータ(SP)値」は、Journal of Paint Technology, Vol.42 No. 541,76〜118(1970年2月)の記載に基づくものである。
【0047】
SP値が上記の範囲内にある水混和性有機溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルが挙げられ、これらの中特に、エチレングリコールモノブチルエーテル又はプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
【0048】
水混和性有機溶媒は、以上に述べた如きSP値が9〜11の範囲内にある有機溶媒以外に、他の水混和性又は水非混和性有機溶媒を含有することができる。そのような有機溶媒としては、水混和性有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が好適である。該他の有機溶媒は、有機溶媒の全量の50重量%以下、特に30重量%以下の量で使用することが望ましい。
【0049】
また、反応溶媒として、水混和性有機溶媒/水の混合溶媒を使用する場合、該混合溶媒中における水の含有量は、重合安定性等の観点から、通常、水混和性有機溶媒100重量部あたり60重量部以下、特に40重量部以下であることが好ましい。
【0050】
上記重合は、通常、ラジカル重合開始剤の存在下に行なわれる。ラジカル重合開始剤としては、それ自体既知のものを使用することができ、その使用量は、通常、不飽和単量体の合計量に対して0.2〜5重量%の範囲内とすることができる。
【0051】
重合温度は、使用する重合開始剤の種類等によって変えることができるが、通常、約50〜約160℃、さらには90〜160℃の範囲内の温度が適当であり、反応時間は0.5〜10時間程度とすることができる。また、重合反応後に架橋性不飽和単量体(c)による架橋を進行させるために、より高温に加熱してもよい。さらに、重合反応中や重合反応後における粒子内架橋反応をより速やかに進行させるために、必要に応じて、架橋反応触媒を加えてもよい。架橋反応触媒としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の強酸触媒;トリエチルアミンなどの塩基触媒などを挙げることができ、架橋反応種に応じて適宜選定すればよい。
【0052】
以上に述べた如くして製造される重合体微粒子(B)の粒子径は、特に限定されるものではないが、重合体微粒子(B)の安定性、凝集物の発生抑制などの点から、一般に0.03〜1μm、好ましくは0.05〜0.6μmの範囲内の平均粒子径を有することが適当である。この平均粒子径は、粒子径測定装置、例えばコールター(coulter)モデルN4MD(コールター社製)によって測定することができる。
【0053】
上記重合体微粒子(B)は、親水性不飽和単量体(a)に由来するポリオキシアルキレン鎖又はポリビニルピロリドン鎖が重合体微粒子表面に化学的に結合した状態で外側に向って配向しているため、分散安定剤の不存在下であっても、重合安定性及び経時での分散安定性(貯蔵安定性)が極めて優れており、しかも、表面が親水性に富んでいる。
【0054】
また、重合体微粒子(B)は、架橋性不飽和単量体(c)成分の存在により、粒子内架橋されており、有機溶剤型塗料中においても、その形態を保持し、また、加熱によっても容易に溶融せず、塗料から処理膜を形成した際に処理膜に微細な凹凸を形成することができる。
【0055】
本発明の組成物において、化合物(A)と重合体微粒子(B)との配合比率は、得られる組成物に望まれる性能等に応じて適宜選定できるものであり、特に限定されるものではないが、通常、成分(A)/成分(B)の固形分重量比で10/90〜90/10、特に40/60〜70/30の範囲内が好適である。
【0056】
化合物(C)
本発明の(C)成分である化合物は、フェノール酸、フェノール酸縮合物及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、本化合物の添加により、塗膜の焼付け硬化時の樹脂の分解を抑制することができる。
【0057】
フェノール酸は、ベンゼン核に1つ以上のフェノール性水酸基と1つ以上のカルボキシル基をもつ芳香族カルボン酸であり、具体例としては、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸等のモノオキシモノカルボン酸;3,4−ジヒドロキシ安息香酸、オルセリン酸等のジオキシモノカルボン酸;2,3,4−トリオキシ安息香酸、3,4,5−トリオキシ安息香酸等のトリオキシモノカルボン酸;2,3,4,5−テトラオキシ安息香酸等のテトラオキシモノカルボン酸;3,4−ジオキシフタル酸、2,3−ジオキシテレフタル酸等のジオキシジカルボン酸;2,4,6−トリオキシイソフタル酸、4,5,6−トリオキシイソフタル酸等のトリオキシジカルボン酸等がある。フェノール酸縮合物としては、フェノール酸の一方のカルボキシル基と他方の水酸基とでエステル結合を形成した一般にデプシドと呼ばれるものであり、例えば、レカノール酸、ジロホール酸、タンニン酸などが挙げられる。また、フェノール酸やフェノール酸縮合物などを含む混合物である各種タンニンも使用することができ、その中では加水分解型タンニンが好ましい。また、フェノール酸及びフェノール酸縮合物の塩としては、アンモニウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩などが挙げられる。これらの化合物はそれぞれ単独で又は2種以上を組合わせて使用することができる。
【0058】
化合物(C)の配合量は、通常、前記グリコール(A)と重合体微粒子(B)の合計100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは2〜15重量部の範囲内が適している。配合量が1重量部未満では樹脂の分解を抑制する効果が低く、また、20重量部を超えると親水性が低下する。
【0059】
アミノ樹脂(D)
本発明組成物に必要に応じて含有される(D)成分であるアミノ樹脂は、水溶性又は水分散性であることが適しており、基体樹脂と架橋することによって皮膜の耐水溶解性を向上させることができる。
【0060】
上記アミノ樹脂としては、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミノ成分とアルデヒドとの反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂があげられる。アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒド等がある。また、このメチロール化アミノ樹脂を適当なアルコールによってエーテル化したものも使用でき、エーテル化に用いられるアルコールの例としてはメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノールなどが挙げられる。アミノ樹脂としては、なかでもメチロール基の少なくとも一部をアルキルエーテル化したメチロール化メラミン樹脂が好適である。
【0061】
これらのアミノ樹脂はそれぞれ単独で又は2種以上を組合わせて使用することができる。アミノ樹脂(D)の配合量は、通常、前記グリコール(A)と重合体微粒子(B)との合計量100重量部に対して5〜30重量部、好ましくは7〜20重量部の範囲内が適している。
【0062】
界面活性剤(E)
本発明の組成物で処理された熱交換器フィン材において、例えば、熱交換器のフィンピッチが1.2mm以下の場合には、フィンと水との接触角が5度以下のいわゆる拡張濡れになることが望ましい。この目的のために本発明の組成物には、必要に応じて、(E)成分として湿潤作用を有する界面活性剤を配合することができる。
【0063】
界面活性剤(E)は、表面湿潤作用を有するものであれば、陰イオン系、陽イオン系、両性イオン系、非イオン系のいずれの界面活性剤であってもよい。使用しうる界面活性剤(E)の具体例としては、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキレンオキシドシラン化合物などを挙げることができる。
【0064】
これらの界面活性剤はそれぞれ単独で又は2種以上を組合わせて使用することができる。界面活性剤(E)の配合量は、通常、前記グリコール(A)と重合体微粒子(B)の合計100重量部に対して20重量部以下、好ましくは0.5〜10重量部、さらに好ましくは1〜5重量部の範囲内が適している。
【0065】
本発明の組成物は、ポリオキシアルキレングリコール(A)、親水性架橋重合体微粒子(B)及びフェノール酸、フェノール酸縮合物及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)を必須成分とし、必要に応じてアミノ樹脂(D)及び界面活性剤(E)を含有するものであるが、さらに必要に応じて従来既知の水溶性又は水分散性の樹脂、架橋剤、防菌剤、着色顔料、防錆顔料(たとえばクロム酸塩系、鉛系、モリブデン酸系など)、防錆剤などを含有することもできる。
【0066】
上記水溶性又は水分散性の樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ナイロン系樹脂、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどが挙げられる。
【0067】
上記防菌剤は微生物の発生や繁殖を阻止するために添加するものであり、それ自体既知の防菌・殺菌作用をもつ脂肪族系、芳香族系の有機化合物の中から選ぶことができ、例えば、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ベンツチアゾール系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、フェノール系、第4級アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロムインダノン系等の防菌剤が挙げられる。
【0068】
本発明の組成物は、例えば、上記グリコール(A)、重合体微粒子(B)、化合物(C)及び必要に応じて架橋剤(D)及び/又は界面活性剤(E)を、水性媒体中に溶解ないしは分散することにより調製することができる。水性媒体は、水を主成分とするものであり、さらに有機溶剤や中和剤などを含有していてもよい。
【0069】
本発明の組成物は、金属、ガラス、木材、プラスチックス、布などの基材の上に塗布することができ、この塗膜を焼付けることによって親水性の硬化塗膜を形成せしめることができる。塗膜は硬化塗膜厚が0.3〜5μm、さらには0.5〜3μmの範囲内であることが好ましい。焼付けは一般に、素材到達最高温度が約80〜約250℃で焼付時間が約30分〜15秒の条件下で行なわれる。
【0070】
特に、本発明の組成物は、アルミニウム製熱交換フィン材の親水化処理に有用である。アルミニウム製熱交換器フィン材の親水化処理は、該フィン材に本発明の組成物を塗布することにより行なうことができる。例えば、本発明の組成物を、十分に脱脂され、必要に応じて化成処理されたアルミニウム板(熱交換器に組立てられたものであってもよい)に、それ自体既知の方法、例えば浸漬塗装、シャワー塗装、スプレー塗装、ロール塗装、電気泳動塗装などによって塗装し、焼付けることにより行なうことができる。
【0071】
【実施例】
以下、実施例及び比較例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。これらの例は本発明をより詳細に説明するためのものであって、本発明の範囲になんら制限を加えるものではない。「部」および「%」はそれぞれ「重量部」および「重量%」を示す。
【0072】
ポリオキシアルキレングリコール水溶液の製造
製造例1
四つ口フラスコ中に水を150部仕込み、50℃にて撹拌しながらフレーク状のPEG6000(三洋化成工業社製、ポリエチレングリコール、数平均分子量6,000)を100部添加して溶解させ、固形分40%のポリエチレングリコール水溶液(A1)を得た。
【0073】
製造例2
製造例1において、PEG6000のかわりにPEG15000(三洋化成工業社製、ポリプロピレングリコール、数平均分子量約15,000)を使用する以外は、製造例1と同様の操作を行い、固形分40%のポリプロピレングリコール水溶液(A2)を得た。
【0074】
親水性架橋重合体微粒子分散液の製造
製造例3
窒素導入管、玉入りコンデンサ、滴下ロート及びメカニカルスターラを備えたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテル200部を入れ、118℃に昇温した。次にフラスコ内に下記のモノマー、溶媒及び開始剤の混合物を5時間かけて滴下し、滴下終了後さらに1時間118℃に保持して親水性架橋重合体微粒子分散液(B1)を得た。
ブレンマーPME−4000(注1) 20部
アクリルアミド 50部
N−メチロールアクリルアミド 20部
アクリル酸 10部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 200部
2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル) 1.5部
得られた分散液は乳白色の、固形分20%の安定な分散液であり、樹脂粒子の粒子径は345nmであった。
(注1)ブレンマーPME−4000:日本油脂社製、下記式で示される化合物。
【0075】
【化8】
Figure 0004834194
【0076】
水性塗料組成物
実施例1
製造例1で得たポリエチレングリコール水溶液(A1)を固形分量で30部となる量及び製造例3で得た親水性架橋重合体微粒子分散液(B1)を固形分量で70部となる量を混合し、3,4,5−トリオキシ安息香酸を固形分量で5部、サイメル325(注2)を固形分量で20部、ニューコール1210(注3)を固形分量で5部添加し、水を加えて固形分10%の水性塗料組成物を得た。
(注2)サイメル325:三井サイテック社製、メチル化メラミン樹脂、固形分80%。
(注3)ニューコール1210:日本乳化剤社製、ノニオン型の界面活性剤、固形分100%。
【0077】
実施例2〜9及び比較例1〜3
後記表2に示す配合とする以外は、実施例1と同様の操作を行い、各々固形分10%の水性塗料組成物を得た。
なお、表2における配合量は固形分量表示によるものである。
【0078】
試験塗板の作成
上記実施例および比較例で得た親水化処理用組成物を、アルカリ脱脂剤(日本シービーケミカル(株)製、商品名「ケミクリーナー561B」)を溶解した濃度2%の水溶液を使用して脱脂した後、クロメート処理剤(日本パーカライジング(株)製、商品名「アルクロム712」)でクロメート処理(金属クロム換算塗着量30mg/m)を行ったアルミニウム板(A1050、板厚0.1mm)に、乾燥膜厚で1ミクロンとなるように塗布し、240℃の熱風で素材到達最高温度が230℃になるように30秒間焼付けし塗装板を得た。
【0079】
この塗装板に揮発性プレス油を塗布し、150℃にて5分間乾燥させたものを試験塗板とし、塗膜外観、親水性、耐食性、密着性、潤滑性、加熱減量、水ラビング性について試験をおこなつた。その試験結果を後記表2に示す。
【0080】
なお、表2における試験は下記試験方法に従って行なった。
【0081】
試験方法
塗膜外観:試験塗板を目視で評価し、塗膜に異常の認められないものを○とした。
【0082】
親水性:試験塗板、及びこの試験塗板を水道水流水(流水量は塗板1m当り15kg/時)中に7時間浸漬し、引き上げて17時間室内で乾燥させる乾湿工程を1サイクルとし、5サイクル行なったサイクル試験後の塗板の各々につき水ヌレ性の評価および水滴の接触角の測定を行なった。
【0083】
水ヌレ性:水道水の入ったビーカーに塗板を10秒間浸漬し、引き上げた時の塗板表面の水ヌレ状態を目視により以下の基準で評価した。
○・・全面が水に濡れ、引上げ10秒後においても水の偏りがない状態。
△・・引上げ直後は全面濡れているが、引上げ10秒後には塗板の端部から中央に水が寄っている状態。
×・・引上げ直後に水玉ができ、塗板全体に水が濡れない状態。
【0084】
接触角:塗板と水との接触角の測定は、塗板を80℃で5分間乾燥したのち、協和化学社製コンタクタングルメーターDCAA型で測定した。接触角が小さいほど親水性が高い。
【0085】
耐食性:JIS−Z−2371塩水噴霧試験法に準じて試験を行なった。試験時間は500時間とし、白サビ、フクレの発生のない場合を良好(○)とした。
【0086】
密着性:試験塗板を爪で引っかき、塗膜のはがれ度合いを目視評価した。
○・・塗膜が容易にははがれない、
×・・塗膜が容易にはがれる。
潤滑性:新東科学社製「表面性測定機HEIDON-14D」により動摩擦係数を測定した。動摩擦係数が小さいほど潤滑性が高い。
【0087】
加熱減量:クロメート処理を行ったアルミニウム板に、乾燥膜厚で1μmとなるように塗布し、105℃で3時間乾燥させる。その塗板を240℃の熱風で素材到達最高温度が230℃になるように30秒間焼付けし、焼付前と焼付後の塗布量を測定することによって加熱減量を計算し下記基準で評価した。
○・・加熱減量10%未満、
△・・加熱減量10以上、40%未満、
×・・加熱減量40%以上。
【0088】
水ラビング性:ガーゼを四つ折にし、水で濡らし塗膜を擦る。1往復を1回とし素地が露出するまでの回数で評価した。
○・・20回以上、
△・・5回以上、20回未満、
×・・5回未満。
【0089】
【表2】
Figure 0004834194
【0090】
【発明の効果】
本発明の組成物を用いることにより、親水持続性(全面水ヌレ性及び水との接触角20°以下)、連続成型加工性(耐金型摩耗性)を維持しつつ、優れた耐食性を有する親水性被膜を基材上に形成することができ、さらに焼付け硬化時の基体樹脂の熱分解が抑制されるため、塗装条件、乾燥条件などによる塗膜性能の変動がなくなり、素材密着性、潤滑性に優れた皮膜を得ることができる。さらには、基体樹脂の熱分解が抑制されることから、焼付け硬化時の塗膜からの低分子樹脂の揮散量が減少し、乾燥設備の汚染低減、排煙処理のコスト削減にも寄与する。
【0091】
かくして、本発明の組成物で処理されたアルミニウム製熱交換器フィン材を用いることにより、熱交換器の省エネルギー化及び省資源化を達成することができる。

Claims (8)

  1. (A)ポリオキシアルキレングリコール、(B)親水性架橋重合体微粒子、及び(C)フェノール酸、フェノール酸縮合物及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する水性塗料組成物であって、ポリオキシアルキレングリコール(A)と親水性架橋重合体微粒子(B)との配合比率が(A)/(B)の固形分重量比で10/90〜90/10の範囲内にあり、化合物(C)の配合量がポリオキシアルキレングリコール(A)と親水性架橋重合体微粒子(B)との合計量100重量部に基いて1〜20重量部の範囲内にある水性塗料組成物であって、硬化塗膜厚が0.5〜5μmの範囲内に塗装し、素材到達最高温度が80〜250℃で焼付時間が30分〜15秒の条件で焼き付けられることを特徴とする水性塗料組成物。
  2. さらに水溶性又は水分散性アミノ樹脂(D)をポリオキシアルキレングリコール(A)と親水性架橋重合体微粒子(B)との合計量100重量部に基いて5〜30重量部含有するものである請求項1に記載の水性塗料組成物。
  3. さらに界面活性剤(E)をポリオキシアルキレングリコール(A)と親水性架橋重合体微粒子(B)との合計量100重量部に基いて1〜20重量部含有するものである請求項1又は2に記載の水性塗料組成物。
  4. ポリオキシアルキレングリコール(A)が数平均分子量500〜500,000のポリエチレングリコールである請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性塗料組成物。
  5. 親水性架橋重合体微粒子(B)が、ポリオキシアルキレン鎖又はポリビニルピロリドン鎖を有する親水性不飽和単量体(a)、アクリルアミド系又はメタアクリルアミド系不飽和単量体(b)、架橋性基を有する不飽和単量体(c)、カルボキシル基含有不飽和単量体(d)及び必要に応じてその他の不飽和単量体(e)を共重合してなるものである請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性塗料組成物。
  6. 化合物(C)がジオキシ安息香酸、トリオキシ安息香酸、ジオキシフタル酸、トリオキシイソフタル酸及びそれらの縮合物から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか一項に記載の水性塗料組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の水性塗料組成物をアルミニウム製熱交換器フィン材に塗布することを特徴とするフィン材の親水化処理方法。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の水性塗料組成物からの塗膜が表面層として形成されてなるアルミニウム製熱交換器フィン材。
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