JP2016154766A - 医用画像システム及び画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】BG撮影時に被写体と同等のX線スペクトル変化を生じさせる部材を介在させる手間なく、容易に画像ムラを低減できるようにする。
【解決手段】医用画像システムによれば、コントローラー5の制御部51は、X線撮影装置1により取得された被写体モアレ縞画像に基づいて被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)を生成し、BGモアレ縞画像に基づいてBG吸収画像IAB_BG(x,y)を生成し、BG吸収画像IAB_BG(x,y)における高周波成分の割合を補正する。そして、得られた補正済みBG吸収画像IAB_BG2(x,y)を用いて被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)を補正して補正済み吸収画像IAB2(x,y)を生成する。
【選択図】図11

Description

本発明は、医用画像システム及び画像処理装置に関する。
従来、タルボ(Talbot)干渉計やタルボ・ロー(Talbot-Lau)干渉計等の、タルボ効果を利用したX線撮影装置が知られている。タルボ効果とは、一定の周期でスリットが設けられた第1格子を干渉性の光が透過すると、光の進行方向に一定周期でその格子像を結ぶ現象をいう。この格子像は自己像と呼ばれ、タルボ干渉計やタルボ・ロー干渉計は自己像を結ぶ位置に第2格子を配置し、この第2格子をわずかにずらすことで生じる干渉縞を測定する。第2格子の前に物体を配置するとモアレが乱れることから、タルボ干渉計やタルボ・ロー干渉計によりX線撮影を行うのであれば、第1格子の前に被写体を配置して干渉性X線を照射し、得られたモアレ縞画像を演算することによって被写体の再構成画像(吸収画像、微分位相画像、小角散乱画像)を得ることが可能である。
ところで、上記のようにしてタルボ干渉計やタルボ・ロー干渉計を用いたX線撮影装置でモアレ縞画像を撮影し、それを単純に再構成すると、使用する格子に起因する画像ムラが写り込む。
そこで、この画像ムラを減弱するために、被写体を撮影することにより得られた被写体モアレ縞画像に基づいて生成した被写体再構成画像を、被写体を置かずに撮影(以下、バックグラウンド撮影(BG撮影)という)することにより得られたバックグラウンドモアレ縞画像(以下、BGモアレ縞画像という)に基づいて生成したバックグラウンド再構成画像(BG再構成画像)で減算または除算する補正(以下、BG処理という)が行われている。
しかし、被写体を透過するとX線スペクトルが変化するため、BG処理を行った補正後の吸収画像・小角散乱画像においても、第1格子あるいは第2格子に起因する画像ムラが残存してしまう。
そこで、例えば、特許文献1には、BG撮影時に、X線が被写体を透過したときと同等のX線スペクトル変化を生じさせる均質な部材を介在させた状態で撮影を行い、得られたBGモアレ縞画像に基づいて作成したBG再構成画像を用いてBG処理を施すことにより、上述のX線スペクトルの変化により被写体再構成画像に残存する画像ムラを低減することが記載されている。
特開2014−135989号公報
しかし、特許文献1の手法は、BG撮影時に被写体と同等のX線スペクトル変化を生じさせる部材を介在させた状態で撮影を行う、あるいは、予め撮影しておく必要があり、従来のBG撮影に比べて手間がかかり煩雑である。
本発明の課題は、BG撮影時に被写体と同等のX線スペクトル変化を生じさせる部材を介在させる手間なく、容易に画像ムラを低減できるようにすることである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
X線を照射するX線源と、
前記X線の照射方向と直交する方向に複数のスリットが配列されて構成され、前記X線の照射方向に並んで設けられた複数の格子と、
前記X線源により照射され、前記複数の格子を透過したX線に応じて電荷を蓄積し電気信号を生成する変換素子が2次元状に配置され、当該変換素子により生成された電気信号を画像信号として読み取ってモアレ縞画像を取得するX線検出器と、
を備えるタルボ干渉計又はタルボ・ロー干渉計を用いたX線撮影装置と、
前記X線の照射経路上に設けられた被写体配置位置に被写体を配置して前記X線源からX線を照射することにより取得された被写体有りのモアレ縞画像に基づいて被写体吸収画像を生成する被写体吸収画像生成手段と、
前記X線の照射経路上に設けられた被写体配置位置に被写体を配置せずに前記X線源からX線を照射することにより取得された被写体無しのモアレ縞画像に基づいて被写体無し吸収画像を生成する被写体無し吸収画像生成手段と、
前記被写体無し吸収画像を用いて前記被写体吸収画像の画像ムラを補正する画像ムラ補正手段と、
を備える医用画像システムであって、
前記被写体無し吸収画像における高周波成分の割合のみを補正する被写体無し吸収画像補正手段を備え、
前記画像ムラ補正手段は、前記被写体無し吸収画像補正手段により補正された被写体無し吸収画像を用いて前記被写体吸収画像の画像ムラを補正する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記被写体無し吸収画像補正手段は、前記被写体無し吸収画像の画素毎に高周波成分を抽出し、当該高周波成分を前記被写体吸収画像の高周波成分に合わせるための補正係数を前記高周波成分に乗算することにより前記被写体無し吸収画像における高周波成分の割合のみを補正する。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記被写体無し吸収画像補正手段は、補正前の前記被写体無し吸収画像を用いて前記被写体吸収画像を補正した画像の各画素の値に応じた補正係数を前記被写体無し吸収画像の対応する画素に設定する。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、
前記被写体無し吸収画像補正手段は、前記被写体吸収画像における骨部領域に対応する領域と軟部領域に対応する領域とで異なる補正係数を設定する。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4の何れか一項に記載の発明において、
前記被写体無し吸収画像補正手段は、前記被写体無し吸収画像における各画素に対し、その画素における高周波成分の値に応じた補正係数を設定する。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明において、
前記画像ムラ補正手段は、前記被写体吸収画像を前記補正された被写体無し吸収画像で除算することにより前記被写体吸収画像の画像ムラを補正する。
請求項7に記載の発明は、
タルボ干渉計又はタルボ・ロー干渉計を用いたX線撮影装置において取得された画像に画像処理を施す画像処理装置であって、
前記X線撮影装置においてX線の照射経路上に設けられた被写体配置位置に被写体を配置してX線を照射することにより取得された被写体有りのモアレ縞画像に基づいて被写体吸収画像を生成する被写体吸収画像生成手段と、
前記X線撮影装置においてX線の照射経路上に設けられた被写体配置位置に被写体を配置せずにX線を照射することにより取得された被写体無しのモアレ縞画像に基づいて被写体無し吸収画像を生成する被写体無し吸収画像生成手段と、
前記被写体無し吸収画像における高周波成分の割合のみを補正する被写体無し吸収画像補正手段と、
前記被写体無し吸収画像補正手段により補正された被写体無し吸収画像を用いて前記被写体吸収画像の画像ムラを補正する画像ムラ補正手段と、
を備える。
本発明によれば、BG撮影時に被写体と同等のX線スペクトル変化を生じさせる部材を介在させる手間なく、容易に画像ムラを低減することが可能となる。
本実施形態に係る医用画像システムの全体構成を示す図である。 マルチスリットの平面図である。 図1の本体部の機能的構成を示すブロック図である。 図1のコントローラーの機能的構成を示すブロック図である。 タルボ干渉計の原理を説明する図である。 図3の制御部により実行される撮影制御処理を示すフローチャートである。 5ステップの撮影により得られるモアレ縞画像を示す図である。 タルボ・ロー干渉計を用いてファントムを被写体として撮影することにより得られた被写体吸収画像である。 図8と同じ撮影条件でファントムを置かずに撮影することにより得られたBG吸収画像である。 (a)は、図8の被写体吸収画像を図9のBG吸収画像で除算して得た吸収画像IABの自然対数をとった画像、(b)は、(a)の画像の微分吸収画像である。 図4の制御部により実行される吸収画像生成処理のフローチャートである。 (a)は、筋状ムラ補正用の補正係数、(b)は、粒状ムラ補正用の補正係数を示す図である。 (a)は、画像全体に軟部組織用の補正係数を用いて生成された補正済み吸収画像の自然対数をとった画像、(b)は、(a)の画像の微分吸収画像である。 (a)は、骨部領域には骨部用、軟部領域には軟部組織用の補正係数を用いて生成された補正済み吸収画像の自然対数をとった画像、(b)は、(a)の画像の微分吸収画像である。 画像全体に筋状ムラ補正用の補正係数を用いて生成された補正済み吸収画像の自然対数をとった画像である。 筋状のムラには筋状ムラ補正用の、粒状のムラには粒状ムラ補正用の補正係数を用いて生成された補正済み吸収画像の自然対数をとった画像である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1に、本発明の実施形態に係る医用画像システムを示す。医用画像システムは、X線撮影装置1とコントローラー5を備える。X線撮影装置1はタルボ・ロー干渉計によるX線撮影を行い、コントローラー5は当該X線撮影により得られた複数のモアレ縞画像を用いて被写体の再構成画像を生成する。
X線撮影装置1は、図1に示すように、X線源11、マルチスリット12、被写体台13、第1格子14、第2格子15、X線検出器16、保持部17、本体部18等を備える。
X線撮影装置1は縦型であり、X線源11、マルチスリット12、被写体台13、第1格子14、第2格子15、X線検出器16は、この順序に重力方向であるz方向に配置される。X線源11の焦点とマルチスリット12間の距離をd1(mm)、X線源11の焦点とX線検出器16間の距離をd2(mm)、マルチスリット12と第1格子14間の距離をd3(mm)、第1格子14と第2格子15間の距離をd4(mm)で表す。なお、被写体台13の位置は、第1格子14と第2格子15との間に設けられていてもよい。
距離d1は好ましくは5〜500(mm)であり、さらに好ましくは5〜300(mm)である。
距離d2は、一般的に撮影室の高さは3(m)程度又はそれ以下であることから、少なくとも3000(mm)以下であることが好ましい。なかでも、距離d2は400〜3000(mm)が好ましく、さらに好ましくは500〜2000(mm)である。
X線源11の焦点と第1格子14間の距離(d1+d3)は、好ましくは300〜3000(mm)であり、さらに好ましくは400〜1800(mm)である。
X線源11の焦点と第2格子15間の距離(d1+d3+d4)は、好ましくは400〜3000(mm)であり、さらに好ましくは500〜2000(mm)である。
それぞれの距離は、X線源11から照射されるX線の波長から、第2格子15上に第1格子14による格子像(自己像)が重なる最適な距離を算出し、設定すればよい。
X線源11、マルチスリット12、被写体台13、第1格子14、第2格子15、X線検出器16は、同一の保持部17に一体的に保持され、z方向における位置関係が固定されている。保持部17はアーム状に形成され、本体部18に設けられた駆動部18aによりz方向に移動可能に本体部18に取り付けられている。
X線源11は、緩衝部材17aを介して保持されている。緩衝部材17aは、衝撃や振動を吸収できる材料であれば何れの材料を用いてもよいが、例えばエラストマー等が挙げられる。X線源11はX線の照射によって発熱するため、X線源11側の緩衝部材17aは加えて断熱素材であることが好ましい。
X線源11はX線管を備え、当該X線管によりX線を発生させて重力方向(z方向)にX線を照射する。X線管としては、例えば医療現場で広く一般に用いられているクーリッジX線管や回転陽極X線管を用いることができる。陽極としては、タングステンやモリブデンを用いることができる。
X線の焦点径は、0.03〜3(mm)が好ましく、さらに好ましくは0.1〜1(mm)である。
X線源11のX線照射方向には、X線の照射範囲を狭めるための図示しない照射野絞りが設けられている。
マルチスリット12(第3格子)は回折格子であり、図2に示すようにx方向に複数のスリットが所定間隔で設けられている。マルチスリット12はシリコンやガラスといったX線の吸収率が低い材質の基板上に、タングステン、鉛、金といったX線の遮蔽力が大きい、つまりX線の吸収率が高い材質により形成される。例えば、フォトリソグラフィーによりレジスト層がスリット状にマスクされ、UVが照射されてスリットのパターンがレジスト層に転写される。露光によって当該パターンと同じ形状のスリット構造が得られ、電鋳法によりスリット構造間に金属が埋め込まれて、マルチスリット12が形成される。
マルチスリット12のスリット周期は1〜60(μm)である。スリット周期は、図2に示すように隣接するスリット間の距離を1周期とする。スリットの幅(x方向の長さ)はスリット周期の1〜60(%)の長さであり、さらに好ましくは10〜40(%)である。スリットの高さ(z方向の長さ)は1〜500(μm)であり、好ましくは1〜150(μm)である。
マルチスリット12のスリット周期をw(μm)、第1格子14のスリット周期をw(μm)とすると、スリット周期wは下記式により求めることができる。
=w・(d3+d4)/d4
当該式を満たすように周期wを決定することにより、マルチスリット12及び第1格子14の各スリットを通過したX線により形成される自己像が、それぞれ第2格子15上で重なり合い、いわばピントが合った状態とすることができる。
図1に示すように、マルチスリット12に隣接して、マルチスリット12をz方向と直交するx方向に移動させる駆動部12aが設けられる。駆動部12aとしては、例えばウォーム減速機等の比較的大きな減速比系の駆動機構を単体で又は組合せて用いることができる。
被写体台13は、X線源11からのX線照射経路上の被写体配置位置に設けられた、被写体を載置するための台である。
第1格子14は、マルチスリット12と同様にx方向に所定の周期の複数のスリットが設けられた回折格子である(図2参照)。第1格子14は、マルチスリット12と同様にUVを用いたフォトリソグラフィーによって形成することもできるし、いわゆるICP法によりシリコン基板に微細細線で深掘加工を行い、シリコンのみで格子構造を形成することとしてもよい。第1格子14のスリット周期は1〜20(μm)である。スリットの幅はスリット周期の20〜70(%)であり、好ましくは35〜60(%)である。スリットの高さは1〜100(μm)である。
第1格子14として位相型を用いる場合、スリットの高さはスリット周期を形成する2種の素材、つまりX線透過部とX線遮蔽部の素材による位相差がπ/8〜15×π/8となる高さとする。好ましくは、π/2又はπとなる高さである。第1格子14として吸収型を用いる場合、スリットの高さはX線遮蔽部によりX線が十分吸収される高さとする。
第1格子14がX線透過部とX線遮蔽部の素材による位相差がπ/2の位相型である場合、第1格子14と第2格子15間の距離d4は、次の条件をほぼ満たすことが必要である。
d4=(m+1/2)・w /λ
なお、mは整数であり、λはX線の波長である。
第2格子15は、マルチスリット12と同様にx方向に所定の周期の複数のスリットが設けられた回折格子である(図2参照)。第2格子15もフォトリソグラフィーにより形成することができる。第2格子15のスリット周期は1〜20(μm)である。スリットの幅はスリット周期の30〜70(%)であり、好ましくは35〜60(%)である。スリットの高さは1〜100(μm)である。
本実施形態では第1格子14及び第2格子15は、それぞれの格子面がz方向に対し垂直(x−y平面内で平行)であり、第1格子14のスリットの方向と第2格子15のスリットの方向とは、x−y平面内で所定角度だけ(わずかに)傾けて配置されているが、両者を平行な配置としても良い。
上記マルチスリット12、第1格子14、第2格子15は、例えば下記のように構成することができる。
X線源11の焦点径;300(μm)、管電圧:40(kVp)、付加フィルター:アルミ1.6(mm)
X線源11の焦点からマルチスリット12までの距離d1 : 240(mm)
マルチスリット12から第1格子14までの距離d3 :1110(mm)
マルチスリット12から第2格子15までの距離d3+d4:1370(mm)
マルチスリット12のサイズ:10(mm四方)、スリット周期:22.8(μm)
第1格子14のサイズ:50(mm四方)、スリット周期:4.3(μm)
第2格子15のサイズ:50(mm四方)、スリット周期:5.3(μm)
X線検出器16は、照射されたX線に応じて電気信号を生成する変換素子が2次元状に配置され、当該変換素子により生成された電気信号を画像信号として読み取る。
X線検出器16の画素サイズは10〜300(μm)であり、さらに好ましくは50〜200(μm)である。
X線検出器16は第2格子15に当接するように保持部17に位置を固定することが好ましい。第2格子15とX線検出器16間の距離が大きくなるほど、X線検出器16により得られるモアレ縞画像がボケるからである。
X線検出器16としては、FPD(Flat Panel Detector)を用いることができる。F
PDには、検出されたX線を光電変換素子を介して電気信号に変換する間接変換型、検出されたX線を直接的に電気信号に変換する直接変換型があるが、何れを用いてもよい。
間接変換型は、CsIやGdS等のシンチレータプレートの下に、光電変換素子がTFT(薄膜トランジスタ)とともに2次元状に配置されて各画素を構成する。X線検出器16に入射したX線がシンチレータプレートに吸収されると、シンチレータプレートが発光する。この発光した光により、各光電変換素子に電荷が蓄積され、蓄積された電荷は画像信号として読み出される。
直接変換型は、アモルファスセレンの熱蒸着により、100〜1000(μm)の膜圧
のアモルファスセレン膜がガラス上に形成され、2次元状に配置されたTFTのアレイ上にアモルファスセレン膜と電極が蒸着される。アモルファスセレン膜がX線を吸収するとき、電子正孔対の形で物質内に電圧が遊離され、電極間の電圧信号がTFTにより読み取られる。
なお、CCD(Charge Coupled Device)、X線カメラ等の撮影手段をX線検出器16
として用いてもよい。
本体部18は、図3に示すように、制御部181、操作部182、表示部183、通信部184、記憶部185等を備えて構成されている。
制御部181は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)等から構成され、記憶部185に記憶されているプログラムとの協働により、各種処理を実行する。制御部181は、X線源11、駆動部12a、駆動部18a、X線検出器16等の各部に接続されており、後述する撮影制御処理等を実行することにより、例えば、コントローラー5から入力される撮影条件の設定情報に従って、X線源11からのX線照射のタイミングやX線照射条件、X線検出器16による画像信号の読取タイミング、マルチスリット12の移動等を制御する。
操作部182は、曝射スイッチ等を備え、これらの操作に応じた操作信号を生成して制御部181に出力する。
表示部183は制御部181の表示制御に従って、ディスプレイに操作画面やX線撮影装置1の動作状況等を表示する。
通信部184は通信インターフェイスを備え、ネットワーク上のコントローラー5と通信する。例えば、通信部184はX線検出器16によって読み取られ、記憶部185に記憶されたモアレ縞画像をコントローラー5に送信する。
記憶部185は、制御部181により実行されるプログラム、プログラムの実行に必要なデータを記憶している。また、記憶部185はX線検出器16によって得られたモアレ縞画像を記憶する。
コントローラー5は、オペレーターによる操作に従ってX線撮影装置1の撮影動作を制御する。また、コントローラー5は、画像処理装置として、X線撮影装置1により得られた一連のモアレ縞画像に画像処理を施す。例えば、X線撮影装置1により得られた一連のモアレ縞画像を用いて被写体の再構成画像(吸収画像、小角散乱画像、微分位相画像)を生成する。
コントローラー5は、図4に示すように、制御部51、操作部52、表示部53、通信部54、記憶部55を備えて構成されている。
制御部51は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory
)等から構成され、記憶部55に記憶されているプログラムとの協働により、後述する吸収画像生成処理をはじめとする各種処理を実行する。制御部51は、被写体吸収画像生成手段、被写体無し吸収画像生成手段、被写体無し吸収画像補正手段、画像ムラ補正手段として機能する。
操作部52は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号とマウスによる操作信号とを、入力信号として制御部51に出力する。表示部53のディスプレイと一体に構成されたタッチパネルを備え、これらの操作に応じた操作信号を生成して制御部51に出力する構成としてもよい。
表示部53は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、制御部51の表示制御に従って、操作画面、生成された再構成画像等を表示する。
通信部54は、通信インターフェイスを備え、ネットワーク上のX線撮影装置1やX線検出器16と有線又は無線により通信する。例えば、通信部54は、X線撮影装置1に撮影条件や制御信号を送信したり、X線撮影装置1又はX線検出器16からモアレ縞画像を受信したりする。
記憶部55は、制御部51により実行されるプログラム、プログラムの実行に必要なデータを記憶している。例えば、記憶部55は、図示しないRIS(Radiology Information System)やHIS(Hospital Information System)等により予約された撮影の情報である撮影オーダー情報を記憶している。撮影オーダー情報は、患者ID及び患者名等の患者情報、撮影部位(被写体部位)情報等を含む。
また、記憶部55は、被写体部位と、その被写体部位の撮影に適した撮影条件とを対応付けた撮影条件テーブルを記憶している。
また、記憶部55は、撮影オーダー情報に基づいてX線撮影装置1で取得されたモアレ縞画像、モアレ縞画像に基づき生成された再構成画像等を当該撮影オーダー情報に対応付けて記憶する。
また、記憶部55は、X線検出器16に対応するゲイン補正データ、欠陥画素マップ等を予め記憶する。欠陥画素マップは、X線検出器16の欠陥画素(画素がないものも含む)の位置情報(座標)である。
<医用画像システムの動作>
ここで、上記X線撮影装置1のタルボ・ロー干渉計によるX線撮影方法を説明する。
図5に示すように、X線源11から照射されたX線が第1格子14を透過すると、透過したX線がz方向に一定の間隔で像を結ぶ。この像を自己像といい、自己像が形成される現象をタルボ効果という。自己像を結ぶ位置に第2格子15が自己像と概ね平行に配置され、第2格子15を透過したX線によりモアレ縞画像(図5においてMoで示す)が得られる。即ち、第1格子14は、周期パターンを形成し、第2格子15は周期パターンをモアレ縞に変換する。X線源11と第1格子14間に被写体(図5においてHで示す)が存在すると、被写体によってX線の位相がずれるため、図5に示すようにモアレ縞画像上のモアレ縞は被写体の辺縁を境界に乱れる。このモアレ縞の乱れを、モアレ縞画像を処理することによって検出し、被写体像を画像化することができる。これがタルボ干渉計の原理である。
X線撮影装置1では、X線源11と第1格子14との間のX線源11に近い位置に、マルチスリット12が配置され、タルボ・ロー干渉計によるX線撮影が行われる。タルボ干渉計はX線源11が理想的な点線源であることを前提としているが、実際の撮影にはある程度焦点径が大きい焦点が用いられるため、マルチスリット12によってあたかも点線源が複数連なってX線が照射されているかのように多光源化する。これがタルボ・ロー干渉計によるX線撮影法であり、焦点径がある程度大きい場合にも、タルボ干渉計と同様のタルボ効果を得ることができる。
本実施形態においては、縞走査法により撮影を行う。縞走査とは、一般的には、格子(マルチスリット12、第1格子14、第2格子15)のうちの何れか1枚(本実施形態では、マルチスリット12とする)をスリット周期方向(x方向)に相対的に動かしてM回(Mは正の整数、M>2)の撮影(Mステップの撮影)を行い、1枚の再構成画像を生成するのに必要なM枚のモアレ縞画像を取得することをいう。具体的には、移動させる格子のスリット周期をd(μm)とすると、d/M(μm)ずつ格子をスリット周期方向に動かして撮影を行うことを繰り返し、M枚のモアレ縞画像を取得する。
従来のタルボ・ロー干渉計では、マルチスリット12は上述のように多光源化と照射線量の増大を目的に用いられ、縞走査法により複数のモアレ縞画像を得るためには第1格子14又は第2格子15を相対移動させていた。しかし、本実施形態では、第1格子14又は第2格子15を相対移動させるのではなく、第1格子14及び第2格子15の位置は固定したまま、第1格子14及び第2格子15に対してマルチスリット12を移動させることで一定周期間隔のモアレ縞画像を複数得る。
図6は、X線撮影装置1の制御部181により実行される撮影制御処理を示すフローチャートである。図6を参照して撮影制御処理の流れについて説明する。
まず、オペレーターにより操作部182の曝射スイッチが操作されると(ステップS1;YES)、制御部181は、X線源11、X線検出器16、駆動部12aを制御して複数ステップの一連の撮影を実行し、モアレ縞の位相が異なる一連のモアレ縞画像を取得する(ステップS2)。
一連の撮影では、まず、マルチスリット12が停止した状態でX線源11によるX線の照射が開始される。X線検出器16では前回の撮影により残存する不要な電荷を取り除くリセット後、X線照射のタイミングに合わせて電荷が蓄積され、X線の照射停止のタイミングに合わせて蓄積された電荷が画像信号として読み取られる。これが1ステップ分の撮影である。1ステップ分の撮影が終了するタイミングでマルチスリット12の移動が開始され、所定量移動すると停止され、次のステップの撮影が行われる。このようにして、マルチスリット12の移動と停止が所定のステップ数分だけ繰り返され、マルチスリット12が停止したときにX線の照射と画像信号の読み取りが行われる。マルチスリット12がスリット周期1周期分移動した撮影が終了したときに、1枚の再構成画像を生成するのに必要な複数のモアレ縞画像を取得するための一連の撮影が終了する。
一連の撮影におけるステップ数Mは2〜20、さらに好ましくは3〜10である。視認性の高い再構成画像を短時間で得るという観点からすれば、5ステップが好ましい(参照文献1:K.Hibino, B.F.Oreb and D.I.Farrant, Phase shifting for nonsinusoidal wave forms with phase-shift errors, J.Opt.Soc.Am.A, Vol.12, 761-768(1995)、参照文献2:A.Momose, W.Yashiro, Y. Takeda, Y.Suzuki and T.Hattori, Phase Tomography by X-ray Talbot Interferometetry for biological imaging, Jpn. J. Appl. Phys., Vol.45,5254-5262(2006))。ここでは、5ステップの撮影を行うこととして説明する。
例えば、マルチスリット12のスリット周期を22.8(μm)とし、5ステップの撮影を10秒で行うとする。マルチスリット12がそのスリット周期の1/5に該当する4.56(μm)移動し停止する毎に撮影が行われる。撮影時間でいえば曝射スイッチON後、2、4、6、8、10秒後にそれぞれ撮影が行われる。理想的な送り精度によりマルチスリット12を一定の送り量で移動できた場合、図7に示すように、5ステップの撮影で、マルチスリット12のスリット周期1周期分のモアレ縞画像5枚が得られる。
一連の各ステップの撮影が終了すると、制御部181は、通信部184によりコントローラー5に、各ステップのモアレ縞画像を送信させる(ステップS3)。通信部184からコントローラー5に対しては各ステップの撮影が終了する毎に1枚ずつ送信することとしてもよいし、各ステップの撮影が終了し、全てのモアレ縞画像が得られた後、まとめて送信することとしてもよい。
なお、本実施形態においては、被写体台13に被写体を配置した撮影(被写体撮影)と被写体台13に被写体を配置しないBG撮影が行われ、被写体モアレ縞画像(被写体有りのモアレ縞画像)及びBGモアレ縞画像(被写体無しのモアレ縞画像)が取得される。
コントローラー5においては、通信部54により本体部18からの一連の被写体モアレ縞画像及びBGモアレ縞画像が受信されると、制御部51は、受信した一連の被写体モアレ縞画像及びBGモアレ縞画像に基づいて、吸収画像、微分位相画像、小角散乱画像等の再構成画像を生成する。
再構成画像のうち、吸収画像IAB(x,y)は、一般的には、以下の[式1]により生成されている(参照文献3:A.Momose, W.Yashiro, H.Kuwabara and K.Kawabata, Grating-Based X-ray Phase Imaging Using Multiline X-ray Source, Jpn. J. Appl. Phys., Vol.48, 076512(2009))。
ここで、
Ik SAMPLE(x,y)、Ik BG(x,y)は、それぞれk回目の撮影の被写体モアレ縞画像、BGモアレ縞画像の画素値を表す。(x,y)は、各画像における画素の2次元座標を表す。IAB_SAMPLE(x,y)、IAB_BG(x,y)は、それぞれ被写体吸収画像、BG吸収画像(被写体無し吸収画像)の画素値を表す。
図8に、タングステン管、40kVp(付加フィルター・アルミ2.3mm)のタルボ・ロー干渉計を用いてファントムを被写体として撮影することにより得られた被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)の一例を示す。図9に、図8と同じ撮影条件でファントムを置かずに撮影することにより得られたBG吸収画像IAB_BG(x,y)の一例を示す。なお、図9以降に示す矢印や破線は、画像ムラを指し示すものである。図8、図9の各画像においては、紙面縦方向に細かい筋が入っているが、これは、主に第2格子15の作製時に発生する格子の高さや周期のムラに起因する画像ムラと考えられる。
格子起因の画像ムラは、被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)とBG吸収画像IAB_BG(x,y)に同様に現れるはずであり、被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)とBG吸収画像IAB_BG(x,y)の比をとることで、格子起因のムラの影響のない、被写体によるX線の減弱を表す吸収画像IAB(x,y)を得ることができるはずである。しかし、実際には、被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)とBG吸収画像IAB_BG(x,y)の比をとって生成した吸収画像IAB(x,y)には、格子起因の画像ムラが残存することがわかっている。
図10(a)は、[式1]に従い、図8の被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)を図9のBG吸収画像IAB_BG(x,y)で除算して得た吸収画像IAB(x,y)の自然対数をとった画像である。また、図10(b)は、図10(a)の画像に残る画像ムラをよりわかりやすく可視化するための画像であり、図10(a)の画像の各画素のx方向(紙面左右方向)両隣の画素の画素値同士を減算することにより算出した微分吸収画像である。
図10(a)、(b)に示す画像では、図8、9に示す画像で見られる縦筋状のムラ(図8、図10(a)に矢印で示す)や、粒状のムラ(図8、図10(a)の破線で囲った領域)が残存していることがわかる。これらは被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)、BG吸収画像IAB_BG(x,y)に共通で見られる画像ムラであるが、画素値に対するムラの割合が被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)とBG吸収画像IAB_BG(x,y)で異なっているため、BG処理後の吸収画像IAB(x,y)にも画像ムラとして残存することとなると考えられる。画素値に対するムラの割合が被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)とBG吸収画像IAB_BG(x,y)とで異なるのは、X線が被写体を透過する際に低エネルギー側のX線が吸収されることによりX線スペクトル分布が変化し、高エネルギー側が増えるためである。一般的に、X線のエネルギーが高い方がムラが出にくい。即ち、被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)の方がBG吸収画像IAB_BG(x,y)より画素値に対するムラの割合が小さくなる。
そこで、本願発明者は、BG吸収画像IAB_BG(x,y)より画像ムラに対応する高周波成分を抽出し、抽出した高周波成分に補正係数a(x,y)(以下、係数a(x,y)と呼ぶ。a≦1)を乗算して高周波成分の割合を被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)に合わせて減弱させる補正を行うことにより、図10(a)、(b)に見られる画像ムラを低減(除去)できることを見出した。
なお、特許文献1では、BG撮影時に被写体と同等のX線スペクトル変化を生じさせる部材を介在させた状態で撮影を行うことを前提とし、画像ムラを低減(減弱)させている。この場合、部材を介在させている分、X線検出器に到達するX線量が低下するため、BG吸収画像全体の画素値が低下し、従来のBG撮影により得られたBG吸収画像IAB_BG(x,y)に比べてノイズが増加する、という欠点もある。本発明では、従来のBG撮影により得られたBG吸収画像IAB_BG(x,y)の高周波成分のみを補正して画像ムラを除去するため、画質を低下させることなく画像ムラを除去出来る。
なお、図10(a)、(b)では、吸収画像IAB(x,y)の自然対数をとった画像を例に示しているが、X線画像では、被写体によるX線の透過率を表す画像(ここでは、吸収画像に相当)は自然対数をとることにより被写体の厚みに比例する値に応じて表示することが一般的である。以下の説明では、吸収画像IAB(x,y)に残存する画像ムラを低減させた補正済み吸収画像IAB2(x,y)を得る処理について述べるが、補正済み吸収画像IAB2(x,y)の画像ムラが低減していればその自然対数をとった画像でも画像ムラは低減するため、本実施形態の処理の効果を示す画像として、一般的な表示方法である吸収画像の自然対数をとった画像を例に示す(図13(a)、図14(a)、図15、図16参照)。
以下、BG吸収画像IAB_BG(x,y)の高周波成分の割合の補正処理を含んだ吸収画像生成処理について説明する。図11に、コントローラー5の制御部51により実行される吸収画像生成処理のフローチャートを示す。吸収画像生成処理は、制御部51と記憶部55に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
まず、制御部51は、通信部54により受信した一連の被写体モアレ縞画像に基づいて被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)を生成するとともに、通信部54により受信した一連のBGモアレ縞画像に基づいてBG吸収画像IAB_BG(x,y)を生成する(ステップS11)。
ステップS11においては、上記[式2]を用いて被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)を生成し、上記[式3]を用いてBG吸収画像IAB_BG(x,y)を生成する。なお、モアレ縞画像には、予めオフセット補正処理、ゲイン補正処理、欠陥画素補正処理等を施しておくことが好ましい。
次いで、制御部51は、BG吸収画像IAB_BG(x,y)の高周波成分を抽出する(ステップS12)。
BG吸収画像IAB_BG(x,y)の高周波成分とは、BG吸収画像IAB_BG(x,y)内の細かいムラ構造の周辺画素の平均値に対する割合を表す。ステップS2においては、まず、例えばBG吸収画像IAB_BG(x,y)を周辺画素で平均化するか、あるいは、ガウシアンフィルター等のボケを与えるフィルター処理を行い、BG吸収画像IAB_BG(x,y)の低周波成分LAB_BG(x,y)を得る。次いで、BG吸収画像IAB_BG(x,y)と低周波成分LAB_BG (x,y)に基づいて高周波成分HAB_BG(x,y)を抽出する。ここで、BG吸収画像IAB_BG(x,y)を低周波成分LAB_BG (x,y)で除算することにより、画素値が1+高周波成分(画素値1を基準として表した高周波成分)の画像が得られる。つまり、下記の[式4]によりBG吸収画像IAB_BG(x,y)の高周波成分HAB_BG(x,y)を抽出することができる。
高周波成分HAB_BG (x,y)=(BG吸収画像IAB_BG(x,y)/ 低周波成分LAB_BG(x,y))−1・・・[式4]
次いで、制御部51は、BG吸収画像IAB_BG(x,y)の高周波成分HAB_BG(x,y)の割合を補正する(ステップS13)。
BG吸収画像IAB_BG(x,y)の高周波成分の割合を被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)の高周波成分に合わせた補正済みのBG吸収画像IAB_BG2(x,y)を得るには、[式4]の左辺の高周波成分HAB_BG(x,y)に対し、この高周波成分の割合を被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)の高周波成分に合わせるための係数a(x,y)を乗算した式からBG吸収画像を求めればよい。つまり、下記の[式5]により、高周波成分の割合のみを補正した補正済みBG吸収画像IAB_BG2(x,y)を得ることが出来る。
補正済みBG吸収画像IAB_BG2(x,y)=低周波成分LAB_BG(x,y)×(1+a(x,y)×高周波成分HAB_BG(x,y))・・・[式5]
次いで、制御部51は、補正済みBG吸収画像IAB_BG2(x,y)を用いてBG処理を行う(ステップS14)。即ち、被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)を補正済みBG吸収画像IAB_BG2(x,y)で除算することにより、被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)の画像ムラを補正する。これにより、画像ムラの低減された補正済み吸収画像IAB2(x,y)が生成される。
ここで、ステップS13で使用する係数a(x,y)は、BG処理後の吸収画像IAB(x,y)の画素値に対応した値を設定することが好ましい。被写体素材が同じであれば、被写体の厚みが厚くなるほど被写体によるX線の吸収が増えるためX線スペクトルの変化が大きくなる。上述のように、X線スペクトルの違いによって被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)上の画像ムラに起因する高周波成分の割合が違ってくる。そこで、係数a(x,y)として、被写体が同一素材の場合に被写体の厚みに対応する値を示すBG処理後の吸収画像IAB(x,y)の画素値に対応した値を設定することが好ましい。ここで、BG処理後の吸収画像IAB(x,y)においては画像ムラの画素値に対する影響は小さいため、被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)を補正していないBG吸収画像IAB_BG(x,y)で除算した従来のBG処理後の吸収画像IAB(x,y)の画素値に基づいてa(x,y)を決定しても問題はない。
また、係数a(x,y)は、同等のX線スペクトル変化をする被写体素材ごとに設定することが好ましい。被写体素材が異なると、吸収画像IAB(x,y)の画素値が同じであっても被写体透過後のX線スペクトルが異なるため、被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)上の画像ムラに起因する高周波成分の割合が違ってくるためである。
また、上述のように、被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)とBG吸収画像IAB_BG(x,y)の格子起因の画像ムラは、筋状(縦筋状)のムラと粒状のムラが存在するが、同じ係数a(x,y)では双方を精度よく補正をすることができない。そのため、係数a(x,y)は、筋状ムラ補正用と粒状ムラ補正用に分けて設定することが好ましい。
そこで、本実施形態においては、図12(a)、(b)に示すように、係数aを筋状ムラ補正用(図12(a)参照)と粒状ムラ補正用(図12(b)参照)とに分け、それぞれを被写体素材(ここでは、骨部、軟部(軟部組織))ごとに、BG処理後の吸収画像IAB(x,y)の画素値(又はその自然対数をとった値)に対応した係数a(x,y)の値を関数化するか、あるいは、テーブルを作成して予め記憶部55に記憶しておく。そして、図11のステップS13において、制御部51は、記憶部55に記憶されている関数又はテーブルに基づいてBG処理後の吸収画像IAB(x,y)の画素値(又はその自然対数をとった値)に対応した係数a(x,y)を求めて設定する。なお、12(a)、(b)の係数aは、実験的経験的に求めたものである。具体的には、まず、アクリルやアルミニウムなどの素材に対して、吸収画像IAB(x,y)の画像ムラが最も減弱する係数aと吸収画像画素値IAB(x,y)との関係を求める。これらのデータをもとに、骨部や軟部のファントムや実際の撮影対象を撮影した吸収画像IAB(x,y)に残存するムラが最も消える係数aを作成する。例えば、図12(a)(b)で示す係数は、軟部用の係数aはアクリルで求めた係数aを適用し、骨部用の係数aはアクリル・アルミニウムで求めた係数aの平均値としている。なおこのような係数aの求め方は上記骨部や軟部に限らないが特に人体において有用である。
図13(a)は、図8に示す被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)及び図9に示すBG吸収画像IAB_BG(x,y)に基づいて補正済み吸収画像IAB2(x,y)を生成する際に、画像全体に軟部組織用の係数a(x,y)を用いて生成された補正済み吸収画像IAB2(x,y)の自然対数をとった画像である。図13(b)は、図13(a)の画像の各画素のx方向(紙面左右方向)両隣の画素の画素値同士を減算することにより算出した微分吸収画像である。
図14(a)は、図8に示す被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)及び図9に示すBG吸収画像IAB_BG(x,y)に基づいて補正済み吸収画像IAB2(x,y)を生成する際に、骨部領域B1には骨部用の、軟部領域B2には軟部組織用の係数a(x,y)を用いて生成された補正済み吸収画像IAB_BG(x,y)の自然対数をとった画像である。図14(b)は、図14(a)の画像の各画素のx方向(紙面左右方向)両隣の画素の画素値同士を減算することにより算出した微分吸収画像である。
なお、図13(a)、図14(a)は、筋状のムラには図12(a)に示す筋状ムラ補正用の係数aを用いて、粒状のムラには図12(b)に示す粒状ムラ補正用の係数aを用いて生成されたものである。
図13(a)、(b)に示すように、画像全体を軟部組織用の係数a(x,y)で補正した場合、従来の手法により生成された図10(a)、(b)に比べて筋状のムラ、粒状のムラがともに減弱されてはいるが、筋状のムラは骨部で残存しているのがわかる(例えば、図13(b)矢印参照)。一方、骨部領域B1と軟部領域B2に対し、それぞれ骨部用と軟部組織用の係数a(x,y)を用いて補正を行った場合には、図14(a)、(b)に示すように、骨部についても縦筋のムラをより軽減できることがわかる。
なお、骨部領域B1と軟部領域B2の識別については、同じモアレ縞画像から生成された小角散乱画像Isc(x,y)の画素値に閾値を設け、閾値以下を骨部、閾値以上を軟部として識別することが出来る。小角散乱画像Isc(x,y)は、以下の[式6]により求めることができる。
ここで、
Isc_SAMPLE(x,y)、Isc_BG(x,y)は、それぞれ被写体小角散乱画像、BG小角散乱画像の画素値を表す。
また、図15は、図8に示す被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)、図9に示すBG吸収画像IAB_BG(x,y)から補正済み吸収画像IAB2(x,y)を生成する際に、画像全体に筋状ムラ補正用の係数a(x,y)を用いて生成された補正済み吸収画像IAB2(x,y)の自然対数をとった画像である。図16は、図8に示す被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)、図9に示すBG吸収画像IAB_BG(x,y)から補正済み吸収画像IAB2(x,y)を生成する際に、筋状のムラには筋状ムラ補正用の、粒状のムラには粒状ムラ補正用の係数a(x,y)を用いて生成された補正済み吸収画像の自然対数をとった画像である。
なお、図15、図16は、骨部には骨部用の、軟部には軟部組織用の係数aを用いて生成されたものである。
図10(a)に示すBG処理済みの吸収画像IAB(x,y)の自然対数をとった画像において、破線で囲まれた領域に見られる粒状構造は周辺に比べて白く描出されているが、図15では反対に黒く描出されている。これは、粒状のムラに適正な係数a(x,y)に比べて筋状のムラに適正な係数a(x,y)のほうが値が小さいため(図12(a)、(b)参照)、過大に補正がかかってしまっていることを表す。そこで、筋状のムラと粒状のムラとで異なる係数a(x,y)を設定することで、図16に示すように粒状の画像ムラを適正に補正することができる。
筋状のムラと粒状のムラの判別は、例えば、[式4]により算出された高周波成分HAB_BG(x,y)の値を予め定められた閾値と比較することにより行うことができる。図9においてBG吸収画像IAB_BG(x,y)に描出される筋状のムラと粒状のムラの濃淡からもわかるように、粒状のムラのほうが周辺に比べて画素値の変化が大きい。つまり、高周波成分HAB_BG(x,y)の値が小さい(絶対値は大きいが、周辺画素の画素値に対して値が小さい)。よって、[式4]により算出された高周波成分HAB_BG(x,y)の値を予め定められた閾値と比較して、閾値より小さい場合に粒状のムラ、閾値以上の場合に筋状のムラと判別することができる。
以上説明したように、コントローラー5の制御部51は、X線撮影装置1により取得された被写体モアレ縞画像に基づいて被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)を生成し、BGモアレ縞画像に基づいてBG吸収画像IAB_BG(x,y)を生成し、BG吸収画像IAB_BG(x,y)における高周波成分の割合を補正し、得られた補正済みBG吸収画像IAB_BG2(x,y)を用いて被写体吸収画像を補正して補正済み吸収画像IAB2(x,y)を生成する。BG吸収画像IAB_BG(x,y)における高周波成分の割合の補正は、例えば、BG吸収画像IAB_BG(x,y)の画素毎に高周波成分HAB_BG(x,y)を抽出し、当該高周波成分HAB_BG(x,y)を被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)に合わせるための係数a(x,y)を高周波成分に乗算することにより行う。
従って、BG吸収画像IAB_BG(x,y)の画素値に対する画像ムラの割合を被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)の画像ムラの割合に合わせた後にBG処理を行うので、被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)から精度良く画像ムラを低減することが可能となる。また、従来のように、BG撮影時に被写体と同等のX線スペクトル変化を生じさせる部材を介在させる必要がないので、手間なく容易に画像ムラを低減することが可能となる。
係数a(x,y)は、従来のBG処理後の吸収画像IAB(x,y)を生成し、その画素値に基づいて設定することが好ましい。これにより、被写体の厚みに応じて精度良くBG吸収画像IAB_BG(x,y)の補正を行うことが可能となる。
また、係数a(x,y)は、被写体吸収画像IAB_SAMPLE(x,y)における骨部領域に対応する領域と軟部領域に対応する領域とで異なる設定をすることが好ましい。これにより、骨部領域と軟部領域のそれぞれに、その領域に合った補正を行うことが可能となる。
また、係数a(x,y)は、BG吸収画像IAB_BG(x,y)における各画素に対し、その画素における高周波成分の値に応じて設定することが好ましい。これにより、筋状のムラと粒状のムラの双方を精度良く補正することが可能となる。
なお、上述した本実施形態における記述は、本発明に係る好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、撮影時にマルチスリット12を第1格子14及び第2格子15に対して移動させる方式のタルボ・ロー干渉計を用いたX線撮影装置を例にとり説明したが、本発明は、マルチスリット12又は第1格子14又は第2格子15の何れか又はそのうちの二つの格子を移動させる方式のタルボ・ロー干渉計を用いたX線撮影装置に適用してもよい。また、本発明は、第1格子14又は第2格子15の何れかを他の格子に対して移動させる方式のタルボ干渉計を用いたX線撮影装置に適用してもよい。
また、上記実施形態においては、マルチスリット12、第1格子14及び第2格子15を一次元格子とした医用画像システムを例にとり説明したが、本発明は、二次元格子を用いて二次元状に縞走査を行う医用画像システムに適用することも可能である。
また、上記実施形態においては、3種の再構成画像を生成する場合について説明したが、少なくとも吸収画像を生成する医用画像システムであれば本発明を適用することが可能ある。
その他、医用画像システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
1 X線撮影装置
11 X線源
12 マルチスリット
12a 駆動部
13 被写体台
14 第1格子
15 第2格子
16 X線検出器
17 保持部
17a 緩衝部材
18 本体部
181 制御部
182 操作部
183 表示部
184 通信部
185 記憶部
18a 駆動部
5 コントローラー
51 制御部
52 操作部
53 表示部
54 通信部
55 記憶部

Claims (7)

  1. X線を照射するX線源と、
    前記X線の照射方向と直交する方向に複数のスリットが配列されて構成され、前記X線の照射方向に並んで設けられた複数の格子と、
    前記X線源により照射され、前記複数の格子を透過したX線に応じて電荷を蓄積し電気信号を生成する変換素子が2次元状に配置され、当該変換素子により生成された電気信号を画像信号として読み取ってモアレ縞画像を取得するX線検出器と、
    を備えるタルボ干渉計又はタルボ・ロー干渉計を用いたX線撮影装置と、
    前記X線の照射経路上に設けられた被写体配置位置に被写体を配置して前記X線源からX線を照射することにより取得された被写体有りのモアレ縞画像に基づいて被写体吸収画像を生成する被写体吸収画像生成手段と、
    前記X線の照射経路上に設けられた被写体配置位置に被写体を配置せずに前記X線源からX線を照射することにより取得された被写体無しのモアレ縞画像に基づいて被写体無し吸収画像を生成する被写体無し吸収画像生成手段と、
    前記被写体無し吸収画像を用いて前記被写体吸収画像の画像ムラを補正する画像ムラ補正手段と、
    を備える医用画像システムであって、
    前記被写体無し吸収画像における高周波成分の割合のみを補正する被写体無し吸収画像補正手段を備え、
    前記画像ムラ補正手段は、前記被写体無し吸収画像補正手段により補正された被写体無し吸収画像を用いて前記被写体吸収画像の画像ムラを補正する医用画像システム。
  2. 前記被写体無し吸収画像補正手段は、前記被写体無し吸収画像の画素毎に高周波成分を抽出し、当該高周波成分を前記被写体吸収画像の高周波成分に合わせるための補正係数を前記高周波成分に乗算することにより前記被写体無し吸収画像における高周波成分の割合のみを補正する請求項1に記載の医用画像システム。
  3. 前記被写体無し吸収画像補正手段は、補正前の前記被写体無し吸収画像を用いて前記被写体吸収画像を補正した画像の各画素の値に応じた補正係数を前記被写体無し吸収画像の対応する画素に設定する請求項2に記載の医用画像システム。
  4. 前記被写体無し吸収画像補正手段は、前記被写体吸収画像における骨部領域に対応する領域と軟部領域に対応する領域とで異なる補正係数を設定する請求項2又は3に記載の医用画像システム。
  5. 前記被写体無し吸収画像補正手段は、前記被写体無し吸収画像における各画素に対し、その画素における高周波成分の値に応じた補正係数を設定する請求項2〜4の何れか一項に記載の医用画像システム。
  6. 前記画像ムラ補正手段は、前記被写体吸収画像を前記補正された被写体無し吸収画像で除算することにより前記被写体吸収画像の画像ムラを補正する請求項1〜5の何れか一項に記載の医用画像システム。
  7. タルボ干渉計又はタルボ・ロー干渉計を用いたX線撮影装置において取得された画像に画像処理を施す画像処理装置であって、
    前記X線撮影装置においてX線の照射経路上に設けられた被写体配置位置に被写体を配置してX線を照射することにより取得された被写体有りのモアレ縞画像に基づいて被写体吸収画像を生成する被写体吸収画像生成手段と、
    前記X線撮影装置においてX線の照射経路上に設けられた被写体配置位置に被写体を配置せずにX線を照射することにより取得された被写体無しのモアレ縞画像に基づいて被写体無し吸収画像を生成する被写体無し吸収画像生成手段と、
    前記被写体無し吸収画像における高周波成分の割合のみを補正する被写体無し吸収画像補正手段と、
    前記被写体無し吸収画像補正手段により補正された被写体無し吸収画像を用いて前記被写体吸収画像の画像ムラを補正する画像ムラ補正手段と、
    を備える画像処理装置。
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