JP7212631B2 - X線暗視野撮像におけるビーム・ハードニング補正 - Google Patents

X線暗視野撮像におけるビーム・ハードニング補正 Download PDF

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Description

本発明は、第1物質及び第2物質を含む対象のX線暗視野撮像におけるビーム・ハードニング補正に関連し、第1物質及び第2物質は異なるビーム・ハードニング特性を有する。
Jan Jakubekによる“Data processing and image reconstruction methods for pixel detectors”と題する論文(Nuclear Instruments and Methods in Physics Reseearch A 576(2007)223-234)が存在し、この論文は、半導体単粒子係数ピクセル検出器が、高い検出効率、エネルギ識別、ノイズレス・ディジタル集積(計数)、高フレーム・レート、事実上無制限のダイナミック・レンジのような放射線撮像に関する多くの利点を提供することを開示する。これら全ての特性は高品質画像を達成できるようにする。X線及び低速中性子を利用する透過画像及び3D断層撮影再構築の具体例が提示され、画像品質に影響を及ぼし得る効果を説明している。多くの障害は、対処されないならば検出器のパフォーマンスを制限し得る。ピクセル検出器は実際には個々の検出器(ピクセル)のアレイであり、それら各々が自身の効率、エネルギ・キャリブレーション、及びノイズをも有する。一般的な努力はこれら全てのパラメータを全ピクセルについて均一にすることである。しかしながら、理想的な均一性は決して達成され得ない。更に、様々な理由(電荷共有、クロストーク等)に起因して、1つのピクセルにおける信号が隣接するピクセルに影響を及ぼすことがしばしば見受けられる。誤ったデータ解釈を避けるために、そのような全ての効果がデータ処理中に考慮されることを要する。上記の論文の主要な意図は、ピクセル検出器の残存する欠点を解消するためのデータ処理及び画像補正の技術を要約することである。ビームのハードニング(hardening of the beam)及び偏向によるエッジ・エンハンスメント等の更なる物理的な効果に対処するために、これらの方法を如何にして拡張するかが示される。更に、断層撮影3D再構築のようなデータ処理の更に有利な方法も議論される。全ての方法は、主にMedipix2ピクセル・デバイスにより実行される生物科学及びマテリアル・サイエンスによる実際の実験で実証される。分光学及び粒子追跡を含む将来的なピクセル検出器及びそのアプリケーションに関する簡単な見解も示される。
次の論文は、X線暗視野撮像が大きなサンプルのものでさえ微小角度散乱特性に関する情報を請け負うことを開示している:“A beam hardening and dispersion correction for x-ray dark-field radiography”by G.Pelzer et al.(Med.Phys.43(6),June 2016,p2774-2779)。しかしながら、多色性x線スペクトルが使用される場合、暗視野画像は物体の減衰及び位相シフトと相関がある。これらの相関の一部を取り除く方法が提案される。画像取得のために設定される実験は波動場シミュレーションでモデル化され、物質の減衰及び位相シフトから単独に由来する暗視野信号を定量化する。ICRU46乳房組織についてキャリブレーション・マトリクスがシミュレーションされた。シミュレーションされたデータを利用して、ヒトの乳房切除サンプルの暗視野画像が、減衰画像及び位相画像のフィンガー・プリントに関して補正された。シミュレーションされた減衰ベースの暗視野の値をファントム尺度と比較すると、良好な一致が発見された。提案方法をマンモグラフィ暗視野データに適用すると、暗視野背景ノイズ及び生理学的ノイズの削減が達成された。微小石灰化及び周辺背景の間のコントラストは増加した。著者等は、シミュレーションにより分散の影響が定量化され得ること、そして測定された画像データは補正され得ることを示している。シミュレーションは、管電圧及び濾過作用のような広範囲に及ぶ設定パラメータの対応する暗視野アーチファクトを決定することを可能にする。提案方法をマンモグラフィ暗視野データに適用したものは、オリジナル画像と比較してコントラストの増加を示し、これは更なる画像に基づく診断を簡易化し得る。US2004/0101104A1はデータを取得する方法を説明しており、その方法は、マルチ・エネルギ計算トモグラフィ(MECT)システムを利用して対象をスキャンしてデータを取得し、解剖学的画像を生成するステップと、取得したデータを分解し、骨の物質を表す第1密度画像と軟組織を示す第2密度画像とを生成するステップとを含む。この方法は第1密度画像及び第2密度画像のうちの少なくとも1つをセグメント化し、第2密度画像をボリューム・レンダリングするステップを更に含む。
“Beam hardening effects in grating-based x-ray phase-contrast imaging”by M.Chabior(Med.Phys.3813),March 2011,pages 1189-1195,という論文において、著者等は、ビーム・ハードニングが、x線位相コントラスト撮像における画像形成にどのように影響を及ぼすかを調査し、引き続き分析の結果に基づいて補正アルゴリズムを開発している。著者等のアプローチは、対象物を通る波面の差分位相シフトを可視化することが可能な格子干渉計を利用する最近開発されたx線撮像技術を使用する。ビーム・ハードニングの解析的な説明が与えられており、減衰及び位相コントラスト撮像の間の差異を強調している。著者等は、多色線源を利用して設定されたコンパクトな実験室での測定において明確に規定された多数のサンプルについて、例示的なビーム・ハードニング・アーチファクトを提示している。画像形成における相違にかかわらず、著者等は、ビーム・ハードニングが、従来の減衰コントラスト撮像と同様な、位相コントラスト撮像における画像品質の劣化を招くことを示している。更に、著者等は、均一な対象物に関しビーム・ハードニング・アーチファクトは、線形化技術により補正されることが可能であり、多色線源を利用する全種類の位相コントラスト法に適用可能であることを説明している。評価された補正アルゴリズムは、多数の単純な検査対象に関して良い結果をもたらすように説明されており、医学的な撮像及び非破壊検査に奨励され得る。
WO2016/177903A1は、走査位相コントラスト又は暗視野撮像装置(MA)により提供される画像データを処理するための装置及び関連方法を説明している。位相コントラスト及び暗視野撮像におけるビーム・ハードニング・アーチファクトは、装置(MA)の撮像領域の同じ画像ピクセル位置又は幾何学的レイ(ray)に信号を寄与する複数の検出器の読み取りに関して、ビーム・ハードニング処理モジュール(BHC)によりビーム・ハードニング処理オペレーションを適用することにより削減され得る。一実施形態では、ビーム・ハードニング処理が基礎とするキャリブレーション・データを得るために、ファントム身体が使用される。
x線暗視野撮像は、例えば肺疾患のより良い可視化に役立つことが可能な新しい有望な撮像モダリティである。これにより、X線暗視野撮像は、対象物におけるX線微小角度散乱を定量化する可能性を提供する。X線暗視野信号は、回折格子干渉計を利用して取得され得る。回折格子干渉計を利用することは、X線暗視野信号と通常の透過の同時取得を許容する。2つの画像は本来的に完全に位置合わせされ、双方の画像が診断目的に使用され得る。一般的なケースでは、X線微小角度散乱及び透過情報は2つの独立した(しばしば相補的な)組織特性である。
取得された透過及び暗視野画像が相補的な情報を有するものとして考察できるように、X線散乱及び透過情報を撮像中に可能な限り分離させることが望ましい。言い換えれば、散乱及び透過の寄与が十分に分離され孤立させられていない場合、その結果は診断の目的には(たとえ用いたとしても)有用でない。
回折格子に基づく暗視野撮像では、測定される強度は次式に従って相対的な回折格子位置xにする(pはステップ移動する回折格子の周期である):
Figure 0007212631000001
ここで、I、V、φは、回折格子により生成されるフリンジ(縞)パターンについての所謂ブランク・スキャン強度、ブランク・スキャン可視性、及びブランク・スキャン位相であり、T,D,ψという量は対象の透過性、暗視野及び屈折率である。これら3つのオブジェクト・パラメータは、少なくとも3つの異なる位置xに関して強度I(x)に関する測定値を取得することにより導出される。
回折格子に基づく位相コントラストに関する更なる議論及び背景は、例えば次の文献に見られる:“Phase retrieval and differential phase-contrast imaging with low-brilliance X-ray sources”by F.Pfeiffer et al.(Nature Physics,vol.2,April 2006,pages 258-261.
回折格子に基づく暗視野撮像に関する更なる議論及び背景は、例えば次の文献に見られる:“Hard-X-ray dark-field imaging using a grating interferometer”by F. Pfeiffer et al.(Nature Materials,vol. 7,134-137(2008),published online 20 January 2008)。
基本的には、キャリブレーション・スキャン及びサンプル(患者)スキャンにおけるスペクトル分布が一致している場合に限り、又は対象物の減衰特性が既知であって画像処理/計算の最中に考慮され得る場合に、対象物の微小角度散乱は組織の特性と直接的に相関し得る。さもなくば、画像における情報は微小角度散乱のみに由来しておらず、対象物のビーム・ハードニング特性からも由来しているので、X線暗視野画像は損なわれたものとして考察されるべきである。x線スペクトルに依存して同じ組織が異なる微小角度散乱信号を生成し得る。スペクトルは(減衰のスペクトル依存性により生じる)ビーム・ハードニングにより影響を受けるので、従来は、暗視野信号のみに基づいて組織特性を微小角度散乱と相関させることはできず、微小角度散乱(暗視野)画像を算出する場合には、対象の減衰特性が考慮されなければならない。
これについての一般的な理由は、X線回折格子干渉計がX線スペクトルに敏感であるためである。この問題は、医療画像評価を著しく複雑化する可能性があり、最悪の場合、誤診を招くことさえ懸念される。
X線暗視野胸部放射線撮影の現在の課題の1つは、脂肪層、骨などについてのビーム・ハードニングの寄与に適切に対処することである。
現在、全ての減衰は1つの物質(即ち、軟組織)に起因し、その単独の物質(即ち、軟組織)のビーム・ハードニング特性のみが、軟組織のものに類似するスペクトル特性を有するポリオキシメチレン(POM)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)又はその他の軟組織相当のプラスチックを利用することにより、画像処理の最中に適切に考慮されているが、しかしながら胸郭の影響は考慮されていない。軟組織に対するビーム・ハードニング寄与を除去するために、典型的には、例えばプラスチックPOM等の等価な吸収材のような軟組織相当の材料の様々な厚みに関してキャリブレーション・スキャンが実行される。従って、等価な吸収材に関するキャリブレーション測定が、(例えば、脂肪層のような)軟組織層の減衰特性を補正するために使用され得る。WO2016/177903A1は、スキャニング・コントラスト又は暗視野撮像装置により提供される画像データを処理する装置及び関連する方法を開示する。位相コントラスト及び暗視野撮像におけるビーム・ハードニング・アーチファクトは、装置の撮像領域の同じ画像ピクセル位置又は幾何学的レイに信号を寄与する複数の検出器の読み取りに関して、ビーム・ハードニング処理モジュールによりビーム・ハードニング処理オペレーションを適用することによって対処される。WO2016/177903A1の一実施形態では、ビーム・ハードニング処理が基礎とするキャリブレーション・データを得るために、ファントム身体が使用される。
しかしながら、胸郭のような骨は著しく異なるスペクトル減衰特性を有し、従ってそれらは軟組織に対応する様々なファントム/吸収材厚さにより較正されるスキャンでさえ、人工的なx線暗視野信号を生成する。
本発明の課題は、X線暗視野撮像におけるビーム・ハードニングに関する補正の改善をもたらすことである。
本発明の第1態様において、第1物質及び第2物質を含む対象のX線暗視野撮像におけるビーム・ハードニング補正で使用されるビーム・ハードニング・マップを得るために方法が提供され、第1及び第2物質は異なるビーム・ハードニング特性を有し、本方法は、対象のX線撮像データを取得する取得ステップと、取得したX線撮像データに対する第1物質の寄与に関する情報を取得する取得ステップと、取得したX線撮像データを利用してX線暗視野撮像におけるビーム・ハードニング補正のための入力としてビーム・ハードニング・マップを提供するマップ提供ステップとを有し、ビーム・ハードニング・マップは取得した情報に基づいている。
本発明の第2態様において、デバイスは、第1物質及び第2物質を含む対象のX線暗視野撮像におけるビーム・ハードニング補正で使用されるビーム・ハードニング・マップを得るために提供され、第1及び第2物質は異なるビーム・ハードニング特性を有し、デバイスはX線撮像データを受信するように構成され、デバイスは、取得したX線撮像データに対する第1物質の寄与に関する情報を取得するように構成された取得ユニットと、取得したX線撮像データを利用してX線暗視野撮像におけるビーム・ハードニング補正のための入力としてビーム・ハードニング・マップを提供するように構成されたマップ提供ユニットとを有し、ビーム・ハードニング・マップは取得した情報に基づいている。
骨及び軟組織のような異なるスペクトル特性をもたらす物質が存在する場合、全ての減衰の単独物質への不適切な帰属性は、不正確な結果及びアーチファクトを招くことが、発明者等により発見された。
X線撮像データは撮像される対象の内部構造に関する情報を含む一方、そのような情報は、適切なキャリブレーション・データとともに使用されて、対象の撮像されるエリアで生じるビーム・ハードニングの寄与を識別することができ、X線暗視野撮像におけるビーム・ハードニングに起因するアーチファクトの補正を可能にすることが、発明者等により更に認識された。
好ましい実施形態において、マップ提供ステップは、取得したX線撮像データから、対象の撮像エリアの物質マップを推定する推定ステップであって、物質マップは第1物質の厚みを示す、推定ステップと、第1物質のビーム・ハードニング特性に関する情報に基づいて物質マップをビーム・ハードニング・マップに変換する変換ステップとを含む。
情報を取得する可能性は、対象(の一部分)を描写するX線撮像データの内容を使用する点にあり、なぜなら骨が描かれている場合に例えば画像認識又は類似する処理により減衰データから導出し、(ビーム方向の)骨の厚みを推定することができるからである。
ここで、この文脈において、X線撮像データの透過データ及び減衰データは、当業者に認められているように、基本的には同じであることに留意されたい。
上記の実施形態の好ましい変形において、ビーム・ハードニング特性に関する情報は、第1物質に関する第1キャリブレーション物質を撮像することから得られるキャリブレーションX線撮像データから得られるキャリブレーション・データを含む。
例えば第1原理又はシミュレーションから、計算により得られるデータを利用することが想定されているが、本発明はまたキャリブレーション・データの利用も許容する。
上記の変形例の好ましいバージョンにおいて、本方法は、第1キャリブレーション物質を撮像するX線によりキャリブレーションX線撮像データを取得することを含むキャリブレーション・ステップを更に有する。
少なくとも、物質の個々のビーム・ハードニングが、例えばDbeamhard(T)=TXmatの形式で単独の物質パラメータのみに依存することを十分な精度で仮定し得る場合、単独のキャリブレーション・データ・ポイントでさえ十分であり得ることが想定されている。xmatである物質パラメータに関し、最も簡易な方法では、そのような単独のパラメータは図1の曲線を描くには十分であるかもしれない(対数-対数プロットにおいて、これらの曲線は(近似的に)原点を通る直線になり、xmatはその曲線の傾きである)。しかしながら、これは非常に単純化されたアプローチであり、(例えば、所定の物質の様々な厚みのより多くの測定値のような)より多くのキャリブレーション・データ点が使用される場合、より多くの自由度を有するより良いモデルが使用され得る。
上記のバージョンの好ましい実装において、キャリブレーション・ステップは、サンプルを伴わないX線撮像及び第1キャリブレーション物質のサンプルを伴うX線撮像と、異なる厚みを有する第1キャリブレーション物質のサンプルのX線撮像と、第1キャリブレーション物質及び第2キャリブレーション物質の組み合わせサンプルのX線撮像とのうちの1つ以上を含み、第2キャリブレーション物質は第2物質に関するものである。
そのようなキャリブレーション・ステップを実行する1つのアプローチは、ビーム内に全くサンプルがないキャリブレーション・スキャンと、第1キャリブレーション物質(又はリファレンス物質)の異なる厚みを利用する別のキャリブレーションン・スキャンと、第2キャリブレーション物質(又はリファレンス物質)の異なる厚みを利用する更に別のキャリブレーションン・スキャンとを行うことを含む。代替的に、そのようなキャリブレーションンは組み合わせたスキャンで実行されてもよく、視野の一部分は、サンプルがない状態、第1キャリブレーション物質の異なる厚み、第2キャリブレーション物質の異なる厚み、第1及び第2物質の異なる組み合わせを含む。更に、ある物質の異なる厚みに関する1つのスキャンではなく、物質の様々なスキャン(各々が異なる厚みを有する)を提供することも可能である。検出器エリアが十分に均一であることを条件として、異なるキャリブレーションは、単独の撮像(又はスキャニング)プロセスで実行されてもよい。より多くの情報がキャリブレーション全体で取得されるほど、全体的な処理はよりいっそう堅牢になる。
上記の実施形態の更に好ましい変形において、ビーム・ハードニング特性に関する情報は、第1物質のビーム・ハードニング特性のパラメータ化のうちの少なくとも1つのパラメータ、及び/又は第1物質によるビーム・ハードニングのシミュレーション計算から得られる計算データを含む。上述したように、図1の曲線の対数-対数-バージョンに関して傾斜を与える単独のパラメータが、ビーム・ハードニング特性を説明するために使用されてもよい。直線による近似を仮定するのではなく、例えば(線形関数ではなく)多項式のパラメータのような、より複雑なパラメータ群が提供されてもよい。
更に好ましい実施形態において、取得ステップは、取得したX線画像データにおける第1物質に対応する少なくとも第1領域を特定するために、取得したX線撮像データに含まれる透過データに関する画像処理を含む。
透過データから、第1及び第2物質の外観の差異に起因して、第1物質が示される透過データのエリア(第1物質が例えば骨である場合、そのようなエリアは典型的には例えば軟組織のような第2物質からの減衰も含み、それもビーム経路にある)と、第2物質のみが示される透過データのエリア(即ち、ビーム経路中に骨の物質が存在しない)とを識別することが可能である。医療撮像の分野以外で本発明が使用される場合、X線画像データが、第1物質のみを有するエリアと、第2物質のみを有する他のエリアと、第1及び第2物質の両方が各自のビーム経路にある別のエリアとをを含む状況も存在し得る。
更に好ましい実施形態において、取得したX線撮像データは、第1X線エネルギを利用して撮像することにより得られるX線撮像データと、第1X線エネルギとは異なる第2X線エネルギを利用して撮像することにより得られるX線撮像データとを含み、取得ステップは、情報を取得するためのX線撮像データのエネルギ処理を含む。
二重エネルギ撮像を利用することにより(即ち、エネルギ処理を利用することにより)、異なるエネルギによる、X線ビームの減衰に関する物質についての異なるインパクトが、第1及び第2物質が分離される撮像エリアの表現を得るために使用され得る。二重エネルギ・データ取得を実行する場合、ビーム経路に沿って存在していた例えば骨及び軟組織の量を、各ピクセルについて分離することができ、その結果、何れかの物質に関連する領域を特別に識別することは(可能であったとしても)必要ない。二重エネルギ撮像に関する幾つかの議論及び背景情報は例えば次の文献に見られる:“Energy-selective Reconstructions in X-ray Computerized Tomography”by R.E.Alvarez and A.Macovski(Phys.Med.Biol.,1976,vol.21,no.5,pages 733-744)。当業者は二重エネルギ撮像の概念及び実装に十分に精通しているので、更なる議論及び説明は本願では不要である。
別の好ましい実施形態において、第1物質は骨であり、第2物質は軟組織である。
本発明は、有利なことに、例えばヒトの(又は動物の)胸部撮像の分野で使用され得るが、本発明はそれに限定されず、(CTの応用を含む)他の放射線応用分野の状況で使用されてもよく、この場合において軟組織及び骨はビーム内に存在する。更に、本発明はまた医療応用分野に限定されず、例えば非破壊検査を行う他の分野で使用されてもよい。
本発明は僅か2つの物質を考慮することに限定されず、なぜなら別の異なるスペクトル特性を有する第3物質が存在してもよい状況で本発明を使用することも想定されているからであり、例えば、第3物質に関する別の情報がビーム・ハードニング・マップに含められる状況、又は第3物質によるビーム・ハードニングを補償するために使用される別のビーム・ハードニング・マップが提供される状況が、第1物質に関して上述したように提供されるビーム・ハードニング・マップを利用することに加えて、存在してもよいことに留意されたい。このような3つの物質を含むシナリオは、軟組織及び骨に加えて、X線画像の視野の中にインプラントも包含されているケースであってもよい。第3物質が使用され得る代替的なシナリオは、ヨウ素又はガドリニウム等の造影剤が存在する場合である。3つの異なる物質の考察を超えて上記は更なる物質まで及ぶことは、言うまでもないであろう。
第1物質に関する第1キャリブレーション物質を撮像することから得られるキャリブレーションX線撮像データから得られるキャリブレーション・データを含む上記の変形例の更に好ましい実装において、第1物質はアルミニウム及び/又はカルシウムである又はそれを含み、それら各々は骨によるものに類似するスペクトル特性を有するように考えられる。
キャリブレーション・ステップが、第2キャリブレーション物質のX線撮像を含む上記の好ましい実装のバージョンにおいて、第2キャリブレーション物質は、軟組織又は脂肪組織によるものに類似するスペクトル特性を有すると考えられるポリオキシメチレン物質POM及び/又はポリメチルメタクレート物質PMMAである又はそれを含む。
好ましい実施形態において、方法は、第1物質及び第2物質を含む対象のX線暗視野画像を取得するために提供され、第1及び第2物質は異なるビーム・ハードニング特性を有し、方法は、本発明による特に上述した方法のステップと、取得したX線撮像データからX線暗視野画像を算出する暗視野画像算出ステップと、補正ステップであって、ビーム・ハードニング・マップを利用する第1物質に関する算出された暗視野画像の補正と、取得したX線撮像データの減衰情報を利用する第2物質に関する算出された暗視野画像の補正とを含む補正ステップとを含む。
本発明の更なる態様において、第1物質及び第2物質を含む対象のX線暗視野撮像のビーム・ハードニング補正で使用されるビーム・ハードニング・マップを取得するためにソフトウェア・プロダクトが提供され、第1及び第2物質は異なるビーム・ハードニング特性を有し、ソフトウェア・プロダクトは、ソフトウェア・プロダクトがコンピュータで実行されると、本発明による方法のステップをコンピュータに実行させるプログラム・コード手段を有する。
請求項1の方法、請求項13のデバイス、及び請求項14のコンピュータ・プログラムは、特に従属請求項で規定されるように、類似する及び/又は同一の好ましい実施形態を有することが理解される。
本発明の好ましい実施形態はまた、従属請求項又は上記の実施形態と個々の独立請求項との任意の組み合わせであり得ることが理解される。
本発明のこれら及び他の態様は以下に説明される実施形態から明らかになり、実施形態に関連して説明される。
以下の図面において:
図1は骨と軟組織とアルミニウム及びPOMによるそれらの近似物とのスペクトル特性間の相違を示す図を示す。 図2はX線透過画像、骨が取り除かれた処理されたバージョン、及び相違として骨のしるしを示す。 図3は本発明の第1実施形態によるビーム・ハードニングを補正する方法を示すフローチャートを示す。 図4は軟組織のみ及び骨のみをそれぞれ示す処理結果とともに様々なエネルギで得られるX線透過画像を示す。 図5は本発明の第2実施形態によるビーム・ハードニングを補正する方法を示すフローチャートを示す。 図6は本発明の別の実施形態によるビーム・ハードニング・マップを得るためのデバイスを示すブロック図を示す。
図1は骨と軟組織とアルミニウム及びPOMによるそれらの近似物とのスペクトル特性間の相違を示す図を示す。
図1は異なる物質に関してシミュレーションされたビーム・ハードニング補正の結果を示す。横座標は相対的な透過性を与え、縦座標は相対的な視認性損失を与える。1により示されるカーブは緻密骨(ICRU)に関連する。2により示されるカーブはアルミニウムに関連する。3により示されるカーブは脂肪組織に関連する。4により示されるカーブはPOMに関連する。5により示されるカーブは水に関連し、6により示されるカーブは軟組織に関連する。これらのグラフは、特定の初期有効スペクトル(管電圧、アノード物質、ビーム・フィルタリング、検出器の有効スペクトル応答などのパラメータの下で与えられる)及び特定の回折格子干渉計(回折格子材料、高さ、周期、距離により与えられる)を仮定して取得されている。このように、カーブは、視認性損失についての定量的な振る舞いを、手元の非常に具体的な例のみに関する透過性の関数として示し、他のシステム・パラメータについては異なって見えるであろう。
シミュレーションされたカーブ1ないし6は、一方の側にある軟組織及び脂肪組織(及び水)と他方の側にある骨(ICRU緻密骨)とが異なるスペクトル特性を有し、従ってビーム・ハードニング補正において異なる物質を利用して対処されるべきことを示す。アルミニウムは骨に対する良い近似であるが、POMは軟組織及び/又は脂肪組織に対する良い代替物である。
図2はX線透過画像(図2a)、骨が取り除かれた処理されたバージョン(図2b)、及び相違として骨のしるし(図2c)を示す。
例えばリバーレイン・テクノロジ社(Riverain Technologies)から市販されているソフトウェアは、骨に関する画像部分をX線画像から除去することを可能にする。X線放射線写真における骨の抑制については、例えばUS2012/257810A1において更に議論されている。
図3は本発明の第1実施形態によるビーム・ハードニングを補正する方法を示すフローチャートを示す。
図3に示される実施形態では、ヒトの撮像が実行される前に、ステップ10において、ビーム中に何もない状態でキャリブレーション・スキャンが得られる。
更に、ステップ12及び14において、ビーム内にある2つの異なる物質の異なる厚みで2つのスキャンがそれぞれ提供される。2つのスキャンは別々に実行される。本願では、第2キャリブレーション物質は軟組織に類似する吸収特性を有し(例えば、プラスチックPOM)、第1キャリブレーション物質は骨に類似するスペクトル吸収特性を有する(例えば、アルミニウム)。
次いで、ヒトの撮像が実行され(ステップ16)、透過画像が生成される(ステップ18)。この透過画像に基づいて、画像中の骨が識別され(ステップ20)、骨により生じる減衰が推定される(ステップ22)。現在利用可能なソフトウェアは、必要情報とともにそのようなビットマップを生成することが可能である。
ここで、従来では、骨の同定のためのそのような画像処理は、(図2Bに示されるような)骨の無い画像を生成するという目的を有し、その場合、骨は画像を「邪魔」しないので、肺の症状がより簡易に評価され得ることを指摘することができる。従来、そのような状況において、骨の画像それ自体は使用されず、単に廃棄物/副産物の一種に過ぎない。しかしながら本発明では(どちらかと言えば学術的な関心のみを有するかもしれない)その副産物が有用な効果のために意図的に使用される。
ステップ22において、骨の厚みが推定される。
この例示的な実施形態の説明は、最も簡潔なケースにおける以下に説明されるようなモデルに基づいているが、当然により精巧なモデルが使用されてもよい:
Figure 0007212631000002
あるいは等価的にトータルの減衰が次のように与えられる。
Figure 0007212631000003
ここで、下付きのst及びbはそれぞれ軟組織及び骨を示し、lはビームに沿った対応する物質の長さであり、μは線形減衰係数である。ステップ20で行われる画像処理(軟組織のみの画像lstμstを提供するように本来は設計されている)はまた、図2cにも示されているような骨のみの画像(lμ)も提供する。
次いで、骨及び軟組織(即ち、物質1及び2)を通るx線の距離に関する推定値l及びlstに基づいて、補正されていない暗視野画像がビーム・ハードニング効果に関して補正される。
具体的には、この実施形態では、ステップ24において、ビーム・ハードニングのローカルな影響を推定するためにキャリブレーション情報が使用され、ステップ26は(補正されていない)暗視野画像の算出を含み、その画像は推定された骨の厚み(ribs)を利用してステップ28において補正され、軟組織によるビーム・ハードニングに対する寄与の補正に関し、従来技術と同様にまさに減衰値が使用される。軟組織に関するキャリブレーションからステップ12及び14で導出された情報が、この目的のために使用され得る。
図1は純粋に減衰する対象物がビーム内に置かれた場合に、フリンジ(the fringe)の視認性がどの程度変化するかを示す。減衰は専ら軟組織によって引き起こされているものと仮定する(図1のカーブ6参照)。視認性をVat(e-latμat)により透過性の関数として記述することとし、下付きのatは脂肪組織を示す。ビーム・ハードニング補正は、この視認性の損失を補正し、ビーム中の脂肪組織の任意の長さに関して1である暗視野値の結果をもたらすことが望まれる。従って、補正前の暗視野値Dは次の数式により補正される。
Figure 0007212631000004
2つの物質1及び2のケースの場合、次の数式が適用される。
Figure 0007212631000005
上記の数式の引数は透過因子であり、図1との関連付けを容易にするように例示の目的であることに留意を要する。μは既知であるので、まさに長さl1及びl2を引数として使用すること(及び関数V1,2の指数にまとめること)も可能である。
代替的に定式化される場合、
Figure 0007212631000006
という数式から出発し、透過性の分析は手元の対象物に対する実際のブランク・スキャン視認性Vに関する知識を提供し、それは位相修正のモデルが
Figure 0007212631000007
のようになり、ビーム・ハードニングの影響を被っていない暗視野画像Dを直接的に得ることを意味することを認めることができる。
本願において
Figure 0007212631000008
はビーム・ハードニング・マップを提供することに留意されたい。
図4は軟組織のみ及び骨のみをそれぞれ示す処理結果とともに様々なエネルギで得られるX線透過画像を示す。
図4a)は低エネルギ画像の例として56kVで得られた胸部X線写真を示す。図4b)は高エネルギ、即ち120kVで得られた対応するX線写真を示し、更に1mmの銅フィルタが提供されている。図4c)においては、骨の形態の除去のための二重エネルギ処理の結果が示されており、図4d)は軟組織の除去についての対応する結果を示す。
当業者は二重エネルギ撮像の概念に精通しているので、それについての更なる説明は本願では不要である。
図5は本発明の第2実施形態によるビーム・ハードニングを補正する方法を示すフローチャートを示す。
この実施形態の幾つかのステップは第1実施形態に関して上述されたものに相当する。
具体的には、第1及び第2キャリブレーション物質の異なる厚みに関するキャリブレーション・スキャン及びブランク・キャリブレーション・スキャンの取得を含むステップ30ないし34はそれぞれ上述したステップ10ないし14に対応する。
しかしながら第1実施形態との相違に関し、以後、ヒトの撮像が2つの異なるx線エネルギ(例えば、56kVp及び120kVp)で実行され(ステップ36及び38)、透過画像が生成される(ここで、一方のスキャンは純粋な透過スキャン、例えば120kVp画像であってもよく、チューニングされてない回折格子により、あるいはチューニングされた回折格子であるが1回のx線ショットのみにより取得され得ることに留意を要する)。これらの透過画像に基づいて、ヒトの胸部は、POMにより近似され得る部分(例えば、軟組織)とアルミニウムにより最良に近似される部分(例えば、骨)とに分割され得る(ステップ40)。
「アルミニウム」画像情報に基づいて、ピクセル毎に、第1物質のそれぞれの厚みがステップ42で計算される。従って、ヒトの胸部透過画像に対する骨の寄与は、アルミニウムの所定の厚みにより表現され得る。次いでこの情報は、ステップ44において、ヒトの胸部背後のスペクトル分布を推定するために使用される。POM及びアルミニウムにより得られるキャリブレーション・スキャンを利用することで、より精巧なビーム・ハードニング補正が適用されることが可能になり、これは、微小角度x線散乱のみに由来する暗視野画像を取得できるようにし、且つかなり少ないビーム・ハードニング・アーチファクトしか持たず、この点は上述の第1実施形態のケースと同様である。実際、ステップ46及び48は上述したステップ26及び28に対応する。
図6は本発明の別の実施形態によるビーム・ハードニング・マップを得るためのデバイスを示すブロック図を示す。
デバイス50は、対象物のX線暗視野撮像におけるビーム・ハードニング補正で使用されるビーム・ハードニング・マップを得るために提供される(対象物は異なるビーム・ハードニング特性を有する第1及び第2物質を含む)。
デバイス50は、デバイス50に至る矢印で示されるようなX線撮像データを受信するように構成される。
デバイス50は、取得ユニット52、推定ユニット54、及び変換ユニット56を有する。
取得ユニット52は、得られたX線撮像データにおける第1物質の寄与に関する情報を取得するように構成される。
推定ユニット54は、得られたX線撮像データから、対象物の撮像されたエリアについての物質マップを推定するように構成され、それにより物質マップは第1領域における第1物質の厚みを示す。
推定ユニット54からのそのような入力に基づいて、変換ユニット56は、第1物質のビーム・ハードニング特性に関する情報をそのプロセスで利用して、物質マップをビーム・ハードニング・マップに変換するように構成される。
本発明は図面及び上記の説明において詳細に図示及び記述されているが、そのような図示及び記述は例示又は具体例であって制限ではないように考えられるべきであり;本発明は開示された実施形態に限定されない。
開示された実施形態に対する他の変形は、図面、本開示、及び添付の特許請求の範囲を学ぶことにより、請求項に係る発明を実施する当業者によって理解され成し遂げられ得る。
従って、キャリブレーション・データが撮像データの取得前に得られることは必須ではなく、なぜならその順序は反転されてもよいからであり、即ちキャリブレーション・データは、例えば患者に関してX線撮像が行われた後に、キャリブレーション・データが取得されてもよい。
特許請求の範囲において、「有する(comprising)」という言葉は他の要素又はステップを排除しておらず、「ある(“a”or“an”)」という不定冠詞的なものは複数を排除していない。
単独のプロセッサ、デバイス又は他のユニットが、特許請求の範囲に記載される幾つかのアイテムの機能を充足してもよい。所定の複数の事項が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なるその事実は、これらの事項の組み合わせが有利に使用され得ないことを示していない。
取得、識別、推定、変換、獲得、画像処理、エネルギ処理、計算、及び補正する等のオペレーションは、コンピュータ・プログラムのプログラム・コード手段として及び/又は個別ハードウェアとして実現され得る。
コンピュータ・プログラムは、他のハードウェアとともに又はその一部分として供給される光記憶媒体又はソリッド・ステート媒体等の適切な媒体に格納及び/又は分散されてもよいが、インターネット又はその他の有線若しくは無線の電気通信システムにより、他の形式で分散されていてもよい。
特許請求の範囲における如何なる参照符号も範囲を限定するように解釈されるべきではない。

Claims (14)

  1. 少なくとも第1物質及び第2物質を含む対象のX線暗視野撮像におけるビーム・ハードニング補正で使用されるビーム・ハードニング・マップを取得する方法であって、前記第1及び第2物質は異なるビーム・ハードニング特性を有し、前記方法は:
    前記対象のX線撮像データを取得する取得ステップと、
    取得した前記X線撮像データに対する前記第1物質の寄与に関する情報を取得する取得ステップと、
    取得した前記X線撮像データを利用して前記X線暗視野撮像における前記ビーム・ハードニング補正のための入力としてビーム・ハードニング・マップを提供するマップ提供ステップであって、前記ビーム・ハードニング・マップは取得した前記情報に基づいている、ステップと
    を含む方法。
  2. 前記マップ提供ステップは:
    取得した前記X線撮像データから、前記対象の撮像エリアの物質マップを推定する推定ステップであって、前記物質マップは前記第1物質の厚みを示す、推定ステップと、
    前記第1物質の前記ビーム・ハードニング特性に関する情報に基づいて、前記物質マップを前記ビーム・ハードニング・マップに変換する変換ステップと
    を含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記ビーム・ハードニング特性に関する前記情報は、前記第1物質に関する第1キャリブレーション物質を撮像することから得られるキャリブレーションX線撮像データから得られるキャリブレーション・データを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1キャリブレーション物質を撮像するX線によりキャリブレーションX線撮像データを取得することを含むキャリブレーション・ステップを更に含む請求項3に記載の方法。
  5. 前記キャリブレーション・ステップは:
    サンプルを伴わないX線撮像及び前記第1キャリブレーション物質のサンプルを伴うX線撮像と、
    異なる厚みを有する前記第1キャリブレーション物質のサンプルのX線撮像と、
    前記第1キャリブレーション物質及び第2キャリブレーション物質の組み合わせサンプルのX線撮像であって、前記第2キャリブレーション物質は前記第2物質に関するものである、X線撮像と
    のうちの1つ以上を含む請求項4に記載の方法。
  6. 前記ビーム・ハードニング特性に関する前記情報は、前記第1物質の前記ビーム・ハードニング特性のパラメータ化の少なくとも1つのパラメータ、及び/又は前記第1物質によるビーム・ハードニングのシミュレーション計算から得られる計算データを含む、請求項2に記載の方法。
  7. 前記取得ステップは、取得した前記X線撮像データにおける前記第1物質に対応する少なくとも第1領域を特定するために、取得した前記X線撮像データに含まれる透過データに関する画像処理を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 取得した前記X線撮像データは、第1X線エネルギを利用して撮像することにより得られるX線撮像データと、前記第1X線エネルギとは異なる第2X線エネルギを利用して撮像することにより得られるX線撮像データとを含み、前記取得ステップは、前記情報を取得するための前記X線撮像データの二重エネルギ処理を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記第1物質は骨であり、前記第2物質は軟組織である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記第1キャリブレーション物質はアルミニウム及び/又はカルシウムである又はそれを含む請求項3に記載の方法。
  11. 前記第2キャリブレーション物質は、ポリオキシメチレン物質及び/又はポリメチルメタクリレート物質である又はそれを含む、請求項5に記載の方法。
  12. 第1物質及び第2物質を含む対象のX線暗視野画像を取得する方法であって、前記第1及び第2物質は異なるビーム・ハードニング特性を有し、前記方法は
    請求項1に記載の方法のステップと、
    取得した前記X線撮像データからX線暗視野画像を算出する暗視野画像算出ステップと、
    前記ビーム・ハードニング・マップを利用する前記第1物質に関する算出した前記暗視野画像の補正と、取得した前記X線撮像データの減衰情報を利用する前記第2物質に関する算出した前記暗視野画像の補正とを含む補正ステップと
    を含む方法。
  13. 第1物質及び第2物質を含む対象のX線暗視野撮像におけるビーム・ハードニング補正で使用されるビーム・ハードニング・マップを取得するデバイスであって、前記第1及び第2物質は異なるビーム・ハードニング特性を有し、前記デバイスはX線撮像データを受信するように構成され、前記デバイスは:
    取得した前記X線撮像データに対する前記第1物質の寄与に関する情報を取得するように構成された取得ユニットと、
    取得した前記X線撮像データを利用して前記X線暗視野撮像における前記ビーム・ハードニング補正のための入力としてビーム・ハードニング・マップを提供するように構成されたマップ提供ユニットであって、前記ビーム・ハードニング・マップは取得した前記情報に基づいている、マップ提供ユニットと
    を含むデバイス。
  14. 求項1ないし12のうちの何れか1項に記載の方法をコンピュータに実行させるコンピュータ・プログラム。
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