以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る栽培計画管理システムのネットワーク構成の一例を示す。本実施形態に係る栽培計画管理システムは、例えば農作物を栽培する際に必要な複数の作業(内容及び時期)を含む栽培計画を管理するために、農業を経営する者(営農者)によって利用される。以下の説明では、栽培計画管理システムを利用する営農者を便宜的にユーザと称する。
図1に示すように、栽培計画管理システムは、サーバ装置10及びクライアントデバイス20を備える。
サーバ装置10は、クライアントデバイス20と例えばインターネット30を介して通信可能に接続される電子機器である。サーバ装置10では、上記した栽培計画に関する各種データを管理する機能を有する。サーバ装置10は、クライアントデバイス20以外の外部のサーバ装置等と通信可能に接続されていても構わない。
クライアントデバイス20は、ユーザの例えば自宅に設置されているTV装置40と接続可能な電子機器(専用端末)である。クライアントデバイス20は、例えばTV装置40のHDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)入力端子に、HDMIケーブルを介して取り外し可能に接続される。クライアントデバイス20は、例えば無線LAN、Bluetooth(登録商標)及びWifi(登録商標)等の無線通信機能によりTV装置40と接続される構成であってもよい。
本実施形態において、TV装置40は、栽培計画管理システムの外部ディスプレイとして使用される表示装置である。栽培計画管理システムは、図示しないリモートコントローラから受信される操作信号に基づいて栽培計画に関する各種画面をTV装置40に表示することができる。
図2は、図1に示す栽培計画管理システムに備えられるサーバ装置10のシステム構成を示す。図2に示すように、サーバ装置10は、CPU11、不揮発性メモリ12、主メモリ13、BIOS−ROM14、システムコントローラ15、無線通信デバイス16及びEC17等を備える。
CPU11は、サーバ装置10内の各コンポーネントの動作を制御するプロセッサである。プロセッサは、少なくとも1つの処理回路を含む。CPU11は、ストレージデバイスである不揮発性メモリ12から主メモリ13にロードされる様々なプログラム(ソフトウェア)を実行する。このプログラムには、オペレーティングシステム(OS)及びクライアントデバイス20と連携して栽培計画を管理するためのプログラム(以下、サーバ用プログラムと表記)等が含まれる。
CPU11は、BIOS−ROM14に格納されている基本入出力システム(BIOS)も実行する。BIOSは、ハードウェア制御のためのプログラムである。
システムコントローラ15は、CPU11のローカルバスと各コンポーネントとの間を接続するデバイスである。システムコントローラ15には、主メモリ13をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵されている。
無線通信デバイス16は、クライアントデバイス20及び外部のサーバ装置等と無線通信を実行するように構成されたデバイスである。
EC17は、サーバ装置10の電力管理を実行するように構成されたエンベデッドコントローラを含むワンチップマイクロコンピュータである。
図3は、図1に示す栽培計画管理システムに備えられるクライアントデバイス20のシステム構成を示す。図3に示すように、クライアントデバイス20は、CPU21、不揮発性メモリ22、主メモリ23、BIOS−ROM24、システムコントローラ25、グラフィクスコントローラ26、HDMI制御回路27、無線通信デバイス28及びEC29等を備える。
CPU21は、クライアントデバイス20内の各コンポーネントの動作を制御するプロセッサである。プロセッサは、少なくとも1つの処理回路を含む。CPU21は、ストレージデバイスである不揮発性メモリ22から主メモリ23にロードされるプログラムを実行する。このプログラムには、オペレーティングシステム及びサーバ装置10と連係して栽培計画を管理するためのプログラム(以下、クライアント用プログラムと表記)等が含まれる。CPU21は、BIOS−ROM24に格納されているBIOSも実行する。
システムコントローラ25は、CPU21のローカルバスと各コンポーネントとの間を接続するデバイスである。システムコントローラ25には、主メモリ23をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵されている。
グラフィクスコントローラ26は、HDMI制御回路27及びHDMI端子(図示せず)を介して、外部ディスプレイとしてのTV装置40にデジタル映像信号を送出する。この場合、サウンドコントローラ(図示せず)がHDMI制御回路27(及びHDMI端子)を介してTV装置40にデジタルオーディオ信号を送出してもよい。
HDMI制御回路27は、TV装置40を含む外部映像機器にデジタル映像信号及びデジタルオーディオ信号をHDMI端子を介して送出するためのインタフェースである。HDMI端子によれば、非圧縮のデジタル映像信号とデジタルオーディオ信号とを1本のケーブルでTV装置40に送出することができる。
無線通信デバイス28は、サーバ装置10と無線通信を実行するように構成されたデバイスである。
EC29は、クライアントデバイス20の電力管理を実行するように構成されたエンベデッドコントローラを含むワンチップマイクロコンピュータである。
図3においては省略されているが、クライアントデバイス20は、リモートコントローラのような外部電子機器からの操作信号を受信するための受信部として機能するインタフェースを備える。このインタフェースは、例えば赤外線受信部であってもよいし、Bluetooth規格に基づく無線通信を実行するデバイスであってもよい。
図4は、栽培計画管理システムの機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、サーバ装置10は、通信処理部101、DB管理部102、栽培計画データベース(DB)103、肥料データベース(DB)104、農薬データベース(DB)105、収穫データベース(DB)106及び天気データベース(DB)107を含む。
本実施形態において、通信処理部101及びDB管理部102の一部または全ては、上記したCPU11にサーバ用プログラムを実行させること、すなわちソフトウェアによって実現されてもよいし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアによって実現されてもよいし、当該ソフトウェア及びハードウェアの組み合わせ構成として実現されてもよい。
また、本実施形態において、各DB103〜107は、不揮発性メモリ12に格納されているものとする。
栽培計画管理システムを利用するユーザは、上記した栽培計画(当該栽培計画に沿って実施される作業等)を確認したい場合、リモートコントローラに対する操作を行うことによって、クライアントデバイス20に対して当該栽培計画の表示を指示することができる。この場合、クライアントデバイス20は、リモートコントローラからの操作信号に対応する指示内容をサーバ装置10に対して送信する。
通信処理部101は、クライアントデバイス20との無線通信を実行する機能部である。通信処理部101は、クライアントデバイス20によって送信された指示内容を受信する。
DB管理部102は、栽培計画DB103、肥料DB104、農薬DB105、収穫DB106及び天気DB107に格納される各種データを管理するための機能部である。
DB管理部102は、通信処理部101によって受信された指示内容に基づいて、各DB103〜107から必要なデータを取得する。DB管理部102によって取得されたデータは、通信処理部101を介してクライアントデバイス20に対して送信される。
また、DB管理部102は、例えばリモートコントローラに対するユーザの操作(つまり、クライアントデバイス20によって送信された指示内容)に応じて各DB103〜107(に格納されているデータ)を更新する。
栽培計画DB103には、農作物を栽培する際に必要な作業が設定された栽培計画を示す栽培計画データが格納される。肥料DB104には、農作物を栽培する際に使用される肥料に関するデータ(以下、肥料データと表記)が格納される。農薬DB105には、農作物を栽培する際に使用される農薬に関するデータ(以下、農薬データと表記)が格納される。収穫DB106には、農作物を収穫可能な日(以下、収穫可能日と表記)に関するデータ(以下、収穫可能日データと表記)が格納される。天気DB107には、日付毎の気温を含む天気データが格納される。
ここで、DB管理部102は、例えば栽培計画DB103に格納されている栽培計画データによって示される栽培計画(に沿って実施される作業)に関する情報(以下、通知情報と表記)を、自動的にユーザに対して通知する機能(以下、自動通知機能と表記)を有する。通知情報には、例えば栽培計画において設定されている各作業を実施すべき時期(以下、作業時期と表記)等が含まれる。
DB管理部102は、自動通知機能を実現するための機能部として、判定部102a及び生成部102bを含む。
判定部102aは、栽培計画DB103を定期的に監視し、各作業時期が到来したか否かを判定する。
生成部102bは、作業時期が到来したことをユーザに通知するための通知情報を生成する。
生成部102bによって生成された通知情報は、通信処理部101を介してクライアントデバイス20に対して送信される。
図4に示すように、クライアントデバイス20は、通信処理部201、表示処理部202及び操作受付部203を含む。
本実施形態において、通信処理部201、表示処理部202及び操作受付部203の一部または全ては、上記したCPU21にクライアント用プログラムを実行させること、すなわちソフトウェアによって実現されてもよいし、IC等のハードウェアによって実現されてもよいし、当該ソフトウェア及びハードウェアの組み合わせ構成として実現されてもよい。
通信処理部201は、サーバ装置10からクライアントデバイス20に対して送信されたデータ及び通知情報を受信する。
表示処理部202は、クライアントデバイス20内部に予め用意されている表示画面データ、通信処理部201によって受信されたデータ及び通知情報に基づいて、各種表示画面を生成する。表示処理部202は、生成された表示画面をTV装置40に表示する。
操作受付部203は、ユーザによるリモートコントローラに対する操作を受け付けるための機能部である。操作受付部203は、リモートコントローラに対するユーザの操作に応じて、当該操作(信号)に対応する指示(内容)を受け付ける。操作受付部203によって受け付けられた指示は、通信処理部201を介してサーバ装置10に対して送信される。
次に、サーバ装置10に含まれる各DB103〜107に格納されるデータについて説明する。
図5は、栽培計画DB103に格納されている栽培計画データのデータ構造の一例を示す。
図5に示すように、栽培計画データは、栽培計画において設定された各作業の作業内容及び作業時期を対応づけて含む。作業内容は、農作物を栽培する際に必要な作業の内容を示す。作業時期は、対応づけられている作業内容の作業を実施すべき時期(日付)を示す。
図5に示す栽培計画データによれば、栽培計画において例えば播種の作業を4月10日〜4月20日に実施すべきことが示されている。栽培計画データにおいては、定植、農薬散布(1回目)、収穫初め、追肥(1回目)、農薬散布(2回目)、追肥(2回目)、農薬散布(3回目)及び追肥(3回目)の各作業についても同様に作業時期が示されている。
栽培計画データによって示される栽培計画は、リモートコントローラを操作することによって、ユーザが例えばTV装置40の画面上で作成することができる。具体的には、ユーザは、農作物を栽培する際に必要な作業の内容と当該作業を実施すべき時期とを、作業毎に順次指定(入力)していくことにより栽培計画を作成することができる。このようにTV装置40の画面上で栽培計画が作成された場合、当該栽培計画を示す栽培計画データ(各作業が設定された栽培計画データ)は、クライアントデバイス20からサーバ装置10に送信され、当該サーバ装置10に含まれる栽培計画DB103に格納(登録)される。ユーザは、一旦登録された栽培計画(データ)をTV装置40の画面上で修正(変更)することも可能である。
図5においては便宜的に1つの栽培計画データについてのみ説明したが、ユーザが複数の農作物(又は、複数の品種)を栽培する場合、栽培計画DB103には、当該農作物毎(又は、品種毎)の栽培計画データが格納される。このため、栽培計画データは、例えば当該栽培計画データによって示される栽培計画で栽培される農作物名(又は、品種名)に対応づけて栽培計画DB103に格納されるものとする。
図6は、肥料DB104のデータ構造の一例を示す。図6に示すように、肥料DB104には、農作物を栽培する際に使用される肥料であって、ユーザが所有(購入)している肥料毎に、肥料名と使用期限とを対応づけて含む肥料データが格納されている。
肥料名は、ユーザが所有している肥料の名称である。使用期限は、ユーザが所有している肥料の使用期限となる年月を示す。使用期限は、肥料の購入日から自動的に設定されてもよいし、ユーザがリモートコントローラを操作することによってTV装置40の画面上で設定されてもよい。
図6に示す例では、肥料DB104には、例えば肥料名「肥料A」と使用期限「2016年1月」とを対応づけて含む肥料データが格納されている。この肥料データによれば、肥料名が肥料Aである肥料の使用期限が2016年1月であることが示されている。ここでは、肥料名が肥料Aである肥料に関する肥料データについてのみ説明したが、他の肥料データについても同様であるため、ここではその詳しい説明は省略する。
図7は、農薬DB105のデータ構造の一例を示す。図7に示すように、農薬DB105には、農作物を栽培する際に使用される農薬であって、ユーザが所有(購入)している農薬毎に、農薬名、使用期限、使用制限回数及び実使用回数を対応づけて含む農薬データが格納されている。
農薬名は、ユーザが所有している農薬の名称である。使用期限は、ユーザが所有している農薬の使用期限となる年月を示す。使用期限は、農薬の購入日から自動的に設定されてもよいし、ユーザがリモートコントローラを操作することによってTV装置40の画面上で設定されてもよい。
使用制限回数は、農作物の栽培において農薬を使用可能な回数の上限を示す。一般的に、過度の農薬の使用は農作物に悪影響を与えることが知られている。このため、使用制限回数は、消費者に対して安全及び安心な農作物を提供するために予め定められているものとする。使用制限回数は、ユーザがリモートコントローラを操作することによってTV装置40の画面上で設定されてもよい。
実使用回数は、農作物の栽培においてユーザが農薬を実際に使用した回数を示す。実使用回数は、リモートコントローラに対するユーザの操作に応じてTV装置40の画面上で設定(登録)される。
図7に示す例では、農薬DB105には、例えば農薬名「農薬A」、使用期限「2016年12月」、使用制限回数「3回」及び実使用回数「1回」を対応づけて含む農薬データが格納されている。この農薬データによれば、農薬名が農薬Aである農薬の使用期限が2016年12月であり、当該農薬を使用可能な回数の上限が3回であり、当該農薬を実際に使用した回数が1回であることが示されている。ここでは、農薬名が農薬Aである農薬に関する農薬データについてのみ説明したが、他の農薬データについても同様であるため、ここではその詳しい説明は省略する。
図8は、収穫DB106のデータ構造の一例を示す。一般的に、ユーザ(営農者)は、消費者に対して安全及び安心な農作物を提供するために、農薬散布後の一定期間は当該農作物の収穫作業を実施しない場合が多い。このため、収穫DB106においては、農薬散布後の収穫可能日が管理される。
図8に示すように、収穫DB106には、農薬散布日及び収穫可能日を対応づけて含む収穫可能日データが格納されている。
農薬散布日は、農作物の栽培においてユーザが農薬を散布(使用)した日付を示す。農薬散布日は、リモートコントローラに対するユーザの操作に応じてTV装置40の画面上で設定(登録)される。
収穫可能日は、農薬散布後に農作物の収穫が可能となる日付を示す。収穫可能日は、農薬散布日から一定期間が経過した後の日付であり、例えば当該農薬散布日から自動的に設定される。収穫可能日は、リモートコントローラに対するユーザの操作に応じてTV装置40の画面上で設定されてもよい。
図8に示す例では、収穫DB106には、例えば農薬散布日「7月10日」及び収穫可能日「7月15日」を対応づけて含む収穫可能日データが格納されている。この収穫可能日データによれば、7月10日に農薬が散布されたことにより、農作物の収穫作業が7月15日から可能であることが示されている。
図9を参照して、天気DB107について説明する。天気DB107には、天気データ及び設定データが格納される。
図9は、天気データのデータ構造の一例を示す。図9に示すように、天気データは、日付毎に、天気、最高気温、最低気温及び平均気温を対応づけて含む。
日付、天気、最高気温、最低気温及び平均気温は、日毎に、例えば外部のサーバ装置等から自動的に収集されて登録されるものとする。天気データは、栽培計画データによって示される栽培計画における農作物の栽培期間にのみ収集されてもよい。
図9に示す例では、天気DB107には、例えば日付「5月10日」、天気「晴」、最高気温「20」、最低気温「10」及び平均気温「15」を対応づけて含む天気データが格納されている。この天気データによれば、5月10日の天気は晴れであり、この日の最高気温が20℃、最低気温が10℃、平均気温が15℃であることが示されている。
以下、本実施形態に係る栽培計画管理システムの動作の概要について説明する。営農者であるユーザが栽培計画管理システムを利用する場合、当該ユーザは、当該ユーザが栽培する農作物について栽培計画を作成する必要がある。
まず、クライアントデバイス20が起動されると、TV装置40には、図10に示すようなホーム画面が表示される。このホーム画面には、例えばクライアントデバイス20を起動した当日の天気の実績データ(日付、時間帯別の天気及び気温等)とともに、それぞれ異なる番号が割り当てられた複数の項目(ボタン)が表示される。ユーザは、リモートコントローラに設けられている所望の番号のボタンを押下する操作を行うことによって、当該番号が割り当てられた項目に対応する指示をクライアントデバイス20に対してすることができる。
図10では、上記した複数の項目の一例として「栽培日誌作成」、「栽培日誌閲覧」、「病害虫」及び「購買」といった項目が表示されている場合を示すが、複数の項目としては上記した項目以外の項目が表示されてもよい。ここでは、上記した複数の項目のうち「栽培日誌作成」の項目に対応する番号のボタンが、ユーザによって押下された場合について説明する。なお、ここでは詳しくは説明しないが、「病害虫」の項目に対応する番号のボタンがユーザによって押下された場合、どのような病害虫がどの地域で発生しているのかを示す画面がTV装置40に表示される。また、「購買」の項目に対応する番号のボタンがユーザによって押下された場合、例えば肥料や農薬を購入するための画面(ネットショッピングを行うための画面)がTV装置40に表示される。なお、「栽培日誌閲覧」の項目に対応する番号のボタンがユーザによって押下された場合については、後述するため、ここではその詳しい説明は省略する。
「栽培日誌作成」の項目に対応する番号のボタンを押下する操作がユーザによってなされた場合、TV装置40には、図11に示すような農作物の種類を選択するための画面(以下、農作物選択画面と表記)が表示される。上述したように、ユーザが複数種類の農作物を栽培する場合、栽培計画は農作物毎に作成されるため、栽培計画を作成したい農作物を選択可能な農作物選択画面が表示される。ここでは、図11に示す複数の項目のうち「トマト」の項目に対応する番号のボタンが、ユーザによって押下された場合について説明する。
「トマト」の項目に対応する番号のボタンを押下する操作がユーザによってなされた場合、TV装置40には、図12に示すような農作物の品種を選択するための画面(以下、品種選択画面と表記)が表示される。ユーザが、所定の農作物に関し、複数品種栽培する場合、栽培計画は品種毎に作成されるため、栽培計画を作成したい品種を選択可能な品種選択画面が表示される。ここでは、図12に示す複数の項目のうち「トマトA」の項目に対応する番号のボタンが、ユーザによって押下された場合を想定する。
「トマトA」の項目に対応する番号のボタンを押下する操作がユーザによってなされた場合、すなわち、「トマトA」の栽培計画の作成が指示された場合、TV装置40には、栽培計画を作成するための画面(以下、栽培計画作成画面と表記)が表示される。この栽培計画作成画面においては、農作物を栽培する際に必要な作業の内容及び当該作業を実施すべき時期(月日等)を指定(選択)することによって、当該農作物の栽培計画を作成する。なお、図13は、ユーザによって作成される栽培計画の概要を表す図である。図13においては、作業時期の詳細(日付等)については省略されている。
ユーザによって作成された栽培計画はクライアントデバイス20からサーバ装置10に対して送信され、上述した図5に示すような栽培計画データが栽培計画DB103に登録(格納)される。
栽培計画DB103に格納される栽培計画データは、ユーザによって作成された栽培計画を示す栽培計画データではなく、例えば農業協同組合等で予め作成されている栽培計画(栽培暦)を示す栽培計画データであっても構わない。
栽培計画データが栽培計画DB103に登録された後に、図10に示したホーム画面に戻り、「栽培日誌閲覧」の項目に対応した番号のボタンがユーザによって押下され、更には、図11及び図12と同様な画面において、農作物の種類及び品種(ここでは、トマトA)が指定されたことにより(トマトAの)栽培計画の閲覧(表示)が指示された場合を想定する。この場合、クライアントデバイス20は、栽培計画の閲覧が指示されたことをサーバ装置10に対して送信(通知)し、栽培計画DB103に格納されている栽培計画データを当該サーバ装置10から受信する。クライアントデバイス20によって受信された栽培計画データは、TV装置40に表示される。これにより、ユーザは、栽培計画をTV装置40を介して閲覧することができる。
図14は、栽培計画を閲覧する際のTV装置40の表示画面(以下、栽培計画閲覧画面と表記)の一例を示す。図14に示す例では、栽培計画閲覧画面において栽培計画はカレンダーの形式で表示されている。
栽培計画閲覧画面の上部には、農作物名表示領域301が設けられている。この農作物名表示領域301には、栽培計画閲覧画面において閲覧されている栽培計画で栽培される農作物名が表示される。図14に示す栽培計画閲覧画面においては、農作物名表示領域301には、農作物名として「トマトA」が表示されている。
栽培計画閲覧画面において、農作物名表示領域301の下部には、カレンダー表示領域302が設けられている。このカレンダー表示領域302には、現在(クライアントデバイス20を起動した当日)の日付を含む月単位のカレンダーが表示される。このカレンダーは、当該カレンダー上でユーザが現在の日付を容易に把握可能な態様で(例えば、現在の日付の欄が強調された状態で)表示される。図14に示す例では、現在の日付が7月11日(木)であることが示されている。
また、カレンダー表示領域302においては、今後予定されている作業の内容及び時期が表示される。具体的には、カレンダー表示領域302に表示されている日付のうち、栽培計画データに含まれる作業時期に該当する日付の欄には、当該作業時期に実施すべき作業内容を表す帯状のマーク(又は、色)が付加される。図14に示す例では、7月20日(土)の欄には、追肥を表すマーク302aが付加されている。これによれば、ユーザは、7月20日(土)に追肥を実施すべきであることを容易に把握することができる。ここでは、追肥について説明したが、カレンダー表示領域302に表示されているカレンダー上に他の作業(播種、定植、農薬散布及び収穫等)を実施すべき時期に該当する日付が存在する場合には、当該作業内容に対応するマークが当該日付の欄に付加される。
一方、栽培計画に沿ってユーザが実際に作業を実施した場合、ユーザは、当該作業の実績(作業内容及び時期)を例えば栽培計画閲覧画面において登録することができる。
図14に示すように、例えば7月1日(月)に追肥の実績が登録された場合、カレンダー表示領域302の7月1日(月)の欄には、肥料を表すアイコン302bが付加される。この場合、追肥において使用された肥料の量等が併せて登録されてもよい。
また、例えば7月10日(水)に農薬散布の実績が登録された場合、カレンダー表示領域402の7月10日(水)の欄には、農薬を表すアイコン302cが付加される。この場合、農薬散布において使用された農薬量等が併せて登録されてもよい。
ここで、農薬散布の実績が登録された場合には、図8に示す収穫DB106が更新される。具体的には、農薬散布を実施した日(農薬散布日)及び当該農薬散布日から自動的に設定される収穫可能日を含む収穫可能日データが収穫DB106に格納される。農薬散布において使用された農薬の農薬名を併せて登録することで、図7に示す当該農薬名に対応づけて農薬データに含まれている実使用回数についても更新されるものとする(当該実使用回数に1が加算される)。
更に、音声メモとしてユーザの音声を登録することも可能である。音声メモが登録された場合には、カレンダー表示領域302の該当する日付(例えば、7月1日(月))の欄には音声メモを表すアイコン302dが付加される。
図14には示されていないが、追肥及び農薬散布以外に、収穫の実績を登録することも可能である。収穫の実績が登録された場合には、当該収穫を表すアイコンが当該収穫が実施された日付の欄に付加される。この場合、収穫量等が併せて登録されてもよい。
このような栽培計画閲覧画面によれば、ユーザは、過去に実施された作業及び今後予定されている作業(の内容及び時期)を容易に把握することが可能となる。
上記した農薬散布の実績、追肥の実績、収穫の実績、及び音声メモの登録は、カレンダー表示領域302の下部に表示されている作業登録ボタンをリモートコントローラを用いてユーザが指定することによって行われる。図14に示すように、作業登録ボタンには、例えば「肥料」ボタン303a、「農薬」ボタン303b、「収穫量」ボタン303c及び「音声メモ」ボタン303dが含まれる。追肥の実績を登録する場合、ユーザは、リモートコントローラに設けられているボタンのうち、「肥料」ボタン303aに割り当てられた番号のボタン(ここでは、「1」のボタン)を押下すればよい。農薬散布の実績、収穫の実績、及び音声メモを登録する場合についても同様である。なお、作業登録ボタンの指定は、例えばリモートコントローラに設けられているカーソルキー等を用いて、栽培計画閲覧画面に表示されるカーソルを移動させることによって行われても構わない。
詳細については省略するが、ユーザによって登録される農薬散布の実績、追肥の実績、収穫の実績、及び音声メモの登録内容は、例えば栽培計画DB103内で管理されるものとする。
ここで、図14に示す栽培計画閲覧画面上で、所定の日付が選択された場合に表示される詳細画面について説明する。図15は、詳細画面の一例を示す。詳細画面は、登録された作業実績の詳細を示す画面である。すなわち、ユーザは、図14に示す栽培計画閲覧画面では、どのような作業を実施すべきか、またどのような作業が実施されたかを色やアイコンによって容易に把握することができるが、何をどれだけ使ってどのような作業が実施されたか等の詳細を把握することまではできない。図15に示す詳細画面によれば、7月1日(月)の作業実績として、肥料Aを1000kg用いて追肥が行われたこと、また音声メモが登録されており、この音声メモをボタン303eを押下することで再生し、この音声メモの内容を把握することができる。
なお、図14に示すように、栽培計画閲覧画面には、現在の時刻及び当日の天気等の情報が更に表示されても構わない。
また、栽培計画閲覧画面には、上記した作業登録ボタン303a〜303d以外に、例えば農薬及び肥料を購入する機能、天気予報を確認(表示)する機能、及び農業協同組合によって作成された栽培計画(栽培暦)を閲覧する機能等に対応するボタンが設けられていてもよい。
また、栽培計画閲覧画面に設けられているボタンに対応する機能をユーザが選択(指定)する等によって、ユーザが栽培計画閲覧画面を編集(カスタマイズ)できるような構成としてもよい。
図14に示す例では、カレンダー表示領域302には現在の日付を含む月のカレンダー(7月のカレンダー)が表示されているが、例えば図16に示すように、リモートコントローラに対するユーザの操作に応じて他の月のカレンダーが表示されるようにしてもよい。これによれば、ユーザは、例えば来月実施される作業及び先月以前に実施した作業等についても容易に確認することができる。
更に、図14に示す例では栽培計画がカレンダーの形式で表示されているが、栽培計画は、例えば図13に示すような当該栽培計画全体が把握できるような形式で表示されてもよい。この場合、図14に示すようなカレンダー形式で表示した場合と比較して、日付毎に作業内容等を表示することは困難であるが、少なくとも栽培計画に沿って各作業が行われているか否かをユーザが容易に把握できるような態様で表示されるものとする。また、上記したような栽培計画の表示形式をユーザが選択する(切り替える)ことが可能な構成であってもよい。
上述したように、ユーザ(営農者)は、栽培計画作成画面において栽培計画を作成しておくことにより、栽培計画閲覧画面上で、栽培計画を確認(閲覧)することが可能である。また、ユーザは、栽培計画閲覧画面において作業の実績を登録しておくことにより、過去に実施した作業の実績をいつでも確認(閲覧)することが可能である。しかしながら、栽培計画の登録や過去に実施した作業の実績の登録には、リモートコントローラの的確な操作が必要である。すなわち、リモートコントローラの操作が煩雑であることが原因で、栽培計画の登録や過去に実施した作業の実績の登録を断念してしまう可能性がある。
そこで、本実施形態においては、過去に実施した作業の実績、例えば追肥や農薬散布の実績を登録する際に、リモートコントローラの操作の煩雑性を緩和し得る、すなわち、当該登録時にかかる手間を減らし得る所有物優先提示処理を更に実行する。以下、図17に示すフローチャートを参照して、この所有物優先提示処理の手順について説明する。
なお、図17に示す所有物優先提示処理は、図14に示す栽培計画閲覧画面上で、肥料ボタン303a又は農薬ボタン303bがユーザによって押下された場合に、サーバ装置10に含まれるDB管理部102によって実行される。但し、サーバ装置10に含まれる肥料DB104には、ユーザが所有している肥料を示す肥料データが既に格納(登録)されているものとする。同様に、サーバ装置10に含まれる農薬DB105には、ユーザが所有している農薬を示す農薬データが既に格納(登録)されているものとする。以下では、栽培計画閲覧画面上で、肥料ボタン303aがユーザによって押下された場合の所有物優先提示処理について説明する。
まず、DB管理部102は、肥料DB104に格納されている肥料データを取得する(ブロック1001)。ここでは、例えば図6に示す肥料データが取得されたものとする。
DB管理部102は、取得された肥料データを、通信処理部101を介してクライアントデバイス20に送信し(ブロック1002)、ここでの処理を終了させる。
なお、クライアントデバイス20に含まれる表示処理部202は、サーバ装置10によって送信された肥料データを、通信処理部201を介して受信すると、上述した表示画面データと当該肥料データとに基づいて、当該肥料データによって示される肥料名を、使用した可能性のある肥料として選択可能な表示画面を生成する。このように表示処理部202によって生成された表示画面、例えば図18に示す表示画面は、TV装置40に表示される。
図18に示す表示画面では、「「肥料A」を使用しましたか?」という文字列が表示されている。この表示画面上で、ユーザは「はい」の項目に対応する番号のボタンを押下すれば、肥料Aを用いて追肥の作業を実施したという実績を登録することができる。一方で、ユーザは「いいえ」の項目に対応する番号のボタンを押下すれば、画面上には、サーバ装置10によって送信された別の肥料データによって示される肥料名を選択可能な表示画面(例えば、「「肥料B」を使用しましたか?」といった文字列を有する画面)が表示される。このように、作業実績登録時に、ユーザが所有している肥料を、使用した可能性のある肥料として選択可能な表示画面を生成し、これを表示させることで、作業実績を登録するのにかかる手間や操作の煩雑さを、緩和させることができる。
さらに、本実施形態における栽培計画管理システムは、上述した自動通知機能により操作の煩雑さをより緩和させることができる。以下では、図19に示すフローチャートを参照して、当該自動通知機能による自動通知処理の手順について説明する。
図19に示す自動通知処理は、例えば、クライアントデバイス20が起動され、ホーム画面が表示される際に、サーバ装置10に含まれるDB管理部102によって実行される。但し、サーバ装置10に含まれる栽培計画DB103には、例えばユーザによって作成された栽培計画を示す栽培計画データが既に格納(登録)されているものとする。
まず、DB管理部102は、現在の日付を示す日付データを取得する(ブロック2001)。DB管理部102は、サーバ装置10内で管理されている日付データを取得してもよいし、外部のサーバ装置で管理されている日付データを当該外部のサーバ装置から取得してもよい。
DB管理部102は、栽培計画DB103に格納されている栽培計画データを取得する(ブロック2002)。
次に、DB管理部102に含まれる判定部102aは、DB管理部102によって取得された日付データ及び栽培計画データに基づいて、栽培計画において設定されている作業を実施すべき時期(作業時期)が到来したか否かを判定する(ブロック2003)。この場合、判定部102aは、日付データによって示される現在の日付が栽培計画データに含まれる作業時期(日付)に該当する(一致する)場合、当該作業時期が到来したと判定する。
作業時期が到来していないと判定された場合(ブロック2003のNO)、自動通知処理は終了される。
一方、作業時期が到来したと判定された場合(ブロック2003のYES)、DB管理部102に含まれる生成部102bは、作業時期が到来したことを通知するための通知情報を生成する(ブロック2004)。
DB管理部102は、生成部102bによって生成された通知情報を、クライアントデバイス20を介してユーザに通知する(ブロック2005)。
この場合、生成部102bによって生成された通知情報は、通信処理部101を介してクライアントデバイス20に対して送信される。クライアントデバイス20に含まれる表示処理部202は、サーバ装置10によって送信された通知情報を、通信処理部201を介して受信し、上述した表示画面データと当該通知情報とに基づいて、当該通知情報を含む表示画面を生成する。このように表示処理部202によって生成された表示画面、例えば図20に示す表示画面は、TV装置40に表示される。これにより、通知情報がユーザに対して通知される。
図20に示す表示画面では、「収穫時期になりました。(8月・9月)収穫を開始しますか?」という文字列が表示されている。これによれば、ユーザは、クライアントデバイス20を起動した当日がトマトAの収穫時期であることを認識することができる。なお、この表示画面上で、ユーザが「はい」の項目に対応する番号のボタンを押下すれば、作業実績の登録がなされる一方で、「いいえ」の項目に対応する番号のボタンを押下すれば、作業実績の登録はなされない。このように、ユーザに対して通知情報を通知するだけでなく、作業実績の登録まで実行可能な表示画面を表示させることで、多方面にわたって、操作の煩雑さをより緩和させることができる。
なお、図20においては、クライアントデバイス20によって新たな通知情報が受信された場合にポップアップが表示されるものとして説明したが、ユーザが通知情報の存在を容易に把握可能であれば、他の態様で通知情報の存在が通知されてもよい。具体的には、図10に示したように、ホーム画面内に通知情報の存在を通知するための領域が設けられていてもよいし、当該通知情報が存在することをアラーム又は音声で通知するようにしてもよい。
また、図20においては、通知情報として収穫時期が表示されるものとして説明したが、例えばサーバ装置10に含まれる各DB103〜107に格納されているデータ及び外部のサーバ装置から取得可能なデータから作成可能であれば他の内容が表示されてもよい。
なお、通知情報は、作業時期の当日(つまり、作業を実施すべき日)にユーザに対して通知されるのではなく、当該作業時期の一定期間前に通知されてもよい。
なお、本実施形態に係る栽培計画管理システムを利用するユーザ(つまり、営農者)の中には、例えばパーソナルコンピュータまたはタブレットコンピュータ等の電子機器を使用する機会の少ないユーザも多いと考えられる。このため、本実施形態において、各種通知情報は、ユーザの自宅等に設置されているTV装置40に表示される。これによれば、パーソナルコンピュータまたはタブレットコンピュータ等の電子機器を使用する機会の少ないユーザであっても、クライアントデバイス20を自宅のTV装置40に接続するのみで、本実施形態に係る栽培計画管理システムを容易に利用することが可能となる。TV装置40に代えて、他の外部ディスプレイ等が用いられても構わない。
また、本実施形態において説明した通知情報は一例であり、栽培計画と連動したものであれば他の内容が通知されてもよい。具体的には、栽培計画において設定されている作業を実施すべき時期の天気データに基づいて、例えば台風が接近している旨の通知情報等が通知されても構わない。サーバ装置10内のDBには、通知される内容に応じて、本実施形態において説明したデータ以外のデータが管理されていてもよい。
また、本実施形態に係る栽培計画管理システムはサーバ装置10及びクライアントデバイス20を備えるものとして説明したが、当該栽培計画管理システムは、1の装置によって実現されても構わない。すなわち、栽培計画管理システムは、サーバ装置10の機能を更に備えたクライアントデバイス20によってのみ構成されてもよいし、クライアントデバイス20の機能を更に備えたサーバ装置10によってのみ構成されてもよい。栽培計画管理システムがサーバ装置10によってのみ構成される場合には、リモートコントローラのような外部電子機器からの信号を受信するための受信部として機能するインタフェースはTV装置40に備えられていればよい。
更に、本実施形態において説明したサーバ装置10(またはクライアントデバイス20)が有する各機能が複数の装置に分散された構成とすることも可能である。
以上説明した一実施形態によれば、栽培計画管理システムは、過去の作業の実績を登録する際に、特に、追肥や農薬散布の実績を登録する際に、ユーザ(営農者)が所有している肥料や農薬をTV装置40に優先的に提示する所有物優先提示処理を実行可能な構成を備えているので、作業実績の記録に要する手間を低減させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。