JP2016154196A - エピタキシャル成長装置及びサセプタサポートシャフト - Google Patents

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Abstract

【課題】リフトピンの安定した昇降運動を実現できるエピタキシャル成長装置を提供する。【解決手段】エピタキシャル成長装置100において、サセプタサポートシャフト30は、支柱32からサセプタ20の周縁部下方に放射状に、かつ、上下方向が重なるように延びる3本以上の第1アーム34と第2アーム36とを有する。リフトピン40は、上下方向が重なる第1アームの第1貫通孔34A及び第2アームの第2貫通孔36Aに挿通され、第1貫通孔34A及び第2貫通孔36Bを区画する壁面と摺動する。これにより、リフトピン40の安定した昇降運動が実現される。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウェーハの表面上にエピタキシャル膜を気相成長させるエピタキシャル成長装置、及び、該装置内で半導体ウェーハを載置するサセプタを下方から支持するサセプタサポートシャフトに関する。
エピタキシャルウェーハは、半導体ウェーハの表面上にエピタキシャル膜を気相成長させたものである。例えば、結晶の完全性がより要求される場合や抵抗率の異なる多層構造を必要とする場合などには、シリコンウェーハ上に単結晶シリコン薄膜を気相成長(エピタキシャル成長)させてエピタキシャルシリコンウェーハを製造する。
エピタキシャルウェーハの製造には、例えば枚葉式エピタキシャル成長装置を用いる。ここで、一般的な枚葉式エピタキシャル成長装置について、図6を参照して説明する。図6に示すように、エピタキシャル成長装置200は、上部ドーム11、下部ドーム12及びドーム取付体13を含むチャンバ10を有し、該チャンバ10がエピタキシャル膜形成室を区画する。チャンバ10には、その側面の対向する位置に反応ガスの供給及び排出を行うガス供給口15及びガス排出口16が設けられる。一方、チャンバ10内には、シリコンウェーハWが載置されるサセプタ20が配置される。サセプタ20は、下方からサセプタサポートシャフト30により支持される。サセプタサポートシャフト30は、支柱32と、この支柱32から放射状に等間隔に延びる3本のアーム34(1本は図示せず)とを含み、アームの先端の3つの支持ピン38(1つは図示せず)でサセプタ20の下面外周部を勘合支持する。また、サセプタ20には3つの貫通孔(1つは図示せず)が形成され、3本のアーム34にも貫通孔が1つずつ形成されている。これらアームの貫通孔及びサセプタの貫通孔には、リフトピン40が挿通される。リフトピン40の下端部は昇降シャフト50に支持される。チャンバ10内に搬入された半導体ウェーハWの支持、この半導体ウェーハWのサセプタ20上への載置、及び、気相成長後のエピタキシャルウェーハのチャンバ2外への搬出の際には、昇降シャフト50が昇降することで、リフトピン40がアームの貫通孔及びサセプタの貫通孔と摺動しながら昇降し、その上端部で半導体ウェーハWの昇降を行う。
また、特許文献1には、上記のようなサセプタサポートシャフトの第1アームに設けられた貫通孔に筒状部材を設けて、これによりリフトピンの昇降運動をガイドする技術が記載されている。
特開2003−100855号公報
上記のように、エピタキシャル成長装置では、リフトピンを昇降することが必須となる。リフトピンが半導体ウェーハを支持する際に、この半導体ウェーハ裏面のリフトピンが当接する部分には、リフトピンが上昇しながら当り、引き続きリフトピンの上端部の接触が維持されるため、当該部分に疵(ピンマーク)が発生していた。
また、リフトピンの昇降動作中は、リフトピンがサセプタの貫通孔を区画する壁面と摺れ合う結果、リフトピンからの発塵があった。この塵はパーティクルとなってエピタキシャル膜表面に付着し、エピタキシャルウェーハの品質を低下させるため、その抑制が望まれていた。
このような疵の程度や発塵の発生を抑制するには、リフトピンの安定した昇降運動が必要であると考えられる。しかしながら、特許文献1のような筒状部材によるリフトピンのガイド技術のみでは安定性の向上が不十分であるため、リフトピンのサセプタの貫通孔を区画する壁面との摺動を回避できず、発塵は抑制できない。また、筒状部材は第1アームとは別部材として第1アームに溶着させなければならず、長期の使用でアームから筒状部材が離脱するおそれもある。そのため、筒状部材に替わる技術が望まれる。
そこで本発明は、上記課題に鑑み、リフトピンの安定した昇降運動を実現できるサセプタサポートシャフト及びエピタキシャル成長装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の要旨構成は以下のとおりである。
(1)半導体ウェーハの表面上にエピタキシャル膜を気相成長させるエピタキシャル成長装置であって、
チャンバと、
3以上の貫通孔を有し、前記チャンバの内部で前記半導体ウェーハを載置するサセプタと、
前記サセプタを下方から支持するサセプタサポートシャフトであって、
前記サセプタの中心とほぼ同軸上に配置される主柱と、
前記支柱から前記サセプタの周縁部下方に放射状に延び、第1貫通孔を有する3本以上の第1アームと、
前記支柱から前記サセプタの周縁部下方に放射状に、かつ、前記第1アームの上方に延び、第2貫通孔を有する、前記第1アームの本数と同じ数の第2アームと、
上下方向が重なる前記第1アーム及び前記第2アームの先端同士を連結し、前記サセプタを直接支持する、前記第1アームの本数と同じ数の支持ピンと、
を有するサセプタサポートシャフトと、
上端部及び下端部を有し、前記サセプタの前記貫通孔内に挿通され、上下方向に昇降されることにより、前記上端部で前記半導体ウェーハを支持しながら前記半導体ウェーハを前記サセプタ上に着脱させる、3本以上のリフトピンと、
前記リフトピン下端部を支持しながら前記リフトピンを昇降させる昇降シャフトと、
を有し、それぞれの前記リフトピンが、上下方向が重なる前記第1アームの前記第1貫通孔及び前記第2アームの前記第2貫通孔にも挿通されることを特徴とするエピタキシャル成長装置。
(2)前記リフトピンの鉛直方向に対する傾きが0.8度以下となるように、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔の孔径及び位置を設定する上記(1)に記載のエピタキシャル成長装置。
(3)前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔の位置において、前記第1アームの下面から前記第2アームの上面までの距離が10mm以上30mm以下である上記(1)又は(2)に記載のエピタキシャル成長装置。
(4)サセプタに載置した半導体ウェーハの表面上にエピタキシャル膜を気相成長させるエピタキシャル成長装置内で、前記サセプタを下方から支持するサセプタサポートシャフトであって、
前記サセプタの中心とほぼ同軸上に配置される主柱と、
前記支柱から前記サセプタの周縁部下方に放射状に延び、第1貫通孔を有する3本以上の第1アームと、
前記支柱から前記サセプタの周縁部下方に放射状に、かつ、前記第1アームの上方に延び、第2貫通孔を有する、前記第1アームの本数と同じ数の第2アームと、
上下方向が重なる前記第1アーム及び前記第2アームの先端同士を連結し、前記サセプタを直接支持する、前記第1アームの本数と同じ数の支持ピンと、
を有し、
上下方向が重なる前記第1アーム及び前記第2アームに設けられた前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔が、上下方向の同じ位置に設けられることを特徴とするサセプタサポートシャフト。
本発明のサセプタサポートシャフト及びエピタキシャル成長装置によれば、リフトピンの安定した昇降運動が実現できる。
本発明の一実施形態によるエピタキシャル成長装置100の模式図であり、リフトピン40がサセプタ20に対して下降した状態(気相成長時)を示す。 本発明の一実施形態によるエピタキシャル成長装置100の模式図であり、リフトピン40がサセプタ20に対して上昇し、半導体ウェーハWを支持している状態を示す。 (A)はサセプタ20、(B)はサセプタサポートシャフト30の分解斜視図である。 (A)はリフトピン40、(B)は昇降シャフト50の分解斜視図である。 サセプタ20、サセプタサポートシャフト30、リフトピン40、及び昇降シャフト50の位置関係を示した模式図である。 従来のエピタキシャル成長装置200の模式図であり、リフトピン40がサセプタ20に対して下降した状態(気相成長時)を示す。
図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態によるエピタキシャル成長装置100を説明する。また、図3〜5を参照して、このエピタキシャル成長装置100に含まれる、本発明の一実施形態によるサセプタサポートシャフト30を説明する。
(エピタキシャル成長装置)
図1及び図2に示すエピタキシャル成長装置100は、チャンバ10と、図3(A)にも示すサセプタ20と、図3(B)にも示すサセプタサポートシャフト30と、図4(A)にも示す3本のリフトピン40A,40B,40Cと、図4(B)にも示す昇降シャフト50とを有する。
(チャンバ)
チャンバ10は、上部ドーム11、下部ドーム12及びドーム取付体13を含み、このチャンバ10がエピタキシャル膜形成室を区画する。チャンバ10には、その側面の対向する位置に反応ガスの供給及び排出を行うガス供給口15及びガス排出口16が設けられる。
(サセプタ)
サセプタ20は、チャンバ10の内部で半導体ウェーハWを載置する円盤状の部材である。図3(A)も参照して、サセプタ20は、周方向に120°等間隔で、表裏面を鉛直方向に貫通する3つの貫通孔22A,22B,22Cを有する。これら貫通孔22A,22B,22Cには、後述するリフトピン40A,40B,40Cがそれぞれ挿通される。各貫通孔は、半導体ウェーハWの半径50%以上の裏面部領域をリフトピンで支持するように同心円状に位置する。サセプタ20は、厚みが概ね20〜40mm程度であり、カーボングラファイト(黒鉛)を母材とし、その表面を炭化ケイ素(SiC:ビッカース硬度2,346kgf/mm2)でコーティングしたものを使用することができる。サセプタ20の表面には、半導体ウェーハWを収容し載置するザグリ部(図示せず)が形成されている。
(サセプタサポートシャフト)
サセプタサポートシャフト30は、チャンバ10内でサセプタ20を下方から支持するものであり、図3(B)に示すように、支柱32と、3本の第1アーム34A,34B,34Cと、3本の第2アーム36A,36B,36Cと、3本の支持ピン38A,38B,38Cとを有する。支柱32は、サセプタの中心とほぼ同軸上に配置される。
第1アーム34A,34B,34Cは、支柱32からサセプタ20の周縁部下方に放射状に延び、それぞれ鉛直方向に貫通する第1貫通孔35A,35B,35Cを有する。また、第2アーム36A,36B,36Cは、支柱32からサセプタ20の周縁部下方に放射状に、かつ、それぞれ第1アーム34A,34B,34Cの上方に延び、それぞれ鉛直方向に貫通する第2貫通孔37A,37B,37Cを有する。なお、本明細書において「サセプタの周縁部」とは、サセプタ中心からサセプタ半径の80%以上外側の領域を意味する。支持ピン38A,38B,38Cは、それぞれ上下方向が重なる第1アーム34A,34B,34C及び第2アーム36A,36B,36Cの先端同士を連結し、サセプタ20を直接支持する。すなわち、支持ピン38A,38B,38Cは、サセプタの裏面周縁部を支持する。第1貫通孔35A,35B,35Cと第2貫通孔37A,37B,37Cとは、それぞれ上下方向の同じ位置に設けられ、やはり後述するリフトピン40A,40B,40Cがそれぞれ挿通される。本実施形態の特徴的部分は、このようなサセプタサポートシャフト30の構造であり、その技術的意義は後述する。
サセプタサポートシャフト103は、石英(ビッカース硬度1,103kgf/mm2)で構成することが望ましく、特に合成石英で構成することが望ましい。ただし、支持ピン38A,38B,38Cの先端部分は、サセプタ20と同じ炭化ケイ素で構成することが好ましい。
(リフトピン)
図4(A)に示すように、リフトピン40A,40B,40Cは、サセプタ20の貫通孔22A,22B,22Cにそれぞれ挿通される直胴部44A,44B,44Cと、該直胴部44A,44B,44C及び貫通孔22A,22B,22Cよりも太径の上端部42A,42B,42Cと、下端部46A,46B,46Cとをそれぞれ有する。リフトピン40A,40B,40Cは、第1アームの第1貫通孔35A,35B,35C、第2アームの第2貫通孔37A,37B,37C、及びサセプタ20の貫通孔22A,22B,22C内にそれぞれ挿通される。リフトピン40A,40B,40Cは、後述の昇降シャフト50によって、上下方向に昇降されることにより、上端部42A,42B,42Cで半導体ウェーハW(半径50%以上の裏面部領域)を支持しながら半導体ウェーハWをサセプタ20上に着脱させることができる。この動作についても詳細は後述する。リフトピン40A,40B,40Cは、サセプタ20と同様に、カーボングラファイト基材に炭化ケイ素を被覆してなるのが一般的である。
(昇降シャフト)
図4(B)に示すように、昇降シャフト50は、サセプタサポートシャフト30の主柱32を収容する中空を区画し、この主柱32と回転軸を共有する主柱52と、この主柱52の先端で分岐する3本の支柱54A,54B,54Cとを有し、これら支柱54A,54B,54Cの先端部でリフトピンの下端部46A,46B,46Cをそれぞれ支持する。昇降シャフト50は石英で構成されることが好ましい。昇降シャフト50が、サセプタサポートシャフト30の主柱32に沿って上下動することにより、リフトピン40A,40B,40Cを昇降させることができる。
(加熱ランプ)
加熱ランプ14は、チャンバ10の上側領域および下側領域に配置され、一般に、昇降温速度が速く、温度制御性に優れた、ハロゲンランプや赤外ランプが用いられる。
(エピタキシャルウェーハの製造手順)
次に、チャンバ10内への半導体ウェーハWの搬入、半導体ウェーハWへのエピタキシャル膜の気相成長、及び製造されたエピタキシャルウェーハのチャンバ10外への搬出の一連の動作を、図1及び図2を適宜参照して説明する。
チャンバ10内に搬入した半導体ウェーハWは、リフトピン40A,40B,40C(図1及び図2において40Bは図示せず)をサセプタ20の上方に向けて移動し、リフトピンの上端部42A,42B,42Cを半導体ウェーハWの裏面に当接させて半導体ウェーハWをリフトピン40A,40B,40Cで一旦支持する。リフトピン40A,40B,40Cの上昇移動は、これらの下端部46A,46B,46Cを支持する昇降シャフト50の上昇移動を介して行う。
次いで、サセプタサポートシャフト30を上昇させることで、サセプタ20を半導体ウェーハWの位置まで移動し、半導体ウェーハWをサセプタ20上に載置する。この状態において、リフトピンの上端部42A,42B,42Cは、サセプタの貫通孔22A,22B,22C内に収められる。その後、加熱ランプ14により半導体ウェーハWを1000℃以上の温度に加熱する一方、ガス供給口15からチャンバ10内に反応ガスを供給して、所定の厚さのエピタキシャル膜を気相成長させて、エピタキシャルウェーハを製造する。気相成長中は、主柱32を回転軸としてサセプタサポートシャフト30を回転させることで、サセプタ20及びその上の半導体ウェーハWを回転させる。
その後、サセプタサポートシャフト30を下降させることで、サセプタ20を下降させる。この下降は、リフトピン40A,40B,40Cが昇降シャフト50に支持されサセプタ20から突出する位置まで行い、製造後のエピタキシャルウェーハをリフトピン40A,40B,40Cにて支持しておく。そして、チャンバ10内に図示しない搬送ブレードを導入し、リフトピン40A,40B,40Cを下降して搬送ブレード上にエピタキシャルウェーハを載置する。こうして、エピタキシャルウェーハをリフトピン40A,40B,40Cから搬送ブレードに受け渡す。その後、搬送ブレードとともにエピタキシャルウェーハをチャンバ10外へ搬出する。
本実施形態では、第1貫通孔35A,35B,35Cと第2貫通孔37A,37B,37Cとがそれぞれ上下方向の同じ位置に設けられ、つまり孔中心が鉛直方向に一致し、ここにリフトピン40A,40B,40Cがそれぞれ挿通される。そして、リフトピン40A,40B,40Cの昇降運動の際に、これらは第1貫通孔35A,35B,35C及び第2貫通孔37A,37B,37Cを区画する壁面と摺動する。このように、上下方向の重なる位置にアームが複数本あることによって、従来のように上下方向に1本のアームのみがある場合に比べて、リフトピンの安定した昇降運動が実現できる。
その結果、搬送温度(600〜900℃)において、リフトピン40A,40B,40Cが昇降運動の際にサセプタの貫通孔22A,22B,22Cを区画する壁面とは摺動しなくなる。その結果、リフトピン40A,40B,40Cからの発塵を抑えることができ、エピタキシャル膜の品質を向上させることができる。また、リフトピン40A,40B,40Cが安定して昇降するため、リフトピン40A,40B,40Cが当接することにより生じるエピタキシャルウェーハ裏面のピンマークの程度が抑制される。
また、アームを上下方向の重なる位置に複数本設けたことで、サセプタサポートシャフト30の強度も向上し、熱変形が抑制される。その結果、サセプタ20の回転時(気相成長時)のサセプタ20の波打ちや偏心が抑制され、エピタキシャル膜の膜厚均一性が向上する。
リフトピンとサセプタの貫通孔を区画する壁面との摺動を防ぐために、サセプタの貫通孔の孔径を十分に大きくすることも考えられる。しかし、その場合、サセプタから半導体ウェーハへの熱伝達が阻害され、エピタキシャル膜の膜厚の均一性が損なわれる。そのため本実施形態では、サセプタの貫通孔の孔径を過度に大きくせずに、例えば、サセプタの貫通孔22A,22B,22Cの孔径とリフトピンの直胴部44A,44B,44Cの周径との差を0.5mm以上0.6mm以下と設定することが好ましい。
そして、気相成長時(高温状態)で鉛直方向に対するリフトピンの上下方向の傾きを低減するために、サセプタ20とサセプタサポートシャフト30との熱膨張係数の差を考慮した設計とすることが望ましい。具体的には、気相成長前(常温状態)において、サセプタサポートシャフトの第1貫通孔35A,35B,35C及び第2貫通孔37A,37B,37Cの中心位置を、サセプタの貫通孔22A,22B,22Cの中心位置よりも0.10mm以上0.35mm以下の範囲内で外方に位置させることが好ましい。換言すると、サセプタの中心から貫通孔22A,22B,22Cの中心までの距離よりも、支柱の中心から第1貫通孔35A,35B,35C及び第2貫通孔37A,37B,37Cの中心までの距離を、0.10mm以上0.35mm以下の範囲内で長くすることが好ましい。その結果、気相成長時(高温状態)には、サセプタサポートシャフトの第1貫通孔35A,35B,35C及び第2貫通孔37A,37B,37Cの中心位置と、サセプタの貫通孔22A,22B,22Cの中心位置とは、鉛直方向にほぼ一致するため、リフトピンの鉛直方向に対する傾きを0.8度以下とすることができ、サセプタの貫通孔を区画する壁面とリフトピンとの摺動をより確実に防止することができる。
また、リフトピンの鉛直方向に対する傾きを低減させる観点からは、サセプタサセプタサポートシャフトの第1貫通孔35A,35B,35C及び第2貫通孔37A,37B,37Cの孔径とリフトピンの直胴部44A,44B,44Cの周径との差は、0.5mm以上0.6mm以下とすることが好ましい。
また、図5に示すように、第1貫通孔35A及び第2貫通孔37Aの位置において、第1アーム34Aの下面から第2アーム36Aの上面までの距離Dは10mm以上30mm以下とすることが好ましい。距離Dが10mm未満の場合、リフトピンの昇降を鉛直方向に規制する機能が十分に得られない可能性がある。距離Dが30mmを超えると、エピタキシャル成長処理中、サセプタと接触する支持ピン38A,38B,38Cの長さ、およびリフトピン40A,40B,40Cの長さが長尺化してしまい、サセプタから支持ピンやリフトピンへの熱伝導量が増大してサセプタの均熱化を阻害し、成長させるエピタキシャル膜厚が不均一化するおそれがある。
上記本実施形態では、上下方向の重なる位置に2本のアームを設けた例を示したが、本発明はこれに限定されず、3本以上設けてもよい。また、支柱32から分岐する方向には、等間隔に3本のアームを延在させる例を示したが、本発明はこれに限定されず、4本以上分岐させてもよい。
(発明例)
図1〜5に示したエピタキシャル成長装置を用いて、上記した手順に従って、エピタキシャルシリコンウェーハを製造した。ここで、サセプタは、カーボン基材の表面にSiCコートしたものを用いた。また、エピタキシャルウェーハの基板としては、ボロンドープされた直径300mmのシリコンウェーハを用いた。
エピタキシャルウェーハの製造は、まず、原料ソースガスであるトリクロロシランガスを温度1150℃にて供給し、サセプタの表面に対してシリコンコートを施した。次いで、シリコンウェーハをチャンバ内に導入し、リフトピンを用いてサセプタ上に載置した。続いて、1150℃にて、水素ガスを供給し、水素ベークを行った後、1150℃にて、シリコンのエピタキシャル膜を4μm成長させてエピタキシャルシリコンウェーハを得た。同一条件で100枚のエピタキシャルシリコンウェーハを製造した。ここで、原料ソースガスとしてはトリクロロシランガスを用い、また、ドーパントガスとしてジボランガス、キャリアガスとして水素ガスを用いた。
気相成長時のリフトピンの鉛直方向に対する傾きが0.6度となるように、サセプタサポートシャフトの第1貫通孔及び第2貫通孔の孔径及び位置を設定した。また、第1アームの下面から第2アームの上面までの距離Dは、30mmとした。
(比較例)
図6に示したエピタキシャル成長装置を用いて、発明例と同じ条件で100枚のエピタキシャルシリコンウェーハを製造した。
[表面品質]
発明例及び比較例で製造したエピタキシャルウェーハについて、表面検査装置(KLA-Tencor社製:Surfscan SP-2)を用いて、DCOモード(Dark Field Composite Obliqueモード)でエピタキシャル膜表面を観察し、直径が0.25μm以上のLPD(Light Point Defect)の個数を調べた。この測定結果によって、発塵によるパーティクルの発生状況を評価することができる。その結果、比較例では0.22個/ウェーハであったのに対して、発明例では0.10個/ウェーハと、減少していた。
[裏面品質]
発明例及び比較例で製造したエピタキシャルウェーハについて、表面検査装置(KLA-Tencor社製:Surfscan SP-2)を用いて、DCOモードで裏面を観察し、リフトピン当接領域における、レーザー反射の設定値以上の散乱強度を有する領域の面積(ピンマーク強度)を測定し、エピタキシャルウェーハ裏面のリフトピン起因の疵付きを評価した。その結果、比較例では平均0.72mmであったのに対して、発明例では平均0.58mmと、減少していた。
本発明は、リフトピンの安定した昇降運動を実現できるサセプタサポートシャフト及びエピタキシャル成長装置を提供するので、エピタキシャル半導体ウェーハを製造に好適に適用できる。
100 エピタキシャル成長装置
10 チャンバ
11 上部ドーム
12 下部ドーム
13 ドーム取付体
14 加熱ランプ
15 ガス供給口
16 ガス排出口
20 サセプタ
22A,22B,22C 貫通孔
30 サセプタサポートシャフト
32 主柱
34A,34B,34C 第1アーム
35A,35B,35C 第1貫通孔
36A,36B,36C 第2アーム
37A,37B,37C 第2貫通孔
38A,38B,38C 支持ピン
40A,40B,40C リフトピン
42A,42B,42C 上端部(頭部)
44A,44B,44C 直胴部
46A,46B,46C 下端部
50 昇降シャフト
52 主柱
54A,54B,54C 支柱
W 半導体ウェーハ

Claims (4)

  1. 半導体ウェーハの表面上にエピタキシャル膜を気相成長させるエピタキシャル成長装置であって、
    チャンバと、
    3以上の貫通孔を有し、前記チャンバの内部で前記半導体ウェーハを載置するサセプタと、
    前記サセプタを下方から支持するサセプタサポートシャフトであって、
    前記サセプタの中心とほぼ同軸上に配置される主柱と、
    前記支柱から前記サセプタの周縁部下方に放射状に延び、第1貫通孔を有する3本以上の第1アームと、
    前記支柱から前記サセプタの周縁部下方に放射状に、かつ、前記第1アームの上方に延び、第2貫通孔を有する、前記第1アームの本数と同じ数の第2アームと、
    上下方向が重なる前記第1アーム及び前記第2アームの先端同士を連結し、前記サセプタを直接支持する、前記第1アームの本数と同じ数の支持ピンと、
    を有するサセプタサポートシャフトと、
    上端部及び下端部を有し、前記サセプタの前記貫通孔内に挿通され、上下方向に昇降されることにより、前記上端部で前記半導体ウェーハを支持しながら前記半導体ウェーハを前記サセプタ上に着脱させる、3本以上のリフトピンと、
    前記リフトピンの下端部を支持しながら前記リフトピンを昇降させる昇降シャフトと、
    を有し、それぞれの前記リフトピンが、上下方向が重なる前記第1アームの前記第1貫通孔及び前記第2アームの前記第2貫通孔にも挿通されることを特徴とするエピタキシャル成長装置。
  2. 前記リフトピンの鉛直方向に対する傾きが0.8度以下となるように、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔の孔径及び位置を設定する請求項1に記載のエピタキシャル成長装置。
  3. 前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔の位置において、前記第1アームの下面から前記第2アームの上面までの距離が10mm以上30mm以下である請求項1又は2に記載のエピタキシャル成長装置。
  4. サセプタに載置した半導体ウェーハの表面上にエピタキシャル膜を気相成長させるエピタキシャル成長装置内で、前記サセプタを下方から支持するサセプタサポートシャフトであって、
    前記サセプタの中心とほぼ同軸上に配置される主柱と、
    前記支柱から前記サセプタの周縁部下方に放射状に延び、第1貫通孔を有する3本以上の第1アームと、
    前記支柱から前記サセプタの周縁部下方に放射状に、かつ、前記第1アームの上方に延び、第2貫通孔を有する、前記第1アームの本数と同じ数の第2アームと、
    上下方向が重なる前記第1アーム及び前記第2アームの先端同士を連結し、前記サセプタを直接支持する、前記第1アームの本数と同じ数の支持ピンと、
    を有し、
    上下方向が重なる前記第1アーム及び前記第2アームに設けられた前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔が、上下方向の同じ位置に設けられることを特徴とするサセプタサポートシャフト。
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