JP2016153368A - 炭化水素の改質による水素の製造方法、水素の製造装置、燃料電池の運転方法、及び燃料電池の運転装置 - Google Patents

炭化水素の改質による水素の製造方法、水素の製造装置、燃料電池の運転方法、及び燃料電池の運転装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ニッケル、マグネシウム、及び、アルミナを主体とする触媒を用いて、硫黄化合物を含有する炭化水素を水素や一酸化炭素等の燃料に変換する際に、硫黄被毒による触媒劣化を抑えるための、炭化水素の改質による水素製造方法を提供する。
【解決手段】水蒸気改質用触媒を用いて、硫黄化合物と炭化水素を含む原料ガスを改質して、炭化水素から水素と一酸化炭素を含む改質ガスを生成させる炭化水素の改質工程を含む、炭化水素の改質による水素の製造方法であって、前記炭化水素の改質工程で生成した水素を含む改質ガスの一部を、前記炭化水素の改質工程における原料ガス中に戻すことを特徴とする炭化水素の改質による水素の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化水素改質用触媒を用いて、メタンなどの炭化水素を水蒸気により改質し、水素や一酸化炭素等のガスへ変換する、炭化水素の改質による水素製造方法、水素製造装置、前記水素製造方法を利用した燃料電池の運転方法及び運転装置に関する。
水素は、新エネルギーの原料として期待されており、水素ステーション用水素製造装置での製造や、家庭や中小事業所等への普及が期待されている固定用燃料電池システム等で用いられており、オンサイトでの製造が検討されている。現在、水素ステーションや家庭用燃料電池では、天然ガス、LNG、都市ガス、LPG、灯油等を原料として水素を製造しているが、貴金属元素を担持した触媒が一般的に使用されているため、非常に高価なシステムとなっている。
これらの水素製造システムの普及を目指すためには、製造システムの低価格化が重要となっており、その中でも燃料から水素を製造するための改質用触媒の価格が大きな割合を占めている。つまり、改質触媒の更なる高性能化とともに、貴金属の使用量を減らし、低価格化を実現することが水素製造システムの普及促進に繋がると考えられる。したがって、貴金属を用いる改質用触媒から、貴金属の使用量を大幅に低減させた改質用触媒や、より廉価な元素を使用する改質用触媒が望まれている。
廉価な金属元素として、例えば、ニッケルはその可能性をもった元素の一つである。従来、炭化水素の改質用触媒として最も多用されているニッケル/アルミナ系触媒(例えば、特許文献1、参照)は、アルミナ相が高温度領域でα−アルミナ相に変化し、結晶成長も進行するため、触媒比表面積が急激に低下し、これに応じて反応活性が低下する等の問題がある。
また、これらの触媒は、ニッケルを多量に含み、触媒表面で炭素析出が起こりやすいので、それを防止するために、アルカリ成分として、カリウムやカルシウムが添加されていることが多い(特許文献2、参照)。この場合、触媒の使用中に、カリウム化合物が、反応装置や配管等に飛散して、腐食の発生等の問題がある。加えて、上記触媒は、ニッケルの担持量は多いが、分散度が低く、活性金属が粗大析出している。そのため高い反応速度で改質反応を進めることが困難であるという問題があり、被毒作用のある硫黄化合物を含有した炭化水素を改質する場合には、活性金属と硫黄との間で安定な化合物を生成して、硫黄被毒の影響を大きく受けるため、触媒活性が大幅に低下する問題等がある。
一方、アルミナに他の成分を添加し、複合酸化物とした耐熱性担体を用いる方法も報告されている。例えば、アルミナにランタン、リチウム又はストロンチウムを含浸して調製した物質(例えば、特許文献3〜5、参照)、アルミナに希土類塩からそれらの水酸化物を共沈させて調製した物質(特許文献6、参照)、さらにアルミナにマグネシアを添加して焼成したスピネル系の物質(特許文献7、参照)等が報告されている。これらの担体は、いずれも多孔質の担体をまず調製し、その多孔体の細孔内に、ニッケル活性成分を含浸法により担持させることを前提としたものであって、活性成分の微細分散に限界があるため、触媒活性の面で劣るものである。
従来の貴金属系の触媒としては、触媒担体としてのアルミナ等にルテニウム、白金、ロジウム等を担持した触媒が知られている。これらの触媒は、貴金属成分の物性を利用して、炭素析出を抑制する作用を持つため、前記のニッケル系触媒と比較して、炭素の析出が少なく、活性の維持も容易である特徴を有する。しかしながら、これらの触媒も硫黄化合物により被毒され易いという欠点を有するため、通常、脱硫工程を経て硫黄化合物をppbレベルにまで低減した炭化水素を改質反応させている(特許文献8、参照)。
一方、ニッケルとマグネシウム及びアルミニウムを含んだ酸化物の製造方法として、各金属成分を溶かした水溶液から沈殿剤を用いて、沈殿物(主にハイドロタルサイト構造)を生成し、その後、焼成した材料について、非特許文献1や特許文献9などで公開されている。非特許文献1で公開されているものは、メタンの部分酸化触媒として、ニッケルと、マグネシウムと、アルミニウムとを含む溶液からの沈殿物を用いて製造される触媒を用いて、メタンと酸素を反応させて、合成ガスを製造する方法が提案されている。また、特許文献9では、硫黄化合物を含有する炭化水素原料(ガス及びタール)と改質物質とから、合成ガス及び水素の一方又は両方を得る炭化水素の改質方法が提案されているが、原料に含まれる硫化水素濃度が0ppmより大きく、20ppmより小さい場合の効果については言及されていない。
さらに、近年の地球温暖化問題により、二酸化炭素排出量削減の有効手段として炭素質原料の一つであるバイオマス利用が注目されており、バイオマスの高効率エネルギー転換に関する研究が各所で行われている。また、昨今のエネルギー資源確保の観点から、過去精力的に行われてきた石炭の有効活用に関する研究も実用化に向けて見直されてきている。
その中でバイオマスを乾留することによって生成するタールをガス化して、粗ガス(未精製ガス)を生成し、その顕熱を利用する方法については、特に触媒を用いたタールの触媒改質反応を中心に、特許文献7などをはじめとして種々検討されているが、上記石炭由来タールの分解反応と同様、触媒活性、触媒再生の観点からは必ずしも十分ではない。
一方、燃料電池システムにおいても、炭化水素の改質による水素製造工程は、燃料電池システムの中でも重要な工程であり、また装置全体のコストでも大きな割合を占めている。従来の燃料電池システムは、例えば、特許文献10で検討されているように、脱硫工程、改質反応工程、シフト反応工程、CO選択酸化工程とからなり、システム内の排熱やガスの有効利用等も取り入れられ、CO選択酸化工程後の水素の一部を、脱硫前のガスに添加して、水素化脱硫反応を行っている。添加された水素は、脱硫反応によって、硫化水素となる。
特公昭59−044346号公報 特開昭58−076487号公報 特開平08−134456号公報 米国特許第5516359号明細書 特開2000−054852号公報 特開2003−055671号公報 特開2005−053972号公報 特開2006−045049号公報 特開2004−000900号公報 特開2004−082033号公報
F.Basile et al., Stud. Surf. Sci. Catal., Vol.119(1998)
特許文献9に記載の技術は、水素ガスを多量に含む硫黄化合物含有の原料ガスには有効なものの、水素ガスを含まないか、少量しか含まない硫黄化合物含有の原料ガスを用いた場合には、硫黄化合物の含有量が20ppm以下と少ない原料ガスを使用した場合であっても、長期使用時に触媒劣化が生じることが、発明者等の検討により判ってきた。
本発明は、上記の従来技術の現状に鑑みて、貴金属系触媒よりもコストを抑えられる、例えば、ニッケル、マグネシウム、及び、アルミナを主体とする触媒を用いて、硫化水素等の硫黄化合物を含有する炭化水素の原料ガスを、水素や一酸化炭素等の燃料に変換する際に、硫黄被毒による触媒劣化を抑えるための、炭化水素の改質による水素製造方法、水素製造装置、前記水素製造方法を用いた燃料電池の運転方法及び運転装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、高価な貴金属系触媒よりもコストを抑えられる、例えば、ニッケル、マグネシウム、及び、アルミナを主体とする触媒に注目し、触媒を構成する元素や組成と、反応中に触媒と接触するガスとの反応性に着目して、その改質方法及び改質装置について鋭意検討した。
その結果、炭素質原料の熱分解時に粗ガスに含有・随伴するタールや、メタンなどの軽質炭化水素を、水素や一酸化炭素等主体の化学物質へ転換する触媒の製法として、従来の触媒担持法とは異なり、活性種金属の微細析出が可能で高速反応が可能、析出した活性金属がマトリクス(母相)と強固に結合するためシンタリング(粗大化)しにくく活性低下を抑制可能、並びに析出した活性種金属を焼成によりマトリクスへ再度固溶でき、シンタリングが抑制可能な再生ができるなどの種々の特徴を有する固相晶析法が大変好ましいことを見出した。
具体的には、例えば、予め活性種であるニッケル元素をマトリクスとなるアルミナ、マグネシアなどと化合物化し、反応前の還元処理で酸化物マトリクスからニッケル金属が酸化物表面にクラスター上に微細析出することを利用し、さらに、原料ガス中に水素ガスを追加して含有させることによって、触媒被毒となり得る硫黄成分の高濃度の雰囲気下において、タール等重質炭化水素やメタン等軽質炭化水素から、水素や一酸化炭素等の軽質化学物質へ変換する際に、硫黄被毒による活性劣化を抑えることができることを見出したことにより、本発明の炭化水素の改質方法及び改質装置を為すに至ったものである。
(1)水蒸気改質反応用触媒を用いて、硫黄化合物と炭化水素を含む原料ガスを改質して、炭化水素から水素と一酸化炭素を含む第1の改質ガスを生成させる炭化水素の改質工程を含む、炭化水素の改質による水素の製造方法であって、
前記炭化水素の改質工程で生成した水素を含む前記第1の改質ガスの一部を、前記炭化水素の改質工程における原料ガス中に戻す、又は、新たに水素を前記炭化水素の改質工程における原料ガス中に導入することを特徴とする炭化水素の改質による水素の製造方法。
(2)初期の原料ガス中の水素の割合が、前記原料ガス中の炭化水素のモル濃度に対して、10モル%未満であり、
前記生成した水素を含む前記第1の改質ガスの一部を前記原料ガス中に戻した後、又は、新たに水素を前記改質工程における原料ガス中に導入した後の、改質前の原料ガス中の水素の割合が、前記改質前の原料ガス中の炭化水素のモル濃度に対して、10〜100モル%であることを特徴とする(1)に記載の炭化水素の改質による水素の製造方法。
(3)前記水蒸気改質反応用触媒が、ニッケル化合物とマグネシウム化合物との混合溶液に沈殿剤を添加して、ニッケルとマネシウムを共沈させて沈殿物を生成し、前記沈殿物に、アルミナ粉末と水、又は、アルミナゾルを加えて混合して混合物を生成し、前記混合物を、少なくとも乾燥及び焼成することを含む触媒製造工程により製造されることを特徴とする(1)又は(2)に記載の炭化水素の改質による水素の製造方法。
(4)前記触媒製造工程が、前記沈殿物の生成後、前記沈殿物を仮焼することを含むことを特徴とする(3)に記載の炭化水素の改質による水素の製造方法。
(5)前記水蒸気改質反応用触媒が、ニッケル化合物とマグネシウム化合物とアルミニウム化合物との混合溶液に沈殿剤を添加して、ニッケルとマネシウムとアルミナを共沈させて沈殿物を生成し、前記沈殿物を、少なくとも乾燥及び焼成することを含む触媒製造工程により製造されることを特徴とする(1)又は(2)に記載の炭化水素の改質による水素の製造方法。
(6)前記水蒸気改質反応用触媒が、前記混合溶液に、更にセリウム化合物を添加して製造され、触媒表面に酸化セリウム微粒子が存在していることを特徴とする(5)に記載の炭化水素の改質による水素の製造方法。
(7)前記硫黄化合物と炭化水素を含む原料ガスが、天然ガス、LNG、シェールガス、都市ガス、又はLPGから選ばれることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1つに記載の炭化水素の改質による水素の製造方法。
(8)前記炭化水素の改質工程で生成した前記第1の改質ガスを、シフト反応させて、前記第1の改質ガス中の水素の割合を増加させるシフト反応工程をさらに含み、
前記炭化水素の改質工程で生成した水素を含む前記第1の改質ガスの一部、又は前記シフト反応工程を経た後の第2の改質ガスの一部の少なくとも一方を、前記炭化水素の改質工程における原料ガス中に戻すことを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1つに記載の炭化水素の改質による水素の製造方法。
(9)初期の原料ガス中の水素の割合が、前記原料ガス中の炭化水素のモル濃度に対して、10モル%未満であり、
前記炭化水素の改質工程で生成した前記第1の改質ガスの一部又は前記シフト反応工程を経た後の前記第2の改質ガスの一部の少なくとも一方を、前記炭化水素の改質工程における原料ガス中に戻した後の、改質前の原料ガス中の水素の割合が、前記改質前の原料ガス中の炭化水素のモル濃度に対して、10〜100モル%であることを特徴とする(8)に記載の炭化水素の改質による水素の製造方法。
(10)(8)に記載の炭化水素の改質による水素の製造方法を用いた、燃料電池の運転方法であって、
前記シフト反応工程を経た後の前記第2の改質ガスを、一酸化炭素選択酸化反応器に通して、前記第2の改質ガス中の一酸化炭素を二酸化炭素に変換する一酸化炭素選択酸化反応工程と、
前記一酸化炭素選択酸化反応工程を経た後の第3の改質ガスを、燃料ガスとして固体高分子型燃料電池へと導入して、燃料電池を作動させる燃料電池作動工程とを、さらに含み、
前記シフト反応工程を経た後の前記第2の改質ガスの一部、及び、前記一酸化炭素選択酸化反応工程を経た後の前記第3の改質ガスの一部の少なくとも一方を、前記炭化水素の改質工程における原料ガス中に戻すことを特徴とする燃料電池の運転方法。
(11)前記炭化水素の改質による水素の製造方法における初期の原料ガス中の水素の割合が、前記原料ガス中の炭化水素のモル濃度に対して、10モル%未満であり、
前記水素の製造方法における、炭化水素の改質工程で生成した前記第1の改質ガスの一部又は前記シフト反応工程を経た後の前記第2の改質ガスの一部の少なくとも一方を、前記炭化水素の改質工程における原料ガス中に戻した後の、改質前の原料ガス中の水素の割合が、前記改質前の原料ガス中の炭化水素のモル濃度に対して、10〜100モル%であることを特徴とする(10)に記載の燃料電池の運転方法。
(12)炭化水素を含有する原料ガスから、水蒸気改質反応用触媒を用いて、水素、一酸化炭素、二酸化炭素を含む第1の改質ガスを製造する改質反応手段と、
前記第1の改質ガスに含まれる一酸化炭素を二酸化炭素に変換するシフト反応手段と、
前記シフト反応手段通過後の第2の改質ガスに含まれる一酸化炭素を二酸化炭素に変換する一酸化炭素選択酸化反応手段とを有し、
シフト反応手段後又は一酸化炭素選択酸化反応手段通過後の少なくとも一方の改質ガスに含まれる水素の一部を前記改質反応手段に循環させる手段を有することを特徴とする水素の製造装置。
(13)初期の原料ガス中の水素の割合が、前記原料ガス中の炭化水素のモル濃度に対して、10モル%未満であり、
前記改質反応手段又はシフト反応手段通過後の少なくとも一方の改質ガスに含まれる水素に一部を前記改質手段に循環させる手段を有し、前記炭化水素の改質手段における原料ガス中に戻した後の、改質前の原料ガス中の水素の割合を、前記改質前の原料ガス中の炭化水素のモル濃度に対して、10〜100モル%に制御する制御手段を有することを特徴とする(12)に記載の水素の製造方法。
(14)水供給手段と、原料ガス供給手段と、触媒が充填された炭化水素の改質器と、前記改質器を加熱する加熱手段と、シフト反応器と、一酸化炭素選択酸化反応器と、固体高分子型燃料電池とを備える燃料電池の運転装置であって、
さらに、前記水供給手段から供給される水と前記原料ガス供給手段から供給される原料ガスとを前記改質器へ導入する配管と、前記改質器から排出される第1の改質ガスを前記シフト反応器へ導入する配管と、前記シフト反応器から排出される第2の改質ガスを前記一酸化炭素選択酸化反応器へ導入する配管と、前記一酸化炭素選択酸化反応器から排出される第3の改質ガスを前記固体高分子型燃料電池へ導入する配管と、
前記改質器へ導入する配管と前記シフト反応器へ導入する配管との間で熱交換するための熱交換器と、
前記シフト反応器から排出される前記第2の改質ガスの一部、及び、前記一酸化炭素選択酸化反応器から排出される前記第3の改質ガスの一部の少なくとも一方を、前記水と前記原料ガスとを前記改質器へ導入する配管へ導入する配管とを備えていることを特徴とする燃料電池の運転装置。
本発明によれば、原料ガス中に水素が殆ど含まれていない硫化水素含有ガスであっても、硫黄被毒による触媒劣化を一定に抑えて、ガス中のメタン等の軽質炭化水素を、水素や一酸化炭素等の化学物質へ転換することが可能になる。
特に、天然ガス、LNG、シェールガス、都市ガス、LPG等で、触媒の被毒物質となる硫化水素を含有するガス中のメタン等の軽質炭化水素と、例えば、水素や一酸化炭素等の化学物質へ転換できる高活性且つ高い耐炭素析出性を有する改質用触媒とを用いた炭化水素の改質方法及び改質装置において、生成した水素の一部を改質反応の原料ガスに循環させることで、硫黄被毒による触媒劣化を一定に抑えることが可能になる。
本発明の水素製造方法を用いた燃料電池システムの一例を示す概略図である。
以下、具体例を示して、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明で使用することができる炭化水素の改質用触媒(「水蒸気改質反応用触媒」ともいう)は、ニッケルが主活性成分として機能触媒であり、タール等の重質炭化水素やメタン等の軽質炭化水素を、ガス中に存在又は外部より導入される水蒸気や二酸化炭素との間の改質反応を触媒することができる。
上記触媒は、好ましくは、(1)ニッケル、マグネシウム、セリウム、アルミニウムを構成元素とし、(2)アルミナ相(単独化合物としてのアルミナ)を5質量%超含まず、(3)少なくとも1種の複合酸化物を含み、好ましくは、NiMgO、MgAl24、及び、CeO2の結晶相を主に含有する金属酸化物と成ることができる。
この触媒は、炭化水素含有ガス中に触媒被毒物質となる高濃度の硫化水素が共存した場合でも、上記ニッケル金属が触媒表面上でクラスター状に微細分散して表面積が大きく、且つ還元雰囲気下では反応中に活性金属粒子が被毒を受けても、反応中に吸着硫黄又は硫化物化した金属と水素が反応して、硫化水素として脱離したり、新たな活性金属粒子がマトリクスから微細析出したりするために、硫黄被毒による活性低下の影響を受けにくいと考えられる。このマトリクス化合物から、水素還元雰囲気下で、活性金属粒子を微細クラスター状に析出させることができる。
また、ニッケル元素と化合物化したアルミナ、マグネシア等の成分のうち、マグネシアは塩基性酸化物であり、二酸化炭素を吸着する機能を保有することにより、主活性成分元素上での析出炭素と反応して一酸化炭素として酸化除去する役割を発揮するために、触媒表面を清浄に保ち、触媒性能を長期間安定に保持できると思われる。
アルミナは、化合物マトリクスを安定に保つバインダー的機能を果たすとともに、NiMgO、及び、NiXMg1-XAl24の結晶相を含有する金属酸化物を触媒として機能させ、硫黄化合物を含有した炭化水素を改質しても、長期間安定的に触媒活性を維持させることができる。ここで、NiXMg1-XAl24の結晶相は、ニッケル化合物及びマグネシウム化合物を含む混合溶液から共沈により、水和物の沈殿物を生成し、この沈殿物の生成後に、アルミニウム成分を加えて混合し、乾燥、焼成すること、あるいは、ニッケル化合物及びマグネシウム化合物及びアルミニウム化合物を含む混合溶液から共沈により、水和物の沈殿物を生成し、この沈殿物を乾燥、焼成することで、得ることができる結晶相である。これらの結晶相は、X線回折測定等では区別できないが、NiAl24、又は、MgAl24のみの場合もあり得る。
本明細書で、「軽質炭化水素」とは、天然ガス、LNG、シェールガス、都市ガス、LPG等に含まれる、C1〜C4のメタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ノルマルブタン、イソブタン等の炭化水素を示す。炭素数が大きいほど分解し易いので、高い活性が得られるが、実際には、天然ガス、LNG、シェールガス、都市ガス、LPG等の原料ガス中に含有量が多い、メタン、エタン、プロパンであることが好ましい。これらの原料ガスに、改質反応後の水素の一部を循環させることで、硫黄化合物を含んだまま触媒と接触させても、原料ガスを水素や一酸化炭素等に安定的に変換できる。
ここで、一般的な硫黄化合物の濃度として、都市ガスやLPGには、付臭剤として、ターシャリーブチルメルカプタン(TBM)等のメルカプタン類や、ジメチルサルファイド(DMS)等のようなサルファイド類が使用されているので、都市ガスやLPGは、約3ppm以下の濃度で硫黄化合物を含有している。また、天然ガスも産出地域により異なるが、数〜数十ppmの硫化水素を含有している。いずれの硫黄化合物も触媒の活性点上で分解して、硫黄が被毒物質となりうると考えられる。
メタン等の軽質炭化水素の改質反応は、軽質炭化水素と水蒸気や二酸化炭素との間で、スチームリフォーミング反応やドライリフォーミング反応が進み、水素や一酸化炭素を主とするガスに変換される。
従来の炭化水素の改質反応では、改質用触媒の硫黄による活性低下が起こらないように、脱硫工程を経て、原料ガス中に含まれる硫黄化合物を限りなく低減する。したがって、脱硫工程がなければ、数ppmの硫黄化合物が含有されているだけで、硫黄被毒により、短期間で触媒活性が失われてしまう。
本発明における、炭化水素の改質による水素の製造方法では、改質工程で生成した水素を含む改質ガスの一部を、改質工程前の原料ガス中に戻す、又は新たに水素を改質工程前の原料ガス中に添加することで、硫黄による被毒を抑えることができる。これは、原料ガス中に水素が含有することで、触媒の活性点に吸着した硫黄と水素とが反応し、硫黄が硫化水素として脱離するためと考えられ、改質反応中に硫黄の除去も並行して進むことができるためと考えられる。また、燃料電池システムにおいては、より水素濃度が高められた、シフト反応後の改質ガスや、一酸化炭素選択酸化反応後の改質ガスの一部を、改質工程前の原料ガス中に戻すことがより効率的である。
炭化水素の改質工程、シフト反応工程、又は、一酸化炭素選択酸化反応工程で生成した水素を含む改質ガスの一部を、炭化水素の改質工程における原料ガス中に戻す、又は新たに水素を改質工程前の原料ガス中に添加する際は、改質工程後の改質ガス(第1の改質ガス)、シフト反応工程後の改質ガス(第2の改質ガス)、選択酸化反応工程後の改質ガス(第3の改質ガス)、新たに添加する水素の総量を、添加される水素のモル濃度が、原料ガス中の炭化水素のモル濃度に対して10〜100モル%(又は原料ガス(水素+炭化水素)中の水素濃度として9〜50モル%)とすることが好ましく、40〜100モル%(又は原料ガス(水素+炭化水素)中の水素濃度として28.5〜50モル%)とすることがより好ましい。原料ガス中の炭化水素の流量に対して、同じ水素の流量の場合、原料ガス中の炭化水素のモル濃度に対して100モル%(又は原料ガス(水素+炭化水素)中の水素濃度として50モル%)と計算できる。原料ガス中の炭化水素濃度が予め判っていない場合には、水素炎イオン化検出法等を用いて、炭化水素濃度を測定することができる。また、原料ガス中の水素濃度が予め判っていない場合には、ガスクロマトグラフィ等で測定可能である。
添加される水素のモル濃度が原料ガス中の炭化水素のモル濃度に対して10モル%未満であると、水素による硫黄被毒低減効果がほとんどなく、好ましくない。また、燃料電池システム等、全体システムの後段で水素が必要とされている場合は、システム全体の効率を考慮する必要があるが、添加される水素のモル濃度が原料ガス中の炭化水素のモル濃度に対して100モル%より多くする場合は、生成した改質ガスの25体積%以上を原料ガスに循環させる必要があるため、好ましくない。
本発明で使用する炭化水素の改質触媒は、ニッケル化合物とマグネシウム化合物との混合溶液に沈殿剤を用いて沈殿物を生成し、当該沈殿物に、アルミナ粉末と水、又は、アルミナゾルを加えて混合して混合物を生成し、当該混合物を乾燥及び焼成して製造される触媒であることが好ましい。
または、本発明で使用する炭化水素の改質触媒は、ニッケル化合物とマグネシウム化合物との混合溶液に沈殿剤を添加して、ニッケルとマグネシウムを共沈させて沈殿物を生成し、当該沈殿物を仮焼し、仮焼された当該沈殿物に、アルミナ粉末と水、又は、アルミナゾルを加えて混合して混合物を生成し、当該混合物を乾燥及び焼成して製造される触媒であることが好ましい。
また、炭化水素の改質触媒にセリウムを含有させる場合は、セリウム化合物をニッケル化合物とマグネシウム化合物と同じタイミングで溶液に混合することが好ましいが、アルミナ粉末と水、又は、アルミナゾルを加えて混合して混合物を生成した後に、セリウム化合物を含浸させてもよい。
さらに、本発明で使用する炭化水素の改質触媒を、ニッケル化合物とマグネシウム化合物とアルミニウム化合物との混合溶液に沈殿剤を用いて沈殿物を生成し、当該沈殿物を乾燥及び焼成して製造してもよい。
上記混合物を少なくとも乾燥及び焼成する方法としては、(1)乾燥及び焼成する方法、(2)乾燥、粉砕及び焼成する方法、(3)乾燥、粉砕、成型及び焼成する方法、(4)乾燥、仮焼、粉砕、成型及び焼成する方法、又は、(5)乾燥、粉砕、仮焼、粉砕、成型及び焼成する方法等がある。
上記混合物の乾燥は、特に温度条件や乾燥手段を問わず、一般的な乾燥方法であればよい。乾燥後の混合物は必要に応じて粗粉砕を行った後、焼成すればよい。なお、流動層等を用いる乾燥により乾燥後の沈殿物が粉状を保っている場合は、粗粉砕は不要である。
また、混合物の乾燥の前には、ろ過をして水を除去しておくことが、その後の乾燥の手間を少なくし、且つ乾燥に要するエネルギーを低減することができ、好ましい。さらに、ろ過後の沈殿物を、純水等で洗浄しておくことが、不純物量を低減できることからより好ましい。
また、上記混合物の焼成は、空気中で行うことができる。雰囲気温度は700〜1300℃の範囲であればよい。より好ましくは、雰囲気温度は900〜1150℃である。焼成温度が高いと混合物の焼結が進行し、触媒の強度は上昇するが、一方で比表面積が小さくなり、触媒活性が低下するため、両者のバランスを考慮して決定するのが望ましい。焼成後は、そのまま触媒として使用することもできるが、プレス成型等で成型して成型物として使用することもできる。なお、乾燥と焼成の間に、仮焼及び成型工程を加えることができ、さらに仮焼と成型工程の間に、成型前に混合物を粉粒状にする必要があれば、粉砕工程を加えることもできる。その場合、仮焼は、空気中で400〜650℃程度で行えばよく、成型は、プレス成型等で行えばよい。
本発明で使用することができる炭化水素の改質用触媒は、単にニッケルとマグネシウムの共沈物を形成後、焼成した粉末にアルミナ粉末を物理的に混合して成型及び焼成したものとは異なり、ニッケルとマグネシウムの沈殿物にアルミナ粉末と水、又はアルミナゾルを湿式混合することにより、アルミナ成分を含有した水分がニッケルとマグネシアの共沈物との間で高度に均質な混合物となったものから得ることが好ましい。その理由は、その混合物を乾燥及び焼成、又は乾燥、仮焼、粉砕、成型及び焼成することで、ニッケルとマグネシウムの化合物とアルミナが均質に分布した焼結体を形成し、ニッケルマグネシア結晶相がより一層微細化され、そこから析出するNi粒が高度に微細分散することから、高活性で炭素析出量の少ない成型物を得ることができると考えられる。また、ニッケルとマグネシウムとアルミニウムの共沈物を、乾燥、成型及び焼成することでも、ニッケルとマグネシウムとアルミナが均質に分布した焼結体を形成することができ、同様に、Ni粒が高度に微細分散することから、高活性で炭素析出量の少ない成型物を得ることができると考えられる。
より具体的には、まずニッケル化合物とマグネシウム化合物との混合溶液を調製する際、水に対して溶解度の高い各金属化合物を用いることが好ましい。例えば硝酸塩、硫酸塩、塩化物などの無機塩のみならず、酢酸塩などの有機塩も好適に用いられる。特に好ましくは、焼成後に触媒被毒になり得る不純物が残りにくいと考えられる硝酸塩又は酢酸塩である。また、それらの溶液から沈殿物を形成する際に用いる沈殿剤は、上記溶液のpHをニッケル、マグネシウムが主に水酸化物として沈殿する中性から塩基性へ変化させるものであればいずれも用いることができる。中でも、炭酸カリウム水溶液や炭酸ナトリウム水溶液、アンモニア水溶液、尿素溶液などが好適に用いられる。また、アルミニウムを同時に共沈させる際には、ニッケル化合物やマグネシウム化合物と同様に、水に対して溶解度の高い、硝酸塩、硫酸塩、塩化物などの無機塩のみならず、酢酸塩などの有機塩も好適に用いられる。特に好ましくは、焼成後に触媒被毒になり得る不純物が残りにくいと考えられる硝酸塩又は酢酸塩である。
さらに、本発明で使用する炭化水素の改質用触媒は、主活性成分であるニッケル含有量が1〜50質量%であることが好ましい。1質量%以上の場合、ニッケルの改質性能を十分に発揮することができる。50質量%以下の場合には、マトリクスを形成するマグネシウム、セリウム、アルミニウムの含有量を適切に保つことができ、触媒上に析出するニッケル金属の濃度が高く且つ粗大化することを回避することができる。このため、改質反応条件下において性能が経時劣化することを回避できる。
マグネシウム含有量は1〜45質量%であることが好ましい。1質量%以上の場合、マグネシアの有する塩基性酸化物の性質を活かし易く、炭化水素の炭素析出を抑制して触媒性能を長期間安定に保持し易くすることができる。45質量%以下の場合、他のニッケル、セリウム、アルミニウムの含有量を適切に保ち、触媒の改質活性を十分に発揮することができる。さらに、マグネシウム含有量が1質量%未満である場合、マグネシウムとニッケルの固溶体中のニッケル濃度が高くなるため、固溶相から析出するニッケル粒が粗大化し易く、炭化水素の改質反応後での触媒上の炭素析出量が多くなり易い傾向がある。
セリウムの含有量は1〜40質量%であることが好ましい。1質量%以上の場合、酸化セリウムの酸素吸蔵能によるニッケルマグネシアからのニッケルの析出が起こり難くなることを回避することができる。40質量%以下の場合には、主活性成分であるニッケルや炭素析出を抑制するマグネシアの割合を適正な範囲に保つことができ、触媒の改質活性を十分発揮させることができる。
アルミナの含有量は5〜60質量%であることが好ましい。5質量%未満では、ニッケルマグネシア(NiMgO)相が主体のセラミックスとなり、MgAl24相の割合が少ないためにNiMgO相が微細化せずに、そこから析出するNi粒が大きくなって活性が低くなったり、成型した際、触媒強度が著しく低くなったりする傾向がある。60質量%を超える場合には、その結果、主活性成分であるニッケルや炭素析出を抑制するマグネシアの割合が低くなるため、触媒の改質活性を十分発揮できなくなる恐れがある。
なお、改質触媒は、ニッケル含有量が1〜35質量%、マグネシウム含有量が1〜35質量%、セリウム含有量が3〜35質量%、換算アルミナ含有量が10〜50質量%であることがさらに好ましい。また、ここでいうアルミナは、アルミナ粉末又はアルミナゾルの状態でニッケルとマグネシウムの酸化物に加えることができ、あるいは、ニッケルとマグネシウムと同時に共沈させて加えることができる。
アルミナゾルで加える場合は、アルミナの粒子が平均で100ナノメートル以下のものを用いることが好適である。このような粒径のアルミナは、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、マルバーン製マスターサイザー3000等)を用いて、粒度分布から把握することができる。
また、アルミナ粉末で加える場合は、可能な限り細かい粒径であることが好ましく、例えば平均粒径100マイクロメートル以下が好適であり、混合時には水などを加えてスラリー状で用いる。この場合も、アルミナ粒径の粒度分布の確認は、上述のレーザー回折式粒度分布測定装置を用いる他、コールター式粒度分布測定装置(例えば、ベックマン・コールター製Multisizer4等)を用いることもできる。
また各金属種の含有量を上記範囲になるように調製するためには、各出発原料を予め計算の上準備しておくことが好ましい。なお、一度触媒が狙いの成分組成となれば、それ以降はその時の配合量で調製すればよい。
また、上記の元素以外に触媒製造工程等で混入する不可避的不純物や触媒性能が変わらない他成分を含んでも構わないが、できるだけ不純物が混入しないようにするのが望ましい。
なお、上記改質触媒を構成する各金属種の含有量の測定方法として、誘導結合プラズマ法(ICP)と呼ばれる方法を用いることができる。具体的には、試料を粉砕後、アルカリ融解剤(例えば炭酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウムなど)を加えて白金坩堝内で加熱融解し、冷却後に塩酸溶液に加温下で全量溶解させる。その溶液をICP分析装置へ挿入すると、装置内の高温プラズマ状態の中で試料溶液が原子化・熱励起し、これが基底状態に戻る際に元素固有の波長の発光スペクトルを生じるため、その発光波長及び強度から含有元素種、量を定性・定量することができる。
ここで本発明で使用することができる改質用触媒は、粉体、又は、成型体のいずれの形態としてもよく、成型体の場合には、球状、シリンダー状、リング状、ホイール状、粒状など、さらに金属又はセラミックスのハニカム状基材へ触媒成分をコーティングしたものなどいずれでもよい。また、固定床で使用する場合には、成型方法として、造粒、押出成型、プレス成型、打錠成型等が好適に用いられるが、特にこれに制限されるものではない。
また、本発明で使用することができる改質用触媒を用いた軽質炭化水素の改質方法は、前記触媒に、又は、触媒を還元した後に、天然ガス、LNG、シェールガス、都市ガス、LPG等に含まれるメタン等の軽質炭化水素に、外部より水蒸気を加えた混合ガスを接触させて、炭化水素を改質する方法となることができ、水素、一酸化炭素、二酸化炭素のガスを製造することができる。
本発明の水素の製造方法では、使用する改質用触媒を還元することが好ましい。また、製造された水素の一部を原料ガスに循環させ、軽質炭化水素と混合することで、反応中に触媒上の硫黄と水素が反応して、硫化水素として脱離するので、硫黄被毒による劣化を抑制できる。
一方、炭化水素の改質反応では、触媒表面で炭化水素の炭素析出も起こる可能性があり、炭素析出により触媒の細孔閉塞や表面被覆等により活性が低下する。通常、このような炭素析出が起こらないように、水蒸気/炭素比(S/C)を高めに設定して運転するが、S/Cが低くて、炭素析出して活性低下した場合でも、未反応の水蒸気が炭素を燃焼させることができる。その際、水蒸気によって、触媒の活性金属であるニッケルの酸化が考えられるが、原料ガス中に水素が存在することで、ニッケルを還元することができる。
ここで、触媒を還元する場合の条件として、触媒から活性金属であるニッケル粒子が微細クラスター状に析出する、比較的高温で且つ還元性雰囲気にする条件であれば特に制限されるものではない。例えば、水素、一酸化炭素、メタンの少なくともいずれかを含むガス雰囲気下、それら還元性ガスに水蒸気を混合したガス雰囲気下、又はそれらのガスに窒素など不活性ガスを混合した雰囲気下であってもよい。
また還元温度は、例えば600℃〜1000℃が好適であり、700〜900℃がより好適である。ここで、触媒層温度は、触媒層の中心付近にK型熱電対を挿入して計測できる。還元時間は充填する触媒量にも依存し、例えば30分〜2時間が好適であるが、充填した触媒全体が還元するのに必要な時間であればよく、特にこの条件に制限されるものではない。
改質反応器としては、固定床形式、流動床形式、移動床形式等が好適に用いられ、触媒層の温度が分かるように、反応器の大きさに合わせて、1〜数点にK型熱電対等を挿入して、温度を測定することが望ましい。その触媒層の入口温度としては、600〜950℃であることが好ましい。触媒層の入口温度が600℃未満の場合は、炭化水素が水素、一酸化炭素を主体とするガスへ改質する際の触媒活性がほとんど発揮されないため、好ましくない。一方、触媒層の入口温度が900℃を超える場合は、耐熱構造化が必要になるなど改質反応器及び装置が高価になるため経済的に不利となる。また、触媒層の入口温度は、650〜900℃であることがより好ましい。
また、本発明で使用する改質用触媒は、硫化水素等の硫黄化合物が共存する雰囲気下でも安定して改質反応を進行させることができるが、ガス中の硫黄化合物濃度は低ければ低いほど被毒されないため好ましい。特に、10ppm以下の濃度が好ましい。さらに5ppm以下の濃度がより好ましい。
一方、改質反応器に内蔵される炭化水素の改質触媒は、炭化水素の改質反応を行う際、触媒表面上に析出する炭素、又は、ガス中に含まれる硫黄化合物由来の硫黄が触媒に吸着したり、触媒表面に金属微粒子として析出していたニッケルや、酸化セリウムの一部が硫化物化したりすることで、性能劣化する。
そこで、劣化した触媒を再生する方法として、改質反応器へ空気を導入し、空気に含まれる酸素と炭素との反応により触媒表面の炭素を燃焼させ、二酸化炭素として除去し、また、触媒表面で硫化物となったニッケルや酸化セリウム中の硫黄の一部を二酸化硫黄として除去し、ニッケルはマトリクスへと戻すことができる。さらに、水素を触媒と接触させ還元させることで、触媒表面に残留する硫黄を還元して硫化水素として除去でき、同時に、マトリクスからニッケル金属微粒子を析出させ、触媒活性を回復させることができる。
ここで、触媒と空気を接触させる温度は、触媒層の中心付近にK型熱電対を挿入して計測する触媒層温度が、炭素が燃焼可能な500℃以上で行うことが好ましい。一方、硫黄が酸化して二酸化硫黄として脱離する温度は800℃以上必要であるが、改質反応器や配管の材質を高価な耐熱合金にしない限り、設備保護上、触媒層温度を約830℃以上に昇温できないため、空気による再生で硫黄を除去できるのはごくわずかである。
また、空気を炭素が析出した触媒に接触させると、炭素の燃焼が発熱反応であるため、触媒温度が急激に上昇する。改質反応器や配管の材質を高価な耐熱合金としない限り、設備保護上、触媒層温度を約830℃以上に上昇させることは好ましくない。触媒層温度が発熱により830℃以上になりそうな時は、空気導入量を減らしたり、窒素導入量を増やしたりすることが好ましい。さらに、空気による炭素除去は、触媒層温度を500〜800℃の範囲で行うことがより好ましい。この工程では炭素が除去さえできればよいため、触媒層出口の二酸化炭素濃度を質量分析計、ガスクロマトグラフ、赤外線式CO2分析計等の分析装置で監視し、二酸化炭素濃度が0.5%以下になれば、炭素をほぼ除去できたと判断できる。
上記の空気による触媒表面の析出炭素の除去が完了し、窒素等の不活性ガスでパージした後、水素を触媒と接触させて還元する温度は、硫黄を除去可能な600℃以上で行うことが好ましい。空気による燃焼後に触媒上に残留していた硫黄は、600℃以上の温度でH2Sとして十分速く脱離できる。この水素還元工程では、改質反応で活性種となるニッケル金属微粒子をニッケルマグネシア相から析出させる目的もあり、700℃以上で行うことがより好ましく、温度の上限は硫黄の除去とニッケル金属微粒子の析出を鑑みると、800℃以下であれば十分である。
一方、空気の代わりに水蒸気を導入することで、析出炭素や触媒上の硫黄を除去することも可能であるが、空気による再生と水素による還元によって除去される速度と比べ、非常に遅い。
次に、具体例を示して、本発明の水素製造装置を用いた燃料電池システムについて詳細に説明する。図1は本発明の好適な燃料電池システムの一例を示す概略図である。
図1において、燃料供給源3からの燃料は燃料ポンプ4を経て、水タンク1から水ポンプ2を経た水と混合された後、熱交換器(気化器)5に導入されて気化され、改質器6に送り込まれる。
改質器6の改質触媒としては、ニッケル化合物とマグネシウム化合物との混合溶液に沈殿剤を用いて沈殿物を生成し、当該沈殿物に、アルミナ粉末と水、又は、アルミナゾルを加えて混合して混合物を生成し、当該混合物を乾燥及び焼成して製造された触媒を用いる。または、改質触媒は、ニッケル化合物とマグネシウム化合物との混合溶液に沈殿剤を添加して、ニッケルとマグネシウムを共沈させて沈殿物を生成し、当該沈殿物を仮焼し、仮焼された当該沈殿物に、アルミナ粉末と水、又は、アルミナゾルを加えて混合して混合物を生成し、当該混合物を乾燥及び焼成して製造された触媒を用いる。または、改質触媒は、ニッケル化合物とマグネシウム化合物とアルミニウム化合物の混合溶液に沈殿剤を添加して、ニッケルとマグネシウムとアルミニウムを共沈させて沈殿物を生成し、当該沈殿物を乾燥及び焼成して製造された触媒を用いる。
これらの触媒を球状、シリンダー状、リング状、ホイール状、粒状等に成型して、改質器内に充填する。改質器6に送り込まれた、水蒸気/炭素比(S/C)は、好ましくは0.3〜10、より好ましくは1〜5、さらに好ましくは2〜3.5に設定される。また、流入燃料(燃料+水蒸気)の空間速度(SV)は上記充填の触媒量基準、標準温度・圧力換算で、GHSV(Gas Hourly Space Velocity)が、好ましくは100〜100000h-1、より好ましくは500〜50000h-1、さらに好ましくは1000〜10000h-1の範囲に設定される。改質器反応管は、燃料タンクからの燃料及びアノードオフガスを燃料とするバーナー7により加熱され、好ましくは400〜1000℃ 、より好ましくは500〜900℃、さらに好ましくは600〜800℃の範囲に調節される。
このようにして製造された水素、一酸化炭素、二酸化炭素を含有する改質ガスは、高温シフト反応器8、低温シフト反応器9、一酸化炭素選択酸化反応器10を順次通過させることで、一酸化炭素濃度は、燃料電池の特性に影響を及ぼさない程度まで低減される。これらの反応器に用いる触媒の例としては、高温シフト反応器8には鉄−クロム系触媒、低温シフト反応器9には銅−亜鉛系触媒、一酸化炭素選択酸化反応器10にはルテニウム系触媒、白金系触媒、金系触媒等を挙げることができる。
ここで、改質反応の硫黄被毒による触媒劣化を抑えるために、改質反応後の熱交換器の後段で改質ガス循環ライン20を経て、改質ガスの一部が改質行程前の原料ガス中に戻される、又は水素添加ライン19から新たに水素を改質行程前(熱交換器5の前)の原料ガス中に添加され、混合される。又は、低温シフト反応器9の後段から、シフト反応後ガス循環ライン21を経て、又は、一酸化炭素選択酸化反応器10の後段から、一酸化炭素選択酸化反応後ガス循環ライン22を経て、改質ガスの一部が改質行程前(熱交換器5の前)で原料ガス中に戻され、混合される。新たに添加する水素、改質反応後の改質ガスの一部、シフト反応後の改質ガスの一部、及び、一酸化炭素選択酸化反応後の改質ガスの一部の少なくとも1つを使用しても問題ないが、新たに水素を添加するよりも、反応して生じたガスを有効利用する方が好ましい。特に水素濃度が高い、シフト反応後の改質ガスや一酸化炭素選択酸化反応後の改質ガスを利用すると、改質反応後の改質ガスを利用するよりも、リターンの割合が少なくても改質前ガスの水素濃度を高めることができることから好ましい。
また、生成した水素を含む改質ガスの一部、シフト反応工程後の改質ガスの一部、又は、一酸化炭素選択酸化反応工程後の改質ガスの一部を、炭化水素の改質工程における原料ガス中に戻す、又は新たに水素を改質工程前の原料ガス中に添加する際の水素のモル濃度は、改質工程後の改質ガス、シフト反応工程後の改質ガス、選択酸化反応工程後の改質ガス、新たに添加する水素の総量で、原料ガス中の炭化水素のモル濃度に対して10〜100モル%(又は原料ガス(水素+炭化水素)中の水素濃度として9〜50モル%)とすることが好ましく、40〜100モル%(又は原料ガス(水素+炭化水素)中の水素濃度として28.5〜50モル%)とすることがより好ましい。ここで、原料ガス中の炭化水素の流量に対して、同じ水素の流量の場合、原料ガス中の炭化水素のモル濃度に対して100モル%(又は原料ガス(水素+炭化水素)中の水素濃度として50モル%)と計算できる。ガス中の炭化水素濃度が予め判っていない場合には、水素炎イオン化検出法等を用いて、濃度を測定可能である。また、水素濃度が予め判っていない場合には、ガスクロマトグラフィ等で測定可能である。水素濃度が原料ガス中のモル濃度に対して10モル%未満(初期の原料ガス中の水素の割合、即ち、原料ガス中に最初から存在している水素ガスの割合が10モル%未満)であると、水素による硫黄被毒低減効果がほとんどなく、好ましくない。また、水素濃度が原料ガス中のモル濃度に対して100モル%より多くする場合は、生成した改質ガスの25体積%以上を循環させる必要があるため、システム全体の効率を考慮すると、好ましくない。
固体高分子型燃料電池12は、アノード13、カソード14、固体高分子電解質15からなり、アノード側には上記の方法で得られた高純度の水素を含有する燃料ガスが、カソード側には空気ブロアー11から送られる空気が、それぞれ必要であれば適当な加湿処理を行った後(加湿装置は図示していない)導入される。
この時、アノード13では、水素ガスがプロトンとなり電子を放出する反応が進行し、カソード14では酸素ガスが電子とプロトンを得て水となる反応が進行する。これらの反応を促進するため、それぞれ、アノード13には白金ブラック、活性炭担持のPt触媒又はPt−Ru合金触媒などが、カソード14には白金ブラック、活性炭担持のPt触媒などが用いられる。通常アノード、カソードの両触媒とも、必要に応じてポリテトラフロロエチレン、低分子の高分子電解質膜素材、活性炭などと共に多孔質触媒層に成形される。
次いで、デュポン社製Nafion(登録商標)、ゴア社製Gore Select(登録商標)、旭硝子社製Flemion(登録商標)、旭化成社製Aciplex(登録商標)等の商品名で知られる高分子電解質膜の両側に前記多孔質触媒層を積層し、MEA(Membrane Electrode Assembly:膜電極集合体)を形成する。さらにMEAを金属材料、グラファイト、カーボンコンポジットなどからなるガス供給機能、集電機能、特にカソードにおいては重要な排水機能等を持つセパレータで挟み込むことで燃料電池が組み立てられる。アノードオフガスは、バーナー7において燃焼され改質管の加熱に用いられた後排出される。カソードオフガスは、排気口16から排出される。
ここで、燃料電池システムにおいて、脱硫工程を省略した場合、改質触媒が硫黄被毒耐性を保有している場合、下流のシフト触媒、一酸化炭素選択酸化触媒、アノード等に悪影響を及ぼす可能性がある。低温シフト反応触媒に使用する銅−亜鉛系触媒は、改質触媒に比べれば、非常に安価でかつ、硫黄吸着能を保有しており、低温でのシフト反応と硫黄のトラップを兼ねることができ、シフト反応活性が低下した場合は、低温シフト反応触媒を交換すればよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
<実験例1>
(比較例1)
硝酸ニッケルと硝酸マグネシウムを各金属元素のモル比が0.1:0.9になるように、硝酸ニッケル・6水和物を3.32g、硝酸マグネシウム・6水和物を26.38g精秤して、500mLの60℃の純水に溶かして、60℃に加温した混合水溶液を調製した。この混合水溶液に、炭酸カリウム15.8gを精秤して、250mLの60℃の純水に溶かして、60℃に加温した炭酸カリウム水溶液を250mL/min程度にゆっくり加え、ニッケルとマグネシウムを水酸化物として共沈させ、撹拌羽根で400rpm程度で十分に撹拌した。その後、60℃に保持したまま1時間程度撹拌を続けて熟成を行った後、吸引ろ過を行い、80℃の純水で数回、洗浄と吸引ろ過を行った。各水溶液の温度は、アルコール温度計を水溶液中に挿入して測定した。洗浄の確認は、ろ液のpHが中性になっていることを、ポータブルpHメーターやpH試験紙で確認することができる。
その後、得られた沈殿物を純水400mL程度の純水に分散させ、アルミナゾルをアルミナとして50質量%となるように加えて、撹拌羽根で350rpm程度で十分混合した。この混合物をナスフラスコに移してロータリーエバポレーターに取り付け、減圧下で約50℃に加温することで、水分を蒸発させた。ナスフラスコ内で固化したニッケルとマグネシウムとアルミナの混合物を蒸発皿に移して、雰囲気温度120℃で約24時間乾燥した。その後、乳鉢で粉砕し、粉末をるつぼに移して、空気中雰囲気温度950℃で約20時間焼成を行い、Ni0.1Mg0.9Oにアルミナが50質量%混合した触媒を約10g得た。得られた触媒の粉末を、加圧成型器を用いて20mmφの錠剤にプレス成型し、プレス成型体を粗粉砕することで、篩を用いて、0.5〜1.0mmに粒度調整した。得られた触媒の成分は、各実施例及び比較例とともに、表1に示すが、触媒全体量を100質量%として、金属としてニッケル及びマグネシウムの質量%と、酸化物としてアルミナの質量%を示している。
上記により得られた触媒を0.08ml用いて、石英製の内径6mmφ、長さ500mmの反応管の中央に位置するように石英ウールで挟み込むように固定し、触媒層中央位置にシース式K型熱電対を挿入し、これら固定床反応管を電気炉中央の位置にセットした。
改質反応を始める前に、まず反応器を窒素雰囲気下で触媒層温度を800℃まで昇温した後、水素を100ml/min流しながら、30分間還元処理を行った。その後、800℃のまま、燃料電池向けの都市ガス改質反応を模擬して、常圧でメタンを14ml、H2Sを3ppmとなる濃度とし、(水蒸気モル数)/(上記メタンの炭素のモル数)=3となるよう、純水を精密ポンプで水蒸気として42ml/min導入しながら、0.1MPaの反応圧力で24時間実験を行った。ここで、実験上の取り扱い易さなどから、触媒被毒物質としてH2Sを使用した。本条件での触媒体積当たりのガス導入速度を表わす空間速度(SV:Space Velocity)は40000h-1であり、通常の燃料電池システム内の水素製造条件と比べ約10倍の流速で、加速試験条件となる。
改質反応器から出た生成ガスは氷温トラップを経由させて水分を除去した後、TCDガスクロマトグラフ(Yanaco製G2800、カラム:内径2mmφ、長さ4m、SHINCARBON ST、カラム温度120℃、TCD検出器140℃、Arキャリア)によって、ガスの分析を行った。改質反応の活性評価はメタン転化率で判断し、出口ガス中の各ガス成分濃度より、以下の式で算出した。本発明で起こる反応は、メタンと水蒸気から、水素、一酸化炭素、二酸化炭素が生成する。
Figure 2016153368
表1に、元素の含有量、H2/(CH+HS)、H2/(H2+CH4+H2S)、メタン転化率を示す。表1に示す各元素の含有量(質量%)は計算値であるが、実測値の測定方法としては、誘導結合プラズマ法(ICP)と呼ばれる方法を用いることができる。具体的には、試料を粉砕後、アルカリ融解剤(例えば炭酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウムなど)を加えて白金坩堝内で加熱融解し、冷却後に塩酸溶液に加温下で全量溶解させる。その溶液をICP分析装置へ挿入すると、装置内の高温プラズマ状態の中で試料溶液が原子化・熱励起し、これが基底状態に戻る際に元素固有の波長の発光スペクトルを生じるため、その発光波長及び強度から含有元素種、量を定性・定量することができる。
比較例1におけるメタン転化率は、表1に示すように、20時間後においてメタン転化率が0%となった。また、原料ガス中に水素が含まれない条件では、硫黄の被毒により、活性が短時間でゼロになってしまうことがわかった。
Figure 2016153368
(実施例1)
比較例1と同じ触媒を用いて、同じ還元処理を行い、改質反応において、メタン、H2S、水蒸気の量はそのままで、H2の量をCH4(H2S:3ppm)に対して9モル%の割合になるように、H2を1.2ml/minで導入した。したがって、SVは40500h-1となる以外は、比較例1と同様に行った。その結果、表1に示すように、22h反応後にはメタン転化率は0モル%となったが、若干寿命が延びた。
(実施例2)
実施例1と同じ条件下で、H2の量をCH4(H2S:3ppm)に対して14モル%の割合になるように変えて、H2を2ml/minで導入した。したがって、SVは41000h-1となる以外は、比較例1と同様に行った。その結果、表1に示すように、24h反応後のメタン転化率は41.5モル%と大きく向上した。
2のモル濃度は、原料ガス(CH4)に対して0.1倍以上が好ましいことがわかった。
(実施例3)
実施例1と同じ条件下で、H2の量をCH4(H2S:3ppm)に対して43モル%の割合になるように変えて、H2を6.0ml/minで導入した。したがって、SVは44000h-1となる以外は、比較例1と同様に行った。その結果、表1に示すように、実施例2よりもさらにメタン転化率が48.2モル%と向上し、硫黄被毒を抑えられることがわかった。
(実施例4)
実施例1と同じ条件下で、H2の量をCH4(H2S:3ppm)に対して100モル%の割合になるように変えて、H2を14.0ml/minで導入した。したがって、SVは50000h−1となる以外は、比較例1と同様に行った。その結果、表1に示すように、実施例2よりもさらにメタン転化率が58.2モル%と向上し、硫黄被毒を抑えられることがわかった。
(実施例5)
実施例1と同じ条件下で、H2の量をCH4(H2S:3ppm)に対して150モル%の割合になるように変えて、H2を21.0ml/minで導入した。したがって、SVは55000h-1となる以外は、比較例1と同様に行った。その結果、表1に示すように、実施例2よりもさらにメタン転化率が58.8モル%と向上したが、実施例4とほぼ同等レベルで硫黄被毒を抑えられることがわかった。しかし、生成したH2の有効利用を考えると、過剰のH2を循環させることは、エネルギーロスにも繋がることから、H2導入量は原料ガスの導入量以下であることが望ましいことがわかった。
<実験例2>
(実施例6)
実施例3において、Ni0.1Mg0.9Oにアルミナが10質量%混合した触媒とし、原料ガスとして都市ガスを12ml、(水蒸気モル数)/(都市ガス中の炭素のモル数)=3となるよう、純水を精密ポンプで水蒸気として42ml/min導入しながら、さらに、H2の量を都市ガスに対して43モル%の割合になるように、H2を5.2ml/minで導入し、0.1MPaの反応圧力で50時間実験を行うこと以外は、全て実施例3と同じ条件で実施して、評価した。
表2に、元素の含有量、H2/都市ガス、H2/(H2+都市ガス)、都市ガス中メタン転化率を示す。ここで、都市ガスの成分は、メタン89.6モル%、エタン5.6モル%、プロパン3.4モル%、ブタン1.4モル%の他、TBMが含まれる。その結果、50時間後でも都市ガス中メタン転化率が65.4モル%を保持でき、硫黄被毒を抑えて、高活性を保持できることがわかった。
(比較例2)
実施例6において、原料ガスにH2を導入しないこと以外は、実施例6と同様に行った。その結果、42hで触媒活性がゼロになることが確認された。
Figure 2016153368
<実験例3>
(比較例3)
触媒調製において、硝酸ニッケル、硝酸セリウム、硝酸マグネシウムを各金属元素のモル比が0.1:0.1:0.8になるように、硝酸ニッケル・6水和物を2.63g、硝酸セリウム・6水和物を3.92g、硝酸マグネシウム・6水和物を18.54g精秤して、500mLの60℃の純水に溶かして、60℃に加温した混合水溶液を調製した。この混合水溶液に、炭酸カリウム12.5gを精秤して、250mLの60℃の純水に溶かして、60℃に加温した炭酸カリウム水溶液を250mL/min程度にゆっくり加え、ニッケル、セリウム、マグネシウムを水酸化物として共沈させ、撹拌羽根で400rpm程度で十分に撹拌した。その後、60℃に保持したまま1時間程度撹拌を続けて熟成を行った後、吸引ろ過を行い、80℃の純水で数回、洗浄と吸引ろ過を行った。各水溶液の温度は、アルコール温度計を水溶液中に挿入して測定した。洗浄の確認は、ろ液のpHが中性になっていることを、ポータブルpHメーターやpH試験紙で確認することができる。
その後、得られた沈殿物を純水400mL程度の純水に分散させ、アルミナゾルをアルミナとして50質量%となるように加えて、撹拌羽根で350rpm程度で十分混合した。この混合物をナスフラスコに移してロータリーエバポレーターに取り付け、減圧下で約50℃に加温することで、水分を蒸発させた。ナスフラスコ内で固化したニッケル、セリウム、マグネシウム、アルミナの混合物を蒸発皿に移して、雰囲気温度120℃で約24時間乾燥した。その後、乳鉢で粉砕後、粉末をるつぼに移して、空気中雰囲気温度950℃で約20時間焼成を行い、Ni0.1Ce0.1Mg0.8Oにアルミナが50質量%混合した触媒を約10g得た。得られた触媒の粉末を、加圧成型器を用いて20mmφの錠剤にプレス成型し、プレス成型体を粗粉砕することで、篩を用いて、0.5〜1.0mmに粒度調整した。得られた触媒の成分は、表3に示すが、触媒全体量を100質量%として、金属としてニッケル、セリウム、及びマグネシウムの質量%と、酸化物としてアルミナの質量%を示している。
上記により得られた触媒を、比較例1と同様に改質反応を行った。その結果、表3の比較例3に示すように、15h反応時点で転化率がゼロとなった。この詳細は不明だが、セリウムは水蒸気を優先的に吸着することが知られており、水蒸気由来の酸素が活性金属であるニッケルの酸化を促進し、硫黄被毒による劣化と相乗して、活性劣化を加速したと考えられる。
(実施例7)
比較例3で調製したセリウムを含む触媒を用いて、実施例4と同様の条件で反応を行った。その結果、表3示すように、メタン転化率を59.5モル%と向上させ、硫黄被毒を抑えられることがわかった。
Figure 2016153368
<実験例4>
(実施例8)
触媒調製において、硝酸ニッケル、硝酸マグネシウム、硝酸アルミニウムを各金属元素のモル比が0.054:0.485:0.462になるように、硝酸ニッケル・6水和物を3.32g、硝酸マグネシウム・6水和物を26.38g、硝酸アルミニウム・9水和物を36.79g精秤して、500mLの60℃の純水に溶かして、60℃に加温した混合水溶液を調製した。この混合水溶液に、炭酸カリウム29.4gを精秤して、250mLの60℃の純水に溶かして、60℃に加温した炭酸カリウム水溶液を250mL/min程度にゆっくり加え、ニッケル、マグネシウム、アルミニウムを水酸化物として共沈させ、撹拌羽根で400rpm程度で十分に撹拌した。その後、60℃に保持したまま1時間程度撹拌を続けて熟成を行った後、吸引ろ過を行い、80℃の純水で数回、洗浄と吸引ろ過を行った。各水溶液の温度は、アルコール温度計を水溶液中に挿入して測定した。洗浄の確認は、ろ液のpHが中性になっていることを、ポータブルpHメーターやpH試験紙で確認することができる。
その後、得られた沈殿物をナスフラスコに移してロータリーエバポレーターに取り付け、減圧下で約50℃に加温することで、水分を蒸発させた。ナスフラスコ内で固化したニッケル、マグネシウム、アルミナの混合物を蒸発皿に移して、雰囲気温度120℃で約24時間乾燥した。その後、乳鉢で粉砕後、粉末をるつぼに移して、空気中雰囲気温度950℃で約20時間焼成を行い、Ni0.1Mg0.9Oへアルミナ50質量%を混合した触媒と同じモル数のニッケル、マグネシウム、アルミニウムを含有する触媒を約10g得た。得られた触媒の粉末を、加圧成型器を用いて20mmφの錠剤にプレス成型し、プレス成型体を粗粉砕することで、篩を用いて、0.5〜1.0mmに粒度調整した。得られた触媒の成分は、表3に示すが、触媒全体量を100質量%として、金属としてニッケル及びマグネシウムの質量%と、酸化物としてアルミナの質量%を示している。
上記により得られた触媒を、実施例4と同様に改質反応を行った。その結果、表4の実施例8に示すように、24h反応時点で転化率が55.6モル%となり、実施例4と同様に、硫黄被毒を抑えられることがわかった。
(実施例9)
実施例8の触媒調製において、硝酸ニッケル、硝酸マグネシウム、硝酸アルミニウムを各金属元素のモル比が0.091:0.822:0.087になるように、硝酸ニッケル・6水和物を5.983g、硝酸マグネシウム・6水和物を47.479g、硝酸アルミニウム・9水和物を7.358g精秤し、Ni0.1Mg0.9Oへアルミナを10質量%混合した触媒と同じモル数のニッケル、マグネシウム、アルミニウムを含有する触媒を約10g得た。
上記により得られた触媒を、実施例4と同様に改質反応を行った。その結果、表4の実施例9に示すように、24h反応時点で転化率が91.4モル%、60h反応時点でも63.4モル%となり、硫黄被毒を抑え、高活性を維持できることがわかった。
Figure 2016153368
<実験例5>
(比較例4)
硝酸ニッケル水溶液をアルミナ粉末に、20質量%となるように含浸した酸化物を蒸発皿に移して、120℃で約24時間乾燥した後、粉末をるつぼに移して、空気中500℃で約20時間焼成を行いニッケル/アルミナ触媒を得た以外は、比較例1と同様に反応試験を行った。なお、Niの担持量は、20質量%であった。その結果、表5の比較例4に示すように、10h反応時点で転化率がゼロとなった。従来触媒では、原料ガスにHを混合しないと、Niが20質量%含有していても、硫黄の被毒により、短時間で劣化することがわかった。
(実施例10)
硝酸ニッケル水溶液をアルミナ粉末に、20質量%となるように含浸した酸化物を蒸発皿に移して、120℃で約24時間乾燥した後、粉末をるつぼに移して、空気中500℃で約20時間焼成を行いニッケル/アルミナ触媒を得た以外は、実施例4と同様に反応試験を行った。なお、Niの担持量は、20質量%であった。その結果、表5の実施例10に示すように、24h反応時点でも41モル%を維持し、その後もほぼ一定となることがわかった。原料ガス中にHを混合することで、反応中にNi上に吸着した硫黄がHによってHSとして脱離を促進され、被毒が抑制されるからだと考えられる。
Figure 2016153368
(比較例5)
アセチルアセトナートルテニウム水溶液をアルミナ粉末に、1質量%となるように含浸した酸化物を蒸発皿に移して、120℃で約24時間乾燥した後、粉末をるつぼに移して、空気中500℃で約20時間焼成を行いRu/アルミナ触媒を得た以外は、比較例1と同じ条件で評価した。その結果、表6のように、メタン転化率は11.3モル%となった。貴金属であることから、比較例1と比べると高活性であるが、硫黄被毒による活性劣化は同様に起こった。
(実施例11)
比較例5と同様の方法でRu/アルミナ触媒を得て、実施例4と同様に反応試験を行った。その結果、表6のように、メタン転化率は38.2モル%となった。貴金属触媒でも同様の効果が得られることがわかった。
Figure 2016153368
(比較例6)
アセチルアセトナート白金水溶液をアルミナ粉末に、1質量%となるように含浸した酸化物を蒸発皿に移して、120℃で約24時間乾燥した後、粉末をるつぼに移して、空気中500℃で約20時間焼成を行いPt/アルミナ触媒を得た以外は、比較例1と同じ条件で評価した。その結果、表7のように、メタン転化率は15.3モル%となった。貴金属であることから、比較例1と比べると高活性であるが、硫黄被毒による活性劣化は同様に起こった。
(実施例12)
比較例5と同様の方法でPt/アルミナ触媒を得て、実施例4と同様に反応試験を行った。その結果、表7のように、メタン転化率は46.2モル%となった。貴金属触媒でも同様の効果が得られることがわかった。
Figure 2016153368
<実験例6>
(実施例13)
実施例4において、Ni0.1Mg0.9Oにアルミナが10質量%混合した触媒とし、原料ガスとしてプロパンガス(プロパンが98モル%、エタンが0.4モル%、イソブタンが1.6モル%、硫黄分が8ppm)を5.7ml、(水蒸気モル数)/(上記模擬都市ガス中の炭素のモル数)=3となるよう、純水を精密ポンプで水蒸気として51.5ml/min導入しながら、0.1MPaの反応圧力で24時間実験を行った。ここで、プロパンガスには、付臭剤として硫黄分が8ppm添加されている。さらに、H2の量をプロパンガスに対して100モル%の割合になるように、H2を5.7ml/minで導入し、0.1MPaの反応圧力で50時間実験を行うこと以外は、全て実施例4と同じ条件で行い、評価した。
表8に、元素の含有量、H2/プロパンガス、H2/(H2+プロパンガス)、プロパン転化率を示す。その結果、50時間後でもプロパン転化率が58.3モル%を保持でき、原料がプロパンガスでもHを添加することで、硫黄被毒を抑えて、高活性を保持できることがわかった。
(比較例7)
実施例13において、原料ガスにH2を導入しないこと以外は、実施例13と同様に行った。その結果、45hで活性がゼロになることが確認された。
Figure 2016153368
<実験例7>
(実施例14)
図1に示した構成の燃料電池システムにおいて、都市ガスを燃料として用いて試験を行った。この時、改質器6には、実施例6で使用した触媒を充填し、導入する原料ガスの(水蒸気モル数)/(都市ガス中の炭素のモル数)は3とし、さらに、一酸化炭素選択酸化反応後のガスの一部を循環させ、H2の量を都市ガスに対して43モル%の割合になるようにして、SVは3000h-1となるように設定した。また、高温シフト反応器及び低温シフト反応器には、Fe23/Cr23触媒及びCu/ZnO触媒を充填し、一酸化炭素選択酸化反応器にはRu/Al23触媒を充填した。アノード入口のガスを分析した結果、水素を75%(水蒸気を除く)含んでいた。試験期間(500h)中、改質器は正常に作動し触媒の活性低下は認められなく、また、燃料電池も正常に作動した。
(比較例8)
図1に示した構成の燃料電池システムにおいて、一酸化炭素選択酸化反応後のガスの一部を循環させないこと以外は、実施例8と同様に試験を行った。その結果、改質触媒で硫黄被毒による活性低下が起こり、500h経過した時点で、アノード入口のガス中の水素は35モル%(水蒸気を除く)以下まで低下していた。
以上の結果から、生成した水素の一部を改質反応へ循環させることで、硫黄被毒による活性劣化を抑え、安定的に運転できることがわかった。
本発明によれば、天然ガス、LNG、シェールガス、都市ガス、LPG等で、触媒の被毒物質となる硫化水素を含有するガス中のメタン等の軽質炭化水素を、水素や一酸化炭素等の化学物質へ転換できる高活性且つ高い耐炭素析出性を有する改質用触媒を用いた炭化水素の改質方法及び改質装置において、生成した水素の一部を改質反応の原料ガスとして循環させることで、硫黄被毒による触媒劣化を一定に抑えることが可能になる。よって、本発明は、産業上の利用可能性が高いものである。
1 水タンク
2 水ポンプ
3 燃料供給源
4 燃料ポンプ
5 熱交換器(気化器)
6 改質器
7 加温用バーナー
8 高温シフト反応器
9 低温シフト反応器
10 一酸化炭素選択酸化反応器
11 空気ブロアー
12 固体高分子形燃料電池
13 アノード
14 カソード
15 固体高分子電解質
16 排気
17 水素供給源
18 水素用ブロワー
19 水素添加ライン
20 改質後ガス循環ライン
21 シフト反応後ガス循環ライン
22 一酸化炭素選択酸化後ガス循環ライン

Claims (14)

  1. 水蒸気改質反応用触媒を用いて、硫黄化合物と炭化水素を含む原料ガスを改質して、炭化水素から水素と一酸化炭素を含む第1の改質ガスを生成させる炭化水素の改質工程を含む、炭化水素の改質による水素の製造方法であって、
    前記炭化水素の改質工程で生成した水素を含む前記第1の改質ガスの一部を、前記炭化水素の改質工程における原料ガス中に戻す、又は、新たに水素を前記炭化水素の改質工程における原料ガス中に導入することを特徴とする炭化水素の改質による水素の製造方法。
  2. 初期の原料ガス中の水素の割合が、前記原料ガス中の炭化水素のモル濃度に対して、10モル%未満であり、
    前記生成した水素を含む前記第1の改質ガスの一部を前記原料ガス中に戻した後、又は、新たに水素を前記改質工程における原料ガス中に導入した後の、改質前の原料ガス中の水素の割合が、前記改質前の原料ガス中の炭化水素のモル濃度に対して、10〜100モル%であることを特徴とする請求項1に記載の炭化水素の改質による水素の製造方法。
  3. 前記水蒸気改質反応用触媒が、ニッケル化合物とマグネシウム化合物との混合溶液に沈殿剤を添加して、ニッケルとマネシウムを共沈させて沈殿物を生成し、前記沈殿物に、アルミナ粉末と水、又は、アルミナゾルを加えて混合して混合物を生成し、前記混合物を、少なくとも乾燥及び焼成することを含む触媒製造工程により製造されることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭化水素の改質による水素の製造方法。
  4. 前記触媒製造工程が、前記沈殿物の生成後、前記沈殿物を仮焼することを含むことを特徴とする請求項3に記載の炭化水素の改質による水素の製造方法。
  5. 前記水蒸気改質反応用触媒が、ニッケル化合物とマグネシウム化合物とアルミニウム化合物との混合溶液に沈殿剤を添加して、ニッケルとマネシウムとアルミナを共沈させて沈殿物を生成し、前記沈殿物を、少なくとも乾燥及び焼成することを含む触媒製造工程により製造されることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭化水素の改質による水素の製造方法。
  6. 前記水蒸気改質反応用触媒が、前記混合溶液に、更にセリウム化合物を添加して製造され、触媒表面に酸化セリウム微粒子が存在していることを特徴とする請求項5に記載の炭化水素の改質による水素の製造方法。
  7. 前記硫黄化合物と炭化水素を含む原料ガスが、天然ガス、LNG、シェールガス、都市ガス、又はLPGから選ばれることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の炭化水素の改質による水素の製造方法。
  8. 前記炭化水素の改質工程で生成した前記第1の改質ガスを、シフト反応させて、前記第1の改質ガス中の水素の割合を増加させるシフト反応工程をさらに含み、
    前記炭化水素の改質工程で生成した水素を含む前記第1の改質ガスの一部、又は前記シフト反応工程を経た後の第2の改質ガスの一部の少なくとも一方を、前記炭化水素の改質工程における原料ガス中に戻すことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の炭化水素の改質による水素の製造方法。
  9. 初期の原料ガス中の水素の割合が、前記原料ガス中の炭化水素のモル濃度に対して、10モル%未満であり、
    前記炭化水素の改質工程で生成した前記第1の改質ガスの一部又は前記シフト反応工程を経た後の前記第2の改質ガスの一部の少なくとも一方を、前記炭化水素の改質工程における原料ガス中に戻した後の、改質前の原料ガス中の水素の割合が、前記改質前の原料ガス中の炭化水素のモル濃度に対して、10〜100モル%であることを特徴とする請求項8に記載の炭化水素の改質による水素の製造方法。
  10. 請求項8に記載の炭化水素の改質による水素の製造方法を用いた、燃料電池の運転方法であって、
    前記シフト反応工程を経た後の前記第2の改質ガスを、一酸化炭素選択酸化反応器に通して、前記第2の改質ガス中の一酸化炭素を二酸化炭素に変換する一酸化炭素選択酸化反応工程と、
    前記一酸化炭素選択酸化反応工程を経た後の第3の改質ガスを、燃料ガスとして固体高分子型燃料電池へと導入して、燃料電池を作動させる燃料電池作動工程とを、さらに含み、
    前記シフト反応工程を経た後の前記第2の改質ガスの一部、及び、前記一酸化炭素選択酸化反応工程を経た後の前記第3の改質ガスの一部の少なくとも一方を、前記炭化水素の改質工程における原料ガス中に戻すことを特徴とする燃料電池の運転方法。
  11. 前記炭化水素の改質による水素の製造方法における初期の原料ガス中の水素の割合が、前記原料ガス中の炭化水素のモル濃度に対して、10モル%未満であり、
    前記水素の製造方法における、炭化水素の改質工程で生成した前記第1の改質ガスの一部又は前記シフト反応工程を経た後の前記第2の改質ガスの一部の少なくとも一方を、前記炭化水素の改質工程における原料ガス中に戻した後の、改質前の原料ガス中の水素の割合が、前記改質前の原料ガス中の炭化水素のモル濃度に対して、10〜100モル%であることを特徴とする請求項10に記載の燃料電池の運転方法。
  12. 炭化水素を含有する原料ガスから、水蒸気改質反応用触媒を用いて、水素、一酸化炭素、二酸化炭素を含む第1の改質ガスを製造する改質反応手段と、
    前記第1の改質ガスに含まれる一酸化炭素を二酸化炭素に変換するシフト反応手段と、
    前記シフト反応手段通過後の第2の改質ガスに含まれる一酸化炭素を二酸化炭素に変換する一酸化炭素選択酸化反応手段とを有し、
    シフト反応手段後又は一酸化炭素選択酸化反応手段通過後の少なくとも一方の改質ガスに含まれる水素の一部を前記改質反応手段に循環させる手段を有することを特徴とする水素の製造装置。
  13. 初期の原料ガス中の水素の割合が、前記原料ガス中の炭化水素のモル濃度に対して、10モル%未満であり、
    前記改質反応手段又はシフト反応手段通過後の少なくとも一方の改質ガスに含まれる水素に一部を前記改質手段に循環させる手段を有し、前記炭化水素の改質手段における原料ガス中に戻した後の、改質前の原料ガス中の水素の割合を、前記改質前の原料ガス中の炭化水素のモル濃度に対して、10〜100モル%に制御する制御手段を有することを特徴とする請求項12に記載の水素の製造方法。
  14. 水供給手段と、原料ガス供給手段と、触媒が充填された炭化水素の改質器と、前記改質器を加熱する加熱手段と、シフト反応器と、一酸化炭素選択酸化反応器と、固体高分子型燃料電池とを備える燃料電池の運転装置であって、
    さらに、前記水供給手段から供給される水と前記原料ガス供給手段から供給される原料ガスとを前記改質器へ導入する配管と、前記改質器から排出される第1の改質ガスを前記シフト反応器へ導入する配管と、前記シフト反応器から排出される第2の改質ガスを前記一酸化炭素選択酸化反応器へ導入する配管と、前記一酸化炭素選択酸化反応器から排出される第3の改質ガスを前記固体高分子型燃料電池へ導入する配管と、
    前記改質器へ導入する配管と前記シフト反応器へ導入する配管との間で熱交換するための熱交換器と、
    前記シフト反応器から排出される前記第2の改質ガスの一部、及び、前記一酸化炭素選択酸化反応器から排出される前記第3の改質ガスの一部の少なくとも一方を、前記水と前記原料ガスとを前記改質器へ導入する配管へ導入する配管とを備えていることを特徴とする燃料電池の運転装置。
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