JP2004066035A - 炭化水素の脱硫方法および燃料電池システム - Google Patents

炭化水素の脱硫方法および燃料電池システム Download PDF

Info

Publication number
JP2004066035A
JP2004066035A JP2002225594A JP2002225594A JP2004066035A JP 2004066035 A JP2004066035 A JP 2004066035A JP 2002225594 A JP2002225594 A JP 2002225594A JP 2002225594 A JP2002225594 A JP 2002225594A JP 2004066035 A JP2004066035 A JP 2004066035A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
mass
sulfur
desulfurization
fuel cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002225594A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Segawa
瀬川 敦司
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Oil Corp filed Critical Nippon Oil Corp
Priority to JP2002225594A priority Critical patent/JP2004066035A/ja
Publication of JP2004066035A publication Critical patent/JP2004066035A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】燃料電池用燃料水素を製造するために用いられる原燃料中に含まれる硫黄分を、低圧条件下で、効果的に除去する方法および該方法を用いた燃料電池システムを提供する。
【解決手段】硫黄分を含有する炭化水素を、(1)Y型ゼオライトに、希土類元素または希土類元素の化合物を、元素として0.1〜50質量%担持してなる触媒、(2)ゼオライトおよび/または粘土化合物を30質量%以上含む担体に、Pt、PdおよびReから選ばれる少なくとも1種の金属を0.01〜10質量%担持してなる触媒、および(3)亜鉛、ニッケルおよび銅から選ばれる金属または該金属の酸化物を、金属元素として20質量%以上含有してなる触媒と接触させることにより、硫黄を含有する炭化水素の硫黄濃度を0.1質量ppm以下に脱硫することができる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は特定の触媒を用いて炭化水素を脱硫する方法に関する。またこの特定の触媒を充填した脱硫装置を備えた燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は燃料の燃焼反応による自由エネルギー変化を直接電気エネルギーとして取り出せるため、高い効率が得られるという特徴がある。さらに有害物質を排出しないことも相俟って、様々な用途への展開が図られている。特に固体高分子形燃料電池は、出力密度が高く、コンパクトで、しかも低温で作動するのが特徴である。
【0003】
一般的に燃料電池用の燃料ガスとしては水素を主成分とするガスが用いられるが、その原料には天然ガス、LPG、ナフサ、灯油等の炭化水素およびメタノール、エタノール等のアルコールおよびジメチルエーテル等のエーテルなどが用いられる。これら炭素と水素を含む原料を水蒸気とともに触媒上で高温処理して改質したり、酸素含有気体と部分酸化したり、また水蒸気と酸素含有気体が共存する系において自己熱回収型の改質反応を行うことにより得られる水素を、基本的には燃料電池用の燃料水素としている。
【0004】
しかし、これらの原料中には水素以外の元素も存在するため、燃料電池への燃料ガス中に炭素由来の不純物が混入することは避けられない。例えば、一酸化炭素は燃料電池の電極触媒として使われている白金系貴金属を被毒するため、燃料ガス中に一酸化炭素が存在すると充分な発電特性が得られなくなる。特に低温作動させる燃料電池ほど一酸化炭素吸着は強く、被毒を受けやすい。このため固体高分子形燃料電池を用いたシステムでは燃料ガス中の一酸化炭素の濃度が低減されていることが必要不可欠である。
【0005】
このため原料を改質して得られた改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させ、水素と二酸化炭素に転化したり、さらに微量残存した一酸化炭素を選択酸化で除去する方法が採られる。
最終的に一酸化炭素が十分低い濃度になるまで除去された燃料水素は燃料電池の陰極に導入され、ここでは電極触媒上でプロトンと電子に変換される。生成したプロトンは電解質中を陽極側へ移動し、外部回路を通ってきた電子とともに酸素と反応し、水を生成する。電子が外部回路を通ることにより電気を発生する。
【0006】
これら燃料電池用燃料水素を製造するまでの原料改質、一酸化炭素除去の各工程、さらに陰極の電極に用いられる触媒は貴金属または銅などが還元状態で使われることが多く、このような状態では硫黄は触媒毒として作用し、水素製造工程または電池そのものの触媒活性を低下させ、効率が低下してしまうという問題がある。
従って、原料中に含まれる硫黄分を十分に除去することが水素製造工程に用いられている触媒さらには電極触媒を本来の性能で使用するために必要不可欠であると考えられる。
基本的に硫黄を除去する、いわゆる脱硫工程は水素製造工程の一番最初に行われる。その直後の改質工程に用いる触媒が十分機能するレベルまで硫黄濃度を低減する必要があるが、それは通常0.1質量ppm以下である。
【0007】
これまでは燃料電池用原料の硫黄分を除去する方法としては、脱硫触媒によって難脱硫性有機硫黄化合物を水素化脱硫して、一度吸着除去し易い硫化水素に変換し、適当な吸着剤で処理する方法が適していると思われていた。しかし一般的な水素化脱硫触媒では水素圧力を高くして用いられるが、燃料電池システムに用いる場合は、大気圧か、高くても1MPaにとどめた技術開発が進んでいるので、通常の脱硫触媒系では対応できないのが現状である。
【0008】
このため低圧系でも十分に脱硫機能を発現することができる触媒系について検討が行われており、種々の脱硫方法が提案されている。例えば、特開平1−188404号公報および特開平1−188405号公報にはニッケル系脱硫剤で脱硫した灯油を水蒸気改質して水素を製造する方法が提案されている。しかし、この方法では良好に脱硫可能な温度範囲が150〜300℃であるというプロセス上の制約がある。脱硫工程の後段にある水蒸気改質装置の入口温度は通常400〜500℃であることから、脱硫温度もこの温度に近い方がプロセス上好ましい。また特開平2−302302号公報および特開平2−302303号公報には銅−亜鉛系脱硫剤が提案されている。しかし、この触媒は比較的高温で用いても炭素析出は少ないものの、脱硫活性がニッケルに比べて低いため、天然ガス、LPG、ナフサ等の軽質炭化水素の脱硫は行えるが、灯油の脱硫に対しては不十分であるという問題がある。
また特開平1−143155号公報には、脱硫作用を行わせるために活性炭あるいは薬液を用いる方法が提案されている。しかし、この触媒は起動時常温で脱硫効果があることが示されているが、原料は常温でのガス体に限定されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、燃料電池用燃料水素を製造するまでの原料改質、一酸化炭素除去の各工程、さらに陰極の電極に用いられる触媒は貴金属または銅などが還元状態で使われることが多く、このような状態では硫黄は触媒毒として作用し、水素製造工程または電池そのものの触媒活性を低下させ、効率を低下させる。従って、原料中に含まれる硫黄分を十分に除去することが水素製造工程に用いられている触媒さらには電極触媒を本来の性能で使用するために必要不可欠である。しかも低圧条件下で、難脱硫性物質を効果的に脱硫する必要がある。
本発明はこのような難しい課題を解決した脱硫方法およびそれを基盤技術とした燃料電池システムを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は鋭意研究した結果、特定の触媒を用いることにより、炭化水素中に含まれる硫黄分を効率的に脱硫する方法を見出し、また、特定の触媒を用いた脱硫装置を有する燃料電池システムを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0011】
すなわち、本発明は、硫黄分を含有する炭化水素から硫黄分を除去するにあたり、少なくとも次の3種類の触媒と接触させることを特徴とする炭化水素の脱硫方法に関する。
(1)Y型ゼオライトに、希土類元素または希土類元素の化合物を、元素として0.1〜50質量%担持してなる触媒(触媒A)
(2)ゼオライトおよび/または粘土化合物を30質量%以上含む担体に、Pt、PdおよびReから選ばれる少なくとも1種の金属を0.01〜10質量%担持してなる触媒(触媒B)
(3)亜鉛、ニッケルおよび銅から選ばれる金属または該金属の酸化物を、金属元素として20質量%以上含有してなる触媒(触媒C)
【0012】
また、本発明は、硫黄分を含有する炭化水素を、前記触媒A、前記触媒Bおよび前記触媒Cの順序で接触させることを特徴とする炭化水素の脱硫方法に関する。
また、本発明は、前記触媒Aの希土類元素が、ランタンまたはイットリウムであることを特徴とする炭化水素の脱硫方法に関する。
また、本発明は、前記触媒Bのゼオライトが、Y型ゼオライトまたは脱アルミ処理後のY型ゼオライトであることを特徴とする炭化水素の脱硫方法に関する。また、本発明は、前記触媒Bの粘土化合物が、SiとMgを主成分とする粘土化合物を50質量%以上含むものであることを特徴とする炭化水素の脱硫方法に関する。
また、本発明は、前記触媒を用いて、硫黄分を含有する炭化水素を、硫黄濃度0.1質量ppm以下に脱硫することを特徴とする炭化水素の脱硫方法に関する。
【0013】
さらに、本発明は、前記触媒Aを充填した第一反応部、前記触媒Bを充填した第二反応部および前記触媒Cを充填した第三反応部を有する脱硫装置と、該脱硫装置により脱硫された炭化水素を水素を主成分とする燃料ガスに改質するための改質装置を有する燃料電池システムに関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳述する。
本発明における触媒Aは、Y型ゼオライトに、希土類元素または希土類元素の化合物を、元素として0.1〜50質量%担持してなるものである。
本発明において用いられるY型ゼオライトとしては、ケイバン比(SiO/Al比)が4以上11以下であるものが好ましく、特に5以上6以下のものが好ましい。Y型ゼオライトのケイバン比が4未満では、担体性能が十分に発揮されないおそれがあり、また11より大きい場合は、酸点が減少し安定な担持が困難になるおそれがある。
Y型ゼオライトの表面積は特に限定されるものではないが、その上限としては、1000m/g以下が好ましく、特に800m/g以下が好ましい。また下限としては、50m/g以上が好ましく、特に200m/g以上が好ましい。ここで表面積とは、窒素吸着法により測定したBET表面積をいう。また細孔容積は特に限定されるものではなく、通常0.1〜1.5ml/gであり、好ましくは0.3〜1.0ml/gである。
【0015】
Y型ゼオライトの形状、大きさ、成型方法は特に限定されるものではない。またY型ゼオライトを製造する際の成型時に適度なバインダーを添加して成形性を高めてもよい。バインダーとしては特に限定されるものではなく、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、もしくはそれらの複合酸化物などを用いることができる。バインダーの添加量としては、上限は通常50質量%以下、好ましくは30質量%以下である。下限はバインダーとしての機能を発揮できるものであれば特に限定されるものではなく、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上である。
【0016】
希土類元素としては、La、Y、Ce、Sc、Yb、Gd、Smなどを用いることができるが、LaまたはYが特に好ましい。もちろん、2種類以上の希土類元素を組み合わせて使用することもできる。
希土類元素の化合物としては、前記した各種の希土類元素の塩化物、硝酸塩、硫酸塩、有機酸塩、酸化物等を用いることができる。特にLaまたはYの化合物が好ましい。
【0017】
希土類元素の担持方法に関しては特に制限はなく、通常の含浸法、イオン交換法など公知の方法を用いることができる。例えば含浸法においては、希土類元素化合物を、水、エタノールもしくはアセトンなどの溶媒、特に好ましくは水に溶解させたのち、担体に含浸させ、しかるのち、乾燥、焼成等行なうことにより担持触媒を得ることができる。希土類元素化合物は、溶媒に溶解するものあれば、特に制限はなく、各種の希土類元素の塩化物、硝酸塩、硫酸塩、有機酸塩等があげられ、具体的には硝酸ランタン、塩化ランタン、硝酸イットリウム、塩化イットリウムなどを用いることができる。
【0018】
Y型ゼオライトにおける希土類元素または希土類元素化合物の元素としての担持量の下限は、0.1質量%以上であり、好ましくは5質量%以上であり、最も好ましくは10質量%以上である。一方、上限は50質量%以下であり、好ましくは45質量%以下であり、最も好ましくは40質量%以下である。前記担持量が0.1質量%未満では、触媒性能が発揮されず、また前記担持量が50質量%を超える場合は、希土類元素の分散性が低下するだけでなく、経済的な面からも好ましくない。
【0019】
前記乾燥方法としては特に限定されるものではなく、例えば、空気中での自然乾燥、減圧下での脱気乾燥等を挙げることができる。また前記焼成方法としては特に限定されるものではなく、通常、空気雰囲気下、250〜650℃、好ましくは400〜550℃で、0.1〜10時間、好ましくは0.5〜5時間焼成するのが望ましい。
上記の方法で調製された触媒を使用する場合、そのまま反応に供することもできるが、前処理として水素等による還元処理を行ってもよい。その条件として温度は150〜500℃、好ましくは250〜400℃が望ましく、時間は0.1〜10時間、好ましくは0.5〜5時間が望ましい。
【0020】
触媒Aの形状については特に限定されるものではなく、例えば、打錠成形し粉砕後適当な範囲に整粒した触媒、押し出し成形した触媒、適当なバインダーを加え押し出し成形した触媒、粉末状触媒などを挙げることができる。もしくは、打錠成形し粉砕後適当な範囲に整粒した担体、押し出し成形した担体、粉末あるいは球形、リング状、タブレット状、円筒状、フレーク状など適当な形に成形した担体などに金属を担持した触媒などを用いることができる。前記バインダーとしては特に限定されるものではなく、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、もしくはそれらの複合酸化物などを用いることができる。
【0021】
本発明において用いられる触媒Bは、ゼオライトおよび/または粘土化合物を30質量%以上含む担体に、Pt、PdおよびReから選ばれる少なくとも1種の金属を0.01〜10質量%担持してなるものである。
前記ゼオライトとしては特に限定されるものではなく、例えば、Y型ゼオライト、X型ゼオライト、L型ゼオライト、β型ゼオライト、ZSM−5、モルデナイトなどを使用することができる。これらのうちY型ゼオライトおよび脱アルミ処理後のY型ゼオライトが望ましい。Y型ゼオライトとしてはケイバン比が4〜6のもの、脱アルミ処理後のY型ゼオライトとしてはケイバン比が6〜100のものが特に好ましい。これらの表面積は特に限定されるものではないが、通常150〜800m/g程度のものが好ましい。
【0022】
また前記粘土化合物としては特に限定されるものではなく、スチブンサイト、ヘクトライト、ベントナイト、サポナイト、セピオライト、バーミキュライト、フライポンタイト、モンモリロナイトなどを使用することができる。特にSiとMgを主成分とする粘土化合物が望ましく、スチブンサイト、ヘクトライト、サポナイト、セピオライト、バーミキュライトなどのSiとMgを主成分とする粘土化合物が望ましい。これらの表面積は特に限定されるものではないが、通常100〜800m/g程度のものが好ましい。
【0023】
触媒Bにおいて、担体中のゼオライトおよび/または粘土化合物の含有量(2種類使用する場合はその合計量)は、30質量%以上であり、好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上が望ましい。30質量%未満では、触媒性能を十分発揮することができない。なお、上限は100質量%である。
前記ゼオライトと粘土化合物は併用して使用することができるが、工業的な観点から単独で使用することがより好ましい。
【0024】
触媒Bにおける担体としては、Y型ゼオライトまたは脱アルミ処理後のY型ゼオライトを50質量%以上含む担体や、SiとMgを主成分とする粘土化合物を少なくとも50質量%以上含む担体が特に好適である。
触媒Bにおける担体として、ゼオライトおよび/または粘土化合物以外の成分を含有する場合、それらの成分としては特に限定されなく、例えば、後述する各種バインダー成分の他、成型助剤カーボンなどを代表的なものとして挙げることができる。
【0025】
触媒Bにおける担体の形状、大きさ、成型方法は特に限定されるものではない。また成型時には適度なバインダーを添加して成形性を高めてもよい。かかるバインダーとしては特に限定されるものではなく、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、もしくはそれらの複合酸化物などを用いることができる。好ましくはアルミナが用いられ、アルミナの種類は特に限定されるものではないが、α−アルミナ、γ−アルミナ、δ−アルミナ、η−アルミナ、θ−アルミナ、χ−アルミナなどを用いることができる。担体中のバインダーの配合割合は、70質量%以下であることが好ましく、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。下限はバインダーとしての機能が発揮される限り特に限定されるものではなく、通常1質量%以上であり、好ましくは5質量%以上である。
【0026】
前記担体に、Pt、PdおよびReから選ばれる金属を担持する方法に関しては特に制限はなく、通常の含浸法、イオン交換法など公知の方法を用いることができる。例えば、含浸法においては、Pt、PdまたはReの金属塩あるいは金属錯体を、水、エタノールもしくはアセトンなどの溶媒、特に好ましくは水に溶解させたのち、担体に含浸させる。複数の金属を担持させる場合には、同時に担持させても逐次に担持させてもよいが、同時に担持させるのが好ましい。担持後、乾燥、焼成等の処理を行なうことによりかかる金属を担持した触媒(触媒B)を得ることができる。
【0027】
Pt、PdまたはReの金属塩あるいは金属錯体は、溶媒に溶解するものあれば、特に制限はなく、各種の塩化物、有機酸塩、錯体等を用いることができる。具体的にはPtについては、テトラアミンジクロロ白金、塩化白金、白金アセチルアセトナート、ヘキサクロロ白金酸カリウムなどが挙げられ、Pdについてはテトラアミンジクロロパラジウム、酢酸パラジウム、パラジウムアセチルアセトナート、塩化パラジウム、ヘキサクロロパラジウム酸カリウムなどが挙げられ、Reについては塩化レニウム、ヘキサクロロレニウム酸カリウム、過レニウム酸カリウム、過レニウム酸アンモニウムなどが挙げられる。
【0028】
前記乾燥方法は特に限定されるものではなく、例えば、空気中での乾燥、減圧下での脱気乾燥等を用いることができる。乾燥温度としては、通常、室温〜150℃で行うことができるが、50〜140℃が好ましく、80〜120℃が特に好ましい。
また前記焼成方法も特に限定されるものではなく、通常、空気雰囲気下、200〜500℃、好ましくは250〜450℃で、0.1〜10時間、好ましくは0.5〜5時間焼成するのが望ましい。
【0029】
Pt、PdおよびReから選ばれる1種以上の金属の担持量の合計は、下限としては0.01質量%以上であり、好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上である。また上限としては10質量%以下であり、好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。担持量の合計が0.01質量%未満では、触媒性能が発揮されず、また担持量の合計が10質量%を越える場合は、分散性が低下するだけでなく、経済的な面からも好ましくない。
【0030】
上記の方法で調製された触媒Bを使用する場合、そのまま反応に供することもできるが、前処理として水素等による還元処理を行ってもよい。その条件として温度は150〜500℃、好ましくは200〜400℃が望ましく、時間は0.1〜10時間、好ましくは0.5〜5時間が望ましい。
【0031】
触媒Bの形状についても特に限定されるものではなく、例えば、打錠成形し粉砕後適当な範囲に整粒した触媒、押し出し成形した触媒、適当なバインダーを加え押し出し成形した触媒、粉末状とした触媒などを挙げることができる。もしくは、打錠成形し粉砕後適当な範囲に整粒した担体、押し出し成形した担体、粉末あるいは球形、リング状、タブレット状、円筒状、フレーク状など適当な形に成形した担体などに前記金属を担持した触媒などを挙げることができる。
【0032】
本発明において用いられる触媒Cは、亜鉛、ニッケルおよび銅から選ばれる金属または該金属の酸化物であって、金属元素として20質量%以上含有してなるものである。
触媒Cにおける亜鉛、ニッケルおよび銅から選ばれる金属または該金属の酸化物の含有量(2種類使用する場合はその合計量)は、20質量%以上であり、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。20質量%未満では、十分な吸着性能を発揮するには容積が大きくなりすぎるため好ましくない。なお上限は100質量%である。
ニッケル、亜鉛および銅は、金属または金属化合物の形態で存在する。金属化合物としては、特に限定されないが、酸化物、硫化物、塩化物などが挙げられ、特に酸化物、硫化物が好ましい。
ニッケル、亜鉛および銅は、それぞれ単独で使用してもよく、またニッケル−亜鉛、ニッケル−銅、亜鉛−銅の2種を組み合わせて使用してもよく、また、3種を使用してもよいが、ニッケル単独、ニッケル−亜鉛、ニッケル−銅が好適なものとして挙げられる。
【0033】
触媒Cには、亜鉛、ニッケルおよび銅から選ばれる金属または該金属の酸化物以外に、シリカ、アルミナ、マグネシア、シリカーアルミナ、チタニア、カーボンブラック、活性炭など、公知のバインダー成分、分散材成分、担体成分などを含有することができる。
触媒Cの表面積としては特に限定されるものではなく、50〜1000m/gが好ましく、80〜300m/gがより好ましい。
【0034】
触媒Cの形状についても特に限定されるものではなく、例えば、打錠成形し粉砕後適当な範囲に整粒した触媒、押し出し成形した触媒、適当なバインダーを加え押し出し成形した触媒、粉末状とした触媒などを挙げることができる。
なお、触媒Cの主な機能は、触媒Bにより生成した硫化水素を吸着することにある。
【0035】
上記の方法で調製された触媒Cを使用する場合、そのまま反応に供することもできるが、前処理として水素等による還元処理を行ってもよい。その条件として温度は150〜500℃、好ましくは200〜400℃が望ましく、時間は0.1〜10時間、好ましくは0.5〜5時間が望ましい。なお、これらの還元処理前は、通常、これらの金属酸化物として存在し、還元処理後は、ニッケルは金属として存在する。
【0036】
本発明は、硫黄分を含有する炭化水素を、前記した3種類の触媒と接触させることにより脱硫するものであり、好ましくは、硫黄分を含有する炭化水素原料を、まず触媒Aと接触させ、次いで触媒Bと接触させ、しかる後触媒Cと接触させることが望ましい。
なお、本発明においてはこれらの触媒への接触を繰り返し行ってもよい。
【0037】
本発明で用いられる硫黄分を含有する炭化水素としては、特に限定されるものではなく、メタン、エタン、プロパン、ブタン、天然ガス、LPG、ナフサ、ガソリン、灯油およびこれらの混合物等を挙げることができる。また、原料炭化水素中には水素が含まれていてもよく、また、各種のアルコール、エーテルなどが含まれていても良い。また、これらの原料炭化水素は液体でも気体でもよい。
本発明で用いられるこれらの炭化水素中には、微量の硫黄分が含まれており、その量は製法により異なるが、通常、100質量ppm以下の硫黄が含有されている。なお、本発明の硫黄分とは、これらの炭化水素中に通常含まれる各種の硫黄、無機硫黄化合物、有機硫黄化合物を総称するものである。
【0038】
脱硫反応における圧力は、燃料電池システムの場合は、燃料電池システムの経済性、安全性等も考慮し、常圧〜1MPaの範囲の低圧が好ましく、特に常圧〜0.9MPaが好ましい。また水素ステーションまたは水素製造装置に用いる場合は圧力の制限はないが、経済性等を考慮すると、常圧〜20MPaの範囲が好ましく、さらに好ましくは常圧〜10MPaの範囲が好ましい。反応温度としては、硫黄濃度を低下させる温度であれば、特に限定はないが、室温〜450℃が好ましい。より好ましくは120〜400℃、特に好ましくは140〜380℃が採用される。SVは過剰に高すぎると脱硫反応が進行しにくくなり、一方低すぎると装置が大きくなるため適した範囲に設定する。液体原料を用いる場合は、0.01〜15h−1の範囲が好ましく、0.05〜5h−1の範囲がさらに好ましく、0.1〜3h−1の範囲が特に好ましい。ガス燃料を用いる場合は、100〜10000h−1の範囲が好ましく、200〜5000h−1の範囲がさらに好ましく、300〜2000h−1の範囲が特に好ましい。水素流量に関しては、原料1gあたり、0.05〜1.0NLの水素を導入するのが好ましい。
【0039】
本発明においては、前述のとおり、硫黄分を含有する炭化水素を触媒A、触媒Bおよび触媒Cと接触させるが、その際の条件は、同一でも異なっていてもよく、好ましくは、触媒Aと原料炭化水素との接触反応条件を、20℃から200℃とし、触媒Bと原料炭化水素との接触反応条件を250℃から350℃とし、触媒Cと原料炭化水素との接触反応条件を150℃から300℃とすることがより望ましい。
【0040】
本発明の脱硫方法を用いる脱硫装置の形態は特に限定されるものではないが、例えば流通式固定床方式を用いることができる。脱硫装置の形状としては、円筒状、平板状などそれぞれのプロセスの目的に応じた公知のいかなる形状を取ることができる。
【0041】
本発明の脱硫方法を用いることにより、前記した硫黄を含有する炭化水素の硫黄濃度を0.1質量ppm以下に低減することができる。なお硫黄濃度は、紫外蛍光法により測定される。
硫黄濃度が0.1質量ppm以下に脱硫された炭化水素は、次いで、改質工程、シフト工程、一酸化炭素選択酸化工程等を経ることにより、生成した水素リッチガスを燃料電池用燃料として使うことができる。
【0042】
改質工程としては、特に限定されるものではないが、原料を水蒸気とともに触媒上で高温処理して改質する水蒸気改質や、酸素含有気体との部分酸化、また水蒸気と酸素含有気体が共存する系において自己熱回収型の改質反応を行うオートサーマルリフォーミングなどを用いることができる。
なお改質の反応条件は限定されるものではないが、反応温度は200〜1000℃が好ましく、特に500〜850℃が好ましい。反応圧力は常圧〜1MPaが好ましく、特に常圧〜0.2MPaが好ましい。LHSVは0.01〜40h−1が好ましく、特に0.1〜10h−1が好ましい。
【0043】
このとき得られる一酸化炭素と水素を含む混合ガスは、固体酸化物形燃料電池のような場合であればそのまま燃料電池用の燃料として用いることができる。また、リン酸形燃料電池や固体高分子形燃料電池のように一酸化炭素の除去が必要な燃料電池に対しては、該燃料電池用水素の原料として好適に用いることができる。
【0044】
燃料電池用水素の製造は、公知の方法を採用することができ、例えばシフト工程と一酸化炭素選択酸化工程で処理することにより実施できる。
シフト工程とは一酸化炭素と水とを反応させ水素と二酸化炭素に転換する工程であり、例えば、Fe−Crの混合酸化物、Zn−Cuの混合酸化物、白金、ルテニウム、イリジウムなどを含有する触媒を用い、一酸化炭素含有量を2vol%以下、好ましくは1vol%以下、さらに好ましくは0.5vol%以下に低減させる。
シフト反応は原料となる改質ガス組成等によって、必ずしも反応条件は限定されるものではないが、反応温度は120〜500℃が好ましく、特に150〜450℃が好ましい。圧力は常圧〜1MPaが好ましく、特に常圧〜0.2MPaが好ましい。GHSVは100〜50000h−1が好ましく、特に300〜10000h−1が好ましい。通常、リン酸形燃料電池ではこの状態の混合ガスを燃料として用いることができる。
【0045】
一方、固体高分子形燃料電池では、さらに一酸化炭素濃度を低減させることが必要であるので一酸化炭素を除去する工程を設けることが望ましい。この工程としては、特に限定されるものではなく、吸着分離法、水素分離膜法、一酸化炭素選択酸化工程などの各種の方法を用いることができるが、装置のコンパクト化、経済性の面から、一酸化炭素選択酸化工程を用いるのが特に好ましい。この工程では、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、銀、金などを含有する触媒を用い、残存する一酸化炭素モル数に対し0.5〜10倍モル、好ましくは0.7〜5倍モル、さらに好ましくは1〜3倍モルの酸素を添加し一酸化炭素を選択的に二酸化炭素に転換することにより一酸化炭素濃度を低減させる。この方法の反応条件は限定されるものではないが、反応温度は80〜350℃が好ましく、特に100〜300℃が好ましい。圧力は常圧〜1MPaが好ましく、特に常圧〜0.2MPaが好ましい。GHSVは1000〜50000h−1が好ましく、特に3000〜30000h−1が好ましい。この場合、一酸化炭素の酸化と同時に共存する水素と反応させメタンを生成させることで一酸化炭素濃度の低減を図ることもできる。
【0046】
また本発明は、Y型ゼオライトに希土類元素または希土類元素化合物を元素として0.1〜50質量%担持してなる触媒Aを充填した第一反応部およびゼオライトまたは粘土化合物を30質量%以上含む担体にPt、PdおよびReから選ばれる少なくとも1種類の金属を0.01〜10質量%担持した触媒Bを充填した第二反応部および亜鉛およびニッケルから選ばれる金属または該金属の酸化物であって、金属元素として20質量%以上含有する触媒Cを充填した第三反応部を有する脱硫装置と、該脱硫装置により脱硫された炭化水素を水素を主成分とする燃料ガスに改質するための改質装置を備えた燃料電池システムに関する。
【0047】
以下、この燃料電池システムの一例を図1をもって説明する。
燃料タンク3内の原燃料は燃料ポンプ4を経て脱硫器5に流入する。この時、必要であれば選択酸化反応器11からの水素含有ガスを添加できる。脱硫器5は触媒Aを充填した第一反応部と触媒Bを充填した第二反応部と触媒Cを充填した第三反応部からなっている。なお脱硫器5は第一反応部と第二反応部と第三反応部の二基または三基の反応器からなっていてもよい。脱硫器5で脱硫された燃料は水タンク1から水ポンプ2を経た水と混合した後、気化器6に導入され、改質器7に送り込まれる。
【0048】
改質器7は加温用バーナー18で加温される。加温用バーナー18の燃料には主に燃料電池17のアノードオフガスを用いるが必要に応じて燃料ポンプ4から吐出される燃料を補充することもできる。改質器7に充填する触媒としてはニッケル系、ルテニウム系、ロジウム系などの触媒を用いることができる。
この様にして製造された水素と一酸化炭素を含有するガスは高温シフト反応器9、低温シフト反応器10、選択酸化反応器11を順次通過させることで一酸化炭素濃度は燃料電池の特性に影響を及ぼさない程度まで低減される。これらの反応器に用いる触媒の例としては高温シフト反応器9には鉄−クロム系触媒、低温シフト反応器10には銅−亜鉛系触媒、選択酸化反応器11にはルテニウム系触媒等をあげることができる。
【0049】
固体高分子形燃料電池17はアノード12、カソード13、固体高分子電解質14からなり、アノード側には上記の方法で得られた高純度の水素を含有する燃料ガスが、カソード側には空気ブロアー8から送られる空気が、それぞれ必要であれば適当な加湿処理を行なったあと(加湿装置は図示していない)導入される。この時、アノードでは水素ガスがプロトンとなり電子を放出する反応が進行し、カソードでは酸素ガスが電子とプロトンを得て水となる反応が進行する。これらの反応を促進するため、それぞれ、アノードには白金黒、活性炭担持のPt触媒あるいはPt−Ru合金触媒などが、カソードには白金黒、活性炭担持のPt触媒などが用いられる。通常アノード、カソードの両触媒とも、必要に応じてポリテトラフルオロエチレン、低分子の高分子電解質膜素材、活性炭などと共に多孔質触媒層に成形される。
【0050】
次いでNafion(デュポン社製)、GoRe(ゴア社製)、Flemion(旭硝子社製)、Aciplex(旭化成社製)等の商品名で知られる高分子電解質膜の両側に該多孔質触媒層を積層しMEA(Membrane Electrode Assembly)が形成される。さらにMEAを金属材料、グラファイト、カーボンコンポジットなどからなるガス供給機能、集電機能、特にカソードにおいては重要な排水機能等を持つセパレータで挟み込むことで燃料電池が組み立てられる。電気負荷15はアノード、カソードと電気的に連結される。アノードオフガスは加温用バーナー18において消費される。カソードオフガスは排気口16から排出される。
【0051】
【発明の効果】
本発明の脱硫方法により硫黄を含有する炭化水素を脱硫し、硫黄濃度を0.1質量ppm以下に低減することができ、得られる燃料ガスは、特に固体高分子形燃料電池を用いた燃料電池システムに好適に採用できる。
【0052】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0053】
(a)触媒A(1)の調製
ケイバン比5のY型ゼオライト20gを50質量%硝酸ランタン溶液150mlに浸漬し、3時間静置した後、空気中で自然乾燥した。乾燥後、空気雰囲気下、500℃で3時間焼成し、触媒A(1)を得た。担持されたランタン量は30質量%であった。
【0054】
(b)触媒B(1)の調製
水澤化学(株)製ミズカライフ(シリカマグネシア粘土化合物、表面積570m/g)20gに対し、0.11gのテトラアミンジクロロ白金(Pt:55質量%)と0.24gのテトラアミンジクロロパラジウム(Pd:41質量%)を14gの水に溶解し、含浸担持した。その後、120℃にて一晩乾燥させた後、空気雰囲気下、300℃で3時間焼成し、触媒B(1)を得た。担持されたPt量、Pd量はそれぞれ0.3質量%、0.5質量%であった。
【0055】
(c)触媒A(2)の調製
ケイバン比5のY型ゼオライト20gを50質量%硝酸イットリウム溶液150mlに浸漬し、3時間静置した後、空気中で自然乾燥した。乾燥後、空気雰囲気下、500℃で3時間焼成し、触媒A(2)を得た。担持されたイットリウム量は30質量%であった。
【0056】
(d)触媒B(2)の調製
自社製Y型ゼオライト(ケイバン比5、表面積390m/g)18gに対し、2gのアルミナゾルを添加し、混練し、押出し成型体とした。この成型体を120℃で一晩乾燥後、空気雰囲気下、400℃にて焼成を行い、担体とした。次に、テトラアミンジクロロパラジウム(Pd:41質量%)0.20gおよび三塩化レニウム(Re:63.5質量%)0.09gを水12gに溶解し、この担体に含浸担持した。その後、120℃にて一晩乾燥させた後、空気雰囲気下、300℃で3時間焼成し、触媒B(2)を得た。担持されたPd量、Re量はそれぞれ0.4質量%、0.3質量%であった。
【0057】
(e)触媒A’(3)の調製
ケイバン比5のY型ゼオライト20gを50質量%硝酸ランタン溶液350ccに浸漬し、3時間静置した後、空気中で自然乾燥した。乾燥後、空気雰囲気下、500℃で3時間焼成し、触媒A’(3)を得た。担持されたランタン量は55質量%であった。
【0058】
(f)触媒A’(4)の調製
ケイバン比5のY型ゼオライト20gを50質量%硝酸イットリウム溶液350mlに浸漬し、3時間静置した後、空気中で自然乾燥した。乾燥後、空気雰囲気下、500℃で3時間焼成し、触媒A’(4)を得た。担持したイットリウム量は55質量%であった。
【0059】
(実施例1)
触媒A(1)10cmを第一反応部に充填し、触媒B(1)10cmを第二反応部に充填し、市販酸化亜鉛触媒(ズードケミー触媒(株)社製SC72)5cmを第三反応部に充填した。第一反応部、第二反応部および第三反応部は、第一、第二、第三の順で3本の反応管に連続して充填されている。
触媒充填後、触媒A(1)および触媒B(1)に関しては、水素気流中、300℃にて5時間還元した後、1号灯油(硫黄濃度35質量ppm)の脱硫反応評価を行った。
なお、反応評価は、灯油1Lに対し250NLの水素を流通させ、以下の二つの条件で行った。250時間後の生成灯油中の硫黄濃度を表1に示した
1)反応条件1
第一反応部180℃、第二反応部320℃、第三反応部280℃、
水素圧0.8MPa、LHSV0.5h−1
2)反応条件2
第一反応部150℃、第二反応部280℃、第三反応部280℃、
水素圧5MPa、LHSV1.0h−1
表1から明らかなように、この方法により0.1質量ppm以下の高次元まで脱硫できることが確認できた。
【0060】
(実施例2)
実施例1において、触媒A(1)を触媒A(2)に、触媒B(1)を触媒B(2)に変更した以外は、実施例1と同様に脱硫反応を行い、その結果を表1に記載した。
表1から明らかなように、この方法により0.1質量ppm以下の高次元まで脱硫できることが確認できた。
【0061】
(実施例3)
実施例1において、第三反応部に市販酸化ニッケル触媒(日揮化学(株)社製N112)5cmを充填した以外は、実施例1と同様に脱硫反応を行い、その結果を表1に記載した。
表1から明らかなように、この方法により0.1質量ppm以下の高次元まで脱硫できることが確認できた。
【0062】
(比較例1)
実施例1において、触媒A(1)を触媒A’(3)に変更した以外は、実施例1と同様に脱硫反応を行い、その結果を表1に記載した。
【0063】
(比較例2)
実施例1において、触媒A(1)を触媒A’(4)に、触媒B(1)を触媒B(2)に変更した以外は、実施例1と同様に脱硫反応を行い、その結果を表1に記載した。
【0064】
【表1】
Figure 2004066035
【0065】
(実施例4)
図1の燃料電池システムにおいて、脱硫器5に触媒A(1)を第一反応部に、触媒B(1)を第二反応部に、市販酸化亜鉛を第三反応部に充填して、1号灯油(硫黄濃度35質量ppm)を燃料とし、発電試験を行なった。200時間の運転中、脱硫器は正常に作動し、触媒の活性低下は認められなかった。脱硫条件は、温度280℃、水素圧0.8MPa、水素流量250NL/灯油1L、LHSV=0.5h−1であった。水素は選択酸化後のオフガス(水素濃度約75容量%)を使用した。
このとき水蒸気改質にはRu系触媒を用い、S/C=3、温度700℃、LHSV=5h−1の条件で、シフト工程(反応器10)では銅−亜鉛系触媒を用い、200℃、GHSV=2000h−1の条件で、一酸化炭素選択酸化工程(反応器11)ではRu系触媒を用い、O/CO=3、温度150℃、GHSV=5000h−1の条件で運転を行った。燃料電池も正常に作動し電気負荷15も順調に運転された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池システムの一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 水タンク
2 水ポンプ
3 燃料タンク
4 燃料ポンプ
5 脱硫器
6 気化器
7 改質器
8 空気ブロアー
9 高温シフト反応器
10 低温シフト反応器
11 選択酸化反応器
12 アノード
13 カソード
14 固体高分子電解質
15 電気負荷
16 排気口
17 固体高分子形燃料電池
18 加温用バーナー

Claims (7)

  1. 硫黄分を含有する炭化水素から硫黄分を除去するにあたり、少なくとも次の3種類の触媒と接触させることを特徴とする炭化水素の脱硫方法。
    (1)Y型ゼオライトに、希土類元素または希土類元素の化合物を、元素として0.1〜50質量%担持してなる触媒(触媒A)
    (2)ゼオライトおよび/または粘土化合物を30質量%以上含む担体に、Pt、PdおよびReから選ばれる少なくとも1種の金属を0.01〜10質量%担持してなる触媒(触媒B)
    (3)亜鉛、ニッケルおよび銅から選ばれる金属または該金属の酸化物を、金属元素として20質量%以上含有してなる触媒(触媒C)
  2. 硫黄分を含有する炭化水素を、触媒A、触媒Bおよび触媒Cの順序で接触させることを特徴とする請求項1記載の炭化水素の脱硫方法。
  3. 前記触媒Aの希土類元素が、ランタンまたはイットリウムであることを特徴とする請求項1に記載の脱硫方法。
  4. 前記触媒Bのゼオライトが、Y型ゼオライトまたは脱アルミ処理後のY型ゼオライトであることを特徴とする請求項1に記載の脱硫方法。
  5. 前記触媒Bの粘土化合物が、SiとMgを主成分とする粘土化合物を50質量%以上含むものであることを特徴とする請求項1に記載の脱硫方法。
  6. 硫黄分を含有する炭化水素を、硫黄濃度0.1質量ppm以下に脱硫することを特徴とする請求項1記載の炭化水素の脱硫方法。
  7. 前記触媒Aを充填した第一反応部、前記触媒Bを充填した第二反応部および前記触媒Cを充填した第三反応部を有する脱硫装置と、該脱硫装置により脱硫された炭化水素を水素を主成分とする燃料ガスに改質するための改質装置を有する燃料電池システム。
JP2002225594A 2002-08-02 2002-08-02 炭化水素の脱硫方法および燃料電池システム Pending JP2004066035A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002225594A JP2004066035A (ja) 2002-08-02 2002-08-02 炭化水素の脱硫方法および燃料電池システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002225594A JP2004066035A (ja) 2002-08-02 2002-08-02 炭化水素の脱硫方法および燃料電池システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004066035A true JP2004066035A (ja) 2004-03-04

Family

ID=32013188

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002225594A Pending JP2004066035A (ja) 2002-08-02 2002-08-02 炭化水素の脱硫方法および燃料電池システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004066035A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006091926A1 (en) 2005-02-25 2006-08-31 W.R. Grace & Co. - Conn. Gasoline sulfur reduction catalyst for fluid catalytic cracking process
JP2011159485A (ja) * 2010-02-01 2011-08-18 Osaka Gas Co Ltd 固体酸化物形燃料電池
US8901026B2 (en) 2007-02-21 2014-12-02 W. R. Grace & Co.-Conn. Gasoline sulfur reduction catalyst for fluid catalytic cracking process
CN112337478A (zh) * 2020-11-19 2021-02-09 营口理工学院 一种负载型助剂修饰的燃油汽柴油脱硫催化剂的制备方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006091926A1 (en) 2005-02-25 2006-08-31 W.R. Grace & Co. - Conn. Gasoline sulfur reduction catalyst for fluid catalytic cracking process
US7902106B2 (en) 2005-02-25 2011-03-08 W. R. Grace & Co.-Conn. Gasoline sulfur reduction catalyst for fluid catalytic cracking process
US8221615B2 (en) 2005-02-25 2012-07-17 W. R. Grace & Co.-Conn. Gasoline sulfur reduction catalyst for fluid catalytic cracking process
US8901026B2 (en) 2007-02-21 2014-12-02 W. R. Grace & Co.-Conn. Gasoline sulfur reduction catalyst for fluid catalytic cracking process
JP2011159485A (ja) * 2010-02-01 2011-08-18 Osaka Gas Co Ltd 固体酸化物形燃料電池
CN112337478A (zh) * 2020-11-19 2021-02-09 营口理工学院 一种负载型助剂修饰的燃油汽柴油脱硫催化剂的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101426110B1 (ko) 등유용 탈황제, 탈황법 및 등유용 탈황제를 이용한 연료 전지 시스템
EP2418266A1 (en) Desulfurizing agent precursor for hydrocarbons and method for producing same, fired desulfurizing agent precursor for hydrocarbons and method for producing same, desulfurizing agent for hydrocarbons and method for producing same, method for desulfurizing hydrocarbons, and fuel cell system
JP3943902B2 (ja) 炭化水素用脱硫触媒、脱硫方法および燃料電池システム
JP4080225B2 (ja) 炭化水素の脱硫方法および燃料電池システム
JP4227779B2 (ja) 水蒸気改質触媒、水蒸気改質方法および燃料電池システム
JP4210130B2 (ja) 炭化水素の脱硫触媒、脱硫方法及び燃料電池システム
TW200937722A (en) Catalyst for oxidizing selectively carbon monoxide, method of reducing carbon monoxide concentration and fuel cell system
JP2004066035A (ja) 炭化水素の脱硫方法および燃料電池システム
JP4227780B2 (ja) 水蒸気改質触媒、水蒸気改質方法および燃料電池システム
JP2004075474A (ja) 水性ガスシフト反応方法、該方法を用いた水素製造装置および燃料電池システム
JP4125924B2 (ja) 炭化水素の脱硫方法および燃料電池システム
JP4559676B2 (ja) 炭化水素用脱硫触媒、脱硫方法および燃料電池システム
JP4057314B2 (ja) 炭化水素の脱硫方法および燃料電池システム
JP2010142715A (ja) 炭化水素用脱硫剤及びその製造方法、灯油の脱硫方法、燃料電池システム
JP4339134B2 (ja) ガス状炭化水素化合物の脱硫剤成形体及び脱硫方法
JP5117014B2 (ja) 灯油用脱硫剤、脱硫方法およびそれを用いた燃料電池システム
JP2003265956A (ja) 一酸化炭素を選択的に酸化する触媒、一酸化炭素濃度を低減する方法および燃料電池システム
JP4582976B2 (ja) 一酸化炭素濃度を低減する方法および燃料電池システム
JP5462686B2 (ja) 炭化水素用脱硫剤の製造方法、炭化水素の脱硫方法、燃料ガスの製造方法及び燃料電池システム
JP5809413B2 (ja) 燃料電池用脱硫システム、燃料電池用水素製造システム、燃料電池システム及び炭化水素系燃料の脱硫方法
JP4037122B2 (ja) 一酸化炭素を選択的に酸化する触媒、一酸化炭素濃度を低減する方法および燃料電池システム
JP2003147372A (ja) 炭化水素の脱硫方法および燃料電池システム
JP4011886B2 (ja) 一酸化炭素を選択的に酸化する触媒、一酸化炭素濃度を低減する方法および燃料電池システム
JP5041781B2 (ja) 一酸化炭素濃度を低減する方法および燃料電池システム
JP4881078B2 (ja) 一酸化炭素濃度を低減する方法および燃料電池システム