JP2016153365A - 流動仮焼炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】 流動仮焼炉出口における未燃焼率を低減させることができ、燃料に燃焼性の悪い石炭やオイルコークスを使用してもプレヒータでの閉塞を防止しつつ十分な仮焼を行うことが可能な流動仮焼炉を提供する。【解決手段】 流動仮焼炉は、上下方向に沿う中心軸を有する筒状に形成され、流動化空気を内部に吹き込むための流動化空気吹込口を底部に有する炉体と、炉体の側部に接続され、炉体内に燃料を吹き込む燃料吹込ラインと、炉体の側部に接続され、セメント原料を投入する原料シュートと、炉体の側部に接続され、炉体内に抽気空気を導入する抽気導管とを備え、炉体の中心軸と直交する横断面において、抽気導管の中心軸の延長線が、炉体の直径線からずれており、抽気導管の中心軸に平行な炉体の直径線から抽気導管の最も離れた位置の内壁面までの距離Sと炉体の内半径Rとの比率(S/R)が0.50以上0.91以下に設定されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、微粉炭の燃焼性の向上、及び原料の脱炭酸率の増加を可能とする流動仮焼炉に関する。
流動仮焼炉において、セメント原料を仮焼する燃料として、石炭などの固形燃料を用いることが一般的である。その中でも、燃焼性の高い瀝青炭を微粉末に粉砕した微粉炭が使用されているが、資源を有効利用するために、燃焼性の悪い石炭やオイルコークスといった幅広い種類の燃料の使用が求められている。
しかし、燃料として燃焼性の悪い石炭やオイルコークスなどを使用した場合、流動仮焼炉出口での未燃率が高く、微粉炭がサスペンションプレヒータ内で燃焼する。その結果、プレヒータ内の温度が高くなり、サイクロンや原料シュートにおいて付着物が生成されることにより、プレヒータ内での閉塞が多発し、運転の支障となるといった問題がある。また、流動仮焼炉内は、高温かつダスト濃度が非常に高いため、燃焼状態の把握が困難であった。
そこで、特許文献1においては、筒軸心方向を上下方向とした筒状の炉体と、この炉体の底部に略水平に設けられた空気分散板及びこの空気分散板の下側のエアチャンバと、空気分散板の上側に原料を供給する原料供給シュートと、空気分散板の上側の流動層に固形燃料を供給する燃料供給ノズルと、空気分散板の上側に2次空気(抽気空気)を供給する2次空気ダクトと、を有するセメント原料の流動仮焼炉において、その燃料供給ノズルを、水平面に対して20°以上の下り勾配にて、かつ求心方向よりもタンゼンシャル側に偏向して炉体に接続することが提案されている。
特開平8−231254号公報
この特許文献1に記載のセメント原料の流動仮焼炉は、燃料の燃焼により原料を仮焼させるものであるが、抽気導管(2次空気ダクト)の配置によっては、その抽気導管の出口上部の炉軸方向の流速が大きくなり、円周方向の流速が小さくなることから、流動仮焼炉内において石炭および原料を均一に分散することが難しくなる。このため、石炭濃度の高いゾーンでは酸素が不足し、石炭濃度の低いゾーンでは酸素が過剰となる。また、炉内において原料が不均一に分散されることにより、原料の脱炭酸による吸熱でガス温度の偏りが生じ、十分な仮焼が行えない。さらに、燃料に燃焼性の悪い石炭やオイルコークスを使用した際に、チャーの未燃率が高くなり、排ガス導管やプレヒータの温度が上昇することによる導管閉塞等の問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、流動仮焼炉出口における未燃焼率を低減させることができ、燃料に燃焼性の悪い石炭やオイルコークスを使用しても、プレヒータでの閉塞を防止しつつ、十分な仮焼を行うことが可能な流動仮焼炉を提供することを目的とする。
本発明の流動仮焼炉は、上下方向に沿う中心軸を有する筒状に形成され内部に流動化空気を吹き込むための流動化空気吹込口を底部に有する炉体と、前記炉体の側部に接続されて前記炉体内に燃料を吹き込む燃料吹込ラインと、前記炉体の側部に接続されて前記炉体内にセメント原料を投入する原料シュートと、前記炉体の側部に接続されて前記炉体内に抽気空気を導入する抽気導管とを備え、前記炉体の中心軸と直交する横断面において、前記抽気導管の中心軸の延長線は前記炉体の直径線からずれており、前記抽気導管の前記中心軸に平行な前記炉体の前記直径線から前記抽気導管の最も離れた位置の内壁面までの距離Sと前記炉体の内半径Rとの比率(S/R)が0.50以上0.91以下に設定される。
炉体に接続された抽気導管の中心軸の延長線が炉体の中心軸に直交しないように、炉体の円周接線方向と平行に配置されていることにより、抽気空気が炉体の内壁面に沿って流れ、炉体内で旋回する。この旋回する抽気空気により燃料を撹拌させ、抽気空気(酸素)と燃料とを十分に接触させることができる。これにより、燃料の燃焼性を向上させるとともに、セメント原料の脱炭酸率を向上させることができる。
したがって、流動仮焼炉出口における未燃焼率を低下させることができるので、燃料に燃焼性の悪い石炭やオイルコークスを使用した場合においても、プレヒータ内の温度を低く抑えてサイクロンや原料シュートでの付着物によるプレヒータでの閉塞を防止でき、十分な仮焼を行い良好な運転を行うことができる。
比率(S/R)を大きくする程、炉体の内壁面に近い位置で抽気空気が導入されることから、抽気空気の旋回効果が大きくなる。これにより、石炭粒子を分散させて燃焼性を促進させ、セメント原料の脱炭酸率を向上させることができるが、抽気空気、セメント原料や燃料が炉体の内壁面と接触することによる摩擦が大きくなり、抽気圧力損失(抽気導管入口と仮焼炉出口との圧力差)が大きくなる。抽気圧力損失が大きくなると、キルン抽気誘引ファンの動力コストの増加、又は抽気量の減少による生産量の低減が引き起こされる。このため、比率(S/R)は0.91以下とすることで、抽気圧力損失を抑えながら、抽気空気の旋回効果を得ることができる。
一方、比率(S/R)が小さくなると、炉体の中心付近に向けて抽気空気が導入されることから、旋回する抽気空気が炉体の中心部に集中し、抽気空気の旋回効果を得ることが難しくなる。これにより、抽気空気、燃料、セメント原料の粒子の分散が悪くなり、石炭の燃焼性やセメント原料の脱炭酸率を向上させることが難しくなる。このため、比率(S/R)は0.50以上とすることで、抽気空気の旋回効果を確実に得ることができる。
本発明の流動仮焼炉において、前記比率(S/R)を0.58以上0.91以下とするとよい。
比率(S/R)を、特に0.58以上0.91以下の範囲とすることで、抽気圧力損失を比較的低く抑えながら、高い燃料の燃焼性やセメント原料の脱炭酸率を得ることができる。
本発明の流動仮焼炉において、前記抽気導管は、前記炉体の周方向に複数設けられているとよい。
抽気導管を複数設けることにより、炉体内で抽気空気を円滑に旋回させることができる。
本発明によれば、抽気空気を炉体内で旋回させて、抽気空気と燃料とを十分に接触させることができるので、流動仮焼炉出口における未燃焼率を低下させることができ、燃料に燃焼性の悪い石炭やオイルコークスを使用した場合においても、プレヒータ内の温度を低く抑えてサイクロンや原料シュートでの付着物によるプレヒータでの閉塞を防止できる。
本発明の流動仮焼炉の実施形態を示す概略図であり、図1Aが流動仮焼炉下部の正面図、図1Bがその上面図である。 実施例1〜5及び比較例1〜3の流動仮焼炉を示す概略図であり、図2Aが流動仮焼炉下部の正面図、図2Bがその上面図である。 従来例の流動仮焼炉を示す概略図であり、図3Aが流動仮焼炉のA‐A線に沿う断面図、図3Bがその上面図である。 比率(S/R)と平均チャー反応率との関係を示すグラフである。 比率(S/R)と平均原料脱炭酸率との関係を示すグラフである。 比率(S/R)と抽気圧力損失との関係を示すグラフである。 流動仮焼炉における抽気導管と炉体との接続位置の違いによる炉体断面の流速分布を比較するシミュレーション結果であり、図7Aが比較例3の流動仮焼炉、図7B〜図7Fが本発明に係る実施例1〜5の流動仮焼炉、図7Gが従来例の流動仮焼炉の結果を示す。
以下、本発明に係る流動仮焼炉の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
本実施形態の流動仮焼炉10は、セメント製造工程に用いられるものであり、セメント原料を予熱するプレヒータと、プレヒータによって予熱されたセメント原料を焼成するためのセメントキルンとの間に設けられ、セメント原料の仮焼(脱炭酸)反応を誘導するものである。
流動仮焼炉10は、図1Aおよび図1Bに示すように、上下方向に沿う中心軸Oを有する筒状に形成され流動化空気を内部に吹き込むための流動化空気吹込口15が底部に配設された炉体11と、この炉体11の側部に接続され炉体11内に燃料である微粉炭を吹き込む燃料吹込ライン12と、炉体11の側部に接続され炉体11内にセメント原料を投入する原料シュート13と、炉体11の側部に接続され炉体11内に抽気空気を導入する複数(図では4つ)の抽気導管14a〜14dとを備えている。炉体11の内径は4.0〜6.5m、高さは14m〜33mとされる。
抽気導管14a〜14dは、図1Bに示すように炉体11の周方向に間隔を空けて複数(本実施形態では4つ)配置され、図1Aに示すようにそれぞれ原料シュート13とほぼ同じ高さに開口するように設けられている。また、図1Bに示すように、原料シュート13の両側に開口するように配置された各抽気導管14a,14bに対して、炉体11の径方向に対向する位置にそれぞれ開口するように各抽気導管14c,14dが配置されている。
流動化空気吹込口15において、例えばエアチャンバ及び空気分散板ノズルを通じて高圧空気が炉体11内に吹き込まれる。本実施形態の流動仮焼炉10の流動化空気吹込口15として、炉体11の径方向に平行に(すなわち略水平に)配設された分散板を備える空気分散板ノズルが設けられている。この流動化空気吹込口15からの吹込み速度は、セメント原料の密度や粒度分布により決定され、通常のセメント原料では0.5〜2.0m/sに設定される。
燃料である微粉炭、例えば石炭やコークスが炉体11内に吹き込まれる燃料吹込ライン12は、炉体11の側部に2つ設けられており、各吹込口が炉体11の同一円周上に径方向に向けて(すなわち略同一高さに略水平かつ中心線が炉体11の中心軸Oに交差するように)配設されるとともに、原料シュート13の両側の抽気導管14a,14bの各開口部に対して径方向に対向する位置に開口する各抽気導管14c,14dの近傍、吹き出し方向前方に配置される。各燃料吹込ライン12は、抽気導管14a〜14dの下方であり、かつ流動化空気吹込口15(炉体11の下端)から上方にh1=0.3〜1.0mの範囲に接続されている。燃料吹込ライン12の搬送空気速度は、運転上の調整項目であるが、通常10〜20m/sの範囲に設定される。
原料シュート13は、炉体11の側部に下り勾配に接続され、その接続口が抽気導管14aと抽気導管14bとの間に配置される。この原料シュート13の水平面との角度は、セメント原料の粒子の摩擦係数や安息角によって経験的に決められ、通常のセメント原料の場合においては概ね50°〜70°に設定される。原料シュート13の直径は、原料投入量に見合うように設計される。原料シュート13と炉体11との接続口の中心は、流動化空気吹込口15(炉体11の下端)から上方にh2=1.5〜3.0mの範囲に配置される。なお、原料シュート13と炉体11との接続口は、流動仮焼炉の生産能力によって断面サイズや高さ位置が異なる。
4つの抽気導管14a〜14dは、図1Bに示すように、炉体11との接続口における内周面接線方向に吹き出し方向を向けて設けられているとともに、各々の接続口の中心が同一円周上(すなわち略同一高さ)に配置されている。炉体11の中心軸Oと直交する横断面において、各抽気導管14a〜14dの中心軸Cの延長線は炉体11の直径線Dからずれており(換言すると、抽気導管14a〜14dの各中心軸Cと炉体11の中心軸Oとは交差しない)、抽気導管14a〜14dの各中心軸Cに平行な炉体11の各直径線Dから各抽気導管14a〜14dの最も離れた位置の内壁面までの距離Sと炉体11の内半径Rとの比率(S/R)が0.50以上0.91以下に設定される。
ここで、炉体11の中心軸Oと直交する横断面において、中心軸Oを通過する直線を直径線Dと呼んでいる。
各抽気導管14a〜14dと炉体11との接続口の中心は、流動化空気吹込口15(炉体11の下端)から上方にh0=1.5〜2.5mの高さ範囲に配置され、抽気導管14a〜14dのガス流速は概ね13.0〜18.0m/sに設定される。なお、抽気導管は、炉体11内に均等に空気を供給する観点から、円周方向に略等間隔を置いた位置に複数本を配置することが望ましいが、図1Bに示すように等間隔ではない配置であってもよい。
本発明にかかる流動仮焼炉10は、本発明者らが行った数値流体力学計算CFD(Computational Fluid Dynamics)による流動仮焼炉内の燃焼および仮焼状況のシミュレーションに基づいて、各部材の好適な位置関係を見出して構成される。
数値流体力学計算は、実際の流動仮焼炉の形状、及び操業条件を数値化し、ガス流れ、粒子移動、化学反応、伝熱を数値計算し、コンピュータグラフィックを用いて、実測では困難である流動仮焼炉内での燃焼および仮焼の状況を把握するものである。以下、この数値流体力学計算による流動仮焼炉の最適化について説明する。
数値流体力学計算の方法、モデルは下記のとおりである。
(1)数値流体力学計算ソフトコード:RFLOW(株式会社アールフロー)
(2)乱流モデル:k‐ε Model
(3)流体:非圧縮性理想気体
(4)圧力‐速度カップリング:SIMPLE
(5)離散化スキーム:Finite Volume Method
(6)運動量:Second Order Upwind
(7)乱流運動エネルギー:First Order Upwind
(8)乱流散逸率:First Order Upwind
(9)エネルギー:Second Order Upwind
(10)粒子解析:Discrete Element Method
(11)粒子流体連成:Two Way Coupling
(12)微粉炭燃焼:H+O−HO、CH+O−HO+CO、CO+O−CO、C+O−CO
(13)原料脱炭酸モデル:CaCO−CaO+CO
(2)〜(11)は、ガスの流れ等についての数値流体解析を行う際に、(12)は燃焼解析を行う際に、(13)は石灰石の脱炭酸反応を解析する際に、いずれも数値解析において広く用いられているモデルである。
燃料として用いる石炭の組成は、下記の表1に示す瀝青炭の工業分析値を想定した。
燃料(微粉炭)の種類に変更があった場合には、変更された燃料に対応する表1の組成(発熱量と工業分析値)を用い、流動仮焼炉へ投入する燃料の総発熱量が一定となるように、微粉炭フィード量の調整を行えばよい。
この数値流体力学計算による評価は、図2Aおよび図2Bに示すように、4つの抽気導管14Aの炉体11Aへの接続位置を比率(S/R)を変更した実施例1(S/R=0.91),実施例2(S/R=0.66),実施例3(S/R=0.61),実施例4(S/R=0.58)、実施例5(S/R=0.50)及び比較例1(S/R=1.0),比較例2(S/R=0.41),比較例3(S/R=0.15)のモデルと、抽気導管の構成が異なる流動仮焼炉による従来例(抽気導管の中心軸延長線と炉体中心軸とが交わる。S/R=0)のモデルとを形成し、これらの各モデルについて、平均チャー反応率(%)(図4参照)、平均原料脱炭酸率(%)(図5参照)、抽気圧力損失(Pa)(図6参照)を算出することにより行った。
平均原料脱炭酸率(%)は、流動仮焼炉の出口におけるセメント原料の粒子ごとの脱炭酸率を、仮焼される前の質量に応じて加重平均したものである。平均チャー反応率(%)は、流動仮焼炉の出口における微粉炭(燃料)の粒子ごとのチャー反応率を、反応する前のチャーの質量に応じて加重平均したものである。抽気圧力損失(Pa)は、抽気導管の入口断面の平均圧力値と流動仮焼炉の出口断面の平均圧力値との差である。
実施例1〜5及び比較例1〜3の各モデルとしては、図2Aおよび図2Bに示すように、流動化空気吹込口15Aの分散板ノズルを炉体11Aの径方向に平行に(すなわち略水平に)配設し、4つの抽気導管14Aと炉体11Aとの接続口の中心を、炉体11Aの円周方向の同一線上に均等に(すなわち略同一高さに略等間隔で)、流動化空気吹込口15A(炉体11Aの下端)から上方にh0=1.6mの高さに配置した。原料シュート13Aと炉体11Aとの接続口を隣接する抽気導管14Aの間に配置し、その接続口の中心を、流動化空気吹込口15Aの上方にh2=2.1mの高さに配置し、この原料シュート13Aの水平面となす角度を55°に設定した。2つの燃料吹込ライン12Aは、吹込方向を炉体11の中心に向けて(径方向)、抽気導管14Aの下方に配設し、その吹込口の中心を、流動化空気吹込口15Aの上方にh1=0.55mの高さに配置した。
従来例のモデルとして、図3Aおよび図3Bに示すように、抽気導管14Bを炉体11Bの側部にて下り勾配で接続し、抽気導管14Bの中心軸Cと水平面とのなす角度を65°に配置した。抽気導管14B以外、燃料吹込ライン12B,原料シュート13B,流動化空気吹込口15Bなどの条件(構成)は、図2Aおよび図2Bに示す実施例1〜5及び比較例1〜3の各モデルと同様とした。抽気導管14Bと炉体11Bとの接続口の中心位置についても、図2Aおよび図2Bに示す実施例1〜5及び比較例1〜3の各モデルと同様に、炉体11Bの円周方向の同一線上に均等に(すなわち、略同一高さで略等間隔に)、流動化空気吹込口15B(炉体11Bの下端)から上方にh0=2.0mの高さに配置した。
セメント原料の投入量、風速、温度などの操業条件は、下記のデータを使用した。
・炉体11A,11B
炉内径=5.1m
炉長=14.0m
・燃料吹込ライン12A,12B
微粉炭(燃料)のフィード量=9.1t/h(燃料吹込ライン1基当たりのフィード量4.05t/h)
搬送空気流速=11m/s
温度=50℃
・原料シュート13A,13B
セメント原料の投入量=272t/h
温度=740℃
搬送空気流速=0.5m/s
・抽気導管14A,14B
抽気空気の温度=880℃
抽気空気の流速=16.8m/s
・流動化空気吹込口15A,15B
流動化空気の温度=800℃
流動化空気の流速1.64m/s
このように構成される従来例、実施例1〜5および比較例1〜3の各モデルについて、平均原料脱炭酸率(%)、平均チャー反応率(%)、抽気圧力損失(Pa)を算出した。演算結果を図4から図6に示す。図4から図6に示す各グラフに、従来の実炉の形状に基づいて形成したモデル(従来例)の結果を実線Lで示した。また、図7A〜図7Gに、比較例1(図7A)、実施例1〜5(図7B〜図7F)、及び従来例(図7G)の各モデルについて、抽気導管と炉体との接続位置断面の流速分布を可視化したシミュレーション結果の一例を示す。
図4から図6に見られるように、比率(S/R)が0.50以上0.91以下のモデル(実施例1〜5)では、実線Lで示される従来例に比較して抽気圧力損失がやや増大したが(図6)、チャー反応率(図4)及び原料脱炭酸率(図5)が従来例より大きく向上したことがわかる。
一方、比率(S/R)が0.15の比較例3では、実線Lで示される従来例に比較して抽気圧力損失はほぼ同等であったが(図6)、チャー反応率(図4)及び原料脱炭酸率(図5)が大きく低下した。また、比率(S/R)が0.41の比較例2では、実線Lで示される従来例に比較してチャー反応率(図4)および原料脱炭酸率(図5)が向上しなかったが、抽気圧力損失(図6)がやや増大した。また、比率(S/R)が1.0の比較例1では旋回効果がさらに大きく得られるため、チャー反応率および原料脱炭酸率は良好であったが、抽気圧力損失が急激に大きくなってしまった。
したがって、比率(S/R)を0.50以上0.91以下に設定することにより、抽気圧力損失を比較的低く抑えながら、微粉炭(燃料)の燃焼性とセメント原料の脱炭酸率とを向上させることができ、最適化された流動仮焼炉を形成できる。また、比率(S/R)が特に0.58以上0.91以下の範囲にある場合には、抽気圧力損失を比較的低く抑えながら、特に高い微粉炭の燃焼性やセメント原料の脱炭酸率を得られることがわかる。
以上の数値流体力学計算の結果に見られるように、上記実施形態に示した流動仮焼炉ににおいて炉体11Aへの抽気導管14Aの接続位置を比率(S/R)が0.50以上0.91以下となるように設定して、炉体11Aの円周接線方向と平行に(すなわち略水平に)抽気導管14Aを配置することにより、抽気空気を炉体11A内で好適に旋回させることができる。この旋回する抽気空気により燃料の微粉炭を撹拌(分散)させ、抽気空気(酸素)と微粉炭とを十分に接触させることができる。これにより、微粉炭の燃焼性を向上させることができるとともに、セメント原料の脱炭酸率を向上させることができる。
したがって、流動仮焼炉の出口における未燃焼率を低下させることができるので、燃料に燃焼性の悪い石炭やオイルコークスを使用した場合においても、プレヒータ内の温度を低く抑えてサイクロンや原料シュートでの付着物によるプレヒータでの閉塞を防止でき、十分な仮焼を行い良好な運転を行うことができる。
なお、比率(S/R)を大きくする程、炉体11Aの外周側に沿って抽気空気が導入されることから、図7Aに示すように、比率(S/R)が1.0の比較例1の場合では、旋回効果が大きくなるが、抽気空気やセメント原料粉が炉体の内壁面と接触することによる摩擦が大きくなり、抽気圧力損失が大きくなる。このため、図7B〜図7Fに示すように、比率(S/R)を0.91以下とすることで、抽気圧力損失を抑えながら、抽気空気の旋回効果を得ることができる。
一方、比率(S/R)が小さくなると、炉体11Aの中心付近に向けて抽気空気が導入されることから、抽気空気の旋回効果を得ることが難しくなる。このため、比率(S/R)は0.50以上とすることで、抽気空気の旋回効果を確実に得ることができる。図7Gは、抽気導管14Bが炉体11Bの中心に向けて設けられている、すなわち比率S/Rが0であるだけでなく、水平方向から傾斜して設けられた従来の流動仮焼炉における流速分布のシミュレーション結果である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
抽気空気を炉体内で旋回させて、抽気空気と燃料とを十分に接触させることができるので、流動仮焼炉出口における未燃焼率を低下させることができ、燃料に燃焼性の悪い石炭やオイルコークスを使用した場合においても、プレヒータ内の温度を低く抑えてサイクロンや原料シュートでの付着物によるプレヒータでの閉塞を防止できる。
10 流動仮焼炉
11,11A,11B 炉体
12,12A,12B 燃料吹込ライン
13,13A,13B 原料シュート
14a〜14d,14A,14B 抽気導管
15,15A,15B 流動化空気吹込口

Claims (3)

  1. 上下方向に沿う中心軸を有する筒状に形成され、流動化空気を内部に吹き込むための流動化空気吹込口を底部に有する炉体と、
    前記炉体の側部に接続されており、前記炉体内に燃料を吹き込む燃料吹込ラインと、
    前記炉体の側部に接続されており、前記炉体内にセメント原料を投入する原料シュートと、
    前記炉体の側部に接続されており、前記炉体内に抽気空気を導入する抽気導管と
    を備え、
    前記炉体の前記中心軸と直交する横断面において、前記抽気導管の中心軸の延長線は前記炉体の直径線からずれており、前記抽気導管の前記中心軸に平行な前記炉体の前記直径線から前記抽気導管の最も離れた位置の内壁面までの距離Sと前記炉体の内半径Rとの比率(S/R)が0.50以上0.91以下に設定される流動仮焼炉。
  2. 前記比率(S/R)が0.58以上0.91以下である請求項1記載の流動仮焼炉。
  3. 前記抽気導管は、前記炉体の周方向に複数設けられている請求項1記載の流動仮焼炉。
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