JP2016149194A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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浩哉 梅山
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達也 橋本
敬介 大原
Keisuke Ohara
敬介 大原
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Abstract

【課題】ハイレートサイクル時の抵抗増加を抑制する。【解決手段】非水電解液二次電池は、電解液の出入りが可能な開口部を有する電極体を備える。電極体は正極合材層12を含む。正極合材層12は、電極体の開口部に対面する側面12sを有する。正極合材層は、複数の複合粒子4と、複合粒子4同士の間に配置されたフィラーとを含む。複合粒子4は、正極活物質、導電材およびバインダを含有する。フィラーは、正極合材層12の側面12sから正極合材層の内部に連通する流路が形成されるように配置されている。【選択図】図3

Description

本発明は非水電解液二次電池に関する。
特開2012−028215号公報(特許文献1)には、内部に空隙を有する導電材(二次粒子)の製造方法、および該導電材を正極合材層に含有させた非水電解液二次電池が開示されている。
特開2012−028215号公報
特許文献1によれば、内部に空隙を有する導電材を正極合材層に含有させることにより、該空隙に電解液が浸透するようになり、正極合材層の保液性が向上するとされている。これにより、正極活物質の周囲に電解液を保持させることができ、ハイレート(大電流)特性の向上が期待される。
しかしながら、電解液は正極合材層に浸透するばかりではなく、正極合材層から染み出すこともある。とりわけ、ハイレート充放電を繰り返した際(以下「ハイレートサイクル時」と記す。)には、正極合材層の膨張収縮が激しくなり、正極合材層の側面から電解液が押し出されやすくなる。
正極合材層の側面から押し出された電解液は、電極体の開口部から電極体の外部に流出し、電極体の外部に貯留される余剰電解液と一体となる。しかし一旦、正極合材層から流出した電解液は、再び正極合材層に戻り難い傾向にある。その結果、電極体に保持される電解液の分布にムラが生じることになり、電池抵抗の増加を招く。
以上を踏まえ、本発明ではハイレートサイクル時の抵抗増加を抑制することを目的とする。
非水電解液二次電池は、電解液の出入りが可能な開口部を有する電極体を備える。電極体は正極合材層を含む。正極合材層は、電極体の開口部に対面する側面を有する。正極合材層は、複数の複合粒子と、該複合粒子同士の間に配置されたフィラーとを含む。複合粒子は、正極活物質、導電材およびバインダを含有する。フィラーは、正極合材層の側面から正極合材層の内部に連通する流路が形成されるように配置されている。
上記の複合粒子は、塊状複合粒子でもよいし円柱状複合粒子でもよい。好ましくは、正極合材層の側面の周辺には、複数の円柱状複合粒子が配置される。より好ましくは、正極合材層の全体が、複数の円柱状複合粒子から構成される。
上記の非水電解液二次電池では、正極合材層が、複数の複合粒子と、該複合粒子同士の間に配置されたフィラーとを含む。複合粒子は、正極活物質、導電材およびバインダを含有する。このように複合粒子内に正極活物質および導電材を配置することにより、正極活物質の周囲に電解液を保持させやすくなる。
正極合材層は、複合粒子同士の間に配置されたフィラーを含む。たとえば、予め複合粒子の表面にフィラーを付着させておくことにより、正極合材層において複合粒子同士の間にフィラーを局在させることができる。正極合材層においてフィラーの存在する領域には、電解液が浸透できる空隙が形成される。フィラーが複合粒子同士の隙間を完全には充たさないからである。正極合材層では、複数の複合粒子が互いに密着し、圧密された状態にある。そのため各複合粒子に付着したフィラーの分布にも自ずと連続性が生じることになる。フィラーの連続は、すなわち空隙の連続である。連続した空隙は、一種の毛細管とみなすことができる。
上記の非水電解液二次電池では、かかる毛細管が、正極合材層の側面から正極合材層の内部に連通する流路となっている。すなわち、正極合材層の側面から正極合材層の内部に連通する流路が形成されるように、フィラーが配置されているのである。これにより、正極合材層の側面から流出した電解液は、毛細管現象によって、正極合材層の内部へと戻れるようになる。
上記によれば、ハイレートサイクル時の抵抗増加を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る非水電解液二次電池の構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係る電極体の構成の一例を図解する概略図である。 正極の側面の周辺の構成の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る円柱状複合粒子の構成の一例を示す概略図である。 図4のV−V線における概略断面図である。 本発明の実施形態に係る正極の製造過程の一部を図解する概略図である。
以下、本発明の実施形態(以下「本実施形態」と記す。)について説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
〔非水電解液二次電池〕
図1は本実施形態に係る非水電解液二次電池の構成の一例を示す概略断面図である。図1に示されるように、非水電解液二次電池100は外装ケース50を備える。外装ケース50には、電極体80が内蔵されている。電極体80には電解液が含浸されている。外装ケース50の底部には、余剰電解液81が貯留されている。
図2は電極体の構成の一例を図解する概略図である。図2に示される電極体80は巻回式の電極体である。すなわち電極体80は、セパレータ40を挟んで正極10と負極20とを積層し、巻回してなる電極体である。電極体80は、巻回軸Awに沿った方向D1の端部に開口部OPを有している。開口部OPを通じて、電解液は電極体80に出入り可能である。すなわち開口部OPを通じて余剰電解液が電極体に流入することも可能であるし、開口部OPを通じて電極体に保持されている電解液が外部に流出することも可能である。電極体80において、集電箔が露出した箔露出部11a,21aは、外部端子との接続部位となる。以下、電極体を構成する各部材について説明する。
〔正極〕
図2に示されるように、正極10は長尺帯状のシート部材である。正極10は、正極集電箔11と、正極集電箔11の両主面上に配置された正極合材層12とを含む。正極合材層12は、側面12sを有している。電極体80において、側面12sは開口部OPに対面することになる。すなわち正極合材層12は、開口部OPに対面する側面12sを有している。
図3は正極合材層の側面の周辺の構成を示す概略図である。図3に示されるように、正極合材層12は、複数の円柱状複合粒子4と、円柱状複合粒子4同士の間に配置されたフィラー(図3では図示せず)とを含む。円柱状複合粒子4は、側面12sから正極合材層12の内部に向かう方向D2に沿って配向、整列している。その結果、円柱状複合粒子に付着したフィラーは、側面12sから正極合材層12の内部に連通する流路が形成されるように配置されている。電解液は、この流路に沿って正極合材層の内部へと誘導される。
なおここでは、正極合材層が円柱状複合粒子から構成される態様を例示しているが、正極合材層は塊状複合粒子から構成されていてもよい。ただし正極合材層の側面の周辺は、好ましくは円柱状複合粒子から構成される。円柱状複合粒子の配向性によって、前述の流路が形成されやすくなるからである。正極合材層は、より好ましくはその全域が円柱状複合粒子から構成される。
図4は、本実施形態に係る円柱状複合粒子およびフィラーの一例を示す概略図である。図5は図4のV−V線における概略断面図である。図4および図5に示されるように、円柱状複合粒子4の表面にはフィラー5が付着している。円柱状複合粒子の直径4dは、たとえば0.1〜5mm程度である。また円柱状複合粒子の高さ4hは、たとえば直径4dの1〜3倍程度である。
図5に示されるように、円柱状複合粒子4は、正極活物質1、導電材2およびバインダ3を含む。円柱状複合粒子は、たとえば正極活物質、導電材、バインダおよび溶媒を混合することにより造粒物を得、さらに該造粒物を押出し造粒することにより作製できる。その後、円柱状複合粒子と、フィラーとを混合することにより、円柱状複合粒子の表面にフィラーを付着させることもできる。造粒時の溶媒には、たとえばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等が用いられる。溶媒量は、造粒物が液状化しないように調整される。
ここで「円柱状」とは、必ずしも完全な円柱を示すものではない。円柱状複合粒子を、高さ方向D3と直交する面で切断した断面(図5を参照)は、たとえば楕円であってもよい。また円柱状複合粒子は、高さ方向D3において直線状に延びていなくてもよい。円柱状複合粒子は、一方向に沿って伸長する限り、湾曲していてもよい。正極合材層がこうした円柱状複合粒子を含むことは、正極合材層の表面あるいは断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)等で観察することにより容易に判別できる。
正極活物質は、たとえばLiCoO2、LiNiO2、一般式LiNiaCob2(ただし式中、a+b=1、0<a<1、0<b<1である。)で表される化合物、LiMnO2、LiMn24、一般式LiNiaCobMnc2(ただし式中、a+b+c=1、0<a<1、0<b<1、0<c<1である。)で表される化合物、LiFePO4等でよい。一般式LiNiaCobMnc2で表される化合物としては、たとえばLiNi1/3Co1/3Mn1/32等が挙げられる。導電材は、たとえばアセチレンブラック(AB)等でよい。導電材の配合量は、100質量部の正極活物質に対して、たとえば1〜10質量部程度でよい。バインダは、たとえばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等でよい。バインダの配合量は、100質量部の正極活物質に対して、たとえば1〜10質量部程度でよい。
フィラーは、好ましくは充放電反応に関与しない物質からなる。またフィラーは、正極活物質を含有する複合粒子が膨張することによって圧迫された際に、潰されない程度の硬さを有することが好ましい。こうした性質を有するフィラーとしては、たとえばアルミナ粒子、マグネシア粒子等が挙げられる。正極合材層においてフィラーが占める割合は、好ましくは0.3質量%以上7質量%以下である。同割合が0.3質量%未満の場合、電解液の流路が十分に形成されず、本実施形態の効果が低減することもあり得る。同割合が7質量%を超えると、電池容量が過度に低下する場合もあり得る。
フィラーのd50は、好ましくは0.7μm以上である。またフィラーのd50は、好ましくは正極活物質のd50の2倍以下である。フィラーの粒径が過度に小さくなると、フィラーが凝集しやすくなる。またフィラーの粒径が過度に大きくなると、孤立粒子となりやすい。いずれの場合にも、連通した流路が形成され難くなる傾向にある。ここで本明細書の「d50」は、レーザ回折散乱法によって測定された体積基準の粒度分布において積算値50%の粒径を示すものとする。
〔正極の製造方法〕
ここで正極の製造方法の一例を説明する。図6は、本実施形態に係る正極の製造過程の一部を図解する概略図である。図6中のAロール91、Bロール92およびCロール93はいずれもロール部材である。各ロール部材に示された矢印は、各ロール部材の回転方向を示している。図6では、複数の円柱状複合粒子4が、フィーダ94からAロール91とBロール92との間に供給される。図6では図示していないが、円柱状複合粒子4の表面にはフィラーが付着している。円柱状複合粒子4は、Aロール91またはBロール92の回転方向に沿って搬送され、Aロール91とBロール92とのギャップに到達する。この過程で、円柱状複合粒子4は、その高さ方向D3が各ロールの回転軸に沿うように配向、整列していく。Aロール91とBロール92とのギャップでは、複数の円柱状複合粒子4にAロール91およびBロール92から圧力が加わる。これにより複数の円柱状複合粒子4は、シート状の正極合材層12に成形される。こうして得られた正極合材層12では、円柱状複合粒子4が、各ロール部材の回転軸に沿って配向、整列することになる。
その後、正極合材層12は、Bロール92の回転方向に沿って搬送される。正極集電箔11は、Cロール93の回転方向に沿って搬送される。Bロール92とCロール93とのギャップでは、正極合材層12および正極集電箔11に、Bロール92およびCロール93から圧力が加わる。これにより正極合材層12が、正極集電箔11の主面に転写されるとともに、正極集電箔11の主面に圧着される。こうして円柱状複合粒子4の配向、整列状態を維持したまま、正極合材層12が正極集電箔11の主面上に配置される。その後、熱風乾燥炉等を用いて、正極合材層12に残存した溶媒を蒸発させてもよい。またロール圧延機等を用いて、正極合材層の厚さを調整してもよい。
〔負極〕
図2に示されるように、負極20は長尺帯状のシート部材である。負極20は、負極集電箔21と、負極集電箔21の両主面上に配置された負極合材層22とを含む。負極合材層は、従来公知の方法によって作製できる。たとえば、負極活物質等を溶媒中に分散してなる負極合材ペーストを負極集電箔の両主面上に塗工し、乾燥させることにより、負極合材層を形成できる。ペーストの溶媒には、たとえば水等を使用できる。
負極合材層は、負極活物質、増粘材およびバインダを含有する。負極活物質は特に制限されない。負極活物質は、黒鉛、コークス等の炭素系負極活物質でもよいし、シリコン(Si)、錫(Sn)等を含む合金系負極活物質でもよい。増粘材は、たとえばカルボキシメチルセルロース(CMC)等でよい。負極合材層における増粘材の配合量は、100質量部の負極活物質に対して、たとえば0.5〜2質量部程度でよい。バインダは、たとえばスチレンブタジエンゴム(SBR)等でよい。バインダの配合量は、100質量部の負極活物質に対して、たとえば0.5〜2質量部程度でよい。
〔セパレータ〕
セパレータは、電解液を透過させつつ、正極と負極との電気的な接触を防止するフィルム部材である。セパレータは、たとえばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等からなる単層または複層の微多孔フィルム等でよい。
〔電解液〕
電解液は、非プロトン性溶媒に支持電解質を溶解させてなる電解質溶液である。非プロトン性溶媒としては、たとえば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)およびγ−ブチロラクトン(γBL)等の環状カーボネート類、ならびにジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)およびジエチルカーボネート(DEC)等の鎖状カーボネート類等が挙げられる。非プロトン性溶媒は、環状カーボネート類および鎖状カーボネート類から2種以上を選択し、混合溶媒としてもよい。支持電解質としては、たとえばLiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、Li[(CF3SO22N]、Li[(FSO22N]、Li(CF3SO3)等のLi塩が挙げられる。Li塩も2種以上を併用してもよい。
以上、角形電池を例にとって本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。本実施形態は、たとえば円筒形電池、ラミネート型電池等にも適用できる。また電解液が出入り可能な開口部を有する限り、電極体は巻回式に限定されない。電極体は、セパレータを挟んで正極と負極とを交互に積層してなる積層式の電極体としてもよい。
以下、実施例を用いて本実施形態を説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
〔非水電解液二次電池の作製〕
以下のようにして試料A1、A2、B1〜B12、およびC1に係る非水電解液二次電池(定格容量 25Ah)を作製した。試料A1、A2、B1〜B12が実施例であり、試料C1が比較例である。
〔試料A1の作製〕
1.正極の作製
以下の材料を準備した
正極活物質:LiNi1/3Co1/3Mn1/32(d50 7μm)
導電材 :AB
バインダ :PVDF
フィラー :アルミナ(d50 4μm)
溶媒 :NMP
正極集電箔:Al箔(厚さ 15μm)。
プラネタリミキサの混合容器に、正極活物質(100質量部)、導電材(5質量部)、バインダ(1.96質量部)および溶媒(27質量部)を投入し、所定の時間に亘って攪拌、混合した。これにより粘土状の混合物を得た。この粘土状の混合物を、円筒形の成形孔を有する押出し造粒機に供給し、押出し造粒を行うことにより、円柱状複合粒子の粉体を得た。円柱状複合粒子の直径は0.8mmとした。
プラネタリミキサの混合容器に、上記で得た円柱状複合粒子の粉体、フィラー(2質量部)、バインダ(0.04質量部)および溶媒(2質量部)を投入し、攪拌することにより、円柱状複合粒子の表面にフィラーを付着させた。円柱状複合粒子の粉体の最終的な固形分濃度は約79質量%(78.7質量%)である。
図6に示される3本のロール部材から構成される装置を用いて、前述のようにして円柱状複合粒子4の粉体をシート状の正極合材層12に成形し、さらに正極合材層12を正極集電箔11の一方の主面に圧着した。圧着後、正極合材層12を熱風乾燥炉によって乾燥させた。同様にして正極集電箔の他方の主面にも正極合材層を圧着した。その後、ロール圧延機を用いて正極合材層の厚さを調整し、正極合材層および正極集電箔を所定の寸法に裁断することにより、図2に示す正極10を作製した。
試料A1に係る正極合材層では、円柱状複合粒子が、その高さ方向が正極合材層の幅方向に沿うように配向、整列していた。
2.負極の作製
以下の材料を準備した
負極活物質:黒鉛
増粘材 :CMC
バインダ :SBR
溶媒 :水
負極集電箔:Cu箔(厚さ 10μm)。
プラネタリミキサの混合容器に、負極活物質、増粘材、バインダおよび溶媒を投入し、混練することにより、負極ペーストを作製した。ダイコータを用いて、負極ペーストを負極集電箔の両主面に塗工し、乾燥させることにより、負極合材層を形成した。ロール圧延機を用いて負極合材層の厚さを調整した。さらに負極合材層および負極集電箔を所定の寸法に裁断することにより、図2に示す負極20を作製した。
3.電解液の調製
以下の組成を有する電解液を調製した
支持電解質:LiPF6(1.0mоl/L)
混合溶媒 :[EC:EMC:DEC=3:4:3(体積比)]。
4.電極体の作製
単層のPE層からなる微多孔膜セパレータを準備した。図2に示すように、セパレータ40を挟んで、正極10と負極20とを積層し、巻回することにより、巻回体を得た。このとき、外部端子との接続部位となる箔露出部11a,21aは、巻回軸に沿った方向D1の端部に配置した。さらに該巻回体を扁平状にプレス成形することにより、電極体80を作製した。電極体80は、電解液の出入りが可能な開口部OPを有するものである。
外形寸法が縦90mm×幅150mm×奥行25mmである外装ケースを準備した。外装ケースの側壁の厚さは1mmである。図1に示されるように、電極体80を外装ケース50に収容した。さらに外装ケース50に設けられた注液口(図示せず)から、上記で調整した電解液を注入し、注液口を封止した。以上より、試料A1に係る非水電解液二次電池を得た。
〔試料B1の作製〕
プラネタリミキサの混合容器に、正極活物質(100質量部)、導電材(5質量部)、バインダ(1.96質量部)、溶媒(25質量部)を投入し、所定の時間に亘って攪拌、混合した。これにより塊状複合粒子の粉体を得た。この複合粒子の粉体は、大部分が略球状の複合粒子で占められているが、各粒子の形状および大きさには多少のバラツキがある。
プラネタリミキサの混合容器に、上記で得た塊状複合粒子の粉体、フィラー(2質量部)、バインダ(0.04質量部)および溶媒(2質量部)を投入し、攪拌することにより、塊状複合粒子の表面にフィラーを付着させた。
これらを除いては、試料A1と同様にして試料B1に係る非水電解液二次電池を作製した。試料B1は、複合粒子の外形を円柱状とせず、塊状とした実施例である。
〔試料B2〜B5、B9およびB10の作製〕
表1に示すように、フィラーの配合量を変更することを除いては、試料B1と同様にして試料B2〜B5、B9およびB10に係る非水電解液二次電池を作製した。試料B2〜B5、B9およびB10は、複合粒子を塊状とした実施例である。
Figure 2016149194
〔試料B6〜B8、B11およびB12の作製〕
表1に示すように、d50が異なるフィラーを用いることを除いては、試料B1と同様にして試料B6〜B8、B11およびB12に係る非水電解液二次電池を作製した。試料B6〜B8、B11およびB12は、複合粒子を塊状とした実施例である。
〔試料A2の作製〕
図6に示される装置において、フィーダ94の内部を幅方向(図6の奥行方向)に3分割して、幅方向に隣接した3つの領域が同時に形成できるように調整した。3つの領域のうち中央の領域を中央領域、該中央領域の両側の領域を端部領域とする。中央領域の幅は、端部領域(片側)の約3倍とした。中央領域には、「試料B1の作製」において得られた塊状複合粒子を供給した。端部領域には、「試料A1の作製」において得られた円柱状複合粒子を供給した。
こうして幅方向に3つの領域を含む正極合材層を形成し、該正極合材層を正極集電箔の両主面上に配置した。
これらを除いては試料A1と同様にして、試料A2に係る非水電解液二次電池を作製した。試料A2は、正極合材層の幅方向において、正極合材層の両端に円柱状複合粒子を配置し、中央に塊状複合粒子を配置した実施例である。試料A2でも円柱状複合粒子は、その高さ方向が正極合材層の幅方向に沿うように配向、整列していた。
〔試料C1の作製〕
プラネタリミキサの混合容器に、正極活物質(100質量部)、導電材(5質量部)、バインダ(2質量部)、フィラー(2質量部)および溶媒を投入し、混練することにより、正極ペーストを作製した。溶媒量は、正極ペーストの固形分濃度が51質量%となるように調整した。
ダイコータを用いて、上記で得た正極ペーストを正極集電箔の両主面上に塗工し、乾燥させることにより、正極合材層を形成した。これらを除いては、試料A1と同様にして試料C1に係る非水電解液二次電池を作製した。試料C1は、複合粒子を含まないペースト塗膜を正極合材層とした比較例である。試料C1に係る正極合材層では、フィラーが一様に分散した状態であり、その分布に連続性あるいは配向性がない。
〔評価〕
以下のようにして、上記で得た各非水電解液二次電池を評価した。以下の説明において電流値の単位「C」は、電池の定格容量を1時間で放電しきる電流値を示すものとする。また「CC」は定電流を示し、「CV」は定電圧を示し、「CC−CV」は定電流−定電圧方式を示すものとする。
1.初期容量の測定
25℃において、1Cの電流値で電池を4.1Vまで充電した。その後5分間の休止を挟んで、1Cの電流値で電池を2.5Vまで放電した。さらに5分間の休止を挟んだ後、以下のCC−CV充電およびCC−CV放電を行って、初期容量(放電容量)を測定した。結果を表1に示す。表1の「初期容量」の欄に示す数値は、試料C1の初期容量を「1」とした場合の相対値を示している
CC−CV充電:CC電流=1C、CV電圧=4.1V、カット電流=0.01C
CC−CV放電:CC電流=1C、CV電圧=2.5V、カット電流=0.01C。
2.初期IV抵抗の測定
25℃において、電池を3.7Vまで充電した。250A×10秒のパルス放電を行い、放電開始から10秒後の電圧降下量を測定した。電圧降下量をパルス放電時の電流値(250A)で除することにより、初期IV抵抗を算出した。結果を表1に示す。表1の「初期IV抵抗」の欄に示す数値は、試料C1の初期IV抵抗を「1」とした場合の相対値を示している。
3.ハイレートサイクルに伴う抵抗変化量の測定
25℃において、以下の放電および充電の組み合わせを1サイクルとする充放電サイクルを繰り返した
放電:250A×10秒
充電:12.5A×200秒
充放電サイクルは放電から開始し、電池電圧が下限放電電圧に達するまで繰り返した。下限放電電圧は2.5Vに設定した。充放電サイクルが終了した後、上記の「2.電池抵抗の測定」と同様にして、サイクル後IV抵抗を測定した。サイクル後IV抵抗を初期IV抵抗で除することにより、抵抗変化率を測定した。結果を表1に示す。抵抗変化率の値が大きいほど、抵抗増加が大きいことを示している。
〔結果と考察〕
表1に示すように、フィラーを添加したペーストを用いて正極合材層を形成した試料C1では、十分な量のフィラーを配合したにもかかわらず、ハイレートサイクル時の抵抗増加が大きい結果となった。試料C1では、正極合材層の全体にフィラーが分散しており、電解液を保持できる空隙自体は形成されている。しかし、それらが連なった流路とはなっていないと考えられる。そのため正極合材層から流出した電解液が正極合材層に戻り難く、ハイレートサイクルに伴って、正極合材層の電解液保持量が減少し、抵抗増加を招いていると考えられる。
塊状複合粒子を用いた試料B1〜B8では、ペーストを用いた試料C1と比較して、ハイレートサイクル時の抵抗増加が抑制されていた。表面にフィラーを付着させた複合粒子を用いることにより、フィラーの分布に局在性が付与され、電解液の流路が形成されやすくなっていると考えられる。
円柱状複合粒子を用いた試料A1およびA2では、ハイレートサイクル時の抵抗増加が大幅に低減されていた。複合粒子の外形を円柱状とすることにより、正極合材層の側面から正極合材層の内部に連通する流路が形成されるように、フィラーが配置されるためであると考えられる。こうした流路が形成されることにより、正極合材層から流出した電解液が毛細管現象によって再び正極合材層に戻りやすくなり、ハイレートサイクルに伴う抵抗増加が抑制されたものと考えられる。
試料B1〜B5、B9およびB10の電池性能を比較すると、初期容量の観点からフィラーの配合量は7質量%以下が好ましく、抵抗変化率の観点からフィラーの配合量は0.3質量%以上が好ましいことが分かる。
また試料B1、B6〜B8、B11およびB12の電池性能を比較すると、抵抗増加率の観点からフィラーのd50は、0.7μm以上16μm以下が好ましいことが分かる。今回は正極活物質に、d50が7μmであるLiNi1/3Co1/3Mn1/32を用いている。よってフィラーのd50の上限は、正極活物質のd50の2倍程度が好ましいともいえる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 正極活物質、2 導電材、3 バインダ、4 円柱状複合粒子、4d 直径、4h 高さ、5 フィラー、10 正極、11 正極集電箔、11a,21a 箔露出部、12 正極合材層、12s 側面、20 負極、21 負極集電箔、22 負極合材層、40 セパレータ、50 外装ケース、80 電極体、81 余剰電解液、91 Aロール、92 Bロール、93 Cロール、94 フィーダ、100 非水電解液二次電池、Aw 巻回軸、D1,D2,D3 方向、OP 開口部。

Claims (1)

  1. 電解液の出入りが可能な開口部を有する電極体を備え、
    前記電極体は、正極合材層を含み、
    前記正極合材層は、前記開口部に対面する側面を有し、
    前記正極合材層は、複数の複合粒子と、前記複合粒子同士の間に配置されたフィラーとを含み、
    前記複合粒子は、正極活物質、導電材およびバインダを含有し、
    前記フィラーは、前記側面から前記正極合材層の内部に連通する流路が形成されるように配置されている、非水電解液二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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