JP2016100161A - 非水電解質二次電池用正極の製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内部短絡等の異常時に電池の発熱を抑制できる、非水電解質二次電池用正極を提供する。【解決手段】非水電解質二次電池用正極の製造方法は、加熱によりガスを放出するガス発生物質を黒鉛層間に含む膨張黒鉛に、絶縁性の無機酸化物粒子を付着させることにより、複合粒子を得る第1工程(S101)と、該複合粒子、正極活物質および結着材を混合し、造粒することにより、造粒体を得る第2工程(S103)と、該造粒体をシート状に圧縮成形することにより、正極合材層を形成する第3工程(S104)と、該正極合材層を正極集電箔上に配置する第4工程(S104)と、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、非水電解質二次電池用正極の製造方法に関する。
特開2008−262785号公報(特許文献1)には、熱膨張材料(膨張黒鉛)を含む膨張部材が設けられている、非水電解質二次電池用正極が開示されている。
特開2008−262785号公報
内部短絡、過充電等の異常時に電池機能を安全に停止させる方法が検討されている。特許文献1では、所定の温度に達すると急激に体積が増大する膨張黒鉛を、正極合材層に添加した正極が開示されている。この正極において、所定以上の発熱が起こると、膨張黒鉛が急激に膨張する。これにより正極合材層内の粒子間隔が拡張して、導電ネットワークが寸断される。よって熱暴走に至る大きな発熱を抑制できる。
しかしながら膨張黒鉛は、膨張後であっても導電性を示す場合もある。したがってこの方法では、発熱抑制効果が小さくなることも考えられる。
ゆえに本発明は、内部短絡等の異常時に電池の発熱を抑制できる、非水電解質二次電池用正極の提供を目的とする。
非水電解質二次電池用正極の製造方法は、加熱によりガスを放出するガス発生物質を黒鉛層間に含む膨張黒鉛に、絶縁性の無機酸化物粒子を付着させることにより、複合粒子を得る第1工程と、該複合粒子、正極活物質および結着材を混合し、造粒することにより、造粒体を得る第2工程と、該造粒体をシート状に圧縮成形することにより、正極合材層を形成する第3工程と、該正極合材層を正極集電箔上に配置する第4工程と、を含む。
上記の製造方法では、膨張黒鉛に絶縁性の無機酸化物粒子を付着させた複合粒子を用いる。つまり膨張黒鉛に絶縁性を付与する。これにより発熱抑制効果を大きくすることができる。
上記の製造方法では、造粒体から正極合材層を形成する。造粒体とは、造粒粒子の集合体である。造粒体をシート状に圧縮成形することにより、正極合材層を形成することができる。従来、正極合材層の形成方法としては、正極合材を溶媒中で混練してなる塗料(「スラリー」、「ペースト」とも呼ばれる)を使用するのが一般的である。しかし本発明者の研究によれば、こうした塗料に上記の複合粒子を分散させた場合、正極合材層を形成するまでの間に、無機酸化物粒子が複合粒子から脱落して溶媒中に拡散してしまい、所望の絶縁性が発現しない。そこで上記のように、塗料よりも溶媒量が少ない造粒体を採用することにより、無機酸化物粒子の脱落を抑制することができる。
上記によれば、内部短絡等の異常時に電池の発熱を抑制できる。
本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池の製造方法の概略を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池用正極の製造方法の概略を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る複合粒子の構成の一例を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る造粒粒子の構成の一例を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池用正極の構成の一例を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池用正極の構成の一例を示す概略断面図である。 電極作製装置の構成の一例を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る負極の構成の一例を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る電極体の構成の一例を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池の構成の一例を示す概略図である。 図10のXI−XI線における概略断面図である。
以下、本発明の一実施形態(以下「本実施形態」と記す)について詳細に説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。以下の説明において、「平均粒径」とは、レーザ回折/散乱法によって測定された粒度分布において、積算値50%での粒径(いわゆる「D50」)を示すものとする。
〔非水電解質二次電池の製造方法〕
図1は、本実施形態に係る非水電解質二次電池の製造方法の概略を示すフローチャートである。図1に示されるように、当該製造方法は、正極作製工程(S100)、負極作製工程(S200)、電極体作製工程(S300)、ケース挿入工程(S400)および注液工程(S500)を備える。以下、各工程について説明する。
〔正極作製工程(S100)〕
正極作製工程では、図5に示される正極10が作製される。つまり正極作製工程では、非水電解質二次電池用正極の製造方法が用いられる。図2は正極作製工程の概略を示すフローチャートである。図2に示されるように正極作製工程(S100)は、第1工程(S101)、第2工程(S102)、第3工程(S103)および第4工程(S104)を含む。
〔第1工程(S101)〕
第1工程では、図3に示される膨張黒鉛3aに、絶縁性の無機酸化物粒子3bを付着させることにより、複合粒子3を作製する。
膨張黒鉛は、加熱によりガスを放出するガス発生物質を黒鉛層間に含む。膨張黒鉛の平均粒径は、好ましくは5μm以上10μm以下である。
ガス発生物質は、所定の温度以上に加熱されると、燃焼、分解あるいは揮発してガスを放出する。放出されたガスは黒鉛層間を押し広げる。これにより膨張黒鉛の体積が急激に増大する。ガス発生物質は、たとえば硫酸、硝酸等である。膨張黒鉛において、ガス発生物質の含有量は、好ましくは1質量%以上15質量%以下である。膨張黒鉛の体積が急激に増大し始める温度、すなわち膨張開始温度は、ガス発生物質の種類および含有量等によって調整可能である。
膨張開始温度は、たとえば150℃以上とするとよい。内部短絡が生じた際、短絡点の温度は500℃以上になることもある。こうした観点から膨張開始温度は500℃以下が好ましい。
本実施形態では、絶縁性の無機酸化物粒子が使用される。「絶縁性」とは、抵抗率が106Ωm以上であることを示す。絶縁性の無機酸化物粒子としては、たとえばアルミナ(Al23)、マグネシア(MgO)、チタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)等が好適である。無機酸化物粒子の平均粒径は、膨張黒鉛の平均粒径よりも小さいことが好ましい。膨張黒鉛に無機酸化物粒子を均一に付着させやすくなるからである。無機酸化物粒子の平均粒径は、好ましくは0.1μm以上2.0μm以下である。
複合粒子は、膨張黒鉛、無機酸化物粒子、結着材および溶媒を混合し、造粒することにより、作製できる。混合、造粒には一般的な混合装置(たとえばプラネタリミキサ等)が使用される。溶媒には、たとえばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等が使用される。結着材には、たとえばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が使用される。複合粒子において無機酸化物粒子が占める割合は、好ましくは10質量%以上20質量%以下である。膨張黒鉛が占める割合は、好ましくは75%質量以上89質量%以下である。結着材が占める割合は、好ましくは1質量%以上5質量%以下である。
〔第2工程(S102)〕
第2工程では、複合粒子、正極活物質、導電材、結着材および溶媒を混合し、造粒することにより、造粒体を作製する。造粒体は、図4に示される造粒粒子8aの集合体である。造粒粒子8aは、複合粒子3、正極活物質1、導電材2および結着材(図示せず)を含む。造粒には、第1工程と同様に一般的な混合装置が使用される。溶媒は、たとえばNMP等である。
造粒体の固形分において複合粒子が占める割合は、好ましくは0.5質量%以上5質量%以下である。この範囲で発熱抑制効果が顕著だからである。同割合は、より好ましくは1質量%以上4質量%以下であり、特に好ましくは1質量%以上3質量%以下である。
正極活物質は、非水電解質二次電池の正極活物質として機能し得るものであればよい。たとえばLiCoO2、LiNiO2、LiNiaCob2(ただし式中、a+b=1、0<a<1、0<b<1である)、LiMnO2、LiMn24、LiNiaCobMnc2(ただし式中、a+b+c=1、0<a<1、0<b<1、0<c<1である)、LiFePO4等を使用できる。造粒体において正極活物質が占める割合は、たとえば80〜97.5質量%程度である。
導電材には、たとえばアセチレンブラック、黒鉛等を使用できる。造粒体の固形分において導電材が占める割合は、たとえば1〜10質量%程度である。結着材には、たとえばPVDF、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を使用できる。造粒体の固形分において結着材が占める割合は、たとえば1〜10質量%程度である。
〔第3工程(S103)〕
第3工程では、造粒体をシート状に圧縮成形することにより、正極合材層を形成する。図7は、第3工程および後述する第4工程に好適に用いられる電極作製装置90の概略図である。造粒体は、図7に示されるフィーダ95に入れられる。造粒体8は、フィーダ95から、Aロール91とBロール92との間に供給される。ここで図7中の矢印は各ロール部材の回転方向を示している。造粒体8は、Aロール91またはBロール92上を矢印の方向に搬送され、Aロール91とBロール92との隙間に到達する。当該隙間では、造粒体8にAロール91およびBロール92から圧力が加わり、造粒体8はシート状の正極合材層12へと成形される。正極合材層12の幅は、仕切り部材94によって調整される。正極合材層12の目付量(単位面積当たりの質量)は、Aロール91とBロール92との隙間によって調整される。
〔第4工程(S104)〕
第4工程では、正極合材層12を正極集電箔11上に配置する。正極集電箔11は、たとえばアルミニウム(Al)箔である。図7に示されるように、シート状に成形された正極合材層12は、Bロール92上を矢印の方向に搬送される。正極集電箔11は、Cロール93上を矢印の方向に搬送される。Bロール92とCロール93との隙間では、正極合材層12および正極集電箔11に、Bロール92およびCロール93から圧力が加わり、正極合材層12がBロール92上から、正極集電箔11上へと転写されるとともに、正極集電箔11に圧着される。
以上のように、第1工程、第2工程、第3工程および第4工程を順次実行することにより、正極10を製造できる。
〔非水電解質二次電池用正極〕
図5は、正極10の構成の一例を示す概略図である。図5に示されるように正極10は、長尺帯状のシート部材である。正極10は、正極集電箔11と、正極集電箔11の両主面上に形成された正極合材層12とを含む。正極10は、正極集電箔11が露出した露出部Epを有する。露出部Epは集電のために設けられている。
図6は正極10の概略断面図である。図6に示されるように、正極合材層12は、正極活物質1、導電材2、複合粒子3および結着材(図示せず)を含む。本実施形態では、無機酸化物粒子3bが膨張黒鉛3aに付着している。造粒体から正極合材層12を形成しているからである。塗料から正極合材層を形成した場合には、正極合材層において無機酸化物粒子が膨張黒鉛に付着した状態を維持することは困難である。本実施形態では、内部短絡等が発生した際に、膨張黒鉛3aの膨張と、無機酸化物粒子3bの絶縁性とが相俟って、短絡抵抗を高くすることができる。これにより、大きな発熱抑制効果が得られる。
〔負極作製工程(S200)〕
負極作製工程では、図8に示される負極20が作製される。図8に示されるように負極20は、長尺帯状のシート部材である。負極20は、負極集電箔21と、負極集電箔21の両主面上に形成された負極合材層22とを含む。負極20は、負極集電箔21が露出した露出部Epを有する。露出部Epは集電のために設けられている。負極集電箔21は、たとえば銅(Cu)箔である。
負極20は、たとえば次のようにして作製できる。負極活物質、増粘材および結着材を、水中で混練して負極塗料を作製する。ダイコータ等を用いて、負極塗料を負極集電箔21上の所定の位置に塗工する。塗工後、負極塗料を乾燥する。こうして負極合材層22を形成できる。また正極合材層12と同様に、負極合材層22も造粒体から形成してもよい。
負極活物質は、非水電解質二次電池の負極活物質として機能し得るものであればよい。たとえば、黒鉛、コークス等の炭素系負極活物質、あるいはシリコン(Si)、スズ(Sn)等の合金系負極活物質等を使用できる。増粘材には、たとえばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用できる。結着材には、たとえばスチレンブタジエンゴム(SBR)等を使用できる。負極合材の配合(質量比)は、たとえば負極活物質:増粘材:結着材=98:1:1程度である。
〔電極体作製工程(S300)〕
電極体作製工程では、電極体80が作製される。図9は電極体80の構成の一例を示す概略図である。図9に示されるように、電極体80は、セパレータ40を挟んで正極10と負極20とを対向配置させ、これらを各部材の長手方向に沿って巻回することにより作製される。このとき正極10および負極20の露出部Epは、巻回軸AW上の両端部に配置される。電極体80は、楕円状に巻回された後、扁平状に加圧成形される。
セパレータには、たとえばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の微多孔膜が好適である。セパレータの厚さは、たとえば5〜40μm程度である。セパレータの孔径および空孔率は、透気度が所望の値となるように適宜調整すればよい。またセパレータは、複数の微多孔膜が積層されたものであってもよいし、その表面に無機フィラー(たとえばアルミナ等)を含む耐熱層が形成されたものであってもよい。
〔ケース挿入工程(S400)〕
ケース挿入工程では、図10に示される電池ケース50が準備される。電池ケース50は、有底角形のケース本体52と蓋54とから構成されている。電池ケース50の材質は、たとえばAl合金である。蓋54には、正極端子70および負極端子72が設けられている。
図11は、図10のXI−XI線における概略断面図である。図11に示されるように電極体80の正極10側の露出部Ep(正極集電箔11)は、正極端子70と電気的に接続される。同様に、負極20側の露出部Ep(負極集電箔21)は、負極端子72と電気的に接続される。その後、電極体80がケース本体52に挿入される。ケース本体52と蓋54とは、たとえばレーザ溶接によって接合される。
〔注液工程(S500)〕
注液工程(S500)では、電池ケース50内に電解液が注入される。電解液は、たとえば電池ケース50に設けられた注液孔(図示せず)から注入される。注入後、注液孔は所定の封止手段によって封止される。
電解液(電解質溶液)は、非プロトン性溶媒にLi塩を溶解させることにより準備される。非プロトン性溶媒には、たとえばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、およびγ−ブチロラクトン(γBL)等の環状カーボネート類、ならびにジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)およびジエチルカーボネート(DEC)等の鎖状カーボネート類等を使用できる。これらの非プロトン性溶媒は電気伝導率および電気化学的な安定性の観点から2種以上を併用することが望ましい。特に環状カーボネートと鎖状カーボネートとを混合して使用することが望ましく、その際、環状カーボネートと鎖状カーボネートの体積比は1:9〜5:5程度が好ましい。
Li塩には、たとえば、ヘキサフルオロ燐酸リチウム(LiPF6)、テトラフルオロ硼酸リチウム(LiBF4)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、ヘキサフロオロ砒酸リチウム(LiAsF6)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム〔Li(CF3SO22N〕、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)等を使用できる。これらのLi塩についても2種以上を併用してもよい。電解液中におけるLi塩の濃度は、0.5〜2.0mol/L程度が好ましい。なお本実施形態では、電解液に代えてゲル状の電解質を用いてもよい。
以上のようにして、図10および図11に示される電池100が製造される。今回は角形電池を例にとって本実施形態を説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。本実施形態は、たとえば円筒形電池、ラミネート電池にも適用可能である。また電極体も巻回式に限られない。電極体は積層式(「スタック式」ともいう)としてもよい。
以下、実施例を用いて本実施形態をさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
〔非水電解質二次電池用正極の作製〕
以下のようにして試料A1〜A12ならびに試料B1およびB2に係る正極を作製した。試料A1〜A12が実施例、試料B1およびB2が比較例に相当する。
〔試料A1〕
1.複合粒子の作製
次の材料を準備した
膨張黒鉛:平均粒径5μm、ガス発生物質の含有量(10質量%)
無機酸化物粒子:アルミナ(平均粒径2μm)
結着材 :PVDF
溶媒 :NMP。
膨張黒鉛(100質量部)、アルミナ(100質量部)およびPVDF(2質量部)にNMPを加え、プラネタリミキサで混合し、造粒することにより、複合粒子を得た。
2.正極の作製
次の材料を準備した
正極活物質:LiNi1/3Co1/3Mn1/32(平均粒径5μm)
導電材 :アセチレンブラック。
LiNi1/3Co1/3Mn1/32(88質量部)、アセチレンブラック(8質量部)、複合粒子(2質量部)およびPVDF(2質量部)にNMPを加え、プラネタリミキサで混合し、造粒することにより、造粒体を得た。造粒体の固形分比率は75質量%とした。
図7に示される電極作製装置90を用いて、造粒体8から正極合材層12を形成し、Al箔(正極集電箔11)の両主面上に転写した。その後、所定の厚さ、寸法に加工することにより試料A1を得た。試料A1の構成を表1に示す。
〔試料A2〜A4〕
表1に示すように、無機酸化物粒子をマグネシア、チタニア、ジルコニアに変更することを除いては、試料A1と同様にして試料A2〜A4を得た。
〔試料A5〕
上記「2.正極の作製」において、正極合材の配合をLiNi1/3Co1/3Mn1/32(89.5質量部)、アセチレンブラック(8質量部)、複合粒子(0.5質量部)およびPVDF(2質量部)とすることを除いては、試料A1と同様にして試料A5を得た。
〔試料A6〕
上記「2.正極の作製」において、正極合材の配合をLiNi1/3Co1/3Mn1/32(85質量部)、アセチレンブラック(8質量部)、複合粒子(5質量部)およびPVDF(2質量部)とすることを除いては、試料A1と同様にして試料A6を得た。
〔試料A7〕
表1に示すように、膨張黒鉛におけるガス発生物質の含有量を1質量%に変更することを除いては、試料A1と同様にして試料A7を得た。
〔試料A8〕
表1に示すように、膨張黒鉛におけるガス発生物質の含有量を5質量%に変更することを除いては、試料A1と同様にして試料A8を得た。
〔試料A9〕
表1に示すように、膨張黒鉛におけるガス発生物質の含有量を15質量%に変更することを除いては、試料A1と同様にして試料A9を得た。
〔試料A10〕
表1に示すように、無機酸化物粒子として平均粒径が5μmであるアルミナを用いることを除いては、試料A1と同様にして試料A10を得た。
〔試料A11〕
表1に示すように、平均粒径が10μmである膨張黒鉛を用いることを除いては、試料A1と同様にして試料A11を得た。
〔試料A12〕
上記「2.正極の作製」において、正極合材の配合をLiNi1/3Co1/3Mn1/32(88質量部)、アセチレンブラック(8質量部)、複合粒子(0質量部)およびPVDF(2質量部)として、複合粒子を含まない造粒体を作製した。
図7に示される電極作製装置90を用いて、複合粒子からなる第1層を形成し、Al箔に転写した。次いで、複合粒子を含まない造粒体から第2層を形成し、第1層上に第2層を転写した。これら以外は試料A1と同様にして、試料A12を得た。試料A12は、正極集電箔と正極合材層との界面に、局所的に複合粒子を配置した試料である。
〔試料B1〕
表1に示すように、無機酸化物粒子を付着させていない膨張黒鉛を用いることを除いては、試料A1と同様にして試料B1を得た。
〔試料B2〕
上記「2.正極の作製」において、NMPを増量して混合物の固形分比率を52質量%とすることにより、塗料を作製した。ダイコータを用いて、該塗料をAl箔上に塗工し、乾燥することにより、正極合材層を形成した。これらを除いては、試料A1と同様にして試料B2を得た。
〔非水電解質二次電池の作製〕
試料A1〜A12、ならびに試料B1およびB2を用いて、定格容量が4Ahである評価用電池を作製した。
1.負極の作製
次の材料を準備した
負極活物質:黒鉛
増粘材 :CMC
結着材 :SBR
溶媒 :水。
黒鉛、CMCおよびSBRを水中で混練することにより、負極塗料を作製した。ダイコータを用いて、負極塗料をCu箔上に塗工し、乾燥することにより負極合材層を形成した。その後、所定の厚さ、寸法に加工することにより負極を得た。
2.組み立て
図9に示すように、セパレータ40、正極10および負極20を巻回することにより、電極体80を作製した。図11に示すように、電極体80を電池ケース50に挿入した。電池ケース50に、次の組成の電解液を注液し、その後内部を密閉した
LiPF6(1.0mоl/L) EC:DMC:EMC=3:4:3(体積比)。
3.初期充放電
4Aの電流値で4.1Vに達するまで電池を充電した。その後、4Aの電流値で3.0Vに達するまで電池を放電した。
〔釘刺し試験〕
釘刺し試験によって、内部短絡時の発熱を評価した。結果を表1に示す。試験手順は次のとおりである。先ず25℃において電池を4.1Vまで充電した。電池の表面に熱電対を取り付けた。φ2.5mmの釘を準備した。25℃において、電池の中央部に100mm/sの速度で釘を刺し込み、強制的に内部短絡を生じさせた。熱電対によって、短絡後の電池表面の最高到達温度を測定した。
〔結果と考察〕
1.試料B1(比較例)
試料B1では、電池の発熱が大きい結果となった。膨張黒鉛に絶縁性の無機酸化物粒子を付着させていないために、短絡抵抗が低くなったものと考えられる。
2.試料B2(比較例)
試料B2も発熱が大きい結果となった。試料B2は、塗料を経て正極合材層を作製しているために、無機酸化物粒子が複合粒子から脱落したものと考えられる。
3.試料A1(実施例)
試料B1およびB2に比し、試料A1では発熱を大幅に抑制できた。試料A1では造粒体から正極合材層を形成している。よって正極合材層においても、膨張黒鉛に無機酸化物粒子が付着した状態を維持できている。これにより短絡抵抗が高くなり、大きな発熱抑制効果が得られるものと考えられる。
4.試料A1〜A4
無機酸化物粒子の種類にかかわらず、大きな発熱抑制効果が得られた。よって絶縁性の無機酸化物粒子は、アルミナ、マグネシア、チタニアおよびジルコニアからなる群より選択される少なくともいずれか1種でよい。
5.試料A1、A5およびA6
正極合材層における複合粒子の含有量が多いほど、発熱抑制効果が大きい傾向が確認された。
6.試料A1ならびにA7〜A9
膨張黒鉛におけるガス発生物質の含有量が多いほど、発熱抑制効果が大きい傾向が確認された。ガス発生物質が多いほど、膨張黒鉛の体積が増大するからであると考えられる。
7.試料A1およびA10
試料A1では、試料A10よりも大きな発熱抑制効果が得られた。試料A1では、無機酸化物粒子の平均粒径が、膨張黒鉛の平均粒径よりも小さい。このため試料A1では、試料A10よりも均一に、無機酸化物粒子を膨張黒鉛の表面に付着させることができ、それにより短絡抵抗が高くなったと考えられる。
8.試料A1およびA11
膨張黒鉛の平均粒径にかかわらず、大きな発熱抑制効果が得られた。
9.試料A1およびA12
複合粒子を正極集電箔と正極合材層との界面に配置した試料A12では、発熱抑制効果が大きい傾向が確認された。
以上の結果から、加熱によりガスを放出するガス発生物質を黒鉛層間に含む膨張黒鉛に、絶縁性の無機酸化物粒子を付着させることにより、複合粒子を得る第1工程と、該複合粒子、正極活物質および結着材を混合し、造粒することにより、造粒体を得る第2工程と、該造粒体をシート状に圧縮成形することにより、正極合材層を形成する第3工程と、該正極合材層を正極集電箔上に配置する第4工程と、を含む、非水電解質二次電池用正極の製造方法によれば、内部短絡等の異常時に電池の発熱を抑制できることが実証できたといえる。
以上、本発明の一実施形態および実施例について説明したが、今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 正極活物質、2 導電材、3 複合粒子、3a 膨張黒鉛、3b 無機酸化物粒子、8 造粒体、8a 造粒粒子、10 正極、11 正極集電箔、12 正極合材層、20 負極、21 負極集電箔、22 負極合材層、40 セパレータ、50 電池ケース、52 ケース本体、54 蓋、70 正極端子、72 負極端子、80 電極体、90 電極作製装置、91,92,93 ロール、94 仕切り部材、95 フィーダ、100 電池、AW 巻回軸、Ep 露出部。

Claims (1)

  1. 加熱によりガスを放出するガス発生物質を黒鉛層間に含む膨張黒鉛に、絶縁性の無機酸化物粒子を付着させることにより、複合粒子を得る第1工程と、
    前記複合粒子、正極活物質および結着材を混合し、造粒することにより、造粒体を得る第2工程と、
    前記造粒体をシート状に圧縮成形することにより、正極合材層を形成する第3工程と、
    前記正極合材層を正極集電箔上に配置する第4工程と、を含む、非水電解質二次電池用正極の製造方法。
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