JP2016143555A - 非水電解液二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハイレートサイクル時の抵抗増加を抑制する。【解決手段】非水電解液二次電池は、黒鉛系負極活物質、無定形炭素および結着材を含む負極合材層を備える。負極合材層のうち該無定形炭素が占める割合は、0質量%を超えて10質量%以下である。黒鉛系負極活物質のDBP吸油量は、50ml/100g以上である。無定形炭素のDBP吸油量は、30ml/100g以上49ml/100g以下である。【選択図】なし
Description
本発明は非水電解液二次電池に関する。
特開2002−260662号公報(特許文献1)には、負極活物質と、DBP吸油量が140ml/100g以上の無定形炭素と、結着材とを含むスラリーを集電芯材上に塗着してなる負極合材層が記載されている。
負極用の導電材として無定形炭素が検討されている。特許文献1によれば、DBP吸油量が多い無定形炭素を用いることにより、負極合材(固形分)を溶媒中に分散させてスラリーとした際に、固形分の分散性が向上するとされている。これにより、このスラリーから形成された負極合材層において、導電材の分布を均一化させることができる。導電材の分布が均一であれば、ハイレート(大電流)特性の向上が期待できる。
しかしながら本発明者の検討によると、負極合材層に無定形炭素を添加した非水電解液二次電池には未だ改善の余地がある。すなわち、ハイレート充放電を繰り返した際の抵抗増加が大きく、ハイレートサイクル特性が十分とはいえない。
それゆえ本発明の目的は、負極合材層に無定形炭素を添加した非水電解液二次電池において、ハイレートサイクル時の抵抗増加を抑制することである。
非水電解液二次電池は、黒鉛系負極活物質、無定形炭素および結着材を含む負極合材層を備える。負極合材層のうち該無定形炭素が占める割合は、0質量%を超えて10質量%以下である。黒鉛系負極活物質のDBP吸油量は、50ml/100g以上である。無定形炭素のDBP吸油量は、30ml/100g以上49ml/100g以下である。
本発明者の検討によると、無定形炭素を負極合材層に添加した非水電解液二次電池では、次の理由によりハイレートサイクル時の抵抗増加が促進されると考えられる。すなわち黒鉛系負極活物質と電解液との親和性よりも、無定形炭素と電解液との親和性が高いために、電解液が無定形炭素に吸収され、黒鉛系負極活物質に保持される電解液が減少する。これにより充放電反応に寄与できる電解液が不足し、ハイレートサイクル時の抵抗増加が促進されると考えられる。
そこで上記の非水電解液二次電池では、黒鉛系負極活物質のDBP吸油量が無定形炭素のDBP吸油量よりも多く、かつその差が1ml/100g以上となるように、両者の関係を規定している。ここで「DBP(Di−Butyl Phthalate)吸油量」は、黒鉛系負極活物質または無定形炭素と、電解液との親和性の度合いを表す指標である。DBP吸油量が高いほど、電解液との親和性が高いと考えられる。上記のように黒鉛系負極活物質のDBP吸油量と無定形炭素の吸油量との差を1ml/100g以上とすることにより、黒鉛系負極活物質が電解液を優先的に保持できるようになる。これにより充放電反応に寄与できる電解液の減少を抑制できる。よって上記の非水電解液二次電池では、無定形炭素の添加によって負極合材層の導電性を高めつつ、ハイレートサイクル時の抵抗増加を抑制できる。
ただし負極合材層のうち無定形炭素が占める割合は、0質量%を超えて10質量%以下とする。同割合が10質量%を超えると、電池容量が過度に低下することもある。
また黒鉛系負極活物質のDBP吸油量は50ml/100g以上とする。黒鉛系負極活物質のDBP吸油量が50ml/100g未満になると、電解液が浸透できる空隙が少なくなり、ハイレート充放電においてリチウム(Li)イオンの挿入脱離に支障を来す場合もある。無定形炭素のDBP吸油量は30ml/100g以上とする。無定形炭素のDBP吸油量が30ml/100g未満になると、分散性が低下し、導電材としての機能が低下する場合もある。
上記によれば、ハイレートサイクル時の抵抗増加を抑制できる。
以下、本発明の実施形態(以下「本実施形態」と記す。)について説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
〔非水電解液二次電池〕
図1は本実施形態に係る非水電解液二次電池の構成の一例を示す概略断面図である。図1に示されるように、非水電解液二次電池100は外装体50を備える。外装体50は、角形ケース52と蓋54とから構成されている。蓋54には正極端子70および負極端子72が設けられている。
図1は本実施形態に係る非水電解液二次電池の構成の一例を示す概略断面図である。図1に示されるように、非水電解液二次電池100は外装体50を備える。外装体50は、角形ケース52と蓋54とから構成されている。蓋54には正極端子70および負極端子72が設けられている。
外装体50には、電極体80および電解液(図示せず)が内蔵されている。電極体80は、芯材露出部11a,21aにおいて、正極端子70および負極端子72と接続されている。図2は本実施形態に係る電極体の構成の一例を示す概略図である。図2に示される電極体80は、巻回式の電極体である。すなわち電極体80は、セパレータ40を挟んで、正極10と負極20とを積層し巻回してなる電極体である。
〔負極〕
図3は本実施形態に係る負極の構成の一例を示す概略図である。図3に示されるように、負極20は長尺帯状のシート部材である。負極20は、負極集電芯材21と、負極集電芯材21の両主面上に形成された負極合材層22とを含む。負極集電芯材21が露出した芯材露出部21aは、電極体80において負極端子72との接続部分となる。
図3は本実施形態に係る負極の構成の一例を示す概略図である。図3に示されるように、負極20は長尺帯状のシート部材である。負極20は、負極集電芯材21と、負極集電芯材21の両主面上に形成された負極合材層22とを含む。負極集電芯材21が露出した芯材露出部21aは、電極体80において負極端子72との接続部分となる。
負極合材層は、黒鉛系負極活物質、無定形炭素および結着材を含む。負極合材層は従来公知の方法で形成できる。たとえば、黒鉛系負極活物質、無定形炭素および結着材を溶媒中に分散させてなる負極合材スラリーを負極集電芯材上に塗工し、乾燥させることにより、負極合材層を形成できる。スラリーの溶媒には、たとえば水等を使用できる。
〔黒鉛系負極活物質〕
黒鉛系負極活物質は、少なくとも一部に黒鉛結晶構造を有する粒子である。黒鉛層間へのLiイオンの挿入が負極の充電反応であり、黒鉛層間からのLiイオンの脱離が負極の放電反応である。黒鉛系負極活物質は、人造黒鉛でもよいし天然黒鉛でもよい。黒鉛系負極活物質としては、たとえば鱗片状黒鉛、土状黒鉛、塊状黒鉛、熱分解黒鉛、膨張黒鉛、球形化黒鉛(たとえば鱗片状黒鉛を球形化したもの)等が挙げられる。黒鉛系負極活物質は、無定形炭素による被覆処理等が施されていてもよい。
黒鉛系負極活物質は、少なくとも一部に黒鉛結晶構造を有する粒子である。黒鉛層間へのLiイオンの挿入が負極の充電反応であり、黒鉛層間からのLiイオンの脱離が負極の放電反応である。黒鉛系負極活物質は、人造黒鉛でもよいし天然黒鉛でもよい。黒鉛系負極活物質としては、たとえば鱗片状黒鉛、土状黒鉛、塊状黒鉛、熱分解黒鉛、膨張黒鉛、球形化黒鉛(たとえば鱗片状黒鉛を球形化したもの)等が挙げられる。黒鉛系負極活物質は、無定形炭素による被覆処理等が施されていてもよい。
黒鉛系負極活物質のDBP吸油量は50ml/100g以上である。黒鉛系負極活物質のDBP吸油量が50ml/100g未満になると、電解液が浸透できる空隙が少なくなり、ハイレート充放電においてLiイオンの挿入脱離に支障を来す場合もある。黒鉛系負極活物質のDBP吸油量の上限は特に制限されない。黒鉛系負極活物質のDBP吸油量の上限は、たとえば500ml/100gである。
ここで黒鉛系負極活物質および後述の無定形炭素のDBP吸油量は、「JIS K 6221」に準拠した方法によって測定された値を示すものとする。負極合材層から、黒鉛系負極活物質と無定形炭素とをそれぞれ採取して、DBP吸油量をそれぞれ測定することもできる。たとえば、次の(1)〜(5)の手順に従って、負極合材層から黒鉛系負極活物質と無定形炭素とをそれぞれ採取できる。
(1)負極合材層を負極集電芯材から剥離し、負極合材を回収する
(2)負極合材を溶媒で洗浄して、後述の結着材および増粘材等を洗い流す。溶媒は、結着材および増粘材の種類に応じて適宜選択される。溶媒はたとえば水である
(3)洗浄後、固形分を乾燥させる
(4)乾燥後の固形分を粉砕することにより、粉末試料を得る
(5)気流分級によって粉末試料を黒鉛系負極活物質と無定形炭素に分離する。
(2)負極合材を溶媒で洗浄して、後述の結着材および増粘材等を洗い流す。溶媒は、結着材および増粘材の種類に応じて適宜選択される。溶媒はたとえば水である
(3)洗浄後、固形分を乾燥させる
(4)乾燥後の固形分を粉砕することにより、粉末試料を得る
(5)気流分級によって粉末試料を黒鉛系負極活物質と無定形炭素に分離する。
黒鉛系負極活物質は、DBP吸油量が50ml/100g以上である限り、その他の物性は特に制限されない。黒鉛系負極活物質のD50は、たとえば1〜30μm程度である。ここで本明細書におけるD50は、レーザ回折散乱法によって測定された体積基準の粒度分布において、積算値50%での粒径を示すものとする。
〔無定形炭素〕
無定形炭素は、黒鉛結晶構造を有しない炭素材料からなる粒子である。無定形炭素は負極合材層において導電材として機能する。すなわち無定形炭素は、黒鉛系負極活物質相互間の導電性を高める。無定形炭素としては、たとえばアセチレンブラック、ファーネスブラック(たとえば登録商標「ケッチェンブラック」等)、チャンネルブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類が挙げられる。
無定形炭素は、黒鉛結晶構造を有しない炭素材料からなる粒子である。無定形炭素は負極合材層において導電材として機能する。すなわち無定形炭素は、黒鉛系負極活物質相互間の導電性を高める。無定形炭素としては、たとえばアセチレンブラック、ファーネスブラック(たとえば登録商標「ケッチェンブラック」等)、チャンネルブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類が挙げられる。
無定形炭素のDBP吸油量は30ml/100g以上49ml/100g以下である。無定形炭素のDBP吸油量が49ml/100g以下であることにより、前述の黒鉛系負極活物質のDBP吸油量と、無定形炭素のDBP吸油量との差が1ml/100g以上となる。これにより黒鉛系負極活物質が電解液を優先的に保持できるようになる。黒鉛系負極活物質のDBP吸油量と、無定形炭素のDBP吸油量との差が大きいほど、ハイレートサイクル特性の向上が期待できる。よって無定形炭素のDBP吸油量は、好ましくは40ml/100g以下である。ただし無定形炭素のDBP吸油量が30ml/100g未満になると、分散性が低下し、導電材としての機能が低下するおそれがある。よって無定形炭素のDBP吸油量は30ml/100g以上である。
DBP吸油量の多い黒鉛系負極活物質を用いることにより、黒鉛系負極活物質のDBP吸油量と、無定形炭素のDBP吸油量との差を大きくすることもできる。黒鉛系負極活物質のDBP吸油量と、無定形炭素のDBP吸油量との差は、好ましくは10ml/100g以上であり、より好ましくは20ml/100g以上である。
無定形炭素は、DBP吸油量が30ml/100g以上49ml/100g以下である限り、その他の物性は特に制限されない。無定形炭素のD50は、たとえば10nm〜1μm程度である。
負極合材層のうち無定形炭素の占める割合は、0質量%を超えて10質量%以下である。同割合が10質量%を超えると、電池容量が過度に低下することもある。同割合は、好ましくは2質量%以上である。同割合を2質量%以上にすることにより、ハイレート特性の向上が期待できる。
〔結着材〕
結着材は、たとえばスチレンブタジエンゴム(SBR)等でよい。結着材の配合量は、100質量部の黒鉛系負極活物質に対して、たとえば0.5〜2質量部程度でよい。本実施形態では、スラリー時の固形分の分散性を安定化させるために、増粘材を併用してもよい。増粘材は、たとえばカルボキシメチルセルロース(CMC)等でよい。増粘材の配合量は、100質量部の黒鉛系負極活物質に対して、たとえば0.5〜2質量部程度でよい。
結着材は、たとえばスチレンブタジエンゴム(SBR)等でよい。結着材の配合量は、100質量部の黒鉛系負極活物質に対して、たとえば0.5〜2質量部程度でよい。本実施形態では、スラリー時の固形分の分散性を安定化させるために、増粘材を併用してもよい。増粘材は、たとえばカルボキシメチルセルロース(CMC)等でよい。増粘材の配合量は、100質量部の黒鉛系負極活物質に対して、たとえば0.5〜2質量部程度でよい。
〔正極〕
図4は本実施形態に係る正極の構成の一例を示す概略図である。図4に示されるように、正極10は長尺帯状のシート部材である。正極10は、正極集電芯材11と、正極集電芯材11の両主面上に形成された正極合材層12とを含む。正極集電芯材が露出した芯材露出部11aは、電極体80において正極端子70との接続部分となる。
図4は本実施形態に係る正極の構成の一例を示す概略図である。図4に示されるように、正極10は長尺帯状のシート部材である。正極10は、正極集電芯材11と、正極集電芯材11の両主面上に形成された正極合材層12とを含む。正極集電芯材が露出した芯材露出部11aは、電極体80において正極端子70との接続部分となる。
正極合材層は、正極活物質、導電材および結着材を含む。正極合材層は従来公知の方法によって形成できる。たとえば、正極活物質、導電材および結着材を溶媒中に分散させてなる正極合材スラリーを正極集電箔上に塗工し、乾燥させることにより正極合材層を形成できる。スラリーの溶媒には、たとえばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等を使用できる。
正極活物質は、たとえばLiCoO2、LiNiO2、一般式LiNiaCobO2(ただし式中、a+b=1、0<a<1、0<b<1である。)で表される化合物、LiMnO2、LiMn2O4、一般式LiNiaCobMncO2(ただし式中、a+b+c=1、0<a<1、0<b<1、0<c<1である。)で表される化合物、LiFePO4等でよい。一般式LiNiaCobMncO2で表される化合物としては、たとえばLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2等が挙げられる。導電材は、たとえばアセチレンブラック等でよい。導電材の配合量は、100質量部の正極活物質に対して、たとえば1〜10質量部程度でよい。結着材は、たとえばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等でよい。バインダの配合量は、100質量部の正極活物質に対して、たとえば1〜10質量部程度でよい。
〔セパレータ〕
セパレータは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等からなる単層または複層の微多孔膜でよい。セパレータは、その表面に耐熱層が形成されていてもよい。耐熱層は、たとえばアルミナ粒子等の無機粒子と、アクリルゴム等の結着材とから構成される。
セパレータは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等からなる単層または複層の微多孔膜でよい。セパレータは、その表面に耐熱層が形成されていてもよい。耐熱層は、たとえばアルミナ粒子等の無機粒子と、アクリルゴム等の結着材とから構成される。
〔電解液〕
電解液は、非プロトン性溶媒に支持電解質を溶解させてなる電解質溶液である。非プロトン性溶媒は、たとえばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)およびγ−ブチロラクトン(γBL)等の環状カーボネート類でもよいし、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)およびジエチルカーボネート(DEC)等の鎖状カーボネート類等でもよい。非プロトン性溶媒は、環状カーボネート類および鎖状カーボネート類から2種以上を選択し、混合溶媒としてもよい。支持電解質としては、たとえばLiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、Li[(CF3SO2)2N]、Li[(FSO2)2N]、Li(CF3SO3)等のLi塩が挙げられる。Li塩も2種以上を併用してもよい。
電解液は、非プロトン性溶媒に支持電解質を溶解させてなる電解質溶液である。非プロトン性溶媒は、たとえばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)およびγ−ブチロラクトン(γBL)等の環状カーボネート類でもよいし、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)およびジエチルカーボネート(DEC)等の鎖状カーボネート類等でもよい。非プロトン性溶媒は、環状カーボネート類および鎖状カーボネート類から2種以上を選択し、混合溶媒としてもよい。支持電解質としては、たとえばLiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、Li[(CF3SO2)2N]、Li[(FSO2)2N]、Li(CF3SO3)等のLi塩が挙げられる。Li塩も2種以上を併用してもよい。
以上、角形電池を例にとって本実施形態を説明したが、本実施形態は角形電池に限定されない。本実施形態は、たとえば円筒形電池、ラミネート型電池にも適用できる。
以下、実施例を用いて本実施形態を説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
〔非水電解液二次電池の作製〕
以下のようにして、試料A1〜A9ならびに試料B1〜B8に係る非水電解液二次電池(定格容量3.6Ah)を作製した。ここでは試料A1〜A9が実施例であり、試料B1〜B8が比較例である。
以下のようにして、試料A1〜A9ならびに試料B1〜B8に係る非水電解液二次電池(定格容量3.6Ah)を作製した。ここでは試料A1〜A9が実施例であり、試料B1〜B8が比較例である。
〔試料A1の作製〕
1.負極の作製
以下の材料を準備した
黒鉛系負極活物質:炭素被覆球形化黒鉛(DBP吸油量50ml/100g)
無定形炭素 :低ストラクチャカーボン(DBP吸油量49ml/100g)
増粘材 :CMC(製品名「BSH」、第一製薬社製)
結着材 :SBR
溶媒 :水
負極集電芯材:Cu箔(厚さ15μm)。
1.負極の作製
以下の材料を準備した
黒鉛系負極活物質:炭素被覆球形化黒鉛(DBP吸油量50ml/100g)
無定形炭素 :低ストラクチャカーボン(DBP吸油量49ml/100g)
増粘材 :CMC(製品名「BSH」、第一製薬社製)
結着材 :SBR
溶媒 :水
負極集電芯材:Cu箔(厚さ15μm)。
プラネタリミキサの混合容器に、黒鉛系負極活物質と無定形炭素とを投入し、所定の時間攪拌した。次いで同混合容器に、溶媒、増粘材および結着材を加えて混練することにより、負極合材スラリーを作製した。このとき固形分の配合は、黒鉛系負極活物質および無定形炭素:増粘材:結着材=98.6質量部:0.7質量部:0.7質量部とした。負極合材のうち無定形炭素の占める割合は、2質量%とした。
ダイコータを用いて、上記で得た負極合材スラリーを負極集電芯材上に塗工し、乾燥させることにより負極合材層を形成した。ロール圧延機を用いて負極合材層を圧延し、負極合材層の厚さを調整した。負極合材層の厚さは150μmとした。負極合材層および負極集電芯材を所定の寸法に裁断することにより、図3に示される負極20を作製した。図3に示される各寸法等は次のとおりとした
負極の長さL20 :3100mm
負極合材層の幅W22:102mm。
負極の長さL20 :3100mm
負極合材層の幅W22:102mm。
2.正極の作製
以下の材料を準備した
正極活物質 :LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2
導電材 :アセチレンブラック
結着材 :PVDF
溶媒 :NMP
正極集電芯材:Al箔(厚さ15μm)。
以下の材料を準備した
正極活物質 :LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2
導電材 :アセチレンブラック
結着材 :PVDF
溶媒 :NMP
正極集電芯材:Al箔(厚さ15μm)。
プラネタリミキサの混合容器に、正極活物質、導電材、結着材および溶媒を投入し、所定の時間混練することにより、正極合材スラリーを作製した。このとき固形分の配合は、正極活物質:導電材:結着材=90質量部:8質量部:2質量部とした。
ダイコータを用いて、上記で得た正極合材スラリーを正極集電芯材上に塗工し、乾燥させることにより正極合材層を形成した。ロール圧延機を用いて正極合材層を圧延し、正極合材層の厚さを調整した。正極合材層の厚さは65μmとした。正極合材層および正極集電芯材を所定の寸法に裁断することにより、図4に示される正極10を作製した。図4に示される各寸法等は次のとおりとした
正極の長さL10 :3000mm
正極合材層の幅W12:98mm。
正極の長さL10 :3000mm
正極合材層の幅W12:98mm。
3.セパレータの作製
セパレータ基材として、PP層/PE層/PP層の3層構造を有する微多孔膜を準備した。セパレータ基材の厚さは20μmとした。
セパレータ基材として、PP層/PE層/PP層の3層構造を有する微多孔膜を準備した。セパレータ基材の厚さは20μmとした。
分散機を用いて、アルミナ粒子およびアクリルゴムを溶媒中に分散させて耐熱層となるべきスラリーを作製した。このスラリーを、グラビアコータを用いてセパレータ基材上に塗工し、乾燥させることにより耐熱層を形成した。耐熱層の厚さは4μmとした。
4.電極体の作製(図2を参照)
セパレータ40を挟んで、正極10と負極20とを積層し巻回することにより、楕円状の巻回体を得た。この巻回体を平板プレス機によってプレス成形することにより、扁平状の外形を有する電極体80を作製した。このとき成形圧力は4kN/cm2、成形時間は2秒とした。
セパレータ40を挟んで、正極10と負極20とを積層し巻回することにより、楕円状の巻回体を得た。この巻回体を平板プレス機によってプレス成形することにより、扁平状の外形を有する電極体80を作製した。このとき成形圧力は4kN/cm2、成形時間は2秒とした。
5.組み立て(図1を参照)
外装体50の蓋54に設けられた正極端子70および負極端子72と、上記で得た電極体80の芯材露出部11a,21aとを接続した。次いで電極体80を角形ケース52に収容し、蓋54と角形ケース52とを接合した。
外装体50の蓋54に設けられた正極端子70および負極端子72と、上記で得た電極体80の芯材露出部11a,21aとを接続した。次いで電極体80を角形ケース52に収容し、蓋54と角形ケース52とを接合した。
6.注液
以下の組成を有する電解液を外装体に設けられた注液口から注入し、注入後、注液口を封止した。電解液の注液量は41gとした。こうして試料A1に係る非水電解液二次電池を作製した
支持電解質:LiPF6(1.0mоl/L)
溶媒 :[EC:DMC:EMC=3:4:3]。
以下の組成を有する電解液を外装体に設けられた注液口から注入し、注入後、注液口を封止した。電解液の注液量は41gとした。こうして試料A1に係る非水電解液二次電池を作製した
支持電解質:LiPF6(1.0mоl/L)
溶媒 :[EC:DMC:EMC=3:4:3]。
〔試料B1〕
無定形炭素を負極合材に添加しないことを除いては、試料A1と同様にして、試料B1に係る非水電解液二次電池を作製した。
無定形炭素を負極合材に添加しないことを除いては、試料A1と同様にして、試料B1に係る非水電解液二次電池を作製した。
〔試料A2〜A9ならびにB2〜B8の作製〕
無定形炭素として、DBP吸油量が50ml/100g、40ml/100g、30ml/100gである3種の低ストラクチャカーボンを準備した。表1に示すように、無定形炭素の種類、ならびに負極合材層のうち無定形炭素が占める割合を変更することを除いては、試料A1と同様にして、試料A2〜A9ならびにB2〜B8に係る非水電解液二次電池を作製した。
無定形炭素として、DBP吸油量が50ml/100g、40ml/100g、30ml/100gである3種の低ストラクチャカーボンを準備した。表1に示すように、無定形炭素の種類、ならびに負極合材層のうち無定形炭素が占める割合を変更することを除いては、試料A1と同様にして、試料A2〜A9ならびにB2〜B8に係る非水電解液二次電池を作製した。
〔評価〕
1.ハイレートサイクル試験
各電池においてハイレートサイクル試験を行い、試験後の内部抵抗を測定した。結果を表1に示す。表1の「ハイレートサイクル後の内部抵抗」の欄に示す数値は、試料B1の内部抵抗を「1」とした場合の相対値を示している。この数値が小さいほど、ハイレートサイクル時の抵抗増加が抑制されているといえる。
1.ハイレートサイクル試験
各電池においてハイレートサイクル試験を行い、試験後の内部抵抗を測定した。結果を表1に示す。表1の「ハイレートサイクル後の内部抵抗」の欄に示す数値は、試料B1の内部抵抗を「1」とした場合の相対値を示している。この数値が小さいほど、ハイレートサイクル時の抵抗増加が抑制されているといえる。
2.電池容量
試料B1、A1、A4、A7およびB6の電池容量を測定した。結果を表1に示す。表1の「電池容量」の欄に示す数値は、試料B1の電池容量を「1」とした場合の相対値を示している。
試料B1、A1、A4、A7およびB6の電池容量を測定した。結果を表1に示す。表1の「電池容量」の欄に示す数値は、試料B1の電池容量を「1」とした場合の相対値を示している。
〔結果と考察〕
表1に示すように、負極合材層のうち無定形炭素が占める割合が0質量%を超えて10質量%以下であり、黒鉛系負極活物質のDBP吸油量が50ml/100g以上であり、該無定形炭素のDBP吸油量が30ml/100g以上49ml/100g以下である、試料A1〜A9ではハイレートサイクル後の内部抵抗が低い。すなわちハイレートサイクル時の抵抗増加が抑制されている。黒鉛系負極活物質のDBP吸油量と、無定形炭素のDBP吸油量との差を1ml/100g以上としたことにより、黒鉛系負極活物質が電解液を優先的に保持できるためであると考えられる。
表1に示すように、負極合材層のうち無定形炭素が占める割合が0質量%を超えて10質量%以下であり、黒鉛系負極活物質のDBP吸油量が50ml/100g以上であり、該無定形炭素のDBP吸油量が30ml/100g以上49ml/100g以下である、試料A1〜A9ではハイレートサイクル後の内部抵抗が低い。すなわちハイレートサイクル時の抵抗増加が抑制されている。黒鉛系負極活物質のDBP吸油量と、無定形炭素のDBP吸油量との差を1ml/100g以上としたことにより、黒鉛系負極活物質が電解液を優先的に保持できるためであると考えられる。
表1中、たとえば試料B3ならびにA4〜A6の結果を比較すると、黒鉛系負極活物質のDBP吸油量と、無定形炭素のDBP吸油量との差が大きくなるほど、抵抗低減効果が大きいことが分かる。この結果から、黒鉛系負極活物質のDBP吸油量と、無定形炭素のDBP吸油量との差は、好ましくは10ml/100g以上であり、より好ましくは20ml/100g以上である。同様の観点から、無定形炭素のDBP吸油量は、好ましくは40ml/100g以下である。
試料B1〜B4の結果から、黒鉛系負極活物質のDBP吸油量と、無定形炭素のDBP吸油量とが等しい場合には、無定形炭素の割合を増やしても抵抗増加の抑制効果は得られない。黒鉛系負極活物質と無定形炭素との間で、電解液の保持しやすさに優劣がないためであると考えられる。
試料B1、A4、A7およびB6の結果から、黒鉛系負極活物質のDBP吸油量と、無定形炭素のDBP吸油量との差が1ml/100g以上の場合、無定形炭素の割合を増やすほど、抵抗増加の抑制効果が大きくなることが分かる。しかし無定形炭素の割合が10質量%を超えると、電池容量の低下が顕著である。よって無定形炭素の割合は10質量%以下であることを要する。
今回の実験では、電流レート(=電流値÷定格容量)を10C以上に設定したハイレートサイクル試験において、上記のような抵抗増加の抑制効果が顕在化した。標準的なレート(たとえば2C程度)のサイクル試験では、試料B1においても顕著な抵抗増加が認められなかった。ハイレートサイクルでは黒鉛系負極活物質の膨張収縮が激しくなり、電解液が負極合材層から押し出されやすくなる。そのため充放電反応に寄与できる電解液量の重要性が増すものと考えられる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 正極、11 正極集電芯材、11a,21a 芯材露出部、12 正極合材層、20 負極、21 負極集電芯材、22 負極合材層、40 セパレータ、50 外装体、52 角形ケース、54 蓋、70 正極端子、72 負極端子、80 電極体、100 非水電解液二次電池、L10,L20 長さ、W12,W22 幅。
Claims (1)
- 黒鉛系負極活物質、無定形炭素および結着材を含む負極合材層を備え、
前記負極合材層のうち前記無定形炭素が占める割合は、0質量%を超えて10質量%以下であり、
前記黒鉛系負極活物質のDBP吸油量は、50ml/100g以上であり、
前記無定形炭素のDBP吸油量は、30ml/100g以上49ml/100g以下である、非水電解液二次電池。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015018407A JP2016143555A (ja) | 2015-02-02 | 2015-02-02 | 非水電解液二次電池 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11450853B2 (en) * | 2013-11-27 | 2022-09-20 | Mitsubishi Chemical Corporation | Carbon material for negative electrode of non-aqueous secondary battery, negative electrode for non-aqueous secondary battery, and non-aqueous secondary battery |
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2015
- 2015-02-02 JP JP2015018407A patent/JP2016143555A/ja active Pending
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