JP2017098155A - 非水電解液二次電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な初期抵抗を有し、ハイレートで充放電を繰り返した際の電池抵抗の増加が抑制された非水電解液二次電池を製造可能な方法を提供する。【解決手段】ここに開示される非水電解液二次電池の製造方法は、数平均分子量が200万以上のポリエチレンオキシド、カルボキシメチルセルロース、および水を混合して、ポリエチレンオキシドおよびカルボキシメチルセルロースの水溶液を調製する工程S101と、該水溶液に、負極活物質および結着剤を添加して混練し、負極ペーストを得る工程S102と、該負極ペーストを負極集電体上に塗布し、乾燥することにより負極シートを得る工程S103とを包含する。【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解液二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池(リチウム二次電池)等の非水電解液二次電池は、既存の電池に比べて軽量且つエネルギー密度が高いことから、近年、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源や車両駆動用電源として用いられている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両の駆動用高出力電源として今後ますます普及していくことが期待されている。
リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池は、さらなる高性能化が求められており、種々の観点から性能向上が図られている。リチウムイオン二次電池に用いられる負極は、一般的に、負極集電体上に負極活物質を含む負極活物質層が形成された構成を有している。負極活物質層は、負極活物質以外の成分を含み得るが、この負極活物質以外の成分によって、非水電解液二次電池の性能を向上させる技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、負極活物質層に特定量の数平均分子量が5000〜100万のポリエチレンオキシド(以下、「PEO」ともいう)を含有させることにより、電極体への非水電解液の浸透性が制御され、非水電解液二次電池を高容量化および高寿命化できることが記載されている。また、特許文献2には、負極活物質層に、リチウム導電性高分子として分子量が5万〜100万のPEOと、カルボキシメチルセルロース(以下、「CMC」ともいう)とを特定量含有させることにより、負極活物質表面での金属リチウムの析出を抑制でき、負極活物質層における分散安定性を向上できることが記載されている。
特開2005−032549号公報 特開2012−049061号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、負極活物質層に特定量の数平均分子量が5000〜100万のPEOを含有させた非水電解液二次電池や、負極活物質層に、分子量が5万〜100万のPEOと、CMCとを特定量を含有させた非水電解液二次電池においては、ハイレートで充放電を繰り返した際に、電池抵抗が増加するという問題があることが見出された。
ここで、特許文献1には、数平均分子量が200万以上のPEOを用いた非水電解液二次電池が比較例として開示されている。本発明者の検討によれば、数平均分子量が200万以上のPEOを用いることにより、ハイレートで充放電を繰り返した際の電池抵抗の増加を抑制できることが見出された。しかしながら、数平均分子量が200万以上のPEOは、凝集を起こし易い。本発明者の検討によれば、PEOが凝集を起こすと、負極活物質層に偏在して反応ムラを生じ、これにより初期抵抗が高くなるという問題があることが見出された。
そこで本発明は、良好な初期抵抗を有し、ハイレートで充放電を繰り返した際の電池抵抗の増加が抑制された非水電解液二次電池を製造可能な方法を提供することを目的とする。
従来は、数平均分子量が100万を超えるPEOは、非水電解液を吸収しすぎるために負極に電解液が偏在する、あるいは負極活物質表面が厚いPEO膜で覆われてリチウム導電性が低下する等の理由から、使用が避けられていた。しかしながら、上述のように本発明者の検討によれば、数平均分子量が200万以上のPEOを用いることにより、ハイレートで充放電を繰り返した際の電池抵抗の増加を抑制できることを見出した。しかしながら、上述のように数平均分子量が200万以上のPEOは、凝集を起こしやすい。そこで、本発明者は、増粘剤としてCMCを使用し、負極を特定の手順で作製することにより、PEOの凝集を抑制できることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、ここに開示される非水電解液二次電池の製造方法は、数平均分子量が200万以上のPEO、CMC、および水を混合して、PEOおよびCMCの水溶液を調製する工程と、前記水溶液に、負極活物質および結着剤を添加して混練し、負極ペーストを得る工程と、前記負極ペーストを負極集電体上に塗布し、乾燥することにより負極シートを得る工程とを包含する。
このような構成によれば、良好な初期抵抗を有し、ハイレートで充放電を繰り返した際の電池抵抗の増加が抑制された非水電解液二次電池を製造することができる。
本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池の製造方法の各工程を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る製造方法により得られるリチウムイオン二次電池の捲回電極体の構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る製造方法により得られるリチウムイオン二次電池の内部構造を模式的に示す断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない非水電解液二次電池の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般をいい、リチウムイオン二次電池等のいわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。
以下、一実施形態を挙げて、本発明について詳細に説明するが、本発明をかかる実施形態に限定することを意図したものではない。
図1に、本実施形態に係る非水電解液二次電池の製造方法の各工程を示す。図2に、本実施形態に係る製造方法により得られる非水電解液二次電池の一例のリチウムイオン二次電池100の捲回電極体20の構成を模式的に示す。図3に、本実施形態に係る製造方法により得られる非水電解液二次電池の一例のリチウムイオン二次電池100の内部構造を模式的に示す。
図1に示すように本実施形態に係る非水電解液二次電池(リチウムイオン二次電池)100の製造方法は、数平均分子量が200万以上のPEO、CMC、および水を混合して、PEOおよびCMCの水溶液を調製する工程(PEO・CMC含有水溶液調製工程)S101と、該水溶液に、負極活物質および結着剤を添加して混練し、負極ペーストを得る工程(負極ペースト作製工程)S102と、該負極ペーストを負極集電体62上に塗布し、乾燥することにより負極シート60を得る工程(負極シート作製工程)S103とを包含する。また、得られた負極シート60を用いて、非水電解液二次電池(リチウムイオン二次電池)100を構築する工程が行われる。
まず、PEO・CMC含有水溶液調製工程S101について説明する。当該工程では、数平均分子量が200万以上のPEO、CMC、および水を混合して、PEOおよびCMCの水溶液を調製する。
ここで用いられるPEOは、数平均分子量が200万以上のPEOである。非水電解液二次電池を充放電した場合には、負極が膨張と収縮を起こす。この負極の膨張と収縮は充放電がハイレートであるほど顕著に起こる。よって、一般的に、ハイレートで充放電した際には、負極から非水電解液が排出されやすく、電池抵抗の増加を招きやすい。しかしながら、本実施形態において使用される数平均分子量が200万のPEOは、非水電解液の吸収量が高い。このため、非水電解液二次電池をハイレートで充放電した際に、負極から非水電解液が排出されにくく、仮に、排出されても負極中に浸入する余剰の非水電解液を保持しやすく、これによりいわゆる液枯れが起きにくくなる。このため、ハイレートで充放電した際の電池抵抗の増加を抑制することができる。PEOの数平均分子量は、200万以上1000万以下であることが好ましい。なお、PEOの数平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により求めることができる。
CMCは、負極ペーストの増粘剤となる成分である。CMCは、負極活物質層64の各構成成分の均一分散に寄与し、初期抵抗の増加抑制に寄与する成分である。増粘剤としての機能が高く、少量の使用でも負極ペースト中の各成分を良好に分散させることができることから、1重量%水溶液とした際の粘度が8000m・Pa以上となるCMCを用いることが好ましい。
PEO、CMC、および水の混合は、公知方法に従い行うことができる。例えば、混合は、水に所定量のPEOおよびCMCを添加し、公知の撹拌装置用いてPEOおよびCMCを水中に分散させることにより行うことができる。
PEOの使用量は、好ましくは、負極活物質層64を構成する全成分(負極ペーストの固形分)中、0.2〜0.6重量%である。
CMCの使用量は、好ましくは、負極活物質層64を構成する全成分(負極ペーストの固形分)中、0.2〜0.8重量%である。
PEOとCMCの混合割合としては、PEOとCMCの合計を1とした場合に、PEOが0.2〜0.8であることが好ましく、0.2〜0.6であることがより好ましい。PEOの混合割合が0.2〜0.6であった場合には、得られる非水電解液二次電池100の初期抵抗が特に良好であり、ハイレートで充放電を繰り返した際の抵抗増加も特に小さい。
混合を行うことにより、PEOおよびCMCの水溶液(PEOおよびCMCが溶解して均一に分散した水溶液)が得られる。
次に、負極ペースト作製工程S102について説明する。当該工程では、上記で得られた水溶液に、負極活物質および結着剤を添加して混練し、負極ペーストを得る。なお、本明細書において、「ペースト」とは、固形分の一部またはすべてが溶媒に分散した混合物のことをいい、いわゆる「スラリー」、「インク」等を包含する。
負極活物質としては、例えば、天然黒鉛(石墨)およびその改質体や石油または石炭系の材料から製造された人造黒鉛等の黒鉛(グラファイト);ハードカーボン(難黒鉛化炭素)、ソフトカーボン(易黒鉛化炭素)、カーボンナノチューブ等少なくとも一部に黒鉛構造(層状構造)を有する(低結晶性の)炭素材料;リチウムチタン複合酸化物等の金属酸化物;スズ(Sn)やケイ素(Si)とリチウムの合金等を用いることができる。負極活物質の使用量は、好ましくは、負極活物質層64を構成する全成分(負極ペーストの固形分)中、90〜99重量%である。
結着剤としては、ゴム系バインダが好ましく用いられる。その例としては、スチレンブタジエンゴム(SBR)およびその変性体、アクリロニトリルブタジエンゴムおよびその変性体、アクリルゴムおよびその変性体、フッ素ゴム等が挙げられる。なかでも、SBRが好ましい。
混練は、公知方法に従い行うことができ、例えば、負極活物質および結着剤が添加された上記の水溶液を公知の混練装置で混練することにより、行うことができる。混練により、負極ペーストが得られる。
次の負極シート作製工程S103で、乾燥時のPEOのマイグレーションを防止する観点から、負極ペースト中の固形分濃度は、60重量%以上であることが好ましい。
次に、負極シート作製工程S103が行われる。当該工程では、上記で得られた負極ペーストを負極集電体62上に塗布し、乾燥することにより負極シート60を得る。
負極集電体62としては、導電性の良好な金属(例えば、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)からなる導電性部材が好ましく用いられる。負極集電体62の形状は、得られる負極を用いて構築されるリチウムイオン二次電池の形状等に応じて異なり得るため特に制限はなく、棒状、板状、シート状、箔状、メッシュ状等の種々の形態であってよい。好適には、負極集電体62は、シート状または箔状である。本実施形態では、負極集電体62には、銅箔が用いられている。負極集電体62の厚みは特に限定されないが、負極集電体62として銅箔を用いる場合、その厚みは、例えば6μm〜30μmである。
負極集電体62への上記負極ペーストの塗布は、公知方法に従い行うことができる。例えば、グラビアコーター、コンマコーター、スリットコーター、ダイコーター等の塗布装置を用いて、負極集電体62上に上記負極ペーストを塗布することにより行うことができる。本実施形態では、図2に示される負極活物質層64と負極活物質層非形成部分62aとが形成されるように、負極ペーストが、負極集電体62の幅方向の一方の端部に沿って長手方向に塗布される。なお、負極活物質層64は、負極集電体62の片面のみに形成してもよいし、両面に形成してもよく、好ましくは、両面に形成される。したがって、上記負極ペーストの塗布は、負極集電体62の片面または両面に行われ、好ましくは両面に行われる。
乾燥は、公知方法に従い行うことができる。例えば、負極集電体62に塗布された負極ペーストから、乾燥炉等の乾燥装置を用いて上記溶媒を除去することにより行うことができる。乾燥温度および乾燥時間には溶媒が除去できる限り特に制限はないが、乾燥温度は、例えば70℃超200℃以下(典型的には110℃〜150℃)であり、乾燥時間は、例えば10秒〜240秒(典型的には30秒〜180秒)である。
乾燥後、適宜プレス処理を施すことによって、負極活物質層64の厚み、目付量、密度等を調整することができる。
以上のようにして、負極集電体62上に負極活物質層64と負極活物質層非形成部分62aとが形成された負極シート60を得ることができる。数平均分子量が200万以上のPEOは凝集を起こしやすい。PEOが凝集を起こすと、負極活物質層にPEOが偏在して反応ムラを生じ、これにより抵抗が増加する。しかしながら、上記のように、数平均分子量が200万以上のPEO、CMC、および水を予め混合して、PEOおよびCMCが均一に溶解した水溶液を調製し、その後負極活物質および結着剤を添加することにより、負極ペースト中にPEOを均一に分散させることができる。そして、負極ペースト乾燥後も、PEOを凝集させることなく負極活物質層中に均一に分散させることができる。よって、当該工程で得られた負極シート60を用いることにより、リチウムイオン二次電池100の抵抗の増加を抑制することができる。
得られた負極シート60を用いて、リチウムイオン二次電池100を構築する工程を行うことにより、リチウムイオン二次電池100を得ることができる。当該工程は、常法に従い行うことができる。
具体的に例えば、正極シート50およびセパレータ70を準備し、これらと上記得られた負極シート60を用いて図2に示される捲回電極体20を作製する。
正極シート50は、例えば、正極活物質と導電材とバインダ等とを適当な溶媒(例えば、N−メチル−2−ピロリドン)中で混合して正極ペーストを調製し、正極ペーストを正極集電体52の片面または両面上に塗布した後、乾燥することによって作製することができる。塗布に関し、図2に示される正極活物質層54と正極活物質層非形成部分52aとが形成されるように、正極ペーストは、正極集電体52の幅方向の一方の端部に沿って長手方向に塗布される。乾燥の後、正極シート50に適宜プレス処理を施してもよい。正極集電体52としては、例えばアルミニウム箔等を使用し得る。正極活物質としては、例えばリチウム遷移金属酸化物(例、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi0.5Mn1.5等)や、リチウム遷移金属リン酸化合物(例、LiFePO等)を使用し得る。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(例、グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。
セパレータ70としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から成る多孔性シート(フィルム)が挙げられる。かかる多孔性シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータ70の表面には、耐熱層(HRL)が設けられていてもよい。
捲回電極体20は、正極シート50、負極シート60、およびセパレータ70を用いて公知方法に従い、作製することができる。例えば、正極シート50および負極60シートを2枚のセパレータ70を介して重ね合わせた積層体を長尺方向に捲回し、側面方向から押しつぶして拉げさせることによって作製することができる。このとき、図2に示されるように、典型的には、正極シート50の幅方向の端部に設けられた正極活物質層非形成部分52aと、負極シート60の幅方向の端部に設けられた負極活物質層非形成部分62aとが、互いに反対方向に突出するように積層し、捲回する。このようにすれば、正極活物質層非形成部分52aおよび負極活物質層非形成部分62aをそれぞれ集約して集電することで、集電効率のよい電極体20を形成することができる。なお、積層体自体を捲回断面が扁平形状となるように捲回して電極体20を作製してもよい。
次に、公知方法に従い、図3に示すように、捲回電極体20を電池ケース30に収容する。具体的には、開口部を有する電池ケース30の本体と、非水電解液の注入口を有する電池ケース30の蓋体とを用意する。蓋体は、電池ケース30の本体の開口部を塞ぐ寸法を有する。また、蓋体には、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36と、非水電解液を注入するための注入口(図示せず)が設けられている。電池ケース30には、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。
次に、電池ケース30の蓋体に正極端子42および正極集電板42aと負極端子44および負極集電板44aとを取り付ける。正極集電板42aおよび負極集電板44aを捲回電極体20の端部に露出した正極集電体52および負極集電体62にそれぞれ超音波溶接等により溶接する。そして、捲回電極体20を、電池ケース30本体の開口部からその内部に収容し、電池ケース30の本体と蓋体とをレーザ溶接等により溶接する。
続いて、電池ケース30の蓋体の注入口から、非水電解液を注入する。非水電解液を注入後、注入口を封止して、図3に示すリチウムイオン二次電池100を得ることができる。
非水電解液は従来のリチウムイオン二次電池と同様のものを使用可能であり、典型的には有機溶媒(非水溶媒)中に、支持塩を含有させたものを用いることができる。非水溶媒としては、一般的なリチウムイオン二次電池の電解液に用いられる各種のカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の有機溶媒を、特に限定なく用いることができる。具体例として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F−DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)等が例示される。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等のリチウム塩(好ましくはLiPF)を好適に用いることができる。支持塩の濃度は、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
なお、上記非水電解液は、例えば、ガス発生剤、被膜形成剤、分散剤、増粘剤等の各種添加剤を含み得る。
以上のようにして得られるリチウムイオン二次電池100は、負極シート60の負極活物質層64中に、非水電解液吸収量の高い数平均分子量が200万以上のPEOが均一に分散しているため、ハイレート充放電時に負極の膨張および収縮が起きても負極全体で均一に電解液を吸収して保持することができる。そのため、良好な初期抵抗を有し、ハイレートで充放電を繰り返した際の電池抵抗の増加が抑制されている。
以上のようにして得られるリチウムイオン二次電池100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。リチウムイオン二次電池100は、典型的には複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
以上、例として扁平形状の捲回電極体を備える角型のリチウムイオン二次電池100について説明した。しかしながら、ここに開示される非水電解液二次電池の製造方法は、他のタイプのリチウムイオン二次電池の製造に適用することができる。例えば、積層型電極体を備えるリチウムイオン二次電池の製造に適用することができる。また、円筒型リチウムイオン二次電池、ラミネート型リチウムイオン二次電池等の製造に適用することができる。また、リチウムイオン二次電池以外の非水電解液二次電池の製造に適用することができる。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<No.1のリチウムイオン二次電池の作製>
水に、数平均分子量が200万のPEOとCMCとを添加して撹拌し、これらを混合した。PEOとCMCの添加割合は、PEO:CMC(重量比)=0.2:0.8とした。得られたPEOおよびCMCの水溶液に、負極活物質としての黒鉛と、結着剤としてのSBRを添加して混練し、負極ペーストを作製した。なお、負極ペーストの固形分中の黒鉛の含有量は98重量%、PEOの含有量は0.2重量%、CMCの含有量は0.8重量%、SBRの割合は1重量%とした。この負極ペーストを、長尺状の銅箔(負極集電体)の両面に帯状に塗布し、乾燥後プレスすることにより負極シートを得た。
正極活物質としてのLiNi1/3Mn1/3Co1/3(LNCM)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、これら材料の重量比がLNCM:AB:PVdF=93:4:3となるよう混練機に投入し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)で粘度を調整しながら混練して、正極ペーストを調製した。この正極ペーストを、長尺状のアルミニウム箔(正極集電体)の両面に塗布し、乾燥後プレスすることによって、正極シートを作製した。
セパレータとして、PP/PE/PPの三層構造の多孔質シートを用意した。
上記で作製した正極シートと負極シートとを、2枚のセパレータシートとともに積層し、捲回した後、側面方向から押圧して拉げさせることによって扁平形状の捲回電極体を作製した。次に、捲回電極体に正極端子および負極端子を接続し、電解液注入口を有する角型の電池ケースに収容した。
続いて、電池ケースの電解液注入口から非水電解液を注入し、当該注入口を気密に封止してNo.1のリチウムイオン二次電池を得た。なお、非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)とをEC:EMC:DMC=30:40:30の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1.1mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。
<No.2〜No.26のリチウムイオン二次電池の作製>
表1に示すように、使用するPEOの数平均分子量、負極ペーストの固形分中のPEOの添加量、および負極ペーストの固形分中のCMCの添加量を変更し、No.1のリチウムイオン二次電池の作製手順と同様にして、No.2〜No.26のリチウムイオン二次電池を作製した。
<初期抵抗測定およびハイレート充放電サイクル試験>
各リチウムイオン二次電池にハイレート充放電を繰り返す充放電パターンを付与し、充放電サイクル試験を行った。具体的には、室温(約25℃)環境下において、4Cの定電流充電によって40秒間充電を行い、2Cの定電流放電によって80秒間放電を行うハイレート充放電サイクルを3000回繰り返した。このとき、ハイレート充放電1サイクル後と3000サイクル後のIV抵抗を測定した。IV抵抗は、電池をSOC60%の充電状態とし、25℃の環境下で、6Cで放電を行ったときの放電10秒後の電圧降下から算出した。ハイレート充放電1サイクル後のIV抵抗を初期抵抗とした。PEOが添加されていないNo.21のリチウムイオン二次電池の初期抵抗を100とした場合の、その他のリチウムイオン二次電池の初期抵抗を表1に示す。また、[ハイレート充放電3000サイクル後のIV抵抗/初期抵抗(ハイレート充放電1サイクル後のIV抵抗)]×100より、抵抗増加率(%)を算出した。その値を表1に示す。
Figure 2017098155
No.1〜4、6〜9、11〜14、16〜19のリチウムイオン二次電池が本実施形態に係る製造方法に従って製造されたリチウムイオン二次電池である。その他のリチウムイオン二次電池との比較により、本実施形態に係る製造方法に従って製造されたリチウムイオン二次電池は、良好な初期抵抗を有し、ハイレートで充放電を繰り返した際の電池抵抗の増加が抑制されていることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極活物質層非形成部分
54 正極活物質層
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極活物質層非形成部分
64 負極活物質層
70 セパレータシート(セパレータ)
100 リチウムイオン二次電池(非水電解液二次電池)

Claims (1)

  1. 数平均分子量が200万以上のポリエチレンオキシド、カルボキシメチルセルロース、および水を混合して、前記ポリエチレンオキシドおよび前記カルボキシメチルセルロースの水溶液を調製する工程と、
    前記水溶液に、負極活物質および結着剤を添加して混練し、負極ペーストを得る工程と、
    前記負極ペーストを負極集電体上に塗布し、乾燥することにより負極シートを得る工程と
    を包含する、非水電解液二次電池の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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