JP2017123236A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】初期内部抵抗が低く、ハイレートで充放電を繰り返した際の内部抵抗の増加が高度に抑制された非水電解液二次電池を提供する。【解決手段】ここに開示される非水電解液二次電池は、正極活物質層54を有する正極50、および負極活物質層64を有する負極60を含む電極体20と、非水電解液とを備える。負極活物質層64は、負極活物質として黒鉛を含み、正極活物質層54は、正極活物質として中実粒子と中空粒子とを含む。ここで、正極活物質としての中実粒子と中空粒子の重量比(中実粒子:中空粒子)は40:60〜80:20であって、且つ正極50の厚さ方向のばね定数が13kN/mm以上14.3kN/mm以下または正極活物質層54の電極密度が2.2g/cm3以上2.9g/cm3以下の少なくともいずれかが満たされる。【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解液二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池(リチウム二次電池)等の非水電解液二次電池は、既存の電池に比べて軽量且つエネルギー密度が高いことから、近年、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源や車両駆動用電源として用いられている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両の駆動用高出力電源として今後ますます普及していくことが期待されている。
非水電解液二次電池に対し、ハイレート充放電(本明細書では便宜上、「ハイレート充放電」には、ハイレートでの充電とハイレートでの放電とを行う場合以外にも、充電をハイレートで行い、放電をローレートで行う場合と、充電をローレートで行い、放電をハイレートで行う場合とを含める。)を繰り返し行った際には、電極体に部分的に抵抗が高い箇所が発生し得る。これは、ハイレート充放電を繰り返し行った際に、電極体(特に黒鉛を負極活物質とする負極活物質層)の体積が変化して電極体から非水電解液が排出されることにより、電極体内部の非水電解液の分布に偏りが生じるためである。電極体内部の非水電解液の分布に偏りが生じると、電極体内部に塩濃度ムラが発生し、この塩濃度ムラの発生が、内部抵抗の増加の原因となる。
電極体内部の非水電解液の分布の偏りを緩和あるいは解消するために、特許文献1では、リチウムイオン二次電池の正極活物質層の細孔容積と細孔直径とを、毛管現象が起きるような大きさにすることが提案されている。特許文献1に記載のリチウムイオン二次電池では、ハイレート充放電により電極体の外部に排出された非水電解液が、ハイレート充放電後に毛管現象により正極活物質層に再び吸収される。これにより、ハイレート充放電に起因する電極体内部の非水電解液の分布の偏りを緩和あるいは解消することができる。
国際公開第2010/140260号
特許文献1に記載の技術は、ハイレート充放電後に毛管現象により正極活物質層に非水電解液を再吸収させて、ハイレート充放電に起因する非水電解液の分布の偏りを緩和あるいは解消する技術である。そのため、充放電の最中には、ハイレート充放電に起因する電極体内部の非水電解液の分布の偏りが生じ得るものである。よって、充放電の最中に内部抵抗の増加の原因となる塩濃度ムラが発生し得るものである。したがって、特許文献1に記載の技術には、ハイレートで充放電を繰り返した際の内部抵抗の増加抑制に改善の余地がある。
また、非水電解液二次電池の内部抵抗については、初期値(初期内部抵抗)が低いことが望ましい。
そこで本発明の目的は、初期内部抵抗が低く、ハイレートで充放電を繰り返した際の内部抵抗の増加が高度に抑制された非水電解液二次電池を提供することにある。
ここに開示される非水電解液二次電池は、正極活物質層を有する正極、および負極活物質層を有する負極を含む電極体と、非水電解液とを備える。前記負極活物質層は、負極活物質として黒鉛を含み、前記正極活物質層は、正極活物質として中実粒子と中空粒子とを含む。ここで、前記正極活物質としての中実粒子と中空粒子の重量比(中実粒子:中空粒子)が40:60〜80:20であって、且つ前記正極の厚さ方向のばね定数が13kN/mm以上14.3kN/mm以下または前記正極活物質層の電極密度が2.2g/cm以上2.9g/cm以下の少なくともいずれかが満たされる。
このような非水電解液二次電池においては、中実粒子と中空粒子の重量比が40:60〜80:20であることにより、中実粒子によるハイレートでの繰り返し充放電時の内部抵抗の増加抑制効果を得ると共に、中空粒子による初期内部抵抗の低減効果を得ることができる。また、正極の厚さ方向のばね定数が13kN/mm以上14.3kN/mm以下または正極活物質層の電極密度が2.2g/cm以上2.9g/cm以下の少なくともいずれかが満たされることにより、負極から排出される非水電解液の量と正極から排出される非水電解液の量とのバランスを取ることができ、電極体内部の非水電解液の分布の偏りを緩和あるいは解消することができる。
したがって、このような構成によれば、初期内部抵抗が低く、ハイレートで充放電を繰り返した際の内部抵抗の増加が高度に抑制された非水電解液二次電池を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の内部構造を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の捲回電極体の構成を示す模式図である。 (a)は、形成後(プレス後)の、中空粒子と導電材とを含む正極活物質層の模式断面図であり、(b)は、負極側から圧力が印加されたときの、中空粒子と導電材とを含む正極活物質層の模式断面図である。 (a)は、形成後(プレス後)の、中実粒子と導電材とを含む正極活物質層の模式断面図であり、(b)は、負極側から圧力が印加されたときの、中実粒子と導電材とを含む正極活物質層の模式断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない非水電解液二次電池の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般をいい、リチウムイオン二次電池等のいわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。
以下、扁平角型のリチウムイオン二次電池を例にして、本発明の実施形態ついて詳細に説明するが、本発明をかかる実施形態に記載されたものに限定することを意図したものではない。
図1に示すリチウムイオン二次電池100は、扁平形状の捲回電極体20と非水電解液(図示せず)とが扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されることにより構築される密閉型のリチウムイオン二次電池100である。電池ケース30には外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36が設けられている。また、電池ケース30には、非水電解液を注入するための注入口(図示せず)が設けられている。正極端子42は、正極集電板42aと電気的に接続されている。負極端子44は、負極集電板44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質としては、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。
捲回電極体20は、図1および図2に示すように、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された正極シート50と、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成された負極シート60とが、2枚の長尺状のセパレータシート70を介して重ね合わされて長手方向に捲回された形態を有する。なお、捲回電極体20の捲回軸方向(上記長手方向に直交するシート幅方向をいう。)の両端から外方にはみ出すように形成された正極活物質層非形成部分52a(即ち、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分)と負極活物質層非形成部分62a(即ち、負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分)には、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。
正極シート50を構成する正極集電体52としては、例えばアルミニウム箔等が挙げられる。正極活物質層54は、正極活物質を含む。正極活物質層54は、正極活物質以外の成分、例えば導電材やバインダ等を含み得る。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(例、グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。
負極シート60を構成する負極集電体62としては、例えば銅箔等が挙げられる。負極活物質層64は、負極活物質を含む。負極活物質層64は、負極活物質以外の成分、例えばバインダや増粘剤等を含み得る。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。負極活物質層64の電極密度は、1.1g/cm以上1.5g/cm以下であることが好ましい。また負極活物質層64の厚さは、50μm以上130μm以下であることが好ましい。
本実施形態において正極活物質として、中実粒子および中空粒子が併用される。また、負極活物質として、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛が用いられる。
正極活物質層54中における中実粒子と中空粒子の重量比(中実粒子:中空粒子)は40:60〜80:20である。
また、正極の厚さ方向のばね定数が13kN/mm以上14.3kN/mm以下または正極活物質層の電極密度が2.2g/cm以上2.9g/cm以下の少なくともいずれかが満たされる。
負極活物質として黒鉛を用いた場合、リチウムイオン二次電池100をハイレートで繰り返し充放電する際には、黒鉛の体積変化が大きい。そのため、負極60(負極活物質層64)の体積が大きく変化する。正極50と負極60とが積層された電極体20においては、負極60が膨張する際には、負極60の膨張によって正極50が押圧される(正極50に圧力が印加される)。
図3に正極活物質層が中空粒子501と導電材502とを含む場合の模式断面図を、図4に、正極活物質層が中実粒子503と導電材502とを含む場合の模式断面図を示す。正極活物質層が正極活物質として中空粒子501のみを含む場合、特に正極活物質層がプレス処理を施して形成されていた場合には、図3(a)に示すように、隣接する中空粒子501間の距離が狭く、導電材502と接触し易いために、リチウムイオン二次電池の内部抵抗(特に初期内部抵抗)が低くなる。しかしながら、負極の膨張によって正極に圧力が印加された場合には、中空粒子501間の距離が十分に狭いために、図3(b)に示すように、正極活物質層は、ほとんど圧縮されないことになる。一方、正極活物質層が正極活物質として中実粒子503のみを含む場合、特に正極活物質層がプレス処理を施して形成されていた場合でも、図4(a)に示すように、隣接する中実粒子503間の距離は比較的広い。そのため、負極の膨張によって正極に圧力が印加された場合には、中実粒子503間の距離が比較的広いために、図4(b)に示すように、正極活物質層は、圧縮される。
負極活物質である黒鉛が膨張を起こすと、これに伴って非水電解液が負極外部へと押し出されるようにして排出される。正極活物質層が正極活物質として中空粒子のみを含む場合には、リチウムイオン二次電池をハイレートで繰り返し充放電する際には、正極活物質層がほとんど圧縮されないので、非水電解液はほとんど負極から電極体外部へと排出される(すなわち、正極から非水電解液はほとんど排出されない)。したがって、電極体の内部においては、正極の方が非水電解液の保持量が相対的に多くなり、電極体内部の非水電解液の分布に偏りが生じる。
一方、負極の膨張によって正極活物質層が圧縮される場合には、正極活物質層の圧縮に伴って、電極体が正極外部へと排出される。したがって、正極活物質層が正極活物質として中実粒子を含む場合には、リチウムイオン二次電池をハイレートで繰り返し充放電する際には、黒鉛の膨張に伴う負極からの非水電解液の排出と、正極活物質層の圧縮に伴う正極からの非水電解液の排出とが起こる。したがって、電極体の正極と負極の両方から非水電解液の排出が起こるため、電極体内部の非水電解液の分布の偏りが緩和あるいは解消される。よって、リチウムイオン二次電池をハイレートで繰り返し充放電した際の、内部抵抗の増加が抑制される。
ここで本実施形態では、正極活物質として、中実粒子および中空粒子が併用される。これにより、中実粒子によるハイレート繰り返し充放電時の内部抵抗の増加抑制効果を得ると共に、中空粒子による初期内部抵抗の低減効果を得ることができる。ここで、正極活物質における中実粒子の含有割合が小さいと、ハイレート繰り返し充放電時の内部抵抗の増加抑制効果を十分に得ることができない。一方、正極活物質における中空粒子の含有割合が小さいと、初期内部抵抗の低減効果を十分に得ることができない。そのため、正極活物質層54中における中実粒子と中空粒子の重量比(中実粒子:中空粒子)は40:60〜80:20である。また、電極体内部の非水電解液の分布の偏りが緩和あるいは解消されるためには、負極から排出される非水電解液の量と正極から排出される非水電解液の量とのバランスが重要である。したがって、正極活物質層が適度に圧縮されることにより正極から非水電解液を適量排出できることから、正極50の厚さ方向のばね定数が13kN/mm以上14.3kN/mm以下である、および/または、正極活物質層が適度に非水電解液の拡散性を有することにより正極から非水電解液を適量排出できることから、正極活物質層54の電極密度が2.2g/cm以上2.9g/cm以下である。なお、正極50のばね定数は、例えばオートグラフを用いて測定することができる。
上述の正極50の厚さ方向のばね定数や正極活物質層54の電極密度を得やすいことから、正極活物質としての中実粒子のタップ密度は、2.0g/cm以上2.5g/cm以下であることが好ましい。正極活物質としての中実粒子のDBP(ジブチルフタレート)吸油量は、20g/100mL以上25g/100mL以下であることが好ましい。正極活物質としての中実粒子のBET比表面積は、0.6m/g以上1.0m/g以下であることが好ましい。
また、正極活物質としての中空粒子のタップ密度は、1.2g/cm以上1.9g/cm以下であることが好ましい。正極活物質としての中空粒子のDBP(ジブチルフタレート)吸油量は、25.1g/100mL以上45g/100mL以下であることが好ましい。正極活物質としての中空粒子のBET比表面積は、1.1m/g以上1.5m/g以下であることが好ましい。
なお、中実粒子および中空粒子のタップ密度は、試料を所定容量のガラス製メスシリンダーに入れ、所定ストローク(20mm)で十分な回数(500回)のタッピングを行い、その後、試料の充填密度として求めることができる。中実粒子および中空粒子のDBP吸油量は、ジブチルフタレートを用いて、JIS K6217−4(2008)に記載の方法に準拠して求めることができる。中実粒子および中空粒子のBET比表面積は、窒素ガスを用いてガス吸着法(定容量式吸着法)で測定された吸着量をBET法(例えば、BET1点法)で解析することによって求めることができる。
また、上述の正極50の厚さ方向のばね定数や正極活物質層54の電極密度を得るためには、正極50作製時の正極活物質層54のプレス条件を適宜設定すればよい。
正極活物質を構成する材料としては、例えばリチウム遷移金属酸化物(例、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi0.5Mn1.5等)、リチウム遷移金属リン酸化合物(例、LiFePO等)等が挙げられる。中実粒子と中空粒子は、同じ材料から構成されていてもよいし、異なる材料から構成されていてもよい。
中空粒子は、殻部と、当該殻部の内部に形成された中空部とを有する。中空粒子は、当該殻部を貫通した貫通孔を有していてもよい。中空粒子の殻部は、好適には、層状のリチウム遷移金属酸化物から構成される。中空粒子は公知方法に準じて作製することにより入手することができる。
セパレータ70としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から成る多孔性シート(フィルム)が挙げられる。かかる多孔性シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータ70の表面には、耐熱層(HRL)が設けられていてもよい。
非水電解液は従来のリチウムイオン二次電池と同様のものを使用可能であり、典型的には有機溶媒(非水溶媒)中に、支持塩を含有させたものを用いることができる。非水溶媒としては、一般的なリチウムイオン二次電池の電解液に用いられる各種のカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の有機溶媒を、特に限定なく用いることができる。具体例として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F−DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)等が例示される。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等のリチウム塩(好ましくはLiPF)を好適に用いることができる。支持塩の濃度は、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
なお、上記非水電解液は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、例えば、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;ホウ素原子および/またはリン原子を含むオキサラト錯体化合物、ビニレンカーボナート(VC)等の被膜形成剤;分散剤;増粘剤等の各種添加剤を含み得る。
以上のようにして構成されるリチウムイオン二次電池100は、初期内部抵抗が低く、ハイレートで充放電(ハイレートで充電と放電を共に行う場合以外にも、充電をハイレートで行い、放電をローレートで行う場合と、充電をローレートで行い、放電をハイレートで行う場合とを含む。)を繰り返した際の内部抵抗の増加が高度に抑制されている。
リチウムイオン二次電池100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。リチウムイオン二次電池100は、典型的には複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
なお、上記の実施形態について、例として扁平形状の捲回電極体を備える角形のリチウムイオン二次電池を挙げて説明した。しかしながら、リチウムイオン二次電池は、積層型電極体を備えるリチウムイオン二次電池として構成することもできる。また、リチウムイオン二次電池は、円筒形リチウムイオン二次電池として構成することもできる。また、ここに開示される技術は、リチウムイオン二次電池以外の非水電解液二次電池にも適用可能である。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<評価用リチウムイオン二次電池(No.1〜No.18)の作製>
正極活物質として、タップ密度が2g/cm以上のリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)の中実粒子と、タップ密度が2g/cm以下のリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)の中空粒子を準備した。正極活物質と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、正極活物質:AB:PVdF=90:8:2の重量比でN−メチルピロリドン(NMP)および添加剤としての芳香族ニトリル化合物とプラネタリミキサを用いて混合し、正極ペーストを得た。なお、No.1〜No.18のリチウムイオン二次電池の正極活物質において、中実粒子と中空粒子の配合割合(重量比)は、表1に示す割合とした。
得られた正極ペーストを、長尺状のアルミニウム箔(材質:8021、厚さ:15μm)の両面に帯状に塗布して乾燥した後、プレスすることにより、正極シートを作製した。このとき、プレス条件を制御し、正極シートの正極活物質層の電極密度およびばね定数を表1に示す値にした。
また、負極活物質としての黒鉛(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の質量比でイオン交換水と混合して、負極ペーストを得た。このペーストを、長尺状の銅箔の両面に塗布して乾燥した後、プレスし、所定の寸法に加工して負極シートを作製した。
また、2枚の長尺状のセパレータシート(多孔性ポリオレフィンシート)を用意した。
作製した正極シートと負極シートと用意した2枚のセパレータシートとを重ね合わせ、捲回して捲回電極体を作製した。
作製した捲回電極体に集電体を取り付け、電池ケースに収容した。続いて、電池ケースの注液口から非水電解液を注入し、当該注液口を気密に封止してNo.1〜No.18のリチウムイオン二次電池を作製した。なお、非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とをEC:DMC:EMC=3:4:3の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。
<正極の厚さ方向のばね定数測定>
各リチウムイオン二次電池の作製に用いた正極シートを積層したサンプルを作製した。このサンプルを、オートグラフを用いて積層方向に圧力を加えることにより圧縮し、このときの変形量と応力とを用いて正極の厚さ方向のばね定数を求めた。
<初期充放電および初期抵抗測定>
上記作製した各リチウムイオン二次電池に初期充放電を施した。具体的には、上記作製した各リチウムイオン二次電池に対し4.1Vに達するまで充電を行い、その後3.0Vまで放電を行った。この初期充放電を施した各リチウムイオン二次電池をSOC60%の状態に調整した。次いで25℃の温度環境下において10Cのレートで10秒間のCC放電を行い、このときの電流(I)−電圧(V)のプロット値の一次近似直線の傾きから初期(内部)抵抗値を求めた。No.1のリチウムイオン二次電池の初期抵抗値を1とした場合の、No.2〜No.18のリチウムイオン二次電池の初期抵抗値の比を算出した。求めた値(初期抵抗比)を表1に示す。
<ハイレート充放電特性>
上記の初期抵抗を測定した各リチウムイオン二次電池を、25℃の環境下でSOC60%の状態に調整した。次いで、20Cの定電流で40秒間充電、10分間休止、3Cの定電流で5分間放電、10分間休止を1サイクルとする充放電を3000サイクル繰り返した。充放電3000サイクル後の各リチウムイオン二次電池について、初期抵抗と同様の方法で抵抗測定を行った。充放電3000サイクル後の抵抗値÷初期抵抗値×100より、抵抗増加率(%)を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2017123236
表1より、正極活物質としての中実粒子と中空粒子の重量比が40:60〜80:20であって、且つ正極の厚さ方向のばね定数が13kN/mm以上14.3kN/mm以下または正極活物質層の電極密度が2.2g/cm以上2.9g/cm以下の少なくともいずれかを満たすNo.6〜No.10およびNo.13〜No.17のリチウムイオン二次電池は、初期抵抗および抵抗増加率が共に低いことがわかる。よって、本実施形態に係る非水電解液二次電池は、初期内部抵抗が低く、ハイレートで充放電を繰り返した際の内部抵抗の増加が高度に抑制されていることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極活物質層非形成部分
54 正極活物質層
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極活物質層非形成部分
64 負極活物質層
70 セパレータシート(セパレータ)
100 リチウムイオン二次電池

Claims (1)

  1. 正極活物質層を有する正極、および負極活物質層を有する負極を含む電極体と、
    非水電解液と
    を備える非水電解液二次電池であって、
    前記負極活物質層は、負極活物質として黒鉛を含み、
    前記正極活物質層は、正極活物質として中実粒子と中空粒子とを含み、
    前記正極活物質としての中実粒子と中空粒子の重量比(中実粒子:中空粒子)が40:60〜80:20であって、且つ
    前記正極の厚さ方向のばね定数が13kN/mm以上14.3kN/mm以下または前記正極活物質層の電極密度が2.2g/cm以上2.9g/cm以下の少なくともいずれかが満たされる、
    非水電解液二次電池。
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