JP2016147781A - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造したシリコン単結晶中の炭素濃度を抑制するシリコン単結晶製造方法の提供。【解決手段】多結晶原料の大きさが5mm角以上のものを例えば篩にかけて選別する選別工程SP1と、選別工程で選別した多結晶原料をルツボ内に充填する充填工程SP2と、ルツボ内で多結晶原料を溶融して原料融液とする溶融工程SP3と、原料融液からシリコン単結晶を引き上げる育成工程SP4とを有するシリコン単結晶の製造方法。育成工程でシリコン単結晶を育成した後に、選別工程により選別された多結晶原料を再びルツボ内に追加充填し、2本目以降のシリコン単結晶の育成を行う方法。【効果】選別工程で、多結晶原料の大きさを5mm角以上のものに選別することにより、不純物が多く付着している、大きさが小さい多結晶原料の原料融液への導入を防止できるので、製造したシリコン単結晶中の炭素濃度を低下させることができる。【選択図】図1
Description
本発明は、チョクラルスキー法(Czochralski method:CZ法)によってシリコン単結晶を製造する方法に関し、特に、シリコン単結晶の製造に使用する多結晶原料の大きさに関するものである。
従来より、シリコンやGaAs等の多くの半導体単結晶が広く知られている。シリコン単結晶の育成方法のひとつとして、CZ法が行われている。
CZ法は、シリコンの多結晶原料をルツボ内に充填する充填工程と、ルツボ内で多結晶原料を溶融して原料融液とする溶融工程と、種結晶を原料融液に浸漬した後、上方にシリコン単結晶を成長させながら引き上げる育成工程からなっている。
CZ法は、シリコンの多結晶原料をルツボ内に充填する充填工程と、ルツボ内で多結晶原料を溶融して原料融液とする溶融工程と、種結晶を原料融液に浸漬した後、上方にシリコン単結晶を成長させながら引き上げる育成工程からなっている。
ここで、一般に、半導体デバイスに用いるシリコン単結晶としては、不純物酸素による機械的強度やゲッタリング効果を持ち、大口径化の容易さという優位性の点からCZ法によるシリコン単結晶が主流をなしている。デバイスチップは、バッチプロセスで製造されるため、製造歩留り等の観点からシリコンウェーハの大口径化が常に求められている。そのため、直径12インチ(約300mm)の実用化はもとより、あるいはそれより大きい直径の大口径CZシリコン単結晶の実現が模索されている。
シリコン単結晶の製造方法において、一つの石英ルツボで1本のシリコン単結晶を引き上げる1本引きと呼ばれる方法と、一つの石英ルツボで複数本のシリコン単結晶を引き上げるマルチプーリングと呼ばれる方法がある。
前者の場合は、使用する多結晶原料の重量に対して製造するシリコン単結晶の重量比率、すなわち歩留を向上するために固化率を上昇させる必要がある。その結果、製造されたシリコン単結晶の後半では、シリコン単結晶の前半と比べて、偏析により不純物濃度が上昇し炭素濃度が上昇してしまう。
前者の場合は、使用する多結晶原料の重量に対して製造するシリコン単結晶の重量比率、すなわち歩留を向上するために固化率を上昇させる必要がある。その結果、製造されたシリコン単結晶の後半では、シリコン単結晶の前半と比べて、偏析により不純物濃度が上昇し炭素濃度が上昇してしまう。
一方、後者の場合では、固化率の低い重量で1本のシリコン単結晶を製造した後、新たに多結晶原料を追加し、その後2本目のシリコン単結晶の製造を行い、それを繰り返し行い製造する。そのため、固化率が低ければ不純物濃度は低く、炭素濃度は低いが、製造全体で使用する多結晶原料の重量が多いため、偏析の作用で、徐々に原料融液中の不純物が濃縮され、その濃度が上昇していく。当然前述のように歩留りを向上させるために固化率を上昇させていくと、その分製造されたシリコン単結晶中の不純物濃度は上昇し炭素濃度は上昇してしまう。
シリコン単結晶中の炭素濃度が高い場合、その材料から製造されるデバイスチップの電気特性が悪化することが知られており、炭素濃度はより低い値が求められている。
シリコン単結晶中の炭素濃度が高い場合、その材料から製造されるデバイスチップの電気特性が悪化することが知られており、炭素濃度はより低い値が求められている。
CZ法においては、その方法から、まず石英ルツボに原料となる粉砕した多結晶原料を充填するが、この粉砕された多結晶原料には、その製造から最終的に使用されるまでの間に、多くの不純物が付着することが分かっている。
本発明者らが調査したところ、特に、大きさが小さい多結晶原料には、保管の際に使用される袋から削り取られた微小な屑が付着している場合があることを発見した。さらに、このような不純物が多く付着している多結晶原料を使用して、シリコン単結晶を製造すると、多結晶原料を溶融した原料融液に多くの不純物が溶融し、シリコン単結晶中に炭素が取り込まれ、炭素濃度が上昇してしまうことが分かった。
特許文献1は、カメラで捉えた多結晶シリコンの画像を画像プロセッサを用い処理し大きさを判定する技術が記載されている。しかしながら特許文献1では、シリコン単結晶の製造において使用する多結晶原料の大きさに制限を設けることにより、シリコン単結晶中の不純物の濃度を下げる製造法にまでは言及していない。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、シリコン単結晶の製造において使用する多結晶原料の大きさに制限を設け、原料融液中の不純物濃度を下げることにより、製造したシリコン単結晶中の炭素濃度を抑制することができるシリコン単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、多結晶原料をルツボ内に充填する充填工程と、前記ルツボ内で前記多結晶原料を溶融して原料融液とする溶融工程と、前記原料融液からシリコン単結晶を引き上げる育成工程とを有するシリコン単結晶の製造方法であって、
前記充填工程の前に、前記多結晶原料の大きさが5mm角以上のものを選別する選別工程を行い、該選別工程で選別した前記多結晶原料を前記充填工程で使用すること特徴とするシリコン単結晶の製造方法を提供する。
前記充填工程の前に、前記多結晶原料の大きさが5mm角以上のものを選別する選別工程を行い、該選別工程で選別した前記多結晶原料を前記充填工程で使用すること特徴とするシリコン単結晶の製造方法を提供する。
このようにすれば、不純物が多く付着している、大きさが小さい多結晶原料の原料融液への導入を防止することができ、原料融液中の不純物濃度を低減することができるので、製造したシリコン単結晶中の炭素濃度を抑制することができる。
このとき、前記選別工程は、前記多結晶原料を篩にかけて行うことができる。
このようすれば、多結晶原料の大きさが5mm角以上のものを容易に選別することができるので、選別工程を簡単に行うことができる。
このようすれば、多結晶原料の大きさが5mm角以上のものを容易に選別することができるので、選別工程を簡単に行うことができる。
またこのとき、前記育成工程で前記シリコン単結晶を育成した後に、前記選別工程により選別された多結晶原料を再び前記ルツボ内に充填し、2本目以降のシリコン単結晶の育成を行うことができる。
このようにすれば、1つのルツボから複数のシリコン単結晶を育成する場合でも、不純物が多く付着している、大きさが小さい多結晶原料の原料融液への導入を防止することができ、原料融液中の不純物濃度を低減することができるので、製造した2本目以降のシリコン単結晶中の炭素濃度も抑制することができる。
このようにすれば、1つのルツボから複数のシリコン単結晶を育成する場合でも、不純物が多く付着している、大きさが小さい多結晶原料の原料融液への導入を防止することができ、原料融液中の不純物濃度を低減することができるので、製造した2本目以降のシリコン単結晶中の炭素濃度も抑制することができる。
以上のように、本発明のシリコン単結晶の製造方法であれば、シリコン単結晶の製造において使用する多結晶原料の大きさに制限を設け、小さな原料は使用しないことで、原料融液中の不純物濃度を下げるができ、この原料融液から製造したシリコン単結晶中の炭素濃度を抑制することができる。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明者らは、大きさが5mm角よりも小さい多結晶原料には、保管の際に使用される袋から削り取られた微小な屑が付着している場合があるため、このような不純物が多く付着している多結晶原料を使用して、シリコン単結晶を製造すると、多結晶原料を溶融した原料融液中に多くの不純物が溶融し、この原料融液からシリコン単結晶中に炭素が取り込まれ、炭素濃度が上昇してしまうという問題を見出した。
本発明者らは、大きさが5mm角よりも小さい多結晶原料には、保管の際に使用される袋から削り取られた微小な屑が付着している場合があるため、このような不純物が多く付着している多結晶原料を使用して、シリコン単結晶を製造すると、多結晶原料を溶融した原料融液中に多くの不純物が溶融し、この原料融液からシリコン単結晶中に炭素が取り込まれ、炭素濃度が上昇してしまうという問題を見出した。
そこで、本発明者らはこのような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、多結晶原料の大きさが5mm角以上のものを選別して使用することで、不純物が多く付着している、大きさが小さい多結晶原料の原料融液への導入を防止することができ、原料融液中の不純物濃度を低減することができるので、この原料融液から製造したシリコン単結晶中の炭素濃度を抑制することが可能となるということに想到した。そして、これらを実施するための最良の形態について精査し、本発明を完成させた。
まず、本発明のシリコン単結晶の製造方法で使用することができる単結晶製造装置について説明する。
単結晶製造装置としては特に限定されず一般的な装置を用いることができ、例えば図2に示すような単結晶製造装置1を用いることができる。
単結晶製造装置としては特に限定されず一般的な装置を用いることができ、例えば図2に示すような単結晶製造装置1を用いることができる。
単結晶製造装置1は、メインチャンバー2と、メインチャンバー2の上部に接続され、育成したシリコン単結晶3がワイヤー4により引き上げられて収納される引き上げチャンバー5とを具備している。さらに、メインチャンバー2には、原料融液6を収容する内側の石英ルツボ及び外側の黒鉛ルツボの二重構造からなるルツボ7が設けられている。さらに、ルツボ7の外周には、ヒーター8が配置されている。
次に、本発明のシリコン単結晶の製造方法について説明する。
ここでは、図2に示したような、単結晶製造装置1を用いた場合について説明する。
図1に本発明のシリコン単結晶の製造方法の工程図の一例を示す。
ここでは、図2に示したような、単結晶製造装置1を用いた場合について説明する。
図1に本発明のシリコン単結晶の製造方法の工程図の一例を示す。
(選別工程:SP1)
まず、多結晶原料の大きさが5mm角以上のものを選別する。
このようにして、使用する多結晶原料に対して、5mm角以上という閾値を設けて多結晶原料を選別することで、不純物が多く付着している、大きさが小さい多結晶原料を排除することができる。
まず、多結晶原料の大きさが5mm角以上のものを選別する。
このようにして、使用する多結晶原料に対して、5mm角以上という閾値を設けて多結晶原料を選別することで、不純物が多く付着している、大きさが小さい多結晶原料を排除することができる。
多結晶原料の選別の方法は、特に限定されないが、例えば、多結晶原料を篩にかけることで行うことができる。
このようにすれば、多結晶原料の大きさが5mm角以上のものを容易に選別することができるので、選別工程を簡単に行うことができる。
このようにすれば、多結晶原料の大きさが5mm角以上のものを容易に選別することができるので、選別工程を簡単に行うことができる。
このとき用いることができる篩は、多結晶原料の大きさが5mm角以上のものを選別することができれば良く、例えば具体的には、タングステンワイヤーを使用した目開きが5mmの篩を用いることができる。
このような篩を用いて、多結晶原料を篩い分ければ、大きさが5mm角以上の多結晶原料を容易に選別することができる。
このような篩を用いて、多結晶原料を篩い分ければ、大きさが5mm角以上の多結晶原料を容易に選別することができる。
選別工程において多結晶原料を選別する作業は、例えば、0.3μmクラス100〜1000の高クリーン度化されたクリーンルーム内で行うことが好ましい。選別後の多結晶原料も、同クリーンルーム内で、例えば高純度ポリエチレンシート上に保管することが好ましい。
このようにすれば、多結晶原料への環境からの汚染を防止することができる。
このようにすれば、多結晶原料への環境からの汚染を防止することができる。
(充填工程:SP2)
選別工程で選別された多結晶原料を、ルツボ7内に充填する。
充填工程において多結晶原料を充填する作業も、上記したようなクリーンルーム内において、同クリーンルーム内で高純度ポリエチレンシート上に保管されている、選別工程で選別された多結晶原料を用いて行うことが好ましい。
このようにすれば、多結晶原料への環境からの汚染を防止することができる。
選別工程で選別された多結晶原料を、ルツボ7内に充填する。
充填工程において多結晶原料を充填する作業も、上記したようなクリーンルーム内において、同クリーンルーム内で高純度ポリエチレンシート上に保管されている、選別工程で選別された多結晶原料を用いて行うことが好ましい。
このようにすれば、多結晶原料への環境からの汚染を防止することができる。
(溶融工程:SP3)
ルツボ7内に充填された多結晶原料を、ヒーター8で加熱して溶融し、原料融液6を生成する。
ルツボ7内に充填された多結晶原料を、ヒーター8で加熱して溶融し、原料融液6を生成する。
(育成工程:SP4)
原料融液6に種結晶を浸漬して、該種結晶を回転させながら上方に引き上げることにより、シリコン単結晶3を育成する。このとき、シリコン単結晶3の目標の直径に合わせるように徐々に直径を大きくしながら成長させる。目標の直径になった時点で、直径を一定に保ちながら上方に引き上げていく。成長を終了させる場合は、引き上げを続けながら徐々に直径を細くしていき、最終的には原料融液6から切り離す。このようにしてシリコン単結晶3を製造することができる。
このように、育成工程自体は例えば従来と同様の手順で行うことができる。
原料融液6に種結晶を浸漬して、該種結晶を回転させながら上方に引き上げることにより、シリコン単結晶3を育成する。このとき、シリコン単結晶3の目標の直径に合わせるように徐々に直径を大きくしながら成長させる。目標の直径になった時点で、直径を一定に保ちながら上方に引き上げていく。成長を終了させる場合は、引き上げを続けながら徐々に直径を細くしていき、最終的には原料融液6から切り離す。このようにしてシリコン単結晶3を製造することができる。
このように、育成工程自体は例えば従来と同様の手順で行うことができる。
このような本発明のシリコン単結晶の製造方法であれば、選別工程で、多結晶原料の大きさが5mm角以上のものを選別しているので、不純物が多く付着している、大きさが小さい多結晶原料の原料融液への導入を防止することができる。そのため、原料融液中の不純物濃度を低減することができるので、製造したシリコン単結晶中の炭素濃度を低下させることができる。
この場合、上記のようにして育成工程でシリコン単結晶を育成した後に、選別工程により選別された多結晶原料を再びルツボ内に追加充填し、2本目以降のシリコン単結晶の育成を行うことができる。
このようにすれば、1つのルツボから複数本のシリコン単結晶を育成する(以下、マルチプーリングとも言う)場合でも、不純物が多く付着している、大きさが小さい多結晶原料の原料融液への導入を防止することができ、原料融液中の不純物濃度を抑制することができるので、製造した2本目以降のシリコン単結晶中の炭素濃度も低く抑制することができる。
このようにすれば、1つのルツボから複数本のシリコン単結晶を育成する(以下、マルチプーリングとも言う)場合でも、不純物が多く付着している、大きさが小さい多結晶原料の原料融液への導入を防止することができ、原料融液中の不純物濃度を抑制することができるので、製造した2本目以降のシリコン単結晶中の炭素濃度も低く抑制することができる。
マルチプーリングで、2本目以降のシリコン単結晶の育成する際に、ルツボ7に追加充填する多結晶原料は、予め、選別工程で選別しておいた多結晶原料を充填することができる。
例えば、1本目のシリコン単結晶の育成をする際に行う選別工程において、その後の工程で育成を行う、2本目以降のシリコン単結晶の分の多結晶原料もまとめて選別を行うことが好ましい。このようにすれば、多結晶原料の選別を効率的に行うことができる。
また、これに限定されず、2本目以降のシリコン単結晶の充填工程を行う前に、その都度、選別工程を行って、多結晶原料の追加充填に必要となる量の選別を行っても良い。
例えば、1本目のシリコン単結晶の育成をする際に行う選別工程において、その後の工程で育成を行う、2本目以降のシリコン単結晶の分の多結晶原料もまとめて選別を行うことが好ましい。このようにすれば、多結晶原料の選別を効率的に行うことができる。
また、これに限定されず、2本目以降のシリコン単結晶の充填工程を行う前に、その都度、選別工程を行って、多結晶原料の追加充填に必要となる量の選別を行っても良い。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図2に示すような単結晶製造装置1を用いて、シリコン単結晶の製造を行った。
具体的には、まず、多結晶原料として、炭素濃度が3.35×1015atoms/cm3未満の多結晶シリコンを用意した。
そして、タングステンワイヤーから成る目開きが5mmの篩を用いて、多結晶原料を篩い分けて、多結晶原料の大きさが5mm角以上のものを選別した(選別工程)。
図2に示すような単結晶製造装置1を用いて、シリコン単結晶の製造を行った。
具体的には、まず、多結晶原料として、炭素濃度が3.35×1015atoms/cm3未満の多結晶シリコンを用意した。
そして、タングステンワイヤーから成る目開きが5mmの篩を用いて、多結晶原料を篩い分けて、多結晶原料の大きさが5mm角以上のものを選別した(選別工程)。
次に、直径22インチ(550mm)の石英ルツボに、初期充填として、選別工程で選別した多結晶原料120kgを充填した(充填工程)。
選別工程、充填工程は、0.3μmクラス100の高クリーン度化されたクリーンルーム内で行い、選別後の多結晶原料は、同クリーンルーム内で、高純度ポリエチレンシート上に保管した。
選別工程、充填工程は、0.3μmクラス100の高クリーン度化されたクリーンルーム内で行い、選別後の多結晶原料は、同クリーンルーム内で、高純度ポリエチレンシート上に保管した。
次に、石英ルツボに充填した多結晶原料をヒーターで加熱して溶融させ、原料融液を生成した(溶融工程)。
次に、原料融液に種結晶を浸漬して、該種結晶を上方に引き上げることにより、引き上げ重量92kg、直径8インチ(200mm)のシリコン単結晶の育成を行った(育成工程)。
上記と同様にして、複数本のシリコン単結晶の育成を行った。そして、育成したシリコン単結晶中の炭素濃度の測定を行った。
シリコン単結晶中の炭素濃度の測定は、まず、育成したシリコン単結晶のテール部からウェーハを切り出して測定用サンプルを作製した。そして、得られたウェーハにドナーキラー熱処理を施した後、赤外吸収法にて炭素濃度の測定を行った。
シリコン単結晶中の炭素濃度の測定は、まず、育成したシリコン単結晶のテール部からウェーハを切り出して測定用サンプルを作製した。そして、得られたウェーハにドナーキラー熱処理を施した後、赤外吸収法にて炭素濃度の測定を行った。
その結果、実施例1で製造したシリコン単結晶中の炭素濃度の平均値は、後述する選別工程を行わなかった比較例1のものと比較して1.34×1015atoms/cm3低かった。
このように、実施例1では、選別工程で多結晶原料の大きさが5mm角以上のものを選別して、使用することで、比較例1に比べて、不純物が多く付着している、大きさが小さい多結晶原料の原料融液への導入を十分に防止することができた。これによって、比較例1と比べて、実施例1では、原料融液中の不純物濃度を低くすることができたので、製造したシリコン単結晶中の炭素濃度を低くすることができた。
このように、実施例1では、選別工程で多結晶原料の大きさが5mm角以上のものを選別して、使用することで、比較例1に比べて、不純物が多く付着している、大きさが小さい多結晶原料の原料融液への導入を十分に防止することができた。これによって、比較例1と比べて、実施例1では、原料融液中の不純物濃度を低くすることができたので、製造したシリコン単結晶中の炭素濃度を低くすることができた。
(比較例1)
選別工程を行わずに、多結晶原料の全量を使用したこと以外は、実施例1と同様にして複数本のシリコン単結晶の製造を行った。尚、選別をすることなく使用した多結晶原料には、大きさが5mm未満のものが約1%重量含まれている。
そして、実施例1と同様にして、製造したシリコン単結晶中の炭素濃度の測定を行った。
選別工程を行わずに、多結晶原料の全量を使用したこと以外は、実施例1と同様にして複数本のシリコン単結晶の製造を行った。尚、選別をすることなく使用した多結晶原料には、大きさが5mm未満のものが約1%重量含まれている。
そして、実施例1と同様にして、製造したシリコン単結晶中の炭素濃度の測定を行った。
その結果、実施例1と比較して、比較例1で製造したシリコン単結晶中の炭素濃度の平均値は1.34×1015atoms/cm3高かった。
(実施例2)
まず、実施例1と同様にして1本目のシリコン単結晶の製造を行った。
続けて、予め選別工程で選別しておいた多結晶原料92kgを再び石英ルツボ内に追加充填し、その後、上記と同様にして2本目のシリコン単結晶を育成した。さらに、選別工程により選別された多結晶原料92kgを再び石英ルツボ内に追加充填し、1本目、2本目と同様にして3本目のシリコン単結晶を育成した。このようにして、3本引きのマルチプーリングを行い、合計3本のシリコン単結晶の製造を行った。
上記のようにして育成した3本目のシリコン単結晶中の炭素濃度について、実施例1と同様にして測定を行った。
まず、実施例1と同様にして1本目のシリコン単結晶の製造を行った。
続けて、予め選別工程で選別しておいた多結晶原料92kgを再び石英ルツボ内に追加充填し、その後、上記と同様にして2本目のシリコン単結晶を育成した。さらに、選別工程により選別された多結晶原料92kgを再び石英ルツボ内に追加充填し、1本目、2本目と同様にして3本目のシリコン単結晶を育成した。このようにして、3本引きのマルチプーリングを行い、合計3本のシリコン単結晶の製造を行った。
上記のようにして育成した3本目のシリコン単結晶中の炭素濃度について、実施例1と同様にして測定を行った。
上記と同様の手順で、3本引きのマルチプールングを合計10回になるまで行い、それぞれのマルチプーリングにおいて育成した、3本目のシリコン単結晶中の炭素濃度を、上記と同様にして測定した。
上記のようにして測定を行った全ての測定サンプルの内、炭素濃度の値が3.35×1015atoms/cm3未満となった測定サンプルの割合を算出し、この値を達成率として評価した。
その結果、実施例2では、達成率が90%となった。一方、後述する比較例2での達成率は10%、比較例3での達成率は20%であった。このように、比較例2、3と比較して、実施例2では高い達成率であった。
(比較例2)
選別工程において、目開きが1mmの篩を使用して多結晶原料の選別を行ったこと以外は、実施例2と同様にしてマルチプーリングを行い、シリコン単結晶の製造を行った。
そして、実施例2と同様にして、製造したシリコン単結晶中の炭素濃度の測定を行い、測定用サンプルの炭素濃度の値が3.35×1015atoms/cm3未満となった達成率を求めた。
その結果、比較例2における達成率は10%であった。
選別工程において、目開きが1mmの篩を使用して多結晶原料の選別を行ったこと以外は、実施例2と同様にしてマルチプーリングを行い、シリコン単結晶の製造を行った。
そして、実施例2と同様にして、製造したシリコン単結晶中の炭素濃度の測定を行い、測定用サンプルの炭素濃度の値が3.35×1015atoms/cm3未満となった達成率を求めた。
その結果、比較例2における達成率は10%であった。
(比較例3)
選別工程において、目開きが3mmの篩を使用して多結晶原料の選別を行ったこと以外は、実施例2と同様にしてマルチプーリングを行い、シリコン単結晶の製造を行った。
そして、実施例2と同様にして、製造したシリコン単結晶中の炭素濃度の測定を行い、測定用サンプルの炭素濃度の値が3.35×1015atoms/cm3未満となった達成率を求めた。
選別工程において、目開きが3mmの篩を使用して多結晶原料の選別を行ったこと以外は、実施例2と同様にしてマルチプーリングを行い、シリコン単結晶の製造を行った。
そして、実施例2と同様にして、製造したシリコン単結晶中の炭素濃度の測定を行い、測定用サンプルの炭素濃度の値が3.35×1015atoms/cm3未満となった達成率を求めた。
その結果、比較例3における達成率は20%であった。
このように、比較例3における達成率は、比較例2に比べて改善したものの、実施例2と比較すると大幅に低い値となった。
このように、比較例3における達成率は、比較例2に比べて改善したものの、実施例2と比較すると大幅に低い値となった。
このように、比較例2、3では、それぞれ目開きが1mmの篩、目開きが3mmの篩を使用して多結晶原料の篩い分けを行ったのに対して、実施例2は目開きが5mmの篩で選別工程を行ったことによって、結晶原料の大きさが5mm角以上のものを選別することができたので、実施例2では、不純物が多く付着している、大きさが小さい多結晶原料の原料融液への導入を十分に防止することができた。
これによって、比較例2、3と比べて、実施例2では、原料融液中の不純物濃度を低くすることができたので、製造したシリコン単結晶中の炭素濃度を低くすることができ、達成率を大幅に高くすることができた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…単結晶製造装置、 2…メインチャンバー、 3…シリコン単結晶、
4…ワイヤー、 5…引き上げチャンバー、 6…原料融液、 7…ルツボ、
8…ヒーター。
4…ワイヤー、 5…引き上げチャンバー、 6…原料融液、 7…ルツボ、
8…ヒーター。
Claims (3)
- 多結晶原料をルツボ内に充填する充填工程と、前記ルツボ内で前記多結晶原料を溶融して原料融液とする溶融工程と、前記原料融液からシリコン単結晶を引き上げる育成工程とを有するシリコン単結晶の製造方法であって、
前記充填工程の前に、前記多結晶原料の大きさが5mm角以上のものを選別する選別工程を行い、該選別工程で選別した前記多結晶原料を前記充填工程で使用すること特徴とするシリコン単結晶の製造方法。 - 前記選別工程は、前記多結晶原料を篩にかけて行うことを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
- 前記育成工程で前記シリコン単結晶を育成した後に、前記選別工程により選別された多結晶原料を再び前記ルツボ内に追加充填し、2本目以降のシリコン単結晶の育成を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリコン単結晶の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015025535A JP2016147781A (ja) | 2015-02-12 | 2015-02-12 | シリコン単結晶の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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