JP7363762B2 - シリコン試料の炭素濃度評価方法、シリコンウェーハ製造工程の評価方法、シリコンウェーハの製造方法およびシリコン単結晶インゴットの製造方法 - Google Patents

シリコン試料の炭素濃度評価方法、シリコンウェーハ製造工程の評価方法、シリコンウェーハの製造方法およびシリコン単結晶インゴットの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリコン試料の炭素濃度評価方法、シリコンウェーハ製造工程の評価方法、シリコンウェーハの製造方法およびシリコン単結晶インゴットの製造方法に関する。
近年、シリコン試料の炭素濃度を評価することが検討されている(例えば特許文献1参照)。
特開2017-191800号公報
半導体基板として使用されるシリコンウェーハには、デバイス特性の低下を引き起こす不純物汚染を低減することが望まれる。近年、シリコンウェーハに含まれる不純物として炭素が注目され、シリコンウェーハの炭素汚染を低減することが検討されている。
炭素汚染低減のためには、シリコン試料の炭素濃度を評価し、評価結果に基づき、シリコンウェーハの製造工程やシリコンウェーハを切り出すシリコン単結晶インゴットの製造工程を、製造工程で混入する炭素を低減するように管理することが望ましい。シリコン試料の炭素濃度を評価するための新たな方法を見出すことは、そのような工程管理を行ううえで有用である。
本発明の一態様は、シリコン試料の炭素濃度を評価するための新たな方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、
評価対象シリコン試料に水素原子を導入する水素原子導入処理を行うこと、
上記水素原子導入処理後の評価対象シリコン試料の測定領域について、シリコンのバンドギャップ中のトラップ準位を評価する評価法による評価を行うこと、および
上記評価により得られた評価結果の中で、少なくとも炭素原子と水素原子とによって形成された複合体に起因するトラップ準位の密度に関する評価結果に基づき、上記評価対象シリコン試料の炭素濃度を評価すること、
を含み、
上記測定領域の中点位置は、上記評価対象シリコン試料の表面から深さ8.7μm以上の深さの位置である、シリコン試料の炭素濃度評価方法(以下、「炭素濃度評価方法」とも記載する。)、
に関する。
一形態では、上記測定領域の幅は、1.0μm以上5.3μm以下であることができる。
一形態では、上記炭素濃度評価方法は、上記水素原子導入処理の前に、上記評価対象シリコン試料を加熱手段を用いて100℃以上の加熱温度に加熱する加熱処理を行うことを更に含むことができる。
上記加熱温度とは、加熱処理により加熱されたシリコン試料表面の温度をいうものとする。
一形態では、上記評価結果は、Ec-0.10eV、Ec-0.13eVおよびEc-0.15eVからなる群から選ばれる少なくとも1つのトラップ準位の密度に関する評価結果であることができる。
一形態では、上記評価結果は、Ec-0.15eVのトラップ準位の密度に関する評価結果であることができる。
一形態では、上記評価法は、DLTS法(Deep-Level Transient Spectroscopy)であることができる。
一形態では、上記水素原子導入処理は、上記評価対象シリコン試料をフッ硝酸と接触させることを含むことができる。
本発明の一態様は、
評価対象のシリコンウェーハ製造工程において製造されたシリコンウェーハの炭素濃度を上記炭素濃度評価方法により評価すること、および
上記評価の結果に基づき評価対象のシリコンウェーハ製造工程における炭素汚染の程度を評価すること、
を含む、シリコンウェーハ製造工程の評価方法(以下、「製造工程評価方法」とも記載する。)、
に関する。
本発明の一態様は、
上記製造工程評価方法によりシリコンウェーハ製造工程の評価を行うこと、および
上記評価の結果、炭素汚染の程度が許容レベルと判定されたシリコンウェーハ製造工程において、または、上記評価の結果、炭素汚染の程度が許容レベルを超えると判定されたシリコンウェーハ製造工程に炭素汚染低減処理を施した後に、このシリコンウェーハ製造工程において、シリコンウェーハを製造すること、
を含む、シリコンウェーハの製造方法、
に関する。
本発明の一態様は、
シリコン単結晶インゴットを育成すること、
上記シリコン単結晶インゴットから切り出されたシリコン試料の炭素濃度を、上記炭素濃度評価方法により評価すること、
上記評価の結果に基づき、シリコン単結晶インゴットの製造条件を決定すること、および、
決定された製造条件下でシリコン単結晶インゴットを育成すること、
を含む、シリコン単結晶インゴットの製造方法、
に関する。
本発明の一態様によれば、シリコン試料の炭素濃度を評価するための新たな方法を提供することができる。
実施例で使用されたシリコン単結晶引き上げ装置の構成を示す説明図である。 実施例1および比較例1について得られたトラップ準位密度をフッ硝酸処理の終了からDLTS測定の開始までの経過時間に対してプロットしたグラフを示す。 図3は、測定領域の中点位置に関する検討のために作成されたグラフである。 図4の右図は、シリコン試料1(加熱処理あり)について得られたDLTSスペクトル(フィッティング処理なし)である。図4の左図は、シリコン試料2(加熱処理なし)について得られたDLTSスペクトル(フィッティング処理なし)である。 図5の左図は、シリコン試料4(加熱温度:80℃)について得られたDLTSスペクトル(フィッティング処理前のDLTSスペクトル、ならびに、フィッティング処理によって分離されたEc-0.10eVのトラップ準位のDLTSスペクトル、Ec-0.13eVのトラップ準位のDLTSスペクトルおよびEc-0.15eVのトラップ準位のDLTSスペクトル)である。図5の右図は、シリコン試料3(加熱温度:100℃)について得られたDLTSスペクトル(フィッティング処理なし)である。
[シリコン試料の炭素濃度評価方法]
本発明の一態様は、評価対象シリコン試料に水素原子を導入する水素原子導入処理を行うこと、上記水素原子導入処理後の評価対象シリコン試料の測定領域について、シリコンのバンドギャップ中のトラップ準位を評価する評価法による評価を行うこと、および上記評価により得られた評価結果の中で、少なくとも炭素原子と水素原子とによって形成された複合体に起因するトラップ準位の密度に関する評価結果に基づき、上記評価対象シリコン試料の炭素濃度を評価することを含み、上記測定領域の中点位置は、上記評価対象シリコン試料の表面から深さ8.7μm以上の深さの位置であるシリコン試料の炭素濃度評価方法に関する。
上記炭素濃度評価方法において行われる水素原子導入処理により、シリコンのバンドギャップ中に、少なくとも炭素原子と水素原子とによって形成された複合体(以下、「炭素水素関連複合体」とも記載する。)に起因するトラップ準位を形成することができる。こうして、上記トラップ準位の密度に関する評価結果を得ることが可能となる。そのような評価結果の一例としては、DLTS法による評価によって得られるピーク強度(DLTS信号強度)を挙げることができる。この点について詳細は後述する。
トラップ準位に関しては、水素原子導入処理後のシリコンのバンドギャップ中の上記トラップ準位の密度は、シリコン試料の炭素濃度と相関し得る。したがって、水素原子導入処理後に行われる評価により得られる上記トラップ準位の密度に関する評価結果、即ち、トラップ準位の密度と相関する評価結果は、シリコン試料の炭素濃度と相関し得るため、かかる評価結果に基づき、評価対象シリコン試料の炭素濃度を評価することができる。
更に、本発明者の鋭意検討の結果、測定領域を中点位置が上記深さの位置にある領域に設定することが、経時変化の影響が低減された炭素濃度評価結果を得ることに寄与することが新たに見出された。詳しくは、以下のように本発明者は推察している。
水素原子導入処理によって評価対象シリコン試料に導入された水素原子と評価対象シリコン試料に含まれる炭素原子とにより形成される炭素水素関連複合体に起因するトラップ準位の密度には経時変化が存在し、水素原子導入処理の終了後から経時的にトラップ準位密度は低下する。ただし、本発明者の検討の結果、測定領域を上記評価法によって通常評価される領域と比べてシリコン試料のより内部に設定することによって、水素原子導入処理後、短時間のうちにトラップ準位密度に関する評価結果を経時的に安定に得ることが可能になることが明らかとなった。そこで、上記炭素濃度評価方法では、シリコンのバンドギャップ中のトラップ準位を評価する評価法による評価を、上記測定領域について行う。これにより、経時変化の影響が低減された炭素濃度評価結果を迅速に得ることが可能になる。
以下、上記炭素濃度評価方法について、更に詳細に説明する。
<評価対象シリコン試料>
上記炭素濃度評価方法の評価対象とされるシリコン試料は、例えば、シリコン単結晶インゴットから切り出されたシリコン試料であることができる。例えば、シリコン単結晶インゴットからウェーハ形状に切り出した試料またはウェーハ形状に切り出した試料から更に一部を切り出して得た試料を、評価に付すことができる。また、評価対象シリコン試料は、半導体基板として用いられる各種シリコンウェーハ(例えば、ポリッシュドウェーハ、エピタキシャルウェーハ等)またはかかるシリコンウェーハから切り出したシリコン試料であることもできる。上記シリコンウェーハは、シリコンウェーハに通常行われる各種加工処理(例えば、研磨、エッチング、洗浄等)が付されたシリコンウェーハであることもできる。シリコン試料は、一形態ではn型シリコンであることができ、他の一形態ではp型シリコンであることができる。また、シリコン試料の抵抗率は、例えば1~1000Ωcm程度であることができるが、特に限定されない。
<水素原子導入処理>
評価対象シリコン試料は、シリコンのバンドギャップ中のトラップ準位を評価する評価法による評価が行われる前に、水素原子導入処理に付される。水素原子を導入することにより、炭素水素関連複合体に起因するトラップ準位を形成することができる。水素原子の導入は、ドライ処理(乾式)によって行ってもよく、ウェット処理(湿式、即ち溶液の使用)によって行ってもよい。例えば、ドライ処理による水素原子の導入は、イオン注入法、水素プラズマ等によって行うことができる。尚、本発明および本明細書における水素原子の導入には、イオンまたはプラズマの状態で水素原子が導入される形態も包含されるものとする。
ウェット処理による水素原子の導入は、シリコン試料を溶液に接触させる(例えば浸漬する)ことによって行うことができる。ここで使用される溶液は、水素原子を電離した状態(イオン)または塩の状態等のいずれかの状態で含む溶液であれば、酸溶液であっても塩基溶液であってもよい。一例として、酸溶液としては、フッ酸(フッ化水素酸水溶液)、フッ酸と硝酸との混合溶液(フッ硝酸)等のHFを含む溶液、硫酸と過酸化水素との混合溶液、塩酸と過酸化水素との混合溶液等を挙げることができる。また、塩基溶液としては水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、アンモニア水と過酸化水素との混合溶液等を挙げることができる。上記の各種溶液は、好ましくは水系溶液(水を含む溶液)であり、水溶液であることがより好ましい。酸溶液の酸濃度および塩基溶液の塩基濃度は、特に限定されるものではない。一例として、フッ酸としては、例えばHF濃度1~25質量%フッ酸(フッ化水素酸水溶液)を使用することができ、フッ硝酸としては、例えばHNO濃度69質量%の硝酸(硝酸水溶液)とHF濃度50質量%のフッ酸(フッ化水素酸水溶液)との混合溶液を使用することができる。各溶液によるウェット処理は、例えば、評価対象シリコン試料を溶液に1~10分間接触(例えば浸漬)することによって行うことができる。溶液との接触の前および/または後に、水洗、乾燥等の処理の1つ以上を前処理および/または後処理として行うこともできる。
水素原子導入処理後の評価対象シリコン試料は、シリコンのバンドギャップ中のトラップ準位を評価する評価法による評価に付される。
<加熱処理>
上記炭素濃度評価方法は、水素原子導入処理の前に、評価対象シリコン試料を加熱手段を用いて100℃以上の加熱温度に加熱する加熱処理を含むことができる。上記加熱処理の終了後、例えば300分間以内に水素原子導入処理を開始することができる。一例として、水素原子導入処理が評価対象シリコン試料をフッ硝酸に接触させる処理(フッ硝酸処理)を含む場合、上記加熱処理の終了後、60分以内にフッ硝酸処理を行うことが好ましい。
本発明者は、上記加熱処理によって、水素原子導入処理前に評価対象シリコン試料に混入していた水素原子とシリコン試料中の炭素原子とにより形成されていた炭素水素関連複合体を解離させることができると推察している。詳しくは、以下のように本発明者は推察している。
評価対象シリコン試料には、製造工程において行われる処理(例えば、洗浄、水素アニール等)において意図せず水素原子が導入され得る。こうして導入された水素原子は、シリコン試料中の炭素原子と炭素水素関連複合体を形成し得る。一方、炭素水素関連複合体に起因するトラップ準位は、形成後に経時的に徐々に減少すると考えられるが、意図せず導入された水素原子に由来する炭素水素関連複合体に起因するトラップ準位の経時的な減少を考慮した評価を行うことは容易ではない。本発明者は、このような炭素水素関連複合体が水素原子導入処理前に評価対象シリコン試料に存在していることは上記評価法によって得られる評価結果のばらつき要因になると考え、そのような炭素水素関連複合体を解離し得る加熱温度での熱処理を水素原子導入処理前に行うことによって、そのようなばらつきを低減できると考えるに至った。
加熱手段としては、例えばホットプレート、加熱炉等を用いることができる。例えば、水素原子導入処理前の評価対象シリコン試料を、ホットプレート上または加熱炉内に配置して、100℃以上の加熱温度に加熱することができる。本発明者の検討の結果、100℃以上の加熱温度に加熱することによって炭素水素関連複合体に起因するトラップ準位の消失が確認された(後述参照)。したがって、100℃以上の加熱温度での加熱処理を行うことによって、水素原子導入処理前の評価対象シリコン試料において炭素水素関連複合体を解離させることができると考えられる。そのため、水素原子導入処理前に行う加熱処理における加熱温度は100℃以上とすることが好ましい。上記加熱温度は、100℃以上であればよく、例えば、180℃以下、170℃以下、160℃以下または150℃以下であることができ、ここに例示した値を上回ることもできる。上記加熱温度での加熱時間は、例えば、10秒間~60分間の範囲とすることができる。上記加熱処理は、例えば大気雰囲気下で行うことができる。また、上記加熱処理から水素原子導入処理までの間および水素原子導入処理から上記評価までの間の評価対象シリコン試料は、特記しない限り、例えば、室温の大気雰囲気中に配置することができる。ここで室温とは、例えば15℃~30℃の範囲の温度であることができる。
<水素原子導入処理後のシリコン試料の評価および炭素濃度の評価>
上記炭素濃度評価方法では、水素原子導入処理後の評価対象シリコン試料を、シリコンのバンドギャップ中のトラップ準位を評価する評価法による評価に付し、かかる評価により得られた評価結果の中で、炭素水素関連複合体に起因するトラップ準位の密度に関する評価結果に基づき、評価対象シリコン試料の炭素濃度を評価する。上記炭素濃度評価方法では、上記評価法による評価を、評価対象シリコン試料の表面から深さ8.7μm以上の深さの位置に中点位置がある領域を測定領域として行う。これにより、先に記載したように、経時変化の影響が低減された炭素濃度評価結果を迅速に得ることが可能になる。
本発明および本明細書において、「測定領域」とは、その領域について行われた測定によって上記評価法による評価結果が得られる領域をいうものとし、その領域の位置および幅は、上記評価法による評価のための測定条件から公知の方法によって算出することができる。
上記炭素濃度評価方法では、上記測定領域を、評価対象シリコン試料の表面から深さ8.7μm以上の深さの位置に中点位置がある領域とする。先に記載した観点から、上記中点位置は、評価対象シリコン試料の表面から深さ9.0μm以上の位置であることが好ましく、10.0μm以上の位置であることがより好ましく、11.0μm以上の位置であることが更に好ましい。中点位置とは、評価対象シリコン試料の深さ方向における位置をいうものとする。例えば、測定領域が、評価対象シリコン試料の表面から深さDa~Dbの領域(ただし、Db>Da)である場合、中点位置の深さは、中点位置の深さ=(Da+Db)/2、として算出できる。中点位置は、評価対象シリコン試料の厚さがTである場合、評価対象シリコン試料の表面から深さT未満の位置であり、上記評価法による評価のために通常使用される測定装置によれば、評価対象シリコン試料の表面から深さ90.0μm以下、80.0μm以下、70.0μm以下、60.0μm以下、50.0μm以下、40.0μm以下、30.0μm以下または20.0μm以下の位置を中点位置とする測定が可能である。一方、評価対象シリコン試料の厚さは、例えば20μm以上1000μm以下であることができる。ただし、この範囲に限定されるものではない。
測定領域の幅は、上記評価法による評価のために通常行われる測定と同様の範囲とすることができ、例えば、1.0μm以上または2.0μm以上であることができ、また、5.3μm以下または4.0μm以下であることができる。
上記炭素水素関連複合体は、少なくとも炭素原子と水素原子とによって形成された複合体であって、例えば、炭素原子と水素原子のみによって形成された複合体、炭素原子と水素原子と酸素原子とによって形成された複合体等であることができる。上記炭素水素関連複合体に起因するトラップ準位の具体例としては、Ec(伝導帯の底のエネルギー)-0.10eV、Ec-0.13eVおよびEc-0.15eVのトラップ準位を挙げることができ、Ec-0.15eVのトラップ準位が好ましい。
シリコンのバンドギャップ中のトラップ準位を評価する評価法としては、DLTS法、ライフタイム法、ICTS法(Isothermal Capacitance Transient Spectroscopy)、低温フォトルミネッセンス(PL)法、カソードルミネッセンス(CL)法等を挙げることができる。尚、従来のPL法およびCL法(ルミネッセンス法)による炭素濃度の評価では、電子線照射処理が不可欠であった。これに対し上記炭素濃度評価方法によれば、水素原子導入処理により上記トラップ準位を活性化した状態で形成することができると考えられるため、電子線照射処理を行わなくとも、上記トラップ準位の密度に基づき炭素濃度を評価することができる。各種評価法による測定の手法については、公知技術を何ら制限なく適用できる。本発明および本明細書における「電子線照射処理を行わない」とは、シリコン試料に対して積極的に電子線を照射する処理を行わないことをいい、太陽光、照明等の下で不可避的に生じる電子線照射は許容されるものとする。また、電子線とは、電子に加速電圧を加えて得られる電子の流れである。電子線照射処理は、リードタイムが長い、大規模設備を要する、コスト増を招く、電子線照射工程に加えて保護酸化膜の作製等を要し工程数が増える等の点で課題がある。したがって、電子線照射処理を行わなくともシリコン試料の炭素濃度を評価できることは好ましい。ただし、上記炭素濃度評価方法の一形態では、公知の方法により電子線照射を行うこともできる。
例えばDLTS法は、より高感度な炭素定量を可能にする観点から、好ましい評価法である。評価法としてDLTS法を用いる場合、DLTS法により得られる各ピークの合計として得られるDLTSスペクトルを公知の方法でフィッティング処理することにより、炭素水素関連複合体に起因するトラップ準位のDLTSスペクトルを分離することができる。例えば、周波数250HzでのDLTS測定では、Ec-0.10eVのトラップ準位密度は76K付近のピーク、Ec-0.13eVのトラップ準位密度は87K付近のピーク、Ec-0.15eVのトラップ準位密度は101K付近のピークのピーク強度(DLTS信号強度)に基づき炭素濃度を求めることができる。炭素濃度を求めるために用いるピークは、少なくとも1つであり、2つまたは3つのピークを用いてもよい。通常、ピーク強度の値が大きいほど炭素濃度が高いと判定することができる。より高精度な炭素濃度評価を行う観点からは、Ec-0.15eVにおける評価結果に基づき、評価対象シリコン試料の炭素濃度を求めることが好ましい。
DLTS法では、通常、評価対象シリコン試料の一部を切り出して得た測定用試料に、半導体接合(ショットキー接合またはpn接合)およびオーミック層を形成して作製したダイオード(試料素子)について測定(DLTS測定)が行われる。一般に、DLTS測定に付される試料の表面は平滑性が高いことが好ましい。したがって、測定用試料を切り出す前の評価対象シリコン試料、または評価対象シリコン試料から切り出した測定用試料に、表面平滑性向上のためにエッチング、研磨加工等を任意に行うこともできる。エッチングは、ミラーエッチングが好ましい。また、研磨加工は鏡面研磨加工を含むことが好ましい。例えば、評価対象シリコン試料がシリコン単結晶インゴットまたはインゴットの一部の場合、かかる評価対象シリコン試料から切り出した測定用試料を研磨加工した後に試料素子を作製することが好ましく、鏡面研磨加工した後に試料素子を作製することがより好ましい。研磨加工としては、鏡面研磨加工等のシリコンウェーハに施される公知の研磨加工を行うことができる。一方、通常、シリコンウェーハは鏡面研磨加工等の研磨加工を経て得られる。したがって、評価対象シリコン試料がシリコンウェーハである場合、シリコンウェーハから切り出した測定用試料の表面は、研磨加工なしでも高い平滑性を有することが通常である。
DLTS測定は、通常、以下の方法によって行われる。シリコン試料の一方の表面に半導体接合(ショットキー接合またはpn接合)を形成し、他方の表面にオーミック層を形成してダイオード(試料素子)を作製する。この試料素子の容量(キャパシタンス)の過渡応答を、温度掃引を行いながら周期的に電圧を印加し測定する。電圧の印加は、通常、空乏層を形成する逆方向電圧と空乏層中のトラップ準位にキャリアを充填するための順方向電圧を、交互かつ周期的に印加して行われる。測定領域の深さおよび幅は、逆方向電圧の大きさによって制御することができる。測定領域の深さおよび幅は、逆方向電圧の大きさおよび評価対象シリコン試料の抵抗率から公知の方法で算出することができる。温度に対してDLTS信号をプロットすることにより、DLTSスペクトルを得ることができる。DLTS測定により検出された各ピークの合計として得られるDLTSスペクトルを公知の方法でフィッティング処理することにより、各トラップ準位のDLTSスペクトルを分離しピークを検出することができる。
<炭素濃度の評価>
評価法としていずれの方法を用いる場合にも、炭素水素関連複合体に起因するトラップ準位の密度に関する評価結果に基づく炭素濃度の評価は、検量線を用いて行うことができ、または検量線を用いずに行うことができる。検量線を用いない場合、例えば、評価結果として得られた値が大きいほど、炭素濃度が高いと判定する相対的な判定基準によって、炭素濃度を評価することができる。例えば、DLTSスペクトルのピーク強度(DLTS信号強度)の値が大きいほど炭素濃度が高いと判定することができる。また、検量線を用いる場合には、検量線としては、例えば、評価対象シリコン試料について得られた評価結果(例えばDLTS信号強度)から求められるトラップ準位の密度と既知炭素濃度との相関関係を示す検量線を作成することが好ましい。各種評価結果からトラップ準位の密度を求める関係式は、公知である。また、上記の既知炭素濃度は、評価対象シリコン試料の評価に用いる評価法以外の方法によって測定して求めることができる。例えば、評価対象シリコン試料をDLTS法により評価する場合、上記の既知炭素濃度は、例えばSIMS法(Secondary Ion Mass Spectrometry)やFT-IR法(Fourier Transform Infrared Spectroscopy)により求めることができる。これらの方法によって求められた評価結果から炭素濃度を求める関係式も公知である。検量線を作成するために評価対象シリコン試料と同じ評価法による評価に付されるシリコン試料(検量線作成用シリコン試料)と既知炭素濃度を求めるためのシリコン試料とは、同じシリコン試料(例えば、同じインゴット、同じウェーハ等)から切り出されたシリコン試料であるか、または同じ製造工程を経たシリコン試料であることが好ましい。検量線作成に関しては、特許文献1(特開2017-191800号公報)の段落0038~0040も参照できる。検量線作成用シリコン試料は、水素原子導入処理等の各種処理を評価対象シリコン試料と同様に施されたシリコン試料であることが好ましい。
[シリコンウェーハ製造工程の評価方法およびシリコンウェーハの製造方法]
本発明の一態様は、評価対象のシリコンウェーハ製造工程において製造されたシリコンウェーハの炭素濃度を上記炭素濃度評価方法により評価すること、および、上記評価の結果に基づき評価対象のシリコンウェーハ製造工程における炭素汚染の程度を評価すること、を含むシリコンウェーハ製造工程の評価方法に関する。
また、本発明の一態様は、上記シリコンウェーハ製造工程の評価方法によりシリコンウェーハ製造工程の評価を行うこと、および、上記評価の結果、炭素汚染の程度が許容レベルと判定されたシリコンウェーハ製造工程において、または、上記評価の結果、炭素汚染の程度が許容レベルを超えると判定されたシリコンウェーハ製造工程に炭素汚染低減処理を施した後に、このシリコンウェーハ製造工程において、シリコンウェーハを製造すること、を含むシリコンウェーハの製造方法に関する。
上記製造工程評価方法における評価対象のシリコンウェーハ製造工程は、製品シリコンウェーハを製造する一部の工程または全部の工程であることができる。製品シリコンウェーハの製造工程は、一般に、シリコン単結晶インゴットからのウェーハの切り出し(スライシング)、研磨やエッチング等の表面処理、洗浄工程、更にウェーハの用途に応じて必要により行われる後工程(エピタキシャル層形成等)を含む。これらの各工程および各処理はいずれも公知である。
シリコンウェーハの製造工程では、製造工程で用いられる部材とシリコンウェーハとの接触等により、シリコンウェーハに炭素汚染が発生し得る。評価対象の製造工程において製造されたシリコンウェーハの炭素濃度を評価して炭素汚染の程度を把握することにより、評価対象のシリコンウェーハ製造工程に起因して製品シリコンウェーハに炭素汚染が発生する傾向を把握することができる。即ち、評価対象の製造工程において製造されたシリコンウェーハの炭素濃度が高いほど、評価対象の製造工程において炭素汚染が発生し易い傾向があると判定することができる。したがって、例えば、あらかじめ炭素濃度の許容レベルを設定しておき、評価対象のシリコンウェーハ製造工程において製造されたシリコンウェーハについて求められた炭素濃度が許容レベルを超えたならば、評価対象の製造工程を、炭素汚染発生傾向が高く製品シリコンウェーハの製造工程としては使用不可と判定することができる。そのように判定された評価対象のシリコンウェーハ製造工程は、炭素汚染低減処理を施した後に製品シリコンウェーハの製造に用いることが好ましい。この点の詳細は、更に後述する。
評価対象のシリコンウェーハ製造工程において製造されたシリコンウェーハの炭素濃度は、上記の本発明の一態様にかかる炭素濃度評価方法によって求められる。上記炭素濃度評価方法の詳細は、先に詳述した通りである。炭素濃度評価に付すシリコンウェーハは、評価対象のシリコンウェーハ製造工程で製造された少なくとも1枚のシリコンウェーハであり、2枚以上のシリコンウェーハであってもよい。2枚以上のシリコンウェーハの炭素濃度を求めた場合には、例えば、求められた炭素濃度の平均値、最大値等を、評価対象のシリコンウェーハ製造工程の評価のために用いることができる。また、シリコンウェーハは、ウェーハ形状のまま炭素濃度評価に付してもよく、その一部を切り出して炭素濃度評価に付してもよい。1枚のシリコンウェーハから2つ以上の試料を切り出して炭素濃度評価に付す場合、2つ以上の試料について求められた炭素濃度の平均値、最大値等を、そのシリコンウェーハの炭素濃度として決定することができる。
上記シリコンウェーハの製造方法の一態様では、上記製造工程評価方法によりシリコンウェーハ製造工程の評価を行い、評価の結果、炭素汚染の程度が許容レベルと判定されたシリコンウェーハ製造工程においてシリコンウェーハを製造する。これにより、炭素汚染レベルが低い高品質なシリコンウェーハを製品ウェーハとして出荷することが可能となる。また、上記シリコンウェーハの製造方法の他の一態様では、上記製造工程評価方法によりシリコンウェーハ製造工程の評価を行い、評価の結果、炭素汚染の程度が許容レベルを超えると判定されたシリコンウェーハ製造工程に炭素汚染低減処理を施した後に、このシリコンウェーハ製造工程においてシリコンウェーハを製造する。これにより、製造工程に起因する炭素汚染を低減することができるため、炭素汚染レベルが低い高品質なシリコンウェーハを製品ウェーハとして出荷することが可能となる。上記の許容レベルは、製品ウェーハに求められる品質に応じて適宜設定することができる。また、炭素汚染低減処理とは、シリコンウェーハ製造工程に含まれる部材の交換、洗浄等を挙げることができる。一例として、シリコンウェーハの製造工程においてシリコンウェーハを載置する部材であるサセプタとしてSiC製サセプタを用いる場合、繰り返し使用されたサセプタの劣化により、サセプタとの接触部分が炭素汚染されることが起こり得る。このような場合には、例えばサセプタを交換することによりサセプタ起因の炭素汚染を低減することができる。
[シリコン単結晶インゴットの製造方法]
本発明の一態様は、シリコン単結晶インゴットを育成すること、上記シリコン単結晶インゴットから切り出されたシリコン試料の炭素濃度を、上記炭素濃度評価方法により評価すること、上記評価の結果に基づき、シリコン単結晶インゴットの製造条件を決定すること、および、決定された製造条件下でシリコン単結晶インゴットを育成すること、を含むシリコン単結晶インゴットの製造方法に関する。
シリコン単結晶インゴットの育成は、CZ法(チョクラルスキー法)、FZ法(浮遊帯域溶融(Floating Zone)法)等の公知の方法により行うことができる。例えば、CZ法により育成されるシリコン単結晶インゴットには、原料ポリシリコンの混入炭素、育成中に発生するCOガス等に起因して、炭素が混入する可能性がある。このような混入炭素濃度を評価し、評価結果に基づき製造条件を決定することは、炭素の混入が抑制されたシリコン単結晶インゴットを製造するために好ましい。そのために混入炭素濃度を評価する方法として、上記の本発明の一態様にかかる炭素濃度評価方法は好適である。
シリコン単結晶インゴットから切り出されるシリコン試料の形状等の詳細については、上記炭素濃度評価方法の評価対象シリコン試料に関する先の記載を参照できる。炭素濃度評価に付されるシリコン試料の数は、少なくとも1つであり、2つ以上であってもよい。2つ以上のシリコン試料の炭素濃度を求めた場合には、例えば、求められた炭素濃度の平均値、最大値等を、シリコン単結晶インゴットの製造条件決定のために用いることができる。例えば、得られた炭素濃度が、あらかじめ定めた許容レベルであった場合には、炭素濃度を評価したシリコン試料を切り出したシリコン単結晶インゴットを育成した際の製造条件においてシリコン単結晶インゴットを育成することにより、炭素汚染が少ないシリコン単結晶インゴットを製造することができる。他方、例えば、得られた炭素濃度が許容レベルを超えた場合には、炭素濃度を低減するための手段を採用して決定された製造条件の下でシリコン単結晶インゴットを育成することにより、炭素汚染が少ないシリコン単結晶インゴットを製造することが可能となる。炭素汚染を低減するための手段としては、例えば、CZ法については、下記手段(1)~(3)の1つ以上を採用することができる。また、例えば、FZ法については、下記手段(4)~(6)の1つ以上を採用することができる。
(1)原料ポリシリコンとしてより炭素混入の少ない高グレード品を使用すること。
(2)ポリシリコン融液へのCO溶解を抑制するために引き上げ速度および/または結晶引き上げ時のアルゴン(Ar)ガス流量を適切に調整すること。
(3)引き上げ装置に含まれる炭素製部材の設計変更、取り付け位置の変更等を行うこと。
(4)シリコン原料として、より炭素混入の少ない高グレード品を使用すること。
(5)単結晶製造装置内に導入するガス流量を多くすることによって雰囲気ガスからの炭素の取り込みを抑制すること。
(6)単結晶製造装置に含まれる炭素含有材料製の部材の交換、部材の設計変更、取り付け位置の変更等を行うこと。
こうして本発明の一態様によれば、低炭素濃度のシリコン単結晶インゴットおよびシリコンウェーハを提供することができる。
以下に、本発明を実施例に基づき更に説明する。ただし本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。以下の処理および操作は、特記しない限り、室温の大気雰囲気下で実施した。
[実施例1]
1.CZ法によるシリコン単結晶インゴットの育成
図1に示す構成のシリコン単結晶引き上げ装置を用いて、シリコン単結晶インゴット(n型シリコン)を育成した。
以下、図1に示すシリコン単結晶引き上げ装置の詳細を説明する。
図1に示すシリコン単結晶引き上げ装置10は、チャンバー11と、チャンバー11の底部中央を貫通して鉛直方向に設けられた支持回転軸12と、支持回転軸12の上端部に固定されたグラファイトサセプタ13と、グラファイトサセプタ13内に収容された石英るつぼ14と、グラファイトサセプタ13の周囲に設けられたヒーター15と、支持回転軸12を昇降および回転させるための支持軸駆動機構16と、種結晶を保持するシードチャック17と、シードチャック17を吊設する引き上げワイヤー18と、引き上げワイヤー18を巻き取るためのワイヤー巻き取り機構19と、ヒーター15および石英るつぼ14からの輻射熱によるシリコン単結晶インゴット20の加熱を防止すると共にシリコン融液21の温度変動を抑制するための熱遮蔽部材22と、各部を制御する制御装置23とを備えている。
チャンバー11の上部には、Arガスをチャンバー11内に導入するためのガス導入口24が設けられている。Arガスはガス管25を介してガス導入口24からチャンバー11内に導入され、その導入量はコンダクタンスバルブ26により制御される。
チャンバー11の底部には、チャンバー11内のArガスを排気するためのガス排出口27が設けられている。密閉したチャンバー11内のArガスはガス排出口27から排ガス管28を経由して外へと排出される。排ガス管28の途中にはコンダクタンスバルブ29および真空ポンプ30が設置されており、真空ポンプ30でチャンバー11内のArガスを吸引しながらコンダクタンスバルブ29でその流量を制御することでチャンバー11内の減圧状態が保たれている。
更に、チャンバー11の外側にはシリコン融液21に磁場を印加するための磁場供給装置31が設けられている。磁場供給装置31から供給される磁場は、水平磁場であっても構わないし、カスプ磁場であっても構わない。
2.シリコン試料の切り出し
上記1.で育成したシリコン単結晶インゴットからウェーハ形状サンプルを切り出し、鏡面研磨加工等の加工処理を行いシリコンウェーハに加工した。抵抗率は10~13Ωcmであった。このシリコンウェーハから、DLTS測定用シリコン試料を12個切り出した。シリコン試料の厚さは、20μm以上1000μm以下であった。
3.DLTS法による測定
上記2.で得たDLTS測定用シリコン試料のうちの5個について、それぞれ、下記の(A)、(B)、(C)および(D)の処理を順次実施した。下記(B)において、下記(A)の加熱処理後のシリコン試料に水素原子導入処理が施される。下記(C)において水素原子導入処理後のシリコン試料の一方の面にショットキー接合を形成し、下記(D)において他方の面にオーミック層(Ga/In層)を形成することにより、ダイオードを作製した。下記(B)のフッ硝酸処理の終了後310秒以内に下記(C)のフッ酸処理を実施した。下記(C)の純水洗浄の終了後5時間以内にシリコン試料を真空蒸着機に投入して真空引きを開始し、下記(C)の純水洗浄の終了後24時間以内にシリコン試料にショットキー電極を形成した。
(A)DLTS測定用シリコン試料をホットプレート上に配置して150℃の加熱温度で30分間加熱処理
(B)上記加熱処理後60分以内にDLTS測定用シリコン試料をフッ酸処理(HF濃度5質量%のフッ酸(フッ化水素酸水溶液)に5分間浸漬)→純水洗浄→上記加熱処理後60分以内にフッ硝酸処理(フッ硝酸(HNO濃度69質量%の硝酸(硝酸水溶液)とHF濃度50質量%のフッ酸(フッ化水素酸水溶液)との混合溶液)に5分間浸漬)→純水洗浄
(C)フッ酸処理(HF濃度5質量%のフッ酸(フッ化水素酸水溶液)に5分間浸漬)→純水洗浄→真空蒸着によるショットキー電極(Au電極)形成
(D)ガリウムおよびインジウム擦込みによる裏面オーミック層(Ga/In)形成
上記で作製したダイオードのショットキー接合に、空乏層を形成する逆方向電圧と空乏層にキャリアを捕獲するための順方向電圧を交互かつ周期的に印加した。逆方向電圧は-14V、順方向電圧は-7Vとした。これにより、シリコン試料の表面から深さ10.0~13.6μmの領域(中点位置:シリコン試料の表面から深さ11.8μmの位置)をDLTS測定領域とすることができる。上記電圧に対応して発生するダイオードの容量(キャパシタンス)の過渡応答を測定した。
上記5個のシリコン試料についてそれぞれ、DLTS測定(DLTS法による評価)を、フッ硝酸処理の終了から20時間後、43時間後、67時間後、140時間後または164時間後に開始した。上記DLTS測定の開始とは、DLTS測定のための電圧印加後、温度掃引を行いながらDLTS信号の取得を開始した時点である。また、経過時間とはフッ硝酸処理の終了からDLTS測定の開始までである。この点は、この後の記載においても同様である。DLTS測定は、上記の電圧印加および容量の測定を、試料温度を所定温度範囲で掃引しながら行った。DLTS信号強度ΔCを温度に対してプロットして、DLTSスペクトルを得た。測定周波数は250Hzとした。
得られたDLTSスペクトルを、SEMILAB社製プログラムを用いてフィッティング処理(True shape fitting処理)し、Ec-0.15eVのトラップ準位(ピーク位置:温度T=101K)のDLTSスペクトルに分離した。このピーク位置でのDLTS信号強度から公知の関係式によりトラップ準位密度を求めた。
[比較例1]
上記2.で得た7個のDLTS測定用シリコン試料について、それぞれ、
DLTS測定における逆方向電圧を-2V、順方向電圧を0Vとして、シリコン試料の表面から深さ2.6~6.0μmの領域(中点位置:シリコン試料の表面から深さ4.3μmの位置)をDLTS測定領域とした点、および、DLTS測定(DLTS法による評価)を、フッ硝酸処理の終了から20時間後、43時間後、55時間後、67時間後、78時間後、140時間後または164時間後に開始した点、以外は実施例1と同様の処理および操作を行った。
図2に、実施例1および比較例1について得られたトラップ準位密度を上記(B)のフッ硝酸処理の終了からDLTS測定の開始までの経過時間に対してプロットしたグラフを示す。「E+」は、公知の通り、べき乗を示す。例えば、「E+10」は、「×1010」を示す。図2中の点線は、作業者がマニュアルでフィッティング処理を行い作成した近似曲線または近似直線を示す。図2に示す結果から、実施例1では、比較例1と比べて、トラップ準位密度に関する評価結果を短時間のうちに安定に得ることができたことが確認できる(実施例1では20時間以降に安定化、比較例1では67時間以降に安定化)。かかる評価結果に基づけば、経時変化の影響が低減された炭素濃度評価結果を迅速に得ることが可能になる。尚、炭素水素関連複合体に起因するトラップ準位密度の経時変化は、測定領域内の水素の拡散分布に依るものと考えられ、水素の拡散分布は水素の内部拡散式に起因する。したがって、炭素水素関連複合体に起因するトラップ準位密度の経時変化は評価対象シリコン試料の炭素濃度の影響を受けないと本発明者は考えている。
実施例1において、例えばフッ硝酸処理の終了から20時間以上(例えば67時間未満)経過した後にDLTS測定を開始して求められた炭素水素関連準位に起因するトラップ準位密度から、評価対象シリコン試料の炭素濃度を評価することができる。炭素濃度の評価のための具体的手法については、先の記載を参照できる。
[測定領域の中点位置に関する検討]
図3は、以下の手順により、測定領域の中点位置に関する検討のために作成されたグラフである。
上記1.で育成したシリコン単結晶インゴットからウェーハ形状サンプルを切り出し、鏡面研磨加工等の加工処理を行いシリコンウェーハに加工した。抵抗率は10~13Ωcmであった。このシリコンウェーハから、DLTS測定用シリコン試料を複数個切り出した。
それらシリコン試料について、それぞれ、フッ硝酸処理の終了からDLTS測定の開始までの経過時間を、20時間、43時間、116時間、139時間または164時間とし、逆方向電圧と順方向電圧を変化させてDTLS測定の測定領域の中点位置を4.7μm、6.6μm、8.7μmまたは12.5μmに変えた点以外、実施例1と同様の処理および操作を行った。こうして、4通りの測定領域について、フッ硝酸処理の終了から20時間後、43時間後、116時間後、139時間後または164時間後にDLTS測定を開始して行われた評価によって、Ec-0.15eVのトラップ準位(ピーク位置:温度T=101K)のDLTSスペクトルを得た。得られたDLTSスペクトルのピーク位置でのDLTS信号強度から公知の関係式によりトラップ準位密度を求めた。
上記4通りの測定領域について、それぞれ、フッ硝酸処理の終了からDLTS測定の開始までの経過時間を変えて求められた複数のトラップ準位密度の値の平均値(Ave.)を算出した。標準偏差σは、以下の式によって算出した。式中、σ:標準偏差、n:データ数、xi:平均値(=Ave.)、x:各トラップ準位密度の値、である。
図3は、上記で求められたσとAve.の値から算出された変動係数(σ/Ave.)を、測定領域の中点位置に対してプロットしたグラフである。図3中の点線は、作業者がマニュアルでフィッティング処理を行い作成した近似曲線である。図3に示す結果から、測定領域を中点位置がシリコン試料の表面から深さ8.7μm以下の領域に設定することによって、トラップ準位密度に関する評価結果を短時間のうちに安定に得ることが可能になることが確認できる。
[加熱処理による炭素水素関連複合体に起因するトラップ準位消失の確認]
n型シリコンウェーハから2つのシリコン試料を切り出した。一方のシリコン試料(シリコン試料1)には、比較例1の上記(B)以外の処理および操作を行った。他方のシリコン試料(シリコン試料2)には、比較例1の上記(A)および(B)以外の処理および操作を行った。シリコン試料1およびシリコン試料2において、シリコン試料の切り出しからDLTS測定開始までの経過時間は同じとした。
図4の右図は、シリコン試料1(加熱処理あり)について得られたDLTSスペクトル(フィッティング処理なし)である。
図4の左図は、シリコン試料2(加熱処理なし)について得られたDLTSスペクトル(フィッティング処理なし)である。
図4中および後述の図5中、縦軸の「A.U.」は、任意単位(Arbitrary Unit)を示す。
図4中の右図と左図との対比から、水素原子導入処理前に上記(A)の加熱処理を行うことによって、Ec-0.13eVのトラップの準位のピーク(ピーク位置:温度T=87K)、Ec-0.15eVのトラップ準位のピーク(ピーク位置:温度T=101K)が消失したこと、即ち炭素水素関連複合体を解離させることができたことが確認できる。
[加熱温度の検討]
n型シリコンウェーハから2つのシリコン試料を切り出した。一方のシリコン試料(シリコン試料3)には、上記(A)の加熱温度を100℃に変更し、かつ上記(B)を実施しなかった点以外は実施例1と同様の処理および操作を行った。他方のシリコン試料(シリコン試料4)には、上記(A)の加熱温度を80℃に変更し、かつ上記(B)を実施しなかった点以外は実施例1と同様の処理および操作を行った。シリコン試料3およびシリコン試料4において、シリコン試料の切り出しからDLTS測定開始までの経過時間は同じとした。
図5の左図は、シリコン試料4(加熱温度:80℃)について得られたDLTSスペクトル(フィッティング処理前のDLTSスペクトル(図中、「80℃_Fitting処理前」)、ならびに、フィッティング処理によって分離されたEc-0.10eVのトラップ準位のDLTSスペクトル(図中、「E1 Fitt.」)、Ec-0.13eVのトラップ準位のDLTSスペクトル(図中、「E2 Fitt.」)およびEc-0.15eVのトラップ準位のDLTSスペクトル(図中、「E3 Fitt.」))である。図5の左図から、80℃の加熱温度での加熱処理では、Ec-0.10eVのトラップ準位のピーク(ピーク位置:温度T=76K)、Ec-0.13eVのトラップ準位のピーク(ピーク位置:温度T=87K)およびEc-0.15eVのトラップ準位のピーク(ピーク位置:温度T=101K)は消失されないことが確認できる。
これに対し、シリコン試料3について得られたDLTSスペクトルでは、Ec-0.10eVのトラップ準位のピーク(ピーク位置:温度T=76K)、Ec-0.13eVのトラップ準位のピーク(ピーク位置:温度T=87K)およびEc-0.15eVのトラップ準位のピーク(ピーク位置:温度T=101K)は、いずれも観察されなかった。一例として、図5の右図に、シリコン試料3(加熱温度:100℃)について得られたDLTSスペクトル(フィッティング処理なし)である。
以上の結果から、水素原子導入処理前に加熱温度100℃以上の加熱処理を行うことによって、炭素水素関連複合体に起因するトラップ準位のピークを消失させること、即ち炭素水素関連複合体を解離させることが可能であることが確認できる。
水素原子導入処理前に評価対象シリコン試料に含まれる炭素水素関連複合体を解離させることは、先に説明したように、上記評価結果のばらつき低減に寄与し得るため好ましい。
本発明は、シリコン単結晶インゴットおよびシリコンウェーハの技術分野において有用である。

Claims (10)

  1. 評価対象シリコン試料に水素原子を導入する水素原子導入処理を行うこと、
    前記水素原子導入処理後の評価対象シリコン試料の測定領域について、シリコンのバンドギャップ中のトラップ準位を評価する評価法による評価を行うこと、および
    前記評価により得られた評価結果の中で、少なくとも炭素原子と水素原子とによって形成された複合体に起因するトラップ準位の密度に関する評価結果に基づき、前記評価対象シリコン試料の炭素濃度を評価すること、
    を含み、
    前記測定領域の中点位置は、前記評価対象シリコン試料の表面から深さ8.7μm以上の深さの位置である、シリコン試料の炭素濃度評価方法。
  2. 前記測定領域の幅は、1.0μm以上5.3μm以下である、請求項1に記載のシリコン試料の炭素濃度評価方法。
  3. 前記水素原子導入処理の前に、前記評価対象シリコン試料を加熱手段を用いて100℃以上の加熱温度に加熱する加熱処理を行うことを更に含む、請求項1または2に記載のシリコン試料の炭素濃度評価方法。
  4. 前記評価結果は、Ec-0.10eV、Ec-0.13eVおよびEc-0.15eVからなる群から選ばれる少なくとも1つのトラップ準位の密度に関する評価結果である、請求項1~3のいずれか1項に記載のシリコン試料の炭素濃度評価方法。
  5. 前記評価結果は、Ec-0.15eVのトラップ準位の密度に関する評価結果である、請求項1~4のいずれか1項に記載のシリコン試料の炭素濃度評価方法。
  6. 前記評価法は、DLTS法である、請求項1~5のいずれか1項に記載のシリコン試料の炭素濃度評価方法。
  7. 前記水素原子導入処理は、前記評価対象シリコン試料をフッ硝酸と接触させることを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のシリコン試料の炭素濃度評価方法。
  8. 評価対象のシリコンウェーハ製造工程において製造されたシリコンウェーハの炭素濃度を請求項1~7のいずれか1項に記載の方法により評価すること、および
    前記評価の結果に基づき評価対象のシリコンウェーハ製造工程における炭素汚染の程度を評価すること、
    を含む、シリコンウェーハ製造工程の評価方法。
  9. 請求項8に記載の評価方法によりシリコンウェーハ製造工程の評価を行うこと、および
    前記評価の結果、炭素汚染の程度が許容レベルと判定されたシリコンウェーハ製造工程において、または、前記評価の結果、炭素汚染の程度が許容レベルを超えると判定されたシリコンウェーハ製造工程に炭素汚染低減処理を施した後に該シリコンウェーハ製造工程において、シリコンウェーハを製造すること、
    を含む、シリコンウェーハの製造方法。
  10. シリコン単結晶インゴットを育成すること、
    前記シリコン単結晶インゴットから切り出されたシリコン試料の炭素濃度を、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法により評価すること、
    前記評価の結果に基づき、シリコン単結晶インゴットの製造条件を決定すること、および、
    決定された製造条件下でシリコン単結晶インゴットを育成すること、
    を含む、シリコン単結晶インゴットの製造方法。
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