JP2016146391A - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電源ノイズを低減しつつ高密度化が可能な配線基板を得る。
【解決手段】配線基板を、第1の配線層と、第2の配線層と、絶縁層と、ビアを備える構成とする。第1の絶縁層は、電源電圧が印加される第1の配線が形成されている。第2の絶縁層は、電源電圧とは異なる電圧が印加される第2の配線が形成されている。絶縁層は、第1の配線層と第2の配線層の間を絶縁する。ビアは、絶縁層を貫通し、第1の配線と接続した第1の導電部と、第2の配線と接続した第2の導電部と、第1の導電部と第2の導電部の間を絶縁材で充てんしたビア絶縁部とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、配線基板に関するものであり、特に配線基板で伝送される信号のノイズを低減する技術に関するものである。
情報通信社会の発展とともに情報端末装置や映像装置などの高性能化や小型化が進んでいる。情報端末装置や映像装置などに用いられるプリント配線のような配線基板では、高性能化や小型化によって、信号配線の本数の増加や配線パターンの複雑化、小型化が進み、配線の微細化や高密度化が行われている。信号配線の本数の増加、複雑化により電源配線やグランド配線を適切に配置することも重要になっている。
配線本数の増加や配線パターンの複雑化によって複数の配線層を積層した多層配線基板が用いられるようになっている。多層配線基板では、各層の配線の微細化だけでなく各層の配線を接続するビアも高密度化している。よって、プリント基板のような配線基板において、配線とビアを高密度に配置するための技術が重要になっている。
また、高性能化にともない配線基板上で伝送される信号の高速化が進んでいる。プリント基板などの配線基板上で伝送される信号の高速化にともない、低電圧で信号の伝送が行われるようになっている。信号が伝送される際の電圧が低くなると、電圧値の変動の影響が大きくなる。例えば、信号が低電圧化することにより信号に対する電源のノイズの影響が大きくなる。そのため、プリント基板などの配線基板における電源ノイズを低減する技術も重要となっている。
以上のような背景から、高速の信号を伝送するプリント基板のような配線基板において、配線パターンの高密度化や電源ノイズを低減する技術の開発が行われている。そのような、配線基板において、配線パターンの高密度化や、電源ノイズを低減する技術としては、例えば、特許文献1のような技術が開示されている。
特許文献1には、電源ノイズを低減するためのキャパシタが形成された多層構造の配線基板が示されている。特許文献1の配線基板では、層間絶縁膜の上層と下層に形成された電源配線とグランド配線と層間絶縁膜が平面キャパシタを形成している。特許文献1は、このような構成とすることで、キャパシタを別に実装することなく電源ノイズを低減できるので、基板の小型化が可能になるとしている。
国際公開第2008/102717号
しかしながら、特許文献1の技術は次のような点で十分ではない。特許文献1の配線基板は、層間絶縁膜の上層と下層に形成された電源配線とグランド配線の間にキャパシタを形成することにより電源ノイズを低減させている。特許文献1の配線基板では、平面キャパシタを形成するために、電源配線とグランド配線の水平方向の位置が重なるように電源配線とグランド配線を配置する必要がある。そのため、特許文献1の配線基板では、平面キャパシタを配置するための面積が必要となる。また、特許文献1の配線基板では、電源配線とグランド配線が所定の面積の重なりを有するように位置を合わせるために設計上の制約が強くなり、配線の引き回しが複雑化して配線パターンの面積が大きくなり得る。その結果、特許文献1の配線基板では十分な高密度化を行えない恐れがある。よって、特許文献1の技術は、配線基板において電源のノイズを低減しつつ高密度化を行うための技術としては十分ではない。
本発明は、電源ノイズを低減しつつ高密度化することが可能な配線基板を得ることを目的としている。
上記の課題を解決するため、本発明の配線基板は、第1の配線層と、第2の配線層と、絶縁層と、ビアを備えている。第1の絶縁層は、電源電圧が印加される第1の配線が形成されている。第2の絶縁層は、電源電圧とは異なる電圧が印加される第2の配線が形成されている。絶縁層は、第1の配線層と第2の配線層の間を絶縁する。ビアは、絶縁層を貫通し、第1の配線と接続した第1の導電部と、第2の配線と接続した第2の導電部と、第1の導電部と第2の導電部の間を絶縁材で充てんしたビア絶縁部とを有する。
本発明の配線基板の製造方法は、第1の穴形成工程と、圧入工程とを含む。第1の穴形成工程では、第1の配線層と、絶縁層と、第2の配線層とを積層した基板に、第1の配線層、絶縁層および第2の配線層を貫通する第1の貫通穴が開けられる。第1の配線層は、電源電圧が印加される第1の配線が形成されている。第2の配線層は、電源電圧とは異なる電圧が印加される第2の配線が形成されている。圧入工程では、第1の貫通穴に、第1の導電部と、絶縁部と、第2の導電部とを備える部材が、第1の導電部と第1の配線、および、第2の導電部と第2の配線がそれぞれ接するように圧入される。
本発明によると、電源ノイズを低減しつつ高密度化することが可能となる。
本発明の第1の実施形態の構成の概要を示す図である。 本発明の第2の実施形態の構成の概要を示す図である。 本発明の第2の実施形態の配線基板の平面図である。 本発明の第2の実施形態の配線基板の平面図である。 本発明の第2の実施形態の配線基板の製造段階における断面図である。 本発明の第2の実施形態の配線基板の製造段階における断面図である。 本発明の第2の実施形態の配線基板の製造段階における断面図である。 本発明の第2の実施形態の配線基板の製造段階における断面図である。 本発明の第2の実施形態の配線基板の製造段階における断面図である。 本発明の第2の実施形態の配線基板の製造段階における断面図である。 本発明の第2の実施形態の配線基板の製造段階における断面図である。 本発明の第2の実施形態の配線基板の製造段階における断面図である。 本発明の第2の実施形態の配線基板の製造段階における断面図である。 本発明の第2の実施形態の配線基板の製造段階における断面図である。 本発明の第2の実施形態の配線基板の製造段階における断面図である。 本発明の第2の実施形態の配線基板の製造段階における断面図である。 本発明の第3の実施形態の構成の概要を示す図である。 本発明の第3の実施形態の配線基板の平面図である。 本発明の第3の実施形態の配線基板の平面図である。 本発明の第3の実施形態の配線基板の製造段階における断面図である。 本発明の第3の実施形態の配線基板の製造段階における平面図である。 本発明の第3の実施形態の配線基板の製造段階における平面図である。 本発明の第3の実施形態の配線基板の製造段階における断面図である。 本発明の第3の実施形態の配線基板の製造段階における平面図である。 本発明の第3の実施形態の配線基板の製造段階における断面図である。 本発明の第3の実施形態の配線基板の製造段階における平面図である。 本発明の第3の実施形態の配線基板の製造段階における断面図である。 本発明の第3の実施形態の配線基板の製造段階における平面図である。 本発明の第3の実施形態の配線基板の製造段階における平面図である。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態の配線基板の構成の概要を示したものである。本実施形態の配線基板は、第1の配線層1と、第2の配線層2と、絶縁層3と、ビア4を備えている。第1の配線層1は、電源電圧が印加される第1の配線5が形成されている。第2の配線層2は、前記電源電圧とは異なる電圧が印加される第2の配線6が形成されている。絶縁層3は、第1の配線層1と第2の配線層2の間を絶縁する。ビア4は、絶縁層3を貫通し、第1の配線5と接続した第1の導電部7と、第2の配線6と接続した第2の導電部8と、第1の導電部7と第2の導電部8の間を絶縁材で充てんした絶縁部9とを有する。
本実施形態の配線基板の絶縁層3に形成されたビア4では、第1の配線層1の電源電圧の第1の配線5と接続した第1の導電部7と、第2の配線層2の電源電圧とは異なる電圧の第2の配線6と接続した第2に導電部8の間に絶縁部9が形成されている。すなわち、絶縁部9は、1つのビア4の中で電源電圧の印加された第1の導電部7と電源電圧とは異なる電圧が印加された第2の導電部8に挟まれた状態である。そのため、絶縁部9は、第1の導電部7と第2の導電部8を電極としたキャパシタとしての機能を有する。また、ビア4の中で電源電圧の印加された第1の導電部7と電源電圧とは異なる電圧が印加された第2の導電部8が近接しているので、ビア4に構成されているキャパシタによって、大きなデカップリング容量を得ることができる。大きなデカップリング容量を得ることが出来るので、本実施形態の配線基板では、電源ノイズの影響を抑制することができる。また、基板垂直方向の1つビア4の中でキャパシタを形成しているので、配線基板の面積の増大等は生じない。その結果、本実施形態の配線基板では、電源ノイズを低減しつつ高密度化することが可能となる
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図2は、本実施形態の配線基板の構成の概要を示したものである。図2は、本実施形態の配線基板の断面図である。
本実施形態の配線基板は、グランド配線が形成されたグランド配線層と、電源配線層が形成された電源配線を備える多層構造のプリント基板である。また、本実施形態の配線基板では、グランド配線層間を接続する導電部と、電源配線と接続された導電部と、高誘電率材によって形成されたビア絶縁部が1つのビアに形成されている。すなわち、本実施形態の配線基板では、1つのビアの中に、高誘電率の絶縁部を挟みグランド配線と接続された導電部と電源配線に接続された導電部が形成されている。そのため、ビア中の高誘電率材の絶縁部は、グランド電圧が印加された電極と、電源電圧が印加された電極に挟まれた容量値の高いキャパシタとして機能する。すなわち、本実施形態の配線基板では1つのビアに、高誘電率材を誘電体とし、電源電圧が印加された電極とグランド電圧が印加された電極を備えたバイパスコンデンサが形成されている。本実施形態の配線基板ではグランドと電源間でのデカップリング容量の値を大きくすることができるので、信号配線における電圧のぶれを抑制し電源ノイズを低減することができる。
図2に示す通り、本実施形態の配線基板は、第1のグランド配線層11と、電源配線層12と、第2のグランド配線層13と、第1の絶縁層14と、第2の絶縁層15と、貫通穴16と、絶縁部17を備えている。また、本実施形態の配線基板は、貫通穴16の部分に第1の導電部21と、第2の導電部22と、ビア絶縁部23を備えている。
第1のグランド配線層11は、グランド配線を備えている。本実施形態の第1のグランド配線層11は、銅を用いて形成されている。第1のグランド配線層11の同層に信号配線が形成されていてもよい。第1のグランド配線層11は、貫通穴16に形成された第1の導電部21を介して、第2のグランド配線層12のグランド配線と電気的に接続されている。第1のグランド配線層11のグランド配線は、絶縁材が充てんされた半円形状の絶縁部17によって、第2の導電部22と接続された配線部分から絶縁されている。また、第1のグランド配線層11には、グランド電圧が印加されている。第1のグランド配線層11には、グランド電圧以外の電圧値が印加されるようにしてもよい。
本実施形態の第1のグランド配線層11は、第1の実施形態の第2の配線層2に相当する。また、グランド配線は、第1の実施形態の電源電圧とは異なる電圧が印加される第2の配線6に相当する。
電源配線層12は、電源配線を備えている。電源配線は電源に接続されている。本実施形態の電源配線層12は、銅を用いて形成されている。電源配線層12と同層に信号配線が形成されていてもよい。電源配線層12は、第2の導電部22と電気的に接続されている。電源配線層12の電源配線は、絶縁材が充てんされた絶縁部17によって、第1の導電部21から絶縁されている。
本実施形態の電源配線層12は、第1の実施形態の第1の配線層1に相当する。また、電源配線は、第1の実施形態の第1の配線5に相当する。
第2のグランド配線層13は、第1のグランド配線層11と同様にグランド配線を備えている。本実施形態の第2のグランド配線層13は、銅を用いて形成されている。第2のグランド配線層13の同層に信号配線が形成されていてもよい。第2のグランド配線層13は、第1の導電部21を介して、第1のグランド配線層11のグランド配線と電気的に接続されている。第2のグランド配線層13には、グランド電圧が印加されている。また、第2のグランド配線層13のグランド配線は、絶縁材が充てんされた半円形状の絶縁部17によって、第2の導電部22から絶縁されている。
第1の絶縁層14は、第1のグランド配線層11と電源配線層12の間を絶縁する機能を有する。また、第1の絶縁層14は、配線基板の構造および機械強度を維持するためのコア材としての機能を有する。本実施形態の第1の絶縁層14は、第1の実施形態の絶縁層3に相当する。
第2の絶縁層15は、電源配線層12と第2のグランド配線層13の間を絶縁する機能を有する。また、第2の絶縁層15は、第1の絶縁層14と同様に配線基板の構造および機械強度を維持するためのコア材としての機能を有する。第1の絶縁層14または第2の絶縁層15のいずれかがプリプレグ材によって形成されていてもよい。
第1の絶縁層14および第2の絶縁層15には、グランド配線と電源配線間の寄生容量を低減するため、誘電正接の値が小さな材料が用いられる。グランド配線層と電源配線層の層間でのデカップリング容量を大きくする場合には、絶縁層には比誘電率の高い材料が用いられる。すなわち、比誘電率が高く、誘電正接の値が小さな材料が用いられる。第1の絶縁層14および第2の絶縁層15には、比誘電率の低い絶縁材料を用いてもよい。
貫通穴16は、配線基板を貫通するように形成されている。貫通穴16は、第2の絶縁層15の第2のグランド配線層13の面の側から、第1の絶縁層14の第1のグランド配線層11の面の側まで配線基板を貫通している。貫通穴16は、第1の導電部21と、第2の導電部22と、ビア絶縁部23を備えている。本実施形成の配線基板では、貫通穴16に形成された、第1の導電部21、第2の導電部22およびビア絶縁部23部分が、各層を電気的に接続するビアとしての機能を有する。
第1の導電部21および第2の導電部22は、異なる層に形成された配線の間を電気的に接続する。第1の導電部21は、第1のグランド配線層11と第2のグランド配線層13、すなわち、異なる層に形成されたグランド配線を電気的に接続する。図2では、電源配線層12を1層のみ示しているが電源配線層が複数存在する場合には、第2の導電部22が、異なる層に形成された電源配線を電気的に接続する。本実施形態では第1の導電部21および第2の導電部22は、銅を用いて形成されている。
ビア絶縁部23は、第1の導電部21と第2の導電部22の間を絶縁する機能を有する。また、ビア絶縁部23は、第1の導電部21および第2の導電部22を電極としてキャパシタを形成する。ビア絶縁部23には、高誘電率材、すなわち、比誘電率の高い絶縁材を用いる。
ビア絶縁部23に充てんする高誘電率材としては、例えば、高誘電率のフィラーを分散させた絶縁樹脂を用いることができる。高誘電率のフィラーとしては、例えば、二酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルウシムおよびチタン酸鉛などの無機材料を用いることができる。高誘電率のフィラーは2種以上を混合して用いてもよい。絶縁樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテルなどを用いることができる。絶縁樹脂には、熱硬化または紫外線等での光硬化を行うことができる樹脂を用いることで、充てん後に効果を行うことができる。これらの高誘電率材を用いることで、例えば、周波数1GHzにおける比誘電率が8から20程度の高誘電率のビア絶縁部23を形成することができる。
本実施形態の貫通穴16の直径は、例えば、200マイクロメートルとすることができる。また、本実施形態のビア絶縁部23の水平方向の厚さは、例えば、50マイクロメートルとすることができる。貫通穴16の直径およびビア絶縁部23の水平方向の厚さは他の値で設定されていてもよい。ビア絶縁部23の水平方向の厚さは、キャパシタとして所定の容量値となるように設定される。その際、1つのビアの容量値としてではなく、複数のビアの合計が所定の容量値となるようにビアの寸法の設計および配置を行ってもよい。
本実施形態の貫通穴16、第1の導電部21、第2の導電部22およびビア絶縁部23は、第1の実施形態のビア4、第1の導電部7、第2の導電部8およびビア絶縁部9にそれぞれ相当する。
絶縁部17は、第1のグランド配線層11および第2のグランド配線層13のグランド配線と第2の導電部22の間を絶縁する機能を有する。また、絶縁部17は、電源配線層12の電源配線と、第1の導電部21の間を絶縁する機能を有する。絶縁部17は、第1のグランド配線層11、電源配線層12および第2のグランド配線層13と同層にそれぞれ形成されている。絶縁部17には、絶縁材が充てんされている。絶縁部17には、ビア絶縁部23と同じ絶縁材を用いることができる。絶縁部17とビア絶縁部23の絶縁材は、異なるものを用いてもよい。また、層ごとに絶縁部17の絶縁材が異なっていてもよい。絶縁部17を所定の面積となるように配置することで、絶縁部17をキャパシタとして電源配線とグランド配線の間でデカップリング容量が得られるようにしてもよい。
図3は、第2のグランド配線層13の平面図である。図3では、図示している第2のグランド配線層13のほぼ全面にグランド配線24が形成され、さらに、絶縁部17、第1の導電部21、第2の導電部22およびビア絶縁部23が形成されている。グランド配線24と第1の導電部21は電気的に接続されているので、第1の導電部21にはグランド電圧が印加されている。また、第2の導電部22は電源配線層12で電源配線と接続しているので、第2の導電部22には、電源電圧が印加されている。また、第2の導電部22は、絶縁材が充てんされた絶縁部17およびビア絶縁部23でグランド配線24および第1の導電部21と絶縁されている。
第1のグランド配線層11は、第1のグランド配線層11のグランド配線、第1の導電部21に接続された導電部および第2の導電部22と接続された導電部がそれぞれ形成されているので、図3と実質的に同様の構成である。
図4は、電源配線層12の平面図である。図4では、図示している電源配線層12のほぼ全面に電源配線25が形成され、さらに、絶縁部17、第1の導電部21、第2の導電部22およびビア絶縁部23が形成されている。電源配線25と第2の導電部22は電気的に接続されているので、第2の導電部22には電源電圧が印加されている。また、第1の導電部21は第1のグランド配線層11および第2のグランド配線層13でグランド配線と接続しているので、第1の導電部21にはグランド電圧が印加されている。また、第1の導電部21は、絶縁材が充てんされた絶縁部17およびビア絶縁部23で電源配線25および第2の導電部22と絶縁されている。
本実施形態の配線基板の動作について説明する。本実施形態の配線基板では、第1のグランド配線層11のグランド配線、ビアである貫通穴16の第1の導電部21および第2のグランド配線層13のグランド配線にグランド電圧が印加される。また、電源配線層12の電源配線と第2の導電部22に電源電圧が印加される。貫通穴16のビア絶縁部23は、グランド電圧の印加された第1の導電部21と電源電圧の印加された第2の導電部22に挟まれているので、ビア絶縁部23にはグランド電圧と電源電圧の電圧差に応じた電荷が蓄積される。その結果、図2乃至図4で示すビア絶縁部23は、第1の絶縁部21および第2の導電部22を電極としたキャパシタとして機能する。
グランド電圧が印加された第1の導電部21と、電源電圧が印加された第2の導電部22に挟まれた高誘電率材で形成されたビア絶縁部23は、容量値の大きなキャパシタとなる。そのため、本実施形態の配線基板では、電源配線とグランド配線の間のデカップリング容量値を大きくすることができる。電源配線とグランド配線の間のデカップリング容量値を大きくすることができるので、本実施形態の配線基板では、電圧の変動を抑制することができる。また、本実施形態の配線基板では、1つのビア内で近接した電源配線とグランド配線で大きなデカップリング容量を得ることができるので、電源ノイズの抑制の効果を大きくすることができる。
本実施形態の配線基板の製造方法について図5乃至図15を参照して説明する。図5乃至図15は、本実施形態の配線基板の製造段階の各工程における配線基板の構造を示した断面図である。
図5のように第1の絶縁層14および第1のグランド配線層11が形成された状態から本実施形態の配線基板の製造方法についての説明を始める。図5では、既に第1のグランド配線層11に絶縁部17が形成された状態である。第1のグランド配線層11の絶縁部は他の工程で形成してもよい。第1のグランド配線層11には、グランド配線や他の信号配線の配線パターンが形成されていてもよい。
始めに、図6に示すように第1の絶縁層11にビア形成のための穴31が、第1のグランド配線層11とは反対側の面から開けられる。本実施形態では穴31はレーザーを用いて開けられる。穴31は、第1のグランド配線層11のグランド配線が穴31の開口部から見て露出するように形成される。
穴31が形成されると、図7のように金属膜32が成膜される。本実施形態では、金属膜32として銅がめっきによって成膜される。金属膜32の膜厚は、第1の絶縁層14上の金属膜32の膜厚が電源配線に要求される電気特性に応じた配線膜厚となるように設定される。
金属膜32が成膜されると、図8のように穴33およびエッチング部34が形成される。穴33は、レーザーによって開けられる。エッチング部34は、フォトリソグラフィ法によって形成される。穴33は、微細なドリルを用いて形成されてもよい。エッチング部34は、エッチング部34に相当する部分が開口されたパターンをレジストマスクで形成し、ウエットエッチングにより銅をエッチングすることにより形成される。エッチング部34を形成するときに、電源配線層の配線のパターニングを同時に行ってもよい。
図9は、穴33およびエッチング部34の形成後のビア内部の金属膜32のうち、第1の導電部21および第2の導電部22に相当する部分を第1の導電部21および第2の導電部22として示したものである。また、図9は、第1の絶縁層14上の金属膜32のうち、電源配線層12に相当する部分を電源配線層12としている。
穴33およびエッチング部34を形成すると、図10のように、穴33およびエッチング部34に高誘電率材がそれぞれ充てんされ、ビア絶縁部23および絶縁部17が形成される。穴33への高誘電率材の充てんは、微細なノズルを用いて穴33の一方の端から樹脂を注入することにより行う。また、インクジェット方式で穴33に高誘電率材を注入してもよい。穴33およびエッチング部34に充てんする高誘電率材としては、例えば、高誘電率のフィラーを分散させた絶縁樹脂を用いることができる。
高誘電率のフィラーを分散させた絶縁樹脂は、流動状態で穴33およびエッチング部34に充てんされる。絶縁樹脂を穴33およびエッチング部34にそれぞれ充てんした後に、熱硬化、紫外線硬化またはそれらの組み合わせにより硬化させることにより、ビア絶縁部23および絶縁部17が形成される。エッチング部34は絶縁膜35を成膜する際に絶縁層17の絶縁材で充てんされるようにしてもよい。
穴33およびエッチング部34が高誘電率材で充てんされると、図11のように第2の絶縁層15用の絶縁膜35が成膜される。絶縁膜35には、第1の絶縁層14と同様の材料を用いることができる。
絶縁膜35が形成されると、図12のようにビアを形成するための穴36が開けられる。穴36は、レーザーで形成される。図12では、穴36が開口された絶縁層35を第2の絶縁層15として示している。
穴36が形成されると、図13のように第2のグランド配線層13として用いるための金属膜37が成膜される。本実施形態では、金属膜37には銅が用いられる。金属膜37には、他の金属や合金を用いてもよい。本実施形態の金属膜37は、金属膜32と同様にめっきよって成膜される。金属膜37の膜厚は、第2の絶縁層13上の金属膜37の膜厚がグランド配線に要求される電気特性に応じた配線膜厚となるように設定される。
金属膜37が成膜されると、図14のように穴38およびエッチング部39の形成が行われる。穴37は、レーザーによって形成される。また、エッチング部39は、エッチング部34と同様にフォトリソグラフィ法によって金属膜37をエッチングすることにより形成される。
図15は、穴38およびエッチング部39の形成後のビア内部の金属膜37のうち、第1の導電部21および第2の導電部22に相当する部分を、第1の導電部21および第2の導電部22としてそれぞれ示したものである。また、図15は、第2の絶縁層15上の金属膜37のうち、第2のグランド配線層13に相当する部分を第2のグランド配線層13としている。
穴38およびエッチング部39が形成されると、図16に示すように穴38およびエッチング部39に高誘電率材が充てんされ、ビア絶縁部23および絶縁部17が計生成される。高誘電率材は、穴33およびエッチング部34を充てんした際と同様の絶縁材を用いることができる。また、高誘電率材の充てんは、穴33およびエッチング部34を充てんした際と同様の方法で行うことができる。高誘電率材が充てんされると図2のような配線基板が完成する。さらに多層の配線基板を製造する場合は、上記のフローを繰り返すことにより製造することができる。以上で、本実施形態の配線基板の製造方法の説明は終了である。
本実施形態の配線基板では、貫通穴16に形成されたビアの中にグランド配線と接続された第1の導電部21と、高誘電率材が充てんされたビア絶縁部23と、電源配線と接続された第2の導電部22が形成されている。1つのビアの中に第1の導電部21と、高誘電率のビア絶縁部23と、第2の導電部22が形成されているので、貫通穴16に形成されたビアは第1の導電部21および第2の導電部22を電極とした容量値の大きなキャパシタとして機能する。また、電源とグランドの間に形成された容量値の大きなキャパシタのため、貫通穴16に形成されたビアにより電源とグランド間で大きなデカップリング容量を得ることができる。そのため、貫通穴16に形成されたビアにより、電源ノイズを抑制することができる。そのため、本実施形態の配線基板では、信号の高速伝送のために伝送する信号を低電圧化しても電源ノイズの影響を抑制することができる。
本実施形態の配線基板では、第1のグランド配線層11および第2のグランド配線13において、第2の導電部22とグランド配線の間に絶縁部17が形成されている。また、電源配線層12では、第1の導電部21と電源配線の間に絶縁部17が形成されている。そのため、グランド配線および第1の導電部21と、電源配線および第2の導電部22は分離した状態にあるため電源とグランドがショートすることはない。また、貫通穴16に形成された1つのビアの中でキャパシタを形成しているため、電源とグランド間でデカップリング容量を大きくするために回路規模を大きくする必要はない。そのため、本実施形態の配線基板では高密度化が可能となる。以上より、本実施形態の配線基板では、信号を低電圧で高速に伝送する際に、信号の電源ノイズを低減しつつ高密度化することが可能となる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図17、図18および図19は、本実施形態の配線基板の構成の概要を示したものである。図17は、本実施形態の配線基板の断面図である。図18および図19は、本実施形態の配線基板の各層における平面図である。
第2の実施形態では、各絶縁層および配線層を1層ずつ形成し、層間を接続するビアを1層分ずつ形成していた。本実施形態は、配線基板を構成する各層を積層した多層構造を先に形成し、各層を接続するビア部をスルーホールとして一括で形成することを特徴とする。
図17に示す通り、本実施形態の配線基板は、第1のグランド配線層41と、電源配線層42と、第2のグランド配線層43と、第1の絶縁層44と、第2の絶縁層45と、貫通穴46と、絶縁部47を備えている。また、本実施形態の配線基板は、貫通穴46の部分に第1の導電部51と、第2の導電部52と、ビア絶縁部53と、第1の層間接続部54と、第2の層間接続部55を備えている。また、図18および図19に示すように、ビア絶縁部53の両端に、絶縁部56を備えている。図18は、第2のグランド配線層43の平面図である。図19は、電源配線層42の平面図である。本実施形態の第1の導電部51、第2の導電部52およびビア絶縁部53は一体の部材であるピン50として形成されている。
第1のグランド配線層41、電源配線層42、第2のグランド配線層43、第1の絶縁層44および第2の絶縁層45の構成および機能は第2の実施形態と同様である。
第1の導電部51は、異なる層のグランド配線間を電気的に接続する機能を有する。第1の導電部51は各層のグランド配線と接続しているので、第1の導電部51にはグランド電圧が印加されている。第1の導電部51は第1の層間接続部54と接しているため、第1の導電部51と第1の層間接続部54を1つの導電部としてみなすことができる。第1の導電部51および第1の層間接続部54で異なる層のグランド配線を電気的に接続することで、第1の層間接続部54のみで異なる層を接続する場合よりも、ビア部の抵抗のばらつきを低減することができる。ビア部の抵抗のばらつきを低減することができるのは、第1の層間接続部54の膜厚のばらつきの影響を抑制できるからである。本実施形態の第1の導電部51は、銅で形成されている。第1の導電部51には、銅以外の金属や合金を用いてもよい。
第2の導電部52は、電源電圧をビア絶縁部53に印加する電極としての機能を有する。第2の導電部52は電源配線と接続しているので、第2の導電部53には電源電圧が印加されている。第2の導電部52は第2の層間接続部55と接しているため、第2の導電部52と第2の層間接続部55を1つの導電部としてみなすことができる。本実施形態の第2の導電部52は、銅で形成されている。第2の導電部52には、銅以外の金属や合金を用いてもよい。
ビア絶縁部53は、第1の導電部51および第2の導電部52を絶縁する機能を有する。また、ビア絶縁部53は、第1の導電部51をグランド電極、第2の導電部52を電源電極としたキャパシタとしての機能を有する。ビア絶縁部53は、高誘電率材によって形成されている。そのため、ビア絶縁部53は、容量値の高いキャパシタンスとなる。ビア絶縁部53は、例えば、第2の実施形態のビア絶縁部と同様の高誘電率材によって形成することができる。また、ビア絶縁部53には、無機材料からなる高誘電率材を用いてもよい。無機材料としては、例えば、二酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルウシムおよびチタン酸鉛などを用いることができる。本実施形態のビア絶縁部53の厚さは第2の実施形態と同様である。
第1の層間接続部54は、異なる層に形成されたグラント配線間を電気的に接続する機能を有する。第1の層間接続部54は、貫通穴46の側面に形成されている。
第2の層間接続部55は、電源配線と第2の導電部52を電気的に接続する機能を有する。第2の層間接続部55は、貫通穴46の側面に形成されている。本実施形態の第1の層間接続部54および第2の層間接続部55は、銅を用いて形成されている。第1の層間接続部54および第2の層間接続部55は、銅以外の金属や合金を用いて形成されていてもよい。
図18に示す、第2のグランド配線層43の平面構造について説明する。図18では、図示している第2のグランド配線層43のほぼ全面にグランド配線58が形成さている。また、図18では、さらに、絶縁部47、第1の導電部51、第2の導電部52、ビア絶縁部53、第1の層間接続部54、第2の層間接続部55および絶縁部56が形成されている。グランド配線58と第1の導電部51は、第1の層間接続部54を介して電気的に接続されているので、第1の導電部51にはグランド電圧が印加されている。また、第2の導電部52は電源配線層42で第2の層間接続部53を介して電源配線と接続しているので、第2の導電部52には、電源電圧が印加されている。また、第2の導電部52および第2の層間接続部55は、絶縁材が充てんされた絶縁部47、ビア絶縁部53および絶縁部56でグランド配線57および第1の導電部51と絶縁されている。
第1のグランド配線層41は、図18に示した第2のグランド配線層43と同様の構造である。
図19に示す、電源配線層42の平面構造について説明する。図19では、図示している電源配線層42のほぼ全面に電源配線58が形成されている。図19では、さらに、絶縁部47、第1の導電部51、第2の導電部52、ビア絶縁部53、第1の層間接続部54、第2の層間接続部55および絶縁部56が形成されている。電源配線58と第2の導電部52は、第2の層間接続部55を介して電気的に接続されているので、第2の導電部52には電源電圧が印加されている。また、第1の導電部51は第1のグランド配線層51および第2のグランド配線層53でグランド配線と接続しているので、第1の導電部51には、グランド電圧が印加されている。また、第1の導電部51は、絶縁材が充てんされた絶縁部57、ビア絶縁部53および絶縁部56で電源配線58および第2の導電部52と絶縁されている。
本実施形態の配線基板は、第2の実施形態の配線基板と同様に動作する。すなわち、図17乃至図19で示した第1の導電部51と第2の導電部52で挟まれたビア絶縁部53はキャパシタとしての機能を有する。グランド電圧が印加された第1の導電部51と、電源電圧が印加された第2の導電部52に挟まれた高誘電率材で形成されたビア絶縁部25は、容量値の大きなキャパシタとなる。そのため、本実施形態の配線基板でも、第2の実施形態と同様に電源配線とグランド配線の間のデカップリング容量値を大きくすることができる。
本実施形態の配線基板の製造方法について図20乃至図29を参照して説明する。図20、図23、図25および図27は、本実施形態の配線基板の製造段階の各工程における配線基板の構造を示した断面図である。また、図21、図22、図24、図26、図28および図29は、本実施形態の配線基板の製造段階の各工程における配線基板の構造を示した平面図である。
図20のように、第1のグランド配線層41、第1の絶縁層44、電源配線層42、第2の絶縁層45および第2のグランド配線層43が積層されて、各配線層に半円状の絶縁部47が形成された状態から製造方法の説明を始める。
図20の状態のとき、第2のグランド配線層43では図21のようにグランド配線57と半円状の絶縁部47が形成されている。絶縁部47には、絶縁材が充てんされている。第1のグランド配線層41も、図21と同様の構造であり、第2のグランド配線層43の絶縁部47の真下、すなわち、水平方向の位置が同じ場所に第1のグランド配線層41の絶縁部47が形成されている。
また、図20の状態のとき、電源配線層42では、図22のように電源配線58と半円状の絶縁部47が形成されている。絶縁部47には、絶縁材が充てんされている。電源配線層42の絶縁部47は、グランド配線層の絶縁部47と対称、すなわち、向き合うような位置に形成されている。電源配線層を複数、備える場合には、電源配線層の各層の絶縁部47は、水平方向の位置が互いに一致するように形成される。電源配線層およびグランド配線層で絶縁部47の水平平方向の位置を一致させることで、貫通穴61を一括で形成することができる。その結果、製造工程を簡略化してビアを形成することができる。
始めに図20の状態の配線基板に、図23に示すような貫通穴61がドリルを用いて形成される。貫通穴61は配線基板を一方の面からもう一方の面まで貫通するように開けられている。図24は、貫通穴61が形成された際の、第2のグランド配線層43の構造を平面図として示したものである。図24に示すように、貫通穴61は、絶縁部47の半円の中心を通るように開けられている。第1のグランド配線層41および電源配線層42においても、貫通穴61は絶縁部47の半円の中心をそれぞれ通るように開けられている。
貫通穴61が形成されると、配線基板の貫通穴61の側壁に金属膜62が成膜される。本実施形態では、金属膜62としてめっき法で銅が成膜される。金属膜62が成膜されると、異なる層の配線どうしが金属膜62で電気的に接続された状態となる。図26は、金属膜62が成膜された際の、第2のグランド配線層43の構造を示した平面図である。図26に示すように金属膜46は貫通穴61の円周方向に連続的に成膜されているので、グランド配線と電源配線は金属膜46を介して電気的につながった状態である。
金属膜62を成膜すると、図27および図28に示す構造となるようにピン50を貫通穴61に圧入する。図28に示すように、ピン50とのビア絶縁部53の長辺方向と、絶縁部47の半円の中心線の方向が一致するように、ピン50が貫通穴61に圧入される。
ピン50が貫通穴61に圧入されると、図29に示すようにドリルを用いて2つの貫通穴63が形成される。貫通穴63は、配線基板を貫通するように開けられる。本実施形態の配線基板では第2のグランド配線層43から、第1のグランド配線層41まで貫通穴63が貫通した状態となる。貫通穴63を開けることで、金属膜62は、第1の層間接続部54と第2の層間接続部55の2つに分けることができる。すなわち、貫通穴63で、第1の層間接続部54に相当する部分の金属膜62と第2の層間接続部55に相当する部分の金属膜62が電気的に分離した状態となる。
貫通穴63が形成されると、貫通穴63に絶縁材料の充てんが行われる。絶縁材料の充てんは、第2の実施形態において高誘電率材を充てんした際と同様の絶縁材を用いて同様の方法で行われる。貫通穴63への絶縁材料の充てんが行われると、図17のような本実施形態の配線基板が形成される。
本実施形態では、配線基板に貫通穴61を形成し、貫通穴61の側壁に第1の層間接続部54および第2の層間接続部55に相当する金属膜62を成膜した後に、ピン50の圧入を行った。そのような構成に代えて、貫通穴61に金属膜62を成膜せずに貫通穴61にピン50を圧入する構成とすることもできる。金属膜62を成膜せずにピン50を圧入する場合でも、絶縁部47の半円の中心線とピン50の絶縁部56が平行になるようにピン50が貫通穴61に圧入される。ピン50の第1の導電部51とグランド配線は、貫通穴61の側壁部に露出したグランド配線と第1の導電部51が接することで導通を行う。また、第2の導電部52と電源配線も同様に貫通穴61の側壁部に露出した電源配線と第2の導電部52が接することで導通を行う。
貫通穴61に金属膜62を成膜せずに貫通穴61にピン50を圧入する構成とした場合に、圧入時または圧入前に導電性樹脂を貫通穴61に注入してもよい。また、導電性樹脂には、金属粒子を分散することもできる。導電性樹脂を注入することで、グランド配線や電源配線と導電部との間での導通性を向上することができる。また、導電性樹脂は貫通穴61に注入するのではなく、ピン50の周囲に塗布してから圧入することもできる。
導電性樹脂を用いる場合には、導電性樹脂に接着性を持たせてもよい。その場合は、貫通穴61を大きめに形成することで、ピン50を貫通穴61に容易に挿入しつつピン50を固定することが可能となる。
本実施形態の配線基板では、ビアの中にグランド配線と接続された第1の導電部51および第1の層間接続部54と、高誘電率材が充てんされたビア絶縁部53と、電源配線と接続された第2の導電部52および第2の層間接続部55が形成されている。第2の実施形態と同様に1つのビアの中にグランド電圧が印加された第1の導電部51と、高誘電率のビア絶縁部53と、第2の導電部52が形成されているので、ビアは容量値の大きなキャパシタとして機能する。また、電源とグランドの間に形成された容量値の大きなキャパシタのため、本実施形態の配線基板においても基板面積を大きくすることなく電源とグランド間で大きなデカップリング容量を得ることができる。そのため、本実施形態の配線基板では、低電圧化しても電源ノイズの影響を抑制しつつ高密度化が可能となる。
また、本実施形態ではビアを形成する際にピン50を用いて複数の層のビアを一括で形成している。そのため、ビアの形成工程を一層ごとに設ける必要はなく、また工程が複雑化することなく配線基板を製造することができる。特に配線基板の積層数を増やしたときに、ビアを一括で形成していることによる製造工程の簡略化の効果は大きくなる。
第2の実施形態および第3の実施形態では、2層のグランド配線層と、1層の電源配線を備えた配線基板の例について説明した。配線基板は、さらに多層構造とすることもできる。例えば、グランド配線層が3層以上の配線基板とすることができる。電源配線層が2層以上の配線基板としてもよい。また、信号配線のみを備えた配線層を形成してもよい。信号配線のみを備えた配線層を備える場合には、信号配線が電源とグランド用の導電部で形成されたビアから絶縁された構造とする。
また、第2の実施形態および第3の実施形態よりも多層の配線基板とする場合には、各グランド配線層の絶縁部の水平方向の位置を互いに一致させる。すなわち、いずれかのグランド配線層に、各絶縁部を垂直に投影した場合に、投影面において影が重なるように各絶縁部が形成される。また、電源配線層における絶縁部も、互いに水平方向の位置が一致するように形成される。
1 第1の配線層
2 第2の配線層
3 絶縁層
4 ビア
5 第1の配線
6 第2の配線
7 第1の導電部
8 第2の導電部
9 ビア絶縁部
11 第1のグランド配線層
12 電源配線層
13 第2のグランド配線層
14 第1の絶縁層
15 第2の絶縁層
16 貫通穴
17 絶縁部
21 第1の導電部
22 第2の導電部
23 ビア絶縁部
24 グランド配線
25 電源配線
31 穴
32 金属膜
33 穴
34 エッチング部
35 絶縁膜
36 穴
37 金属膜
38 穴
39 エッチング部
41 第1のグランド配線層
42 電源配線層
43 第2のグランド配線層
44 第1の絶縁層
45 第2の絶縁層
46 貫通穴
47 絶縁部
50 ピン
51 第1の導電部
52 第2の導電部
53 ビア絶縁部
54 第1の層間接続部
55 第2の層間接続部
56 絶縁部
57 グランド配線
58 電源配線
61 貫通穴
62 金属膜
63 貫通穴

Claims (10)

  1. 電源電圧が印加される第1の配線が形成された第1の配線層と、
    前記電源電圧とは異なる電圧が印加される第2の配線が形成された第2の配線層と、
    前記第1の配線層と前記第2の配線層の間を絶縁する第1の絶縁層と、
    前記第1の絶縁層を貫通し、前記第1の配線と接続した第1の導電部と、前記第2の配線と接続した第2の導電部と、前記第1の導電部および前記第2の導電部の間を絶縁材で充てんしたビア絶縁部とを有するビアと
    を備えることを特徴とする配線基板。
  2. 前記ビアにおいて、前記第1の導電部、前記ビア絶縁部および前記第2の導電部は、前記第1の配線層から前記第2の配線層までそれぞれ連続的に形成され、前記第1の導電部と前記第2の導電部は、前記ビア絶縁部を介して対向するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
  3. 前記第1の配線層に形成され、前記第1の配線と前記第2の導電部の間を絶縁する第1の絶縁部と、
    前記第2の配線層に形成され、前記第2の配線と前記第1の導電部の間を絶縁する第2の絶縁部と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1または2いずれかに記載の配線基板。
  4. 前記第1の絶縁部および前記第2の絶縁部は半円形状であり、
    前記第1の絶縁部と前記第2の絶縁部は、前記ビアの前記ビア絶縁部を中心として互いに向き合うように形成されていることを特徴とする請求項3に記載の配線基板。
  5. 前記第2の配線と同じ電圧が印加される第3の配線が形成された第3の配線層と、
    前記第1の配線層と前記第3の配線層の間を絶縁する第2の絶縁層と、
    前記第2の絶縁層を貫通し、前記第1の導電部と連続した導電部と、前記第2の導電部と連続した導電部と、前記ビア絶縁部と連続した絶縁部とを有する第2のビアと、
    前記第3の配線層に形成され、前記第2の配線と前記第2の導電部と連続した導電部の間を絶縁する第3の絶縁部とをさらに備え、
    前記第2の絶縁部と前記第3の絶縁部が、前記絶縁部を中心として同じ側に形成されていることを特徴とする請求項3または4いずれかに記載の配線基板。
  6. 電源電圧が印加される第1の配線が形成された第1の配線層と、絶縁層と、前記電源電圧とは異なる電圧が印加される第2の配線が形成された第2の配線層とを積層した基板に、前記第1の配線層、前記絶縁層および前記第2の配線層を貫通する第1の貫通穴を開ける第1の穴形成工程と、
    前記第1の貫通穴に、第1の導電部と、絶縁部と、第2の導電部とを備える部材を、前記第1の導電部と前記第1の配線、および、前記第2の導電部と前記第2の配線が接するように圧入する圧入工程と
    を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
  7. 前記第1の穴形成工程と前記圧入工程の間に、前記第1の貫通穴の側壁に導電膜を成膜する導電部形成工程をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の配線基板の製造方法。
  8. 前記圧入工程の後に、前記絶縁部の両側にさらに第2の貫通穴を開ける第2の穴形成工程と、
    前記第2の貫通穴に絶縁材を充てんする充てん工程と
    をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の配線基板の製造方法。
  9. 電源電圧とは異なる電圧が印加される第2の配線が形成された第2の配線層と、絶縁層が積層された基板の前記絶縁層に第1の穴を形成する第1の穴形成工程と、
    前記第1の穴を導電材で充てんし、前記絶縁層の上に前記電源電圧が印加される第1の配線として用いる第1の配線層を形成する電源層形成工程と、
    前記第1の穴に充てんされた導電材に第2の穴を開けて、前記第2の配線に接続している第2の導電部と前記第1の配線に接続している第1の導電部に分割するビア分割工程と、
    前記第2の穴に絶縁材を充てんする絶縁材充てん工程と
    を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
  10. 前記第1の配線層に前記第2の導電部と前記第1の配線が接しないように絶縁部を形成する絶縁部形成工程をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の配線基板の製造方法。
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