JP2016145608A - 無段変速機の冷却構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】別部材を追加することなく冷却風の排風通路を形成し、また、鞍乗型車両の車幅方向内側に冷却風の排風通路および排風口を配置し、排風通路の通路面積を大きくし、または排風通路の通路長を長くする。
【解決手段】冷却風は、伝動ケース11内を流れ、伝動ケース11内に設けられたベルト式無段変速機のベルト等を冷却した後、伝動ケース本体12の車幅方向内側の側壁部17に形成された流出口からギヤボックスケース41内へ流出する。ギヤボックスケース41内には排風通路68が形成され、また、ギヤボックスケース41には排風通路68をエンジンユニット1の外部へ開放する排風口69が形成されている。冷却風は、排風通路68および排風口69を介して後輪のホイールの内側へ排出される。
【選択図】図1

Description

本発明は、スクータ等の鞍乗型車両に設けられる無段変速機の冷却構造に関する。
スクータ等の鞍乗型車両はユニットスイング型のエンジンユニットを備えている。当該エンジンユニットは、エンジン、ベルト式無段変速機、遠心クラッチ、ギヤボックス等をユニット化したものであり、さらに、後輪を支持するスイングアームとしての機能をも有している。当該エンジンユニットは鞍乗型車両の車体フレームに上下方向に揺動可能に取り付けられている。
当該エンジンユニットにおいて、エンジンの後方であってエンジンユニットの左部には伝動ケースが設けられ、伝動ケース内にベルト式無段変速機および遠心クラッチが収容されている。伝動ケースは、前、後、上、下、右側が壁部により閉塞され、左側が開口した伝動ケース本体と、伝動ケース本体の左側の開口部を覆う伝動ケースカバーとから略箱状に形成されている。
ベルト式無段変速機はドライブプーリ、ドリブンプーリおよびベルトを備えている。具体的には、伝動ケースの前部において伝動ケース内には、エンジンのクランクシャフトの左端部が延在し、クランクシャフトの左端部にはドライブプーリが設けられている。また、伝動ケースの後部において伝動ケース内には、ドリブンシャフトの左端部が延在し、ドリブンシャフトの左端部にはドリブンプーリが設けられている。さらに、ドライブプーリとドリブンプーリにはベルトが掛け渡されている。また、ドリブンシャフトの左端部においてドリブンプーリの左側には遠心クラッチが設けられている。
また、上記エンジンユニットにおいて、伝動ケースの後部であって伝動ケース本体の右側の壁部の外面にはギヤボックスが取り付けられている。ギヤボックス内にはドリブンシャフトの右端部が延在している。また、ギヤボックス内においてドリブンシャフトの後方には後輪の車軸が延在している。そして、ドリブンシャフトと後輪の車軸との間には歯車による減速機構が設けられている。
一方、ベルト式無段変速機においては、ベルトが各プーリとの摩擦により発熱し、また、遠心クラッチも摩擦により発熱する。このため、上記エンジンユニットには、ベルトや遠心クラッチを冷却するための冷却構造が設けられている。当該冷却構造は、伝動ケース内に外気を取り込む吸風口と、取り込んだ外気により伝動ケース内を流れる冷却風を作り出す冷却ファンと、冷却風を伝動ケース外へ排出する排風口とを備えている。
また、当該冷却構造は排風に関する次のような構成を備えている。すなわち、エンジンユニットの外部と連通する排風口を伝動ケースカバーまたは伝動ケース本体に直接形成するのみでは、外部の水、砂または埃が排風口を通って伝動ケース内へ容易に侵入してしまう。そこで、冷却構造の多くは、伝動ケースカバーまたは伝動ケース本体に冷却風を流出させる流出口を形成すると共に、この流出口から流出した冷却風を当該流出口から離れた位置まで運ぶ排風通路を設ける構成を備えている。排風通路が十分な通路長を有している場合、外部の水、砂または埃が排風通路を遡って流出口に到達することは困難である。したがって、このような排風通路を設けることにより、外部の水、砂または埃が伝動ケース内へ侵入することを抑制することができる。
ここで、図12に示す従来技術によるエンジンユニット101は次のような冷却構造を備えている。すなわち、エンジンユニット101は、エンジン102の後方であってエンジンユニット101の左部に伝動ケース103を備え、伝動ケース103は、伝動ケース本体104および伝動ケースカバー105を備えている。そして、伝動ケースカバー105において、その前部には吸風口106が形成されている。また、伝動ケースカバー105の中間部の後部寄りには、伝動ケース103内から冷却風を流出させる流出口107と、流出口107から流出した冷却風を流出口107から下方に離れた位置へ運ぶ排風通路108と、排風通路108により運ばれた冷却風をエンジンユニット101の外部へ排出する排風口109が設けられている。
また、特許文献1に記載された従来技術によるエンジンユニットは次のような冷却構造を備えている。すなわち、伝動ケース本体の後部には、伝動ケース内から冷却風を流出させる流出口が形成され(特許文献1の図3中の符号23z参照)、ギヤボックスのカバー(減速ギヤカバー)の上側には、流出口から流出した冷却風を、後輪の車軸の上側であって当該車軸に接近した位置へ運ぶ排風ダクトが設けられている(特許文献1の図2中の符号120参照)。
また、特許文献2に記載された従来技術によるエンジンユニットは次のような冷却構造を備えている。すなわち、伝動ケース本体の後部には、伝動ケース内から冷却風を流出させる流出口と、当該流出口から流出した冷却風をリヤブレーキ室側へ運ぶ排風通路が形成されている(特許文献2の図1中の符号26参照)。
特開2007−263231号公報 特開平5−26328号公報
図12に示す従来技術によるエンジンユニット101における冷却構造は、流出口107、排風通路108および排風口109が伝動ケースカバー105に形成されている。このため、次のような問題がある。すなわち、伝動ケースカバー105は伝動ケース本体104と比較して剛性が低い。剛性の低い伝動ケースカバー105に、開口面積が大きい流出口107や排風口109、または通路面積が大きい排風通路108を形成すると、伝動ケースカバー105の剛性がより一層低くなる。伝動ケースカバー105の剛性が低くなると、伝動ケースカバー105の耐久性が低下し、また、エンジンの振動によって生じる騒音が大きくなる。一方、伝動ケースカバー105の剛性を高めるために、流出口107や排出口109の開口面積を小さくし、排風通路108の通路面積を小さくすると、冷却風が排出されにくくなり、ベルト式無段変速機のベルト等の冷却効果が低下する。
また、図12に示す従来技術によるエンジンユニット101における冷却構造は、排風通路108および排風口109が鞍乗型車両の車幅方向外側(左側)に設けられている。このため、次のような問題がある。すなわち、通路面積の大きい排風通路108を車幅方向外側に設けると、排風通路108を設けた部分が鞍乗型車両の車幅方向外側に大きく張り出すため、鞍乗型車両のバンク角が制限されてしまう。また、排風通路108および排風口109と、キックレバーやセンタースタンドとの干渉を避けるために、排風通路108および排風口109を設ける位置が制限される。また、鞍乗型車両の車幅方向外側に排風口109を設けると、ベルト式無段変速機のベルト等を冷却した後の高温の冷却風が運転者の足等に吹き当たるおそれがある。
また、図12に示す従来技術によるエンジンユニット101における冷却構造は、排風口109が鞍乗型車両の下部の地面に近い位置しているため、排風口109から排出された冷却風が地面に吹き当たり、地面の砂や埃を巻き上げる場合があるという問題がある。
一方、特許文献1に記載されたエンジンユニットにおける冷却構造は、流出口が伝動ケースカバーよりも剛性の高い伝動ケース本体に形成されていると共に、排風ダクトが、鞍乗型車両の車幅方向内側(中央側)に配置されたギヤボックスケースの上側に設けられ、さらに、排風ダクトの出口が地面から離れているので、図12に示すエンジンユニットにおける冷却構造の上記問題は生じないものと考えられる。しかし、特許文献1に記載されたエンジンユニットにおける冷却構造には次のような問題がある。
まず、特許文献1に記載されたエンジンユニットにおける冷却構造では、排風通路を形成するために、別部材である排風ダクトを追加している。この結果、部品点数が増加し、組立工数が増加する。また、別部材の追加により、エンジンユニットの重量が増加し、また、エンジンユニットの製造コストが上昇する。
また、特許文献1に記載されたエンジンユニットにおける冷却構造では、伝動ケース本体の右側の壁部の外面であって、ギヤボックスカバーの上側、すなわち、後輪の車軸の上側に排風ダクトが取り付けられている。後輪の車軸は伝動ケース本体の後端部に配置されており、伝動ケース本体の右側の壁部の外面において後輪の車軸の上側の領域は小さい。この小さな領域に、大きな通路面積を有する排風ダクト(排風通路)を設けることは困難である。このため、冷却風の排出量が制限され、ベルト式無段変速機のベルト等の冷却効果を高めることが難しい。また、後輪の車軸の上側の小さな領域に通路長の長い排風ダクトを設けることは困難である。このため、水や砂が通路長の短い排風ダクトおよび流出口を介して伝動ケース内に侵入するおそれがある。
他方、特許文献2に記載されたエンジンユニットにおける冷却構造は、流出口および排風通路が伝動ケース本体に形成されると共に、排風通路により冷却風が鞍乗型車両の車幅方向内側(中央側)に配置されたリヤブレーキ室側へ運ばれるので、図12に示すエンジンユニットにおける冷却構造の上記問題は生じないものと考えられる。しかし、特許文献2に記載されたエンジンユニットにおける冷却構造には次のような問題がある。
すなわち、特許文献2に記載されたエンジンユニットにおける冷却構造においては、伝動ケース本体と後輪のホイールとの間の隙間が排風通路の出口、すなわち排風口に相当する。伝動ケース本体と後輪のホイールとの間に形成されたリヤブレーキ室への砂や埃の侵入を抑制する要請を考慮すると、伝動ケース本体と後輪のホイールとの間の隙間を小さくする必要がある。したがって、大きい開口面積を有する排風口を形成するは困難である。この結果、冷却風の排出量が制限され、ベルト式無段変速機のベルト等の冷却効果を高めることが難しい。
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の第1の課題は、排風ダクトのような別部材を追加することなく冷却風の排風通路を形成することができる無段変速機の冷却構造を提供することにある。
また、本発明の第2の課題は、鞍乗型車両の車幅方向内側に冷却風の排風通路および排風口を配置することができると共に、当該排風通路の通路面積を大きくし、または当該排風通路の通路長を長くすることができる無段変速機の冷却構造を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の無段変速機の冷却構造は、エンジンと、前記エンジンの後方であって車幅方向外側に配置され、後方に伸長する略箱状に形成された伝動ケースと、前記伝動ケース内に収容され、前記エンジンのクランクシャフトの回転を前記クランクシャフトの後方に配置された中間軸に伝達すると共に変速比を連続的に変化させることが可能な無段変速機と、前記伝動ケースの後部の車幅方向内側の側壁部であって前記伝動ケースの外側の面に取り付けられた減速機ケースと、前記減速機ケース内に収容され、複数の歯車により前記中間軸の回転を減速して後輪の車軸に伝達するギヤ減速機とを有する鞍乗型車両用のエンジンユニットにおいて、前記無段変速機を冷却する冷却構造であって、前記伝動ケースに形成され、外気を伝動ケース内に取り込む吸風口と、前記伝動ケース内に設けられ、前記クランクシャフトの回転により回転し、前記吸風口から取り込まれた外気により前記伝動ケース内を流れる冷却風を作り出す冷却ファンと、前記伝動ケースの後部の車幅方向内側に位置する側壁部に前記減速機ケース内と連通するように形成され、前記冷却風を前記伝動ケース内から前記減速機ケース内へ流出させる流出口と、前記減速機ケース内に形成され、前記流出口を通って前記減速機ケース内へ流出した前記冷却風を前記流出口から離れた排風位置へ導く排風通路と、前記減速機ケースにおいて前記排風位置に対応する位置に形成され、前記排風通路により導かれた冷却風を前記エンジンユニットの外部へ排出する排風口とを備えていることを特徴とする。
本発明の冷却構造では、排風通路を減速機ケース内に形成するため、排風通路を形成するために排風ダクトのような別部材を追加する必要がない。したがって、部品点数の増加を抑えることができ、エンジンユニットの重量の増加を抑えることができ、製造コストの上昇を抑制することができる。また、減速機ケースの取付と排風通路の形成を一工程で行うことができるので、組付工数の増加を抑えることができる。
また、伝動ケースの車幅方向内側に位置する側壁部の外面において、後輪の車軸の前方には広い空き領域が存在する。したがって、減速機ケースをこの空き領域へ拡張し、拡張した部分の内部に通路面積の大きい、または通路長の長い排風通路を形成することができる。冷却風の排風通路の通路面積を大きくすることにより、無段変速機の冷却効果を高めることができる。また、冷却風の排風通路の通路長を長くすることにより、外部の水、砂または埃等の伝動ケース内への侵入を抑制することができる。
さらに、減速機ケースは鞍乗型車両の車幅方向内側に配置されている。したがって、排風通路を減速機ケース内に形成することにより、排風通路を鞍乗型車両の車幅方向内側に配置することができる。これにより、排風通路を鞍乗型車両の車幅方向外側に形成することにより生じる問題、例えば、バンク角の制限、キックレバーやセンタースタンドとの干渉、高温の冷却風が運転者の足に吹き当たることといった問題を解決することができる。
また、本発明による無段変速機の冷却構造において、前記減速機ケースにおける前記排風通路は前記後輪の車軸よりも前側に形成されていることが望ましい。
これにより、後輪の車軸の前方に存在する広い領域を利用して、通路面積が大きい、または通路長が長い排風通路を形成することができる。
また、本発明による無段変速機の冷却構造において、前記減速機ケースにおける前記排風口は前記後輪の車軸よりも下側に形成されていることが望ましい。
これにより、排風口の流出口からの距離を長くすることができ、長い通路長を有する排風通路を形成することができる。
また、本発明による無段変速機の冷却構造において、前記伝動ケースの前記側壁部における前記流出口は前記後輪の車軸よりも上側に形成されていることが望ましい。
これにより、流出口の排風口からの距離を長くすることができ、長い通路長を有する排風通路を形成することができる。
また、本発明による無段変速機の冷却構造において、前記排風口の開口面積は前記流出口の開口面積よりも大きいことが望ましい。
これにより、流出口から流出した冷却風を排風口から円滑に排出することができる。
また、本発明による無段変速機の冷却構造において、前記無段変速機は、前記クランクシャフトに設けられたドライブプーリと、前記中間軸に設けられたドリブンプーリと、前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリとに掛け渡されたベルトとを備え、前記冷却ファンは前記クランクシャフトに設けられ、前記クランクシャフトと一体的に回転し、前記伝動ケースの前記側壁部において、前記流出口は、前記中間軸よりも前側に形成されていることが望ましい。
この無段変速機を鞍乗型車両の左側から見た場合、冷却ファンおよびドライブプーリがクランクシャフトと一体的に反時計回り方向に回転し、ドライブプーリの回転がベルトを介してドリブンプーリに伝わり、ドリブンプーリも反時計回り方向に回転する。冷却ファンの回転により、冷却風は、伝動ケース内の下部を通って伝動ケース内の前部から後部へ流れ、続いて、伝動ケース内の後部において伝動ケース内の下部から上部へ流れ、続いて、伝動ケース内の上部を通って伝動ケース内の後部から伝動ケース内において中間軸よりも前側の領域に向かって流れる。このように冷却風が流れる間に、冷却風はドライブプーリ、ドリブンプーリ、およびベルトのそれぞれに吹き当たる。続いて、中間軸よりも前側の領域に到達した冷却風は、伝動ケースの側壁部において中間軸よりも前側に形成された流出口から伝動ケースの外へ流出する。このように、流出口を中間軸よりも前側に形成することにより、冷却風をドライブプーリ、ドリブンプーリ、およびベルトのそれぞれに吹き当ててから伝動ケース外へ流出させることができる。したがって、ドライブプーリ、ドリブンプーリ、およびベルトを冷却する効果を高めることができる。
本発明によれば、排風ダクトのような別部材を追加することなく冷却風の排風通路を形成することができる。また、本発明によれば、鞍乗型車両の車幅方向内側に冷却風の排風通路および排風口を配置することができると共に、当該排風通路の通路面積を大きくし、または当該排風通路の通路長を長くすることができる。
本発明の実施形態によるベルト式無段変速機等の冷却構造を備えたエンジンユニットを示す外観斜視図である。 図1中のエンジンユニットの左側面を示す外観図である。 図2中のエンジンユニットにおいてサイドカバー等を外した状態を示す説明図である。 図3中のエンジンユニットにおけて伝動ケースカバーを外した状態を示す説明図である。 図1中のエンジンユニットの右側面を示す外観図である。 図5中のエンジンユニットにおいてギヤボックスケースを外した状態を示す説明図である。 図3中のサイドカバー等を外した状態のエンジンユニットを、ホイール、後輪、ディスクブレーキ装置等と共に上方から見た説明図である。 図1中のエンジンユニットにおける伝動ケースの伝動ケース本体の主に左側面を示す説明図である。 図1中のエンジンユニットにおける伝動ケースの伝動ケース本体の主に右側面を示す説明図である。 図1中のエンジンユニットにおけるギヤボックスケースを示す外観図である。 図7中の矢示XI−XI方向から見た伝動ケース、ギヤボックスケース、後輪、ホイール等を示す断面図である。 従来技術のエンジンユニットを示す外観図である。
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、前、後、左、右、上、下の方向は、鞍乗型車両のシートに座した運転者を基準とする。
図1ないし図7は、本発明の実施形態によるベルト式無段変速機等の冷却構造を備えたエンジンユニットを示している。すなわち、図1は当該エンジンユニットの全体を示し、図2は図1中のエンジンユニット1の左側面を示す。図3は、図2中のエンジンユニット1においてサイドカバー29等を外した状態を示し、図4はさらに伝動ケースカバー28を外した状態を示す。図5は、図1中のエンジンユニット1の右側面を示し、図6は、図5中のエンジンユニット1においてギヤボックスケース41を外した状態を示す。図7は、図3中のエンジンユニット1を、ホイール、後輪、ディスクブレーキ装置等と共に上方から見た図である。
図1において、エンジンユニット1は、例えばスクータ等の鞍乗型車両用のユニットスイング型のエンジンユニットである。エンジンユニット1は、エンジン2、ベルト式無段変速機31(図4参照)、遠心クラッチ(図示せず)およびギヤボックス51(図6参照)等を一体化したユニットである。エンジンユニット1は、鞍乗型車両の車体フレームに上下方向に揺動可能に取り付けられる。また、図7に示すように、エンジンユニット1の後部には後輪73の車軸71が支持され、車軸71にはホイール72および後輪73が設けられている。また、後輪73の近傍にはディスクブレーキ装置74が設けられている。
図1に示すように、エンジンユニット1の前部にはエンジン2が配置されている。エンジン2は例えば4サイクル単気筒エンジンである。エンジン2は、クランクケース3、シリンダ4、およびシリンダヘッド5を備え、クランクケース3内にはクランクシャフト等が設けられ、シリンダ4内にはピストン等が設けられている。また、シリンダヘッド5の頭部にはヘッドカバー6が取り付けられている。
クランクケース3は、一対のクランクケース形成部20、7を互いに合わせて固定することにより形成されている。一方のクランクケース形成部20はクランクケース3の左部を形成し、他方のクランクケース形成部7はクランクケース3の右部を形成する。クランクケース3の左部を形成するクランクケース形成部20は、伝動ケース11の伝動ケース本体12と一体的に形成されている。
エンジンユニット1において、エンジン2の後方であって車幅方向左側には、ベルト式無段変速機31および遠心クラッチ等を収容する伝動ケース11が設けられている。伝動ケース11は、後方に伸長する略箱型に形成されている。伝動ケース11は、伝動ケース本体12および伝動ケースカバー28を備えている。伝動ケース本体12および伝動ケースカバー28はいずれもアルミニウム等の金属により形成されている。
ここで、図8および図9は伝動ケース本体12を示している。すなわち、図8は伝動ケース本体12の主に左側面を示し、図9は伝動ケース本体12の主に右側面を示している。図8に示すように、伝動ケース本体12は、前壁部13、上壁部14、後壁部15、下壁部16、および車幅方向内側(伝動ケース本体12の右部)に位置する側壁部17を備え、車幅方向外側(伝動ケース本体12の左部)が開口している。また、側壁部17は、上方向または下方向に進む波を描くように繰り返し湾曲しており、これにより、剛性が高められている。また、側壁部17の前部には、クランクシャフトが挿通されるクランクシャフト挿通孔18が形成され、側壁部17の後部には、ドリブンシャフト(中間軸)が挿通されるドリブンシャフト挿通孔19が形成されている。
また、図9に示すように、側壁部17の右面側であって、側壁部17の前部のクランクシャフト挿通孔18が形成された領域には、クランクケース形成部20が形成されている。クランクケース形成部20は、上述したように、クランクケース3の左部を形成する。クランクケース形成部20は、伝動ケース本体12の側壁部17から右側に伸長した略筒状に形成されている。また、クランクケース形成部20の右端部には、もう一方のクランクケース形成部7と合わさる合わせ面21が形成されている。
また、側壁部17の右面側(車幅方向内側または車幅方向中央側に位置する伝動ケース本体12の外側の面)であって、側壁部17の後部のドリブンシャフト挿通孔19が形成された領域には、ギヤボックス取付部22が形成されている。ギヤボックス取付部22はギヤボックス51を取り付けるための部分である。ギヤボックス取付部22の中央部から後部にかけての部分であって、ドリブンシャフトの軸線Bおよび後輪73の車軸Cの軸線と交わる領域にはギヤ支持部23が形成されている(図6参照)。ギヤ支持部23は、後述するギヤボックスケース41のギヤ支持部42と共に歯車52、53、54(図6参照)を支持する部分である。また、ギヤボックス取付部22の前部であって、後輪73の車軸71およびドリブンシャフトの前方に位置する領域には、排風通路形成部24が形成されている。排風通路形成部24は、ギヤボックスケース41の排風通路形成部44と共に排風通路68を形成する部分である。また、ギヤボックス取付部22の外縁部には、ギヤボックス51の外殻を形成するギヤボックスケース41を取り付けるギヤボックス取付面25が形成されている。
一方、図8に示すように、伝動ケース本体12の左部にはカバー取付面26が形成されている。伝動ケースカバー28は、図3に示すように、伝動ケース本体12のカバー取付面26にボルト等を用いて取り付けられ、伝動ケース本体12の開口した部分を覆っている。また、図2に示すように、伝動ケース11の左側にはサイドカバー29が取り付けられている。
伝動ケース11に収容されたベルト式無段変速機31は、図4に示すように、エンジン2のクランクシャフトの回転をクランクシャフトの後方に配置されたドリブンシャフトに伝達すると共に、変速比を連続的に変化させることが可能な変速機である。ベルト式無段変速機31は、ドライブプーリ32、ドリブンシャフト(図示せず)、ドリブンプーリ33、およびベルト34等を備えている。エンジン2のクランクシャフトの左端側は、伝動ケース本体12に形成されたクランクシャフト挿通孔18を通って伝動ケース11内に進入しており、ドライブプーリ32は伝動ケース11内においてクランクシャフトの左端側に取り付けられている。図4中のAはクランクシャフトの軸線を示している。また、ドリブンシャフトの左端側は、伝動ケース本体12に形成されたドリブンシャフト挿通孔19を通って伝動ケース11内に進入しており、ドリブンプーリ33は伝動ケース11内においてドリブンシャフトの左端側に取り付けられている。図4中のBはドリブンシャフトの軸線を示している。また、ベルト34は、ドライブプーリ32とドリブンプーリ33に掛け渡されている。なお、図示しないが、遠心クラッチは、ドリブンプーリ33の左側に配置され、ドリブンシャフトに取り付けられている。
エンジンユニット1の後部には、図5に示すように、ギヤボックス51を収容すると共に、排風通路68及び排風口69を形成するギヤボックスケース41(減速機ケース)が設けられている。ギヤボックスケース41は、伝動ケース本体12のギヤボックス取付面25にボルト等を用いて取り付けられている。
ここで、図10はギヤボックスケース41を示している。図10に示すように、ギヤボックスケース41は、例えばアルミニウム等の金属により、左側(図10において奥側)が開口した略箱状に形成されている。ギヤボックスケース41の中央部から後部にかけての部分であって、ドリブンシャフトの軸線Bおよび後輪73の車軸71の軸線Cと交わる領域にはギヤ支持部42が形成されている。ギヤ支持部42は、伝動ケース本体12に形成されたギヤ支持部23と共に歯車52、53、54(図6参照)を支持する部分である。また、ギヤ支持部23には、後輪73の車軸71を通すための車軸挿通孔43が形成されている。また、ギヤボックスケース41の前部であって、後輪73の車軸71およびドリブンシャフトの前方に位置する領域には、排風通路形成部44が形成されている。排風通路形成部44は、伝動ケース本体12の排風通路形成部24と共に排風通路68を形成する部分である。また、排風通路形成部44の下部には排風口69が形成されている。
ギヤボックスケース41に収容されたギヤボックス51(ギヤ減速機)は、図6に示すように、複数の歯車52、53、54を備え、これらの歯車52、53、54によりドリブンシャフトの回転を減速して後輪73の車軸71に伝達する装置である。各歯車52、53、54は、伝動ケース本体12のギヤ支持部23およびギヤボックスケース41のギヤ支持部42に支持されている。
エンジンユニット1は、ベルト式無段変速機31および遠心クラッチ等、伝動ケース11内に収容された収容物を冷却するための冷却構造を備えている。当該ベルト式無段変速機31等の冷却構造は、主に、ベルト式無段変速機31におけるベルト34の摩擦による発熱、または遠心クラッチの摩擦による発熱を抑える。当該冷却構造は、図2に示す冷却ダクト61、図3に示す吸風口65、図4に示す冷却ファン66、図6に示す流出口67、図5に示す排風通路68、および図5に示す排風口69を備えている。
図3に示すように、吸風口65は、外気を伝動ケース11内に取り込む口であり、伝動ケースカバー28の前部に形成されている。また、図2に示すように、伝動ケース11に取り付けられたサイドカバー29の前部と伝動ケースカバー28の前部との間であって吸風口65に対応する位置には、フィルタ室62が形成されている。フィルタ室62は吸風口65を介して伝動ケース11内と連通している。また、フィルタ室62にはエアフィルタ63が設けられている。また、サイドカバー29の前端部には取入口64が形成されている。
図2に示すように、冷却ダクト61は、外気をフィルタ室62へ供給するダクトであり、その下流側の端部はサイドカバー29の前端部に取り付けられている。冷却ダクト61内とフィルタ室62とは取入口64を介して連通している。
図4に示すように、冷却ファン66は、吸風口65から取り込まれた外気により伝動ケース11内を流れる冷却風を作り出すファンである。冷却ファン66は、伝動ケース11内において、ドライブプーリ32の左側に配置され、クランクシャフトの左端側に取り付けられている。冷却ファン66は、ドライブプーリ32と共に、クランクシャフトと一体的に回転する。
図4に示すように、流出口67は、冷却風を伝動ケース11内から、ギヤボックスケース41内に形成された排風通路68へ流出させる口である。図6に示すように、流出口67は、伝動ケース本体12の後部の右側(車幅方向内側または車幅方向中央側)に位置する側壁部17に形成されている。また、流出口67は後輪73の車軸71よりも上側に形成されている。また、流出口67はドリブンシャフトよりも前側に形成されている。
図5に示すように、排風通路68は、伝動ケース本体12の流出口67からギヤボックスケース41内へ流出した冷却風を、流出口67から下方に離れた位置(排風位置P)に設けられた排風口69へ導く通路である。排風通路68はギヤボックスケース41内に形成されている。具体的には、排風通路68は、伝動ケース本体12の排風通路形成部24およびギヤボックスケース41の排風通路形成部44により形成されている。すなわち、伝動ケース本体12のギヤボックス取付部22にギヤボックスケース41を取り付けることにより、伝動ケース本体12の排風通路形成部24とギヤボックスケース41の排風通路形成部44とが互いに合わさり、両者間に排風通路68が形成される。排風通路68は、後輪73の車軸71よりも上側の位置から後輪73の車軸71よりも下側の位置にかけて上下方向に伸長している。また、図7に示すように、排風通路68は後輪73の車軸71よりも前側に形成されている。
図5に示すように、排風口69は、排風通路68を流れる冷却風をエンジンユニット1の外部に排出する口である。排風口69は、図10に示すように、ギヤボックスケース41の排風通路形成部44の下部に形成されており、排風通路68の下端部をエンジンユニット1の外部に開放している。図5に示すように、排風口69は後輪73の車軸71よりも下側に形成されている。また、排風口69の開口面積は流出口67の開口面積よりも大きい。
このような構成を有する冷却構造において、冷却風の流れは次の通りである。図4において、クランクシャフトが反時計回り方向に回転すると、ドライブプーリ32および冷却ファン66が反時計回り方向に回転する。また、ドライブプーリ32の回転がベルト34を介してドリブンプーリ33に伝わり、ドリブンプーリ33も反時計回り方向に回転する。冷却ファン66の回転により、図2に示す冷却ダクト61を通ってフィルタ室62へ供給された外気は、エアフィルタ63を通過して吸風口65を通り、伝動ケース11内へ取り込まれる。伝動ケース11内に取り込まれた外気は冷却風となり、冷却ファン66の回転により、図4中の矢示に示すように流れる。すなわち、冷却風は、伝動ケース11内の下部を通って伝動ケース11内の前部から後部へ流れ、続いて、伝動ケース11内の後部において伝動ケース11内の下部から上部へ流れ、続いて、伝動ケース11内の上部を通って伝動ケース11内の後部から伝動ケース11内においてドリブンシャフトよりも前側の領域に向かって流れる。このように冷却風が流れる間に、冷却風はドライブプーリ32、ドリブンプーリ33、ベルト34、および遠心クラッチのそれぞれに吹き当たる。この結果、ドライブプーリ32、ドリブンプーリ33、ベルト34、および遠心クラッチがそれぞれ冷却される。続いて、ドリブンシャフトよりも前側の領域に到達した冷却風は、伝動ケース本体12に形成された流出口67からギヤボックスケース41内へ流出する。
ここで、流出口67は、伝動ケース本体12の側壁部17においてドリブンシャフトよりも前側に形成されているので、冷却風をドライブプーリ32、ドリブンプーリ33、ベルト34、および遠心クラッチのそれぞれに吹き当ててから伝動ケース11外へ流出させることができる。したがって、冷却風をドライブプーリ32、ドリブンプーリ33、ベルト34、および遠心クラッチに確実に吹き当てることができ、ドライブプーリ32、ドリブンプーリ33、ベルト34、および遠心クラッチを冷却する効果を高めることができる。
流出口67を通って伝動ケース11内からギヤボックスケース41内へ流出した冷却風は、ギヤボックスケース41内に形成された排風通路68を下方に向かって流れ、ギヤボックスケース41に形成された排風口69からエンジンユニット1の外部へ排出される。
ここで、図11は、図7中の矢示XI−XI方向から見た伝動ケース11、ギヤボックスケース41、後輪73、ホイール72等を示している。図11に示すように、冷却風は、流出口67から排風通路68を通って、後輪73の車軸71よりも上側から、後輪73の車軸71よりも下側へ流れた後、排風口69を通って、後輪73のホイール72の内側に排出される。
本発明の実施形態によるベルト式無段変速機31等の冷却構造は次のような作用効果を奏する。すなわち、本発明の実施形態による冷却構造では、排風通路68をギヤボックスケース41内に形成したので、ギヤボックスケース41を伝動ケース本体12に取り付けることにより排風通路68を形成することができる。したがって、排風通路68を形成するために排風ダクトのような別部材を追加する必要がない。よって、部品点数の増加を抑え、エンジンユニット1の軽量化を図り、また、製造コストの上昇を抑制することができる。また、ギヤボックス51の組み立てと排風通路68の形成とを一工程で行うことができ、組付工数の増加を抑えることができる。
また、伝動ケース11の車幅方向内側に位置する側壁部17の外面において、後輪73の車軸71の前方であって後輪73のホイール72の内側には広い空き領域が存在する。本発明の実施形態による冷却構造では、ギヤボックスケース41がこの空き領域へ拡張され、拡張された部分の内部に排風通路68が形成されている。これにより、図11に示すように、通路面積が大きく、かつ通路長の長い排風通路68を形成することができる。そして、排風通路68の通路面積を大きくすることにより、ベルト式無段変速機等の冷却効果を高めることができ、また、排風通路68の通路長を長くすることにより、外部の水、砂または埃等の伝動ケース11内への侵入を抑制することができる。
また、本発明の実施形態による冷却構造では、流出口67が後輪73の車軸71よりも上側に形成され、排風口69が後輪73の車軸71よりも下側に形成されている。これにより、流出口67を排風口69から大きく離すことができ、外部の水、砂または埃等の伝動ケース11内への侵入を抑制することができる。
また、本発明の実施形態による冷却構造では、排風口69の開口面積が流出口67の開口面積よりも大きいので、流出口67から流出した冷却風を排風口69から円滑に排出することができる。
さらに、本発明の実施形態による冷却構造では、排風通路68をギヤボックスケース41内に形成することにより、排風通路68を鞍乗型車両の車幅方向内側(中央側)に配置することができる。したがって、排風通路を鞍乗型車両の車幅方向外側に形成することにより生じる問題、例えば、バンク角の制限、キックレバーやセンタースタンドとの干渉といった問題を解決することができる。
また、本発明の実施形態による冷却構造では、冷却風が排風口69を通って後輪73のホイール72の内側に排出されるので、高温の冷却風が運転者の足に吹き当たることを防止することができ、また、冷却風により地面の砂や埃が巻き上げられることを防止することができる。
なお、上述した実施形態では、伝動ケース本体12に形成された排風通路形成部24と、ギヤボックスケース41に形成された排風通路形成部44とを合わせることにより排風通路68を形成する場合を例にあげたが、本発明はこれに限らない。例えば、ギヤボックスケース41を構成する部材のみによって閉塞された室を形成し、その上部に冷却風が入る孔を形成し、下部に冷却風が出る孔を形成することにより排風通路を形成してもよい。
また、本発明は、スクータタイプの自動二輪車、自動三輪車等に広く適用することができる。
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う無段変速機の冷却構造もまた本発明の技術思想に含まれる。
1 エンジンユニット
2 エンジン
11 伝動ケース
12 伝動ケース本体
17 側壁部
19 ドリブンシャフト挿通孔
22 ギヤボックス取付部
23 ギヤ支持部
24 排風通路形成部
25 ギヤボックス取付面
28 伝動ケースカバー
29 サイドカバー
31 ベルト式無段変速機
32 ドライブプーリ
33 ドリブンプーリ
34 ベルト
41 ギヤボックスケース(減速機ケース)
42 ギヤ支持部
43 車軸挿通孔
44 排風通路形成部
51 ギヤボックス(ギヤ減速機)
52、53、54 歯車
61 冷却ダクト
62 フィルタ室
63 エアフィルタ
64 取入口
65 吸風口
66 冷却ファン
67 流出口
68 排風通路
69 排風口
71 車軸
72 ホイール
73 後輪

Claims (6)

  1. エンジンと、前記エンジンの後方であって車幅方向外側に配置され、後方に伸長する略箱状に形成された伝動ケースと、前記伝動ケース内に収容され、前記エンジンのクランクシャフトの回転を前記クランクシャフトの後方に配置された中間軸に伝達すると共に変速比を連続的に変化させることが可能な無段変速機と、前記伝動ケースの後部の車幅方向内側の側壁部であって前記伝動ケースの外側の面に取り付けられた減速機ケースと、前記減速機ケース内に収容され、複数の歯車により前記中間軸の回転を減速して後輪の車軸に伝達するギヤ減速機とを有する鞍乗型車両用のエンジンユニットにおいて、前記無段変速機を冷却する冷却構造であって、
    前記伝動ケースに形成され、外気を伝動ケース内に取り込む吸風口と、
    前記伝動ケース内に設けられ、前記クランクシャフトの回転により回転し、前記吸風口から取り込まれた外気により前記伝動ケース内を流れる冷却風を作り出す冷却ファンと、
    前記伝動ケースの後部の車幅方向内側に位置する側壁部に前記減速機ケース内と連通するように形成され、前記冷却風を前記伝動ケース内から前記減速機ケース内へ流出させる流出口と、
    前記減速機ケース内に形成され、前記流出口を通って前記減速機ケース内へ流出した前記冷却風を前記流出口から離れた排風位置へ導く排風通路と、
    前記減速機ケースにおいて前記排風位置に対応する位置に形成され、前記排風通路により導かれた冷却風を前記エンジンユニットの外部へ排出する排風口とを備えていることを特徴とする冷却構造。
  2. 前記減速機ケースにおいて、前記排風通路は前記後輪の車軸よりも前側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の冷却構造。
  3. 前記減速機ケースにおいて、前記排風口は前記後輪の車軸よりも下側に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の冷却構造。
  4. 前記伝動ケースの前記側壁部において、前記流出口は前記後輪の車軸よりも上側に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の冷却構造。
  5. 前記排風口の開口面積は前記流出口の開口面積よりも大きいことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の冷却構造。
  6. 前記無段変速機は、前記クランクシャフトに設けられたドライブプーリと、前記中間軸に設けられたドリブンプーリと、前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリとに掛け渡されたベルトとを備え、
    前記冷却ファンは前記クランクシャフトに設けられ、前記クランクシャフトと一体的に回転し、
    前記伝動ケースの前記側壁部において、前記流出口は、前記中間軸よりも前側に形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の冷却構造。
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