JP2016142609A - 遠方電磁界推定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】遠方電磁界推定装置では、グランドプレーン1が存在する条件の下で、電磁波の放射源である供試体2を囲まない条件(供試体2の上下面を含まない)において、その近傍で測定された複数の電磁界と鏡像点における電磁界に基づいて、供試体2から十分に離れた距離の遠方の観測点における電磁界を、容易に且つ精度よく推定する。
【選択図】図1
Description
しかし、特許文献2に記載された方法では、被測定物の上方の面における近傍電磁界を測定する必要があるので、低コスト化、測定の効率化の観点からは更なる改善が望まれる。
供試体の位置を基準に、y軸を前記グランドプレーン上方の高さ方向に、z軸を前記観測点方向に、x軸を前記y軸ならびにz軸と直交する方向としたとき、供試体から前方に距離+z(距離zは距離rより十分小さい)で離れた位置における前方測定面を想定し、供試体のグランドプレーンからの中心高さhEUTと遠方観測点のグランドプレーンから最大高さhRxを結ぶ直線が、前方測定面と交差するグランドプレーンからの高さを基準高さhrefとして(1)式より求め、
供試体から前方と同様に後方に等距離−zで離れた位置における後方測定面を想定し、後方測定面における基準高さhrefと遠方観測点の最大高さhRxを結ぶ直線が、前方測定面と交差する高さを基準に測定高さhmeasを(2)式により求め、
その測定高さhmeas以下で前後が±z及び左右が±x(距離xは距離rより十分小さい)の距離でグランドプレーンに対して垂直に形成される測定面に、または、前後左右が±z=±xの等距離でグランドプレーンに対して垂直に形成される測定面に、または、半径がzの等距離でグランドプレーンに対して垂直に形成される測定面に複数の測定点を設ける第1の動作と、
プローブ、アンテナ及び位置制御機構を用いて、複数の測定点における電界の測定面の接線方向の成分である複数の測定点電界と、複数の測定点における磁界の測定面の接線方向の成分である複数の測定点磁界の少なくとも一方を測定する第2の動作を実行する。
グランドプレーンを中心として測定面と面対称の位置関係を有する鏡像測定面上に、グランドプレーンを中心として複数の測定点と面対称の位置関係を有する複数の鏡像点を設定し、第2の動作で測定された複数の測定点電界と複数の測定点磁界の少なくとも一方に基づいて、複数の鏡像点における電界の鏡像測定面の接線方向の成分である複数の鏡像点電界と複数の鏡像点における磁界の鏡像測定面の接線方向の成分である複数の鏡像点磁界の少なくとも一方を算出する第1の演算処理と、
第2の動作で測定された複数の測定点電界と複数の測定点磁界の少なくとも一方と、第1の演算処理で算出された複数の鏡像点電界と複数の鏡像点磁界の少なくとも一方に基づいて、遠方観測点における電界と磁界の少なくとも一方を算出する第2の演算処理とを実行する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図2に示すように、供試体2の位置を基準に、y軸を前記グランドプレーン上方の高さ方向に、z軸を前記観測点方向に、x軸を前記y軸ならびにz軸と直交する方向としたとき、供試体2から前方に距離+z(距離zは距離rより十分小さい)で離れた位置における前方の測定面4を想定し、供試体2のグランドプレーン1からの中心高さhEUTと遠方観測点3のグランドプレーン1から最大高さhRxを結ぶ直線が、測定面4と交差するグランドプレーン1からの高さを基準高さhrefとして(1)式により求め、
プローブ8、位置参照点アンテナ11、位置制御機構9、10を用いて、複数の測定点5における電界の測定面の接線方向の成分である複数の測定点電界と、複数の測定点5における磁界の測定面の接線方向の成分である複数の測定点磁界の少なくとも一方を測定する第2の動作を実行する。
図2に示すように、グランドプレーン1を中心として測定面4と面対称の位置関係を有する鏡像測定面6上に、グランドプレーン1を中心として複数の測定点5と面対称の位置関係を有する複数の鏡像点7を設定し、第2の動作で測定された複数の測定点電界と複数の測定点磁界の少なくとも一方に基づいて、複数の鏡像点7における電界の鏡像測定面6の接線方向の成分である複数の鏡像点電界と複数の鏡像点7における磁界の鏡像測定面6の接線方向の成分である複数の鏡像点磁界の少なくとも一方を算出する第1の演算処理と、
第2の動作で測定された複数の測定点電界と複数の測定点磁界の少なくとも一方と、第1の演算処理で算出された複数の鏡像点電界と複数の鏡像点磁界の少なくとも一方に基づいて、遠方の観測点3における電界と磁界の少なくとも一方を算出する第2の演算処理とを実行する。
以下、図23ないし図26を参照して、本実施の形態に係る遠方電磁界推定装置および遠方電磁界推定方法の妥当性を検証するために実施した実験について説明する。実験は、供試体2が放射する電磁波が水平偏波となる条件で実施した。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施形態では、図39に示すように、20MHzの水晶発振子61と、2つのIC62を搭載した、長さ17.5cm、幅5cmの実機を模擬した回路基板63を用いて、記号F、記号B、記号R、記号Lに示す前後左右を遠方観測点の方向として変化させ、すなわち供試体角度の0度は記号Fに、90度は記号Rに、180度は記号B、270度は記号Lとして、遠方観測点の距離が3mおよび10mにおける受信電圧のハイトパターン特性を推定し、最大受信電圧の周波数特性を求めた。そして、実際に測定した最大受信電圧の周波数特性と比較した。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施形態では、クロック周波数が295MHzで動作するエモーションエンジン1つと、クロック周波数が147.5MHzで動作するグラフィックシンセサイザー1つと、クロック周波数34MHz〜38MHzで動作するI/Oプロセッサー多数を搭載した、長さ30cm、幅20cm、高さ10cmのゲーム機を用いて、ゲーム機の角度を0度〜360度の範囲で変化として、遠方観測点の距離が3mにおける受信電圧のハイトパターン特性を推定し、最大受信電圧の周波数特性を求めた。そして、実際に、ゲーム機の角度をターンテーブルにより0度〜360度の範囲で変化させて、遠方観測点の距離が3mにおける最大受信電圧の周波数特性を測定した。
6…鏡像測定面 7…鏡像点 8…プローブ 9…スキャナー 10…回転台
11…位相参照点アンテナ 12…ローテータ 13…受信器 14…プリアンプ
15…走査用コントローラ 16…制御用ケーブル
17…測定制御・演算用コンピュータ 18…通信ケーブル
19…キャリッジ 20…スティ 21…電界アンテナ部 22…プリント基板
23…シールド板 24…スルーホール 25…Port1
26…Port2 27…磁界アンテナ部 28…ギャップ 29…プリント基板
30…シールド板 31…スルーホール 32…Port1 33…Port2
34…電界アンテナ部 35…コネクター 36…サポート材 37…Port1
38…Port2 39…Port3 40…Port4
41…磁界アンテナ部 42…ギャップ 43…絶縁体 44…サポート材
45…Port1 46…Port2 47…Port3 48…Port4
49…180度位相合成器 50、51…プローブ用受信ケーブル
52…基準放射源 53…ベクトルネットワークアナライザー
54…基準放射源用送信ケーブル 55…受信アンテナ 56…遠方観測点
57…スモールバイコニカルアンテナ 58…10MHz水晶発振子
59…スペクトラムアナライザー 60…受信ケーブル
61…20MHz水晶発振子 62…IC 63…回路基板
64…ゲーム機 65…ターンテーブル
66…主制御部 67…入力装置 68…出力装置 69…記憶装置
70…バス 71…記憶媒体
E1…電界の平行成分 E2…電界の垂直成分
E3…鏡像電界の平行成分 E4…鏡像電界の垂直成分
H1…磁界の平行成分 H2…磁界の垂直成分
H3…鏡像磁界の平行成分 H4…鏡像磁界の垂直成分
H101…本発明200cm H102…本発明180cm
H103…本発明150cm H104…特許文献2の場合
F1…本発明推定結果 F2…測定結果
F101、F102、F103…比較検討周波数
Claims (12)
- グランドプレーンの上方に配置された電磁波の放射源である供試体によって、前記供試体から距離rの遠方観測点に形成される電界と磁界の少なくとも一方を求める遠方電磁界推定装置であって、
近傍電磁界測定装置と、演算処理部とを備え、
前記近傍電磁界測定装置は、
電界と磁界の少なくとも一方を検出するプローブと、
電界と磁界の位相を参照するアンテナと、
前記供試体に対する前記プローブの相対的位置を変更可能な位置制御機構と、
前記プローブ、前記アンテナ及び前記位置制御機構とを用いた電界と磁界の少なくとも一方の測定の制御を行う制御部とを備え、
前記制御部は、
前記供試体の位置を基準に、y軸を前記グランドプレーン上方の高さ方向に、z軸を前記観測点方向に、x軸を前記y軸ならびにz軸と直交する方向としたとき、前記供試体から前方に距離+z(距離zは距離rより十分小さい)で離れた位置における前方測定面を想定し、前記供試体のグランドプレーンからの中心高さhEUTと前記遠方観測点のグランドプレーンから最大高さhRxを結ぶ直線が、前記前方測定面と交差するグランドプレーンからの高さを基準高さhrefとして下式(1)により求め、
前記プローブ、前記アンテナ及び前記位置制御機構を用いて、前記複数の測定点における電界の前記測定面の接線方向の成分である複数の測定点電界と、前記複数の測定点における磁界の前記測定面の接線方向の成分である複数の測定点磁界の少なくとも一方を測定する第2の動作とを実行し、
前記演算処理部は、
前記グランドプレーンを中心として前記測定面と面対称の位置関係を有する鏡像測定面上に、前記グランドプレーンを中心として前記複数の測定点と面対称の位置関係を有する複数の鏡像点を設定し、前記第2の動作で測定された前記複数の測定点電界と前記複数の測定点磁界の少なくとも一方に基づいて、前記複数の鏡像点における電界の前記鏡像測定面の接線方向の成分である複数の鏡像点電界と前記複数の鏡像点における磁界の前記鏡像測定面の接線方向の成分である複数の鏡像点磁界の少なくとも一方を算出する第1の演算処理と、
前記第2の動作で測定された前記複数の測定点電界と前記複数の測定点磁界の少なくとも一方と、前記第1の演算処理で算出された前記複数の鏡像点電界と前記複数の鏡像点磁界の少なくとも一方に基づいて、前記遠方観測点における電界と磁界の少なくとも一方を算出する第2の演算処理とを実行することを特徴とする遠方電磁界推定装置。 - 前記複数の測定点は、交差する2方向に並ぶように配列され、前記2方向の各々について、隣接する2つの測定点間の前記測定面上における距離は前記電磁波の波長の1/2以下であることを特徴とする請求項1記載の遠方電磁界推定装置。
- 前記位相を参照するアンテナは、前記測定面の外部に設けられ、前記供試体の位置と同期して常に前記供試体との距離と位置関係が一定となるようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の遠方電磁界推定装置。
- 前記複数の測定点電界、前記複数の測定点磁界、前記複数の鏡像点電界および前記複数の鏡像点磁界は、それぞれ、前記グランドプレーンに平行な水平成分と前記グランドプレーンに垂直な垂直成分とを含み、
前記複数の鏡像点電界の水平成分は、それぞれ対応する測定点電界の水平成分と振幅は等しいが逆位相であり、
前記複数の鏡像点電界の垂直成分は、それぞれ対応する測定点電界の垂直成分と振幅および位相が等しく、
前記複数の鏡像点磁界の水平成分は、それぞれ対応する測定点磁界の水平成分と振幅および位相が等しく、
前記複数の鏡像点磁界の垂直成分は、それぞれ対応する測定点磁界の垂直成分と振幅は等しいが逆位相であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の遠方電磁界推定装置。 - 前記供試体、前記プローブ、前記位置制御機構および前記アンテナは、前記グランドプレーンを構成する金属床面を有する電波暗室内に配置されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の遠方電磁界推定装置。
- 前記プローブは、電界に応じた信号を出力する電界検出部と、磁界に応じた信号を出力する磁界検出部とを有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の遠方電磁界推定装置。
- 前記プローブは、前記複数の測定点電界または前記複数の測定点磁界の測定において、前記グランドプレーンに平行な水平成分と前記グランドプレーンに垂直な垂直成分を検出するために直交電界検出部、または、直交磁界検出部を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の遠方電磁界推定装置。
- 前記電界検出部は、電界に応じた差動信号を生成する電界アンテナ部と、前記電界アンテナ部によって生成された差動信号を出力する2つの電界出力ポートと、前記電界アンテナ部の一部をシールドする電界シールド部とを含み、
前記磁界検出部は、磁界に応じた差動信号を生成する磁界アンテナ部と、前記磁界アンテナ部によって生成された差動信号を出力する2つの磁界出力ポートと、前記磁界アンテナ部の一部をシールドする磁界シールド部とを含むことを特徴とする請求項6に記載の遠方電磁界推定装置。 - 前記電界検出部の出力信号の振幅および位相を、実際に前記電界検出部が受けた電界の振幅および位相に対応する値に補正するための第1の補正情報と、前記磁界検出部の出力信号の振幅および位相を、実際に前記磁界検出部が受けた磁界の振幅および位相に対応する値に補正するための第2の補正情報が予め求められており、
前記演算処理部は、前記第1および第2の補正情報に基づいて、前記複数の測定点電界と前記複数の測定点磁界を算出することを特徴とする請求項6に記載の遠方電磁界推定装置。 - 前記演算処理部は、
前記遠方観測点の電界を、実際の受信器で測定された値に補正するため、受信アンテナ特性を補正する第3の補正情報と、経路特性を補正する第4の補正情報が予め求められおり、前記第3および第4の補正情報に基づいて、受信器で測定される電圧に変換することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の遠方電磁界推定装置。 - 前記第3の補正情報は、自由空間において、基準となる放射源から、前記遠方観測点に受信アンテナを配置して自由空間アンテナファクターを用いて伝送損失特性を求め、次に、前記基準となる放射源のみとして前記遠方観測点における電界強度を求め、前記電界強度と前記伝送損失とを引くことにより求められることを特徴とする請求項10に記載の遠方電磁界推定装置。
- 前記第3の補正情報は、基準となる放射源をグランドプレーンから任意の高さに配置して前記遠方観測点に受信アンテナを配置して伝送損失を求め、次に、前記基準となる放射源のみとして前記遠方観測点における電界強度を求め、前記電界強度から前記伝送損失とを引くことにより求められることを特徴とする請求項10に記載の遠方電磁界推定装置。
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