JP6052355B1 - 試験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】EMC試験に係る設備を小型化できる試験装置を提供する。【解決手段】この試験装置は、電子機器の電磁両立性を試験するための装置である。試験装置は電子機器と、電子機器と電気的に接続される機器を想定した模擬機器と、電子機器と模擬機器を結ぶハーネスと、が載置される試験台と、電子機器から放射される放射ノイズを計測する、あるいは、電子機器に向けて試験用の放射ノイズを放射するプローブと、を備える。そして、試験台における電子機器が載置される載置面を正面視して、試験台の一辺から所定の距離に置かれた仮想アンテナを想定したとき、プローブは、試験台上に配置され、且つ、電子機器と仮想アンテナの間の対向領域に、プローブの一部が含まれるように配置される。【選択図】図1

Description

本発明は、電磁両立性の試験に供される試験装置に関する。
電気製品から放出される電気的ノイズや、環境から放出される電気的ノイズによる電気製品への影響を試験する、いわゆる電磁環境適合性試験あるいは電磁両立性(EMC)試験が行われている。
非特許文献1には、任意の位置における、電気製品の放射ノイズを推定する方法として、ホイヘンスサーフェス上の電界および磁界を計測した結果に基づいて任意位置における放射ノイズを求める方法が記載されている。
Transfer Function Method for Predicting the Emission in a CISPR-25 Test-Setup, Andriy Radchenko, et al, IEEE Transactions on Electromagnetic Compatibility, Vol.56,No.4,(2014)
しかしながら、非特許文献1の方法では、計測の対象となる電気製品やハーネス、擬似電源回路網を囲む6面の電磁界分布を、位相を考慮した形で計測する必要があるため計測系が煩雑になる。これは、例えば数多の水準で数多くの試験が必要となる製品開発の現場においては現実的ではない。また、予めノイズ源が特定できていない場合には、基準位相の計測ができないため、位相を考慮した計測は実質不可能である。
よって、EMC試験においては所定の規格に準じて実施されることが一般的である。EMC試験では外部の電気的ノイズを遮断する電波暗室が必要となるが、この電波暗室は施設規模が大きく、試験に係る費用が多大である。また、施設需要に対して十分な数の電波暗室を用意することが困難である。とくに、開発の現場においては、幾度と無く試験を繰り返す必要があるが、その度に大規模な電波暗室を確保することは困難であり、より簡易に試験が可能な試験装置が求められている。
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、EMC試験に係る設備を小型化できる試験装置を提供することを目的とする。
ここに開示される発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明は、電子機器(200)の電磁両立性を試験するための試験装置であって、
前記電子機器と、前記電子機器と電気的に接続される機器を想定した模擬機器(210)と、前記電子機器と前記模擬機器を結ぶハーネス(220)と、が載置される試験台(10)と、
前記電子機器から放射される放射ノイズを計測する、あるいは、前記電子機器に向けて試験用の放射ノイズを放射するプローブ(20)と、を備え、
前記試験台は矩形を成し、前記試験台の一辺(R)に平行に、前記一辺から100mmの距離に前記ハーネスが延設され、前記ハーネスの一端に前記電子機器が接続され、他端に前記模擬機器が接続される構成において、
前記試験台における前記電子機器が載置される載置面を正面視して、前記試験台の一辺から所定の距離に置かれた仮想アンテナ(S)を想定し、前記仮想アンテナが、前記一辺に直交する方向において、前記仮想アンテナの位相中心が前記一辺から900mmの距離であって、前記一辺に沿う方向において、前記電子機器と前記模擬機器との中間に位置するとき、
前記プローブは、前記一辺に直交する方向における前記一辺と前記電子機器の間の前記試験台上に配置され、且つ、前記電子機器と前記仮想アンテナの間の対向領域(T)に、前記プローブの一部が含まれるように配置されることを特徴としている。
例えば、放射ノイズの、規格として定められた測定条件として、仮想アンテナの位置に放射ノイズを受信するアンテナを配置することが規定されている場合、EMC試験の設備の大きさは、試験台およびアンテナの位置関係によって小型化が制限される。
これに対して、本発明を採用すれば、放射ノイズを計測するプローブが試験台上に配置されるので、被試験体としての電子機器、模擬機器、ハーネス、および放射ノイズを計測するプローブがすべて試験台上に載置されることになる。よって、EMC試験の設備の大きさは試験台の大きさまで小さくすることができる。
ところで、発明者は、仮に設定される仮想アンテナの位置に放射ノイズを受信するアンテナを配置して測定された場合の放射ノイズの量と、試験台上に配置されつつ、一部が電子機器と仮想アンテナの間の対向領域に含まれるように配置されたプローブで測定された場合の放射ノイズの量と、が強い相関を有することを見出した。
このため、本発明を採用すれば、上記したように、EMC試験の設備規模を抑制しつつ、放射ノイズの測定を規格同等の精度で実施することができる。よって、例えば数多くの水準で簡易的な放射ノイズ測定が必要な場合において、大規模な設備を用いることなく、規格と同等の精度でEMC試験を実施することができる。
第1実施形態における試験装置およびその周辺機器の概略構成を示す斜視図である。 第1実施形態における試験装置およびその周辺機器の概略構成を示す上面図である。 第1プローブの詳細な配置を示す上面図である。 仮想アンテナと第1プローブによる放射ノイズの測定結果を示す図である。 仮想アンテナと第1プローブおよび第2プローブによる放射ノイズのシミュレーション結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各図相互において、互いに同一もしくは均等である部分に、同一符号を付与する。また、x方向と、x方向に直交するy方向と、x方向およびy方向に対して一次独立なz方向を定義する。また、各実施形態の説明において示す寸法はあくまで一例であって、その寸法によって発明を限定するものではない。
(第1実施形態)
EMC試験には、電子機器の放射ノイズを測定するエミッション試験(EMI)と、電子機器の電気的ノイズ耐性を測定するイミュニティ試験(EMS)とがある。本実施形態における試験装置は、レイリーの相反定理に従い、EMI、EMS、いずれの試験にも用いることができるが、以下では特にEMI試験に供される試験装置の例について説明する。
最初に、図1〜図3を参照して、本実施形態に係る試験装置の概略構成について説明する。
図1に示すように、この試験装置100は、長方形の試験台10と、主プローブとしての第1プローブ20と、補助プローブとしての第2プローブ30と、を備えている。この試験装置100は図示しない電波暗室内に配置され、外部環境に存在する外乱ノイズを遮蔽した環境に置かれている。
試験台10は、被試験機が載置される平面Pが接地された、所謂グランドプレーンである。本実施形態では、被試験機が載置される平面Pは電波暗室の床Qから略900mmに位置するように構成されている。以下の説明では、長方形を成す試験台10の一辺はx方向に沿い、該一辺に直交する辺はy方向に沿うとする。すなわち、平面Pの、電波暗室の床Qからの高さは、互いの平面P−Q間のz方向の距離に相当する。なお、平面Pは、特許請求の範囲に記載の載置面に相当する。
試験台10の平面P上には、電子機器200と、電子機器200の接続先の機器を模擬した模擬機器210と、電子機器200と模擬機器210とを電気的に接続するハーネス220とが被試験機として載置されている。
電子機器200は例えば車載のECUやカーナビゲーションであり、模擬機器210は例えばバッテリ等、所定の内部抵抗を有する外部機器が想定されている。また、ハーネス220は、電子機器200と模擬機器210とを電気的に接続する有線ケーブルを想定しており、本実施形態では2本のハーネス220が電子機器200と模擬機器210との間を仲介している。
被試験機の相互配置と、被試験機の試験台10との相対位置を示す上面図を図2に示す。図2に示すように、電子機器200と模擬機器210はy方向に並んで配置されている。そして、x方向において、電子機器200および模擬機器210の端面は、試験台10の一辺Rから、それぞれ略200mm内側に配置されている。
ハーネス220は、電子機器200からx方向に延設された後に略直角に曲げられてy方向に沿って延設され、さらに略直角に曲げられて模擬機器210に接続されている。図2に示すように、ハーネス220のy方向における延設長さは略1500mmである。なお、2本のハーネス220のうち、試験台10の一辺Rに近い側のハーネス220は、一辺Rからの距離が略100mmとなるようにy方向に延設されている。すなわち、EMC試験は、電子機器200、模擬機器210およびハーネス220を含む被試験機が、試験台10の一辺Rから100mm内側に配置された状態で実施される。
なお、後述する規格の定めに則ったEMC試験は、図1または図2に示すように、y方向に1500mm延設されたハーネス220の垂直二等分線上であって、ハーネス220からx方向に略1000mm離れた位置を位相中心として配置されたアンテナSを用いて行われる。すなわち、アンテナSの有効開口面はハーネス220から略1000mmの距離に配置される。言い換えれば、アンテナSの有効開口面および位相中心は、試験台10の一面Rから略900mmの位置にある。本実施形態における試験装置100はアンテナSを有さず、図1および図2においては便宜的にその位置を破線で示している。以降、アンテナSを仮想アンテナSと称する。
第1プローブ20は、試験台10における被試験機が載置される平面P上に配置された矩形のハーフアンテナである。第1プローブ20は、ハーフアンテナの端部がグランドプレーンたる試験台10に接続されて、全体としてループアンテナを形成している。第1プローブ20は、図2に示すように、電子機器200と仮想アンテナSとの対向領域Tに、第1プローブ20の一部が含まれるように配置されている。
ここで、対向領域Tとは、試験台10の平面Pを正面視したとき、図2に示すように、電子機器200と仮想アンテナSの共通する接線L1およびL2、さらに電子機器200および仮想アンテナS(とくに有効開口面)に囲まれた領域である。なお、通常、仮想アンテナSは垂直偏波と水平偏波の両方を測定するためにx軸まわりに回転することを想定している。図2はz方向から見た二次元的な対向領域Tを示しているが、三次元的には、仮想アンテナSがx軸まわりに回転したときの有効開口面の通過面と、電子機器200とに囲まれる略円錐台状の空間が対向領域Tに相当する。
第1プローブ20は、対向領域Tにその一部が含まれるように配置されることにより、電子機器200の任意の位置から仮想アンテナSに向かうエネルギーフローを受信することができるようになっている。なお、仮想アンテナSの形状や寸法について詳述していないが、仮想アンテナSの形状および寸法は一般に、車載受信機保護のための妨害波の限度値及び測定法(CISPR−25)等の規格に定めがあるものを採用する。
なお、CISPR−25には、ハーネス220からx方向に略1000mm離れた仮想アンテナSの位相中心について、垂直モノポールエレメント、または、バイコニカルアンテナの中心点、または、対数周期ダイポールアンテナの先端、との規定がある。第1プローブ20が、上記位相中心から電子機器200に延ばした2つの接線と電子機器200とに囲まれた領域に第1プローブ20の一部が含まれるように配置するとさらに好適である。
第1プローブ20の具体的な配置について図3を参照して説明する。試験台10の平面Pを正面視したとき、第1プローブ20は、一辺Rに対して斜めに配置されており、x方向に略260mm、y方向に略240mm延びて配置されている。第1プローブ20は上記したようにハーフアンテナであり、平面Pからのz方向の高さは略150mmである。第1プローブ20は一辺Rから略25mm内側に配置されている。結果的に、本実施形態における第1プローブ20はハーネス220を跨いで配置されている。平面Pを正面視したときの第1プローブ20とハーネス220との交点は、第1プローブ20を3:1に内分する点になっている。
第2プローブ30は、特許請求の範囲に記載の補助プローブに相当し、試験台10における被試験機が載置される平面P上に配置された矩形のハーフアンテナである。第2プローブ30は、ハーフアンテナの端部がグランドプレーンたる試験台10に接続されて、全体としてループアンテナを形成している。本実施形態における第2プローブ30の形状および寸法は第1プローブ20と同一である。第2プローブ30は、図1および図2に示すように、ハーネス220と試験台10の一辺Rの間に配置され、平面Pを正面視したときにy方向に延びて配置されている。とくに、本実施形態では、第2プローブ30が模擬機器210とハーネス220との接続点Uと一辺Rの間に配置されている。被試験機から放射される放射ノイズは、電子機器200から直接放射される成分と、ハーネス220から放射される成分とを含む。とくに、CISPR−25は、仮想アンテナSとハーネス220との間の距離を1000mmと規定しており、想定される電波の波長(略3000mm)に対して短い。このため、静電結合による放射ノイズの伝搬が無視できない。第2プローブ30は、第1プローブ20によって計測される放射ノイズを補正する目的で配置されている。
なお、上記目的を達成するためには、第2プローブ30は、図2に示すように、ハーネス220と試験台10の一辺Rの間に配置されていれば良いが、放射ノイズはインピーダンスが急激に変化する箇所において発生しやすいため、好ましくは、本実施形態のように、第2プローブ30が模擬機器210とハーネス220との接続点Uと一辺Rの間に配置されていると良い。
次に、図4および図5を参照して、本実施形態における試験装置100を採用することによる作用効果について説明する。
発明者は、実機による実験、および実機を想定したコンピュータシミュレーションにより、仮想アンテナSを用いる放射ノイズの測定と、第1プローブ20および第2プローブ30を用いる放射ノイズの測定との比較を行った。
発明者は、まず、第1プローブ20のみにより放射ノイズを測定する実験を行った。試験装置100および被試験機(電子機器200、模擬機器210、ハーネス220)の構成は上記したとおりである。第1プローブ20のみによる放射ノイズの測定とは、換言すれば、補助プローブたる第2プローブ30において放射ノイズを補正しない測定を云う。
図4は実験の結果を示すグラフである。横軸は放射ノイズの周波数であり、縦軸は放射ノイズの強度を示している。図4によれば、測定された周波数のうち、500MHz−1000MHzの範囲において、従来の仮想アンテナSによる測定値と、本実施形態における第1プローブ20による測定値と、がほぼ一致していることがわかる。互いの測定値の相関係数(R値)は略0.8であり、一般的に強相関の部類に入る。なお、ここで云う仮想アンテナSによる測定値は、垂直偏波の放射ノイズ強度と水平偏波の放射ノイズ強度のうち、強度の大きいものを採用した値である。
発明者は、実験の結果が示すように、仮想アンテナSによる従来の測定と、本実施形態における第1プローブ20による測定とが強い相関を示すことを見出した。このため、本実施形態における試験装置100を採用すれば、仮想アンテナSに代替して、例えば規格を擬似的に再現したEMC試験を行うことができる。
なお、仮想アンテナSによる従来の測定と、第1プローブ20による測定との強い相関は、第1プローブ20の少なくとも一部が、電子機器200と仮想アンテナSの共通する接線L1およびL2、さらに電子機器200および仮想アンテナSに囲まれた対向領域Tに含まれるように配置されていることにより実現することができる。
電子機器200は、電子機器200を構成するいずれかの箇所を放射ノイズ源としており、放射ノイズの原因となる電磁界の変化は、電子機器200のいずれかの箇所から、仮想アンテナSのいずれかの箇所に向かう。すなわち、対向領域T内に、第1プローブ20の少なくとも一部が含まれることにより、放射ノイズの原因となる電磁界をより感度良く捕捉することができる。例えば、放射ノイズの発生源が特定できているような場合であれば、該発生源と、仮想アンテナSの位相中心とを結ぶ仮想直線上に第1プローブ20を配置することが好ましい。
また、本実施形態における試験装置100は、放射ノイズを計測する第1プローブ20が試験台10上に配置されるので、被試験体としての電子機器200、模擬機器210、ハーネス220、および放射ノイズを計測する第1プローブ20がすべて試験台10上に載置されることになる。よって、EMC試験の設備の大きさは試験台10の大きさまで小さくすることができる。
上記したように、この試験装置10を採用すれば、EMC試験の設備規模を抑制しつつ、放射ノイズの測定を規格同等の精度で実施することができる。よって、例えば数多くの水準で簡易的な放射ノイズ測定が必要な場合において、大規模な設備を用いることなく、規格と同等の精度でEMC試験を実施することができる。
なお、本実施形態においては、第1プローブ20の少なくとも一部が、電子機器200と仮想アンテナSの共通する接線L1およびL2、さらに電子機器200および仮想アンテナSに囲まれた対向領域Tに含まれる構成について示した。しかしながら、第1プローブ20の配置が、仮想アンテナSの位相中心から電子機器200に延ばした2つの接線と電子機器200とに囲まれた領域に一部が含まれるように配置するとさらに好適である。
さらに、発明者は、第1プローブ20による測定結果を第2プローブ30による測定結果により補正するコンピュータシミュレーションを行った。
図5はコンピュータシミュレーションの結果を示すグラフである。仮想アンテナSによるシミュレーション結果に対して、第1プローブ20単独によるシミュレーション結果では、10−20dBm程度のオフセットが存在するとともに、極大値と極小値の差分が大きく出ている。一方、第2プローブ30による補正によって、これらが緩和されていることがわかる。図5に示す結果によれば、第2プローブ30による測定値によって第1プローブ20単独での測定値を補正することにより、試験装置100による放射ノイズの測定を、仮想アンテナSによる測定値により近づけることができる。なお、本実施形態では、第1プローブ20のみによる測定結果と、第2プローブ30のみによる測定結果の和を補正後の測定結果としている。
この測定値に対する補正について、発明者は、第1プローブ20により捉えきれないハーネス220が生じさせる電磁界の変化を、第2プローブ30により検出することにより、試験装置100による放射ノイズの測定を、仮想アンテナSによる測定値により近づけることができると推察する。
また、第2プローブ30も、第1プローブ20と同様に試験台10上に配置されるので、被試験体としての電子機器200、模擬機器210、ハーネス220、および放射ノイズを計測する第1プローブ20,第2プローブ30がすべて試験台10上に載置されることになる。よって、EMC試験の設備の大きさは試験台10の大きさまで小さくすることができる。
なお、仮想アンテナSを用いる測定とはCISPR−25に準じて実施されるものであり、仮想アンテナSの位相中心が規格により定められた一点に配置された状態でEMC試験が実施される。このため、電子機器200やハーネス220から放射される電磁ノイズが干渉により互いに弱め合う周波数が存在する。図5に示す実験の結果は、仮想アンテナSをy方向に走査して測定することにより、干渉による測定のNull点を排除した結果である。
上記したように、CISPR−25に準じて実施される測定では、干渉によるNull点が存在する虞があるが、本実施形態における試験装置100は、図5に示すように、Null点を排除した結果と相関を持つ測定結果を得ることができる。すなわち、Null点を排除した高精度の測定を実施することができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
上記した実施形態では、第1プローブ20と第2プローブ30とがともにループアンテナである例について説明した。しかしながら、電磁界を計測可能なアンテナであれば、第1プローブ20および第2プローブ30の種類については限定されるものではない。とはいえ、ループアンテナは簡易な構造で電磁界を感度良く測定できるため、第1プローブ20および第2プローブ30として採用するには好適である。とくに、ハーフアンテナがグランドプレーンたる試験台10と一体化してループアンテナとして機能するように構成することにより、第1プローブ20および第2プローブ30の構成をより簡素にすることができる。
上記した実施形態では、補助プローブたる第2プローブ30が一つだけ配置される例について説明したが、第2プローブ30は複数配置されても良い。第2プローブ30をハーネス220の延設方向、すなわちy方向に沿って複数配置することにより、ハーネス220から放射される放射ノイズを、より多数のサンプル点で測定できる。したがって、より正確に放射ノイズの測定値を補正することができる。
また、上記した実施形態では、第1プローブ20および第2プローブ30を放射ノイズ検出用の受信機として利用するエミッション試験を例に説明したが、試験装置100は、第1プローブ20および第2プローブ30を放射ノイズの送信機としても機能させることができる。すなわち、レイリーの相反定理に従い、試験装置100をイミュニティ試験の試験装置として利用することもできる。試験装置100をイミュニティ試験の装置として利用する場合でも、電子機器200、模擬機器210、ハーネス220、および放射ノイズを放射する第1プローブ20,第2プローブ30がすべて試験台10上に載置されることになるので、従来に比較して電波暗室の規模を小さくすることができる。
10…試験台,20…第1プローブ(プローブ),30…第2プローブ(補助プローブ),100…試験装置,200…電子機器,210…模擬機器,220…ハーネス,S…仮想アンテナ,T…対向領域

Claims (8)

  1. 電子機器(200)の電磁両立性を試験するための試験装置であって、
    前記電子機器と、前記電子機器と電気的に接続される機器を想定した模擬機器(210)と、前記電子機器と前記模擬機器を結ぶハーネス(220)と、が載置される試験台(10)と、
    前記電子機器から放射される放射ノイズを計測する、あるいは、前記電子機器に向けて試験用の放射ノイズを放射するプローブ(20)と、を備え、
    前記試験台は矩形を成し、前記試験台の一辺(R)に平行に、前記一辺から100mmの距離に前記ハーネスが延設され、前記ハーネスの一端に前記電子機器が接続され、他端に前記模擬機器が接続される構成において、
    前記試験台における前記電子機器が載置される載置面を正面視して、前記試験台の一辺から所定の距離に置かれた仮想アンテナ(S)を想定し、前記仮想アンテナが、前記一辺に直交する方向において、前記仮想アンテナの位相中心が前記一辺から900mmの距離であって、前記一辺に沿う方向において、前記電子機器と前記模擬機器との中間に位置するとき、
    前記プローブは、前記一辺に直交する方向における前記一辺と前記電子機器の間の前記試験台上に配置され、且つ、前記電子機器と前記仮想アンテナの間の対向領域(T)に、前記プローブの一部が含まれるように配置されることを特徴とする試験装置。
  2. 前記プローブは前記ハーネスを跨いで配置されることを特徴とする請求項に記載の試験装置。
  3. さらに、前記ハーネスと前記一辺の間の前記試験台上に、前記電子機器から放射される放射ノイズを計測する、あるいは、前記電子機器に向けて試験用の放射ノイズを放射する補助プローブ(30)を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の試験装置。
  4. 前記補助プローブは、前記ハーネスと前記模擬機器との接続点と、前記一辺の間に配置されることを特徴とする請求項に記載の試験装置。
  5. 前記補助プローブはループアンテナであることを特徴とする請求項または請求項に記載の試験装置。
  6. 前記補助プローブは、ハーフアンテナが前記試験台と一体化してループアンテナとして機能することを特徴とする請求項に記載の試験装置。
  7. 前記プローブはループアンテナであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の試験装置。
  8. 前記プローブは、ハーフアンテナが前記試験台と一体化してループアンテナとして機能することを特徴とする請求項に記載の試験装置。
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