JP6375956B2 - 等価電界強度推定方法および放射妨害波測定装置 - Google Patents

等価電界強度推定方法および放射妨害波測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、30MHz以下の産業科学医療機器および照明機器などの放射妨害波測定で用いられるラージループアンテナシステムによる等価電界強度推定方法および放射妨害波測定装置に関する。
近年、家電製品や電気自動車等において、無線技術により迅速かつ容易に充電することを可能としたワイヤレス電力伝送システムを導入するニーズが高まってきている。これらシステムにおいて、高調波等による放射妨害波の発生が懸念されており、30MHz以下の妨害波測定評価法に関する検討がCISPR(Comite International Special des Perturbations Radioelectriques 国際無線障害特別委員会)で進められている。
ワイヤレス電力伝送システムは産業科学医療機器に分類され、これらの機器から放射される放射妨害波は、CISPR11により国際的に定められた試験条件及び試験方法により測定が実施される。CISPR11答申案作成アドホックのワイヤレス電力伝送システムの測定法に関する提案によれば、各種ワイヤレス電力伝送システムの9KHz〜30MHz帯域での放射妨害波試験法において、ラージループアンテナシステムを使用することが提案されている。
CISPR16−1−4及び非特許文献1記載のラージループアンテナシステムは直径2m、もしくは3m、もしくは4mのループアンテナ内(以下ラージループアンテナと呼称する。)に供試体を配置し、供試体から放射される電磁波(ここでは磁界)によってラージループアンテナに誘起される電流値を測定し、その電流値から等価電界強度(遠方の磁界強度に真空中の特性インピーダンスを掛け合わせた値)を推定するシステムである。ここで、供試体から放射される磁界の放射方向が未知のため、ラージループアンテナを独立した3軸の方向に配置し、それぞれの電流値を測定する。なお、ラージループアンテナの鉛直方向の電流値が大きい場合は、供試体を水平方向に90度傾けた状態として、ラージループアンテナの水平方向の電流値を測定する。このようにして得られた電流値にCISPR16−1−4及び非特許文献1に記載された3m、10m、30mの等価電界強度の水平方向成分への変換係数を掛け合わせることにより、供試体から放射される妨害波の等価電界強度を推定する方法が記載されている。
一方、前記CISPR16−1−4及び非特許文献1記載のラージループアンテナの鉛直方向の電流値が大きな場合を補うため、非特許文献2では、供試体は水平に配置したままでの状態で、供試体を水平に回転させた場合の水平方向および鉛直方向の双方を考慮した等価電界強度の変換係数を用いる推定方法が提案されている。この変換係数は、最大周波数が2MHzで、かつ、推定距離が3mの場合についてグラフのみ掲載されている。
J.R.Bergervoet、H.v.Veen 「A LARGE−LOOP ANTENNA FOR MAGNETIC FIELD MEASUREMENTS」 Proceedings of the 8th International Zurich Symposium on EMC, pp 29−34, March 1989, ETH Zentrum − IKT, 8092 Zurich, Switzerland. Takahashi Shinozuka, Akira Sugiura, Atsuhiro Nishikata 「Rigorous Analysis of a Loop Antenna System for Magnetic Interference Measurement」 IEICE TRANS, COMMUM,. VOL76 B, NO.1 JANUARY 1993
ラージループアンテナシステムで車載用ワイヤレス電力伝送システムのような鉛直方向に磁界が放射される機器を測定する場合、鉛直方向の磁界を測定するラージループアンテナにおいて電流値が強くなる可能性が高く、供試体を鉛直方向に回転させて測定を行う可能性が高い。そのため、測定する供試体の向きが実際の製品の使用形態と異なり、推定する等価電界強度についても実際の使用形態とは大きく異なるということが容易に推察される。CISPR16−1−4では、ラージループアンテナシステムの構成と3m、10m、30mの等価電界強度の水平方向成分についての変換係数が記載されているが、鉛直方向への変換係数に関する記載がないため、車載用ワイヤレス電力伝送システムのような鉛直方向に磁界が放射される機器の等価電界強度を推定する場合、等価電界強度が強くなることが予測される鉛直方向成分について推定することができないという問題点がある。
また、ラージループアンテナシステムを使用しない試験法では、受信アンテナに直径60cm程度のループアンテナを適用し、供試体を水平方向に回転させて磁界の最大値を評価するが、CISPR16−1−4および非特許文献1記載の試験法では供試体の回転を考慮していないという問題点がある。
一方、非特許文献2では、供試体を水平に配置し、水平に回転させた場合の最大等価電界強度への変換係数を用いる推定方法が提案されているが、この変換係数は、最大周波数が2MHzまで、かつ、推定距離が3mの場合についてグラフのみが掲載されており、導出された変換係数の明確な記載がないため、前記の条件以外で推定することが困難であるという問題がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、第1の目的は、供試体から放射される磁界によってラージループアンテナに誘起される電流値を用い、ラージループアンテナの半径よりも遠方距離の所定の位置における各軸に対する等価電界強度を推定する方法および装置を提供する。
また、本発明の第2の目的は、前記の電流値を用い、供試体を回転させた時のラージループアンテナの半径よりも遠方距離の所定の位置における各軸の最大等価電界強度を推定する方法および装置を提供する。
本発明の第1の推定方法は、直交座標の各軸に対して直径が等しい3つのループアンテナを配置し、前記3つのループアンテナの内部に供試体を配置して測定される放射妨害波の放射磁界の各軸における電流値からループアンテナの半径よりも遠方距離の所定の位置における各軸に対する等価電界強度を推定する等価電界強度推定方法であって、前記3つのループアンテナの内部に微小磁気ダイポールを配置した状態で各軸における放射磁界の電流値を求める第1の手順と、前記微小磁気ダイポールをグランドプレーンに対して0mの高さを含む所定の高さに配置した状態で前記所定の位置における各軸に対する等価電界強度を求める第2の手順と、前記第2の手順から求めた各軸に対する等価電界強度を前記第1の手順から求めた各軸の電流値で除算して変換係数の行列式を求める第3の手順と、前記3つのループアンテナの内部に供試体を配置して各軸における放射妨害波の放射磁界の電流値を測定して、前記第3の手順から求めた変換係数の行列式を掛け合わせることにより、グランドプレーンに対して0mの高さを含む所定の高さに配置した供試体の前記所定の位置における各軸に対する等価電界強度を推定する第4の手順を備えたことを特徴とする等価電界強度推定方法である。
また、本発明の第2の推定方法は、直交座標の各軸に対して直径が等しい3つのループアンテナを配置し、前記3つのループアンテナの内部に供試体を配置して測定される放射妨害波の放射磁界の各軸における電流値から、ループアンテナの半径よりも遠方距離の所定の位置において得られる各軸の最大等価電界強度を推定する等価電界強度推定方法であって、前記3つのループアンテナの内部に微小磁気ダイポールを配置した状態で各軸における放射磁界の電流値を求める第1の手順と、前記微小磁気ダイポールをグランドプレーンに対して0mの高さを含む所定の高さに極方向がグランドプレーンに対して鉛直となるように配置した状態で前記所定の位置における各軸の等価電界強度を求める第2の手順と、前記第2の手順から求めた各軸の等価電界強度を前記第1の手順から求めた各軸の電流値で除算して変換係数を求める第3の手順と、前記微小磁気ダイポールをグランドプレーンに対して0mの高さを含む所定の高さに極方向がグランドプレーンに対して水平となるように配置したうえで水平方向に回転させたときに、前記所定の位置において得られる各軸の最大等価電界強度を求め、当該各軸の最大等価電界強度を前記第1の手順の各軸の電流値で除算して変換係数を求めて、前記第3の手順の変換係数と組合せた行列式を求める第4の手順と、前記3つのループアンテナの内部に供試体を配置して放射妨害波の放射磁界の水平方向の独立した2方向成分の電流値の二乗和の平方根および鉛直方向の電流値を測定して、前記第4の手順から求めた変換係数の行列式を掛け合わせることにより、供試体をグランドプレーンに対して0mの高さを含む所定の高さに配置し、かつ、グランドプレーンに対して水平に回転させたときに、前記所定の位置において得られる各軸の最大等価電界強度を推定する第5の手順を備えたことを特徴とする等価電界強度推定方法である。
また、本発明の第1及び第2の等価電界強度推定方法において、3つのループアンテナを1つのループアンテナとして各軸に配置変えして各軸の電流値を測定しても良い。
また、本発明の第1及び第2の等価電界強度推定方法において、ループアンテナの直径は、CISPR規格に準拠した2m、3m、または、4mとしても良い。なお、ループアンテナの半径は、推定する等価電界強度の距離よりも短い必要がある。
また、本発明の第1及び第2の等価電界強度推定方法において、遠方距離の所定の位置がCISPR規格に準拠した3m、10m、または、30mとしても良い。
また、本発明の第1及び第2の等価電界強度推定方法において、推定する等価電界強度はグランドプレーンが存在しない自由空間の等価電界強度でも良い。
本発明の第1の測定装置は、直交座標の各軸に対して直径が等しい3つのループアンテナを配置し、前記3つのループアンテナの内部に供試体を配置して測定される放射妨害波の放射磁界の各軸における電流値からループアンテナの半径よりも遠方距離の所定の位置における各軸に対する等価電界強度を推定する放射妨害波測定装置であって、直交座標の各軸に対して配置される直径が等しい3つのループアンテナと、データ記憶部と、測定及び演算部とを備え、前記測定及び演算部は、前記3つのループアンテナの内部に微小磁気ダイポールを配置した状態での各軸における放射磁界の電流値を求めて、前記データ記憶部に記憶し、前記微小磁気ダイポールをグランドプレーンに対して0mの高さを含む所定の高さに配置した状態での前記所定の位置における各軸に対する等価電界強度を求めて、前記データ記憶部に記憶し、前記データ記憶部からそれぞれデータを読み出し、前記各軸に対する等価電界強度を前記各軸の電流値で除算して変換係数の行列式を求めて、前記データ記憶部に記憶し、前記3つのループアンテナの内部に供試体を配置したときの各軸における放射妨害波の放射磁界の電流値を求め、当該電流値に対して前記データ記憶部から読み出された変換係数の行列式を掛け合わせることにより、グランドプレーンに対して0mの高さを含む所定の高さに配置した供試体の前記所定の位置における各軸に対する等価電界強度を推定することを特徴とする放射妨害波測定装置である。
また、本発明の第2の測定装置は、直交座標の各軸に対して直径が等しい3つのループアンテナを配置し、前記3つのループアンテナの内部に供試体を配置して測定される放射妨害波の放射磁界の各軸の電流値から、ループアンテナの半径よりも遠方距離の所定の位置において得られる各軸の最大等価電界強度を推定する放射妨害波測定装置であって、直交座標の各軸に対して配置される直径が等しい3つのループアンテナと、データ記憶部と、測定及び演算部とを備え、前記測定及び演算部は、前記3つのループアンテナの内部に微小磁気ダイポールを配置した状態での各軸における放射磁界の電流値を求めて、前記データ記憶部に記憶し、前記微小磁気ダイポールをグランドプレーンに対して0mの高さを含む所定の高さに極方向がグランドプレーンに対して鉛直となるように配置した状態での前記所定の位置における各軸の等価電界強度を求めて、前記データ記憶部に記憶し、前記データ記憶部からそれぞれのデータを読み出して、前記各軸の等価電界強度を前記各軸の電流値で除算して変換係数を求めて、前記データ記憶部に記憶し、前記微小磁気ダイポールをグランドプレーンに対して0mの高さを含む所定の高さに極方向がグランドプレーンに対して水平となるように配置したうえで水平方向に回転させたときに、前記所定の位置において得られる各軸の最大等価電界強度を求め、当該各軸の最大等価電界強度を前記データ記憶部から読み出された前記各軸の電流値で除算して変換係数を求めて、前記データ記憶部から読み出された前記変換係数と組合せた行列式を求めて、前記データ記憶部に記憶し、前記3つのループアンテナの内部に供試体を配置したときの放射妨害波の放射磁界の水平方向の独立した2方向成分の電流値の二乗和の平方根および鉛直方向の電流値を測定して、前記データ記憶部から読み出された前記変換係数の行列式を掛け合わせることにより、供試体をグランドプレーンに対して0mの高さを含む所定の高さに配置し、かつ、グランドプレーンに対して水平に回転させたときに、前記所定の位置において得られる各軸の最大等価電界強度を推定することを特徴とする放射妨害波測定装置である。
また、本発明の第1及び第2の放射妨害波測定装置において、3つのループアンテナを1つのループアンテナとして各軸に配置変えして各軸の電流値を測定しても良い。
また、本発明の第1及び第2の放射妨害波測定装置において、ループアンテナの直径は、CISPR規格に準拠した2m、3m、または、4mとしても良い。なお、ループアンテナの半径は、推定する等価電界強度の距離よりも短い必要がある。
また、本発明の第1及び第2の放射妨害波測定装置において、遠方距離の所定の位置がCISPR規格に準拠した3m、10m、または、30mとしても良い。
また、本発明の第1及び第2の放射妨害波測定装置において、推定する等価電界強度がグランドプレーンの存在しない自由空間の等価電界強度でも良い。
本発明の第1の等価電界強度推定方法によれば、供試体から放射される妨害波によって誘起されるラージループアンテナシステムの各軸の電流値を用いて、各軸に対する変換係数の行列式により、ループアンテナの半径よりも遠方距離の所定の位置における各軸の等価電界強度を正確に推定することができる効果を奏する。
また、本発明の第2の等価電界強度推定方法によれば、供試体から放射される妨害波によって誘起されるラージループアンテナシステムの各軸の電流値を用いて、鉛直方向の変換係数と水平方向の変換係数による行列式により、グランドプレーンに対して0mの高さを含む所定の高さに配置し、かつ、グランドプレーンに対して水平に回転させた供試体のループアンテナの半径よりも遠方距離の所定の位置の各軸の最大等価電界強度を正確に推定することができる効果を奏する。
本発明の第1の放射妨害波測定装置によれば、供試体から放射される妨害波によって誘起されるラージループアンテナシステムの各軸の電流値を測定して、各軸に対する変換係数の行列式により、ループアンテナの半径よりも遠方距離の所定の位置における各軸の等価電界強度を正確に推定することができる効果を奏する。
また、本発明の第2の放射妨害波測定装置によれば、供試体から放射される妨害波によって誘起されるラージループアンテナシステムの各軸の電流値を測定して、鉛直方向の変換係数と水平方向の変換係数による行列式により、グランドプレーンに対して0mの高さを含む所定の高さに配置し、かつ、グランドプレーンに対して水平に回転させた供試体のループアンテナの半径よりも遠方距離の所定の位置の各軸の最大等価電界強度を正確に推定することができる効果を奏する。
また、ラージループアンテナシステムが設置できる空間のみで、CISPR規格に準拠した10mや30mのような遠方距離における等価電界強度を正確に得ることができるため、膨大な測定環境を必要とせずに、遠方距離の等価電界強度を正確に推定することができる効果も奏する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る推定方法を示した概略図である。 図2は本発明の第1の実施形態に係る推定条件を説明するための概略図である。 図3は本発明の第1の実施形態に係る推定方法の流れを示したフローチャートである。 図4は図2の推定条件における推定結果と理論値とのX軸成分偏差を示した特性図である。 図5は図2の推定条件における推定結果と理論値とのZ軸成分偏差を示した特性図である。 図6は本発明の第2の実施形態に係る推定条件を説明するための概略図である。 図7は本発明の第2の実施形態に係る推定方法の流れを示したフローチャートである。 図8は図6の推定条件における推定結果と理論値とのX軸成分偏差を示した特性図である。 図9は図6の推定条件における推定結果と理論値とのZ軸成分偏差を示した特性図である。 図10は本発明の第3の実施形態および第4の実施形態に係る測定装置を示めした概略図である。 図11は本発明の第3の実施形態および第4の実施形態に係る測定装置の主要な構成要素を示すブロック図である。 図12は図11のコンピュータの構成を示すブロック図である。 図13は本発明の第3の実施形態および第4の実施形態に係る測定装置における測定処理を示したフローチャートである。 図14は本発明の第3の実施形態に係る測定装置における演算処理を示したフローチャートである。 図15は本発明の第3の実施形態および第4の実施形態においてラージループアンテナが1つの場合の形態に係る測定装置を示した概略図である。 図16は本発明の第4の実施形態に係る測定装置における演算処理を示したフローチャートである。
[第1の実施の形態]
以下、本発明に基づく第1の発明の実施の形態について詳細に説明する。始めに、本発明の第1の実施の形態に係る等価電界強度推定方法の概要について説明する。
ラージループアンテナシステムは供試体の磁気ダイポールモーメントによって誘起されるラージループアンテナの電流値を測定する装置である。供試体は測定周波数の9kHz〜30MHzの波長に対して微小であるという仮定をすると、ある量の磁気ダイポールモーメントの大きさと向きを持った微小磁気ダイポールと考えることができる。これにより、微小磁気ダイポールによって放射される等価電界強度の理論式にラージループアンテナの出力から推定される磁気ダイポールモーメントを用いることで、供試体の放射電磁界を理論計算できることが分かる。
第1の実施の形態に係る等価電界強度推定方法は、以下の第1ないし第4の手順を備えている。第1の手順ではラージループアンテナシステム内に微小磁気ダイポールが配置した時の、ラージループアンテナシステムの出力を下記の数1によって算出する。
Figure 0006375956
μは真空中の透磁率、Mは磁気ダイポールモーメント、Rはラージループアンテナの半径、Lはラージループアンテナのインダクタンス、kはラージループアンテナを構成する同軸ケーブル内部の波数、Rはラージループアンテナを構成する同軸ケーブルのインピーダンス、Rは終端インピーダンス、Cは光速である。このときIはラージループアンテナの電流値を示し、添え字は方向を表しており、Zは鉛直方向、XとYは水平方向の独立した2つの方向を示している。Iはラージループアンテナを鉛直方向に配置した場合の電流値とし、IおよびIは水平方向にラージループアンテナを配置したときの電流値である。
第2の手順では、所望の位置に放射される微小磁気ダイポールの磁界を下記の数2を用いて算出する。
Figure 0006375956

rは微小磁気ダイポールから観測点までの距離、kは空気中の波数である。
ここで極座標を直交座標に変換すると磁界は数3で表すことができる。
Figure 0006375956
微小磁気ダイポールがグランドプレーンを含む0mよりも高いところに配置された状態では、鏡像理論を用いて所望の位置の磁界を下記の数4にて算出できる。なお、床面にグランドプレーンがない場合(自由空間条件)においては、所望の位置の磁界は数3で得られる。
Figure 0006375956
最後に下記の式を用いて磁界から等価電界強度を計算する。
Figure 0006375956
第3の手順では、数2と数3と数4および数5を用いて微小磁気ダイポールの極方向がX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の向きに向いている場合に放射される等価電界強度を計算した後、数1で計算したラージループアンテナシステムの出力を除算して変換係数を得る。微小磁気ダイポールの極方向を独立した3方向に向けて、その向き毎に等価電界強度の方向成分を3方向計算するため、併せて9つの等価電界強度を得ることができる。この9つの等価電界強度を数1で計算したラージループアンテナシステムの出力で除算して9つの変換係数を得る。この9つの変換係数を用いて、ラージループアンテナシステムの出力と等価電界強度との関係は下記の数6で表すことができる。
Figure 0006375956
第4の手順では、供試体をラージループアンテナシステム内に配置した状態でラージループアンテナシステムの出力Ix、Iy、Izを測定し、数6を用いて所望の位置での等価電界強度を推定する。なお、所望の位置としては、CISPR規格に準拠した3m、10m、または、30mとすることができる。また上述したように、数4を用いずに数3を用いて計算して行けば、自由空間における等価電界強度を推定することができる。
[検証実験]
以下、図1から図5を参照して、第1の実施の形態に係る推定手順と等価電界強度推定方法の妥当性を検証するために行った実験について併せて説明する。図1は、実験の方法を説明するための概要図である。1はラージループアンテナシステム、2は、ラージループアンテナシステムを構成するラージループアンテナである。3は供試体の直径54cmのループアンテナで、このループアンテナは、ラージループアンテナシステムの中央に配置し、向きを鉛直方向に対して45°傾けて配置した。
図2は、推定する等価電界強度の条件である。3の供試体を5のグランドプレーンからの高さ1.3m位置に配置し、3の供試体から3m離れた位置の点である4の観測点の等価電界強度が推定を行う値である。
図3の推定手法の流れ示したフローチャートを参照して推定方法の手順を説明する。まずステップS101で数1に基づき微小磁気ダイポールがラージループアンテナシステム内に配置された場合の出力を計算する。
次にステップS102で数2、数3、数4、数5および図2に基づいて微小磁気ダイポールをグランドプレーンから高さ1.3mに配置したときの3m距離、高さ1.3mの等価電界強度を計算する。
次にステップS103でステップS101およびステップS102において得られた結果より3行3列の変換行列を計算する。
次にステップS104において図1に基づいて3の供試体をラージループアンテナシステム内に配置しラージループアンテナシステムの出力Ix、Iy、Izを測定する。そして、その出力に数6に示されるように変換行列を掛け合わせて等価電界強度を推定する。
図4は第1の実施形態による推定等価電界強度のX方向成分についてモーメント法で計算した理論値からの偏差を示している。図2の4の観測点の等価電界強度はモーメント法で理論計算できるため、モーメント法の計算値を推定等価電界強度の妥当性検証のために用いた。図4の7はCISPR16−1−4に記載された変換係数を用いた推定値、8は本発明による推定値である。また、図5は本発明の推定等価電界強度のZ方向成分についてモーメント法で計算した理論値からの偏差を示している。本発明の推定値は理論値に対して偏差が±1.0dB以内で推定できていることが分かる。
また、ここではラージループアンテナの直径が2mであるが、直径が3m、4mの場合においても、数1のRの値を変化させれば等価電界強度を推定できる。すなわち、ラージループアンテナの直径を、CISPR規格に準拠した2m、3m、または、4mとしても、等価電界強度を推定することができる。
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態に係る等価電界強度推定方法の概要について説明する。ラージループアンテナシステムを用いた等価電界強度は第1の実施の形態で得ることができるが、一般に3m、10m、30m距離での放射妨害波測定においては、供試体を水平方向に回転させた時の放射電界強度の最大値を探し評価を行う。これは、供試体の磁気ダイポールモーメントの水平成分を回転させて等価電界強度の最大値を探すことと同じである。そこで、微小磁気ダイポールの極方向を水平方向に配置した後、水平方向に回転させて等価電界強度の方向成分毎の最大値を探し、ここで得られた方向成分毎の最大値によって変換係数を計算する。また、供試体の磁気ダイポールモーメントの水平成分の強度はラージループアンテナ2つを水平方向に独立して配置して得られる2出力の二乗和の平方根と比例関係であるため、変換式にこの二乗和の平方根を用いる。
第2の実施の形態に係る等価電界強度推定方法は、第1から第5の手順を備えている。第1の手順ではラージループアンテナシステム内に微小磁気ダイポールが配置した時の、ラージループアンテナシステムの出力を数1によって算出する。
第2の手順では、所望の位置に放射される微小磁気ダイポールの磁界を数2によって算出する。
ここで極座標を直交座標に変換すると磁界は数3で表すことができる。
微小磁気ダイポールがグランドプレーンを含む0mよりも高いところに配置された状態では、鏡像理論を用いて所望の位置の磁界を数4にて算出できる。なお、床面にグランドプレーンがない場合(自由空間条件)においては、所望の位置の磁界は数3で得られる。
ここで、r´は鏡像送信源から観測点までの距離である。
最後に数5を用いて磁界から等価電界強度を計算する。
第3の手順では数2と数3と数4および数5を用いて微小磁気ダイポールの極方向がZ軸方向の向きに向いている場合に放射される等価電界強度を計算した後、数1のラージループアンテナシステムの出力を除算することにより変換係数Cxz(φ)、Cyz(φ)、Czz(φ)を計算する。この時、φは水平方向の回転角である。
第4の手順は、微小磁気ダイポールの極方向を水平方向に配置した後、水平方向に回転させて等価電界強度の各方向成分を回転角毎に計算する。この時に得られた回転角度毎の等価電界強度から方向成分毎に最大値を探す。この最大値の各方向成分を数1で計算したラージループアンテナシステムの出力で除算することにより変換係数C、C、Cを得る。供試体の磁気ダイポールモーメントの水平成分の強度はラージループアンテナ2つを水平方向に独立して配置した時に得られる2出力の二乗和の平方根と比例関係がある。また供試体の磁気ダイポールモーメントの鉛直成分は水平方向の回転に関わらず一定の方向を向くため、変換係数は回転角に依存せず一定の値である。これらを組み合わせた下記の式で、最大等価電界強度を表すことができる。
Figure 0006375956
第5の手順では、供試体をラージループアンテナシステム内に配置した状態でラージループアンテナシステムの出力Ix、Iy、Izを測定し、数7を用いて所望の位置での最大等価電界強度を推定する。
[検証実験]
以下、図1および図6から図9を参照して、第2の実施の形態に係る推定手順と等価電界強度推定方法の妥当性を検証するために行った実験について併せて説明する。図1は、実験の方法を説明するための概略図である。1はラージループアンテナシステム、2は、ラージループアンテナシステムを構成するラージループアンテナである。3は供試体の直径54cmのループアンテナで、このループアンテナは、ラージループアンテナシステムの中央に配置し、向きを鉛直方向に対して45°傾けて配置した。
図6は、推定する等価電界強度の条件である。3の供試体を5のグランドプレーンからの高さ1.3m位置に配置した時、3の供試体から3m離れた位置の点である4が観測点である。3の供試体を水平方向に回転させた時の観測点での等価電界強度の最大値を推定する。
図7の推定手法の流れ示したフローチャートを参照して推定方法の手順を説明する。まずステップS201で数1に基づき微小磁気ダイポールがラージループアンテナシステム内に配置された場合の出力を計算する。
次にステップS202で数2、数3、数4、数5および図2に基づいて微小磁気ダイポールをグランドプレーンから高さ1.3mに配置し、極方向を鉛直方向に配置した時の3m距離、高さ1.3mの等価電界強度を方向成分毎に計算し、変換係数を得る。
次にステップS203で微小磁気ダイポールをグランドプレーンから高さ1.3mに配置し極方向を水平方向に配置し、水平方向に回転させた時の3m距離、高さ1.3mでの各軸の最大等価電界強度を計算し、変換係数を得る。
次にステップS204で、ステップS202、ステップS203で得られた変換係数を組み合わせて変換行列を計算する。
次にステップS205で、供試体をラージループアンテナシステム内に配置しラージループアンテナシステムの出力Ix、Iy、Izを測定する。そして、その出力値に数7で示されたように変換行列を掛け合わせて推定位置での最大等価電界強度を推定する。
図8は本発明の推定等価電界強度のX方向成分についてモーメント法で計算した理論値からの偏差を示している。図6の4の観測点の等価電界強度はモーメント法で理論計算できるため、モーメント法の計算値を妥当性検証のために用いた。9は非特許文献に記載された変換係数を用いた推定値、10は本発明による推定値である。また、図9は本発明の推定等価電界強度のZ方向成分についてモーメント法で計算した理論値からの偏差を示している。本発明の推定値は理論値に対して偏差が±1.0dB以内で推定できていることが分かる。
以上より、第2の実施の形態の推定手順を用いることで供試体を回転させることなく、所望の位置での最大等価電界強度を推定することができる。
また、ここではラージループアンテナの直径が2mであるが、直径が3m、4mの場合においても、数1のRの値を変化させれば最大等価電界強度を推定できる。
[第3の実施の形態]
以下、本発明に基づく第3の発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明の第3の実施の形態は前記第1の実施の形態の等価電界強度推定方法を実施するための測定装置である。
始めに、図10ないし図11を参照して、第3の実施の形態に係る放射妨害波測定装置について説明する。本発明に係る放射妨害波測定装置は、ラージループアンテナ11と、ラージループアンテナ12と、ラージループアンテナ13の3つのラージループアンテナ1を備え、3つのラージループアンテナの電流値を測定する受信器15と、測定値を用いて等価電界強度を推定する演算部を備えたコンピュータ16を備えている。また、受信器15は例えば通信ケーブルによって、コンピュータ16に接続されている。なお、受信器15およびコンピュータ16が本発明による測定及び演算部を構成する。
図11は本発明に係る放射妨害波測定装置の主要な構成要素を示したブロック図である。本実施の形態に係る放射妨害波測定装置は、図11に示したように、ラージループアンテナシステム1と、ラージループアンテナシステム1の電流値を測定する受信器15と測定の制御を行う制御部17と演算処理部18を備えている。演算処理部18が行う処理については、後で詳しく説明する。本実施の形態では、制御部17と演算処理部18は、コンピュータ16によって実現されている。
図12は図11におけるコンピュータ16のハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータ16は、主制御部19と、入力装置20と、出力装置21と、記憶装置22と、これらを互いに接続するバス24とを備えている。主制御部19は、CPU(中央処理装置)およびRAM(ランダムアクセスメモリ)を有している。入力装置20は、放射妨害波測定装置の動作に必要な情報の入力や各種の動作の指示を行うために用いられる。出力装置21は、放射妨害波測定装置の動作に関連する各種の情報を出力(表示を含む)するために用いられる。
記憶装置22は、情報を記憶できるものであれば、その形態は問わないが、例えばハードディスク装置または光ディスク装置である。また、記憶装置22は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体23に対して情報を記録し、また記録媒体23より情報を再生するようになっている。記録媒体23は、例えばハードディスクまたは光ディスクである。記録媒体23は、図11に示した制御部17と演算処理部18を実現するためのプログラムを記録した記録媒体であってもよい。
主制御部19は、例えば記憶装置22の記録媒体23に記録されたプログラムを実行することにより、図11に示した制御部17と演算処理部18の機能を発揮するようになっている。なお、図11に示した制御部17と演算処理部18は、物理的に別個の要素ではなく、ソフトウェアによって実現される。
次に本発明に係る放射妨害波測定装置の動作について詳しく説明する。まず、図13を参照して測定処理について説明する。
まず、ステップS301で受信器15の設定条件をコンピュータ16に入力する。次にステップS302で、ラージループアンテナ11の電流値を測定し、測定値を記憶装置22に記憶させる。
次にステップS303で、ラージループアンテナ12の電流値を測定し、測定値を記憶装置22に記憶させる。最後に次にステップS304で、ラージループアンテナ13の電流値を測定し、測定値を記憶装置22に記憶させる。なお、ステップS302、S303およびS304は、順序を入れ替えてもよい。
次に、図14を参照して演算処理について説明する。まず、ステップS401で推定する位置をコンピュータ16に入力する。次にステップS402で、数1に基づき微小磁気ダイポールがラージループアンテナシステム内に配置された場合の出力を計算する。
次にステップS403で微小磁気ダイポールを供試体と同じ高さに配置した時の所定の推定位置での等価電界強度を数2、数3、数4、数5により計算する。
次にステップS404でステップS402とステップS403において得られた結果より変換行列を計算する。
次にステップS405で前記測定処理によって記憶装置22に記憶されたラージループアンテナ11およびラージループアンテナ12、ラージループアンテナ13の電流値を読み込む。
最後にステップS406で数6を用いて所定の推定位置での等価電界強度を計算する。
また、本形態に係る放射妨害波測定装置において、図15に示すように3つのループアンテナを1つのループアンテナとして各軸に配置変えして各軸の電流値を測定して演算処理を行っても同様の効果を得ることができる。
[第4の実施の形態]
以下、本発明に基づく第4の発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明の第4の実施の形態は前記第2の実施の形態の等価電界強度推定方法を実施するための測定装置である。
始めに、図10ないし図11を参照して、第4の実施の形態に係る放射妨害波測定装置について説明する。本発明に係る放射妨害波測定装置は、ラージループアンテナ11と、ラージループアンテナ12と、ラージループアンテナ13の3つのラージループアンテナ1を備え、3つのラージループアンテナの電流値を測定する受信器15と、測定値を用いて等価電界強度を推定する演算部を備えたコンピュータ16を備えている。また、受信器15は例えば通信ケーブルによって、コンピュータ16に接続されている。なお、受信器15およびコンピュータ16が本発明による測定及び演算部を構成する。
図11は本発明に係る放射妨害波測定装置の主要な構成要素を示したブロック図である。本実施の形態に係る放射妨害波測定装置は、図11に示したように、ラージループアンテナシステム1と、ラージループアンテナシステム1の電流値を測定する受信器15と測定の制御を行う制御部17と演算処理部18を備えている。演算処理部18が行う処理については、後で詳しく説明する。本実施の形態では、制御部17と演算処理部18は、コンピュータ16によって実現されている。
図12は図11におけるコンピュータ16のハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータ16は、主制御部19と、入力装置20と、出力装置21と、記憶装置22と、これらを互いに接続するバス24とを備えている。主制御部19は、CPU(中央処理装置)およびRAM(ランダムアクセスメモリ)を有している。入力装置20は、放射妨害波測定装置の動作に必要な情報の入力や各種の動作の指示を行うために用いられる。出力装置21は、放射妨害波測定装置の動作に関連する各種の情報を出力(表示を含む)するために用いられる。
記憶装置22は、情報を記憶できるものであれば、その形態は問わないが、例えばハードディスク装置または光ディスク装置である。また、記憶装置22は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体23に対して情報を記録し、また記録媒体23より情報を再生するようになっている。記録媒体23は、例えばハードディスクまたは光ディスクである。記録媒体23は、図11に示した制御部17と演算処理部18を実現するためのプログラムを記録した記録媒体であってもよい。
主制御部19は、例えば記憶装置22の記録媒体23に記録されたプログラムを実行することにより、図11に示した制御部17と演算処理部18の機能を発揮するようになっている。なお、図11に示した制御部17と演算処理部18は、物理的に別個の要素ではなく、ソフトウェアによって実現される。
次に本発明に係る放射妨害波測定装置の動作について詳しく説明する。まず、図13を参照して測定処理について説明する。
まず、ステップS301で受信器15の設定条件をコンピュータ16に入力する。次にステップS302で、ラージループアンテナ11の電流値を測定し、測定値を記憶装置22に記憶させる。
次にステップS303で、ラージループアンテナ12の電流値を測定し、測定値を記憶装置22に記憶させる。最後に次にステップS304で、ラージループアンテナ13の電流値を測定し、測定値を記憶装置22に記憶させる。なお、ステップS302、S303およびS304は、順序を入れ替えてもよい。
次に、図16を参照して演算処理について説明する。まず、ステップS501で推定する位置をコンピュータ16に入力する。次にステップS502で、数1に基づき微小磁気ダイポールがラージループアンテナシステム内に配置された場合の出力を計算する。
次にステップS503で微小磁気ダイポールを供試体と同じ高さに配置し、かつ極方向を鉛直方向に配置した時における所定の推定位置での各軸の等価電界強度を数2、数3、数4、数5により計算し、S502で得られた出力を除算して変換係数を求める。
次にステップS504で微小磁気ダイポールを供試体と同じ高さに配置し、かつ極方向を水平方向に配置し水平方向に回転させた時の所定の推定位置での各軸の最大等価電界強度を数2、数3、数4、数5により計算し、S502で得られた出力を除算して変換係数を求める。
次にステップS505でステップS503、ステップS504で得られた変換係数を組み合わせて変換行列を計算する。
次にステップS506で前記測定処理によって記憶装置22に記憶されたラージループアンテナ11およびラージループアンテナ12、ラージループアンテナ13の電流値を読み込む。
最後にステップS507で数7を用いて所定の推定位置での各軸の最大等価電界強度を計算する。
また、本形態に係る放射妨害波測定装置において、3つのループアンテナを1つのループアンテナとして各軸に配置変えして各軸の電流値を測定して演算処理を行っても同様の効果を得ることができる。
1 ラージループアンテナシステム
2 ラージループアンテナ
3 直径54cmのループアンテナ
4 観測点
5 グランドプレーン
6 座標軸
7 CISPR16−1−4に記載された変換係数を用いた推定値と理論値との偏差特性
8 第1の実施形態による推定値と理論値との偏差特性
9 非特許文献2に記載された変換係数を用いた推定値と理論値との偏差特性
10 第2の実施形態による推定値と理論値との偏差特性
11 ラージループアンテナ
12 ラージループアンテナ
13 ラージループアンテナ
14 供試体
15 受信器
16 コンピュータ
17 制御部
18 演算部
19 主制御部
20 入力装置
21 出力装置
22 記録装置
23 記憶媒体
24 接続バス

Claims (12)

  1. 直交座標の各軸に対して直径が等しい3つのループアンテナを配置し、前記3つのループアンテナの内部に供試体を配置して測定される放射妨害波の放射磁界の各軸における電流値からループアンテナの半径よりも遠方距離の所定の位置における各軸に対する等価電界強度を推定する等価電界強度推定方法であって、
    前記3つのループアンテナの内部に微小磁気ダイポールを配置した状態で各軸における放射磁界の電流値を求める第1の手順と、
    前記微小磁気ダイポールをグランドプレーンに対して0mの高さを含む所定の高さに配置した状態で前記所定の位置における各軸に対する等価電界強度を求める第2の手順と、
    前記第2の手順から求めた各軸に対する等価電界強度を前記第1の手順から求めた各軸の電流値で除算して変換係数の行列式を求める第3の手順と、
    前記3つのループアンテナの内部に供試体を配置して各軸における放射妨害波の放射磁界の電流値を測定して、前記第3の手順から求めた変換係数の行列式を掛け合わせることにより、グランドプレーンに対して0mの高さを含む所定の高さに配置した供試体の前記所定の位置における各軸に対する等価電界強度を推定する第4の手順
    を備えたことを特徴とする等価電界強度推定方法。
  2. 直交座標の各軸に対して直径が等しい3つのループアンテナを配置し、前記3つのループアンテナの内部に供試体を配置して測定される放射妨害波の放射磁界の各軸における電流値から、ループアンテナの半径よりも遠方距離の所定の位置において得られる各軸の最大等価電界強度を推定する等価電界強度推定方法であって、
    前記3つのループアンテナの内部に微小磁気ダイポールを配置した状態で各軸における放射磁界の電流値を求める第1の手順と、
    前記微小磁気ダイポールをグランドプレーンに対して0mの高さを含む所定の高さに極方向がグランドプレーンに対して鉛直となるように配置した状態で前記所定の位置における各軸の等価電界強度を求める第2の手順と、
    前記第2の手順から求めた各軸の等価電界強度を前記第1の手順から求めた各軸の電流値で除算して変換係数を求める第3の手順と、
    前記微小磁気ダイポールをグランドプレーンに対して0mの高さを含む所定の高さに極方向がグランドプレーンに対して水平となるように配置したうえで水平方向に回転させたときに、前記所定の位置において得られる各軸の最大等価電界強度を求め、当該各軸の最大等価電界強度を前記第1の手順の各軸の電流値で除算して変換係数を求めて、前記第3の手順の変換係数と組合せた行列式を求める第4の手順と、
    前記3つのループアンテナの内部に供試体を配置して放射妨害波の放射磁界の水平方向の独立した2方向成分の電流値の二乗和の平方根および鉛直方向の電流値を測定して、前記第4の手順から求めた変換係数の行列式を掛け合わせることにより、供試体をグランドプレーンに対して0mの高さを含む所定の高さに配置し、かつ、グランドプレーンに対して水平に回転させたときに、前記所定の位置において得られる各軸の最大等価電界強度を推定する第5の手順
    を備えたことを特徴とする等価電界強度推定方法。
  3. 前記3つのループアンテナを1つのループアンテナとして各軸に配置変えすることにより各軸の電流値を測定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の等価電界強度推定方法。
  4. 前記ループアンテナの直径がCISPR規格に準拠した2m、3m、または、4mの直径であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の等価電界強度推定方法。
  5. 前記遠方距離の所定の位置がCISPR規格に準拠した3m、10m、または、30mの位置であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の等価電界強度推定方法。
  6. 請求項1又は請求項2記載の等価電界強度が自由空間の等価電界強度であることを特徴とする等価電界強度推定方法。
  7. 直交座標の各軸に対して直径が等しい3つのループアンテナを配置し、前記3つのループアンテナの内部に供試体を配置して測定される放射妨害波の放射磁界の各軸における電流値からループアンテナの半径よりも遠方距離の所定の位置における各軸に対する等価電界強度を推定する放射妨害波測定装置であって、
    直交座標の各軸に対して配置される直径が等しい3つのループアンテナと、
    データ記憶部と、
    測定及び演算部とを備え、
    前記測定及び演算部は、
    前記3つのループアンテナの内部に微小磁気ダイポールを配置した状態での各軸における放射磁界の電流値を求めて、前記データ記憶部に記憶し、
    前記微小磁気ダイポールをグランドプレーンに対して0mの高さを含む所定の高さに配置した状態での前記所定の位置における各軸に対する等価電界強度を求めて、前記データ記憶部に記憶し、
    前記データ記憶部からそれぞれデータを読み出し、前記各軸に対する等価電界強度を前記各軸の電流値で除算して変換係数の行列式を求めて、前記データ記憶部に記憶し、
    前記3つのループアンテナの内部に供試体を配置したときの各軸における放射妨害波の放射磁界の電流値を求め、当該電流値に対して前記データ記憶部から読み出された変換係数の行列式を掛け合わせることにより、グランドプレーンに対して0mの高さを含む所定の高さに配置した供試体の前記所定の位置における各軸に対する等価電界強度を推定する
    ことを特徴とする放射妨害波測定装置。
  8. 直交座標の各軸に対して直径が等しい3つのループアンテナを配置し、前記3つのループアンテナの内部に供試体を配置して測定される放射妨害波の放射磁界の各軸の電流値から、ループアンテナの半径よりも遠方距離の所定の位置において得られる各軸の最大等価電界強度を推定する放射妨害波測定装置であって、
    直交座標の各軸に対して配置される直径が等しい3つのループアンテナと、
    データ記憶部と、
    測定及び演算部とを備え、
    前記測定及び演算部は、
    前記3つのループアンテナの内部に微小磁気ダイポールを配置した状態での各軸における放射磁界の電流値を求めて、前記データ記憶部に記憶し、
    前記微小磁気ダイポールをグランドプレーンに対して0mの高さを含む所定の高さに極方向がグランドプレーンに対して鉛直となるように配置した状態での前記所定の位置における各軸の等価電界強度を求めて、前記データ記憶部に記憶し、
    前記データ記憶部からそれぞれのデータを読み出して、前記各軸の等価電界強度を前記各軸の電流値で除算して変換係数を求めて、前記データ記憶部に記憶し、
    前記微小磁気ダイポールをグランドプレーンに対して0mの高さを含む所定の高さに極方向がグランドプレーンに対して水平となるように配置したうえで水平方向に回転させたときに、前記所定の位置において得られる各軸の最大等価電界強度を求め、当該各軸の最大等価電界強度を前記データ記憶部から読み出された前記各軸の電流値で除算して変換係数を求めて、前記データ記憶部から読み出された前記変換係数と組合せた行列式を求めて、前記データ記憶部に記憶し、
    前記3つのループアンテナの内部に供試体を配置したときの放射妨害波の放射磁界の水平方向の独立した2方向成分の電流値の二乗和の平方根および鉛直方向の電流値を測定して、前記データ記憶部から読み出された前記変換係数の行列式を掛け合わせることにより、供試体をグランドプレーンに対して0mの高さを含む所定の高さに配置し、かつ、グランドプレーンに対して水平に回転させたときに、前記所定の位置において得られる各軸の最大等価電界強度を推定する
    ことを特徴とする放射妨害波測定装置。
  9. 前記3つのループアンテナは、1つのループアンテナを各軸に配置変えすることにより形成されることを特徴とする請求項7又は請求項8記載の放射妨害波測定装置。
  10. 前記ループアンテナの直径がCISPR規格に準拠した2m、3m、または、4mの直径であることを特徴とする請求項7又は請求項8記載の放射妨害波測定装置。
  11. 前記遠方距離の所定の位置がCISPR規格に準拠した3m、10m、または、30mの位置であることを特徴とする請求項7又は請求項8記載の放射妨害波測定装置。
  12. 請求項7又は請求項8記載の等価電界強度が自由空間の等価電界強度であることを特徴とする放射妨害波測定装置。
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