JP5596610B2 - 局所平均吸収電力測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、人体の電磁気的特性を模擬するファントムの内部に電界プローブまたは磁界プローブが設けられ、無線機からファントムに照射された電波の電界強度或いは磁界強度を電界プローブまたは磁界プローブにより測定する方法に関する。特に、複数アンテナからの同一周波数同時送信における人体に吸収される電力(吸収電力)が最大となる局所での平均吸収電力(局所平均吸収電力)を求める局所平均吸収電力測定方法に関する。
従来、人体での吸収電力を測定する場合、人体の電磁気的特性を模擬するファントムを構成し、このファントムに吸収される電力を測定して人体における吸収電力を類推している。そして、具体的な測定方法として、頭部に特化した非特許文献1、あるいは頭部以外に特化した非特許文献2に記載された方法などが用いられている。また、複数のアンテナから同一周波数同時送信を行う、いわゆるマルチアンテナの吸収電力の測定手順として、特許文献1や2がある。
図1から図3を用いて、代表的な従来技術について説明する。図1は、従来の局所平均吸収電力測定方法での構成品の配置を示す図である。図2は、第1の従来の局所平均吸収電力測定方法の処理フローを示す図である。図3は、第2の従来の局所平均吸収電力測定方法の処理フローを示す図である。図1では、y軸上に無線機(図示していない)のアンテナ810が置かれ、y軸方向に所定の距離を空けて直方体のファントム920が設置されている。電界プローブまたは磁界プローブ910は、先端部が位置する部分での電界強度或いは磁界強度を測定する。なお、ファントムは人体の頭部の形状の場合もある。また、軸をどの向きにするかも任意である。
第1の従来の局所平均吸収電力測定方法(図2)では、アンテナ810側のファントム920の表面から所定の距離内側の2次元面921上の複数の測定点921mn(mは1〜Mの整数、nは1〜Nの整数)で、電界強度または磁界強度を測定し、吸収電力を計算する(S911)。吸収電力が最大となった測定点921mnを含む3次元空間925内の複数の測定点で、吸収電力を求める(S912)。なお、3次元空間925内の測定では、S911の測定よりも測定点の間隔を細かくする。どの程度細かくするかは、要求される測定精度にあわせて決めれば良い。そして、吸収電力が最大となる点近傍での局所的な平均吸収電力(局所平均吸収電力)を求める(S913)。
第2の従来の局所平均吸収電力測定方法(図3)では、アンテナ810側のファントム920の表面から所定の距離内側の2次元面921上の複数の測定点921mn(mは1〜Mの整数、nは1〜Nの整数)で、電界または磁界、もしくは電界および磁界の振幅と位相を測定する(S921)。等価定理等を用いて、3次元空間925の吸収電力の分布を計算する(S922)。計算した3次元空間925の吸収電力の分布から、局所平均吸収電力を求める(S923)。
なお、以下の説明を簡略にするために、第1の従来の局所平均吸収電力測定方法の処理フロー全体(S911〜S913)をまとめて、ステップS910といい、第2の従来の局所平均吸収電力測定方法の処理フロー全体(S921〜S923)をまとめて、ステップS920という。
図4のように複数のアンテナ310を有し、かつそれらが同一周波数帯で同時に使用される、いわゆるマルチアンテナの無線機においては、各アンテナからの送信電力と位相によって吸収電力分布、さらには局所平均吸収電力が異なるため、様々な送信電力と位相の条件に対する吸収電力を評価した上で局所平均吸収電力の最大値を探索する必要がある。全ての条件に対して逐次吸収電力測定をすることは非常に時間を要するため、特許文献1では、測定点をあらかじめ定めておき、アンテナ側の条件を変えながら吸収電力測定を行う。局所平均吸収電力が最大となりそうな条件を明確にした上で、その条件でステップS910、あるいはステップS920を実施する。また、特許文献2では、各アンテナが単独で送信したときに形成する2次元平面上の電界または磁界、もしくは電界および磁界の振幅と位相の分布を測定する。アンテナの送信電力と位相の条件に対応する測定点での振幅と位相を、それらの分布に加味してベクトル合成したものをステップS921と考え、ステップS922とS923の計算を行うことで、ステップS920を実施する。
特開2008−249394号公報 国際公開第2010/100983号
マルチアンテナのSAR測定においては、各アンテナ間の相互結合によってアンテナ全体としての指向特性が変化する可能性があり、アンテナが1つの場合とは結果が大きく異なることもあり得る。したがって、従来の方法を用いて同一周波数帯で同時に使用される複数のアンテナを有する無線機の局所平均吸収電力を測定するには、いろいろな各アンテナの送信電力と位相との組み合わせで、ステップS910又はS920を繰り返す必要があり、膨大な時間が必要である。
特許文献1の局所平均吸収電力測定方法は、上記の課題を解決する1つの方法である。この方法は、各アンテナの送信電力と位相の組み合わせ又は各アンテナの送信電力のみの組み合わせを変更しながら繰り返し、局所平均吸収電力が最大となると予測される組合せを選定する。しかし、局所平均吸収電力の測定または計算は、繰り返さない。したがって、実際には局所平均吸収電力が最大となる組合せを見逃している可能性がある。
特許文献2の局所平均吸収電力測定方法は、特許文献1の課題も解決する1つの方法である。特許文献2の局所平均吸収電力測定方法は、電界プローブまたは磁界プローブを2次元的に走査して得られた電界または磁界、もしくは電界および磁界の振幅と位相の測定値を元に、計算処理によって3次元的な吸収電力分布に展開できるため、測定時間の短縮に寄与していた。しかしながら、電界または磁界、もしくは電界および磁界の振幅と位相を測定し、かつ、吸収電力測定用途に適した小ささを持つ電界プローブまたは磁界プローブは一般的に高価である。
本発明の目的は、一般的に吸収電力測定に広く用いられており、電界または磁界の振幅のみを取得し、かつ十分な小ささが実現できている従来型の電界プローブまたは磁界プローブを用いて、複数のアンテナから同一周波数の電波を同時に送信する場合の局所平均吸収電力を効率的に測定する方法を提供することである。
本発明の局所平均吸収電力測定方法は、人体の電磁気的特性を模擬するファントムの内部に電界プローブまたは磁界プローブが設けられ、同一周波数の電波を同時に放射できる複数のアンテナからファントムに照射された電波の電界強度を電界プローブにより測定するまたは磁界強度を磁界プローブにより測定する局所平均吸収電力測定方法である。なお、「複数のアンテナ」とは、1つの無線機が複数のアンテナを備えている場合と、複数の無線機に分かれて複数のアンテナが備えられている場合の両方を含んでいる。本発明の局所平均吸収電力測定方法は、単独送信振幅測定サブステップ、同時送信振幅測定サブステップ、位相差計算サブステップを有するベクトル推定ステップと、合成サブステップ、局所平均吸収電力候補計算サブステップを有する局所平均吸収電力計算ステップを有する。
単独送信振幅測定サブステップは、ファントムの内部に3次元的に配置された複数の測定点でそれぞれ、複数のアンテナの中の1つずつが作る電界の振幅(以下、「単独電界の振幅」という)または磁界の振幅(以下、「単独磁界の振幅」という)を測定する。この測定によって、単独のアンテナへの給電の条件(給電の振幅)と単独のアンテナが各測定点に形成する電界または磁界の振幅の関係が求められる。同時送信振幅測定サブステップは、あらかじめ定めた条件で複数のアンテナの中の2つ以上が同時に同一周波数の電波を放射するときの電界の振幅(以下、「複数電界の振幅」という)または磁界の振幅(以下、「複数磁界の振幅」という)を、複数の測定点のそれぞれで測定する。なお、「あらかじめ定めた条件」は、同時に電波を放射する各アンテナが形成する電界または磁界の位相差を、位相差計算サブステップで求められるような条件であり、各アンテナへの給電の振幅、位相の組合せを1つまたは複数含む。位相差計算サブステップは、単独電界の振幅と複数電界の振幅から、各アンテナが各測定点に形成する電界の位相差(以下、「単独電界の位相差」という)を計算する、または、単独磁界の振幅と複数磁界の振幅から、各アンテナが各測定点に形成する磁界の位相差(以下、「単独磁界の位相差」という)を計算する。
合成サブステップは、単独電界の振幅と単独電界の位相差に重み付けをして合成する計算を行って合成電界を求める、または、単独磁界の振幅と単独磁界の位相差にあらかじめ定めた重み付けをして合成する計算を行って合成磁界を求める。なお、「重み付け」は、単独送信振幅測定サブステップで求めた単独のアンテナへの給電の条件と単独のアンテナが各測定点に形成する電界または磁界の振幅の関係に対応させて、測定点ごとに重み付けを決めればよい。局所平均吸収電力候補計算サブステップは、合成電界または合成磁界を用いて3次元の吸収電力分布を計算し、重み付けに対応した吸収電力分布での局所平均吸収電力を局所平均吸収電力候補として求める。局所平均吸収電力計算ステップは、合成サブステップと局所平均吸収電力候補計算サブステップとを、あらかじめ定めた重み付けを変更しながら繰り返して複数の局所平均吸収電力候補を求める。
本発明の局所平均吸収電力測定方法によれば、一般的に吸収電力測定に広く用いられており、電界または磁界、もしくは電界および磁界の振幅のみを取得する従来型の電界プローブまたは磁界プローブを用いることができる。
従来の局所平均吸収電力測定方法での構成品の配置を示す図。 第1の従来の局所平均吸収電力測定方法の処理フローを示す図。 第2の従来の局所平均吸収電力測定方法の処理フローを示す図。 アンテナの数を複数にした場合の従来の局所平均吸収電力測定方法での構成品の配置を示す図。 本発明の局所平均吸収電力測定方法の処理フローを示す図。 本発明の局所平均吸収電力測定方法での構成品の配置を示す図。 図6をyz平面に垂直な方向から見た図。 2つの電界と合成された電界の関係を示す図。 局所平均吸収電力算出装置の機能構成例を示す図。 2つの電界と合成された電界の関係、および一方の電界の位相を変更した場合の合成された電界を示す図。 計算で求められた位相差の分布の例を示す図。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
実施例1の局所平均吸収電力測定方法は、人体の電磁気的特性を模擬するファントムの内部に電界プローブまたは磁界プローブが設けられ、同一周波数の電波を同時に放射できる複数のアンテナからファントムに照射された電波の電界強度を電界プローブにより測定するまたは磁界強度を磁界プローブにより測定する局所平均吸収電力測定方法である。なお、「複数のアンテナ」とは、1つの無線機が複数のアンテナを備えている場合と、複数の無線機に分かれて複数のアンテナが備えられている場合の両方を含んでいる。図5に、実施例1の局所平均吸収電力測定方法の処理フローを示す。図6は実施例1の局所平均吸収電力測定方法での構成品の配置を示す図であり、図7は図6をyz平面に垂直な方向から見た図である。
実施例1の局所平均吸収電力測定方法は、単独送信振幅測定サブステップ(S110)、同時送信振幅測定サブステップ(S120)、位相差計算サブステップ(S130)を有するベクトル推定ステップ(S100)と、合成サブステップ(S210)、局所平均吸収電力候補計算サブステップ(S220)を有する局所平均吸収電力計算ステップ(S200)、局所平均吸収電力を求めるステップ(S410)を有する。
まず、ファントム920の内部に3次元的に配置された複数の測定点511lmnでそれぞれ、複数のアンテナ310の中の1つずつが作る電界の振幅(以下、「単独電界の振幅」という)または磁界の振幅(以下、「単独磁界の振幅」という)を、電界プローブまたは磁界プローブ910で測定する(S110:単独送信振幅測定サブステップ)。なお、kは1〜Kの整数、lは1〜Lの整数、mは1〜Mの整数、nは1〜Nの整数である。Kはアンテナの数を示し、Lはy軸方向の測定点の数、Mはx軸方向の測定点の数、Nはz軸方向の測定点の数を示している。つまり、3次元空間での測定点の数は、L×M×N個ある。単独送信振幅測定サブステップ(S110)では、各アンテナ310への給電の振幅(電力)を決め、各測定点511lmnに形成される電界または磁界の振幅を測定する。したがって、単独のアンテナへの給電の条件(給電の振幅)と単独のアンテナが各測定点に形成する電界または磁界の振幅の関係が求められる。
次に、あらかじめ定めた条件で複数のアンテナ310の中の2つ以上が同時に同一周波数の電波を放射するときの電界の振幅(以下、「複数電界の振幅」という)または磁界の振幅(以下、「複数磁界の振幅」という)を、複数の測定点511lmnのそれぞれで測定する(S120:同時送信振幅測定サブステップ)。「あらかじめ定めた条件」は、同時に電波を放射する各アンテナ310が形成する電界または磁界の位相差を、位相差計算サブステップ(S130)で求められるような条件であり、各アンテナ310への給電の振幅、位相および、それらの組合せの数などを含む。なお、位相差を求める原理については、後述する。
単独電界の振幅と複数電界の振幅から、各アンテナ310が各測定点511lmnに形成する電界の位相差(以下、「単独電界の位相差」という)を計算する、または、単独磁界の振幅と複数磁界の振幅から、各アンテナ310が各測定点511lmnに形成する磁界の位相差(以下、「単独磁界の位相差」という)を計算する(S130:位相差計算サブステップ)。位相差とは、同時送信振幅測定サブステップ(S120)で電波を放射したアンテナの1つが測定点511lmnに形成する電界または磁界の位相と、他の電波を放出したアンテナが測定点511lmnに形成する電界または磁界の位相との差である。
次に、同時送信振幅測定サブステップ(S120)と位相差計算サブステップ(S130)で位相差を求める原理について、詳細に説明する。まず、例えば、同時に同一周波数の電波を放射するアンテナの数が2の場合を考える。図8に2つの電界と合成された電界の関係を示す。アンテナ310が測定点511lmnに形成する電界の振幅をA、位相をφ、アンテナ310が測定点511lmnに形成する電界の振幅をA、位相をφ、合成された電界の振幅をAsimとする。図8(A)はアンテナ310が形成する電界の方が位相が進んでいる場合、図8(B)はアンテナ310が形成する電界の方が位相が進んでいる場合をそれぞれ示している。どちらの場合も、
Figure 0005596610
の関係が成り立つ。したがって、
Figure 0005596610
となる。アンテナ310とアンテナ310への給電の振幅と位相を定めれば、その給電のときに測定点511lmnに形成する電界の振幅Aと振幅Aは、単独送信振幅測定サブステップ(S110)の結果から分かる。また、同時送信振幅測定サブステップ(S120)での測定により、合成された電界の振幅Asimも分かる。したがって、位相差計算サブステップ(S130)では、式(2)の計算を行えば、位相差の絶対値Δφ=|φ−φ|が分かる。そして、アンテナ310と測定点511lmnとの距離と、アンテナ310と測定点511lmnとの距離が分かっていれば、φ−φが正か負かも予測できる。したがって、同時送信振幅測定サブステップ(S120)の「あらかじめ定めた条件」として、単独送信振幅測定サブステップ(S110)の結果から測定点511lmnに形成される電界の振幅をAと振幅をAが分かるものを1つ選択すればよい。
次に、例えば、同時に同一周波数の電波を放射するアンテナの数が3の場合を考える。アンテナ310が測定点511lmnに形成する電界の振幅をA、位相をφ、アンテナ310が測定点511lmnに形成する電界の振幅をA、位相をφ、アンテナ310が測定点511lmnに形成する電界の振幅をA、位相をφ、合成された電界の振幅をAsimとする。この場合は、
Figure 0005596610
となる。この場合は、未知の値がcos(φ−φ)、cos(φ−φ)、cos(φ−φ)の3つ存在する。そこで、同時送信振幅測定サブステップ(S120)の「あらかじめ定めた条件」として、単独送信振幅測定サブステップ(S110)の結果から測定点511lmnに形成される電界の振幅をAと振幅をAが分かるもの(ただし、互いに1次独立なもの)を3つ選択すればよい。なお、位相は変更しない。そして、3元方程式を解くことで、cos(φ−φ)、cos(φ−φ)、cos(φ−φ)を求めることができ、さらには、|φ−φ|、|φ−φ|、|φ−φ|を求めることができる。なお、φ−φ、φ−φ、φ−φの正負についてはアンテナと測定点との距離から求めてもよいし、φ−φ、φ−φ、φ−φの間に矛盾が生じないように求めてもよい。同様に、同時に同一周波数の電波を放射するアンテナの数がP個の場合を考える。この場合は、未知の値はP個のアンテナから2つを選ぶ組合せの数だけ存在する。したがって、「あらかじめ定めた条件」として、単独送信振幅測定サブステップ(S110)の結果から測定点511lmnに形成される電界の振幅をAと振幅をAが分かるもの(ただし、互いに1次独立なもの)をP(P−1)/2個選択すればよい。なお、位相は変更しない。このように、あらかじめ定めた条件は、同時に電波を放出するアンテナの数に応じた数だけ定めればよい。上述の説明では電界を用いて説明したが、磁界の場合も同じである。
次に、局所平均吸収電力計算ステップ(S200)に進む。局所平均吸収電力計算ステップ(S200)では、まず、あらかじめ定めた手順で各アンテナ310への給電の振幅と位相の組合せを決める(S201)。具体的には、あらかじめ定めた組合せの中から順次選択してもよいし、あらかじめ定めた範囲内で初期値から順次変更してもかまわない。
そして、単独電界の振幅と単独電界の位相差に、給電の振幅と位相の組合せに応じた重み付けをして合成する計算を行って合成電界(すべてのアンテナによって測定点511lmnに形成される電界)を求める(S210:合成サブステップ)。または、単独磁界の振幅と単独磁界の位相差に、給電の振幅と位相の組合せに応じた重み付けをして合成する計算を行って合成磁界(すべてのアンテナによって測定点511lmnに形成される磁界)を求める(S210:合成サブステップ)。このように、ステップS201での各アンテナ310への給電の振幅と位相の組合せの決定と、ステップS210の給電の振幅と位相の組合せに応じた重み付けによって、単独電界の振幅と単独電界の位相差、または、単独磁界の振幅と単独磁界の位相差に対しての重み付けが行われる。なお、アンテナ310のみから電波を放射したときの測定点511lmnでの電界の振幅をA、位相をφ、アンテナ310のみから電波を放射したときの測定点511lmnでの電界の振幅をA、位相をφとすると、合成された電界の振幅Aと合成された位相φは、
Figure 0005596610
のように求めればよい。なお、アンテナ310の出力をn倍にするときは振幅A
Figure 0005596610
に置き換えた上で上記の合成を行えばよい。位相をθ分遅くするときは、位相φをφ−θに置き換えた上で上記の合成を行えばよい。振幅A、位相φについても同じように置き換えれば任意に重み付けを変更できる。さらに、アンテナの数が3個以上の場合には、上記の合成を繰り返せばよい。磁界の場合も同様である。
次に、合成電界または合成磁界を用いて3次元の吸収電力分布を計算し、重み付けに対応した吸収電力分布での局所平均吸収電力を局所平均吸収電力候補として求める(S220:局所平均吸収電力候補計算サブステップ)。そして、各アンテナ310への給電の振幅と位相のすべての組合せについての処理が終了したかを確認し(S202)、終了していない場合はステップS201に戻り、終了した場合はステップS200を終了する。このように、局所平均吸収電力計算ステップ(S200)では、合成サブステップ(S210)と局所平均吸収電力候補計算サブステップ(S220)とを、あらかじめ定めた重み付けを変更しながら繰り返して複数の局所平均吸収電力候補を求める。そして、求められた局所平均吸収電力候補のうち、最大のものを局所平均吸収電力とする(S410:局所平均吸収電力選定ステップ)。
図9は、図5の処理フローの一部を実行する局所平均吸収電力算出装置の機能構成例を示す図である。局所平均吸収電力算出装置10は、単独電界の振幅と複数電界の振幅、もしくは単独磁界の振幅と複数磁界の振幅(ステップS110とS120の結果)を、入力値とする。局所平均吸収電力算出装置10は、位相差計算部130、合成部210と局所平均吸収電力候補計算部220を有する局所平均吸収電力計算部200、局所平均吸収電力選定部410を備える。位相差計算部130は、位相差計算サブステップ(S130)を実行する。局所平均吸収電力計算部200は、局所平均吸収電力計算ステップ(S200)を実行する構成部であり、合成部210は合成サブステップ(S210)を実行し、局所平均吸収電力候補計算部220は局所平均吸収電力候補計算サブステップ(S220)を実行する。局所平均吸収電力選定部410は、局所平均吸収電力選定ステップ(S410)を実行する。なお、局所平均吸収電力選定部410は、無くてもよい。この場合は、局所平均吸収電力算出装置10は、複数の局所平均吸収電力候補を出力する。そして、人が最大のものを選定して局所平均吸収電力とすればよい。
本実施例の局所平均吸収電力測定方法によれば、一般的に吸収電力測定に広く用いられており、電界または磁界、もしくは電界および磁界の振幅のみを取得する従来型の電界プローブまたは磁界プローブを用いることができる。また、測定回数を各測定点に対して数回程度に抑えることができる。その測定の後に、各アンテナの任意の送信電力と位相の条件に対して局所平均吸収電力の計算を繰り返すことで、複数の局所平均吸収電力候補を求める。したがって、複数のアンテナから同一周波数を同時に送信する場合の局所平均吸収電力を求めるための労力や時間を低減できる。また、複数の局所平均吸収電力候補を求めるので、局所平均吸収電力が最大となる各アンテナの送信電力および位相の組み合わせを見逃す可能性が小さい。
[変形例1]
実施例1では、位相差の正負はアンテナ310と測定点511lmnとの距離などから分かることを前提としていた。本変形例では、位相差の正負が分からない場合について説明する。本変形例の処理フローも図5に示す。実施例1と異なる点は、同時送信振幅測定サブステップ(S121)と位相差計算サブステップ(S131)である。本変形例のベクトル推定ステップ(S101)は、単独送信振幅測定サブステップ(S110)、同時送信振幅測定サブステップ(S121)、位相差計算サブステップ(S131)を有する。
本変形例の原理を、図10を用いて説明する。図10は2つの電界と合成された電界の関係、および一方の電界の位相を変更した場合の合成された電界を示す図である。図10(A)はアンテナ310が形成する電界の方が位相が進んでいる場合、図10(B)はアンテナ310が形成する電界の方が位相が進んでいる場合をそれぞれ示している。
同時に同一周波数の電波を放射するアンテナの数が2の場合について説明する。アンテナ310が測定点511lmnに形成する電界の振幅をA、位相をφ、アンテナ310が測定点511lmnに形成する電界の振幅をA、位相をφ、合成された電界の振幅をAsim1とする。そして、アンテナ310への給電の振幅を維持したまま位相を変更する。位相変更後のアンテナ310が測定点511lmnに形成する電界の振幅をA’、位相をφ’、合成された電界の振幅をAsim2とする。図10(A)の場合も図10(B)の場合も、位相はφ’−φだけ変更されている。この図から、位相が離れる方向に変更された場合はAsim2が小さくなり、位相が近付く方向に変更された場合はAsim2が大きくなることが分かる。また、位相はアンテナ310への給電の位相を変更することで行うので、アンテナ310が測定点511lmnに形成する電界の位相もほぼ同じように変更される。したがって、位相を変更した方向とAsim2の振幅の変化から位相差の正負が分かる。磁界の場合も同様である。なお、どちらの方向を正とするかは、適宜定めればよい。
上述の原理を利用するため、本変形例の「あらかじめ定めた条件」は、同時に電波を放出するアンテナに供給する給電の振幅をあらかじめ定めた値とした第1条件と、第1条件の一方のアンテナへの給電の位相のみを変えた第2条件からなる。同時送信振幅測定サブステップ(S121)では、第1条件での複数電界の振幅または複数磁界の振幅Asim1と、第2条件での複数電界の振幅または複数磁界の振幅Asim2を測定する。位相差計算サブステップ(S131)では、測定点511lmnごとに、当該測定点での第1条件で電波を放出する一方のアンテナが形成する電界または磁界の位相φと他方のアンテナが形成する電界または磁界の位相φとの位相差の絶対値Δφ=|φ−φ|を、
Figure 0005596610
のように求める。そして、位相差φ−φまたはφ−φを、第1条件と第2条件の給電の位相の変更方向、位相差の絶対値Δφ=|φ−φ|と振幅Asim1、Asim2から求める。その他の処理は実施例1と同じである。
また、本変形例の処理フローの一部を実行する局所平均吸収電力算出装置の機能構成例を図9に示す。局所平均吸収電力算出装置11は、入力として第1条件だけでなく第2条件の場合の合成電界の振幅または合成磁界の振幅も入力される。また、位相差計算部131が位相差計算サブステップ(S131)を実行する点が実施例1と異なる。その他は実施例1と同じである。
このような構成なので、本変形例の局所平均吸収電力測定方法も実施例1と同様の効果が得られる。
[変形例2]
変形例1では、位相変更後(第2条件)の位相差の絶対値は求めなかった。本変形例では、位相変更後(第2条件)の位相差の絶対値も求める場合を示す。本変形例は、変形例1と位相差計算サブステップ(S132)のみが異なる。本変形例のベクトル推定ステップ(S102)は、単独送信振幅測定サブステップ(S110)、同時送信振幅測定サブステップ(S121)、位相差計算サブステップ(S132)を有する。
まず、本変形例の原理について説明する。上述のように、位相の変更は給電の位相を変更するので、変更した方向(正の方向か負の方向か)は分かる。したがって、例えば位相の変更φ’−φが10度、|φ−φ|が60°、|φ’−φ|が70°であれば、矛盾が生じないためにはφ−φ=60°であることが分かる。また、変更φ’−φが10度、|φ−φ|が60°、|φ’−φ|が50°であれば、矛盾が生じないためにはφ−φ=−60°であることが分かる。このように、位相の変更の方向が既知なので、φ−φの正負も分かる。なお、どちらの方向を正とするかは、適宜定めればよい。また、本変形例の場合、第2条件の給電の振幅を変更しても位相差の絶対値|φ’−φ|を求めることができる。したがって、変形例1と異なり、本変形例の場合は給電の振幅を第1条件と第2条件とで一致させる必要は無い。
位相差計算サブステップ(S132)では、測定点ごとに、当該測定点での第1条件で電波を放出する一方のアンテナが形成する電界または磁界の位相φと他方のアンテナが形成する電界または磁界の位相φとの位相差の絶対値Δφ=|φ−φ|を、式(6)のように求める。そして、当該測定点での第2条件で電波を放出する一方のアンテナが形成する電界または磁界の位相φ’と他方のアンテナが形成する電界または磁界の位相φとの位相差の絶対値Δφ’=|φ’−φ|を、
Figure 0005596610
のように求める。そして、位相差φ−φまたはφ−φを、第1条件と第2条件の給電の位相の変更方向、位相差の絶対値Δφ、Δφ’から求める。その他の処理は変形例1と同じである。ただし、本変形例では、同時送信振幅測定サブステップ(S121)での第1条件の振幅A,Aと第2条件の振幅A,Aを一致させる必要は無い。
また、本変形例の処理フローの一部を実行する局所平均吸収電力算出装置の機能構成例を図9に示す。局所平均吸収電力算出装置12は、入力として第1条件だけでなく第2条件の場合の合成電界の振幅または合成磁界の振幅も入力される。また、位相差計算部132が位相差計算サブステップ(S132)を実行する点が実施例1と異なる。その他は実施例1と同じである。
このような構成なので、本変形例の局所平均吸収電力測定方法も実施例1と同様の効果が得られる。
[変形例3]
実施例1、変形例1、変形例2では、測定点ごとに位相差φ−φの正負を判断した。本変形例では、これらの方法で求められた位相差φ−φの分布の連続性から正負を判断する。図11は、計算で求められた位相差の分布の例を示す図である。横軸はx軸に平行な線である。もちろんy軸に平行な線やz軸に平行な線でもよいし、任意の直線でもかまわない。縦軸は、線上の測定点511lmnでの位相差である。図11の黒丸が測定点ごとの計算によって求められた位相差である。位相差801と811は、正負を反転させて位相差802と812とした方が、位相差の分布が連続的となる。
そこで、本変形例では、位相差計算サブステップ(S130,S131,S132)の最後に、得られた位相差の正負を反転させると、隣接する測定点の位相差との連続性が向上する場合には、得られた位相差の正負を反転させる処理を付加する。このような処理なので、本変形例でも実施例1と同様の効果が得られる。また、精度よく局所平均吸収電力を求めることができる。
[変形例4]
本変形例では、精度を高めるために処理を繰り返す。具体的には、局所平均吸収電力候補計算サブステップ(S220)にて未だ計算していていない重み付けの組み合わせの中に、局所平均吸収電力が最大となる各アンテナへの給電の振幅と位相の組み合わせがあると予測される場合に行われる。例えば、局所平均吸収電力候補の中で最大のものが得られる重み付けを含む内挿用重み付けの範囲で、さらに重み付けをより細かく変更しながら合成サブステップ(S210)と局所平均吸収電力候補計算サブステップ(S220)とを繰り返す。なお、測定点の間隔を狭くした上でステップS110から繰り返してもよい。また、本変形例の局所平均吸収電力算出装置の構成は、実施例1、変形例1〜3と同じである。これにより、より精度よく局所平均吸収電力の最大値を得ることができる。
[変形例5]
実施例1では、求められた局所平均吸収電力候補のうち、最大のものを局所平均吸収電力とした(S410)。本変形例では、局所平均吸収電力候補の中で最大のものが得られる各アンテナへの給電の条件で局所平均吸収電力を測定し、測定結果を局所平均吸収電力とする(S420:局所平均吸収電力測定ステップ)。また、本変形例の局所平均吸収電力算出装置の構成は、実施例1、変形例1〜3と同じである。
本変形例によれば、測定の対象である局所平均吸収電力を計算結果ではなく実際の測定で求めるので、実施例1と同様の効果を得ることができ、かつ、より精度よく局所平均吸収電力の最大値を得ることができる。
[変形例6]
本変形は、実際の各アンテナへの給電の振幅と位相の組み合わせが時間的に変動する場合の局所平均吸収電力を求める。本変形例では、局所平均吸収電力の時間平均を求める。想定される各アンテナの送信電力と位相に対する局所平均吸収電力を計算または測定によって得ておく。その状態にある時間率(全時間に対するその状態である時間の割合)が既知であれば、その期待値を取ることによって時間平均の局所平均吸収電力を得ることができる。
そこで、あらかじめ定めた各アンテナへの給電の条件の時間的な変化に対応する重みを、給電の条件のときに得られる局所平均吸収電力候補に付加した加算によって、局所平均吸収電力を計算する(S430:局所平均吸収電力加算ステップ)。例えば、送信電力と位相の組み合わせ1に対する局所平均吸収電力候補をS、送信電力と位相の組み合わせ2に対する局所平均吸収電力候補をSとし、それぞれの状態にある時間をtおよびtとすると、時間的な変動を考慮した局所平均吸収電力候補は、S×t/(t+t)+S×t/(t+t)として得ることができる。この例の場合、t+tは、全時間を示しており、t/(t+t)は局所平均吸収電力がSとなる時間的な割合である。
また、本変形例の処理フローの一部を実行する局所平均吸収電力算出装置の機能構成例を図9に示す。局所平均吸収電力算出装置10、11、12は、局所平均吸収電力加算部430も備える。そして、局所平均吸収電力加算部430が局所平均吸収電力加算ステップ(S430)を実行する。その他は実施例1や他の変形例と同じである。これにより、より実環境に即した局所平均吸収電力を得ることができる。
[プログラム、記録媒体]
上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
また、上述の構成をコンピュータによって実現する場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、本装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
10、11、12 局所平均吸収電力算出装置
130、131、132 位相差計算部
200 局所平均吸収電力計算部 210 合成部
220 局所平均吸収電力候補計算部 310、810 アンテナ
410 局所平均吸収電力選定部 430 局所平均吸収電力加算部
511lmn、921mn 測定点
910 電界プローブまたは磁界プローブ 920 ファントム
921 2次元面 925 3次元空間

Claims (10)

  1. 人体の電磁気的特性を模擬するファントムの内部に電界プローブまたは磁界プローブが設けられ、同一周波数の電波を同時に放射できる複数のアンテナからファントムに照射された電波の電界強度を前記電界プローブにより測定するまたは磁界強度を前記磁界プローブにより測定する局所平均吸収電力測定方法において、
    前記ファントムの内部に3次元的に配置された複数の測定点でそれぞれ、前記複数のアンテナの中の1つずつが作る電界の振幅(以下、「単独電界の振幅」という)または磁界の振幅(以下、「単独磁界の振幅」という)を測定する単独送信振幅測定サブステップと、
    あらかじめ定めた条件で前記複数のアンテナの中の2つ以上が同時に同一周波数の電波を放射するときの電界の振幅(以下、「複数電界の振幅」という)または磁界の振幅(以下、「複数磁界の振幅」という)を、前記複数の測定点のそれぞれで測定する同時送信振幅測定サブステップと、
    前記単独電界の振幅と前記複数電界の振幅から、各アンテナが各測定点に形成する電界の位相差(以下、「単独電界の位相差」という)を計算する、または、前記単独磁界の振幅と前記複数磁界の振幅から、各アンテナが各測定点に形成する磁界の位相差(以下、「単独磁界の位相差」という)を計算する位相差計算サブステップと、
    を有するベクトル推定ステップと、
    前記単独電界の振幅と前記単独電界の位相差に重み付けをして合成する計算を行って合成電界を求める、または、前記単独磁界の振幅と前記単独磁界の位相差にあらかじめ定めた重み付けをして合成する計算を行って合成磁界を求める合成サブステップと、
    前記合成電界または前記合成磁界を用いて3次元の吸収電力分布を計算し、前記重み付けに対応した吸収電力分布での局所平均吸収電力を局所平均吸収電力候補として求める局所平均吸収電力候補計算サブステップと、
    を有し、前記合成サブステップと前記局所平均吸収電力候補計算サブステップとを、前記重み付けを変更しながら繰り返して複数の局所平均吸収電力候補を求める局所平均吸収電力計算ステップと
    を有する局所平均吸収電力測定方法。
  2. 請求項1記載の局所平均吸収電力測定方法であって、
    前記あらかじめ定めた条件は、同時に電波を放出するアンテナの数に応じた数だけ定められ、
    前記同時送信振幅測定サブステップは、すべての前記あらかじめ定めた条件で前記複数電界の振幅または前記複数磁界の振幅を、前記測定点で測定し、
    前記位相差計算サブステップは、前記単独電界の振幅とすべての前記あらかじめ定めた条件での前記複数電界の振幅から前記単独電界の位相差を計算し、または前記単独磁界の振幅とすべての前記あらかじめ定めた条件での前記複数磁界の振幅から前記単独磁界の位相差を計算する
    ことを特徴とする局所平均吸収電力測定方法。
  3. 請求項1記載の局所平均吸収電力測定方法であって、
    前記同時送信振幅測定サブステップで同時に電波を放出するアンテナの数は2であり、
    前記あらかじめ定めた条件は、少なくとも同時に電波を放出するアンテナに供給する給電の振幅をあらかじめ定めた値とすることであり、
    電波を放出する一方のアンテナが当該測定点に形成する電界の振幅または磁界の振幅をA、他方のアンテナが当該測定点に形成する電界の振幅または磁界の振幅をAとし、
    前記同時送信振幅測定サブステップで測定された複数電界の振幅または複数磁界の振幅をAsimとし、
    前記位相差計算サブステップでは、測定点ごとに、当該測定点での電波を放出する一方のアンテナが形成する電界または磁界の位相φと他方のアンテナが形成する電界または磁界の位相φとの位相差の絶対値Δφを、
    Figure 0005596610

    のように求める
    ことを特徴とする局所平均吸収電力測定方法。
  4. 請求項1記載の局所平均吸収電力測定方法であって、
    前記同時送信振幅測定サブステップで同時に電波を放出するアンテナの数は2であり、
    前記あらかじめ定めた条件は、同時に電波を放出するアンテナに供給する給電の振幅をあらかじめ定めた値とした第1条件と、前記第1条件の一方のアンテナへの給電の位相のみを変えた第2条件であり、
    電波を放出する一方のアンテナが当該測定点に形成する電界の振幅または磁界の振幅をA、他方のアンテナが当該測定点に形成する電界の振幅または磁界の振幅をAとし、
    前記同時送信振幅測定サブステップで、第1条件で測定された複数電界の振幅または複数磁界の振幅をAsim1、第2条件で測定された複数電界の振幅または複数磁界の振幅をAsim2とし、
    前記位相差計算サブステップでは、測定点ごとに、当該測定点での第1条件で電波を放出する一方のアンテナが形成する電界または磁界の位相φと他方のアンテナが形成する電界または磁界の位相φとの位相差の絶対値Δφを、
    Figure 0005596610

    のように求め、
    位相差φ−φまたはφ−φを、前記第1条件での給電の位相と前記第2条件での給電の位相と位相差の絶対値Δφと振幅Asim1、Asim2から求める
    ことを特徴とする局所平均吸収電力測定方法。
  5. 請求項1記載の局所平均吸収電力測定方法であって、
    前記同時送信振幅測定サブステップで同時に電波を放出するアンテナの数は2であり、
    前記あらかじめ定めた条件は、同時に電波を放出するアンテナに供給する給電の振幅をあらかじめ定めた値とした第1条件と、前記第1条件の一方のアンテナへの給電の位相を変えた第2条件であり、
    電波を放出する一方のアンテナが当該測定点に形成する電界の振幅または磁界の振幅をA、他方のアンテナが当該測定点に形成する電界の振幅または磁界の振幅をAとし、
    前記同時送信振幅測定サブステップで、第1条件で測定された複数電界の振幅または複数磁界の振幅をAsim1、第2条件で測定された複数電界の振幅または複数磁界の振幅をAsim2とし、
    前記位相差計算サブステップでは、測定点ごとに、当該測定点での第1条件で電波を放出する一方のアンテナが形成する電界または磁界の位相φと他方のアンテナが形成する電界または磁界の位相φとの位相差の絶対値Δφを、
    Figure 0005596610

    のように求め、
    当該測定点での第2条件で電波を放出する一方のアンテナが形成する電界または磁界の位相φ’と他方のアンテナが形成する電界または磁界の位相φとの位相差の絶対値Δφ’を、
    Figure 0005596610

    のように求め、
    位相差φ−φまたはφ−φを、前記第1条件での給電の位相と前記第2条件での給電の位相と位相差の絶対値Δφ、Δφ’から求める
    ことを特徴とする局所平均吸収電力測定方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の局所平均吸収電力測定方法であって、
    前記位相差計算サブステップでは、
    得られた位相差の正負を反転させると、隣接する測定点の位相差との連続性が向上する場合には、前記得られた位相差の正負を反転させる
    ことを特徴とする局所平均吸収電力測定方法。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の局所平均吸収電力測定方法であって、
    前記局所平均吸収電力計算ステップは、
    前記局所平均吸収電力候補の中で最大のものが得られる前記重み付けを含む内挿用重み付けの範囲で、さらに重み付けをより細かく変更しながら前記合成サブステップと局所平均吸収電力候補計算サブステップとを繰り返す
    ことを特徴とする局所平均吸収電力測定方法。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の局所平均吸収電力測定方法であって、
    さらに、
    前記局所平均吸収電力候補の中から最大のものを、局所平均吸収電力とする局所平均吸収電力選定ステップ
    も有する局所平均吸収電力測定方法。
  9. 請求項1から7のいずれかに記載の局所平均吸収電力測定方法であって、
    さらに、
    前記局所平均吸収電力候補の中で最大のものが得られる各アンテナへの給電の条件で局所平均吸収電力を測定し、測定結果を局所平均吸収電力とする局所平均吸収電力測定ステップ
    も有する局所平均吸収電力測定方法。
  10. 請求項1から7のいずれかに記載の局所平均吸収電力測定方法であって、
    さらに、
    あらかじめ定めた各アンテナへの給電の条件の時間的な変化に対応する重みを、前記給電の条件のときに得られる局所平均吸収電力候補に付加した加算によって、局所平均吸収電力を計算する局所平均吸収電力加算ステップ
    も有する局所平均吸収電力測定方法。
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