JP2019219241A - 電力機器 - Google Patents

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四蔵 達之
Tatsuyuki Shikura
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Abstract

【課題】構造の簡略化を図りつつ、部分放電を検出する検出装置の感度向上を図ることができる電力機器を提供すること。【解決手段】電力機器(1)は、内部に高電圧導体(11)及び絶縁流体を収容する筐体(12)と、筐体に設けられて高電圧導体からの部分放電を検出する検出装置(20)とを備えている。検出装置は、検出する電磁波の電界方向が相互に異なる複数のアンテナ部として第1アンテナ部(51)、第2アンテナ部(52)、第3アンテナ部(53)を備えている。また、検出装置は、単一のユニットとして構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、電力機器に関し、特に、筐体内に絶縁流体を封入した電力機器に関する。
一般に、変圧器などの電力機器にあっては、金属製の筐体内部に高電圧導体が配置され、この高電圧導体が絶縁油や絶縁性ガスなどの絶縁流体によって絶縁されている。かかる絶縁流体に対し、何らかの理由によって異物が混入したり絶縁物が劣化したりして絶縁性能が低下すると、絶縁破壊に至るおそれがある。そこで、このような絶縁破壊を未然に防ぐため、絶縁破壊の予兆である部分放電を検出する方法が知られている。
部分放電の検出として、電力機器内で発生する部分放電から発生する電磁波をアンテナ受信部で測定する技術が特許文献1に開示されている。特許文献1のアンテナ受信部は、導体からなる2枚の半円板を平面状に並べて配置して構成されている。
特許第3299547号公報
しかしながら、特許文献1のアンテナ受信部にあっては、2枚の半円板の並び方向に電界方向を有する電磁波を検出できるものの、それ以外の方向については感度が低下する、つまり、単一の指向性を持つようになる。ところで、例えば、金属製の筐体内に種々の金属物を有する電力機器で部分放電の検出を行う場合、筐体や金属物によって様々な方向に反射波が発生する。従って、部分放電によって様々な方向に反射波が発生した場合、特許文献1のアンテナ受信部で検出を行うと、その指向性に応じた電磁波しか検出できなくなり、部分放電の検出性能として改善の余地がある。
ここで、特許文献1のアンテナ受信部を複数用意し、それぞれのアンテナ受信部の向きを変えて配置すれば、複数の指向性を持たせることができるが、設置や配線等のための構造が複雑になる、という問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、構造の簡略化を図りつつ、部分放電を検出する検出装置の感度向上を図ることができる電力機器を提供することを目的の一つとする。
本発明における一態様の電力機器は、内部に高電圧導体及び絶縁流体を収容する筐体と、前記筐体に設けられて前記高電圧導体からの部分放電を検出する検出装置とを備えた電力機器において、前記検出装置は、検出する電磁波の電界方向が相互に異なる複数のアンテナ部を備えて単一のユニットとして構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、検出装置における複数のアンテナ部によって異なる電界方向の電磁波を検出することができる。これにより、部分放電により発生する電磁波が筐体等によって様々な方向に反射しても、単一の指向性を持つアンテナに比べて検出可能な電磁波を増やすことができ、部分放電に対する検出装置の感度を向上することができる。しかも、検出装置は単一のユニットとされるので、複数の検出装置を用いる場合に比べ、設置や配線に要する部品や構造物を少なくして簡略にすることができ、作業性の改善、製造コストの低減を図ることができる。
本発明の電力機器によれば、複数のアンテナ部によって単一の検出装置に複数の指向性を持たせることができるので、構造の簡略化を図りつつ、部分放電を検出する感度向上を図ることができる。
図1Aは、第1の実施の形態に係る電力機器の要部概略断面図であり、図1Bは、電極形成体の概略平面図である。 アンテナ電極及び測定装置の接続図である。 電磁波の方向と成分を示す説明図である。 図4Aは、第2の実施の形態に係る電極形成体の概略平面図であり、図4Bは、図4Aの概略断面図である。 第3の実施の形態に係る電極形成体の概略平面図である。 第3の実施の形態における周波数特性を説明するためのグラフである。 第1変形例に係る電極形成体の概略平面図である。 第2変形例に係る電極形成体の概略平面図である。 第3変形例に係る電極形成体の概略平面図である。
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施することができるものである。以下の図においては、説明の便宜上、一部の構成を省略することがある。
[第1の実施の形態]
図1Aは、第1の実施の形態に係る電力機器の要部概略断面図であり、図1Bは、電極形成体の概略平面図である。図1Aに示すように、電力機器1は、内部に高電圧導体11を収容する金属製の筐体12を備えている。電力機器1としては、高電圧導体11を収容する筐体12を有する限りにおいて種々の機器を採用でき、変圧器、リアクトル、開閉装置、遮断器等を例示することができる。筐体12の内部には、図示省略したSF6等の絶縁ガスや絶縁油等の絶縁流体が封入(収容)され、高電圧導体11の絶縁を図っている。
ここで、本実施の形態の電力機器1の説明においては、各図において矢印で示したX方向、Y方向、Z方向を基準に説明する。但し、これらの方向は、説明の便宜上設定した一例に過ぎないものであり、実施に際しては図中のX方向を鉛直方向に変更する等、任意の変更がある。
筐体12は、X方向及びY方向に延在するXY面に平行な内周面を有する主壁14と、主壁14の一部に形成されて内外を貫通する開口15と、開口15から主壁14の外方に突出する筒壁16とを備えている。筒壁16の先端にはフランジ17が密閉するように装着され、フランジ17は筒壁16を含む筐体12と同電位(接地電位)とされる。
電力機器1にあっては、フランジ17に装着される検出装置20を更に備えている。検出装置20は、主壁14の内周面に沿う位置であって開口15(筒壁16)の内側に設けられた電極形成体21を備えている。電極形成体21は、円形の平面形状をなす基板22と、基板22の一方の面(+Z側の面)に形成された第1ないし第4アンテナ電極23〜26とを備えている。基板22は、特に限定されるものでないが、プリント基板に用いられるエポキシやガラスエポキシ等によって構成される。第1ないし第4アンテナ電極23〜26は、部分放電により放射される電磁波を電気信号として検出する。
図1Bに示すように、電極形成体21において、第1ないし第4アンテナ電極23〜26は、それぞれ扇形の平面形状に形成される。第1ないし第4アンテナ電極23〜26は、基板22に銅等の導体を蒸着等によって積層することによって形成される。従って、第1ないし第4アンテナ電極23〜26は、Z方向に厚みを有する薄厚形状をなし、本実施の形態ではXY面となる平面方向に延びるように形成されている。また、かかる平面方向において、複数のアンテナ電極となる第1ないし第4アンテナ電極23〜26が並設されるようになる。
第1ないし第4アンテナ電極23〜26は、円形となる基板22にて直交する2本の直径位置に導体の非形成部となる隙間27、28を設けることによって形成される。従って、第1ないし第4アンテナ電極23〜26は、概略で円を四等分した同一形状で向きが異なって形成され、また、隙間27、28を挟んで互いに離れた状態となっている。本実施の形態では、基板22における−X側に第1アンテナ電極23、+Y側に第2アンテナ電極24、+X側に第3アンテナ電極25、−Y側に第4アンテナ電極26が形成される。
検出装置20は、基板22の中心側において、第1ないし第4アンテナ電極23〜26にそれぞれ接続される連結導体29を更に備えている。
図1Aに戻り、連結導体29は、基板22の−Z側の面に一端部(+Z側端部)が当接し、該一端側に接続ねじ30が基板22を貫通してねじ込まれている。接続ねじ30は、銅等の導体によって構成され、また、第1ないし第4アンテナ電極23〜26(図1Aでは第2アンテナ電極24、第4アンテナ電極26を不図示)に接触している。従って、接続ねじ30を介して第1ないし第4アンテナ電極23〜26と連結導体29とが電気的に導通される。
検出装置20は、連結導体29の外周に設けられたシース管31と、連結導体29の他端となる−Z側端部に連結される同軸端子32とを更に備えている。シース管31及び同軸端子32の接地側は、フランジ17を含む筐体12と同電位(接地電位)とされる。同軸端子32の芯線は、連結導体29に接続される。同軸端子32は、フランジ17を貫通しつつ筐体12内の密閉性を保つように設けられている。同軸端子32は、配線33を介して、筐体12の外部に設けられた測定装置40に接続される。従って、第1ないし第4アンテナ電極23〜26は、接続ねじ30、連結導体29、同軸端子32、配線33を介して測定装置40に電気的に接続される。
検出装置20の上述した各構成は、フランジ17に支持された状態となって筒壁16の内部に概略収まるように設けられる。よって、検出装置20は、一体的に用いられる単一のユニットとして構成される。また、第1ないし第4アンテナ電極23〜26における高電圧導体11に対向する面、つまり+Z側の面は、その近傍に位置する主壁14の内周面に沿う方向に配置されている。このように配置することで、主壁14内に電極形成体21が突出しないようにしつつ、各アンテナ電極23〜26にて筐体12内の電磁波が受信し易くなって感度を良好に保つことができる。
図2は、アンテナ電極及び測定装置の接続図である。図3は、電磁波の方向と成分を示す図である。図2に示すように、測定装置40は、X方向測定部41、Y方向測定部42、第1Z方向測定部43、第2Z方向測定部44を備え、また、第1差動回路45、第2差動回路46を利用した構成となっている。ここで、通常伝搬する電磁波は進行方向、電界方向、磁界方向が図3に示すように、直交する関係となっており、各測定部41〜44では、電磁波の電界方向の大きさに応じた電気信号を測定する。
第1アンテナ電極23は、第1Z方向測定部43に接続され、また、分岐してから第1差動回路45を経てX方向測定部41に接続されている。第2アンテナ電極24は、第2Z方向測定部44に接続され、また、分岐してから第2差動回路46を経てY方向測定部42に接続されている。第3アンテナ電極25は、第1差動回路45を経てX方向測定部41に接続されている。第4アンテナ電極26は、第2差動回路46を経てY方向測定部42に接続されている。
第1アンテナ電極23及び第3アンテナ電極25は、放射された電磁波を電気信号として検出して第1差動回路45に出力する。第1差動回路45は、それら電気信号の差分をX方向測定部41に出力し、X方向測定部41では、その差分に基づいた値をX方向が電界方向となる電磁波の出力値として測定する。
言い換えると、一対となる第1アンテナ電極23及び第3アンテナ電極25はX方向に並んで配置されるので(図1B参照)、その並び方向に電界方向を有する電磁波の大きさをX方向測定部41にて測定可能となる。ここにおいて、第1アンテナ電極23及び第3アンテナ電極25によって、検出する電磁波の電界方向がX方向の一方向となる第1アンテナ部51(図1B参照)が構成される。
第2アンテナ電極24及び第4アンテナ電極26は、放射された電磁波を電気信号として検出して第2差動回路46に出力する。第2差動回路46は、それら電気信号の差分をY方向測定部42に出力し、Y方向測定部42では、その差分に基づいた値をY方向が電界方向となる電磁波の出力値として測定する。
言い換えると、一対となる第2アンテナ電極24及び第4アンテナ電極26はY方向に並んで配置されるので(図1B参照)、その並び方向に電界方向を有する電磁波の大きさをY方向測定部42にて測定可能となる。ここにおいて、第2アンテナ電極24及び第4アンテナ電極26によって、検出する電磁波の電界方向がY方向の一方向となる第2アンテナ部52(図1B参照)が構成される。第2アンテナ部52及び第1アンテナ部51にて検出する電磁波の電界方向は、XY面と平行、言い換えると第1ないし第4アンテナ電極23〜26の平面方向と平行でありつつ、直交(交差)する関係となって相互に異なることになる。ここで、第1アンテナ電極23及び第3アンテナ電極25の離間方向としては、それら形状(扇形)の重心位置を結ぶ方向となるX方向となる。同様にして、第2アンテナ電極24及び第4アンテナ電極26の離間方向は、Y方向となる。それら離間方向は、同一のXY面となる平面上で直交する関係となっている。
第1アンテナ電極23では、検出した電磁波を電気信号として第1Z方向測定部43にも出力する。第1Z方向測定部43は、シース管31の接地電位を取得し、該接地電位と第1アンテナ電極23から出力された電気信号との差分に基づいた値をZ方向が電界方向となる電磁波の出力値として測定する。
一方、第2アンテナ電極24では、検出した電磁波を電気信号として第2Z方向測定部44にも出力する。第2Z方向測定部44は、シース管31の接地電位を取得し、該接地電位と第2アンテナ電極24から出力された電気信号との差分に基づいた値をZ方向が電界方向となる電磁波の出力値として測定する。
このように、第1アンテナ電極23及び第2アンテナ電極24の両方にて電界方向が同じZ方向の電磁波を検出可能となる。ところで、測定する電磁波の測定周波数を仮に3GHzとすると、その波長は10cmになり、10cmの距離で電磁波の節(定在波)が発生する。これにより、10cm/4=2.5cmの距離にて定在波の腹と節、すなわち定在波の最大値とゼロとが検出できることになる。従って、各アンテナ電極23、24が2.5cm以上離れた領域を有することで、仮に第1アンテナ電極23が定在波の節にあったとしても、第2アンテナ電極24は定在波の腹となり、各アンテナ電極23、24のどちらかで電磁波が検出できることになる。
ここにおいて、一対として設けられた第1アンテナ電極23及び第2アンテナ電極24によって、検出する電磁波の電界方向がZ方向の一方向となる第3アンテナ部53(図1B参照)が構成される。第3アンテナ部53では、XY面と交差(直交)する方向、言い換えると第1ないし第4アンテナ電極23〜26の平面方向と交差(直交)する方向に平行な電界方向を有する電磁波を検出する。
検出装置20にあっては、複数のアンテナ部となる第1ないし第3アンテナ部51〜53を備えてX、Y、Z方向の直交三軸方向の電界方向の電磁波を検出することができる。このように、検出装置20の第1ないし第3アンテナ部51〜53では、電磁波の電界方向が相互に異なっていても、それらを検出することが可能となる。なお、本実施の形態では、第1ないし第3アンテナ部51〜53で直交三軸方向の電界方向の電磁波を検出したが、検出する電界方向は、相互に異なって立体を形成可能な3軸方向に平行であれば変更してもよい。例えば、第1アンテナ部51と第2アンテナ部52の検出する電界方向が任意の平面にて45°や60°で交差する方向としてもよい。このように変更した場合、検出する電磁波の電界方向の向きに応じて各アンテナ電極23〜26の配置も変更される。
電力機器1において、絶縁流体等にて異常が生じると、高電圧導体11からの部分放電が発生して電磁波が放射され、筐体12等によって様々な方向に反射される。このとき、検出装置20によって、X、Y、Z方向に電界方向を有する電磁波を上述のように検出できるので、単一の指向性を持つ従来のアンテナに比べ、様々な方向に反射する電磁波をより多く検出することができる。これにより、部分放電に対する検出装置20の感度を高め、ひいては、部分放電が発生した否かの判定精度も向上することができる。
また、検出装置20は単一のユニットとされるので、複数の検出装置を用いる場合に比べ、設置や配線に要する部品や構造物を少なくして構造の簡略化を図ることができる。これにより、省スペース化、製造コストを低減できる上、アッセンブリやメンテナンスの作業性を改善することが可能となる。
次に、本発明の前記以外の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、説明する実施の形態より前に記載された実施の形態と同一若しくは同等の構成部分については同一符号を用いる場合があり、説明を省略若しくは簡略にする場合がある。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について図4を参照して説明する。図4Aは、第2の実施の形態に係る電極形成体の概略平面図であり、図4Bは、図4Aの概略断面図である。図4Aに示すように、第2の実施の形態では、第1の実施の形態に対し、検出装置20の電極形成体21が遮蔽部57、58を備えた構成としている。
第2の実施の形態の遮蔽部57、58は、電極形成体21の隙間27、28に形成され、該隙間27、28の幅方向中央部にて隙間27、28と同様に延在している。遮蔽部57、58は、第1ないし第4アンテナ電極23〜26と離間しつつ、該第1ないし第4アンテナ電極23〜26と同様に、基板22に銅等の導体を蒸着等によって積層することによって形成される。従って、遮蔽部57、58は、第1ないし第4アンテナ電極23〜26が形成されるXY面上に形成される。図4Bに示すように、第1ないし第4アンテナ電極23〜26と遮蔽部57、58とのZ方向の形成位置を同じとしたが、遮蔽部57、58の方が+Z側に突出するように形成してしてもよい。図示省略したが、遮蔽部57、58は、シース管31(図1A参照)に接続されてシース管31と同電位(接地電位)とされる。
第2の実施の形態において、遮蔽部57、58にあっては、第1ないし第4アンテナ電極23〜26のうち隣り合う位置関係となる電極同士での干渉を防止することができる。例えば、第1アンテナ電極23によってZ方向に電界方向を有する電磁波を検出し、第2アンテナ電極24及び第4アンテナ電極26によってY方向に電界方向を有する電磁波を検出する場合、第1アンテナ電極23と第2アンテナ電極24及び第4アンテナ電極26との干渉を遮断することができる。これにより、検出装置20として、第2アンテナ部52及び第3アンテナ部53の感度向上を図ることができ、また、第1アンテナ部51ないし第3アンテナ部53相互間でも同様に干渉を遮断できるので、各方向での感度を向上することができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について図5及び図6を参照して説明する。図5は、第3の実施の形態に係る電極形成体の概略平面図である。図5に示すように、第3の実施の形態では、第1の実施の形態に対し、第1のアンテナ部51を構成する第1アンテナ電極23及び第3アンテナ電極25の形状を変更している。なお、第3の実施の形態では、第1の実施の形態の第3アンテナ部53を省略した構成としている。
第3の実施の形態において、第1アンテナ電極23及び第3アンテナ電極25は、扇形の平面形状に形成されるものの、その半径寸法が第2アンテナ電極24及び第4アンテナ電極26に比べて小さい形状に形成されている。従って、第1アンテナ電極23及び第3アンテナ電極25は、第2アンテナ電極24及び第4アンテナ電極26に比べてX方向及びY方向の大きさも小さく形成されている。
第3の実施の形態では、一対となるアンテナ電極が第1アンテナ電極23及び第3アンテナ電極25で1セット、第2アンテナ電極24及び第4アンテナ電極26で1セットとして合計2セット設けられる。そして、各セットでアンテナ電極23〜26の形状を比較すると、その平面形状(大きさ)が異なるように形成されている。
また、第1アンテナ部51と第2アンテナ部52との比較において、検出する電磁波の電界方向にてアンテナ電極23〜26の長さが異なっている。ここで、検出する電磁波の電界方向は、第1アンテナ部51はX方向、第2アンテナ部52はY方向となる。そして、第1アンテナ部51の第1アンテナ電極23及び第3アンテナ電極25のX方向の長さは、第2アンテナ部52の第2アンテナ電極24及び第4アンテナ電極26のY方向の長さより短くなっている。このように、第1アンテナ部51と第2アンテナ部52とで、検出する電磁波の電界方向におけるアンテナ電極23〜26の長さを変えることで、周波数特性を変えることができる。つまり、第3の実施の形態では、単一の検出装置20にて複数の周波数特性を持たせることができる。
図6は、第3の実施の形態における周波数特性を説明するためのグラフである。第1アンテナ部51と第2アンテナ部52とで、検出する電磁波の電界方向におけるアンテナ電極23〜26の長さを変えたので、図6に示すように、第1アンテナ部51が第2アンテナ部52より高周波側にシフトした周波数特性を持つ。従って、放射する電磁波の周波数スペクトルが異なる部分放電A1、A2が想定される場合、第2アンテナ部52では部分放電A1、A2の両方で検出感度が高くなり、第1アンテナ部51では部分放電A2だけで検出感度が高くなる。
なお、検出する電磁波の電界方向におけるアンテナ電極23〜26の長さが短い程、高周波側にシフトした周波数特性を持つ傾向がある。また、電界方向に直交する方向の寸法が細くなる程、感度良く検出する周波数スペクトルが狭くなる傾向がある。
このように各アンテナ部51、52で周波数特性を変えて検出装置20として複数の周波数特性を持たせることで、周波数帯域を拡げ、種々の部分放電の検出に適した感度向上を図り、検出性能を高めることが可能となる。
本発明の実施の形態は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
また、第1ないし第4アンテナ電極23〜26の平面形状は、扇形に限定されるものでなく、特定の電界方向を有する電磁波が検出可能であれば種々の変更が可能であり、図7に示す構成を例示することができる。
図7は、第1変形例に係る電極形成体の概略平面図である。図7の構成では、電極形成体21を正方形(方形)の平面形状に形成し、また、第1ないし第4アンテナ電極23〜26も電極形成体21を約四等分した正方形状に形成している。このように、各アンテナ電極23〜26は、多角形や円形、楕円形、曲線及び直線で囲まれる任意の形状を採用してもよい。
また、上記第1及び第2の形態では、アンテナ電極の形成数を第1ないし第4アンテナ電極23〜26の4つ、アンテナ部の設置数を第1ないし第3アンテナ部51〜53の3つとしたが、これらは複数であれば増減してもよく、例えば、図8に示す構成を例示できる。
図8は、第2変形例に係る電極形成体の概略平面図である。図8の構成では、円形の電極形成体60を約八等分した形状の扇形となる8つのアンテナ電極61が設けられる。かかる構成では、電極形成体60の中心位置を挟む一対のアンテナ電極61が4セット設けられ、該セット毎にアンテナ部62を構成することができる。各アンテナ部62にて検出する電磁波の電界方向は、該アンテナ部62での一対のアンテナ電極61の並び方向となるので、図8の第2変形例では、X方向及びY方向、これらの方向にXY面で45°傾く各方向に設定することができる。これら各方向は、アンテナ電極61の平面(XY面)方向と平行であって相互に異なる方向となっている。
また、上記第1及び第2の実施の形態において、第1アンテナ部51及び第2アンテナ部52の何れか一方を省略し、XY面と平行な方向において、検出する電磁波の電界方向を一方向だけとしてもよい。
また、第1の実施の形態では、電界方向がZ方向となる電磁波を1つの第3アンテナ部53で検出する構成としたが、これに限られずに更に増設してもよい。例えば、第3アンテナ電極25及び第4アンテナ電極26を含むアンテナ部を増設し、該アンテナ部によっても第3アンテナ部53と同様にして電界方向がZ方向となる電磁波を検出してもよい。更に、第3アンテナ部53で検出する電磁波の電界方向は、第1アンテナ電極23及び第2アンテナ電極24の平面に交差する方向であれば変更してもよい。
また、上記第3の実施の形態では、平面形状が異なるアンテナ電極23〜26を2セット設けたが、そのセット数を更に増設してもよく、図9に示す構成を例示できる。
図9は、第3変形例に係る電極形成体の概略平面図である。図9の構成では、平面形状が扇形の6つのアンテナ電極71〜76を備え、形状が同一となる一対のアンテナ電極71、72で1セット、他の一対のアンテナ電極73、74で1セット、更に他の一対のアンテナ電極75、76で1セットの合計3セット設けられる。そして、各セットでアンテナ電極71〜76の形状を比較すると、その平面形状が異なり、アンテナ電極71〜76の並び方向の長さが異なっている。従って、各セットのアンテナ電極71〜76で検出する電磁波の周波数特性を変えることができ、第3変形例では、周波数特性を3タイプ有するようにすることができる。
また、上記構成においては、各セットでアンテナ電極23〜26、61、71〜76の平面形状を同一としたが、異なる形状に形成することを妨げるものでない。
また、上記構成において、アンテナ電極23〜26、61、71〜76は、基板22上に形成されるが、これに限定されるものでなく変更してもよい。例えば、金属等の導体からなる板状物によってアンテナ電極23〜26、61、71〜76を形成することで、基板22を省略した構成としてもよい。アンテナ電極23〜26、61、71〜76は、同一平面上に設けられる必要はなく、2以上の平行な平面上に分散して配置されるような構成としてもよい。
また、上記第2の実施の形態では、遮蔽部57、58が隣り合うアンテナ電極23〜26の間において、連続的に形成する他、断続的或いは部分的に形成してもよく、少なくとも一部に形成されていればよい。
また、各アンテナ部51〜53の検出結果に応じ、部分放電の発生源となる位置の特定や、部分放電の発生の原因となる欠陥の種別を判定する制御を行うようにしてもよい。この場合、部分放電が発生した場合に、その位置や欠陥種別毎に検出される各アンテナ部51〜53の検出データを、実験やシミュレーション等によって予め作成しておく。そして、各検出データを記憶させたデータベースを作成し、検出結果が複数の検出データの何れに合致するかのデータ処理を行うことによって部分放電の位置や欠陥種別を判定することが例示できる。
また、上記にて、電界方向が交差する関係について、直交する場合を主として説明したが、必要に応じて直交以外の45°や60°等の任意の角度で交差する関係としてもよい。
上記において、本発明の実施の形態及び変形例を説明したが、本発明の他の実施の形態として、上記実施の形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
1 電力機器
11 高電圧導体
12 筐体
20 検出装置
23 第1アンテナ電極(アンテナ電極)
24 第2アンテナ電極(アンテナ電極)
25 第3アンテナ電極(アンテナ電極)
26 第4アンテナ電極(アンテナ電極)
51 第1アンテナ部(アンテナ部)
52 第2アンテナ部(アンテナ部)
53 第3アンテナ部(アンテナ部)
57、58 遮蔽部
61 アンテナ電極
62 アンテナ部
71〜76 アンテナ電極

Claims (7)

  1. 内部に高電圧導体及び絶縁流体を収容する筐体と、
    前記筐体に設けられて前記高電圧導体からの部分放電を検出する検出装置とを備えた電力機器において、
    前記検出装置は、検出する電磁波の電界方向が相互に異なる複数のアンテナ部を備えて単一のユニットとして構成されていることを特徴とする電力機器。
  2. 前記検出装置は、検出する電磁波の電界方向が一方向となる前記アンテナ部を少なくとも3つ備え、3つの前記アンテナ部によって立体を形成可能な3軸方向に平行な電界方向を有する電磁波を検出可能とされることを特徴とする請求項1に記載の電力機器。
  3. 複数の前記アンテナ部は、第1ないし第3アンテナ部を備え、
    前記第1ないし第3アンテナ部は、薄厚形状をなして所定の平面方向に延びるアンテナ電極をそれぞれ備え、
    前記第1アンテナ部は、前記アンテナ電極の平面方向に平行な電界方向を有する電磁波を検出可能とされ、
    前記第2アンテナ部は、前記アンテナ電極の平面方向に平行な電界方向であり、且つ、前記第1アンテナ部が検出する電磁波の電界方向と異なる方向の電界方向を有する電磁波を検出可能とされ、
    前記第3アンテナ部は、前記アンテナ電極の平面方向に交差する方向に平行な電界方向を有する電磁波を検出可能とされることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力機器。
  4. 前記第1及び第2アンテナ部の前記アンテナ電極は、それぞれ一対設けられて検出する電磁波の電界方向に並んで配置され、
    前記第3アンテナ部の前記アンテナ電極は、一対設けられて検出する電磁波の電界方向に交差する方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の電力機器。
  5. 前記アンテナ電極は、該アンテナ電極の平面方向に複数並設され、該平面上には、並設された前記アンテナ電極間での電気的な干渉を回避可能な遮蔽部が設けられていることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の電力機器。
  6. 前記一対のアンテナ電極は複数セット設けられ、複数セットのうちの少なくとも1セットの前記アンテナ電極は、他のセットの前記アンテナ電極と平面形状が異なって形成されていることを特徴とする請求項4に記載の電力機器。
  7. 前記アンテナ電極は、前記高電圧導体に対向する面が該アンテナ電極近傍に位置する前記筐体の内周面に沿う方向に配置されていることを特徴とする請求項2ないし請求項6のいずれかに記載の電力機器。
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