JP2016139987A - 送信回路及び通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】受信信号の波形品質の悪化を抑制した上で消費電力を低減する。【解決手段】実施形態によれば、送信回路は、受信AC結合素子を介して信号を受信する受信回路に対して、前記受信AC結合素子にAC結合される送信AC結合素子を介して信号を送信する。前記送信回路は、送信する送信信号に同期して駆動信号を生成する駆動信号生成回路と、駆動回路と、を備える。前記駆動回路は、前記駆動信号に応じて、前記送信信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジに同期して予め定められた駆動期間の間前記送信AC結合素子の両端間に駆動電流を流す。前記駆動回路は、前記駆動期間の後、前記送信AC結合素子の両端に印加電圧を印加する。【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、送信回路及び通信システムに関する。
送信インダクタを介して信号を送信する送信回路と、送信インダクタに誘導結合した受信インダクタを介して信号を受信する受信回路と、を備える通信システムが知られている。受信回路は、受信した信号から、送信された元のデータパターンを復元する。
このような通信システムにおいて、受信信号の波形品質の悪化を抑制した上で送信回路の消費電力を低減することが好ましい。
特開2005−348264号公報
本発明が解決しようとする課題は、受信信号の波形品質の悪化を抑制した上で消費電力を低減できる送信回路及び通信システムを提供することである。
実施形態によれば、送信回路は、受信AC結合素子を介して信号を受信する受信回路に対して、前記受信AC結合素子にAC結合される送信AC結合素子を介して信号を送信する。前記送信回路は、送信する送信信号に同期して駆動信号を生成する駆動信号生成回路と、駆動回路と、を備える。前記駆動回路は、前記駆動信号に応じて、前記送信信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジに同期して予め定められた駆動期間の間前記送信AC結合素子の両端間に駆動電流を流す。前記駆動回路は、前記駆動期間の後、前記送信AC結合素子の両端に印加電圧を印加する。
第1の実施形態に係る通信システムの概略的な構成を示すブロック図である。 図1の通信システムの駆動回路の構成を示す回路図である。 図1の通信システムのタイミング図である。 第1比較例の通信システムのタイミング図である。 第2比較例の通信システムのタイミング図である。 PWM信号を用いた図1の通信システムの概略的な構成を示すブロック図である。 図6の通信システムのタイミング図である。 第2の実施形態に係る駆動回路の構成を示す回路図である。 第3の実施形態に係る駆動回路の構成を示す回路図である。 第4の実施形態に係る駆動回路の構成を示す回路図である。 図1の通信システムの同相電圧の変動を説明するタイミング図である。 第5の実施形態に係る駆動回路の構成を示す回路図である。 第5の実施形態に係る通信システムのタイミング図である。 第6の実施形態に係る駆動回路の構成を示す回路図である。 第7の実施形態に係る駆動回路の構成を示す回路図である。 図15Aの第1から第4のスイッチ素子の他の一例を示す回路図である。 第8の実施形態に係る駆動回路の構成を示す回路図である。 第9の実施形態に係る通信システムの概略的な構成を示すブロック図である。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。これらの実施形態は、本発明を限定するものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る通信システムの概略的な構成を示すブロック図である。図1に示すように、通信システム1は、送信機10と、受信機20と、を備える。送信機10と受信機20とは、AC結合を用いた非接触通信を行う。ここでは、AC結合として誘導結合を用いる一例について説明する。
送信機10は、送信AC結合素子E1と、一対の第1伝送線路TL1,TL1と、送信回路11と、を有する。送信AC結合素子E1は、送信インダクタL1である。送信インダクタL1、第1伝送線路TL1,TL1および送信回路11は、例えば、送信機10のプリント配線基板上に設けられている。送信インダクタL1は、例えば、平面状のインダクタである。
第1伝送線路TL1,TL1は、例えばマイクロストリップライン等であり、送信回路11と送信インダクタL1の両端N1,N2とを接続している。
送信回路11は、第1伝送線路TL1,TL1及び送信インダクタL1を介して、送信する送信信号Stxに応じた差動の信号を受信機20の受信回路21に対して送信する。以下、差動の信号について説明するが、単相(シングルエンド)の信号であってもよい。
送信回路11は、駆動信号生成回路12と、駆動回路13と、を備える。駆動信号生成回路12は、送信する送信信号Stxに同期して駆動信号Sdrを生成する。送信信号Stxは、所定の変調方式で変調されている。送信信号Stxは、外部から駆動信号生成回路12に供給されてもよく、変調器として機能する駆動信号生成回路12の内部で生成されてもよい。
駆動回路13は、駆動信号Sdrに応じて、送信信号Stxの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジに同期して予め定められた駆動期間Tdrの間送信インダクタL1の両端N1,N2間に駆動電流Idrを流す。駆動回路13は、駆動期間Tdrの後、送信インダクタL1の両端N1,N2に印加電圧を印加する。
受信機20は、受信AC結合素子E2と、一対の第2伝送線路TL2,TL2と、受信回路21と、を有する。受信AC結合素子E2は、受信インダクタL2である。受信インダクタL2、第2伝送線路TL2,TL2および受信回路21は、例えば、受信機20のプリント配線基板上に設けられている。受信インダクタL2は、例えば、平面状のインダクタである。
通信を行う際には、送信インダクタL1と受信インダクタL2とが近接するよう、送信機10と受信機20とは近接して配置される。送信インダクタL1と受信インダクタL2との距離は、例えば、数百μmである。このように配置されることにより、受信インダクタL2は送信インダクタL1に誘導結合(AC結合)される。これにより、送信インダクタL1から受信インダクタL2に電磁誘導によって信号が伝達される。
第2伝送線路TL2,TL2は、例えばマイクロストリップライン等であり、受信インダクタL2の両端と受信回路21とを接続している。
受信回路21は、受信インダクタL2と第2伝送線路TL2,TL2とを介して、送信された信号に応じた差動の第1受信信号Srx1を受信する。
受信回路21は、ヒステリシス回路(ヒステリシスバッファ)22と、復調器23と、を有する。ヒステリシス回路22は、入出力特性にヒステリシスを有し、第1受信信号Srx1に応じて第2受信信号Srx2を出力する。具体的には、ヒステリシス回路22は、第1受信信号Srx1が正の第1閾値電圧以上に変化した場合に“H”(ハイレベル)の第2受信信号Srx2を出力し、第1受信信号Srx1が負の第2閾値電圧以下に変化した場合に“L”(ローレベル)の第2受信信号Srx2を出力する。
復調器23は、変調方式に対応した方式で、第2受信信号Srx2に基づいて受信データを復調する。
図2は、図1の通信システム1の駆動回路13の構成を示す回路図である。図2に示すように、駆動回路13は、第1のスイッチ素子SW1と、第2のスイッチ素子SW2と、第3のスイッチ素子SW3と、第4のスイッチ素子SW4と、抵抗(第5のインピーダンス素子)R1と、抵抗(第6のインピーダンス素子)R2と、を有する。
第1から第4のスイッチ素子SW1〜SW4として、例えば、NMOSトランジスタなどのトランジスタを用いてもよい。
第1のスイッチ素子SW1は、駆動電圧(第1電圧)VMIDが供給される一端と、抵抗R1を介して送信インダクタL1の一端N1に接続される他端と、を有する。
第2のスイッチ素子SW2は、接地電圧(第2電圧)が供給される一端と、抵抗R1を介して送信インダクタL1の一端N1に接続される他端と、を有する。
第3のスイッチ素子SW3は、駆動電圧VMIDが供給される一端と、抵抗R2を介して送信インダクタL1の他端N2に接続される他端と、を有する。
第4のスイッチ素子SW4は、接地電圧が供給される一端と、抵抗R2を介して送信インダクタL1の他端N2に接続される他端と、を有する。
つまり、抵抗R1は、第1のスイッチ素子SW1の他端及び第2のスイッチ素子SW2の他端の接続ノードと、送信インダクタL1の一端N1との間に接続されている。抵抗R2は、第3のスイッチ素子SW3の他端及び第4のスイッチ素子SW4の他端の接続ノードと、送信インダクタL1の他端N2との間に接続されている。抵抗R1,R2は、駆動回路13の出力インピーダンスを決める。
駆動信号生成回路12は、第1及び第4のスイッチ素子SW1,SW4、又は、第2及び第3のスイッチ素子SW2,SW3を駆動期間Tdrの間導通させて駆動電流Idrを流し、駆動期間Tdrの経過後、第2及び第4のスイッチ素子SW2,SW4を導通させて送信インダクタL1の両端N1,N2に印加電圧を印加する。印加電圧は、接地電圧である。
図3は、図1の通信システム1のタイミング図である。図3に示す例では、送信信号Stxは、時刻t1において“H”から“L”に変化し、時刻t3において“L”から“H”に変化している。
駆動信号生成回路12は、内部の信号として、時刻t1の送信信号Stxの立ち下がりエッジに同期して、駆動期間Tdrの間“H”になるパルス信号Sp1を生成する。パルス信号Sp1は、時刻t1から時刻t2の間、“H”になる。
駆動信号生成回路12は、パルス信号Sp1に応じて、時刻t1から時刻t2の間所定の正電圧になる駆動信号Sdrを生成する。
駆動信号Sdrが正の場合、第2及び第3のスイッチ素子SW2,SW3が導通し、第1及び第4のスイッチ素子SW1,SW4が非導通になるように、駆動回路13は構成されている。
これにより、時刻t1から時刻t2の間、第2及び第3のスイッチ素子SW2,SW3は導通し、第1及び第4のスイッチ素子SW1,SW4は非導通であり、送信インダクタL1には駆動期間Tdrの間正の駆動電流Idrが流れる。
従って、第1受信信号Srx1として、時刻t1において正のパルスが発生し、時刻t2において負のパルスが発生する。
よって、時刻t1の前において“H”である第2受信信号Srx2は、時刻t1では変化せず、時刻t2において“L”に変化する。
例えば、時刻t1から通信開始する場合、通信開始時における送信信号Stxの初期値の論理は“L”であり、時刻t1までの待ち受け時の第2受信信号Srx2の論理は“H”に設定されている。これにより、送信信号Stxの初期値“L”を受信することができる。つまり、待ち受け時の第2受信信号Srx2の論理は、送信信号Stxの初期値の論理とは異なる。
これに対して、送信信号Stxの初期値の論理が“L”であり、時刻t1までの待ち受け時の第2受信信号Srx2の論理が“L”である場合、即ち、これらの論理が同じである場合、第2受信信号Srx2は、時刻t1において“H”になり、時刻t2において“L”になる。従って、送信信号Stxの初期値“L”とは異なる“H”を受信してしまい、誤受信となる。
時刻t2からt3の間は、駆動信号Sdrは0Vである。駆動信号Sdrが0Vの場合、第2及び第4のスイッチ素子SW2,SW4が導通し、第1及び第3のスイッチ素子SW1,SW3が非導通になるように、駆動回路13は構成されている。これにより、時刻t2からt3の間、第2及び第4のスイッチ素子SW2,SW4が導通し、第1及び第3のスイッチ素子SW1,SW3は非導通である。よって、送信インダクタL1の両端N1,N2に印加電圧として接地電圧が印加されている。
従って、駆動電流Idrは0Aである。そのため、第1受信信号Srx1も変化せず、第2受信信号Srx2も変化しない。
次に、時刻t3において、駆動信号生成回路12は、内部の信号として、時刻t3の送信信号Stxの立ち上がりエッジに同期して、駆動期間Tdrの間“H”になるパルス信号Sp2を生成する。パルス信号Sp2は、時刻t3から時刻t4の間、“H”になる。
駆動信号生成回路12は、パルス信号Sp2に応じて、時刻t3から時刻t4の間所定の負電圧になる駆動信号Sdrを生成する。
駆動信号Sdrが負の場合、第1及び第4のスイッチ素子SW1,SW4が導通し、第2及び第3のスイッチ素子SW2,SW3が非導通になるように、駆動回路13は構成されている。
これにより、時刻t3から時刻t4の間、第1及び第4のスイッチ素子SW1,SW4は導通し、第2及び第3のスイッチ素子SW2,SW3は非導通であり、送信インダクタL1には駆動期間Tdrの間負の駆動電流Idrが流れる。つまり、駆動回路13は、送信信号Stxの立ち上がりエッジに基づく駆動電流Idrの方向を、送信信号Stxの立ち下がりエッジに基づく駆動電流Idrの方向と反対にする。
従って、第1受信信号Srx1として、時刻t3において負のパルスが発生し、時刻t4において正のパルスが発生する。
よって、時刻t2以降“L”である第2受信信号Srx2は、時刻t3では変化せず、時刻t4において“H”に変化する。つまり、ヒステリシス回路22は、駆動電流Idrが0に変化するタイミングに同期して第2受信信号Srx2の論理を変化させる。
時刻t4以降は、駆動信号Sdrは0Vであり、第2及び第4のスイッチ素子SW2,SW4が導通し、第1及び第3のスイッチ素子SW1,SW3は非導通である。よって、送信インダクタL1の両端N1,N2に印加電圧として接地電圧が印加されている。
従って、駆動電流Idrは0Aであり、第1受信信号Srx1も変化せず、第2受信信号Srx2も変化しない。
このように、受信回路21において、送信信号Stxと等価な第2受信信号Srx2を得ることができる。
また、駆動期間Tdrは、送信信号Stxの信号レベル保持期間Tsの最小期間より短い。信号レベル保持期間Tsとは、信号レベル(“H”又は“L”)が一定である期間を表す。そのため、送信信号Stxの信号レベル保持期間Tsのうち駆動期間Tdr以外の期間(例えば、時刻t2からt3)には、駆動電流Idrが流れないようになっている。従って、送信回路11の消費電力を低減できる。
ここで、第1比較例の通信システムについて説明する。第1比較例の通信システムでは、基本的な構成は図1と同様であるが、駆動信号生成回路12の機能が異なる。
図4は、第1比較例の通信システムのタイミング図である。図3と図4において、送信信号Stxは同じ信号である。
駆動信号Sdrは、送信信号Stxが“H”である時刻t1まで、所定の正電圧になり、送信信号Stxが“L”である時刻t1から時刻t3の間、所定の負電圧になり、送信信号Stxが“H”である時刻t3以降、所定の正電圧になる。
これにより、送信インダクタL1には、時刻t1まで正の駆動電流Idrが流れ、時刻t1から時刻t3の間、負の駆動電流Idrが流れ、時刻t3以降、正の駆動電流Idrが流れる。
従って、第1受信信号Srx1として、時刻t1において負のパルスが発生し、時刻t3において正のパルスが発生する。
よって、第2受信信号Srx2は、時刻t1において“H”から“L”に変化し、時刻t3において“H”に変化する。
このように、第1比較例の通信システムにおいても、送信信号Stxと等価な第2受信信号Srx2を得ることができる。しかし、送信インダクタL1には、常に正又は負の駆動電流Idrが流れている。従って、第1比較例の通信システムでは、第1の実施形態と比較して消費電力が大きい。
次に、第2比較例の通信システムについて説明する。第2比較例の通信システムは、図3と同じタイミングで動作するが、駆動期間Tdr後の第1から第4のスイッチ素子SW1〜SW4の制御が異なる。
図5は、第2比較例の通信システムのタイミング図である。図5は、図3の時刻t1,t2付近を示している。時刻t1からt2まで第2及び第3のスイッチ素子SW2,SW3が導通し、時刻t2以降では第1から第4のスイッチ素子SW1〜SW4が非導通になる。これにより、駆動電流Idrがゼロになることが期待できる。しかし、現実的には、送信インダクタL1の両端N1,N2のそれぞれに寄生容量が存在するため、送信インダクタL1の両端N1,N2がフローティング状態となることにより、上記寄生容量と送信インダクタL1とにより共振が発生する。また、多重反射も発生する。そのため、時刻t2の後、駆動電流Idrにはリンギングが生じる。
よって、第1受信信号Srx1にもリンギングが生じ、波形品質が悪化する。これにより、正しい第2受信信号Srx2を得ることができない可能性が高まる。
これに対して、本実施形態では、駆動期間Tdrの後、第1から第4のスイッチ素子SW1〜SW4を非導通にすることなく、第2及び第4のスイッチ素子SW2,SW4を導通させるようにしているので、送信インダクタL1の両端の電圧は接地電圧に固定される。これにより、図3に示したように、駆動電流Idrのリンギングを抑制できる。従って、第1受信信号Srx1の波形品質の悪化を抑制でき、正しい第2受信信号Srx2を得ることができる。
ところで、第1の実施形態の通信システム1において、通信方式は特に限定されない。例えば、送信信号Stxは、非同期のPWM(Pulse Width Modulation)信号であってもよく、非同期のトリガー信号であってもよく、同期通信方式におけるNRZ(Non Return to Zero)信号であってもよい。このような“H”又は“L”の期間が長い送信信号Stxを送信する場合に、消費電力の削減効果が大きくなる。つまり、駆動電流Idrは、送信信号Stxの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジに同期して駆動期間Tdrの間流れるため、“H”等の期間が長い送信信号Stxの場合、駆動電流Idrが流れない期間が相対的に長い。一方、“H”等の期間が短い送信信号Stxの場合、駆動電流Idrが頻繁に流れ、駆動電流Idrが流れない期間は相対的に短い。
なお、同期通信方式を用いる場合には、クロック・データ・リカバリ技術を利用してもよく、同期用のクロック信号を伝送するためのクロック信号伝送経路を送信機10と受信機20との間に追加してもよい。クロック信号伝送経路は、AC結合を用いて構成してもよく、有線で構成してもよい。
次に、一例として、PWM信号を用いた通信システム1について、図6,7を参照して説明する。
図6は、PWM信号を用いた図1の通信システム1の概略的な構成を示すブロック図である。図6に示すように、駆動信号生成回路12は、クロック信号生成器40と、第1基準信号生成器41,42と、第2基準信号生成器43と、第1パルス生成器44と、第2パルス生成器45と、第3パルス生成器46と、マルチプレクサ(選択回路)47と、信号合成回路48と、を有する。
図7は、図6の通信システム1のタイミング図である。図7に示すように、送信する送信データDtの1ビットの長さをT(秒)とする。
クロック信号生成器40は、クロック信号Vn0を生成する。一例として、クロック信号Vn0の周期はT/12とする。
第1基準信号生成器41,42は、クロック信号Vn0に同期して、送信する送信データDtの第1論理“1”に対応する第1基準信号Vn01,Vn02を生成する。第1基準信号Vn01,Vn02は、第1パルス幅PW1のパルスを周期Tで繰り返し含む。ここでは、第1パルス幅PW1は、2T/3である。つまり、第1基準信号Vn01,Vn02は、時刻t11からT/3の期間は“L”であり、その後、2T/3の期間“H”になる。第1基準信号生成器41,42は、1つだけ設けられてもよい。
第2基準信号生成器43は、クロック信号Vn0に同期して、送信データDtの第2論理“0”に対応する第2基準信号Vn03を生成する。第2基準信号Vn03は、第2パルス幅PW2のパルスを周期Tで繰り返し含む。第2パルス幅PW2は、第1パルス幅PW1より狭く、ここではT/3である。つまり、第2基準信号Vn03は、時刻t11から2T/3の期間は“L”であり、その後T/3の期間“H”になる。
第1基準信号Vn01,Vn02の立ち下がりエッジのタイミングは、第2基準信号Vn03の立ち下がりエッジのタイミングと等しい。第1基準信号Vn01,Vn02の立ち上がりエッジのタイミングは、第2基準信号Vn03の立ち上がりエッジのタイミングと異なる。
図示しない送信信号Stxは、送信データDtが第1論理“1”である場合、第1基準信号Vn01,Vn02と等しく、送信データDtが第2論理“0”である場合、第2基準信号Vn03と等しい。図7の例では、時刻t11からt12までは、送信信号Stxは第2基準信号Vn03と等しい。時刻t12からt13までは、送信信号Stxは第1基準信号Vn01,Vn02と等しい。従って、送信信号Stxは、周期Tで“L”と“H”を交互に繰り返し、送信データDtに応じて1周期T中の“H”の期間が異なるPWM信号となる。つまり、送信信号Stxは、送信データDtに応じて1周期T中の“H”の期間が異なるように変調されている。
第1パルス生成器44は、第1基準信号Vn01又は第2基準信号Vn03の立ち下がりエッジに同期して、駆動期間Tdrに対応したパルス幅Tdrのパルスを含む第1パルス信号Vn1を生成する。図示する例では、第1パルス信号Vn1は、第1基準信号Vn01の立ち下がりエッジに同期している。
第2パルス生成器45は、第1基準信号Vn02の立ち上がりエッジに同期して、駆動期間Tdrに対応したパルス幅Tdrのパルスを含む第2パルス信号Vn2を生成する。
第3パルス生成器46は、第2基準信号Vn03の立ち上がりエッジに同期して、駆動期間Tdrに対応したパルス幅Tdrのパルスを含む第3パルス信号Vn3を生成する。
マルチプレクサ47は、送信データDtに応じて、第2パルス信号Vn2と第3パルス信号Vn3との何れかを選択して出力する。ここでは、マルチプレクサ47は、送信データDtが“1”の場合、第2パルス信号Vn2を選択し、送信データDtが“0”の場合、第3パルス信号Vn3を選択する。
信号合成回路48は、第1パルス信号Vn1とマルチプレクサ47の出力信号Vmとを合成して駆動信号Sdrを生成する。具体的には、信号合成回路48は、第1パルス信号Vn1に同期して正の電圧となり、マルチプレクサ47の出力信号Vm(第2パルス信号Vn2又は第3パルス信号Vn3)に同期して負の電圧となる駆動信号Sdrを生成する。
従って、インダクタL1には、駆動信号Sdrに応じて駆動電流Idrが流れる。図2と同様に、駆動電流Idrは駆動期間Tdrの間流れるので、消費電力を低減できる。
そして、第1受信信号Srx1として、駆動電流Idrの立ち上がりエッジに同期して正のパルスが発生し、駆動電流Idrの立ち下がりエッジに同期して負のパルスが発生する。
このようにして、送信信号Stxと等価な第2受信信号Srx2を得ることができる。つまり、時刻t11aからt12aまでの第2受信信号Srx2は、時刻t11からt12までの第2基準信号Vn03と等価である。時刻t12aからt13aまでの第2受信信号Srx2は、時刻t12からt13までの第1基準信号Vn01,Vn02と等価である。前述のように、時刻t11からt12までは、送信信号Stxは第2基準信号Vn03と等しく、時刻t12からt13までは、送信信号Stxは第1基準信号Vn01,Vn02と等しい。そのため、第2受信信号Srx2は、送信信号Stxと等価である。
復調器23は、第2受信信号Srx2の“H”の期間の長さに基づいて、受信データを復調する。つまり、復調器23は、第2受信信号Srx2の“L”の期間の次の“H”の期間の長さが比較的長い(2T/3程度)場合、受信データとして論理“1”を復調する。また、復調器23は、第2受信信号Srx2の“L”の期間の次の“H”の期間の長さが比較的短い(T/3程度)場合、受信データとして論理“0”を復調する。従って、送信データDtと等しい受信データを得ることができる。
以上で説明したように、本実施形態によれば、送信信号Stxの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジに同期して駆動期間Tdrの間送信インダクタL1に駆動電流Idrが流れるようにしている。これにより、駆動期間Tdrが経過した後の送信信号Stxが変化していない期間には、駆動電流Idrが流れないようにできる。従って、送信回路11の消費電力を低減できる。
また、駆動期間Tdrの後、第2及び第4のスイッチ素子SW2,SW4を導通させて、第1及び第3のスイッチ素子SW1,SW3を非導通にして、送信インダクタL1の両端N1,N2に接地電圧を供給するようにしている。これにより、駆動電流Idrのリンギングを抑制できる。従って、第1受信信号Srx1の波形品質の悪化を抑制できる。
なお、駆動信号生成回路12は、駆動期間Tdrの後、第1及び第3のスイッチ素子SW1,SW3を導通させて、第2及び第4のスイッチ素子SW2,SW4を非導通にして、送信インダクタL1の両端N1,N2に印加電圧として駆動電圧VMIDを印加してもよい。このようにしても、駆動電流Idrのリンギングを抑制できる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、駆動回路13の構成が第1の実施形態と異なる。
図8は、第2の実施形態に係る駆動回路13Aの構成を示す回路図である。図8では、図2と共通する構成部分には同一の符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。
駆動回路13Aは、図2の抵抗R1,R2に代えて、抵抗(第5のインピーダンス素子)R11と、抵抗(第6のインピーダンス素子)R12と、抵抗(第7のインピーダンス素子)R13と、抵抗(第8のインピーダンス素子)R14と、を有する。
抵抗R11は、第1のスイッチ素子SW1の他端と、送信インダクタL1の一端N1との間に接続されている。抵抗R12は、第2のスイッチ素子SW2の他端と、送信インダクタL1の一端N1との間に接続されている。
抵抗R13は、第3のスイッチ素子SW3の他端と、送信インダクタL1の他端N2との間に接続されている。抵抗R14は、第4のスイッチ素子SW4の他端と、送信インダクタL1の他端N2との間に接続されている。抵抗R11〜R14は、駆動回路13Aの出力インピーダンスを決める。
このような駆動回路13Aを用いた通信システム1においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、駆動回路13のスイッチ素子の数が第1の実施形態と異なる。
図9は、第3の実施形態に係る駆動回路13Bの構成を示す回路図である。図9では、図2と共通する構成部分には同一の符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。
駆動回路13Bは、抵抗(第1のインピーダンス素子)R21と、抵抗(第2のインピーダンス素子)R22と、第1のスイッチ素子SW1と、第2のスイッチ素子SW2と、定電流源I1と、を有する。
抵抗R21は、駆動電圧(第1電圧)VMIDが供給される一端と、送信インダクタL1の一端N1に接続される他端と、を有する。
抵抗R22は、駆動電圧VMIDが供給される一端と、送信インダクタL1の他端N2に接続される他端と、を有する。
第1のスイッチ素子SW1は、抵抗R21の他端に接続される一端を有する。第2のスイッチ素子SW2は、抵抗R22の他端に接続される一端を有する。
定電流源I1は、第1のスイッチ素子SW1の他端および第2のスイッチ素子SW2の他端に接続される一端と、接地電圧(第2電圧)が供給される他端と、を有する。
駆動信号生成回路12は、送信信号Stxの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジに同期して、第1のスイッチ素子SW1又は第2のスイッチ素子SW2を駆動期間Tdrの間導通させて駆動電流Idrを流す。また、駆動信号生成回路12は、駆動期間Tdrの後、第1及び第2のスイッチ素子SW1,SW2を非導通にして送信インダクタL1の両端N1,N2に印加電圧を印加する。
第1のスイッチ素子SW1が導通した場合、定電流源I1の定電流に基づき、抵抗R22と送信インダクタL1とに正の駆動電流Idrが流れると共に、抵抗R21にも電流が流れる。第2のスイッチ素子SW2が導通した場合、抵抗R21と送信インダクタL1とに負の駆動電流Idrが流れると共に、抵抗R22にも電流が流れる。
本実施形態によれば、駆動期間Tdrの後、第1のスイッチ素子SW1及び第2のスイッチ素子SW2を非導通にしているので、送信インダクタL1の一端N1には抵抗R21を介して印加電圧として駆動電圧VMIDが印加され、送信インダクタL1の他端N2には抵抗R22を介して印加電圧として駆動電圧VMIDが印加されるようになる。従って、送信インダクタL1の両端N1,N2の電圧が安定するので、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
加えて、第1の実施形態よりもスイッチ素子の数を削減できるので、第1及び第2のスイッチ素子SW1,SW2の制御が容易になる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、駆動電圧VMIDと接地電圧との関係を逆にしている点において第3の実施形態と異なる。
図10は、第4の実施形態に係る駆動回路13Cの構成を示す回路図である。図10では、図9と共通する構成部分には同一の符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。
抵抗R21は、接地電圧(第1電圧)が供給される一端と、送信インダクタL1の一端N1に接続される他端と、を有する。
抵抗R22は、接地電圧が供給される一端と、送信インダクタL1の他端N2に接続される他端と、を有する。
第1のスイッチ素子SW1は、抵抗R21の他端に接続される一端を有する。第2のスイッチ素子SW2は、抵抗R22の他端に接続される一端を有する。
定電流源I1は、第1のスイッチ素子SW1の他端および第2のスイッチ素子SW2の他端に接続される一端と、駆動電圧(第2電圧)VMIDが供給される他端と、を有する。
第3の実施形態と同様に、駆動信号生成回路12は、駆動期間Tdrの後、第1のスイッチ素子SW1及び第2のスイッチ素子SW2を非導通にする。これにより、送信インダクタL1の一端N1には抵抗R21を介して印加電圧として接地電圧が印加され、送信インダクタL1の他端N2には抵抗R22を介して印加電圧として接地電圧が印加されるようになる。従って、第3の実施形態と同じ効果が得られる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態の説明に先立ち、第1の実施形態の通信システム1における同相電圧の変動について説明する。
図11は、図1の通信システム1の同相電圧の変動を説明するタイミング図である。図11は、図3に対応する。図11に示すように、時刻t1まで、第2及び第4のスイッチ素子SW2,SW4が導通しているので、送信インダクタL1の一端N1の同相電圧VN1は、0Vである。
次に、時刻t1において、駆動電流Idrを流すために第2及び第3のスイッチ素子SW2,SW3が導通するので、送信インダクタL1の一端N1の同相電圧VN1は、ほぼ駆動電圧VMID/2に増加する。
ここで、送信インダクタL1の一端N1と受信インダクタL2の一端N1rとの間に、寄生容量Cp1による容量結合が発生している場合、同相電圧VN1の増加によって、受信インダクタL2の一端N1rの同相電圧VN1rにパルス状の変動が発生する。
同様に、時刻t2,t3,t4においても、同相電圧VN1rにパルス状の変動が発生する。
送信インダクタL1の他端N2と受信インダクタL2の他端N2rとの間の寄生容量Cp2によっても、同様に受信インダクタL2の他端N2rの同相電圧VN2rが変動する(図示せず)。
第1受信信号Srx1は、同相電圧VN1rと同相電圧VN2rとの差であり、前述の図3のようになる。そのため、同相電圧VN1r,VN2rの変動の影響を受け難い受信回路21を用いた場合には、第1の実施形態で説明したように問題無く動作する。しかし、受信回路21の同相除去比が比較的低い場合などには、同相電圧VN1r,VN2rの変動により受信感度が悪化してしまう。
このことは、第2から第4の実施形態においても同様である。
そこで、第5の実施形態では、駆動期間Tdrの後、第1〜第4のスイッチ素子SW1〜SW4を導通させる。
図12は、第5の実施形態に係る駆動回路13Dの構成を示す回路図である。図12では、図2と共通する構成部分には同一の符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。
駆動回路13Dは、図2の構成に加え、抵抗(第1のインピーダンス素子)R31と、抵抗(第2のインピーダンス素子)R32と、抵抗(第3のインピーダンス素子)R33と、抵抗(第4のインピーダンス素子)R34と、を備える。抵抗R31〜R34の抵抗値は、ほぼ等しい。
抵抗R31は、第1のスイッチ素子SW1の一端と他端との間に接続されている。抵抗R32は、第2のスイッチ素子SW2の一端と他端との間に接続されている。抵抗R33は、第3のスイッチ素子SW3の一端と他端との間に接続されている。抵抗R34は、第4のスイッチ素子SW4の一端と他端との間に接続されている。
第1の実施形態と同様に、駆動信号生成回路12は、第1及び第4のスイッチ素子SW1,SW4、又は、第2及び第3のスイッチ素子SW2,SW3を駆動期間Tdrの間導通させて駆動電流Idrを流す。また、駆動信号生成回路12は、駆動期間Tdrの後、第1から第4のスイッチ素子SW1〜SW4を導通させて送信インダクタL1の両端N1,N2に印加電圧を印加する。印加電圧は、ほぼ駆動電圧VMID/2である。その後、駆動信号生成回路12は、第1から第4のスイッチ素子SW1〜SW4を非導通にして送信インダクタL1の両端N1,N2に駆動電圧VMIDと接地電圧との間の電圧を印加する。駆動電圧VMIDと接地電圧との間の電圧は、ほぼ駆動電圧VMID/2である。
なお、図12では、受信回路21の入力インピーダンスを抵抗Rinで等価的に表している。
図13は、第5の実施形態に係る通信システム1のタイミング図である。図13に示す時刻t2の後、即ち駆動期間Tdrの後、第1から第4のスイッチ素子SW1〜SW4が導通することにより、同相電圧VN1は、ほぼ駆動電圧VMID/2を維持する。図示は省略するが、同相電圧VN2も同様である。これにより、駆動電流Idrは0Aになり、駆動電流Idrのリンギングを抑制できる。
次に、時刻t2aにおいて、第1から第4のスイッチ素子SW1〜SW4が非導通になると、同相電圧VN1は、抵抗R31,R32によって決まり、ほぼ駆動電圧VMID/2を維持する。図示は省略するが、同相電圧VN2も同様である。
抵抗R31〜R34の各抵抗値は、第1から第4のスイッチ素子SW1〜SW4の導通時の各インピーダンスより高い。そのため、消費電力を低減できる。消費電力を低減する観点から、第1から第4のスイッチ素子SW1〜SW4を導通させる期間(時刻t2からt2a)は、第1から第4のスイッチ素子SW1〜SW5を非導通にする期間(時刻t2aからt3)より短いことが好ましい。
また、時刻t3以降の動作も以上と同様であり、時刻t4において第1から第4のスイッチ素子SW1〜SW4が導通し、時刻t4aにおいて、第1から第4のスイッチ素子SW1〜SW4が非導通になる。
本実施形態によれば、駆動期間Tdrの後、第1から第4のスイッチ素子SW1〜SW4を導通させ、その後、第1から第4のスイッチ素子SW1〜SW4を非導通にしている。これにより、駆動期間Tdrの後、送信インダクタL1の両端N1,N2の同相電圧VN1,VN2は、ほぼ駆動電圧VMID/2を維持する。つまり、駆動期間Trと、その後の期間とにおいて、同相電圧VN1,VN2を殆ど変化しないようにできる。
従って、受信回路21の同相除去比が低い場合などであっても、受信感度の悪化を抑制できる。また、第1の実施形態の効果も得られる。
(第6の実施形態)
第6の実施形態では、第2の実施形態と第5の実施形態とを組み合わせている。
図14は、第6の実施形態に係る駆動回路13Eの構成を示す回路図である。図14では、図12と共通する構成部分には同一の符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。
駆動回路13Eは、図12の抵抗R1,R2に代えて、抵抗R11〜R14を有する。
抵抗R11は、第1のスイッチ素子SW1の他端と、送信インダクタL1の一端N1との間に接続されている。抵抗R12は、第2のスイッチ素子SW2の他端と、送信インダクタL1の一端N1との間に接続されている。
抵抗R13は、第3のスイッチ素子SW3の他端と、送信インダクタL1の他端N2との間に接続されている。抵抗R14は、第4のスイッチ素子SW4の他端と、送信インダクタL1の他端N2との間に接続されている。
本実施形態においても、第5の実施形態と同様の効果が得られる。また、抵抗R11〜R14によって、第1から第4のスイッチ素子SW1〜SW4が導通している期間の消費電力を、第5の実施形態よりも削減することができる。
(第7の実施形態)
第7の実施形態では、第5の実施形態の駆動回路13Dの構成を簡略化している。
図15Aは、第7の実施形態に係る駆動回路13Fの構成を示す回路図である。図15Aでは、図12と共通する構成部分には同一の符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。
駆動回路13Fにおいて、第1から第4のスイッチ素子SW1〜SW4は、NMOSトランジスタNM1〜NM4である。第5の実施形態の抵抗R31〜R34は設けられていない。
駆動信号生成回路12は、第1及び第4のスイッチ素子SW1,SW4、又は、第2及び第3のスイッチ素子SW2,SW3の電流経路の各インピーダンスを駆動期間Tdrの間低くして駆動電流Idrを流す。この時の第1及び第4のスイッチ素子SW1,SW4、又は、第2及び第3のスイッチ素子SW2,SW3の各インピーダンスは、第5の実施形態の第1から第4のスイッチ素子SW1〜SW4の導通時の各インピーダンスと同等である。
駆動信号生成回路12は、駆動期間Tdrの後、第1から第4のスイッチ素子SW1〜SW4の電流経路の各インピーダンスを低くして送信インダクタL1の両端N1,N2に印加電圧を印加する。この時の第1から第4のスイッチ素子SW1〜SW4の各インピーダンスは、駆動期間Tdrの上記インピーダンスと同等である。印加電圧は、ほぼ駆動電圧VMID/2である。
その後、駆動信号生成回路12は、第1から第4のスイッチ素子SW1〜SW4の電流経路の各インピーダンスを高くして送信インダクタL1の両端N1,N2に駆動電圧VMIDと接地電圧との間の電圧を印加する。この時の第1から第4のスイッチ素子SW1〜SW4の各インピーダンスは、第5の実施形態の抵抗R31〜R34の各抵抗値と同等である。駆動電圧VMIDと接地電圧との間の電圧は、ほぼ駆動電圧VMID/2である。
以上から、第5の実施形態の効果が得られる。また、本実施形態によれば、抵抗R31〜R34が設けられていないので、第5の実施形態よりも構成要素が少なく、設計が容易である。
なお、第1から第4のスイッチ素子SW1〜SW4は、PMOSトランジスタ又はバイポーラトランジスタ等の他のトランジスタであってもよく、図15Bに示すように、PMOSトランジスタPM10とNMOSトランジスタNM10とが並列に接続されたスイッチ素子であってもよい。
(第8の実施形態)
第8の実施形態では、第2の実施形態と第7の実施形態とを組み合わせている。
図16は、第8の実施形態に係る駆動回路13Gの構成を示す回路図である。図16では、図15Aと共通する構成部分には同一の符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。
駆動回路13Gは、図15Aの抵抗R1,R2に代えて、抵抗R11〜R14を有する。
抵抗R11は、第1のスイッチ素子SW1の他端と、送信インダクタL1の一端N1との間に接続されている。抵抗R12は、第2のスイッチ素子SW2の他端と、送信インダクタL1の一端N1との間に接続されている。
抵抗R13は、第3のスイッチ素子SW3の他端と、送信インダクタL1の他端N2との間に接続されている。抵抗R14は、第4のスイッチ素子SW4の他端と、送信インダクタL1の他端N2との間に接続されている。
本実施形態においても、第7の実施形態と同様の効果が得られる。また、第1から第4のスイッチ素子SW1〜SW4が導通している期間の消費電力を、第7の実施形態よりも削減することができる。
(第9の実施形態)
第9の実施形態は、AC結合として容量結合を用いた点において第1の実施形態と異なる。
図17は、第9の実施形態に係る通信システム1Aの概略的な構成を示すブロック図である。図17では、図1と共通する構成部分には同一の符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。
送信AC結合素子E1は、第1送信電極TE1と、第2送信電極TE2と、第1送信電極TE1と第2送信電極TE2との間に接続された終端抵抗Rtと、を有する。第1送信電極TE1は、送信AC結合素子E1の一端N1に接続されている。第2送信電極TE2は、送信AC結合素子E1の他端N2に接続されている。第1送信電極TE1及び第2送信電極TE2は、例えば、平面視で円形、楕円形、矩形など任意の形状を有する薄膜状の金属パターンであり、送信機10Aのプリント配線基板上に設けられている。
一方の第1伝送線路TL1は、送信回路11と第1送信電極TE1とを接続している。他方の第1伝送線路TL1は、送信回路11と第2送信電極TE2とを接続している。
終端抵抗Rtにより、受信機20Aから送信機10Aへの信号の反射を抑制することができる。
第1の実施形態と同様に、駆動回路13は、駆動信号Sdrに応じて、送信信号Stxの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジに同期して駆動期間Tdrの間送信AC結合素子E1に駆動電流Idrを流す。駆動電流Idrは、終端抵抗Rtに流れる。
受信AC結合素子E2は、第1受信電極RE1と、第2受信電極RE2と、を有する。第1受信電極RE1及び第2受信電極RE2は、例えば、平面視で円形、楕円形、矩形など任意の形状を有する薄膜状の金属パターンであり、受信機10Aのプリント配線基板上に設けられている。
一方の第2伝送線路TL2は、第1受信電極RE1と受信回路21とを接続している。他方の第2伝送線路TL2は、第2受信電極RE2と受信回路21とを接続している。
通信を行う際には、第1送信電極TE1と第1受信電極RE1とが近接し、第2送信電極TE2と第2受信電極RE2とが近接するよう、送信機10Aと受信機20Aとは近接して配置される。第1送信電極TE1と第1受信電極RE1との距離、及び、第2送信電極TE2と第2受信電極RE2との距離は、例えば、数mmである。このように配置されることにより、第1送信電極TE1は第1受信電極RE1に容量結合(AC結合)され、第2送信電極TE2は第2受信電極RE2に容量結合される。第1送信電極TE1と第1受信電極RE1との間の結合容量Cacc1、及び、第2送信電極TE2と第2受信電極RE2との間の結合容量Cacc2は、それぞれ、例えば数百fF〜数pFになる。これにより、第1送信電極TE1及び第2送信電極TE2から第1受信電極RE1及び第2受信電極RE2に結合容量Cacc1,Cacc2を介して信号が伝達される。
このような通信システム1Aにおいても、第1の実施形態と同様に通信を行うことができる。
本実施形態においても、駆動期間Tdrの後、送信AC結合素子E1の両端N1,N2に接地電圧を供給するようにしているので、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、第1の実施形態の駆動回路13に代えて、第2から第8の実施形態の駆動回路13A〜13Gを用いてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1,1A 通信システム
10,10A 送信機
11 送信回路
12 駆動信号生成回路
13,13A〜13G 駆動回路
20,20A 受信機
21 受信回路
22 ヒステリシス回路
23 復調器
TL1 第1伝送線路
TL2 第2伝送線路
E1 送信AC結合素子
E2 受信AC結合素子
L1 送信インダクタ
L2 受信インダクタ
TE1 第1送信電極
TE2 第2送信電極
RE1 第1受信電極
RE2 第2受信電極
Rt 終端抵抗
SW1 第1のスイッチ素子
SW2 第2のスイッチ素子
SW3 第3のスイッチ素子
SW4 第4のスイッチ素子
R1 抵抗(第5のインピーダンス素子)
R2 抵抗(第6のインピーダンス素子)
R11 抵抗(第5のインピーダンス素子)
R12 抵抗(第6のインピーダンス素子)
R13 抵抗(第7のインピーダンス素子)
R14 抵抗(第8のインピーダンス素子)
R21 抵抗(第1のインピーダンス素子)
R22 抵抗(第2のインピーダンス素子)
R31 抵抗(第1のインピーダンス素子)
R32 抵抗(第2のインピーダンス素子)
R33 抵抗(第3のインピーダンス素子)
R34 抵抗(第4のインピーダンス素子)
I1 定電流源

Claims (10)

  1. 受信AC結合素子を介して信号を受信する受信回路に対して、前記受信AC結合素子にAC結合される送信AC結合素子を介して信号を送信する送信回路であって、
    送信する送信信号に同期して駆動信号を生成する駆動信号生成回路と、
    前記駆動信号に応じて、前記送信信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジに同期して予め定められた駆動期間の間前記送信AC結合素子の両端間に駆動電流を流し、前記駆動期間の後、前記送信AC結合素子の両端に印加電圧を印加する駆動回路と、
    を備えることを特徴とする送信回路。
  2. 前記駆動回路は、
    第1電圧が供給される一端と、前記送信AC結合素子の一端に接続される他端と、を有する第1のスイッチ素子と、
    第2電圧が供給される一端と、前記送信AC結合素子の一端に接続される他端と、を有する第2のスイッチ素子と、
    前記第1電圧が供給される一端と、前記送信AC結合素子の他端に接続される他端と、を有する第3のスイッチ素子と、
    前記第2電圧が供給される一端と、前記送信AC結合素子の他端に接続される他端と、を有する第4のスイッチ素子と、を有し、
    前記駆動信号生成回路は、前記第1及び第4のスイッチ素子、又は、前記第2及び第3のスイッチ素子を前記駆動期間の間導通させて前記駆動電流を流し、前記駆動期間の後、前記第2及び第4のスイッチ素子、又は、前記第1及び第3のスイッチ素子を導通させて前記送信AC結合素子の両端に前記第2電圧又は前記第1電圧と等しい前記印加電圧を印加する、ことを特徴とする請求項1に記載の送信回路。
  3. 前記駆動回路は、
    第1電圧が供給される一端と、前記送信AC結合素子の一端に接続される他端と、を有する第1のスイッチ素子と、
    第2電圧が供給される一端と、前記送信AC結合素子の一端に接続される他端と、を有する第2のスイッチ素子と、
    前記第1電圧が供給される一端と、前記送信AC結合素子の他端に接続される他端と、を有する第3のスイッチ素子と、
    前記第2電圧が供給される一端と、前記送信AC結合素子の他端に接続される他端と、を有する第4のスイッチ素子と、
    前記第1のスイッチ素子の一端と他端との間に接続された第1のインピーダンス素子と、
    前記第2のスイッチ素子の一端と他端との間に接続された第2のインピーダンス素子と、
    前記第3のスイッチ素子の一端と他端との間に接続された第3のインピーダンス素子と、
    前記第4のスイッチ素子の一端と他端との間に接続された第4のインピーダンス素子と、を有し、
    前記駆動信号生成回路は、前記第1及び第4のスイッチ素子、又は、前記第2及び第3のスイッチ素子を前記駆動期間の間導通させて前記駆動電流を流し、前記駆動期間の後、前記第1から第4のスイッチ素子を導通させて前記送信AC結合素子の両端に前記印加電圧を印加し、その後、前記第1から第4のスイッチ素子を非導通にして前記送信AC結合素子の両端に前記第1電圧と前記第2電圧との間の電圧を印加する、ことを特徴とする請求項1に記載の送信回路。
  4. 前記駆動回路は、
    第1電圧が供給される一端と、前記送信AC結合素子の一端に接続される他端と、を有する第1のスイッチ素子と、
    第2電圧が供給される一端と、前記送信AC結合素子の一端に接続される他端と、を有する第2のスイッチ素子と、
    前記第1電圧が供給される一端と、前記送信AC結合素子の他端に接続される他端と、を有する第3のスイッチ素子と、
    前記第2電圧が供給される一端と、前記送信AC結合素子の他端に接続される他端と、を有する第4のスイッチ素子と、を有し、
    前記第1から第4のスイッチ素子は、トランジスタであり、
    前記駆動信号生成回路は、前記第1及び第4のスイッチ素子、又は、前記第2及び第3のスイッチ素子の各インピーダンスを前記駆動期間の間低くして前記駆動電流を流し、前記駆動期間の後、前記第1から第4のスイッチ素子の各インピーダンスを低くして前記送信AC結合素子の両端に前記第1電圧と前記第2電圧との間の電圧である前記印加電圧を印加し、その後、前記第1から第4のスイッチ素子の各インピーダンスを高くして前記送信AC結合素子の両端に前記第1電圧と前記第2電圧との間の電圧を印加する、ことを特徴とする請求項1に記載の送信回路。
  5. 前記駆動回路は、
    前記第1のスイッチ素子の他端及び前記第2のスイッチ素子の他端の接続ノードと、前記送信AC結合素子の一端との間に接続された第5のインピーダンス素子と、
    前記第3のスイッチ素子の他端及び前記第4のスイッチ素子の他端の接続ノードと、前記送信AC結合素子の他端との間に接続された第6のインピーダンス素子と、
    を有することを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の送信回路。
  6. 前記駆動回路は、
    前記第1のスイッチ素子の他端と前記送信AC結合素子の一端との間に接続された第5のインピーダンス素子と、
    前記第2のスイッチ素子の他端と前記送信AC結合素子の一端との間に接続された第6のインピーダンス素子と、
    前記第3のスイッチ素子の他端と前記送信AC結合素子の他端との間に接続された第7のインピーダンス素子と、
    前記第4のスイッチ素子の他端と前記送信AC結合素子の他端との間に接続された第8のインピーダンス素子と、
    を有することを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の送信回路。
  7. 前記駆動回路は、
    第1電圧が供給される一端と、前記送信AC結合素子の一端に接続される他端と、を有する第1のインピーダンス素子と、
    前記第1電圧が供給される一端と、前記送信AC結合素子の他端に接続される他端と、を有する第2のインピーダンス素子と、
    前記第1のインピーダンス素子の他端に接続される一端を有する第1のスイッチ素子と、
    前記第2のインピーダンス素子の他端に接続される一端を有する第2のスイッチ素子と、
    前記第1のスイッチ素子の他端および前記第2のスイッチ素子の他端に接続される一端と、第2電圧が供給される他端と、を有する定電流源と、を有し、
    前記駆動信号生成回路は、前記第1のスイッチ素子又は前記第2のスイッチ素子を前記駆動期間の間導通させて前記駆動電流を流し、前記駆動期間の後、前記第1及び第2のスイッチ素子を非導通にして前記印加電圧を印加する、ことを特徴とする請求項1に記載の送信回路。
  8. 送信AC結合素子と、
    前記送信AC結合素子を介して信号を送信する送信回路と、
    前記送信AC結合素子にAC結合される受信AC結合素子と、
    前記受信AC結合素子を介して信号を受信する受信回路と、を備え、
    前記送信回路は、
    送信する送信信号に同期して駆動信号を生成する駆動信号生成回路と、
    前記駆動信号に応じて、前記送信信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジに同期して予め定められた駆動期間の間前記送信AC結合素子の両端間に駆動電流を流し、前記駆動期間の後、前記送信AC結合素子の両端に印加電圧を供給する駆動回路と、を有し、
    前記受信回路は、入出力特性にヒステリシスを有し、前記受信AC結合素子で受信された第1受信信号に応じて第2受信信号を出力するヒステリシス回路を有し、
    待ち受け時の前記第2受信信号の論理は、前記送信信号の初期値の論理とは異なる、ことを特徴とする通信システム。
  9. 前記受信AC結合素子は、受信インダクタであり、
    前記送信AC結合素子は、前記受信インダクタに誘導結合される送信インダクタである、ことを特徴とする請求項8に記載の通信システム。
  10. 前記受信AC結合素子は、第1受信電極と、第2受信電極と、を有し、
    前記送信AC結合素子は、
    前記送信AC結合素子の一端に接続され、前記第1受信電極に容量結合される第1送信電極と、
    前記送信AC結合素子の他端に接続され、前記第2受信電極に容量結合される第2送信電極と、
    前記第1送信電極と前記第2送信電極との間に接続された終端抵抗と、を有し、
    前記駆動電流は前記終端抵抗に流れる、ことを特徴とする請求項8に記載の通信システム。
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