JP2016137945A - 折り畳み式収納箱 - Google Patents

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【課題】段積みした状態でも下段の収納箱に正面側から物品の出し入れが可能で、不使用時にはコンパクトに折り畳める折り畳み式収納箱を提供する。【解決手段】上面、前面上部に開口を有する箱体とそれら開口を塞ぐ蓋体と底面板材で構成する。箱体は左右側壁が同一形状で平行配置、右側壁は上下辺が平行、右辺は垂直、左側辺は前面側に突出した「く」字状に形成し、箱体上面は開口、前面は「く」字状上部を斜め上方向き開口とする。底面は折り畳み可能シートで、4側面は芯板材を布材で覆って構成する。左右側壁の上下辺間に斜め折り畳み線を形成して内部芯板材を二分割しておく。斜め折り畳み線にて左右側壁を内側に折り曲げ、「く」字状の下部壁を背面壁の左右辺に一致させた状態に折り畳まれたときの左右側壁の折り目を斜め折り畳み線とする。【選択図】図2

Description

本考案は物品を収納する収納箱であって、積み重ねた状態でも下段の収納箱への物品の収納、取り出しが可能であり、不使用時には保管に便利なコンパクトな形に折り畳める折り畳み式収納箱に関する。
各種小物を収納する収納箱の多くは、上方が開口した四角形の箱に開閉、又は取り外し可能な上蓋を取りつけた構成になっている。このような構成の収納箱では、2段、3段に積み上げて使用する場合、下段収納箱に物品を出し入れする際には上段収納箱を取り除いて作業する必要があり面倒である。この問題を解決するため、上蓋ではなく前面全体を傾動開閉できる構成の収納箱(特許文献1)も開示されている。しかし、このような構成では、前面蓋を開いたときに収納物が転がり落ちる心配がある。
この問題を解決するため図13に示すような収納箱50も考案され(特許文献2)、市販されている。この収納箱50は物品を収納する箱本体部51と蓋52から構成されており、箱本体部51が右側面から見ると左側(前面側)に「く」字状に突出した形状で上面が開口し、前面も「く」字状の上半分が斜め上方に向けて開口している。蓋52は上面と前面上部開口を塞ぐもので、前面上部開口を塞ぐ前蓋部52aは上面蓋部52bに回動可能に取りつけてある。この収納箱50は上下方向に段積み可能で、段積み状態でも前蓋部52aを図11の(2)に示すように上方に開くことにより下段の収納箱50に物品の出し入れができる。しかし、この収納箱50はプラスチックで製作されていて折り畳みできないため、不使用時の保管や商品としての収納箱50の輸送に不便な問題がある。
この保管の問題を解決するため特許文献3には、全体形状が前記収納箱50と殆ど同じ折り畳み式の収納ボックスが開示されている。この収納ボックスはプラスチックではなく中質繊維板製の芯板材を布材で覆った材料で構成されており、箱本体部の前面、背面の中央に縦垂直に伸びる折り目が形成されていて不使用時には左右側壁を重ねた状態に折り畳める点に特徴がある。
特開2013−203446号公報 実用新案登録第3193224号公報 実用新案登録第3200269号公報
本考案はこうした背景からなされたもので、段積みした状態でも下段の収納箱に正面側から物品の出し入れが可能で、不使用時や商品としての輸送時にはコンパクトに折り畳める折り畳み式収納箱を提供することにある。
前記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、上面と前面上部に開口を有する箱体と、該箱体の前記二つの開口を塞ぐ蓋体と、箱体の内部底面上に載置する板材とからなる収納箱であって、箱体は左右側壁が平行、且つ左右対称な形状で、右側面視で底辺、上辺が平行、箱体背面と一致する右辺が底辺に垂直、箱体前面側となる辺が前面側に突出した「く」字状に形成され、箱体底面は四角形で箱体上面は開口しており、箱体前面は「く」字状の上部が斜め上方に開口した形状に形成されており、箱体底面は折り畳み可能なシートで形成され、箱体の左右側壁、背面壁、前面の「く」字状の下部壁は芯板材を布材で覆った材料で形成して各側壁の接合部で互いに屈曲可能とされており、左右側壁には上辺、下辺間を結ぶ二つ折り可能な斜め折り畳み線が形成されて内部芯板材が前側芯板材、後側芯板材の二つに分割されており、その斜め折り畳み線は斜め折り畳み線にて左右側壁を箱体内側に向けて折りまげ、後側芯板材部分の側壁が箱体背面壁に重なる状態に折り畳んだときに前面「く」字状の下部壁がその左右辺を箱体背面壁の左右辺に一致させて重なった状態に折り畳まれるように形成してあることを特徴とする折り畳み式収納箱である。
このような構成の折り畳み式収納箱は、箱体前面に斜め上方に向かう開口が形成されて開閉蓋が取りつけられているため、複数の収納箱を段積みして使用する場合でも下段の収納箱に自由に物品の出し入れを行なうことができる。また、不使用時には保管に便利なコンパクトな形に折り畳むことができる。
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載の折り畳み式収納箱において、該収納箱の二つの開口を塞ぐ蓋体は箱体上面の開口を塞ぐ上面蓋体と、箱体前面の斜め上方に向かう開口を開閉自在に塞ぐ前面蓋体とで構成され、上面蓋体の前面側辺を除く3辺には箱体側壁外側を下方に延びる平面視コ状の垂延部が形成してあり、前面蓋体は箱体前面開口を塞ぐ大きさの矩形に形成されて上面蓋体の前面側辺に屈曲可能に接続してあり、上面蓋体及び前面蓋体は、芯板材を布材で覆った材料で形成してあり、前面蓋体は、斜め垂下方向幅の1/2幅部分に水平方向折り畳み線を形成して内部芯板材が上方側板材、下方側板材に2分割されており、下方側板材は水平方向折り畳み線にて折り畳むことにより上方側板材の内側表面に折り重ね可能に構成されていることを特徴とする折り畳み式収納箱である。
このような構成の蓋部は折り畳むことができるため、不使用時には箱体の折り畳みとあわせて収納箱全体を保管や運搬に便利なコンパクトな形状にできる利点を有する。
本発明に係る折り畳み式収納箱1の外観斜視図である。 折り畳み式収納箱1の分解斜視図である。 折り畳み式収納箱1の右側面図である。 折り畳み式収納箱1の蓋を外した状態の右側面図である。 箱体2を折り畳んだ状態の平面図である。 箱体2を折り畳んだ状態の斜視図である。 前面蓋体3bを折り曲げて箱体前面開口を開いた状態の側面図である。 前面蓋体3bを折り曲げて箱体前面開口を開いた状態の別の側面図である。 前面蓋体3bを折り曲げて箱体前面開口を開いた状態の別の側面図である。 段積みした下段側収納箱に物品を出し入れする場合の図である。 蓋体3を折り畳んだ状態の斜視図である。 前面蓋体が1枚板タイプの収納箱1aの外観図である。 従来の収納箱の例である。
以下、本発明に係る折り畳み式収納箱1の実施形態を図面を参照して説明する。図1は折り畳み式収納箱1の外観斜視図、図2はその分解斜視図、図3は右側面図、図4は蓋を外した状態の右側面図である。折り畳み式収納箱1は図2の分解斜視図に示すように物品の収納する箱体2、その開口を塞ぐ蓋体3、箱体2の内部底面上に載置する底面板材4から構成される。
箱体2の左側壁5、右側壁6は同一形状で、平行に配置され、両者間中心を通る垂直面に対して左右対称になっている。右側壁6は底辺と上辺が平行、箱体背面壁7と一致する右辺は底辺に垂直、箱体2の前面側となる辺は前面側に突出した「く」字状に形成されている。箱体上面は四角形で開口しており、箱体底面8も四角形、箱体前面側は「く」字状の上部が斜め上方に開口した形状に形成されている。
箱体底面8は折り畳み可能なシートで形成され、箱体2の左側壁5、右側壁6、背面壁7、前面の「く」字状の下部壁9は芯板材を布材で覆った材料で形成されている。芯板材としては中質繊維板(通称、MDF)が使用してある。各壁は隣接する壁との間が芯板材を覆う布材により屈曲可能に接続されている。
左側壁5、右側壁6には、上辺、下辺間を結ぶ二つ折り可能な斜め折り畳み線10が形成されている。この斜め折り畳み線10を設けるために、左側壁5、右側壁6の芯板材は折り畳み線10を境として前側芯板材6a、後側芯板材6bの二つに分割されている。その斜め折り畳み線10は、斜め折り畳み線10にて左右側壁5、6を箱体2内側に向けて折り曲げていき、後側芯板材6b部分の側壁が箱体背面壁7に重なる状態に折り畳んだときに、前面「く」字状の下部壁9がその左右辺を箱体背面壁7の左右辺に一致させて重なった状態になるように形成してある。
図5はこのようにして左側壁5、右側壁6を各々2つ折りして箱体背面壁7に折り重ねた状態の平面図、図6はその状態の斜視図である。前面「く」字状の下部壁9の横幅は箱体背面壁7の横幅に等しいため、このように下部壁9の左右辺を箱体背面壁7の左右辺に一致させた状態に折り畳むことができる。この状態にしたときの左側壁5、右側壁6の二つ折り線を前記斜め折り畳み線10としている。即ち、このように斜め折り畳み線10を設けておけば、不使用時には箱体2を図5、図6に示すようなコンパクトな形に折り畳むことができる。
物品収納箱として使用する際には、箱体2の内部底面上には箱体2の形状を維持するための底面板材4を載置する。底面板材4も中質繊維板を布材で覆った材料で構成されている。
このような構造の箱体2の開口を塞ぐ蓋体3は、図2、図4に示すように上面開口を塞ぐ平面視、四角形の上面蓋体3aと、箱体前面の斜め上方に向かう開口を開閉自在に塞ぐ前面蓋体3bとで構成されている。上面蓋体3aの前面側辺を除く3辺には、箱体2の開口を塞いだときに箱体側壁外側を下方に延びる平面視コ状の垂延部12が形成ざれている。前面蓋体3bは箱体前面開口を塞ぐ大きさの矩形に形成され、上面蓋体3aの前面側辺に屈曲可能に取り付けてある。
上面蓋体3a、前面蓋体3bは、芯板材を布材で覆った材料で形成してある。前面蓋体3bは、斜め垂下方向幅の1/2幅部分に水平方向折り畳み線14が形成してあり、それを境として内部芯板材が上方側板材13aと下方側板材13bに2分割されている。下方側板材13bは水平方向折り畳み線14にて折り畳むことにより上方側板材13aの内側表面に折り重ね可能に構成されている。
図7、図8、図9は、箱体前面開口を開く前面蓋体3bの使用形態を示したものである。図7は、前面蓋体3bの全体を上面蓋体3aの上面に重ねるように折り曲げて箱体前面開口を開いた状態を示している。図8は、前面蓋体3bの下方側板材13bを水平方向折り畳み線14にて折り曲げて上方側板材13aの内側表面に折り重ね、折り重ねた前面蓋体3b全体を上面蓋体3aの上面に重ねるように折り曲げて箱体前面開口を開いた状態を示している。
この図7、図8の開き方は、段積みした箱体の最上段の箱体にしか採用できない。これに対して図9は、最上段ではない下段の箱体に適用できる開き方である。図9では、前面蓋体3bの下方側板材13bを水平方向折り畳み線14にて上方側板材13aの内側に折り曲げるが、完全に上方側板材13aに重なるまでは折り曲げず、両者が小さい角度で開いた状態に折り曲げる。そして、その状態の下方側板材13bの先端を箱体2の左側壁5、右側壁6の「く」字状辺部に載せた状態で係止させる。このためには、前面蓋体3bの横幅は箱体2の横幅よりも僅かに大きく形成しておく必要がある。
図9に示すような状態にすると、僅かに開いた状態の上方側板材13a、下方側板材13bは、自重により上面蓋体3aとの接続部を中心として開口側に回転しようとする。その回転力は下方側板材13bの先端に当接している左側壁5、右側壁6の「く」字状辺部で受け止められる。下方側板材13bが左右側壁5、6の「く」字状辺部にほぼ直角に当接するように上方側板材13a、下方側板材13bの開き角度を加減すれば、前記回転力により下方側板材13bの先端から左右側壁5、6の「く」字状辺部に加わる力は「く」字状辺に直角になる。この力の方向が直角であれば、下方側板材13b先端には、その先端を下方、又は上方側に移動させる滑り力は働かず、下方側板材13bはその状態で静止し、箱体2の上方に向けた開口は開いた状態が維持される。
下方側板材13bが「く」字状辺部に直角でない角度で当接している場合には、下方側板材13b先端には下方、又は上方側に向けて移動させようとする滑り力が働く。しかし、下方側板材13b、左右側壁5、6はいずれも表面が布材で覆われている。そのため、それらの間の摩擦係数が大きいため少し位の滑り力が働いた位では下方側板材13b先端は移動せず、箱体2の上方に向けた開口は開いた状態が維持される。摩擦によらずにこの移動を制止するには、下方側板材13bが当接する左右側壁5、6の端部に係止させるための凹部を設けるとよい。
この蓋体3は、前面蓋体3bを図9に示したように上面蓋体3aの上に折り重ねることなく箱体前面開口を開くことができる。従って、図10に示すように収納箱1を上下方向に複数個段積みして使用する場合でも、上段側収納箱を取り外すことなく下段側収納箱の前面開口を開けて下段側収納箱に物品の出し入れを行なうことができる利点を有する。
この蓋体3も不使用時には図11に示すように前面蓋体3bは上面蓋体3aに折り重ね、上面蓋体3aの3辺に設けられた垂延部12は蓋体3の内面側に折り畳む。垂延部12がそのように折り畳めるように、左右の垂延部12内の芯板材の背面側端部は、上側端部から45度の傾きで引いた線の外側部分が切り欠いてある。更に、折り畳みを容易にするため背面側の垂延部12の左右端部も上側端部から45度の傾きで引いた線の外側部分が切り欠いてある。
以上説明した本実施形態の折り畳み式収納箱は収納箱前面に斜め上方に向けた開口が形成され、その部分に開閉蓋が取りつけられているため、複数の収納箱を段積みして使用する場合でも下段の収納箱に自由に物品の出し入れを行なうことができる利点を有する。また、不使用時には箱本体部は図5、図6に示すように、蓋部は図11に示すように折り畳み、それの上に底面板材4を重ねることにより全体を保管や運搬に便利なコンパクトな形状にできる利点を有する。
(変形実施形態)
前記実施形態の折り畳み式収納箱1の前面蓋体3bには、図1、図2、図8、図9に示したように斜め垂下方向幅の1/2幅部分に水平方向折り畳み線14を形成して二つ折り可能の構成を採用した。これに対し、前面蓋体3bは折り畳み線を設けずに分割なしの1枚の芯板材を布材で覆った構成としてもよい。図11はそのような構成の折り畳み式収納箱1aの外観図である。このような構成の前面蓋体3cを採用した場合には、前面蓋体3cを図7と同じように上面蓋体3aの上に折り畳むか、手で前面蓋体3cを持ち上げた状態で箱体2に物品の出し入れを行なう。
図面中、1は折り畳み式収納箱、2は箱体、3は蓋体、3aは上面蓋体、3bは前面蓋体、4は底面板材、5は左側壁、6は右側壁、6aは前側芯板材部分側壁、6bは後側芯板材部分側壁、8は箱体底面、7は背面壁、10は斜め折り畳み線、12は垂延部、13aは上方側板材、13bは下方側板材、14は水平方向折り畳み線を示す。

Claims (2)

  1. 上面と前面上部に開口を有する箱体と、該箱体の前記二つの開口を塞ぐ蓋体と、箱体の内部底面上に載置する底面板材とからなる収納箱であって、
    前記箱体は左右側壁が同一形状で、平行、且つ両者間中心を通る垂直面に対して左右対称に配置されており、右側壁は上下辺が平行、右辺は下辺に垂直、箱体前面側となる左辺は前面側に突出した「く」字状に形成されており、箱体底面は四角形で箱体上面は開口しており、箱体前面は「く」字状の上部が斜め上方に開口した形状に形成されており、
    箱体底面は折り畳み可能なシートで形成され、箱体の左右側壁、背面壁、前面の「く」字状の下部壁は芯板材を布材で覆った材料で形成して各側壁の接合部で互いに屈曲可能とされており、
    前記左右側壁には上辺、下辺間を結ぶ二つ折り可能な斜め折り畳み線が形成されて内部芯板材が前側芯板材、後側芯板材の二つに分割されており、その斜め折り畳み線は斜め折り畳み線にて左右側壁を箱体内側に向けて折りまげ、前記後側芯板材部分の側壁が箱体背面壁に重なる状態に折り畳んだときに前記前面「く」字状の下部壁がその左右辺を箱体背面壁の左右辺に一致させて重なった状態に折り畳まれるように形成してあることを特徴とする折り畳み式収納箱。
  2. 請求項1に記載の折り畳み式収納箱において、該収納箱の前記二つの開口を塞ぐ蓋体は前記箱体上面の開口を塞ぐ上面蓋体と、前記箱体前面の斜め上方に向かう開口を開閉自在に塞ぐ前面蓋体とで構成され、
    前記上面蓋体の前面側辺を除く3辺には箱体側壁外側を下方に延びる平面視コ状の垂延部が形成してあり、前面蓋体は箱体前面開口を塞ぐ大きさの矩形に形成されて上面蓋体の前面側辺に屈曲可能に接続してあり、
    前記上面蓋体及び前面蓋体は、芯板材を布材で覆った材料で形成してあり、
    前記前面蓋体は、斜め垂下方向幅の1/2幅部分に水平方向折り畳み線を形成して内部芯板材が上方側板材、下方側板材に2分割されており、下方側板材は水平方向折り畳み線にて折り畳むことにより上方側板材の内側表面に折り重ね可能に構成されていることを特徴とする折り畳み式収納箱。
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