JP2016136167A - 赤外光学膜、円偏光ミラー、円偏光ミラーを備えたレーザ加工機、および赤外光学膜の製造方法 - Google Patents

赤外光学膜、円偏光ミラー、円偏光ミラーを備えたレーザ加工機、および赤外光学膜の製造方法 Download PDF

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    • H01S3/2232Carbon dioxide (CO2) or monoxide [CO]

Abstract

【課題】光学性能を大きく低下させることなく、耐熱性を強化した赤外光学膜を提供すること。
【解決手段】基板上に形成された光学反射膜を覆うように、Geで形成された高屈折層と、Geより小さい屈折率を有する材料で形成された低屈折層とを交互に形成した多層の赤外光学膜であって、各低屈折層はZnSまたはZnSeのいずれかの材料の層を有し、各高屈折層の材料はGeであり、前記低屈折層の少なくとも一層において、前記ZnSまたはZnSeのいずれかの材料の層とフッ化物の層とを含むようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、COレーザ用の光学部品、特に円偏光ミラーの赤外光学膜、および該円偏光ミラーを搭載したレーザ加工機に関するものである。
レーザ光は、単一波長で位相が揃ったコヒーレントな光であり、情報通信や計測機器、医療などの様々な分野で使用されている。高出力発振が可能なCOレーザに関しては、鋼板の切断やプリント配線板への穴あけ加工に利用されている。
レーザ光を用いて鋼板を加工する場合、レーザ光の偏光異方性が切断形状に悪影響を与え、切断面が傾斜し製品の品質が低下する問題が知られている。これは、レーザ光のS波とP波に対する材料の吸収率が異なることに起因しており、レーザ光の偏光面を回転させ偏光異方性を解消することで、均一な切断加工を実現することができる。
上記問題を解決する方法として、下記特許文献には、レーザ光のS波とP波の位相差を制御する赤外光学膜を形成した、円偏光ミラーと呼ばれるレーザ用光学部品が提案されている。特許文献1には、SiまたはCuを基板としてCr、Auを順に形成し、その上にZnSeとThF4を交互に積層する赤外光学膜を形成した円偏光ミラーが公開されている。また、特許文献2には、SiまたはCuを基板としてCrとAuを順に形成し、その上にZnSとThF4を交互に積層する赤外光学膜を形成した円偏光ミラーが公開されている。
特許第2850683号公報 特許第2850684号公報
しかしながら、上記特許文献における円偏光ミラーの赤外光学膜では、ThF4に起因する引張応力がZnSeおよびZnSが有する圧縮応力より強いため耐熱性に乏しく、熱を印加した際に膜割れ・剥離が発生しやすい問題があった。つまり、上記赤外光学膜が形成された光学部品である円偏光ミラーをCOレーザ加工機に搭載した場合には、高出力のCOレーザ光を受けて光学部品が蓄熱するため、上記不良が発生し光学部品を度々交換する必要が生じていた。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、光学性能を大きく低下させることなく、耐熱性を強化した赤外光学膜を提供することを目的としている。
本発明は、基板上に形成された光学反射膜を覆うように、Geで形成された高屈折層と、Geより小さい屈折率を有する材料で形成された低屈折層とを交互に形成した多層の赤外光学膜であって、各低屈折層はZnSまたはZnSeのいずれかの材料の層を有し、前記低屈折層の少なくとも一層において、前記ZnSまたはZnSeのいずれかの材料の層とフッ化物の層とを含むようにしたものである。
本発明によれば、COレーザ用の光学部品の寿命を長寿命化することができる。その結果、光学部品の交換頻度を低減し、メンテナンス性に優れたレーザ加工機を提供することができる。
この発明による赤外光学膜の構成を示す断面図である。 この発明による実施例1の赤外光学膜を形成した円偏光ミラーの光学特性を示す図である。 比較例1の赤外光学膜を形成した円偏光ミラーの光学特性を示す図である。 比較例2の赤外光学膜を形成した円偏光ミラーの光学特性を示す図である。 この発明の赤外光学膜を形成した円偏光ミラーを製造するための真空蒸着装置の例を示す断面図である。 この発明による実施例2の赤外光学膜を形成した円偏光ミラーの光学特性を示す図である。 この発明による実施例3の赤外光学膜を形成した円偏光ミラーの光学特性を示す図である。 この発明による実施例4の赤外光学膜を形成した円偏光ミラーの光学特性を示す図である。 この発明による実施例5の赤外光学膜を形成した円偏光ミラーの光学特性を示す図である。 この発明による実施例6の赤外光学膜を形成した円偏光ミラーの光学特性を示す図である。 比較例4の赤外光学膜を形成した円偏光ミラーの光学特性を示す図である。 この発明による実施例7の赤外光学膜を形成した円偏光ミラーの光学特性を示す図である。 この発明による実施例8の赤外光学膜を形成した円偏光ミラーの光学特性を示す図である。 この発明による実施例9の赤外光学膜を形成した円偏光ミラーの光学特性を示す図である。 この発明による実施例10の赤外光学膜を形成した円偏光ミラーの光学特性を示す図である。 この発明による実施例11の赤外光学膜を形成した円偏光ミラーの光学特性を示す図である。 特許文献1に示される赤外光学膜を形成した円偏光ミラーの光学特性を示す図である。
実施の形態1.
従来の赤外光学膜では、Au膜上のZnSeまたはZnSは密着強化層であり、その上に交互に形成された低屈折材のThF4と高屈折材のZnSeまたはZnSが主に赤外光学膜全体の性能および性質を担っていた。図17に、特許文献1の赤外光学膜を形成した円偏光ミラーの反射率とS波とP波の位相差(以降は単に位相差と表現する)を示す。波長10.6μmにおける反射率と位相差は、それぞれ99.2%,91.5度である。
従来の赤外光学膜には、引張応力を有するThF4と圧縮応力を有するZnSeまたはZnSを交互に形成することで引張応力を抑制する意図があるが、膜応力は膜厚に比例するため、赤外光学膜全体では引張応力を有していた。引張応力を有する場合、熱印加時に膜割れ・剥離が発生しやすい。つまり、耐熱性が乏しい問題がある。その結果、従来の赤外光学膜では、加工用などエネルギーが大きい高出力レーザ光のレーザ用光学部品としての長期的な信頼性を確保できなかった。また、引張応力を低減させるためにThF4の膜厚を薄くする方法も考えられるが、光学性能が低下して円偏光ミラーとして機能しない問題があった。これは、ThF4を他のフッ化物(YF3、YbF3、MgF2)で代替したとしても、同様に発生する問題であった。
図1は、本発明の赤外光学膜を形成した光学部品としての円偏光ミラーの断面図である。光学反射膜2を覆うようにGeで形成された高屈折層4と、Geより小さい屈折率を有する材料で形成された低屈折層3とを交互に形成している。図1では、赤外光学膜の一例として、低屈折層3が3a、3b、3c、3d、高屈折層4が4a、4b、4c、4dの8層構成の場合を例示した。所望の光学特性を得るために層数を増やすことは可能だが、膜厚が厚すぎると材料吸収・膜歪みの影響が顕著になる。そのため、総膜厚は10μm以下であることが好ましい。基板1上には、まず高反射率を得るための光学反射膜(ここではAu膜(膜厚10 nm〜1μm ))2(反射層2とも称する)を形成する。基板とAu膜の間に、密着層を形成してもよい。該赤外光学膜を形成する光学部品の基板1としては、半導体であるSiや金属のCu、Be、セラミックのB4C,SiCなどがある。
本発明による赤外光学膜では、低屈折層の材料に圧縮応力を有するZnSまたはZnSe、高屈折層の材料に引張応力を有するGeを用いる基本構成を採用し、赤外光学膜が全体で圧縮応力を有する構成としている。また、AuとZnSまたはZnSとGeの密着の相性がよいため、赤外光学膜の高耐熱化を実現し、該赤外光学膜が形成されたCOレーザ光学部品としての円偏光ミラーの長寿命化を可能とした。
さらに、本発明においては、少なくとも一層の低屈折層において、低屈折材であるZnSまたはZnSeの一部をフッ化物(n≒1.4)で置換することで、低屈折層と高屈折層の屈折率差を拡大した。すなわち、低屈折層の少なくとも一層においてZnSまたはZnSeのいずれかの層とフッ化物の層とを含むようにした。図1では、低屈折層3dにおいて、ZnSまたはZnSeのいずれかの材料の層5とフッ化物の層6とを含むようにしたこれにより、低屈折層の材料にZnS(n=2.2)またはZnSe(n=2.4)、高屈折層の材料にGe(n=4.0)を用いる基本構成において発生した、従来の赤外光学膜よりも光学性能が低下する問題を解決した。
まず、実施例1として、赤外光学膜の構成において、各層が下記のような材料と膜厚の赤外光学膜を形成したCOレーザ用円偏光ミラーを作製して、反射率と位相差の特性を測定した。本発明の赤外光学膜では、Au膜上の低屈折層を第1層と呼び、以降順に第2層,第3層…と呼ぶ。
実施例1
設計波長λ=10.6μm
基板1 Si( 10 mm )
反射層2 Au(100 nm )
第1層3a ZnS(790 nm)/MgF2(130 nm )/ZnS(300 nm )
第2層4a Ge(640 nm )
第3層3b ZnS(530 nm)/YbF3(230 nm )/ZnS(400 nm )
第4層4b Ge(630 nm )
第5層3c ZnS(180 nm)/YF3(230 nm )/ZnS(580 nm )
第6層4c Ge(590 nm )
第7層3d ZnS(150 nm )/YF3(240 nm )/ZnS(310 nm )
第8層4d Ge(340 nm )
総膜厚6.4μm
かっこ内は各層の膜厚を示す。以降同じ。
ここで、第1層3a、第3層3b、第5層3c、第7層3dが低屈折層であり、その全ての低屈折層が、ZnSの層とフッ化物の層で形成されている。また、第2層4a、第4層4b、第6層4c、第8層4dがGeで形成された高屈折層である。
図2に、本発明による実施例1の赤外光学膜を形成した円偏光ミラーの反射率と位相差を示す。実施例1の赤外光学膜は、Siを基板とし、低屈折層である第1層3a、第3層3b、第5層3c、第7層3dにおけるZnSの材料の層の一部がそれぞれMgF2、YbF3、YF3、YF3のフッ化物の層で置換された赤外光学膜である。
波長10.6μmにおける反射率と位相差は99.7%と90.4度であり、特許文献1の赤外光学膜より優れた光学性能が得られた。また、位相差の波長依存性に関しては、特許文献1の赤外光学膜と同様に緩やかな波長依存性を実現した。
以上の実施例1と比較のため、比較例1として、低屈折材にZnS(n=2.2)、屈折材にGe(n=4.0)を用いる基本構成を採用し、各層が下記のような材料と膜厚の赤外光学膜を形成したCOレーザ用円偏光ミラーを作製して、反射率と位相差の特性を測定した。
比較例1
設計波長λ=10.6μm
基板1 Si( 10 mm )
反射層2 Au(100 nm )
第1層3a ZnS(1180 nm )
第2層4a Ge(630 nm )
第3層3b ZnS(1120 nm )
第4層4b Ge(540 nm )
第5層3c ZnS(900 nm )
第6層4c Ge(430 nm )
第7層3d ZnS(820 nm )
第8層4d Ge(490 nm )
総膜厚6.2μm
図3に、比較例1の円偏光ミラーの反射率,位相差を示す。比較例1では、波長10.6μmにおける反射率と位相差は、99.0%と90.5度であった。反射率が特許文献1の赤外光学膜より低い。また、反射率・位相差の波長に対する依存性が急峻であるため、特に製造時の膜厚誤差により低波長側にシフトした場合、光学性能が大きく低下する問題がある。この比較例1の低屈折層であるZnSの層(以下ではZnS膜とも称する)の一部をフッ化物の層(以下ではフッ化物膜とも称する)で置換した実施例1の円偏光ミラーではこのような問題が発生し難い。
本発明におけるZnS膜の一部を置換するフッ化物としては、赤外領域での透過性に優れるYF3,YbF3,MgF2のうちから少なくとも一種を含むことが好ましい。また、本発明に関する実験結果から、フッ化物としてYF3、YbF3のいずれかを含む場合、YF3、またはYbF3のフッ化物の層を、基板の温度が20℃〜140℃の範囲内の温度で成膜することで、特に引張応力を低減し、熱印加時に膜割れ・剥離を防止できることが判明した。
表1に、温度200℃で加速試験を行い、実施例1の赤外光学膜と従来市販されている赤外光学膜の耐熱性を比較した結果を示す。20hrの時点では共に異常が発生しなかったが、72hrを経過すると従来の赤外光学膜に膜割れが発生した。さらに試験を継続した結果、120hr経過後には従来の赤外光学膜に剥離が発生した。一方、本発明による実施例1の赤外光学膜は120hr経過後も異常が発生しなかった。このように、フッ化物との密着力がよいZnS膜がフッ化物膜を挟む構造を設けることで、層間の密着力を確保し、剥離が防止できることが判明した。
Figure 2016136167
比較例2
設計波長λ=10.6μm
基板1 Si( 10 mm )
反射層2 Au(100 nm )
第1層3a ZnS(1100 nm )
第2層4a Ge(580 nm )
第3層3b ZnS(1080 nm )
第4層4b Ge(530 nm )
第5層3c ZnS(970 nm )
第6層4c Ge(490 nm )
第7層3d ZnS(370 nm)/YbF3(60 nm)/ZnS(370 nm )
第8層4d Ge(410 nm )
総膜厚6.1μm
比較例2は、第7層におけるZnSの層の一部がYbF3で置換され、この置換されたフッ化物の層を総膜厚に対する膜厚比で1%含んだ赤外光学膜をSi基板に形成したレーザ反射鏡である。図4に、比較例2の赤外光学膜を形成したレーザ反射鏡における反射率と位相差を示す。波長10.6μmにおける反射率と位相差は99.0%と90.9度であった。反射率が特許文献1の赤外光学膜より低く、比較例1に類似する波長依存性を示しており、特許文献1より光学性能が低下した。
比較例3
設計波長λ=10.6μm
基板1 Si( 10 mm )
反射層2 Au(100 nm )
第1層3a ZnS(730 nm)/MgF2(300 nm )/ZnS(310 nm )
第2層4a Ge(620 nm )
第3層3b ZnS(420 nm)/YbF3(500 nm )/ZnS(420 nm )
第4層4b Ge(630 nm )
第5層3c ZnS(170 nm)/YF3(420 nm )/ZnS(600 nm )
第6層4c Ge(580 nm )
第7層3d ZnS(60 nm )/YF3(500 nm )/ZnS(240 nm )
第8層4d Ge (270 nm )
総膜厚6.9μm
比較例3は、フッ化物の層を総膜厚に対する膜厚比で25%含み、Siを基板として、第1層、第3層、第5層と第7層におけるZnSの層の一部がそれぞれMgF2、YbF3、YF3、YF3で置換された赤外光学膜を形成した光学部品である。温度200℃の加速試験を行ったところ、120hr経過した時点で膜割れが発生し、実施例1と同等の耐熱性を実現することができなかった。
このように、フッ化物膜の含有率が少ないと、光学性能が低下してしまう。また、フッ化物膜の含有率が大きい場合、フッ化物による引張応力の影響が顕在化して耐熱性が低下する。総膜厚に対する膜厚比で3〜24%の膜厚のフッ化物の層を含む場合、COレーザ用光学部品として必要な光学性能の達成と高耐熱化の実現を両立することができることが判った。したがって、総膜厚に対する膜厚比で3〜24%の膜厚のフッ化物の層を含むことが好ましい。以上では、低屈折層のZnS膜の一部がフッ化物膜で置換された例として、隣のGe膜との密着の相性が良いZnS膜がフッ化物膜を挟む構造を示した。ただし、ZnS膜がフッ化物膜を挟む構造ではなく、ZnS膜の片側にフッ化物膜が形成されるような構造で、ZnS膜の一部がフッ化物で置換された構造を実現することもできる。
ZnS膜の一部がフッ化物で置換され、ZnSの層がフッ化物の層を挟む構造を有する低屈折層においては、dFをフッ化物の層の膜厚、dZ1、dZ2を該フッ化物の層を挟むZnSの層の膜厚とした場合、
dF / (dZ1 + dZ2 ) ≦1.4 (1)
の関係が成り立つことが好ましい。膜厚比を上記範囲内に設定することで、層間における密着力の低下を防止することができる。なお、赤外光学膜の最表層には、耐磨耗性を付与するため、光学的に影響がほとんどない、例えば10nm程度の薄い厚みの薄膜を形成してもよい。
以上のように、本発明の赤外光学膜によれば、光学性能を低下させることなく、耐熱性を強化した赤外光学膜を提供することができる。これにより、COレーザ用円偏光ミラーの寿命を長寿命化することができ、円偏光ミラーを備えたレーザ加工機において、円偏光ミラーの交換頻度を低減してメンテナンス性に優れたレーザ加工機を提供することができる。
実施の形態2.
実施の形態2では、本発明による赤外光学膜の製造方法の例について説明する。本発明の赤外光学膜の作製には、真空蒸着装置を用いることができる。真空蒸着法とは、真空引きされた真空容器内において蒸着材料にエネルギーを投入し、蒸発した材料を直上に備えた基板へ付着させて膜を形成する方法である。赤外光学膜の形成方法は、真空蒸着法に限らず、スパッタリング法やCVD法,MBE法などであってよい。
図5に、真空蒸着装置の概略説明図の一例を示す。真空蒸着装置には、真空ポンプ15による真空引きが行われる真空容器9が備えられている。該真空容器内には、蒸着材料10と、蒸着材料10を設置するためのハースデッキ11と、蒸着材料にエネルギーを投入する電子銃12と、成膜工程を制御する遮蔽板13と、基板1を固定するためのドーム14が設置されている。
次に、成膜の手順について説明する。まず、成膜面を蒸着材料の方向に向けて基板1をドーム14上に設置し、真空ポンプ15により真空容器9内を排気して圧力を10-3Pa以下とする。所定の圧力に到達してから、電子銃12からハースデッキ11上の蒸着材料10にエネルギーを投入して溶融・蒸発させ、蒸発量が安定してから遮蔽板13を開けて成膜を開始した。所定の膜厚が得られたら遮蔽板13を閉じ、成膜を終了した。各材料の成膜速度は、Au:5.0±0.2 Å/s, Ge:6.0±0.2 Å/s, ZnS:12.0 ±0.5 Å/s, ZnSe:14.0 ±0.5 Å/s, YF3:10.0±0.5 Å/s, YbF3:9.0±0.5 Å/s, MgF2:7.0±0.5 Å/sであった。
ここで、フッ化物の層を形成する際には、IAD法を用いることが好ましい。IADとは、Ion Assist Deposition の略であり、O2やAr、Fなどのイオンを被蒸着物質に照射しながら成膜する手法である。IAD法で形成することにより、フッ化物膜の引張応力が軽減され、耐熱性が向上することを確認した。
実施の形態3.
実施の形態3では、本発明による赤外光学膜を形成した円偏光ミラーを種々作製し、その光学特性を測定した結果を示す。以下、実施例2〜8は本発明による赤外光学膜を形成した円偏光ミラー、また比較例4は比較のための円偏光ミラーである。
実施例2
設計波長λ=10.6μm
基板1 Si( 10 mm )
反射層2 Au(100 nm )
第1層3a ZnS(1160 nm )
第2層4a Ge(610 nm )
第3層3b ZnS(1150 nm )
第4層4b Ge(570 nm )
第5層3c ZnS(1080 nm )
第6層4c Ge(560 nm )
第7層3d ZnS(140 nm)/YbF3(250 nm)/ZnS(210 nm )
第8層4d Ge(430 nm )
総膜厚6.2μm
実施例2は、Siを基板とし、第7層において、ZnS膜の一部がYbF3で置換された、すなわちZnSの層と、YbF3であるフッ化物の層とを含む赤外光学膜を形成したCOレーザ用円偏光ミラーである。図6に、実施例2の赤外光学膜を形成したCOレーザ用円偏光ミラーの反射率と位相差を示す。波長10.6μmにおける反射率と位相差は99.6%と90.5度であり、特許文献1の赤外光学膜より優れた光学性能が得られた。また、位相差の波長依存性に関しては、特許文献1の赤外光学膜と同様に緩やかな波長依存性を実現した。
実施例3
設計波長λ=10.6μm
基板1 Cu( 7 mm )
反射層2 Au(100 nm )
第1層3a ZnS(1160 nm )
第2層4a Ge(610 nm )
第3層3b ZnS(1150 nm )
第4層4b Ge(570 nm )
第5層3c ZnS(1080 nm )
第6層4c Ge(560 nm )
第7層3d ZnS(140 nm)/YbF3(250 nm)/ZnS(210 nm )
第8層4d Ge(430 nm )
総膜厚6.2μm
実施例3は、Cuを基板とし、実施例2と同じ赤外光学膜を形成したCOレーザ用円偏光ミラーである。図7に、本発明による実施例3のCOレーザ用円偏光ミラーの反射率と位相差を示す。波長10.6μmにおける反射率と位相差は99.6%と90.5度であり、特許文献1の赤外光学膜より優れた光学性能が得られた。また、位相差の波長依存性に関しては、特許文献1の赤外光学膜と同様に緩やかな波長依存性を実現した。
実施例4
設計波長λ=10.6μm
基板1 Si(10 mm )
反射層2 Au(100 nm )
第1層3a ZnS(1180 nm )
第2層4a Ge(640 nm )
第3層3b ZnS(1170 nm )
第4層4b Ge(580 nm )
第5層3c ZnS(110 nm )/YF3(420 nm )/ZnS(280 nm )
第6層4c Ge(540 nm )
第7層3d ZnS(940 nm )
第8層4d Ge(300 nm )
総膜厚6.3μm
実施例4は、Siを基板とし、第5層におけるZnS膜の一部がYF3で置換された赤外光学膜を形成したCOレーザ用円偏光ミラーである。図8に、本発明による実施例4の赤外光学膜を形成したCOレーザ用円偏光ミラーの反射率と位相差を示す。波長10.6μmにおける反射率と位相差は99.4%と90.5度であり、特許文献1の赤外光学膜より優れた光学性能が得られた。また、位相差の波長依存性に関しては、特許文献1の赤外光学膜と同様に緩やかな波長依存性を実現した。
実施例5
設計波長λ=10.6μm
基板1 Si( 10 mm )
反射層2 Au(100 nm )
第1層3a ZnS(1200 nm )
第2層4a Ge(640 nm )
第3層3b ZnS(1190 nm )
第4層4b Ge(610 nm )
第5層3c ZnS(100 nm )/MgF2(410 nm )/ZnS(580 nm )
第6層4c Ge(580 nm )
第7層3d ZnS(120 nm )/MgF2(280 nm )/ZnS (280 nm )
第8層4d Ge(340 nm )
総膜厚6.4μm
実施例5は、Siを基板とし、第5層と第7層におけるZnS膜の一部がMgF2で置換された赤外光学膜を形成したCOレーザ用円偏光ミラーである。図9に、本発明による実施例5の赤外光学膜を形成したCOレーザ用円偏光ミラーの反射率と位相差を示す。波長10.6μmにおける反射率と位相差は99.7%と90.3度であり、特許文献1の赤外光学膜より優れた光学性能が得られた。また、位相差の波長依存性に関しては、特許文献1の赤外光学膜と同様に緩やかな波長依存性を実現した。
実施例6
設計波長λ=10.6μm
基板1 Cu( 10 mm )
反射層2 Au(100 nm )
第1層3a ZnS(1190 nm )
第2層4a Ge(650 nm )
第3層3b ZnS(540 nm)/YF3(150 nm )/ZnS(380 nm )
第4層4b Ge(630 nm )
第5層3c ZnS(170 nm)/YF3(270 nm )/ZnS(570 nm )
第6層4c Ge(580 nm )
第7層3d ZnS(170 nm )/YF3(190 nm )/ZnS(330 nm )
第8層4d Ge(360 nm )
総膜厚6.3μm
実施例6は、Cuを基板とし、第3層、第5層と第7層におけるZnS膜の一部がYF3で置換された赤外光学膜を形成したCOレーザ用円偏光ミラーである。図10に、それぞれ本発明による実施例6の赤外光学膜を形成したCOレーザ用円偏光ミラーの反射率と位相差を示す。波長10.6μmにおける反射率と位相差は99.6%と90.4度であり、特許文献1の赤外光学膜より優れた光学性能が得られた。また、位相差の波長依存性に関しては、特許文献1の赤外光学膜と同様に緩やかな波長依存性を実現した。
比較例4
設計波長λ=9.3μm
基板1 B4C( 5 mm )
反射層2 Au(100 nm )
第1層3a ZnS(910 nm )
第2層4a Ge(500 nm )
第3層3b ZnS(900 nm )
第4層4b Ge(460 nm )
第5層3c ZnS(840 nm )
第6層4c Ge(430 nm )
第7層3d ZnS(770 nm )
第8層4d Ge(340 nm )
総膜厚5.2μm
比較例4は、比較例1と同じ基本構成を有し、異なる設計波長における赤外光学膜を形成したCOレーザ用円偏光ミラーである。図11に、比較例4の赤外光学膜を形成したCOレーザ用円偏光ミラーの反射率と位相差を示す。波長9.3μmにおける反射率と位相差は、98.7%と91.5度であった。反射率が低い。また、反射率・位相差の波長に対する依存性が急峻であるため、特に製造時の膜厚誤差により低波長側にシフトした場合、光学性能が大きく低下する。
実施例7
設計波長λ=9.3μm
基板1 B4C( 5 mm )
反射層2 Au(100 nm )
第1層3a ZnS(1050 nm )
第2層4a Ge(490 nm )
第3層3b ZnS(1030 nm )
第4層4b Ge(490 nm )
第5層3c ZnS(970 nm )
第6層4c Ge(480 nm )
第7層3d ZnS(130 nm)/YbF3(220 nm)/ZnS(190 nm )
第8層4d Ge(360 nm )
総膜厚5.5μm
実施例7は、B4Cを基板とし、実施例1と異なる設計波長を用いた赤外光学膜を形成したCOレーザ用円偏光ミラーである。図12に、本発明による実施例7の赤外光学膜を形成したCOレーザ用円偏光ミラーの反射率と位相差を示す。波長9.3μmにおける反射率と位相差は99.5%と90.7度であり、特許文献1の赤外光学膜より優れた光学性能が得られた。また、位相差の波長依存性に関しては、特許文献1の赤外光学膜と同様に緩やかな波長依存性を実現した。
実施例8
設計波長λ=9.3μm
基板1 Be( 5 mm )
反射層2 Au(100 nm )
第1層3a ZnS(1020 nm )
第2層4a Ge(540 nm )
第3層3b ZnS(440 nm)/YF3(150 nm )/ZnS(410 nm )
第4層4b Ge(540 nm )
第5層3c ZnS(120 nm)/YF3(230 nm )/ZnS(490 nm )
第6層4c Ge(520 nm )
第7層3d ZnS(150 nm )/YF3(180 nm )/ZnS(300 nm )
第8層4d Ge(300 nm )
総膜厚5.5μm
実施例8は、Beを基板とし、実施例5と異なる設計波長を用いた赤外光学膜を形成したCOレーザ用円偏光ミラーである。図13に、本発明による実施例8の赤外光学膜を形成したCOレーザ用円偏光ミラーにおける反射率と位相差を示す。波長9.3μmにおける反射率と位相差は99.5%と90.6度であり、特許文献1の赤外光学膜より優れた光学性能が得られた。また、位相差の波長依存性に関しては、特許文献1の赤外光学膜と同様に緩やかな波長依存性を実現した。
表2に、温度200℃で加速試験を行い、実施例2〜8の赤外光学膜を形成した光学部品の耐熱性を評価した結果を示す。本発明による実施例2〜8の赤外光学膜を形成した光学部品には、120hr経過後も異常が発生しなかった。
Figure 2016136167
実施の形態4.
実施の形態4では、実施例1〜8の赤外光学膜を形成したCOレーザ用円偏光ミラーをレーザ加工機に搭載し、加工レーザ光の偏光度を評価した結果を示す。ここで、偏光度はレーザ光における偏光異方性の度合いを表す指標であり、一方向に偏光した直線偏光のレーザ光では0% 、完全な円偏光のレーザ光では100% が得られる。
表3に、本発明のレーザ加工機における加工レーザ光の偏光度を示す。レーザ加工機に製造・組立公差が存在するため、偏光度100%のレーザ光を得ることは困難であるが、本発明のレーザ加工機において、97%を超える高い偏光度を確認した。このような加工レーザ光を用いることで、切断形状が傾斜することなく高品質な切断加工を行うことができる。
Figure 2016136167
実施の形態5.
以上では、低屈折層の材料にZnS、高屈折層の材料にGeを用いる構成を基本に、ZnSの層の一部をフッ化物の層で置換する例を示した。ここでは、低屈折層の材料を、ZnSと光学特性および力学的な特性が近いZnSeとし、高屈折層の材料にGeを用いる構成を基本に、ZnSeの層の一部をフッ化物の層で置換する例を示す。
実施例9
設計波長λ=10.6μm
基板1 Cu( 10 mm )
反射層2 Au(100 nm )
第1層3a ZnSe(1070 nm)
第2層4a Ge(640 nm )
第3層3b ZnSe(1080 nm)
第4層4b Ge(620 nm )
第5層3c ZnSe(1040 nm)
第6層4c Ge(530 nm )
第7層3d ZnSe(120 nm )/YbF3(370 nm )/ZnSe(150 nm )
第8層4d Ge(390 nm )
総膜厚6.1μm
実施例9は、Cuを基板とし、第7層におけるZnSe膜の一部がYbF3で置換された赤外光学膜を形成したCOレーザ用円偏光ミラーである。図14に、本発明による実施例9の赤外光学膜を形成したCOレーザ用円偏光ミラーの反射率と位相差を示す。波長10.6μmにおける反射率と位相差は99.5%と90.5度であり、特許文献1の赤外光学膜より優れた光学性能が得られた。また、位相差の波長依存性に関しては、特許文献1の赤外光学膜と同様に緩やかな波長依存性を実現した。
実施例10
設計波長λ=10.6μm
基板1 Cu( 10 mm )
反射層2 Au(100 nm )
第1層3a ZnSe(590 nm)/YF3(190 nm )/ZnSe(330 nm )
第2層4a Ge(650 nm )
第3層3b ZnSe(510 nm)/YF3(70 nm )/ZnSe(490 nm )
第4層4b Ge(630 nm )
第5層3c ZnSe(260 nm)/YF3(80 nm )/ZnSe(670 nm )
第6層4c Ge(580 nm )
第7層3d ZnSe(120 nm )/YF3(310 nm )/ZnSe(120 nm )
第8層4d Ge(420 nm )
総膜厚6.1μm
実施例10は、Cuを基板とし、第1層、第3層、第5層と第7層におけるZnSe膜の一部がYF3で置換された赤外光学膜を形成したCOレーザ用円偏光ミラーである。図15に、それぞれ本発明による実施例10の赤外光学膜を形成したCOレーザ用円偏光ミラーの反射率と位相差を示す。波長10.6μmにおける反射率と位相差は99.6%と90.5度であり、特許文献1の赤外光学膜より優れた光学性能が得られた。また、位相差の波長依存性に関しては、特許文献1の赤外光学膜と同様に緩やかな波長依存性を実現した。
実施例11
設計波長λ=10.6μm
基板1 Cu( 10 mm )
反射層2 Au(100 nm )
第1層3a ZnSe(1100 nm)
第2層4a Ge(650 nm )
第3層3b ZnSe(500 nm)/YF3(150 nm )/ZnSe(350 nm )
第4層4b Ge(640 nm )
第5層3c ZnS(170 nm)/YbF3(150 nm )/ZnS(570 nm )
第6層4c Ge(590 nm )
第7層3d ZnS(170 nm )/YbF3(200 nm )/ZnS(330 nm )
第8層4d Ge(360 nm )
総膜厚6.0μm
実施例11は、Cuを基板とし、第3層におけるZnSe膜の一部がYF3、第5層と第7層におけるZnS膜の一部がYbF3で置換された赤外光学膜を形成したCOレーザ用円偏光ミラーである。図16に本発明による実施例11の赤外光学膜を形成したCOレーザ用円偏光ミラーの反射率と位相差を示す。波長10.6μmにおける反射率と位相差は99.4%と90.4度であり、特許文献1の赤外光学膜より優れた光学性能が得られた。また、位相差の波長依存性に関しては、特許文献1の赤外光学膜と同様に緩やかな波長依存性を実現した。
表4に、温度200℃で加速試験を行い、実施例9〜11の赤外光学膜を形成した光学部品の耐熱性を評価した結果を示す。本発明による実施例9〜11の赤外光学膜を形成した光学部品には、120hr経過後も異常が発生しなかった。
Figure 2016136167

以上のように、低屈折層のフッ化物以外の材料は、ZnSであってもZnSeであっても同じような特性が得られる。本発明は、各低屈折層がZnSまたはZnSeのいずれかの材料の層を有し、前記低屈折層の少なくとも一層において、前記ZnSまたはZnSeのいずれかの材料の層とフッ化物の層とを含む構成としたことに特徴がある。
1 基板、2 光学反射膜、3、3a、3b、3c、3d 低屈折層、
4、4a、4b、4c、4d 高屈折層、5 ZnSまたはZnSeのいずれかの材料の層、6 フッ化物の層

Claims (9)

  1. 基板上に形成された光学反射膜を覆うように、Geで形成された高屈折層と、Geより小さい屈折率を有する材料で形成された低屈折層とを、前記光学反射膜に接する層が低屈折層となるように交互に形成した多層の赤外光学膜であって、
    各低屈折層はZnSまたはZnSeのいずれかの材料の層を有し、前記低屈折層の少なくとも一層において、前記ZnSまたはZnSeのいずれかの材料の層とフッ化物の層とを含むことを特徴とする赤外光学膜。
  2. 前記フッ化物の層を含む低屈折層は、前記フッ化物の層を前記ZnSまたはZnSeのいずれかの材料の層で挟んだ構造としたことを特徴とする請求項1に記載の赤外光学膜。
  3. 前記フッ化物の層の材料が、YF3、YbF3、MgF2、のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の赤外光学膜。
  4. 総膜厚に対する前記フッ化物の層の膜厚の割合が3〜24%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の赤外光学膜。
  5. 前記フッ化物の層の膜厚をdF、このフッ化物の層を挟む前記ZnSまたはZnSeのいずれかの材料の層の膜厚をそれぞれdZ1、dZ2としたとき、
    dF/(dZ1+dZ2) ≦1.4
    であることを特徴とする請求項2に記載の赤外光学膜。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の赤外光学膜を有することを特徴とする円偏光ミラー。
  7. 請求項6の円偏光ミラーを備えたことを特徴とするレーザ加工機。
  8. 請求項3に記載の赤外光学膜の製造方法であって、前記フッ化物の層の材料にYF3またはYbF3が含まれる場合、YF3またはYbF3のフッ化物の層を、基板の温度20℃〜140℃の範囲内の温度で形成することを特徴とする赤外光学膜の製造方法。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の赤外光学膜の製造方法において、前記フッ化物の層をIAD法により形成することを特徴とする赤外光学膜の製造方法。
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