JP2016134184A - 半導体記憶装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】データ保持状態時のプリチャージ回路におけるリーク電流が低減できる半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】ビット線BL,BLBに接続されたメモリセルMC、プリチャージ回路12A、及びプリチャージ回路12Bを備える。メモリセルMCは、ゲートとドレインが交差接続されたnMOSトランジスタN1,N2と、読み出し及び書き込み時にメモリセルにアクセスするためのpMOSトランジスタP1,P2を有する。プリチャージ回路12Aは、読み出し動作または書き込み動作の少なくともいずれかの動作時のプリチャージ期間に第2電圧をビット線BL,BLBに供給する。プリチャージ回路12Bは、データ保持状態時に第2電圧をビット線BL,BLBに供給する。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関するものである。
半導体記憶装置として、4つのトランジスタで構成されたメモリセルを含むSRAM(static random access memory)が知られている。以下、この4つのトランジスタのメモリセルを含むSRAMを、4T−SRAMと記す。
この4T−SRAMでは、メモリセルにデータを保持するとき(保持状態)に、ビット線を“H(High)レベル(以下、Hと記す)”に維持する必要がある。ビット線を“H”にプリチャージするためにプリチャージ回路が用いられている。プリチャージ回路はpチャネルMOS電界効果トランジスタ(以下、pMOSトランジスタと記す)で構成されている。データの保持状態では、前述したように、ビット線が“H”に維持されるため、プリチャージ回路内のpMOSトランジスタのソースに電源電圧(“H”)が供給され、ドレインにビット線の電位“H”が供給され、ゲートに“L(Low)レベル(以下、Lと記す)”が供給される。このとき、pMOSトランジスタには、ソースとドレイン間のチャネル領域からゲートに、ゲート絶縁膜を介してゲートリーク電流が発生する。
特開2001−6370号公報
データ保持状態時のプリチャージ回路におけるリーク電流が低減できる半導体記憶装置を提供する。
一実施態様の半導体記憶装置は、ソースまたはドレインのいずれか一方に第1電圧が供給された第1の第1導電型MOSトランジスタと、ゲートが前記第1の第1導電型MOSトランジスタのソースまたはドレインのいずれか他方に接続され、ソースまたはドレインのいずれか一方に前記第1電圧が供給され、ソースまたはドレインのいずれか他方が前記第1の第1導電型MOSトランジスタのゲートに接続された第2の第1導電型MOSトランジスタと、前記第1の第1導電型MOSトランジスタのソースまたはドレインの前記いずれか他方と第1ビット線との間に電流経路が形成され、ゲートがワード線に接続された第1の第2導電型MOSトランジスタと、前記第2の第1導電型MOSトランジスタのソースまたはドレインの前記いずれか他方と第2ビット線との間に電流経路が形成され、ゲートが前記ワード線に接続された第2の第2導電型MOSトランジスタと、第3の第2導電型MOSトランジスタを含み、読み出し動作または書き込み動作の少なくともいずれかの動作時のプリチャージ期間に第2電圧を前記第1及び第2ビット線に供給する第1プリチャージ回路と、第4の第2導電型MOSトランジスタを含み、データ保持状態時に前記第2電圧を前記第1及び第2ビット線に供給する第2プリチャージ回路とを具備する。
実施形態のSRAMが搭載された半導体集積回路の構成を示すブロック図である。 実施形態のSRAMの構成を示すブロック図である。 実施形態のSRAMにおけるメモリセルの構成を示す回路図である。 実施形態のSRAMにおけるメモリセルの構成を示す回路図である。 実施形態のSRAMにおけるプリチャージ回路の構成を示す回路図である。 実施形態のSRAMにおける“1”データの読み出し動作を示すタイミングチャートである。 実施形態のSRAMにおける“0”データの読み出し動作を示すタイミングチャートである。 実施形態のSRAMにおける“1”データの書き込み動作を示すタイミングチャートである。 実施形態のSRAMにおける“0”データの書き込み動作を示すタイミングチャートである。 実施形態のSRAMにおけるデータ保持状態を示すタイミングチャートである。 変形例のSRAMにおけるメモリセルの構成を示す回路図である。 変形例のSRAMにおけるディスチャージ回路の構成を示す回路図である。
以下、図面を参照して実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。以下では、半導体記憶装置としてSRAMを例に挙げて説明する。
[実施形態]
図1は、実施形態のSRAMが搭載された半導体集積回路の構成を示すブロック図である。図示するように、半導体集積回路は、SRAM10、ロジック回路20、及び入出力回路30を備えている。
SRAM10は行列状に配列された複数のメモリセルを有する。ロジック回路20は、SRAM10と入出力回路30との間の信号及びデータの授受及び処理を行う。入出力回路30は、SRAM10及びロジック回路20と外部回路等との間でコマンド、アドレス等の信号及びデータの入出力を行う。
1. SRAMの構成
図2は、実施形態のSRAM10の構成を示すブロック図である。SRAM10は、メモリセルアレイ11、プリチャージ回路12A,12B、カラムデコーダ13、書き込み/読み出し回路14、ロウデコーダ15、及び制御回路16を備えている。
メモリセルアレイ11は、行列状に配列された複数のメモリセルMCから構成される。メモリセルアレイ11には、それぞれがロウ方向に延在するように複数のワード線WLが配設されている。また、メモリセルアレイ11には、それぞれがカラム方向に延在するように複数のビット線対BL,BLBが配設されている。メモリセルアレイ11の行の選択は、ワード線WLにより行われる。メモリセルアレイ11の列の選択は、ビット線対BL,BLBにより行われる。
ビット線対BL,BLBには、プリチャージ回路12A及びプリチャージ回路12Bが接続されている。プリチャージ回路12Aは、データの保持状態(あるいはスタンバイ)において、ビット線対BL,BLBを“H”にプリチャージし、ビット線対BL,BLBを“H”に維持する。例えば、プリチャージ回路12Aは、制御回路16から供給されるプリチャージ信号PRAに基づいてプリチャージ動作を実行する。すなわち、プリチャージ回路12Aは、プリチャージ信号PRAが活性化された場合にビット線対BL,BLBを“H”にプリチャージし、一方、プリチャージ信号PRAが非活性化された場合にプリチャージを解除する。プリチャージ回路12Aの詳細は後述する。
プリチャージ回路12Bは、読み出し動作及び書き込み動作において、メモリセルMCに対してデータの読み出し及び書き込みを実行する前あるいは後に、ビット線対BL,BLBを“H”にプリチャージする。例えば、プリチャージ回路12Bは、制御回路16から供給されるプリチャージ信号PRBに基づいてプリチャージ動作を実行する。すなわち、プリチャージ回路12Bは、プリチャージ信号PRBが活性化された場合にビット線対BL,BLBを“H”にプリチャージし、一方、プリチャージ信号PRBが非活性化された場合にプリチャージを解除する。プリチャージ回路12Bの詳細は後述する。
複数のビット線対BL,BLBには、カラムデコーダ13が接続されている。カラムデコーダ13は、制御回路16から供給されるカラムアドレス信号CAをデコードし、デコード結果に基づいて1対のビット線対BL,BLBを選択する。
カラムデコーダ13には、書き込み/読み出し回路14が接続されている。書き込み/読み出し回路14は、カラムデコーダ13により選択された列に対してデータの書き込み及び読み出しを行う。すなわち、書き込み/読み出し回路14は、ロジック回路20または外部回路から入力された入力データDIを書き込みデータとしてメモリセルアレイ11に書き込む。また、書き込み/読み出し回路14は、メモリセルアレイ11からデータを読み出し、読み出したデータを出力データDOとしてロジック回路20または外部回路に出力する。
複数のワード線WLには、ロウデコーダ15が接続されている。ロウデコーダ15は、制御回路16から供給されるロウアドレス信号RAをデコードし、デコード結果に基づいてワード線WLを選択する。
制御回路16は、SRAM10内の各回路を制御する。制御回路16には、ロジック回路20または外部回路からアドレス信号ADD及び制御信号CNT(リテンション制御信号RETを含む)等が入力される。制御回路16は、アドレス信号ADDに基づいて、カラムデコーダ13に供給されるカラムアドレス信号CAと、ロウデコーダ15に供給されるロウアドレス信号RAとを生成する。また、制御回路16は、例えば制御信号CNTに基づいて、プリチャージ動作を含む書き込み動作、読み出し動作、及び保持状態等を制御する。
1.1 メモリセルMCの構成
図3及び図4は、実施形態のSRAMにおけるメモリセルMCの構成を示す回路図である。図3はメモリセルMCにおける“1”データの保持状態を示し、図4は“0”データの保持状態を示す。
メモリセルMCは、ゲートとドレインが交差接続されたnチャネルMOS電界効果トランジスタ(以下、nMOSトランジスタ)N1,N2と、読み出し及び書き込み時にメモリセルにアクセスするためのpチャネルMOS電界効果トランジスタ(以下、pMOSトランジスタ)P1,P2を備える。
nMOSトランジスタN1のゲートは、nMOSトランジスタN2のドレイン及びpMOSトランジスタP2のソース(またはドレイン)に接続される。nMOSトランジスタN2のゲートは、nMOSトランジスタN1のドレイン及びpMOSトランジスタP1のソース(またはドレイン)に接続される。nMOSトランジスタN1,N2のソースには、基準電圧、例えば接地電位GND(“L”)が供給される。
さらに、pMOSトランジスタP1のドレイン(またはソース)にはビット線BLが接続される。pMOSトランジスタP2のドレイン(またはソース)にはビット線BLBが接続される。pMOSトランジスタP1,P2のゲートにはワード線WLが接続される。
nMOSトランジスタN2のゲートと、nMOSトランジスタN1のドレインと、pMOSトランジスタP1のソース(またはドレイン)の接続点をノードND1とする。nMOSトランジスタN1のゲートと、nMOSトランジスタN2のドレインと、pMOSトランジスタP2のソース(またはドレイン)の接続点をノードND2とする。
メモリセルMCは、ノードND1とノードND2に“H”または“L”を保持することにより、“1”または“0”のデータを記憶する。ノードND1,ND2にはそれぞれ相補なデータが記憶される。
“1”データの保持状態では、図3に示すように、ノードND1に“H”が保持され、ノードND2に“L”が保持される。一方、“0”データの保持状態では、図4に示すように、ノードND1に“L”が保持され、ノードND2に“H”が保持される。さらに、これら保持状態では、ワード線WLに“H”が供給され、ビット線対BL,BLBが“H”にプリチャージされている。
本実施形態では、例えばメモリセルMCを構成するpMOSトランジスタP1,P2及びnMOSトランジスタN1,N2のゲート絶縁膜の膜厚は、ロジック回路20あるいはプリチャージ回路12Aを構成するMOSトランジスタのゲート絶縁膜の膜厚より厚い。これにより、メモリセルMC内のMOSトランジスタに生じるゲートリーク電流を低減することができる。なお、ゲート絶縁膜は例えばシリコン酸化膜から形成される。また、ここでは、メモリセルMCを構成するMOSトランジスタP1,P2,N1,N2のゲート絶縁膜の膜厚が、ロジック回路20あるいはプリチャージ回路12Aを構成するMOSトランジスタのゲート絶縁膜の膜厚より厚い例を示すが、これらが同じ膜厚であってもよい。
1.2 プリチャージ回路の構成
図5は、実施形態におけるプリチャージ回路の構成を示す回路図である。図3及び図4に示したように、ビット線対BL,BLBと、ワード線WLとの交差部には、メモリセルMCが接続されている。ビット線対BL,BLB間には、2つのプリチャージ回路12A,12Bが接続されている。
制御回路16は、否定論理積回路NA1と否定回路NT1を有している。否定論理積回路NA1の出力端はプリチャージ回路12Aに接続され、否定論理積回路NA1はプリチャージ回路12Aに信号PRAを出力する。否定回路NT1の出力端はプリチャージ回路12Bに接続され、否定回路NT1はプリチャージ回路12Bに信号PRBを出力する。
プリチャージ回路12Aは、pMOSトランジスタP3,P4,P5を有する。pMOSトランジスタP3のドレインは、pMOSトランジスタP5のソース(またはドレイン)とビット線BLに接続されている。pMOSトランジスタP4のドレインは、pMOSトランジスタP5のドレイン(またはソース)とビット線BLBに接続されている。pMOSトランジスタP3,P4のソースには電源電圧VDD(“H”)が供給されている。
pMOSトランジスタP3,P4,P5のゲートには、否定論理積回路NA1から信号PRAが供給されている。プリチャージ信号PRAは、プリチャージ回路12Aを稼働状態あるいは非稼働状態にする信号である。プリチャージ信号PRAが“L”のとき、プリチャージ回路12Aは稼働状態となり、ビット線BL,BLBを“H”にプリチャージする。また、プリチャージ信号PRAが“H”のとき、プリチャージ回路12Aは非稼働状態となり、ビット線BL,BLBをプリチャージしない。なお、稼働状態とはプリチャージ回路内のpMOSトランジスタがオン状態となることをいい、非稼働状態とはプリチャージ回路内のpMOSトランジスタがオフ状態となることをいう。
プリチャージ回路12Bは、pMOSトランジスタP6,P7,P8を有する。pMOSトランジスタP6のドレインは、pMOSトランジスタP8のソース(またはドレイン)とビット線BLに接続されている。pMOSトランジスタP7のドレインは、pMOSトランジスタP8のドレイン(またはソース)とビット線BLBに接続されている。pMOSトランジスタP6,P7のソースには電源電圧VDD(“H”)が供給されている。
pMOSトランジスタP6,P7,P8のゲートには、否定回路NT1からプリチャージ信号PRBが供給されている。プリチャージ信号PRBは、プリチャージ回路12Bを稼働状態あるいは非稼働状態にする信号である。プリチャージ信号PRBが“L”のとき、プリチャージ回路12Bは稼働状態となり、ビット線BL,BLBを“H”にプリチャージする。また、プリチャージ信号PRBが“H”のとき、プリチャージ回路12Bは非稼働状態となり、ビット線BL,BLBをプリチャージしない。
本実施形態では、読み出し動作または書き込み動作時にプリチャージ回路12Aを用い、データ保持状態時にプリチャージ回路12Bを用いる。読み出し動作または書き込み動作、及びデータ保持状態については後述する。
以降の説明において、プリチャージ回路12Aを構成するpMOSトランジスタP3,P4,P5のゲート絶縁膜の膜厚を「第1ゲート膜厚」と記し、プリチャージ回路12Bを構成するpMOSトランジスタP6,P7,P8のゲート絶縁膜の膜厚を「第2ゲート膜厚」と記す。また、プリチャージ回路12Aを構成するpMOSトランジスタP3,P4,P5のチャネル幅を「第1チャネル幅」と記し、プリチャージ回路12Bを構成するpMOSトランジスタP6,P7,P8のチャネル幅を「第2チャネル幅」と記す。
本実施形態では、プリチャージ回路12A内のpMOSトランジスタP3,P4,P5の第1ゲート膜厚は薄く、プリチャージ回路12B内のpMOSトランジスタP6,P7,P8の第2ゲート膜厚は第1ゲート膜厚より厚い。これにより、プリチャージ回路12B内のpMOSトランジスタP6,P7,P8に生じるゲートリーク電流を、プリチャージ回路12A内のpMOSトランジスタP3,P4,P5に生じるゲートリーク電流よりも小さくできる。なお、前記ゲート絶縁膜は、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、または高誘電率を有する膜(High-k膜)等から形成される。
また、プリチャージ回路12B内のpMOSトランジスタP6,P7,P8の第1チャネル幅は、プリチャージ回路12A内のpMOSトランジスタP3,P4,P5の第2チャネル幅より小さい。
なおここでは、プリチャージ回路12A,12Bの各々が3つのpMOSトランジスタにて構成される例を示した。しかし、これに限るわけではなく、プリチャージ回路12A,12Bの各々は2つのpMOSトランジスタにて構成してもよい。この場合、図5に示したプリチャージ回路12A,12BにおいてpMOSトランジスタP5,P8を削除すればよい。
2. SRAMの動作
次に、SRAM10におけるデータの読み出し動作、書き込み動作、及びデータ保持状態について説明する。これらの動作は、例えば制御回路16の命令によって実行される。すなわち、制御回路16の命令に従って、カラムデコーダ13及びロウデコーダ15は各種の電圧を所定のタイミングでワード線WLやビット線BL,BLBに転送する。また、制御回路16の命令に従って、プリチャージ回路12Aは読み出し動作及び書き込み動作におけるプリチャージ動作で稼働し、プリチャージ回路12Bはデータ保持状態におけるプリチャージ動作で稼働する。
2.1 読み出し動作
図6は、SRAM10における“1”データの読み出し動作を示すタイミングチャートである。“1”データの読み出し動作は、図3に示したメモリセルMCのノードND1に“H”が保持され、ノードND2に“L”が保持された状態から、ビット線BLBに“L”を読み出す動作である。図6において、時刻t1−t2でビット線のプリチャージを行い、時刻t2−t3でデータの読み出しを行い、さらに時刻t3−t4で次の読み出しに備えてビット線のプリチャージを行う。
まず、時刻t1−t2におけるプリチャージは以下のように動作する。
制御回路16内部では、制御信号CNTに基づいて、プリチャージ制御信号PREが生成される。また、外部回路から制御回路16にリテンション制御信号RETが入力される。
否定論理積回路NA1の第1入力端にはプリチャージ制御信号PREとして“H”が入力され、第2入力端には、リテンション制御信号RETとしての“L”が反転されて“H”が入力される。これにより、否定論理積回路NA1の出力端からプリチャージ信号PRAとして“L”が出力される。時刻t1−t2において、プリチャージ回路12Aは、プリチャージ信号PRAとして“L”を受け取ると、稼働状態となりビット線BL,BLBを“H”にプリチャージする。すなわち、プリチャージ回路12A内のpMOSトランジスタP3,P4,P5のゲートに“L”が入力され、pMOSトランジスタP3,P4,P5がオン状態となる。これにより、ビット線BL,BLBに電源電圧VDD(“H”)が供給されて、ビット線BL,BLBが“H”にプリチャージされる。
また、前述したように、制御回路16はリテンション制御信号RETとして“L”を出力している。これにより、否定回路NT1の入力端には“L”が入力され、出力端からプリチャージ信号PRBとして“H”が出力される。時刻t1−t2において、プリチャージ回路12Bは、プリチャージ信号PRBとして“H”を受け取ると、非稼働状態となりビット線BL,BLBに対するプリチャージを行わない。すなわち、プリチャージ回路12B内のpMOSトランジスタP6,P7,P8のゲートに“H”が入力され、pMOSトランジスタP6,P7,P8がオフ状態となる。これにより、ビット線BL,BLBに電源電圧VDDが供給されず、ビット線BL,BLBは“H”にプリチャージされない。
また、時刻t1−t2において、ワード線WLが“H”となり、pMOSトランジスタP1,P2がオフ状態となっている。このため、ノードND1,ND2に保持されていた“H”または“L”はビット線BL,BLBに転送されない。
次に、時刻t2−t3におけるデータの読み出しは以下のように動作する。
制御回路16はプリチャージ制御信号PREとして“L”を出力する。これにより、否定論理積回路NA1の出力端からプリチャージ信号PRAとして“H”が出力される。時刻t2−t3において、プリチャージ回路12Aは、プリチャージ信号PRAとして“H”を受け取ると、非稼働状態となりビット線BL,BLBのプリチャージを停止する。
また、前述したように、制御回路16はリテンション制御信号RETとして“L”を出力している。これにより、否定回路NT1の入力端には“L”が入力され、出力端からプリチャージ信号PRBとして“H”が出力される。時刻t2−t3において、プリチャージ回路12Bは、プリチャージ信号PRBとして“H”を受け取ると、非稼働状態となりビット線BL,BLBに対するプリチャージを行わない。
さらに、時刻t2−t3において、ワード線WLが“L”となり、pMOSトランジスタP1,P2がオン状態となる。すると、ノードND2に保持されていた“L”がビット線BLBに転送される。また、ノードND1には“H”が保持されているため、ビット線BLの電位は“H”のまま維持される。読み出し回路14は、ビット線BLとビット線BLBの電位を差動増幅することにより、メモリセルMCに記憶されていたデータを読み出す。ここでは、読み出し回路14は、ビット線BLBの電位がビット線BLの電位より低いことから、“1”データを読み出す。
次に、時刻t3−t4におけるプリチャージは以下のように動作する。
時刻t3−t4において、ワード線WLが“H”となり、pMOSトランジスタP1,P2がオフ状態となる。これにより、ノードND1,ND2に保持されていた“H”または“L”の転送は停止する。さらに、プリチャージ回路12Aは、プリチャージ信号PRAとして“L”を受け取ると、稼働状態となりビット線BL,BLBを“H”にプリチャージする。また、プリチャージ回路12Bは、プリチャージ信号PRBとして“H”を受け取ると、非稼働状態となりビット線BL,BLBに対するプリチャージを行わない。
前述したように、“1”データの読み出し動作では、プリチャージ回路12Aを時刻t1−t2と時刻t3−t4において稼働状態とし、プリチャージ回路12Bを時刻t1−t4(読み出し動作中)において非稼働状態とする。プリチャージ回路12A内のpMOSトランジスタのゲート絶縁膜の膜厚(第1ゲート膜厚)は薄く、プリチャージ回路12B内のpMOSトランジスタのゲート絶縁膜の膜厚(第2ゲート膜厚)は第1ゲート膜厚より厚い。このため、これらトランジスタのゲートに同じ電圧を印加した場合、プリチャージ回路12Aの電流駆動能力はプリチャージ回路12Bの電流駆動能力より大きい。したがって、読み出し動作では、プリチャージ回路12Aを稼働状態とすることにより、読み出し速度を低下させることなく、データを読み出すことができる。
図7は、SRAM10における“0”データの読み出し動作を示すタイミングチャートである。“0”データの読み出し動作は、図4に示したメモリセルMCのノードND1に“L”が保持され、ノードND2に“H”が保持された状態から、ビット線BLに“L”を読み出す動作である。図7において、時刻t1−t2でビット線のプリチャージを行い、時刻t2−t3でデータの読み出しを行い、さらに時刻t3−t4で次の読み出しに備えてビット線のプリチャージを行う。
まず、時刻t1−t2におけるプリチャージは以下のように動作する。
制御回路16はプリチャージ制御信号PREとして“H”を出力し、リテンション制御信号RETとして“L”を出力する。これにより、否定論理積回路NA1の第1入力端には“H”が入力され、第2入力端には、“L”が反転されて“H”が入力される。これにより、否定論理積回路NA1の出力端からプリチャージ信号PRAとして“L”が出力される。時刻t1−t2において、プリチャージ回路12Aは、プリチャージ信号PRAとして“L”を受け取ると、稼働状態となりビット線BL,BLBを“H”にプリチャージする。
また、前述したように、制御回路16はリテンション制御信号RETとして“L”を出力している。これにより、否定回路NT1の入力端には“L”が入力され、出力端からプリチャージ信号PRBとして“H”が出力される。時刻t1−t2において、プリチャージ回路12Bは、プリチャージ信号PRBとして“H”を受け取ると、非稼働状態となりビット線BL,BLBに対するプリチャージを行わない。
また、時刻t1−t2において、ワード線WLが“H”となり、pMOSトランジスタP1,P2がオフ状態となっている。このため、ノードND1,ND2に保持されていた“H”または“L”はビット線BL,BLBに転送されない。
次に、時刻t2−t3におけるデータの読み出しは以下のように動作する。
制御回路16はプリチャージ制御信号PREとして“L”を出力する。これにより、否定論理積回路NA1の出力端からプリチャージ信号PRAとして“H”が出力される。時刻t2−t3において、プリチャージ回路12Aは、プリチャージ信号PRAとして“H”を受け取ると、非稼働状態となりビット線BL,BLBのプリチャージを停止する。
また、前述したように、制御回路16はリテンション制御信号RETとして“L”を出力している。これにより、否定回路NT1の入力端には“L”が入力され、出力端からプリチャージ信号PRBとして“H”が出力される。時刻t2−t3において、プリチャージ回路12Bは、プリチャージ信号PRBとして“H”を受け取ると、非稼働状態となりビット線BL,BLBに対するプリチャージを行わない。
さらに、時刻t2−t3において、ワード線WLが“L”となり、pMOSトランジスタP1,P2がオン状態となる。すると、ノードND1に保持されていた“L”がビット線BLに転送される。また、ノードND2には“H”が保持されているため、ビット線BLBの電位は“H”のまま維持される。読み出し回路14は、ビット線BLの電位とビット線BLBの電位を比較し、メモリセルMCに記憶されていたデータを読み出す。ここでは、読み出し回路14は、ビット線BLの電位がビット線BLBの電位より低いことから、“0”データを読み出す。
次に、時刻t3−t4におけるプリチャージは以下のように動作する。
時刻t3−t4において、ワード線WLが“H”となり、pMOSトランジスタP1,P2がオフ状態となる。これにより、ノードND1,ND2に保持されていた“L”または“H”の転送は停止する。さらに、プリチャージ回路12Aは、プリチャージ信号PRAとして“L”を受け取ると、稼働状態となりビット線BL,BLBを“H”にプリチャージする。また、プリチャージ回路12Bは、プリチャージ信号PRBとして“H”を受け取ると、非稼働状態となりビット線BL,BLBに対するプリチャージを行わない。
前述したように、“0”データの読み出し動作では、“1”データの読み出し動作と同様に、プリチャージ回路12Aを時刻t1−t2と時刻t3−t4において稼働状態とし、プリチャージ回路12Bを時刻t1−t4(書き込み動作中)において非稼働状態とする。プリチャージ回路12A内のpMOSトランジスタの第1ゲート膜厚は薄く、プリチャージ回路12B内のpMOSトランジスタの第2ゲート膜厚は第1ゲート膜厚より厚い。このため、これらトランジスタのゲートに同じ電圧を印加した場合、プリチャージ回路12Aの電流駆動能力はプリチャージ回路12Bの電流駆動能力より大きい。したがって、読み出し動作では、プリチャージ回路12Aを稼働状態とすることにより、読み出し速度を低下させることなく、データを読み出すことができる。
2.2 書き込み動作
図8は、SRAM10における“1”データの書き込み動作を示すタイミングチャートである。“1”データの書き込み動作は、図3に示したように、メモリセルMCのノードND1に“H”が保持され、ノードND2に“L”が保持された状態に書き込む動作である。図8において、時刻t1−t2でビット線のプリチャージを行い、時刻t2−t3でデータの書き込みを行い、さらに時刻t3−t4で次の書き込みに備えてビット線のプリチャージを行う。
まず、時刻t1−t2におけるプリチャージは以下のように動作する。
制御回路16はプリチャージ制御信号PREとして“H”を出力し、リテンション制御信号RETとして“L”を出力する。これにより、否定論理積回路NA1の第1入力端には“H”が入力され、第2入力端には、“L”が反転されて“H”が入力される。これにより、否定論理積回路NA1の出力端からプリチャージ信号PRAとして“L”が出力される。時刻t1−t2において、プリチャージ回路12Aは、プリチャージ信号PRAとして“L”を受け取ると、稼働状態となりビット線BL,BLBを“H”にプリチャージする。
また、前述したように、制御回路16はリテンション制御信号RETとして“L”を出力している。これにより、否定回路NT1の入力端には“L”が入力され、出力端からプリチャージ信号PRBとして“H”が出力される。時刻t1−t2において、プリチャージ回路12Bは、プリチャージ信号PRBとして“H”を受け取ると、非稼働状態となりビット線BL,BLBに対するプリチャージを行わない。
また、時刻t1−t2において、ワード線WLが“H”となり、pMOSトランジスタP1,P2がオフ状態となっている。このため、ビット線BL,BLBからノードND1,ND2への電位の転送は停止している。
次に、時刻t2−t3におけるデータの書き込みは以下のように動作する。
制御回路16はプリチャージ制御信号PREとして“L”を出力する。これにより、否定論理積回路NA1の出力端からプリチャージ信号PRAとして“H”が出力される。時刻t2−t3において、プリチャージ回路12Aは、プリチャージ信号PRAとして“H”を受け取ると、非稼働状態となりビット線BL,BLBのプリチャージを停止する。
また、前述したように、制御回路16はリテンション制御信号RETとして“L”を出力している。これにより、否定回路NT1の入力端には“L”が入力され、出力端からプリチャージ信号PRBとして“H”が出力される。時刻t2−t3において、プリチャージ回路12Bは、プリチャージ信号PRBとして“H”を受け取ると、非稼働状態となりビット線BL,BLBに対するプリチャージを行わない。
次に、時刻t2−t3において、書き込み回路14は、書き込みデータに応じてビット線BL,BLBのいずれか一方に“L”を印加し、他方に“H”を印加する。ここでは、“1”データを書き込むため、ビット線BLBに“L”を印加し、ビット線BLに“H”を印加する。
さらに、ワード線WLが“L”となり、pMOSトランジスタP1,P2がオン状態となる。すると、ビット線BLBの電位“L”がノードND2に転送される。また、ビット線BLの電位“H”がノードND1に転送される。これにより、メモリセルMCに“1”データが記憶される。
次に、時刻t3−t4におけるプリチャージは以下のように動作する。
時刻t3−t4において、ワード線WLが“H”となり、pMOSトランジスタP1,P2がオフ状態となる。これにより、ビット線BL,BLBからノードND1,ND2への電位の転送は停止する。さらに、プリチャージ回路12Aは、プリチャージ信号PRAとして“L”を受け取ると、稼働状態となりビット線BL,BLBを“H”にプリチャージする。また、プリチャージ回路12Bは、プリチャージ信号PRBとして“H”を受け取ると、非稼働状態となりビット線BL,BLBに対するプリチャージを行わない。
前述したように、“1”データの書き込み動作では、プリチャージ回路12Aを時刻t1−t2と時刻t3−t4において稼働状態とし、プリチャージ回路12Bを時刻t1−t4(書き込み動作中)において非稼働状態とする。プリチャージ回路12A内のpMOSトランジスタの第1ゲート膜厚は薄く、プリチャージ回路12B内のpMOSトランジスタの第2ゲート膜厚は第1ゲート膜厚より厚い。このため、これらトランジスタのゲートに同じ電圧を印加した場合、プリチャージ回路12Aの電流駆動能力はプリチャージ回路12Bの電流駆動能力より大きい。したがって、書き込み動作では、プリチャージ回路12Aを稼働状態とすることにより、書き込み速度を低下させることなく、データを書き込むことができる。
図9は、SRAM10における“0”データの書き込み動作を示すタイミングチャートである。“0”データの書き込み動作は、図4に示したように、メモリセルMCのノードND1に“L”が保持され、ノードND2に“H”が保持された状態に書き込む動作である。図9において、時刻t1−t2でビット線のプリチャージを行い、時刻t2−t3でデータの書き込みを行い、さらに時刻t3−t4で次の書き込みに備えてビット線のプリチャージを行う。
まず、時刻t1−t2におけるプリチャージは以下のように動作する。
制御回路16はプリチャージ制御信号PREとして“H”を出力し、リテンション制御信号RETとして“L”を出力する。これにより、否定論理積回路NA1の第1入力端には“H”が入力され、第2入力端には、“L”が反転されて“H”が入力される。これにより、否定論理積回路NA1の出力端からプリチャージ信号PRAとして“L”が出力される。時刻t1−t2において、プリチャージ回路12Aは、プリチャージ信号PRAとして“L”を受け取ると、稼働状態となりビット線BL,BLBを“H”にプリチャージする。
また、前述したように、制御回路16はリテンション制御信号RETとして“L”を出力している。これにより、否定回路NT1の入力端には“L”が入力され、出力端からプリチャージ信号PRBとして“H”が出力される。時刻t1−t2において、プリチャージ回路12Bは、プリチャージ信号PRBとして“H”を受け取ると、非稼働状態となりビット線BL,BLBに対するプリチャージを行わない。
また、時刻t1−t2において、ワード線WLが“H”となり、pMOSトランジスタP1,P2がオフ状態となっている。このため、ビット線BL,BLBからノードND1,ND2への電位の転送は停止している。
次に、時刻t2−t3におけるデータの書き込みは以下のように動作する。
制御回路16はプリチャージ制御信号PREとして“L”を出力する。これにより、否定論理積回路NA1の出力端からプリチャージ信号PRAとして“H”が出力される。時刻t2−t3において、プリチャージ回路12Aは、プリチャージ信号PRAとして“H”を受け取ると、非稼働状態となりビット線BL,BLBのプリチャージを停止する。
また、前述したように、制御回路16はリテンション制御信号RETとして“L”を出力している。これにより、否定回路NT1の入力端には“L”が入力され、出力端からプリチャージ信号PRBとして“H”が出力される。時刻t2−t3において、プリチャージ回路12Bは、プリチャージ信号PRBとして“H”を受け取ると、非稼働状態となりビット線BL,BLBに対するプリチャージを行わない。
次に、時刻t2−t3において、書き込み回路14は、書き込みデータに応じてビット線BL,BLBのいずれか一方に“L”を印加し、他方に“H”を印加する。ここでは、“0”データを書き込むため、ビット線BLに“L”を印加し、ビット線BLBに“H”を印加する。
さらに、ワード線WLが“L”となり、pMOSトランジスタP1,P2がオン状態となる。すると、ビット線BLの電位“L”がノードND1に転送される。また、ビット線BLBの電位“H”がノードND2に転送される。これにより、メモリセルMCに“0”データが記憶される。
次に、時刻t3−t4におけるプリチャージは以下のように動作する。
時刻t3−t4において、ワード線WLが“H”となり、pMOSトランジスタP1,P2がオフ状態となる。これにより、ビット線BL,BLBからノードND1,ND2への電位の転送は停止する。さらに、プリチャージ回路12Aは、プリチャージ信号PRAとして“L”を受け取ると、稼働状態となりビット線BL,BLBを“H”にプリチャージする。また、プリチャージ回路12Bは、プリチャージ信号PRBとして“H”を受け取ると、非稼働状態となりビット線BL,BLBに対するプリチャージを行わない。
前述したように、“0”データの書き込み動作では、プリチャージ回路12Aを時刻t1−t2と時刻t3−t4において稼働状態とし、プリチャージ回路12Bを時刻t1−t4(書き込み動作中)において非稼働状態とする。プリチャージ回路12A内のpMOSトランジスタの第1ゲート膜厚は薄く、プリチャージ回路12B内のpMOSトランジスタの第2ゲート膜厚は第1ゲート膜厚より厚い。このため、これらトランジスタのゲートに同じ電圧を印加した場合、プリチャージ回路12Aの電流駆動能力はプリチャージ回路12Bの電流駆動能力より大きい。したがって、書き込み動作では、プリチャージ回路12Aを稼働状態とすることにより、書き込み速度を低下させることなく、データを書き込むことができる。
なお、プリチャージ回路12Bは、前述した読み出し動作または書き込み動作におけるビット線BL,BLBのプリチャージにも用いることができる。読み出し動作または書き込み動作におけるビット線のプリチャージに、プリチャージ回路12Aと共にプリチャージ回路12Bを用いれば、プリチャージ動作を速く行うことができ、読み出し動作または書き込み動作を高速化することができる。
2.3 データ保持状態
図10は、SRAM10におけるデータの保持状態を示すタイミングチャートである。データ保持状態は、図3及び図4に示すように、ノードND1,ND2に“H”または“L”を保持する動作である。
図10に示すように、制御回路16はプリチャージ制御信号PREとして“L”を出力し、リテンション制御信号RETとして“H”を出力する。これにより、否定論理積回路NA1の第1入力端には“L”が入力され、また第2入力端には、“H”が反転されて“L”が入力される。これにより、否定論理積回路NA1の出力端からプリチャージ信号PRAとして“H”が出力される。時刻t5−t6において、プリチャージ回路12Aは、プリチャージ信号PRAとして“H”を受け取ると、非稼働状態となりビット線BL,BLBに対するプリチャージを行わない。
また、前述したように、制御回路16はリテンション制御信号RETとして“H”を出力している。これにより、否定回路NT1の入力端には“H”が入力され、出力端からプリチャージ信号PRBとして“L”が出力される。時刻t5−t6において、プリチャージ回路12Bは、プリチャージ信号PRBとして“L”を受け取ると、稼働状態となりビット線BL,BLBを“H”にプリチャージする。
前述したように、データ保持状態では、時刻t5−t6において、プリチャージ回路12Aを非稼働状態とし、プリチャージ回路12Bを稼働状態とする。プリチャージ回路12A内のpMOSトランジスタの第1ゲート膜厚は薄く、プリチャージ回路12B内のpMOSトランジスタの第2ゲート膜厚は第1ゲート膜厚より厚い。このため、プリチャージ回路12B内のpMOSトランジスタに発生するゲートリーク電流は、プリチャージ回路12A内のpMOSトランジスタに発生するゲートリーク電流よりも小さい。したがって、本実施形態では、データ保持状態時にプリチャージ回路12Bを稼働状態とし、プリチャージ回路12Aを非稼働状態とすることにより、プリチャージ回路に生じるリーク電流を低減することができる。
3. 効果
本実施形態では、データ保持状態においてプリチャージ回路12Aを非稼働状態とし、プリチャージ回路12Bを稼働状態とすることにより、プリチャージ回路に生じるリーク電流を低減することができる。
プリチャージ回路12A内のpMOSトランジスタのゲート絶縁膜の膜厚(第1ゲート膜厚)は薄く、プリチャージ回路12B内のpMOSトランジスタのゲート絶縁膜の膜厚(第2ゲート膜厚)は第1ゲート膜厚より厚い。このため、プリチャージ回路12B内のpMOSトランジスタのゲート絶縁膜に生じるゲートリーク電流は、プリチャージ回路12A内のpMOSトランジスタのゲート絶縁膜に生じるゲートリーク電流よりも小さい。したがって、本実施形態では、データ保持状態においてプリチャージ回路12Aを非稼働状態とし、プリチャージ回路12Bを稼働状態とすることにより、データ保持状態時のプリチャージ動作においてプリチャージ回路に生じるリーク電流を低減できる。例えば、データ保持状態においてプリチャージ回路12Aを使用した場合、プリチャージ回路12Aに生じるリーク電流が大きくなるが、本実施形態ではプリチャージ回路12Bを使用しているため、プリチャージ回路12Aを使用した場合に比べて、プリチャージ回路12Bに生じるリーク電流を低減できる。
また、本実施形態では、プリチャージ回路12B内のpMOSトランジスタの第2チャネル幅は、プリチャージ回路12A内のpMOSトランジスタの第1チャネル幅より小さい。データ保持状態では、ビット線BL,BLBを“H”にプリチャージしているが、ビット線を“H”に維持しておくだけでよいため、すなわち“L”のビット線を“H”にプリチャージするなどの動作は必要ないため、プリチャージ回路12B内のpMOSトランジスタの電流駆動能力は小さくてもよい。このため、第2チャネル幅は第1チャネル幅より短くてよい。これにより、プリチャージ回路12Bを設けるために必要な面積を小さくできる。なお、プリチャージ回路12Bの配置面積を小さくしなくてもよい場合は、第2チャネル幅は、第1チャネル幅と同じでもよいし、あるいは第1チャネル幅より長くてもよい。
また、本実施形態では、読み出し動作及び書き込み動作においてはプリチャージ回路12Aを稼働状態とし、プリチャージ回路12Bを非稼働状態とする。読み出し動作及び書き込み動作では、ゲート絶縁膜の膜厚が薄いpMOSトランジスタで構成されたプリチャージ回路12Aを用いてプリチャージを行うことにより、プリチャージの動作速度を低下させることなく、読み出し動作及び書き込み動作を行うことができる。
また、前述した実施形態では、読み出し動作及び書き込み動作においてプリチャージ回路12Bを非稼働状態としたが、プリチャージ回路12Aとプリチャージ回路12Bを共に稼働状態としてもよい。2つのプリチャージ回路12A,12Bを稼働状態にすれば、ビット線のプリチャージを速く行うことができ、読み出し動作及び書き込み動作を高速化できる。
また、図1に示した入出力回路30は、複数のnMOSトランジスタ及びpMOSトランジスタを含む。これらnMOSトランジスタ及びpMOSトランジスタは、プリチャージ回路12Aあるいはロジック回路20を構成するMOSトランジスタより、ゲート絶縁膜の膜厚が厚いMOSトランジスタで構成されている。前述したように、プリチャージ回路12Bを構成するMOSトランジスタもゲート絶縁膜の膜厚が厚いMOSトランジスタで形成されている。このため、プリチャージ回路12Bと入出力回路30を構成するMOSトランジスタのゲート絶縁膜を同一の膜厚とする。この場合、プリチャージ回路12Bと入出力回路30を構成するMOSトランジスタを同一の製造工程及び同一の材料で形成することができる。これにより、本実施形態の半導体記憶装置の製造工程を簡素化することができる。
以上述べたように本実施形態では、データ保持状態時のプリチャージ回路におけるリーク電流が低減できる半導体記憶装置を提供できる。
[変形例等]
本実施形態は、データ保持状態時にビット線対を“H”に保持する状態を有するその他のSRAMに対しても適用できる。
また、本実施形態では、ゲートとドレインとが交差接続された2つのnMOSトランジスタにおいて、nMOSトランジスタの各々のゲートに“H”または“L”を保持するメモリセルを用いたが、これに限るわけではなく、ゲートとドレインとが交差接続された2つのpMOSトランジスタを有するメモリセルを用いてもよい。この2つのpMOSトランジスタのメモリセルを用いたSRAMを、以降では変形例と記す。
図11に、前記変形例のメモリセルが“1”データを保持した状態を示す。メモリセルは、ゲートとドレインが交差接続されたpMOSトランジスタP11,P12と、読み出し及び書き込み時にメモリセルにアクセスするためのnMOSトランジスタN11,N12を備える。
pMOSトランジスタP11のゲートは、pMOSトランジスタP12のドレイン及びnMOSトランジスタN12のドレイン(またはソース)に接続される。pMOSトランジスタP12のゲートは、pMOSトランジスタP11のドレイン及びnMOSトランジスタN11のドレイン(またはソース)に接続される。pMOSトランジスタP11,P12のソースには、電源電圧VDD(“H”)が供給される。
さらに、nMOSトランジスタN11のソース(またはドレイン)にはビット線BLが接続される。nMOSトランジスタN12のソース(またはドレイン)にはビット線BLBが接続される。nMOSトランジスタN11,N12のゲートにはワード線WLが接続される。“1”データの保持状態では、図11に示すように、ノードND1に“H”が保持され、ノードND2に“L”が保持される。一方、“0”データの保持状態では、図示しないが、ノードND1に“L”が保持され、ノードND2に“H”が保持される。これらデータ保持状態では、ワード線WLに“L”が供給され、ビット線対BL,BLBが“L”に保持される。
前記変形例では、ビット線対BL,BLBを“L”に保持するために、プリチャージ回路に換えてディスチャージ回路が用いられる。
図12は、前記変形例におけるディスチャージ回路の構成を示す回路図である。ここでは、図5に示した構成と異なる箇所のみを説明する。ビット線対BL,BLB間には、2つのディスチャージ回路12C,12Dが接続されている。
制御回路16は、論理積回路AN1と増幅回路OA1を有している。論理積回路AN1はディスチャージ回路12Cにディスチャージ信号DCCを出力する。増幅回路OA1はディスチャージ回路12Dにディスチャージ信号DCDを出力する。
ディスチャージ回路12Cは、nMOSトランジスタN3,N4,N5を有する。nMOSトランジスタN3のドレインは、nMOSトランジスタN5のソース(またはドレイン)とビット線BLに接続されている。nMOSトランジスタN4のドレインは、nMOSトランジスタN5のドレイン(またはソース)とビット線BLBに接続されている。nMOSトランジスタN3,N4のソースには、接地電位GND(“L”)が供給されている。
nMOSトランジスタN3,N4,N5のゲートには、論理積回路AN1からディスチャージ信号DCCが供給されている。ディスチャージ信号DCCは、ディスチャージ回路12Cを稼働状態あるいは非稼働状態にする信号である。ディスチャージ信号DCCが“H”のとき、ディスチャージ回路12Cは稼働状態となり、ビット線BL,BLBを“L”にディスチャージする。また、ディスチャージ信号DCCが“L”のとき、ディスチャージ回路12Cは非稼働状態となり、ビット線BL,BLBをディスチャージしない。
ディスチャージ回路12Dは、nMOSトランジスタN6,N7,N8を有する。nMOSトランジスタN6のドレインは、nMOSトランジスタN8のソース(またはドレイン)とビット線BLに接続されている。nMOSトランジスタN7のドレインは、nMOSトランジスタN8のドレイン(またはソース)とビット線BLBに接続されている。nMOSトランジスタN6,N7のソースには、接地電位GND(“L”)が供給されている。
nMOSトランジスタN6,N7,N8のゲートには、増幅回路OA1からディスチャージ信号DCDが供給されている。ディスチャージ信号DCDは、ディスチャージ回路12Dを稼働状態あるいは非稼働状態にする信号である。ディスチャージ信号DCDが“H”のとき、ディスチャージ回路12Dは稼働状態となり、ビット線BL,BLBを“L”にディスチャージする。また、ディスチャージ信号DCDが“L”のとき、ディスチャージ回路12Dは非稼働状態となり、ビット線BL,BLBをディスチャージしない。
本変形例では、読み出し動作または書き込み動作時にディスチャージ回路12Cを用い、データ保持状態時にディスチャージ回路12Dを用いる。このような構成を有する変形例にも本実施形態を適用できる。
ここで、ディスチャージ回路12Cを構成するnMOSトランジスタN3,N4,N5のゲート絶縁膜の膜厚を「第3ゲート膜厚」と記し、ディスチャージ回路12Dを構成するnMOSトランジスタN6,N7,N8のゲート絶縁膜の膜厚を「第4ゲート膜厚」と記す。また、ディスチャージ回路12Cを構成するnMOSトランジスタN3,N4,N5のチャネル幅を「第3チャネル幅」と記し、ディスチャージ回路12Dを構成するnMOSトランジスタN6,N7,N8のチャネル幅を「第4チャネル幅」と記す。
本変形例では、ディスチャージ回路12C内のnMOSトランジスタN3,N4,N5の第3ゲート膜厚は薄く、ディスチャージ回路12D内のnMOSトランジスタN6,N7,N8の第4ゲート膜厚は第3ゲート膜厚より厚い。これにより、ディスチャージ回路12D内のnMOSトランジスタN6,N7,N8に生じるゲートリーク電流を、ディスチャージ回路12C内のnMOSトランジスタN3,N4,N5に生じるゲートリーク電流よりも小さくできる。なお、前記ゲート絶縁膜は、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、または高誘電率を有する膜(High-k膜)等から形成される。
また、ディスチャージ回路12D内のnMOSトランジスタN6,N7,N8の第4チャネル幅は、ディスチャージ回路12C内のnMOSトランジスタN3,N4,N5の第3チャネル幅より小さい。
さらに、ディスチャージ回路12C,12Dの各々が3つのnMOSトランジスタにて構成される例を示した。しかし、これに限るわけではなく、ディスチャージ回路12C,12Dの各々は2つのnMOSトランジスタにて構成してもよい。この場合、図12に示したディスチャージ回路12C,12DにおいてnMOSトランジスタN5,N8を削除すればよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…SRAM、11…メモリセルアレイ、12A,12B…プリチャージ回路、12C,12D…ディスチャージ回路、13…カラムデコーダ、14…書き込み/読み出し回路、15…ロウデコーダ、16…制御回路、20…ロジック回路、30…入出力回路。

Claims (8)

  1. ソースまたはドレインのいずれか一方に第1電圧が供給された第1の第1導電型MOSトランジスタと、
    ゲートが前記第1の第1導電型MOSトランジスタのソースまたはドレインのいずれか他方に接続され、ソースまたはドレインのいずれか一方に前記第1電圧が供給され、ソースまたはドレインのいずれか他方が前記第1の第1導電型MOSトランジスタのゲートに接続された第2の第1導電型MOSトランジスタと、
    前記第1の第1導電型MOSトランジスタのソースまたはドレインの前記いずれか他方と第1ビット線との間に電流経路が形成され、ゲートがワード線に接続された第1の第2導電型MOSトランジスタと、
    前記第2の第1導電型MOSトランジスタのソースまたはドレインの前記いずれか他方と第2ビット線との間に電流経路が形成され、ゲートが前記ワード線に接続された第2の第2導電型MOSトランジスタと、
    第3の第2導電型MOSトランジスタを含み、読み出し動作または書き込み動作の少なくともいずれかの動作時のプリチャージ期間に第2電圧を前記第1及び第2ビット線に供給する第1プリチャージ回路と、
    第4の第2導電型MOSトランジスタを含み、データ保持状態時に前記第2電圧を前記第1及び第2ビット線に供給する第2プリチャージ回路と、
    を具備する半導体記憶装置。
  2. 前記第4の第2導電型MOSトランジスタのゲート絶縁膜の膜厚は、前記第3の第2導電型MOSトランジスタのゲート絶縁膜の膜厚より厚い請求項1に記載の半導体記憶装置。
  3. 前記第4の第2導電型MOSトランジスタのチャネル幅は、前記第3の第2導電型MOSトランジスタのチャネル幅より小さい請求項1または2に記載の半導体記憶装置。
  4. 前記第2プリチャージ回路は、読み出し動作または書き込み動作の少なくともいずれかの動作時のプリチャージ期間に前記第2電圧を前記第1及び第2ビット線に供給する請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体記憶装置。
  5. データまたは信号の少なくともいずれかを入出力する入出力回路をさらに具備し、
    前記入出力回路は第5の第2導電型MOSトランジスタを含み、
    前記第4の第2導電型MOSトランジスタのゲート絶縁膜の膜厚は、前記第5の第2導電型MOSトランジスタのゲート絶縁膜の膜厚と同一である請求項2乃至4のいずれかに記載の半導体記憶装置。
  6. 前記第1及び第2の第1導電型MOSトランジスタ並びに前記第1及び第2の第2導電型MOSトランジスタのゲート絶縁膜の膜厚は、前記第3の第2導電型MOSトランジスタのゲート絶縁膜の膜厚より厚い請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体記憶装置。
  7. 前記第1及び第2の第1導電型MOSトランジスタは、nチャネルMOSトランジスタであり、前記第1及び第2の第2導電型MOSトランジスタはpチャネルMOSトランジスタである請求項1乃至6のいずれかに記載の半導体記憶装置。
  8. 前記第1及び第2の第1導電型MOSトランジスタは、pチャネルMOSトランジスタであり、前記第1及び第2の第2導電型MOSトランジスタはnチャネルMOSトランジスタである請求項1乃至6のいずれかに記載の半導体記憶装置。
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