JP2016133567A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016133567A
JP2016133567A JP2015007190A JP2015007190A JP2016133567A JP 2016133567 A JP2016133567 A JP 2016133567A JP 2015007190 A JP2015007190 A JP 2015007190A JP 2015007190 A JP2015007190 A JP 2015007190A JP 2016133567 A JP2016133567 A JP 2016133567A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
filter
image forming
forming apparatus
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015007190A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6407037B2 (ja
Inventor
秀介 三浦
Shusuke Miura
秀介 三浦
二郎 白潟
Jiro Shirogata
二郎 白潟
佳菜 大島
Kana Oshima
佳菜 大島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2015007190A priority Critical patent/JP6407037B2/ja
Priority to US14/982,277 priority patent/US9753403B2/en
Publication of JP2016133567A publication Critical patent/JP2016133567A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6407037B2 publication Critical patent/JP6407037B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】現像器内のトナー濃度の検出値に含まれる変動成分を低減すること。
【解決手段】インダクタセンサ20により検出されたトナー濃度である出力値Xnがフィルタ84に入力される。フィルタ84はXnに含まれているスクリュー58、59の攪拌周期に応じた変動成分を低減し、フィルタ出力Ynを出力する。イベント検知部82は現像器に収容されている現像剤のトナー濃度を変化させるようなイベントを検知する。イベントが検知されると、更新部83は、フィルタ84のフィルタリング特性を決定するフィルタ変数Pn、Qnを更新し、RAM102に格納する。
【選択図】図9

Description

本発明は、補給制御を停止した状態で現像スクリューを回転させた後の、濃度変動を低減する画像形成装置に関する。
2成分現像剤はトナーとキャリアとを含む現像剤である。画像形成装置は、トナーとキャリアを撹拌することで摩擦帯電させ、感光体にトナーを飛翔させて静電潜像を現像する。トナーは現像によって消費されるため、補給される必要がある。また、トナー画像の濃度を所望の濃度に維持するにはトナーとキャリアとの比率(T/D比)は一定に維持されなければならない(特許文献1)。
特開平9−127780号公報
ところで、ところで現像器内のT/D比は光学式センサやインダクタセンサにより検知可能である。しかし、センサの出力値は現像器内でトナーを攪拌するスクリューの回転周期に応じた変動成分を含むため、この変動成分を削減することが求められる。そこで、本発明は、現像器内のトナー濃度の検出値に含まれる変動成分を低減することを第一の目的とする。
この変動成分は、たとえば、バンドパスフィルタなどのフィルタリングにより低減可能である。本明細書の実施形態に係るバンドパスフィルタは、前回のセンサ出力値などのフィルタ変数とフィルタ定数によって設定されうるものである。フィルタ変数は画像形成期間などトナーが補給される期間において更新される。トナー補給期間では、トナーが補給され、攪拌されることでT/D比が変動するため、フィルタ変数も更新される。しかし、フィルタ変数の元となるセンサ出力値は、トナー補給が実行されていない期間でも変化することがある。たとえば、現像器が交換されときや、外部電源から電力を供給されて画像形成装置が起動したときには、現像剤の偏在を低減したり、現像剤に含まれるトナーの帯電ムラを削減したりするために現像器内のトナーを攪拌する必要がある。よって、トナー補給期間だけでなく、トナー補給が実行されない期間であってもフィルタ変数は更新されることが求められる。仮に、フィルタ変数を適宜に更新しなければ、フィルタリングによって新たなノイズが検出値に加算されてしまうことがあろう。よって、現像器内のスクリューが回転するときはトナー補給の有無にかかわらず、フィルタ変数を更新することで、T/D比の変動を削減することが求められる。そこで、本発明は、フィルタ変数を適宜に更新することで、フィルタリングの副作用を低減し、トナー濃度の検出値の変動を低減することを第二の目的とする。
本発明は、たとえば、
静電潜像が形成される像担持体と、
トナーとキャリアとを含む現像剤を収容する収容手段と、前記収容手段に収容されている前記現像剤を攪拌する攪拌手段と、前記像担持体に形成された前記静電潜像を前記収容手段に収容されている前記現像剤のトナーで現像する現像剤担持体と、を有する現像手段と、
前記収容手段に収容されている前記現像剤のトナー濃度を検出する検出手段と、
前記収容手段にトナーを補給する補給手段と、
前記検出手段により検出された前記トナー濃度に基づき前記補給手段を制御する制御手段と
を有し、
前記制御手段は、
前記検出手段により検出された前記トナー濃度に含まれている前記攪拌手段の攪拌周期に応じた変動成分を低減するフィルタと、
前記フィルタのフィルタリング特性を決定するフィルタ変数を更新する更新手段と、
前記収容手段に収容されている前記現像剤のトナー濃度を変化させてしまうおそれのあるイベントを検知する検知手段と
を有し、
前記更新手段は、前記検知手段が前記イベントを検知すると、前記フィルタ変数を更新することを特徴とする画像形成装置を提供する。
本発明によれば、フィルタリングによって、現像器内のトナー濃度の検出値に含まれる変動成分を低減することが可能となる。さらに、本発明によれば、トナー濃度の検出値を変化させるようなイベントが発生するとフィルタ変数を更新することで、トナー濃度の検出値の変動が低減される。
画像形成装置の全体像を示す図 現像器の断面図 制御部を示すブロック図 トナー濃度の検出値とフィルタリングを適用された検出値とを示す図 フィルタ変数の更新処理を示すフローチャート フィルタ変数の更新処理を示すフローチャート フィルタ変数の演算モードを示すフローチャート 補給モードフを示すローチャート CPUによって実現される機能を示す図
本実施例を適用可能な画像形成装置は、たとえば感光体や誘電体等の像担持体上に電子写真方式や静電記録方式等によって画像信号に対応した潜像を形成し、二成分現像剤を用いて潜像を現像して可視画像(トナー画像)を形成するものである。二成分現像剤はトナー粒子とキャリア粒子を主成分とした現像剤である。
<画像形成装置の構成>
図1において複写されるべき原稿31の画像はレンズ32によってCCD等の撮像素子33に投影される。撮像素子33は原稿31の画像を多数の画素に分解し、各画素の濃度に対応したアナログの画像信号を発生する。処理回路34は撮像素子33から出力される画像信号を、画素毎にその画素の濃度に対応した出力レベルを有する画素信号に変換し、変調回路35に送る画像処理回路である。変調回路35は入力される画素信号毎に、その出力レベルに対応した幅(時間長)のレーザ駆動パルスを形成して半導体レーザ36に出力するパルス幅変調回路である。高濃度の画素信号に対しては幅の広い駆動パルスが形成される。低濃度の画素信号に対しては幅の狭い駆動パルスが生成される。中濃度の画素信号に対しては中間の幅の駆動パルスが形成される。半導体レーザ36はレーザ駆動パルスのパルス幅に対応する時間だけ発光する。したがって、半導体レーザ36は高濃度画素に対してはより長い時間発光し、低濃度画素に対してはより短い時間発光する。それ故、感光体ドラム40は、高濃度画素に対しては主走査方向に長い範囲を露光され、低濃度画素に対しては主走査方向に短い範囲を露光される。つまり、画素の濃度に対応して静電潜像のドットサイズが異なる。したがって、高濃度画素に対するトナー消費量は低濃度画素に対するトナー消費量よりも多い。
半導体レーザ36から放射されたレーザ光81は回転多面鏡37によって偏向され、f/θレンズ等のレンズ38を通過し、固定ミラー39によって感光体ドラム40上に結像する。かくして、レーザ光81は感光体ドラム40の回転軸とほぼ平行な方向(主走査方向)に感光体ドラム40を走査し、静電潜像を形成する。なお、潜像形成手段としては半導体レーザ36に代えてLEDアレイ等の光源が用いられてもよい。
感光体ドラム40は露光器41で均一に除電された後、一次帯電器42により均一に帯電する。その後、感光体ドラム40はレーザ光で走査されて静電潜像を形成される。現像手段である現像器44はトナー粒子とキャリア粒子が混合された二成分タイプの現像剤43を使用し、静電潜像を反転現像し、可視画像(トナー画像)を形成する。反転現像とは、感光体ドラム40の表面のうちで露光された領域に、潜像と同極性に帯電したトナーを付着させてこれを可視化する現像方法である。転写帯電器49は担持ベルト47上に担持された転写材48にトナー画像を転写する。担持ベルト47は2個のローラ45、46間に架張され、矢印方向に駆動される。転写材は記録材、記録媒体、用紙、シート、転写紙と呼ばれてもよい。担持ベルト47は中間転写ベルトであってもよい。この場合、トナー画像は中間転写ベルトに一次転写され、中間転写ベルトから転写材48に二次転写される。ローラ46とそれに対向して配置されるローラは二次転写ローラ対として機能する。画像センサ25は、転写材48または中間転写ベルトに形成されたトナーパッチを読み取り、トナーパッチの画像濃度を検知する読取手段または画像濃度検知手段である。CPU101は、トナーパッチの画像濃度が目標濃度に近づくように、現像器44内のターゲット濃度の値を調整する。
なお、説明を簡明にするために1つの画像形成ステーション(感光体ドラム40、露光器41、一次帯電器42、現像器44等を含む)のみを図示している。カラー画像形成装置であれば、たとえばシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの各色に対する4つの画像形成ステーションが転写材48の移動方向に沿って配列される。それぞれ色の異なるトナー画像は順次に重畳して転写材48に転写される。
このトナー画像が転写された転写材48は担持ベルト47から分離されて定着器80に搬送される。定着器80は、トナー画像および転写材48を加熱および加圧してトナー画像を定着させる。クリーナ50は転写後に感光体ドラム40上に残った残留トナーを除去する。
補給コントローラ100に搭載されたCPU101はRAM102などの記憶装置にトナーの補給に必要となる様々なパラメータを記憶させる。CPU101はインダクタセンサ20の出力値などに基づいてトナーの補給量を決定し、補給量に応じてモータドライバ69を制御し、トナー補給手段である補給モータ70を駆動する。インダクタセンサ20の出力値は二成分現像剤におけるトナー濃度の指標となるT/D比に相関している。一般に補給量が多ければ補給モータ70の駆動時間は長時間となり、補給量が少なければ補給モータ70の駆動時間は短時間となる。補給モータ70の回転速度は一定であるため、駆動時間を調整することで、補給されるトナーの総量が調整される。補給モータ70の駆動力はギア列71を介して搬送スクリュー62に伝達される。搬送スクリュー62はトナー補給漕60内のトナー63を、トナー搬送路61を通じて現像器44に補給する。インダクタセンサ20は、現像器44に収容されている二成分現像剤におけるトナー濃度(T/D比)を検知するために、現像器44に設けられている。インダクタセンサ20に代えて、光学式のT/D比センサが採用されてもよい。本実施例は、T/D比を検知できるセンサであれば採用でき、その検知方式に依存することはない。このように、トナー補給漕60、搬送スクリュー62および補給モータ70などは、収容手段である現像器44にトナーを補給する補給手段として機能する。
<現像器の詳細>
図2を用いて現像器44の一例を説明する。現像器44は感光体ドラム40に対向して配置されている。現像器44の内部は垂直方向に延在する隔壁51によって第1室(現像室)52と第2室(撹拌室)53とに区画されている。第1室52はトナーとキャリアとを含む現像剤を収容する収容手段の一例である。第1室52には矢印方向に回転する非磁性の現像スリーブ54が配置されている。現像スリーブ54は像担持体に形成された静電潜像を第1室52に収容されている現像剤のトナーで現像する現像剤担持体の一例である。現像スリーブ54内にはマグネット55が固定配置されている。現像スリーブ54は二成分現像剤を担持および搬送し、感光体ドラム40と対向する現像領域でトナーを感光体ドラム40に供給して静電潜像を現像する。なお、ブレード56は二成分現像剤(磁性キャリアと非磁性トナーを含む)の層厚を一定に規制する。現像効率、即ち潜像へのトナーの付与率を向上させるために、現像スリーブ54には電源57から現像バイアスが印加されている。現像バイアスは、直流電圧を交流電圧に重畳することで生成されている。
第1室52および第2室53にはそれぞれ現像剤を撹拌する攪拌手段であるスクリュー58、59が配置されている。スクリュー58、59は、現像スクリュー、攪拌スクリュー、攪拌搬送スクリュー飛ばれてもよい。CPU101は現像モータ68(図3)を制御してスクリュー58、59を回転させる。スクリュー58は第1室52中の現像剤を撹拌しながら搬送する。スクリュー59は、トナー補給漕60のトナー搬送路61から供給されたトナー63と既に現像器44内にあった現像剤43とを撹拌しながら搬送し、トナー濃度を均一化する。隔壁51には図2における手前側と奥側の端部において第1室52と第2室53とを相互に連通させる現像剤通路(非図示)が形成されている。スクリュー58は、現像によってトナーが消費されてトナー濃度の低下した第1室52内の現像剤を一方の通路を通じて第2室53へ移動させる。スクリュー59は、第2室53内でトナー濃度の回復した現像剤を他方の通路から第1室52内へ移動させる。
図2が示すように、現像器44の第1室52の底壁にはトナー濃度を検知する検知手段であるインダクタセンサ20が設置されている。インダクタセンサ20は第1室52に収容されている現像剤のトナー濃度を検出する検出手段の一例である。ここではインダクタセンサ20が第1室52内に存在する現像剤43の実際のトナー濃度に対応した検出値をCPU101に出力する。
図3を用いて補給コントローラ100について説明する。CPU101にはRAM102、ROM103およびI/O104が接続されている。CPU101はI/O104に入力される信号に応じ、ROM103に記憶されている制御プログラムを実行する。I/O104には補給コントローラ100を制御するさらに上位のコントローラが接続されている。CPU101は制御プログラムにしたがってRAM102からインダクタセンサ20の出力値などのデータを呼び出し、モータドライバ67とモータドライバ69を制御し、現像モータ68と補給モータ70を駆動する。
<バンドパスフィルタ>
バンドパスフィルタはインダクタンス電圧Xnに含まれる変動成分を低減するフィルタである。上述したように、インダクタンス電圧Xnにはスクリュー58、59の回転周期に応じた変動成分が重畳される。変動成分が増えると、トナーの補給制御の精度が低下するため、変動成分を低減する手段が必要となる。
以下では、バンドパスフィルタのフィルタリング演算について説明する。バンドパスフィルタはCPU101が制御プログラムを実行することで実現される機能であるが、論理回路により実現されてもよい。バンドパスフィルタはインダクタセンサ20からインダクタンス電圧Xnを取得し、RAM102に記憶されているフィルタ変数を呼び出し、以下の演算を行う。
Yn = b0 × Xn + Pn−1 ・・・(1)
Pn = b1 × Xn −a1 × Yn +Qn−1 ・・・(2)
Qn = b2 × Xn −a2 × Yn ・・・(3)
ここで、Ynはバンドパスフィルタの出力値であり、Xnはバンドパスフィルタの入力値である。nはインデックスである。P、Qはフィルタ変数である。a、bはフィルタ定数である。とりわけ、Pn、Qnは今回の演算により求められたフィルタ変数である。Pn−1、Qn−1は前回の演算により求められたフィルタ変数であり、RAM102から呼び出されたものである。バンドパスフィルタは今回のフィルタ変数Pn、QnをRAM102に上書き保存し、次回の演算時に利用する。
バンドパスフィルタは、所定期間(例:0.1[sec])ごとにフィルタ演算を実行する。30秒周期のインダクタンス電圧の変動を低減するためのフィルタ定数の一例は以下のとおりである。
a1 =−1.97723 ・・・(4)
a2 = 0.977668 ・・・(5)
b0 = 0.990025 ・・・(6)
b1 =−1.97723 ・・・(7)
b2 = 0.987643 ・・・(8)
インダクタンス電圧の変動周期は現像スクリューの回転周期と相関している。よって、インダクタンス電圧の変動周期または現像スクリューの回転周期からフィルタ定数が予め求められ、ROM103などに格納され、バンドパスフィルタにより利用される。これにより、所定周期のインダクタンス電圧変動を低減することが可能なバンドパスフィルタが実現される。なお、フィルタ定数は、画像形成装置の設計段階で実験やシミュレーションによって決定される定数である。
(1)式ないし(3)式から明らかなように、フィルタ変数は0.1秒ごとに更新されることが前提となっている。フィルタ出力Ynは過去のフィルタ変数Pn−1に依存しており、フィルタ変数Pnも過去のフィルタ変数Qn−1に依存している。もし、前回の演算を実行した時刻から今回の演算を実行した時刻までの時間が長時間になってしまうと、その間に現像器44内のトナーの状態が変化してしまうことがある。これは、前回の演算により求められたフィルタ変数が、現在のトナーの状態から乖離していることを意味する。この場合、バンドパスフィルタによってインダクタンス電圧Xnをフィルタリングすることで、かえってフィルタ出力Ynにノイズがのってしまうことがある。
図4(A)はインダクタンス電圧Xnとフィルタ出力Ynとの関係を示す図である。ここでは画像形成が実行されている期間にトナー補給が実行され、この期間においてフィルタ演算が実行されるものとする。0秒から50秒までの期間は画像形成期間である。この期間においてはトナー補給が実行され、スクリュー58、59によりトナーの攪拌も実行されるため、インダクタンス電圧Xnは一定周期の変動成分を含む。一方でフィルタ出力Ynはインダクタンス電圧Xnと比較して変動成分が削減されている。
50秒から60秒までの期間は画像形成が終了し、トナーの補給も停止され、スクリュー58、59の攪拌も停止している期間である。この期間ではトナーが攪拌されないため、インダクタンス電圧Xnは変化しない。また、この期間ではフィルタ演算が実行されないため、フィルタ出力Ynも更新されない。
60秒から70秒までの期間は何らかの理由によりスクリュー58、59による攪拌が実行される期間である。この期間ではトナーは補給されない。トナーが攪拌されるため、インダクタンス電圧Xnが変化する。ただし、この期間ではフィルタ演算が実行されないため、フィルタ出力Ynは更新されない。
70秒から100秒までの期間はトナーの補給が実行されず、かつ、スクリュー58、59の攪拌も停止している期間である。この期間ではトナーが攪拌されないため、インダクタンス電圧Xnは変化しない。また、この期間ではフィルタ演算が実行されないため、フィルタ出力Ynも更新されない。
100秒から150秒までの期間では、再び、画像形成が実行される。ここで注目すべきは、100秒時点でのフィルタ出力Ynが実際のインダクタンス電圧Xnから大きく乖離してしまっていることである。これは、フィルタ出力Ynを計算するために使用されるフィルタ変数Pn−1は50秒の時点で求められたものだからである。フィルタ変数Pn−1は60秒から70秒までの期間で実行された攪拌の影響を反映していないため、このフィルタ変数を用いて求められたフィルタ出力Ynは実際のインダクタンス電圧Xnから大きく乖離してしまう。
図4(A)から明らかなように、トナー補給期間(画像形成期間)だけでなく、インダクタンス電圧Xnが変動しうる期間ではフィルタ変数が更新されるべきであろう。つまり、インダクタンス電圧Xnが変動しうる期間においてCPU101がフィルタ変数を更新することで、フィルタ出力Ynの精度を向上させることができる。インダクタンス電圧Xnの変動要因としては、たとえば、スクリュー58、59の回転がある。CPU101は、現像器44が交換されたときや、画像形成装置を起動したとき、トナーの帯電ムラが予測されるときに、スクリュー58、59を回転させる。よって、CPU101は、画像形成期間に加えてこれらのタイミングでもフィルタ変数を更新するものとする。たとえば、CPU101は、トナー濃度の検出値が変動しうるイベント(たとえば、スクリュー58、59が回転するイベント)を検知すると、フィルタ変数を更新する。
<フローチャート>
図5を用いてフィルタ変数の更新処理について説明する。S1でCPU101はインダクタセンサ20の出力値Xnを変化させるようなイベントの発生を検知するために、画像形成装置に発生する様々なイベントを監視する。このイベントの一つは、スクリュー58、59を回転させるようなイベントである。たとえば、現像器44の交換、画像形成装置の起動、画像形成終了時においてトナーの帯電ムラが予測されたこと、前回のジョブから所定時間以上の間隔が空いたことなどはイベントの一例である。これらのイベントは、画像形成を行う前に現像剤の状態を安定させるため、トナー補給を行わずにスクリュー58、59を空回転させる処理が含まれる。空回転とは、トナーを補給せずに、スクリュー58、59を回転させることをいう。現像器44の交換は、現像器44の着脱を検知するセンサの検知結果に基づいて監視されてもよいし、操作部からCPU101に入力された入力値(現像器44の交換を示す入力値)に基づいて監視されてもよい。CPU101は現像器44の認証処理(固有識別情報の取得および比較)を実行して、現像器44が交換されたことを検知してもよい。トナーの帯電ムラは、たとえば、トナーを大量に消費する複数の画像を連続して形成したときにも発生しうる。よって、CPU101は画像信号から求めたトナー消費量からトナーの帯電ムラの発生を予測してもよい。なお、これらのイベントの共通点はスクリュー58、59を回転させることである。よって、画像形成も出力値Xnを変化させるようなイベントの一例である。たとえば、CPU101がトナーパッチを転写材48または中間転写ベルト(担持ベルト47)に形成し、トナーパッチの画像濃度に基づき出力値Xnのターゲット値を調整することもイベントの一例である。
S2でCPU101はイベントの監視結果に基づき、所定のイベントが発生したかどうかを判定する。所定のイベントが発生していなければCPU101はS1に戻る。一方で、所定のイベントが発生していればCPU101はS3に進む。
S3でCPU101は演算モードを実行する。演算モードは、出力値Xnの取得、フィルタ変数Pn−1、Qn−1の読み出し、フィルタ変数Pn、Qnの決定、フィルタ出力Ynの決定を含む処理である。フィルタ変数Pn、Qnやフィルタ出力Ynは、たとえば、(1)式ないし(3)式にしたがって実行される。
このように、インダクタセンサ20の出力値Xnを変化させるようなイベントが検知されたときは、フィルタ変数Pn、Qnが更新されるため、フィルタ出力Ynを精度よく求めることが可能となる。
図6を用いてフィルタ変数の更新処理を伴うトナー濃度の制御処理について説明する。このフローチャートを実行するための制御プログラムやフィルタ定数はROM103に記憶されており、フィルタ変数はRAM102に記憶される。画像形成装置に外部電源から電力が供給されて起動すると、CPU101は以下の処理を実行する。
S10でCPU101は現像器44が交換されたかどうかを判定する。現像器44の交換は、現像器44の着脱を検知するセンサの検知結果に基づいて判定されてもよいし、CPU101に接続された操作部を通じて入力された入力値に基づいて判定されてもよい。現像器44が交換されていなければ、CPU101はS11に進む。
S11でCPU101は演算モードをスタートする。演算モードの詳細は後述する。S12でCPU101はプリントジョブを開始する前の立上調整が終了したかどうかを判定する。立上調整には、たとえば、フィルタ出力Ynがターゲット値Ytに十分に近くなるようにスクリュー58、59を回転させる処理が含まれる。よって、CPU101はフィルタ出力Ynがターゲット値Ytとの差分ΔYが閾値より小さくなると、現像器44の立上調整が終了したと判定してもよい。立上調整が終了していなければCPU101はS11に戻り、演算モードを繰り返し実行する。S11とS12からなるループにおいてS11の実行周期はたとえば0.1[秒]である。現像器44の立上調整が終了するとCPU101はS13に進む。
S13でCPU101はプリントジョブが投入されたかどうかを判定する。プリントジョブは操作部やホストコンピュータからCPU101に投入される。プリントジョブが投入されると、CPU101はS14に進む。
S14でCPU101は処理回路34を用いて画像信号を生成する。画像信号は1枚の画像ごとに生成される。S15でCPU101は補給モードを実行する。補給モードの詳細は後述する。このように補給モードは画像形成中にトナーを補給する処理である。
S16でCPU101は画像形成が終了したかどうかを判定する。画像形成が終了していなければ、CPU101はS15に戻り補給モードを実行する。画像形成が終了していれば、CPU101はS17に進む。
S17でCPU101はスクリュー58、59を回転させる調整処理が必要かどうかを判定する。画像形成装置には様々な調整処理が存在する。たとえば、感光体ドラム40の帯電量を調整する際にはトナーが使用されないため、スクリュー58、59を回転させる必要がない。一方で、画像形成位置や階調特性を調整するためにトナーパッチを中間転写ベルトや転写材48に形成する際には、スクリュー58、59を回転させる必要がある。なお、CPU101は一次帯電器42に流れる電流に基づき、帯電量の調整が必要かどうかを判定してもよい。また、CPU101は、画像形成枚数に基づき画像形成位置や階調特性の調整が必要かどうかを判定してもよい。スクリュー58、59を回転させる調整処理が必要でなければ、CPU101はS20に進む。スクリュー58、59を回転させる調整処理が必要であれば、CPU101はS18に進む。S18でCPU101は演算モードを実行する。
S19でCPU101はスクリュー58、59が回転する調整が終了したかどうかを判定する。たとえば、画像形成位置の調整処理(色ずれ補正など)では、トナーパッチの読み取りが完了すると、CPU101は調整終了と判定する。調整が終了していなければ、CPU101はS18に戻り、演算モードを実行する。調整が終了していれば、CPU101はS20に進む。
S20でCPU101はすべてのジョブが終了したかどうかをプリントジョブに基づき判定する。たとえば、10枚の画像を連続で印刷するプリントジョブであれば、10枚の画像をすべてプリント完了したときにCPU101はすべてのジョブが終了したと判定する。すべてのジョブか終了したのであればCPU101は本フローチャートに係る処理を終了し、すべてのジョブか終了していなければCPU101はS14に戻り、次の画像について画像信号を生成する。
ところで現像器が交換された場合、CPU101はS10からS21に進む。S21でCPU101はバンドパスフィルタを初期化する。たとえば、CPU101はフィルタ変数Pn,Qnに初期値を設定する。初期値は予め工場出荷時に決定された値(たとえば、ゼロ)である。
S22でCPU101は演算モードを実行する。S22の演算モードはS3、S11、S18の演算モードと基本的に同じものである。S23でCPU101は新規の現像器44のイニシャライズが終了したかどうかを判定する。工場で製造された現像器44は物流ルートにしたがって運搬される。その際には、現像器44に振動が加わることがある。運搬に伴う振動対策として、第1室58よりも第2室59に多くの現像剤43が偏在するように搭載される。そのため、現像器44を画像形成装置に搭載したときは現像剤43の偏在を低減するために、一定時間、スクリュー58、59を回転させる必要がある。これがイニシャライズである。イニシャライズが終了していなければ、CPU101はS22に戻る。イニシャライズが終了していれば、CPU101はS13に進む。現像器44のイニシャライズが終了したかどうかは、たとえば、一定時間が経過したかどうかに基づき判定可能である。
<演算モード>
図7を用いて演算モードについて詳細に説明する。S30でCPU101はスクリュー58、59の回転を開始する。CPU101は現像モータ68を制御してスクリュー58、59を回転させる。
S31でCPU101はインダクタセンサ20が出力した出力値Xnを取得する。出力値Xnは、インダクタンス電圧と呼ばれてもよく、T/D比に相関(反比例)した電圧である。
S32でCPU101は出力値Xnのフィルタリングを実行する。たとえば、CPU101はROM103からフィルタ定数b0を読み出し、RAM102から前回のフィルタ変数Pn−1を読み出す。さらに、CPU101は(1)式に、今回の出力値Xn、フィルタ定数b0および前回のフィルタ変数Pn−1を代入し、今回のフィルタ出力Ynを演算する。
S33でCPU101はフィルタ変数Pn、Qnを更新する。CPU101はROM103からフィルタ定数b1、a1を読み出し、RAM102から前回のフィルタ変数Qn−1を読み出す。さらに、CPU101は(2)式に、今回の出力値Xn、今回のフィルタ出力Yn、フィルタ定数b1、a1および前回のフィルタ変数Qn−1を代入し、今回のフィルタ変数Pnを演算する。さらに、CPU101はROM103からフィルタ定数b2、a2を読み出す。さらに、CPU101は(3)式に、今回の出力値Xn、今回のフィルタ出力Yn、フィルタ定数b2、a2を代入し、今回のフィルタ変数Qnを演算する。CPU101はフィルタ変数Pn、QnをRAM102に格納する。
<補給モード>
図8を用いて補給モードについて詳細に説明する。S40でCPU101はスクリュー58、59の回転を開始する。CPU101は現像モータ68を制御してスクリュー58、59を回転させる。
S41でCPU101はインダクタセンサ20が出力した出力値Xnを取得する。出力値Xnは、インダクタンス電圧と呼ばれてもよく、T/D比に相関(反比例)した電圧である。
S42でCPU101は出力値Xnのフィルタリングを実行する。たとえば、CPU101はROM103からフィルタ定数b0を読み出し、RAM102から前回のフィルタ変数Pn−1を読み出す。さらに、CPU101は(1)式に、今回の出力値Xn、フィルタ定数b0および前回のフィルタ変数Pn−1を代入し、今回のフィルタ出力Ynを演算する。
S43でCPU101はフィルタ変数Pn、Qnを更新する。CPU101はROM103からフィルタ定数b1、a1を読み出し、RAM102から前回のフィルタ変数Qn−1を読み出す。さらに、CPU101は(2)式に、今回の出力値Xn、今回のフィルタ出力Yn、フィルタ定数b1、a1および前回のフィルタ変数Qn−1を代入し、今回のフィルタ変数Pnを演算する。さらに、CPU101はROM103からフィルタ定数b2、a2を読み出す。さらに、CPU101は(3)式に、今回の出力値Xn、今回のフィルタ出力Yn、フィルタ定数b2、a2を代入し、今回のフィルタ変数Qnを演算する。CPU101はフィルタ変数Pn、QnをRAM102に格納する。
S44でCPU101はフィルタ出力Ynに基づきトナー補給量Rnを決定する。たとえば、CPU101はフィルタ出力Ynとターゲット値Ytの差分ΔYを求める。この差分をインダクタンス差分と呼ぶことにする。さらに、CPU101はPID制御を用いてインダクタンス差分ΔYからトナー補給量Rnを決定する。たとえば、CPU101は、インダクタンス差分ΔYにPゲインを乗算したものと、インダクタンス差分ΔYを積分してさらにIゲインを乗算したものと、インダクタンス差分ΔYを微分してさらにDゲインを乗算したものを加算する。この和がトナー補給量Rnとなる。PID制御には、Dゲインを0にしてPIのみで制御を行うこと(PI制御)や、Iゲイン及びDゲインを0にしてPのみで制御を行うこと(P制御)が含まれるものとする。なお、Pゲイン、Dゲイン、IゲインなどPIDゲインは、予め画像形成装置の設計時に実験やシミュレーションを行い、安定性や制御性が良好となるように決定され、ROM103に格納される。CPU101はROM103からこれらのパラメータを読み出してとトナー補給量を算出する。
S45でCPU101はトナー補給量の積算値Snを求める。CPU101は積算手段として機能する。たとえば、CPU101はRAM102に保存されている前回のトナー補給で求められた補給量の積算値Sn−1を呼び出す。CPU101は、呼び出した積算値Sn−1に今回のトナー補給量Rnを加算して今回の積算値Snを求め、RAM102に上書きする。たとえば、1回目からn−1回目までのトナー補給により求められたトナー補給量の積算値Sn−1は前回の積算値である。なお、トナー補給が実行されると、補給されたトナーの量が積算値から減算される。今回(つまりn回目)の積算値Snは、S12で求められた今回のトナー補給量Rnを前回の積算値Sn−1に加算することで得られる。なお、積算値Snは現像器44におけるトナーの不足量を示している。
S46でCPU101は補給条件が満たされたかどうかを判定する。CPU101は判定手段として機能する。補給条件は、たとえば、積算値Snがあらかじめ設定されている最少補給量Rminを超えたことであってもよい。最少補給量Rminは、頻繁なトナー補給を緩和するために、予め画像形成装置の設計段階で設定される。なお、最少補給量Rminは、補給モータ70を一回駆動することで補給されるトナー量(ブロックトナー量Rb)よりも多い。ブロックトナー量Rbはトナー補給量の最小の単位である。なお、トナーブロックごとにトナーを補給することはブロック補給と呼ばれてもよい。積算値Snが最少補給量Rminを超えていなければ、補給条件が満たされていないため、CPU101は本フローチャートに係る処理を終了する。一方で、積算値Snが最少補給量Rminを超えていれば、補給条件が満たされたため、CPU101はS47に進む。
S47でCPU101はモータドライバ69を制御して補給モータ70を回転させ、現像器44に1ブロックのトナーを補給する。CPU101はモータ制御手段として機能する。S48でCPU101は積算値Snからブロックトナー量Rbを減算する。CPU101は減算手段として機能する。その後、CPU101はS46に戻る。つまり、補給条件が満たされている間は、ブロックトナー量Rbずつトナーが補給されることになる。
図4(B)を用いて本実施例を適用したインダクタセンサ20の出力値Xnとフィルタ出力Ynを示す。補給モードでのみフィルタ変数を更新する比較例におえるフィルタ出力Ynは、図4(A)が示すように、100[秒]付近でフィルリングによる新たな変動成分が生じていた。この変動成分は、画像形成が実行されていない期間においてスクリュー58、59が回転するにもかかわらず、フィルタ変数が更新されないことが原因で発生していた。一方で、本実施例では、図4(B)が示すように、このような変動成分が低減されている。本実施例では、画像形成が実行されていない期間においてもスクリュー58、59が回転するのであれば、フィルタ変数が更新される。これにより、変動成分が低減される。また、フィルタリングの効果によって、スクリュー58、59の回転周期に伴う出力値Xnの変動成分も低減されている。
このように、スクリュー58、59が回転するようなイベントなど、トナー濃度を変化させてしまうおそれのあるイベントが検知されると、CPU101はフィルタ変数を更新する。これは、補給モードにより求められたフィルタ変数と演算モードにより求められたフィルタ変数とが共有され、フィルタ変数の連続性が維持されることを意味する。
<まとめ>
図2を用いて説明したように現像器44は第1室52、第2室53、スクリュー58、59および現像スリーブ54を有している。第1室52、第2室53はトナー粒子とキャリア粒子とを含む現像剤43を収容する収容手段である。スクリュー58、59は現像剤43を攪拌する攪拌手段である。現像スリーブ54は感光体ドラム40に形成された静電潜像を現像剤43のトナーで現像する現像剤担持体である。補給モータ70はCPU101により制御されて現像器44にトナーを補給する。現像器44の第2室53に補給されたトナーはスクリュー58、59により現像剤43と攪拌されながら搬送され第1室52に搬送される。CPU101は、インダクタセンサ20により検出されたトナー濃度に基づき補給モータ70を制御する。
図9はCPU101が制御プログラムを実行することで実現する機能の一例を示している。これらの機能の一部またはすべては論理回路により実現されてもよい。フィルタ84はインダクタセンサ20により検出されたトナー濃度である出力値Xnに含まれている変動成分を低減し、フィルタ出力Ynを出力するバンドパスフィルタである。変動成分は、たとえば、スクリュー58、59の攪拌周期に応じた変動成分である。フィルタ84はROM103に保持されているフィルタ定数b0とRAM102に保持されているPn−1とに基づき、出力値Xnをフィルタリング演算してフィルタ出力Ynを決定し、補給量決定部85に出力する。イベント検知部82は現像器44に収容されている現像剤43のトナー濃度を変化させてしまうおそれがあるイベントを検知する。イベント検知部82がイベントを検知すると、更新部83は、フィルタ84のフィルタリング特性を決定するフィルタ変数Pn、Qnを更新し、RAM102に格納する。たとえば、更新部83はROM103に保持されているフィルタ定数a1、a2、b1、b2、RAM102に保持されているQn−1、出力値Xn、フィルタ出力Ynを用いてフィルタ変数Pn、Qnを更新してもよい。図4(A)、図4(B)を用いて説明したように本実施例によれば、フィルタ84のフィルタリングによって、現像器44内のトナー濃度の検出値である出力値Xnに含まれる変動成分を低減することが可能となる。図4(B)を用いて説明したように、本実施例によれば、トナー濃度の検出値を変化させるようなイベントが発生すると更新部83がフィルタ変数を更新するため、トナー濃度の検出値の変動が低減される。
フィルタ変数を更新するためのトリガーとなるイベントは、スクリュー58、59を動作させるようなイベントである。スクリュー58、59が攪拌動作を実行すると、トナーの補給の有無にかかわらず、出力値Xnが変動するからである。
このようなイベントには様々なものがある。たとえばS15に関して説明したように、現像剤43に含有されるトナーでトナー画像を形成することもイベントの一例である。S10に関して説明したように、現像器44が交換されたこともイベントの一例である。S18に関して説明したように、スクリュー58、59を動作させながら画像形成装置の制御パラメータ(画像形成位置(露光タイミング))を調整することもイベントの一例である。また、S11に関連して説明したように、画像形成装置を起動したことや画像形成装置において画像を形成しない時間が閾値時間を超えたこともイベントの一例である。これらのイベントではトナーが補給されないが、スクリュー58、59が回転するからである。画像を形成しない時間が閾値時間を超えると、現像剤43に帯電していた電荷が低下したり、現像剤43に含有されていた空気が減少したりする。よって、トナー画像を形成するのに適した帯電量や空気量となるように、スクリュー58、59は現像剤43を攪拌する。
イベントについてさらに説明する。補正部86は、現像器44により形成されたトナーパッチを読み取る画像センサ25に接続されている。補正部86は、画像センサ25により読み取られたトナーパッチの画像濃度に基づき、現像器44に収容されている現像剤43のトナー濃度(フィルタ出力Yn)のターゲット濃度(ターゲット値Yt)を補正する。このようにトナーパッチを形成してターゲット値Ytを補正するときにも現像器44のスクリュー58、59が攪拌動作を実行するため、フィルタ変数が更新される。つまり、現像剤43のトナーでトナーパッチを形成することはイベントの一例である。なお、本実施形態ではトナー画像における光学濃度を画像濃度と称し、T/D比を現像剤43のトナー濃度と称している。
RAM102はフィルタ変数Pn、Qnを記憶する記憶手段である。なお、RAM102はフラッシュメモリやEEPROMなどの不揮発性のメモリであってもよい。更新部83は、複数のイベント間で共通に使用されるフィルタ変数Pn、Qnを更新する。図6を用いて説明したようにフィルタ変数Pn、Qnは、S11、S15、S18、S22で更新される。これらのステップはそれぞれ異なるイベントをトリガーとして実行される。しかし、フィルタ変数Pn、QnはRAM102に記憶されており、異なるイベントに対しても共通のフィルタ変数Pn、Qnが更新される。つまり、フィルタ変数Pn、Qnは複数のイベント間で共用される。これにより変動成分がさらに低減されよう。
CPU101は、PID制御により補給モータ70を制御するように構成されてもよい。S44に関して説明したように補給量決定部85はフィルタ出力Ynとターゲット値Ytとの差分ΔYを取得する。補給量決定部85は差分ΔYにPゲインを乗算したものと、差分ΔYを積分してさらにIゲインを乗算したものと、差分ΔYを微分してさらにDゲインを乗算したものを加算することでトナーの補給量Rnを決定してもよい。補給量Rnは積算部87に出力される。S45に関して説明したように、積算部87は、前回までの積算値Sn−1にトナーの補給量Rnを加算して今回の積算値Snを算出する。CPU101は積算値Snに基づき補給モータ70を制御してブロック補給を実行する。減算部88は、1ブロックのトナーが補給されるごとに、積算値Snがブロックトナー量Rbを減算する。なお、フィルタ出力Ynでは変動成分が低減されているため、フィルタ出力Ynを用いて決定されたトナーの補給量をさらに正確となる。つまり、精度よくトナーが補給されるようになり、トナー画像の画像濃度のムラなどが低減されよう。
図6を用いて説明したように、CPU101は、トナー画像を形成している期間に現像器44にトナーを補給しながらフィルタ変数Pn、Qnを更新する第1モードである補給モードを有している。さらに、CPU101は、トナー画像を形成していない期間に現像器44にトナーを補給せずにフィルタ変数Pn、Qnを更新する第2モードである演算モードを有していてもよい。図4(A)を用いて説明したように補給モードだけでは、フィルタリングの副作用が生じることがある。よって、図4(B)を用いて説明したように演算モードを導入することで、フィルタリングの副作用を低減できる。
更新部83は、画像形成装置の組み立て工程において現像器44の動作確認を実行する際に演算モードにしたがってフィルタ変数Pn、Qnを更新してもよい。現像器44の動作確認においてもスクリュー58、59が攪拌動作を実行するため、フィルタ変数Pn、Qnを更新してもよい。この場合、フィルタ変数Pn、Qnは不揮発性のメモリに保持されて、出荷されることになる。これは、画像形成装置をユーザの居室に設置したときに実行されるスクリュー58、59の攪拌動作を短時間することにつながろう。
S10、S21ないしS23を用いて説明したように、更新部83は、現像器44が交換されたことをイベント検知部82が検知すると、フィルタ変数Pn、Qnを初期化してもよい。これは、フィルタ変数Pn、Qnが現像器44ごとに適切な値が異なるからである。
20…インダクタセンサ、40…感光体ドラム、43…二成分現像剤、44…現像器、54…現像スリーブ、58、59…スクリュー、60…トナー補給漕、100…補給コントローラ

Claims (9)

  1. 静電潜像が形成される像担持体と、
    トナーとキャリアとを含む現像剤を収容する収容手段と、前記収容手段に収容されている前記現像剤を攪拌する攪拌手段と、前記像担持体に形成された前記静電潜像を前記収容手段に収容されている前記現像剤のトナーで現像する現像剤担持体と、を有する現像手段と、
    前記収容手段に収容されている前記現像剤のトナー濃度を検出する検出手段と、
    前記収容手段にトナーを補給する補給手段と、
    前記検出手段により検出された前記トナー濃度に基づき前記補給手段を制御する制御手段と
    を有し、
    前記制御手段は、
    前記検出手段により検出された前記トナー濃度に含まれている前記攪拌手段の攪拌周期に応じた変動成分を低減するフィルタと、
    前記フィルタのフィルタリング特性を決定するフィルタ変数を更新する更新手段と、
    前記収容手段に収容されている前記現像剤のトナー濃度を変化させてしまうおそれのあるイベントを検知する検知手段と
    を有し、
    前記更新手段は、前記検知手段が前記イベントを検知すると、前記フィルタ変数を更新することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記イベントは、前記攪拌手段を動作させるイベントであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記イベントは、前記現像剤のトナーでトナー画像を形成するイベントに加え、
    前記現像手段が交換されたこと、
    前記攪拌手段を動作させながら前記画像形成装置の制御パラメータを調整すること、
    前記画像形成装置を起動したこと、
    前記画像形成装置において画像を形成しない時間が閾値時間を超えたこと、
    のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記現像手段により形成されたトナーパッチを読み取る読取手段と、
    前記読取手段により読み取られたトナーパッチの画像濃度に基づき、前記収容手段に収容されている前記現像剤のトナー濃度のターゲット濃度を補正する補正手段と
    をさらに有し、
    前記イベントは、前記現像剤のトナーでトナーパッチを形成するイベントを含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記フィルタ変数を記憶する記憶手段をさらに有し、
    前記更新手段は、複数のイベント間で共通に使用されるフィルタ変数を更新することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御手段は、PID制御により前記補給手段を制御するように構成されており、前記フィルタによりフィルタリングされた前記トナー濃度とターゲット濃度との差分を取得し、前記差分にPゲインを乗算したものと、前記差分を積分してさらにIゲインを乗算したものと、前記差分を微分してさらにDゲインを乗算したものを加算することで前記トナーの補給量を決定することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御手段は、トナー画像を形成している期間に前記収容手段にトナーを補給しながら前記フィルタ変数を更新する第1モードと、トナー画像を形成していない期間に前記収容手段にトナーを補給せずに前記フィルタ変数を更新する第2モードを有していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  8. 前記更新手段は、前記画像形成装置の組み立て工程において前記現像手段の動作確認を実行する際に前記第2モードにしたがって前記フィルタ変数を更新することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記更新手段は、前記現像手段が交換されたことを前記検知手段が検知すると、前記フィルタ変数を初期化することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
JP2015007190A 2015-01-08 2015-01-16 画像形成装置 Active JP6407037B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015007190A JP6407037B2 (ja) 2015-01-16 2015-01-16 画像形成装置
US14/982,277 US9753403B2 (en) 2015-01-08 2015-12-29 Image forming apparatus for executing developer replenishment control

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015007190A JP6407037B2 (ja) 2015-01-16 2015-01-16 画像形成装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018175335A Division JP6596138B2 (ja) 2018-09-19 2018-09-19 画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016133567A true JP2016133567A (ja) 2016-07-25
JP6407037B2 JP6407037B2 (ja) 2018-10-17

Family

ID=56437930

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015007190A Active JP6407037B2 (ja) 2015-01-08 2015-01-16 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6407037B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09267946A (ja) * 1996-01-29 1997-10-14 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
US5839022A (en) * 1996-11-26 1998-11-17 Xerox Corporation Filter for reducing the effect of noise in TC control
JP2000056639A (ja) * 1998-08-13 2000-02-25 Canon Inc 画像形成装置
JP2000066502A (ja) * 1998-08-14 2000-03-03 Canon Inc 画像形成装置
JP2008299315A (ja) * 2007-05-01 2008-12-11 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2010015087A (ja) * 2008-07-07 2010-01-21 Ricoh Co Ltd 画像形成装置及びトナー濃度制御方法
JP2010072156A (ja) * 2008-09-17 2010-04-02 Ricoh Co Ltd 画像形成装置、計算機、画像形成システム、トナー濃度調整パラメータ変更方法、トナー濃度調整パラメータ送信方法、及びプログラム
JP2010191249A (ja) * 2009-02-19 2010-09-02 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成装置、トナー濃度算出方法、及びトナー濃度算出プログラム

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09267946A (ja) * 1996-01-29 1997-10-14 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
US5839022A (en) * 1996-11-26 1998-11-17 Xerox Corporation Filter for reducing the effect of noise in TC control
JP2000056639A (ja) * 1998-08-13 2000-02-25 Canon Inc 画像形成装置
JP2000066502A (ja) * 1998-08-14 2000-03-03 Canon Inc 画像形成装置
JP2008299315A (ja) * 2007-05-01 2008-12-11 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2010015087A (ja) * 2008-07-07 2010-01-21 Ricoh Co Ltd 画像形成装置及びトナー濃度制御方法
JP2010072156A (ja) * 2008-09-17 2010-04-02 Ricoh Co Ltd 画像形成装置、計算機、画像形成システム、トナー濃度調整パラメータ変更方法、トナー濃度調整パラメータ送信方法、及びプログラム
JP2010191249A (ja) * 2009-02-19 2010-09-02 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成装置、トナー濃度算出方法、及びトナー濃度算出プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP6407037B2 (ja) 2018-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4917265B2 (ja) 画像形成装置
JP5804764B2 (ja) 画像処理装置
JP2012247503A (ja) 画像形成装置
JP5761927B2 (ja) 画像形成装置
JP4887949B2 (ja) 画像形成装置およびトナー濃度制御方法
JP6596138B2 (ja) 画像形成装置
JP6407037B2 (ja) 画像形成装置
US9423751B2 (en) Image forming apparatus for controlling toner density in developing unit
JP2009169317A (ja) 画像形成装置
EP2887146B1 (en) Image forming apparatus and method for controlling image forming apparatus
JP4363948B2 (ja) 画像形成装置
JP6444181B2 (ja) 画像形成装置
JP6601368B2 (ja) 画像形成装置
US9753403B2 (en) Image forming apparatus for executing developer replenishment control
JP6632554B2 (ja) 画像形成装置
JP6781936B2 (ja) 画像形成装置
JP2017138546A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP6588703B2 (ja) 画像形成装置
JP6217376B2 (ja) トナー濃度制御装置、トナー付着量制御装置及び画像形成装置
JP2006330597A (ja) 現像剤濃度制御装置および画像形成装置
JP2006091211A (ja) 画像形成装置及び画像形成装置のトナー補給制御方法
JP2020020963A (ja) 画像形成装置
JP2006058346A (ja) 画像形成装置
JP2019012234A (ja) 画像形成装置
JP2019074604A (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171218

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180815

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180820

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180918

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6407037

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151