以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。この画像形成装置100は、4つの感光体を用いた4タンデム方式のカラー画像形成装置であって、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の各色に対応した4つの画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kと、トナー像が一次転写される中間転写ベルト20とを備えている。画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kは、中間転写ベルト20の回転方向に対し上流側から下流側に向かって順に配置されている。中間転写ベルト20は、一方向に回転する駆動ロール(図示略)と、従動ロール22と、中間転写ベルト20に張力を加えるテンションロール23とによってループ状に張架され、駆動ロールにより上流から下流へ回転駆動されるものとなっている。中間転写ベルト20の回転方向において、トナー像が一次転写される位置の上流側には、中間転写ベルト20をクリーニングするベルトクリーニング装置(図示略)が設けられている。
また、画像形成装置100は、一次転写ロール5Y,5M,5C,5Kと、二次転写ロール15と、定着器(不図示)とを備えている。一次転写ロール5Y,5M,5C,5Kは、中間転写ベルト20を各々の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kに押し付けることにより、各々の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kに形成された4色分のトナー像を重ね合わせて中間転写ベルト20に一次転写するものである。二次転写ロール15は、4色分のトナー像が重ね合わせて一次転写された中間転写ベルト20に対して、図示しない搬送ロールにより搬送された用紙Pを押し付けることにより、当該用紙Pにトナー像を二次転写するものである。定着器は、二次転写ロール15によりトナー像が二次転写された用紙Pを加熱および加圧することにより、当該トナー像を用紙Pに定着させるものである。
画像形成ユニット10Yは、トナー像が形成される感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yを帯電させる帯電器2Yと、ユニット10Yに対応する色(Y)の画像データの供給を受けると当該画像データを用いて変調した露光光(レーザビームなど)を当該色に対応したタイミングで感光体ドラム1Yに照射し、静電潜像を形成する露光部3と、静電潜像が形成された感光体ドラム1Yに、ユニット10Yに対応する色(Y)のトナーを付着させてトナー像を形成する二成分現像方式の現像器4Yと、一次転写ロール5Yで中間転写ベルト20に一次転写されなかった残留トナー(不要トナー)を感光体ドラム1Yから取り除くクリーニング装置(図示略)とを備えている。
現像器4Yは、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を収容するための現像容器41Yと、二成分現像剤に含まれているトナーを用いて現像を行う現像ロール42Yと、透磁率(又は光学的反射率)を利用して現像容器41Y内のトナー濃度(トナー混合比)を測定するトナー濃度センサ43Yと、現像容器41Y内の現像剤を攪拌・搬送する攪拌搬送ロール(不図示)とを備えている。なお、現像容器41Yや現像ロール42Yの長手方向は図中奥行き方向と一致している。トナー濃度センサ43Yは現像容器41Yに取り付けられており、このトナー濃度センサ43Yの出力信号はトナー補給制御部35に入力されるようになっている。現像容器41Yにはトナーボックス7Yが接続されており、このトナーボックス7Yから画像形成ユニット10Yに対応する色(Y)のトナーがディスペンスモータ9Yの回転駆動によりトナー補給路を通して現像容器41Yに供給(補給)される構成となっている。また、現像容器41Yへ供給されるトナーの量は、ディスペンスモータ9Yの回転駆動時間により調整可能となっている。
画像形成ユニット10M,10C,10Kは、それぞれ上記画像形成ユニット10Yと同様の構成を備えている。また、画像形成ユニット10Yの現像容器41Yにトナーボックス7Yが接続されているように、他の画像形成ユニットの現像容器にも他の色のトナーを収容するトナーボックスが接続され、ディスペンスモータの回転によってトナーが供給される構成となっている。ただし、露光部3は、各々の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kに共通する部品であるが、その機能はユニット毎に異なる。例えば、画像形成ユニット10Mの露光部3として機能する場合には、画像形成ユニット10Mに対応する色(M)の画像データの供給を受けて、当該画像データを用いて変調した露光光を当該色に対応したタイミングで感光体ドラム1Mに照射する。
また、画像形成装置100は、複写する原稿画像を読み取って画像データを出力する画像読取部30と、画像読取部30から出力された画像データを入力し、この画像データにスクリーン処理等の画像処理を行い、画像処理後の画像データを出力する画像処理部31と、画像処理部31から出力された画像データを入力し、この画像データに色変換を行ってYMCK各色の画像データを生成し、生成した画像データを露光部3へ供給するコントロール32とを備えている。なお、コントロール32は、画像処理部31から出力された画像データのみならず、画像形成装置100の外部の機器(例えばパーソナルコンピュータ34)からの画像データを入力し、この画像データに色変換を行ってYMCK各色の画像データを生成し、生成した画像データを露光部3へ供給する、という機能も有する。
また、前述したように、トナー濃度センサ43Y,43M,43C,43Kの出力信号はトナー補給制御部35に入力される。トナー補給制御部35は、各々のトナー濃度センサ43Y,43M,43C,43Kから入力された出力信号が示す波形のうち、ピークに相当する出力値を用いてトナーの濃度を特定する。また、画像形成装置100は、装置内部の環境として温度および湿度を測定する温・湿度センサ6を備えており、その温・湿度センサ6の出力信号がトナー補給制御部35に入力されるようになっている。
また、画像形成装置100は画素カウンタ33を備えている。画素カウンタ33は、コントロール32から露光部3へ供給される画像データを用いて、Y,M,C,Kの色毎に、1ページ(用紙1枚)あたりの画像データの有効画素数をカウントし、そのカウント値(カウント結果)を示す信号を出力する。画素カウンタ33の出力信号は、トナー補給制御部35に入力されるようになっている。また、画素カウンタ33でカウントする有効画素数は、「トナー消費予測パラメータ」に相当するものである。「有効画素数」とは、露光部3による露光光の照射によって感光体ドラムに形成される静電潜像を構成する画素の数、さらに換言すると、トナーによる現像の対象とされる画素の数をいう。また、「トナー消費予測パラメータ」とは、現像によって消費されるトナーの量(現像トナー量)を予測するためのパラメータであって、そのパラメータ値は現像トナー量と比例関係にある。トナー消費予測パラメータとしては、有効画素数の他にも、例えば1ページ(用紙1枚)あたりの画像データの画像密度を適用することが可能である。画像密度は、上記画素カウンタ33でカウントした有効画素数を1ページ内の総画素数で除算することで求められるものである。
このようにトナー補給制御部35は、トナー濃度センサ43Y,43M,43C,43Kからの出力信号と、温・湿度センサ6からの出力信号と、画素カウンタ33からの出力信号とを入力し、各々の出力信号が示す値に応じてディスペンスモータ9Y,9M,9C,9Kの回転駆動を制御することにより、各色のトナー補給を個別に制御する。
なお、本発明の実施形態に適用される画像形成装置は、カラー画像形成装置ではなく、白黒画像形成装置であってもよい。また、カラー画像形成装置の場合は、4タンデム方式ではなく、2つの感光体を用いた2タンデム方式や1つの感光体を用いたシングル方式のカラー画像形成装置であってもよい。また、中間転写ベルトに代えて他の中間転写体を用いた画像形成装置であってもよい。また、中間転写方式ではなく搬送ベルトや搬送ロール等の用紙搬送手段で搬送される用紙にトナー像を直接的に転写する方式の画像形成装置であってもよい。
図2はトナー補給制御系の構成を示すブロック図である。なお、トナー補給制御系の構成は、各色(Y,M,C,K)全て共通であるため、ここでは各色を識別する符号(Y,M,C,K)の記載を省略して説明する。
まず、コントロール32から供給された画像データ(画像信号)は、画素カウンタ33を介して露光部3に与えられる。その際、露光部3では、画像データに基づく露光動作(レーザビームスキャン等)を行うことにより、感光体ドラム1の表面に静電潜像を形成する。また、画素カウンタ33では、静電潜像を構成する有効画素の画素数をカウントし、そのカウント値をトナー補給制御部35に通知する。
一方、感光体ドラム1に形成された静電潜像は、現像器4の現像ロール42から供給されるトナーを用いてトナー像に現像される。現像器4の現像容器41内には、二成分現像剤が収容されている。現像容器41内に収容された二成分現像剤は攪拌搬送ロール44によって攪拌・搬送される。また、二成分現像剤のトナー濃度(TC;Toner Concentration)は、トナー濃度センサ43によって検知され、この検知結果がトナー補給制御部35に通知される。また、トナー補給制御部35には、温・湿度センサ6で検知された温度および湿度の情報が通知される。
これに対して、トナー補給制御部35は、画素カウンタ33でカウントされた有効画素数や、トナー濃度センサ43で検知されたトナー濃度、さらには温・湿度センサ6で検知された温度及び湿度の各情報に基づいて、現像器4に所定量のトナーを補給するために必要となるディスペンスモータ9の駆動時間を求め、この駆動時間にしたがってディスペンスモータ9にモータ駆動信号を供給する。これにより、トナーボックス7に収容されたトナーは、トナー補給制御部35からのモータ駆動信号に基づくディスペンスモータ9の駆動にしたがって現像器4の現像容器41内に補給される。
続いて、本発明の実施形態に係るトナー補給制御方法を説明するのに先立って、トナー補給制御処理の基本的な流れについて図3〜図5を用いて説明する。なお、以下に述べる処理は、Y,M,C,Kの各色ごとにトナー補給制御部35で個別(マルチタスク形式)に行われるものである。
図3はATC方式に基づいてトナー補給時間を更新する際の処理手順を示すフローチャートである。まず、現像器4が動作中であるかどうかを確認する(ステップS11)。そして、現像器4が動作中であれば、現像器4の動作開始から2秒経過した時点または前回のトナー濃度測定から2秒経過した時点で、トナー濃度センサ43を用いてトナー濃度を測定する(ステップS12,S13)。これにより、現像器4の動作中は、当該動作開始から2秒間隔でトナー濃度の測定が繰り返し行われることになる。なお、2秒という時間の間隔は任意に変更可能である。
次いで、先の測定によって得られたトナー濃度測定値(TC)と予め設定されたトナー濃度目標値(TCS)との差分ΔTCを算出するとともに、この差分ΔTCに係数1を乗算することにより、第1のトナー補給時間T1を求める(ステップS14)。トナー濃度目標値とは、ATC方式で現像器内のトナー濃度を一定に制御するための基準(目標)として設定されるトナー濃度(目標トナー濃度)を示す値である。また、係数1は、差分ΔTCをゼロにするために現像器4にどの程度の量のトナーを補給する必要があり、また、この必要とされる量のトナーを現像器4に補給するためにディスペンスモータ9をどの程度の時間だけ駆動すればよいかを計算で求めるために予め設定されるものである。このことから、トナー補給制御部35とトナー濃度センサ43は、「現像器内のトナー濃度を検知し、この検知結果に基づいて第1のトナー補給時間を決定する第1の決定手段」を構成するものとなる。
ちなみに、トナー補給時間はディスペンスモータ9を駆動するときの駆動時間に反映されるものであって、実際にディスペンスモータ9を駆動した場合は、その駆動時間が長いほど現像器4に多くのトナーが補給される。したがって、トナー補給時間及びトナー補給量は互いに比例関係となるため、トナー補給時間を決定することは、トナー補給量を決定することと実質同意である。
また、トナー濃度センサ43から得られるトナー濃度測定値(センサ出力)は、現像器4内のトナー濃度が高い(トナー混合比が大きい)ほど小さな値となる。そのため、トナー濃度測定値がトナー濃度目標値よりも大きい場合(ΔTCが正の値になる場合)は、実際のトナー濃度が目標トナー濃度よりも低いことになるため、第1のトナー補給時間T1は正の値として計算される。また、トナー濃度測定値がトナー濃度目標値よりも小さい場合(ΔTCが負の値になる場合)は、実際のトナー濃度が目標トナー濃度よりも高いことになるため、第1のトナー補給時間T1は負の値として計算される。
こうして第1のトナー補給時間T1を計算したら、当該第1のトナー補給時間T1をトナー補給時間メモリの値に加減算する(ステップS15)。トナー補給時間メモリはトナー補給制御部35自身が備えるものであってもよし、トナー補給制御部35とは別個に備えるものであってもよい。このトナー補給時間メモリには、ディスペンスモータ9を駆動してトナーの補給を行う際に参照される、トナー補給に必要な時間を明示する値(単位はミリセカンド)が記憶保持されている。したがって、例えば、トナー補給時間メモリの値が1000msのときに、第1のトナー補給時間T1が+300msで計算された場合は、トナー補給時間メモリの値に300msが加算されるため、結果的にトナー補給時間メモリの値は1300msに更新(書き換え)される。また、トナー補給時間メモリの値が1000msのときに、第1のトナー補給時間T1が−300msで計算された場合は、トナー補給時間メモリの値が300msで減算されるため、結果的にトナー補給時間メモリの値は700msに更新(書き換え)される。こうしてトナー補給時間メモリの値を更新した後は、上記ステップS11に戻って同様の処理を繰り返す。
以上の処理により、現像器4の動作中(動作開始から動作終了まで)は、所定の時間間隔(上記の処理例では2秒間隔)で、トナー濃度(TC)が測定されるとともに、この測定結果に基づいて第1のトナー補給時間T1が算出され、かつトナー補給時間メモリの値が更新されることになる。
図4は予測制御方式に基づいてトナー補給時間を更新する際の処理手順を示すフローチャートである。まず、コントローラ32から画素カウンタ33に画像データが送られると、その画像データに含まれる有効画素の画素数を、画素カウンタ33を用いてカウントする(ステップS21)。そして、1ページ分の画像データの有効画素数をカウントし終わったら、そのカウント値(IC)を画素カウンタ33から読み出して取得する(ステップS22,S23)。
続いて、先に取得した画像1ページ分の有効画素数のカウント値(IC)に係数2を乗算することにより、第2のトナー補給時間T2を求める(ステップS24)。係数2は、画像1ページ分の有効画素数(TC)から予測されるトナー消費量に応じてどの程度の量のトナーを現像器4に補給する必要があり、また、この必要とされる量のトナーを現像器4に補給するためにディスペンスモータ9をどの程度の時間だけ駆動すればよいかを計算で求めるために予め設定されるものである。このことから、トナー補給制御部35と画素カウンタ33は、「画像データからトナー消費予測パラメータを求め、このトナー消費予測パラメータに基づいて第2のトナー補給時間を決定する第2の決定手段」を構成するものとなる。ちなみに、画像1ページ分の有効画素数は、画像全体が一様に白であれば“0”とカウントされ、それ以外は正の値としてカウントされる。そのため、画素カウンタ33のカウント値(有効画素数)に基づいて計算される第2のトナー補給時間T2は、“0”又は“正の値”となる。
こうして第2のトナー補給時間T2を計算したら、当該第2のトナー補給時間T2を上記トナー補給時間メモリの値に加算する(ステップS25)。この処理は、上記第1のトナー補給時間T1をトナー補給時間メモリの値に加減算する場合と同様に行われる。その後、コントローラ32から送られた全ページ分の画像データについての処理が終了したかどうかを確認する(ステップS26)。そして、全ページ分の画像データの処理が終了していない場合は上記ステップS21に戻って同様の処理を繰り返し、全ページ分の画像データの処理が終了した場合はその時点で一連の処理を終える。
以上の処理により、画像1ページ分の画像データを処理するたびに、当該画像データの有効画素数(IC)が計測されるとともに、この計測結果に基づいて第2のトナー補給時間T2が算出され、かつトナー補給時間メモリの値が更新されることになる。また、第2のトナー補給時間T2に基づくトナー補給時間メモリ値の更新間隔は、各ページの画像サイズ(用紙サイズ)に応じてランダムに変化する。
図5はATC方式と予測制御方式に基づいて更新されたトナー補給時間にしたがってトナー補給動作を制御する際の処理手順を示すフローチャートである。まず、現像器4が動作中であるかどうかを確認する(ステップS31)。そして、現像器4が動作中であれば、現像器4の動作開始から1秒経過した時点または前回のモータ駆動制御から1秒経過した時点で、上記トナー補給メモリの値が500ms以上であるかどうかを判断する(ステップS32,S33)。ここで記述した「500ms」とは、トナー補給制御部35からモータ駆動信号を出力してディスペンスモータ9を駆動するときに、ディスペンスモータ9が正しく応答できる最小(最短)の時間に相当するものである。このことは、トナー補給制御部35がディスペンスモータ9を500ms以上の時間で駆動する場合に、ディスペンスモータ9の駆動開始から駆動停止するまでの時間を正確に制御できることを意味する。
上記ステップS33において、トナー補給時間メモリの値が500ms未満であれば上記ステップS31に戻る。また、トナー補給時間メモリの値が500ms以上であれば、そのメモリの値(時間)分だけディスペンスモータ9を駆動することにより、現像器4の現像容器41内にトナーを補給する(ステップS34)。このとき、トナー補給時間メモリの値が1000ms(1秒)より大きくても、ディスペンスモータ9の駆動時間は最大で1秒に制限される。これは、本処理において、現像器4の動作中に1秒間隔でトナー補給メモリの値を確認し、その時間内でディスペンスモータ9の駆動制御を行うためである。こうしてディスペンスモータ9を駆動したら、その駆動時間分だけトナー補給時間メモリの値を減算する(ステップS35)。例えば、トナー補給メモリの値が700msのときに、このメモリ値を参照してディスペンスモータ9を700ms駆動した場合は、その駆動時間分を減算するため、減算後のトナー補給メモリの値は0msとなる。また、トナー補給メモリの値が1500msのときに、このメモリ値を参照してディスペンスモータ9を1000ms駆動した場合は、その駆動時間分を減算するため、減算後のトナー補給メモリの値は500msとなる。
以上の処理により、現像器4の動作中は、所定の時間間隔(上記の処理例では1秒間隔)でトナー補給時間メモリの値が確認され、当該メモリの値が500ms以上であれば、そのメモリの値が示す駆動時間に基づいてディスペンスモータ9が駆動(最大1秒)されるとともに、モータ駆動時間分だけトナー補給時間メモリの値が減算される。かかる処理において、トナー補給時間メモリの値は、ステップS35の処理(減算処理)だけでなく、上記図3のステップS15の処理(加減算処理)や、上記図4のステップS25の処理(加算処理)によっても随時更新される。したがって、トナーの補給動作を担うディスペンスモータ9は、ATC方式で求められた第1のトナー補給時間T1と予測制御方式で求められた第2のトナー補給時間T2とに基づいて、トナー補給制御部35により駆動制御されることになる。よって、トナー補給制御部35は、本発明における「トナー補給制御手段」を構成するものとなる。
図6は上記図3〜図5の処理に基づくトナー補給制御動作のタイミングチャートである。図示のように、トナー補給時間メモリの値は、現像器4の動作開始(ON)時から2秒間隔で第1のトナー補給時間T1により加減算される一方、画像1ページ分の有効画素数をカウントするごとに第2のトナー補給時間T2により加減算される。また、トナー補給時間メモリの値は、ディスペンスモータ9を駆動するごとに、そのモータ駆動時間分だけ減算される。これに対して、ディスペンスモータ9の駆動は、現像器4の動作開始時から1秒間隔で、その時々のトナー補給時間メモリの値を基に500ms以上、1000ms以下の時間範囲内で適宜制御される。また、現像器4の動作終了(OFF)時にディスペンスモータ9が駆動状態にあるときは、現像器4の動作終了と同時にディスペンスモータ9の駆動が停止される。
続いて、本発明の第1実施形態に係るトナー補給制御方法について説明する。図7は上記図3の処理フローに替えて本発明の第1実施形態で採用した、ATC方式に基づいてトナー補給時間を更新する際の処理手順を示すフローチャートである。この図7に示す処理フローにおいては、上記図3の処理フローと比較して、ステップS14とステップS15の間に、新たなステップS16が追加されている。このステップS16においては、その1つ前のステップS14で計算により求めた第1のトナー補給時間T1を補正する処理を行う。
図8は上記ステップS16で行われる第1のトナー補給時間T1の補正処理を示すフローチャートである。まず、ステップS16の処理に移行した時点で、上記図4のステップS23で取得済みの最新の有効画素数のカウント値(TC)が下限値(ICmin)未満であるかどうかを判断する(ステップS161)。そして、有効画素数のカウント値が下限値未満であれば、上記ステップS14での計算結果にかかわらず、第1のトナー補給時間T1を一律に0に補正(変更)する(ステップS162)。ステップS161で比較基準となる下限値(ICmin)は、例えば、画像1ページ内の全ての画素を足し合わせた総画素数の2%程度の値に設定されるものである。
また、有効画素数のカウント値が下限値以上であれば、これに続いて、上記有効画素数のカウント値(IC)が所定値(ICmid)未満であるかどうかを判断する(ステップS163)。このステップS163で比較基準となる所定値(ICmid)は、例えば、画像1ページ内の全ての画素を足し合わせた総画素数の5%程度の値に設定されるものである。このことから、上記下限値(ICmin)は所定値(ICmid)よりも小さな値で設定されることになる。
上記ステップS163において、有効画素数のカウント値(IC)が所定値(ICmid)以上であれば、上記ステップS14での計算結果で得られた第1のトナー補給時間T1を変更せずにそのまま維持する(ステップS164)。これに対して、有効画素数のカウント値(IC)が所定値(ICmid)未満である、つまり“ICmid>IC≧ICmin”の条件を満たす場合は、上記ステップS14での計算結果で得られた第1のトナー補給時間T1を次の(1)式にしたがって変更する(ステップS165)。
T1=T1×(IC−ICmin)÷(ICmid−ICmin)…(1)
上記(1)式においては、有効画素数のカウント値と下限値との差分を、所定値と下限値との差分で除算し、この除算値(除算結果)をステップS14で求めた第1の補給時間T1に乗算することにより、第1の補給時間T1を補正することになる。したがって、ステップS165においては、第1のトナー補給時間T1が、トナー補給パラメータとなる画像データの有効画素数の値に応じて補正される。
以上の補正処理(ステップS161〜S165)によって補正された第1のトナー補給時間T1は、上記ステップS15でトナー補給時間メモリの値に加減算される。これにより、上記ステップS161で有効画素数のカウント値が下限値未満であると判断された場合や、上記ステップS163で有効画素数のカウント値が所定値未満であると判断された場合は、いずれもステップS14で計算された第1のトナー補給時間T1の絶対値を小さくする方向で、第1のトナー補給時間T1が補正される。したがって、ディスペンスモータ9の駆動制御に適用される第1のトナー補給時間T1の寄与率と第2の第2のトナー補給時間T2の寄与率を比較した場合に、上記ステップS162又はS165での時間変更により、第1のトナー補給時間T1の寄与率が減少し、その分だけ第2のトナー補給時間T2の寄与率が増加する。こうした寄与率の増減(変更)は、有効画素数のカウント値(IC)が所定値(ICmid)以上の場合、つまり第1のトナー補給時間T1を変更しなかった場合を基準にしている。
また、上記ステップS165の処理は、第1の補給時間T1の補正によって第2のトナー補給時間の寄与率を変更(増加)するときの変更割合を、トナー補給パラメータとなる有効画素数(IC)の値に応じて可変する処理に相当するものとなる。かかる処理においては、有効画素数(IC)の値が小さいほど第1のトナー補給時間T1の補正度合い(絶対値の縮小度合い)が大きくなり、これに応じて第2のトナー補給時間T2の寄与率の変更割合も大きくなる。このように第2のトナー補給時間T2の寄与率を増加させることにより、トナー濃度センサ43で測定したトナー濃度が目標トナー濃度を外れても、第1のトナー補給時間T1の寄与率の低下により、目標トナー濃度との差分に適合した量のトナーが確実に補給されず、予測制御方式に基づくトナー補給が支配的になる。したがって、現像器4内のトナー濃度は、予測制御方式により依存して変動するようになるため、必ずしも目標トナー濃度に維持されなくなる。
ここで、上述のように有効画素数(IC)が所定値(ICmid)未満の場合(IC<ICminの場合を含む)に、ディスペンスモータ9の駆動制御に適用される第2のトナー補給時間T2の寄与率を増加させることで得られる具体的な効果について説明する。
第2のトナー補給時間T2は予測制御方式に基づいて計算されるものであるため、第2のトナー補給時間T2の寄与率を増加させるということは、ディスペンスモータ9の駆動制御に際して予測制御方式の寄与率を増加させることを意味する。この予測制御方式には、上記「背景技術」の欄で記述したとおり、画像データの有効画素数が同じでも、画像濃度が異なると、現像によって消費されるトナー量は変化し、また、ディスペンスモータ9を駆動したときの単位時間あたりのトナー補給量にもばらつきがあるため、結果的に現像器4内のトナー濃度が安定しない、という短所がある。しかし、一方では、トナーの帯電性変化等で画像濃度が変化した場合に、画像濃度の変化に応じて自動的にトナー濃度を変化させ、画像濃度を元のレベルに戻す、という長所がある。
図9はATC方式に基づいてトナー補給制御を行った場合の変動推移を示し、図10は予測制御方式に基づいてトナー補給制御を行った場合の変動推移を示している。まず、ATC方式でトナー補給制御を行った場合は、図9に示すように、画像データの有効画素数が減少したときに、そこを境にして、トナーの消費量と補給量が共に減少し、その影響でトナーの帯電性が増加している。これは、現像器4へのトナーの補給量が減少したことで、同じトナーが現像器4内に長く留まって長時間攪拌されるためである。この場合、ディスペンスモータ9の駆動によるトナーの補給動作は、現像器4内のトナー濃度が一定になるように制御されるものの、トナーの帯電性増加によってトナーのもつ電荷が大きくなるため、感光体ドラム1上の静電潜像は、より少ないトナーで現像される。そのため、トナーの帯電性が増加すると、それにつれて画像濃度は薄くなってしまう。
この場合、トナー帯電性の増加を抑えるには、より多くのトナーを補給することが有効であるが、実際にトナーの補給量を増やすと、現像器4内のトナー濃度が変化してしまうため、トナー濃度を一定に制御するというATC方式の制御形態が崩れてしまう。また仮に、ATC方式で採用する目標トナー濃度の変更(補正)によってトナーの補給量を増やそうとしても、トナーの帯電性は、温湿度などの環境変化や現像剤の劣化度合い、現像剤の量などの影響で一律に変化しないため、安定した画像濃度を得るために適切なトナー濃度はその時々の状況で異なるものとなる。したがって、目標トナー濃度の変動や、これに代わるセンサ感度の変更などによって、実質的にトナー濃度を増やそうとしても、ATC方式の基本である、現像器4内のトナー濃度を目標トナー濃度に一致させるという状況のもとでは安定した画像濃度が得られない。
一方、予測制御方式でトナー補給制御を行った場合は、図10に示すように、画像データの有効画素数が減少したときに、そこを境にしてトナーの補給量は減少し、以降は有効画素数に応じた一定のトナー補給量で推移する。これに対して、トナーの消費量(現像で消費されるトナーの量)は、有効画素数の減少に伴って一旦大きく減少した後、トナー補給量の減少に伴うトナーの帯電性増加によって画像濃度が低下するのにしたがって緩やかな減少傾向に転じ、やがてトナーの補給量を下回るまで減少する。このとき、現像器4内のトナー濃度は、トナーの消費量が補給量を下回っている間、目標トナー濃度から徐々に増加していく。こうしてトナー濃度が増加してくると、トナー単位量あたりのトナーの帯電性が低下するため、上述のように減少傾向にあった画像濃度が、ある時期を境にして増加傾向に転じる。そして、最終的には、現像器4内のトナー濃度が目標トナー濃度から外れたところで安定するものの、トナー帯電量はトナーの消費量と補給量のバランスが平衡状態となるところで自然に落ち着き、画像濃度も元のレベルに戻る。
このことから、予測制御方式でトナー補給制御を行った場合は、画像データの有効画素数の減少によってトナーの帯電性が変化した場合に、トナーの消費と補給のバランスを自然にとることで、現像器4内のトナー濃度を目標トナー濃度から変化させ、画像濃度を安定させる効果がある。したがって、上述のように有効画素数(IC)が所定値(ICmid)未満の場合(IC<ICminの場合を含む)に、ディスペンスモータ9の駆動制御に適用される第2のトナー補給時間T2の寄与率を増加させるようにすれば、現像器4内のトナー濃度を目標トナー濃度から適切に変化させて画像濃度を安定させることができる。
また、本第1実施形態においては、第1の補給時間T1の補正によって第2のトナー補給時間の寄与率を変更(増加)するときの変更割合を、画像データの有効画素数(IC)の値に応じて可変するものとしたので、第2のトナー補給時間T2の寄与率変更を、より適切に行うことができる。
また、画像データの有効画素数(IC)が非常に少ない場合は、第1のトナー補給時間T1の絶対値を多少変更(縮小)しただけでは十分な効果が得られない場合も考えられるが、この点に関して本第1実施形態では、有効画素数(IC)が下限値(ICmin)未満のときに、第1のトナー補給時間T1を0に補正する、つまりモータ駆動制御に適用される第2のトナー補給時間T2の寄与率を100%に変更するものとしたので、画像データの有効画素数が非常に少ない場合でも十分な効果を得ることができる。
図11は本発明の第1実施形態に係るトナー濃度制御方法の第1応用例を示すフローチャートである。この図11に示す処理フローは、上記図8の処理フローに替えて採用されるものである。すなわち、この図11に示す処理フローは、上記図8の処理フローと同様のステップS161〜S165を含むものであるが、これらのステップに加えて、処理開始時に新たな2つのステップ160A,160Bを追加したものとなっている。
ステップS160Aでは、上記図3のステップS14で算出される、トナー濃度測定値(TC)とトナー濃度目標値(TCS)との差分ΔTC(=TC−TCS)が、0よりも小さいかどうかを判断する。そして、差分ΔTCが0以上であればステップS164に移行し、差分ΔTCが0よりも小さければステップS160Bに進む。前述したとおり、トナー濃度測定値(IC)は現像器4内のトナー濃度が高くなるほど小さな値(絶対値は大きな値)をとる。したがって、差分ΔTCは、トナー濃度測定値(TC)がトナー濃度目標値(TCS)0よりも小さい、つまり現像器4内のトナー濃度が目標トナー濃度よりも高い場合に、0よりも小さな値となる。
ステップS160Bでは、上記差分ΔTCが、許容される差分の限界値ΔTCmaxを超えているかどうかを判断する。そして、差分ΔTCが許容限界ΔTCmax以下であればステップS164に移行し、差分ΔTCが許容限界ΔTCmaxを超える場合はステップS161に進む。差分ΔTCがその許容限界値ΔTCmaxを超えるということは、現像器4内のトナー濃度が目標トナー濃度の許容上限値を超えないことを意味する。目標トナー濃度の許容上限値とは、目標トナー濃度を中心に設定されるトナー濃度の許容範囲のうち、上限側の許容限界を示す値である。
これら2つのステップS160A,160Bを追加することにより、前述した処理フローにしたがって第2のトナー補給時間T2の寄与率を増加させた状況で、例えば、何らかの理由で現像器4内のトナー濃度が目標トナー濃度を下回った場合に、上記ステップS160AでNoと判定してステップS164に移行し、そこで第1のトナー補給時間T1をそのまま変更せずに維持することで、第2のトナー補給時間T2の寄与率を変更前の状態に戻すことになる。そうした場合は、第1のトナー補給時間T1の寄与率が変更前の状態に戻るため、現像器4内のトナー濃度を目標トナー濃度まで上昇させることができる。したがって、トナー補給制御の精度を上げることができる。
通常は画像データの有効画素数が所定値未満の場合に、上記処理フローにしたがって第2のトナー補給時間T2の寄与率を増加させると、現像器4内のトナー濃度は増加する傾向にあるものの、何らかの要因(例えば、環境の変化など)でトナーの補給量や感光体ドラムの潜像電位が通常よりも大きくなった場合には、予測制御方式に基づくトナー補給制御下において、トナーの消費と供給のバランスが取れるトナー濃度が目標トナー濃度を下回ってしまうこともあり得る。そうした場合、トナーの帯電性が高いにもかかわらずトナー濃度が低い状態となり、トナーではなくキャリアが現像に消費されて画像がシロ抜けする現象が発生してしまう。したがって、トナー濃度が目標トナー濃度を下回った場合は、第2のトナー補給時間T2の寄与率を変更前の状態に戻すことにより、そうした不具合を解消することができる。
また、上記同様に第2のトナー補給時間T2の寄与率を増加させた状況で、例えば、何らかの理由でトナー濃度が過剰に増加して目標トナー濃度の許容上限値を超えた場合は、上記ステップS160BでNoと判定してステップS164に移行し、そこで第1のトナー補給時間T1をそのまま変更せずに維持することで、第2のトナー補給時間T2の寄与率を変更前の状態に戻すことになる。そうした場合は、上記第1のトナー補給時間T1の寄与率が変更前の状態に戻るため、現像器4内のトナー濃度を目標トナー濃度の許容上限値以下に低下させることができる。したがって、上記同様にトナー補給制御の精度を上げることができる。
目標トナー濃度の許容限界値は、トナー濃度が高すぎることによる画像ディフェクト、例えば画像カブリやトナー飛散が発生する程度のトナー濃度に設定するのがよい。これにより、トナー濃度の過度の上昇による画像ディフェクトの発生を防止することができる。
図12及び図13は本発明の第1実施形態に係るトナー濃度制御方法の第2応用例を示すフローチャートである。なお、図12に示す処理フローは上記図4の処理フローに替えて採用され、図13に示す処理フローは上記図8の処理フローに替えて採用されるものである。
先ず、図12に示す処理フローは、上記図4の処理フローと同様のステップS21〜S26を含むものであるが、これらのステップに加えて、ステップS23とステップS24の間に新たなステップS27を追加したものとなっている。このステップS27では、各ページの画像ごとに、画素カウンタ33でカウントした画像データの有効画素数の積算値(ICaccum)と、画像データのページ数(Page)とを算出する。有効画素数の積算値(ICaccum)は、前回のページまでにカウントした有効画素数の積算値に今回のページでカウントした有効画素数のカウント値(IC)を加算することで算出される。また、画像データのページ数(Page)は、1ページ分の画像データの有効画素数をカウントし終えた時点で1ずつ加算(インクリメント)される。
一方、図13に処理フローは、上記図8の処理フロートとほぼ同様のステップS161〜S165を含むものであるが、これらのステップに加えて、処理開始時に新たなステップS160を追加し、かつステップS161,S163,S165で「有効画素数のカウント値(IC)」を「有効画素数の平均カウント値(ICave)」に置き換えたものとなっている。ステップS160では、上記ステップS27で算出した有効画素数の積算値(ICaccum)をページ数(Page)で除算することにより、画像1ページあたりの有効画素数の平均カウント値(ICave)を算出する。この平均カウント値(ICave)は、上記ステップS161,S163,S165の処理に適用される。また、平均カウント値(ICave)を算出した後は、有効画素数の積算値(ICaccum)とページ数(Page)をそれぞれ0クリアし、次回の処理に備える。
このような処理フローを採用することにより、今回以前に処理した過去複数ページ分の画像データの有効画素数を平均化し、この平均化した有効画素数を適用して第2のトナー補給時間T2の寄与率を変更することになるため、連続する各ページ間で画像データの有効画素数が変動する場合でも、トナーの補給を適切に制御して画像濃度を安定させることができる。
続いて、本発明の第2実施形態に係るトナー補給制御方法について説明する。図14は上記図4の処理フローに替えて本発明の第2実施形態で採用した、予測制御方式に基づいてトナー補給時間を更新する際の処理手順を示すフローチャートである。この図14に示す処理フローにおいては、上記図4の処理フローと比較して、ステップS24とステップS25の間に、新たなステップS28が追加されている。このステップS28においては、その1つ前のステップS24で計算により求めた第2のトナー補給時間T2を補正する処理を行う。
図15は上記ステップS28で行われる第2のトナー補給時間T2の補正処理を示すフローチャートである。まず、ステップS28の処理に移行した時点で、上記図4のステップS23で取得済みの最新の有効画素数のカウント値(TC)が下限値(ICmin)未満であるかどうかを判断する(ステップS281)。ステップS281の処理は、上記図8のステップS161の処理と同様に行われる。そして、有効画素数のカウント値が下限値未満であれば、上記ステップS24で計算した第2のトナー補給時間T2に予め決められた固定値(OFFSET)を加算し、この加算値(加算結果)を新たな第2のトナー補給時間T2に設定する(ステップS282)。
また、有効画素数のカウント値が下限値以上であれば、これに続いて、上記有効画素数のカウント値(IC)が所定値(ICmid)未満であるかどうかを判断する(ステップS283)。このステップS283の処理は、上記図8のステップS163の処理と同様に行われる。そして、有効画素数のカウント値(IC)が所定値(ICmid)以上であれば、上記ステップS24での計算結果で得られた第2のトナー補給時間T2を変更せずにそのまま維持する(ステップS284)。これに対して、有効画素数のカウント値(IC)が所定値(ICmid)未満である、つまり“ICmid>IC≧ICmin”の条件を満たす場合は、上記ステップS24での計算結果で得られた第2のトナー補給時間T2を次の(2)式にしたがって変更する(ステップS285)。
T2=T2+OFFSET×(IC−ICmin)÷(ICmid−ICmin)…(2)
上記(2)式においては、有効画素数のカウント値と下限値との差分を、所定値と下限値との差分で除算するとともに、この除算値(除算結果)を上記固定値に乗算し、かつその乗算値(乗算結果)を、上記ステップS24で求めた第2のトナー補給時間T2に加算することにより、第2のトナー補給時間T2を補正することになる。したがって、ステップS285においては、第2のトナー補給時間T2が、トナー補給パラメータとなる画像データの有効画素数の値に応じて補正される。
以上の補正処理(ステップS281〜S285)によって補正された第2のトナー補給時間T2は、上記ステップS25でトナー補給時間メモリの値に加減算される。これにより、上記ステップS281で有効画素数のカウント値が下限値未満であると判断された場合や、上記ステップS283で有効画素数のカウント値が所定値未満であると判断された場合は、いずれもステップS24で計算された第2のトナー補給時間T2を増加する方向で、第2のトナー補給時間T2が補正される。したがって、ディスペンスモータ9の駆動制御に適用される第1のトナー補給時間T1の寄与率と第2の第2のトナー補給時間T2の寄与率を比較した場合に、上記ステップS282又はS185での時間変更により、第2のトナー補給時間T2の寄与率が増加し、その分だけ第1のトナー補給時間T1の寄与率が減少する。こうした寄与率の増減(変更)は、有効画素数のカウント値(IC)が所定値(ICmid)以上の場合、つまり第2のトナー補給時間T2を変更しなかった場合を基準にしている。
このように本第2実施形態においては、第2のトナー補給時間T2の変更によって当該第2のトナー補給時間T2の寄与率を変更(増加)するものであるが、原理的には上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2のトナー補給時間T2の寄与率を変更(増加)させるために、第1のトナー補給時間T1と第2のトナー補給時間T2の両方を変更しても同様の効果を得ることができる。
また、本第2実施形態においては、上記図15の処理フローの処理開始時に、上記図11に示すステップS160A,160Bの処理を追加することにより、上記第1実施形態の第1応用例と同様の効果を得ることができる。
さらに、本第2実施形態においては、上記図14の処理フローのステップS23とステップS24との間に上記図12に示すステップS27を追加するとともに、上記図15の処理フローの処理開始時に、上記図13に示すステップS160の処理を追加し、かつ当該図15の処理フローのなかで「有効画素数のカウント値(IC)」を「有効画素数の平均カウント値(ICave)」に置き換えて処理することにより、上記第1実施形態の第2応用例と同様の効果を得ることができる。