JP2016133037A - 電磁アクチュエータ - Google Patents

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【課題】可動部の後退時における引込み力を向上させる電磁アクチュエータを提供する。【解決手段】電磁アクチュエータ20のコイル31は、通電時、永久磁石40の磁界と逆方向の磁界を生成しステータ32と永久磁石40との間に反発力を発生させる。板状の永久磁石40は、軸方向の両端が互いに異なる極性となるように着磁され、出力ピン60と共に移動する可動部24の一部を構成する。フロントプレート45は、軟磁性体で形成され、永久磁石40の外径より大きな外径を有する。ヨーク35は、軟磁性体で筒状に形成され、磁気回路を形成する。ヨーク35の内周壁36に、可動部24が後退限に近づくときフロントプレート45の外周壁46との間の磁気ギャップが小さくなるように径内方向に突出する凸部37が設けられている。これにより、可動部24が後退限に近づくときの磁気ギャップが小さくなり、吸引力が増加する。【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関のバルブリフト調整装置に適用され、電磁力により出力ピンを駆動する電磁アクチュエータに関する。
従来、コイルが発生する電磁力により永久磁石を含む可動部を移動させ、出力ピンを駆動する電磁アクチュエータが知られている。
例えば特許文献1に開示された電磁アクチュエータでは、コイル(18)の外周に、金属板をアーチ状に曲げた形状のヨーク(27)が設けられている。
独国DE202009010495U1明細書
特許文献1の電磁アクチュエータでは、ヨークの板厚、及び、永久磁石(24)の前側のプレート(22)とヨークとの間の磁気ギャップは、軸方向において一定である。
この構成の電磁アクチュエータをバルブリフト調整装置に適用した場合、出力ピンの後退時、カムシャフトに当接した先端部がカムシャフトのトルクにより後退方向に押し戻される。このとき、所定の引込みストロークの位置まで押し戻された後、引込みストロークの位置から後退限までは、電磁アクチュエータ自体の永久磁石の磁力によって後退する。しかし、ヨークの板厚や、プレートとヨークとの磁気ギャップが一定であるため、引込みストロークの位置から後退限までの引込み力が十分に得られないという問題がある。
本発明は、上述の問題に鑑みて創作されたものであり、その目的は、可動部の後退時における引込み力を向上させる電磁アクチュエータを提供することにある。
本発明は、内燃機関の吸気バルブ又は排気バルブのリフト量を調整するバルブリフト調整装置に適用され、電磁力により出力ピンを駆動する電磁アクチュエータであって、出力ピンと、永久磁石と、ステータと、コイルと、フロントプレートと、ヨークとを備える。
出力ピンは、バルブリフト調整装置のカムシャフトに対し前進可能に設けられ、且つ、カムシャフトに当接した先端部がカムシャフトのトルクにより後退方向に押し戻される。
板状の永久磁石は、出力ピンの基端側で軸方向の両端が互いに異なる極性となるように着磁され、出力ピンと共に移動する可動部の一部を構成する。
ステータは、軟磁性体で形成され、永久磁石に対し出力ピンとは反対側に設けられる。
コイルは、通電時、永久磁石の磁界と逆方向の磁界を生成しステータと永久磁石との間に反発力を発生させる。
フロントプレートは、軟磁性体で形成され、永久磁石の出力ピン側で永久磁石に接合されて可動部の一部を構成し、永久磁石の外径より大きな外径を有する。
ヨークは、軟磁性体で筒状に形成され、フロントプレートの外周壁と対向する内周壁を有し、ステータ及びフロントプレートを経由する磁気回路を形成する。
そして、ヨークの内周壁に、可動部が後退限に近づくときフロントプレートの外周壁との間の磁気ギャップが小さくなるように径内方向に突出する凸部が設けられていることを特徴とする。
本発明では、ヨークの内周壁に凸部が設けられることにより、可動部が後退限に近づくときの磁気ギャップが小さくなり、吸引力が増加する。したがって、出力ピンがカムシャフトのトルクによって押し戻された後、可動部を後退限まで後退させる引込み力を向上させることができる。
好ましくは、本発明の電磁アクチュエータは、軟磁性体で形成され、可動部の前進限においてフロントプレートが当接するスリーブをさらに備える。そして、ヨークの内周壁における凸部よりもスリーブ側に、可動部が前進限に近づくときフロントプレートの外周壁との間の磁気ギャップが小さくなるように径内方向にシフトする段部が設けられている。
ヨークの内周壁にさらに段部が設けられることにより、可動部が前進限に近づくときの磁気ギャップが小さくなり、吸引力が増加する。したがって、可動部の前進時の作動性を向上させることができる。
本発明の第1実施形態による電磁アクチュエータの非通電時における、図3のI−C1−C2−I線断面図である。 図1の電磁アクチュエータの第1コイル通電時の断面図である。 図1、図2のIII方向矢視図(平面図)である。 図1のIV方向矢視図(側面図)である。 本発明の第1実施形態による電磁アクチュエータを1ピン式の構成で表した模式断面図である。 図5の電磁アクチュエータの可動部のストロークと吸引力との関係を示す特性図である。 本発明の第2実施形態による電磁アクチュエータの模式断面図である。 図7の電磁アクチュエータの可動部のストロークと吸引力との関係を示す特性図である。 本発明のその他の実施形態による電磁アクチュエータの凸部形状を示す図である。
以下、本発明の実施形態による電磁アクチュエータを図面に基づいて説明する。この電磁アクチュエータは、内燃機関の吸気バルブ又は排気バルブのリフト量を調整するバルブリフト調整装置に適用される。
(第1実施形態)
第1実施形態の電磁アクチュエータの構成について、図1〜図5を参照して説明する。
図1〜図4に示すように、本実施形態の電磁アクチュエータ21は、「2ピン式」の電磁アクチュエータであり、2本の出力ピン601、602のいずれか一方をバルブリフト調整装置のカムシャフト94に対して作動させる。
2本の出力ピン601、602を個別に駆動するため、電磁アクチュエータ21は、コイル311、312等を含む静止部231、232と、永久磁石401、402等を含む可動部241、242とを2組備えている。したがって、共通に設けられる一部の部材を除き、多くの構成部材は2つずつ設けられている。しかし、本実施形態の構成を説明する上で2組を区別する必要はないため、図1〜図4では、同種の構成部材に基本的に同一の2桁符号を付す。
ただし、2ピン式電磁アクチュエータ21の作用の説明のため、特定の部材の符号には3桁目に「1」又は「2」の数字を付して区別する。また、符号末尾が「1」の部材の名称の前に「第1」、符号末尾が「2」の部材の名称の前に「第2」を付けて記す。具体的には、上の段落に記載した「静止部231、232」、「可動部241、242」、「コイル311、312」、「永久磁石401、402」及び「出力ピン601、602」の5部材について、図1〜図4で「第1、第2」を区別して図示する。
その他、ヨークについては、部材全体を「ヨーク35」とした上で、第1コイル301を覆い第1静止部231を構成する部分を「第1ヨーク部351」、第2コイル302を覆い第2静止部232を構成する部分を「第2ヨーク部352」とする。
図1〜図4に対し、図5は、電磁アクチュエータ21の細かな作用を説明するために、断面図の片側だけを抜き出して模式的に示した図である。また、図5は、本実施形態の構成を、1本の出力ピン60を駆動する「1ピン式」の電磁アクチュエータに適用してもよいことを意味する。図5では、上記5部材の符号末尾にも「1」又は「2」を付さない。また、以下の文中で2組の部材に共通する説明では、符号末尾に「1」又は「2」を付さないで記す。
また、作動や位置関係の説明に用いる用語として、出力ピン60がカムシャフト94に近づく方向に作動することを「前進する」といい、出力ピン60がカムシャフト94から離れる方向に作動することを「後退する」という。図1は、第1出力ピン601及び第2出力ピン602がいずれも後退限にある状態を示し、図2は、第1出力ピン601が前進限にあり、第2出力ピン602が後退限にある状態を示している。
さらに、出力ピン60のカムシャフト94側の端部を先端部64といい、先端部64とは反対側の端部を基端部61という。
バルブリフト調整装置の全体構成は周知であるため、図示及び詳しい説明を省略する。電磁アクチュエータは、回転軸をAxとするカムシャフト94の回転に伴って出力ピン60が短径Ra側に対向しているとき、コイル31に通電して発生する電磁力により出力ピン60を前進させる。
一方、出力ピン60の先端部64がカムシャフト94に当接した状態で長径Rb側が出力ピン60に向くようにカムシャフト94が回転すると、出力ピン60は、カムシャフト94のトルクにより後退方向に押し戻される。このとき、引込みストロークLuの位置までは押し戻され、引込みストロークLuの位置から後退限までは、電磁アクチュエータ自体の永久磁石40の磁力によって後退する。
続いて、電磁アクチュエータの詳細な構成について説明する。電磁アクチュエータは、大きく分けて、図示しないエンジンヘッド等に固定される静止部23と、軸方向に往復移動する可動部24及び出力ピン60とに分けられる。ここで、本明細書では出力ピン60を可動部24に含めず、別に扱うこととする。
第1静止部231及び第1可動部241は第1コイル軸C1に対して同軸に設けられており、第2静止部232及び第2可動部242は第2コイル軸C2に対して同軸に設けられている。一方、第1出力ピン601の第1ピン軸P1、第2出力ピン602の第2ピン軸P2は、それぞれ第1コイル軸C1、第2コイル軸C2に対して、電磁アクチュエータ21の中心寄りに偏心している。したがって、ピン軸P1、P2間のピッチは、コイル軸C1、C2間のピッチよりも短い。
静止部23は、コイル31、ステータ32、ヨーク35等を含む。なお、コイル31の巻線が巻回される樹脂製のボビンやコイル31の周囲に形成され絶縁性を確保する樹脂モールド部等の構成は周知であるため、図示を省略する。
コイル31に対し可動部24と反対側には、コネクタ部27が設けられている。外部の電源からコネクタ部27のターミナルを経由して通電されることにより、コイル31は磁界を生成する。この磁界により発生する電磁力の作用については後述する。なお、図1、図2におけるコネクタ部27の断面図示を省略する。
ステータ32は、軟磁性体で形成され、永久磁石40に対し出力ピン60の基端側に設けられる。ステータ32の大部分はコイル31の径内側に位置し、コイルコアとして機能する。ステータ32の可動部24側の端部には、外径が比較的大きく、複合シャフト41のリアプレート部43と広い面積で対向する対向部34が形成されている。また、ステータ32には、対向部34側に開口する軸方向のガイド穴33が形成されている。
ヨーク35は、軟磁性体で、全体として2組のコイル311、312を囲む筒状に形成されている。そのうち第1ヨーク部351は、第1コイル311及び第1可動部241とほぼ同軸に、第2ヨーク部352は、第2コイル312及び第2可動部242とほぼ同軸に形成されている。ヨーク35は、ステータ32の対向部34と反対側でステータ32と当接又は近接し、相互に磁気が伝達される。
ヨーク35の内側には、可動部241、242が作動可能な作動室30が形成される。作動室30の軸方向範囲では、ヨーク35の内周壁36は、ほぼ直筒状に、すなわち内周壁36の内径がほぼ一定となるように形成され、後述するフロントプレート45の外周壁46と基本的に対向している。ただし、第1ヨーク部351と第2ヨーク部352との接続部355では壁が切り欠かれており、これとのバランスを取るため、コイル軸C1、C2を挟んで接続部355と反対側に、切欠部353、354が形成されている。
切欠部353、354及び接続部355を除く部分では、ヨーク35は、ステータ32及びフロントプレート45を経由する磁気回路を形成する。
さらに、ヨーク35の内周壁36には径内方向に突出する凸部37が設けられている。凸部37は、可動部24が後退限の少し手前にあるときから後退限にあるときにかけて、フロントプレート45の外周壁46に対向する位置に設けられている。また、凸部37が外周壁46と対向したときの隙間は、互いに干渉しない程度の最小限の寸法に設定されている。これにより、可動部24が後退限に近づき凸部37が外周壁46と対向したとき、ヨーク35とフロントプレート45との間の磁気ギャップが小さくなる。
また、ヨーク35のスリーブ70側の開口部には、鍔部39が形成されている。
スリーブ70は、軟磁性体で形成され、基部71及び筒部73を含む。基部71のコイル31側の端面72は、フロントプレート45の前端面457(図5参照)と対向する。筒部73は、基部71から突出し、先端面74がカムシャフト94に対向している。筒部73には、2本の出力ピン601、602が挿通される挿通穴75が互いに平行に形成されている。
次に可動部24の説明に移る。可動部24は、永久磁石40、複合シャフト41、フロントプレート45、及び固定部材56を含み、一体に移動する。
永久磁石40は、径方向の断面形状が円形の板状である。図1、図2に示すように、例えば第1永久磁石401は、リアプレート部43側がN極、フロントプレート45側がS極というように軸方向に着磁されている。逆に、第2永久磁石402は、リアプレート部43側がS極、フロントプレート45側がN極というように着磁されている。
なお、隣接する永久磁石401、402の磁極配置は同じ向きとしてもよい。磁極配置を同じ向きとする形態について、実施形態の効果の説明の中で言及する。
複合シャフト41は、軟磁性体で形成され、シャフト部42及びリアプレート部43が一体に形成されている。
シャフト部42は、ステータ32のガイド穴33に摺動可能に収容されている。可動部24の作動時にシャフト部42がガイド穴33に案内されるため、可動部24は、位置決めされつつ直進する。図1、図2に示すように、可動部24の後退限から前進限までの移動範囲にわたって、シャフト部42の少なくとも一部がステータ32とラップする。
また、シャフト部42は、軸方向に貫通する呼吸穴425が形成されている。
リアプレート部43は、シャフト部42から略直角に折れ曲がって径外方向に広がり、永久磁石40のコイル31側で永久磁石40に接合されている。
フロントプレート45は、軟磁性体で形成され、永久磁石40の出力ピン60側で永久磁石40に接合されている。上述の第1永久磁石401の磁極配置の場合、リアプレート部43はN極、フロントプレート45はS極とみなされる。
図5に示すように、リアプレート部43のコイル31側の端面を後端面433、フロントプレート45のスリーブ70側の端面を前端面457という。また、リアプレート部43の永久磁石40側の端面を接合面434、フロントプレート45の永久磁石40側の端面を接合面454という。
さらに、永久磁石40及びフロントプレート45は、それぞれ中心部に、呼吸穴425に連通する連通穴405、455が形成されている。
固定部材56は、非磁性体で形成され、例えば溶接によってリアプレート部43の外周壁とフロントプレート45の外周壁46との間に跨がって固定される。これにより、複合シャフト41のリアプレート部43、永久磁石40及びフロントプレート45は、一体をなす。なお、固定部材56の断面に付した破線のハッチングは、非磁性体を表している。
出力ピン60は、コイル軸Cと偏芯したピン軸Pにおいて、スリーブ70の挿通穴75に摺動可能に挿通されている。本実施形態の出力ピン60は、軟磁性体で可動部24とは別体に形成されており、永久磁石40の磁力により、基端部61がフロントプレート45の前端面457に吸引されている。基端部61がフロントプレート45に吸引された出力ピン60は、可動部24の前進に伴って共に前進する。
可動部24の作動について、主として図5を参照し、さらに図1、図2の第1可動部241を参照して説明する。図5では、永久磁石40のリアプレート部43側がN極、フロントプレート45側がS極の場合を例示するが、逆の磁極配置でも同様である。
図5に示すように、永久磁石40の磁束は、リアプレート部43の後端面433からステータ32の対向部端面340に直接向かう経路ΦMd、及び、シャフト部42を経由しガイド穴33の内壁に向かう経路ΦMsの2つの磁気経路を通ってステータ32に伝達される。
図1に示す非通電状態では、直接経路ΦMdでの磁気吸引力が最大となり、可動部24は、リアプレート部43がステータ32の対向部34に当接する後退限に保持される。この磁気吸引力は、少なくとも、引込みストロークLuの位置から後退限まで可動部24を吸引可能となるように設定される。こうして、図5に破線矢印ΦMで示すように「永久磁石40のN極→リアプレート部43(→シャフト部42)→ステータ32→ヨーク35→フロントプレート45→永久磁石40のS極」というルートで磁気回路が生成される。
この磁気回路において、ヨーク35の内周壁36とフロントプレート45の外周壁46との隙間は、磁気ギャップができるだけ小さくなるように設定されることが好ましい。
一方、ヨーク35の内周壁36とリアプレート部43及び永久磁石40との間は、磁気が短絡することを防止するため、磁気ギャップを大きめに確保する必要がある。そのため、フロントプレート45の外径は、永久磁石40の外径よりも大きく形成されている。
したがって、可動部24が後退限に近づき、フロントプレート45の外周壁46が凸部37と対向すると、ヨーク35とフロントプレート45との間では局所的に磁気ギャップが小さくなる。しかし、ヨーク35とリアプレート部43及び永久磁石40との間の磁気ギャップは、比較的大きなままである。
コイル31は、通電時、永久磁石40の磁界と逆方向の磁界を生成する。例えば図5に示す磁極配置の場合、ステータ32のコネクタ部27側がS極、対向部34側がN極となる磁界を生成する。言い換えれば、そのような磁界が生成されるように、コイル31の巻線方向や電流の通電方向が設定される。
すると、リアプレート部43とステータ32の対向部34とが同極となるため、リアプレート部43の後端面433とステータ32の対向部端面340との間に電磁力としての反発力が発生する。この反発力によって、可動部24は、後退限から前進する。そして、可動部24と共に出力ピン60が前進する。
例えば第1コイル311に通電すると、図2に示すように、第1出力ピン601が前進する。同様に、第2コイル312に通電すると第2出力ピン602が前進する。このように、電磁アクチュエータ21は、通電するコイル311、312を切り替え、2つの出力ピン601、602のいずれか一方を択一的に作動させる。
可動部24の作動によってフロントプレート45の前端面457がスリーブ70の端面72に近づくと、図2に示すように、前端面457とスリーブ端面72とが磁気吸引力によって当接し、可動部24は前進限に保持される。
可動部24の作動の途中、リアプレート部43の後端面433がステータ32の対向部端面340から離れるに連れ、直接経路ΦMdにおける反発力は急激に低下する。一方、シャフト部42を経由するΦMsでは、シャフト部42の少なくとも一部が可動部24の後退限から前進限までの移動範囲にわたってステータ32とラップするため、反発力の低下が比較的小さく抑えられる。
その後、出力ピン60がカムシャフト94のトルクにより押し戻され、可動部24が図5に示すように位置したとき、フロントプレート45の外周壁46は、凸部37と対向するため、内周壁36との磁気ギャップが小さくなる。したがって、磁気回路ΦMを磁気が通りやすくなる。
(効果)
本実施形態の電磁アクチュエータ21の効果について、図6を参照して説明する。
(1)図6は、可動部24のストロークと、永久磁石40の吸引力特性との関係を示した図である。横軸のストローク0は後退限を示し、ストロークLmaxは前進限を示す。縦軸は、吸引力0の線を基準として、正方向に大きいほど後退方向への吸引力が大きく、負方向に大きいほど前進方向への吸引力が大きいことを意味する。
破線Refは、内周壁36に凸部37を設けない形態での参照特性を示す。前進側で、破線Refは実線Aと重なっている。ストロークがL1以下の位置では、後退限に近づくにしたがって正方向の吸引力(引込み力)が増加し、ストロークがL4以上の位置では、前進限に近づくにしたがって負方向の吸引力が増加する。ストロークがL1からL4までの中間位置では、いずれの方向の吸引力も発生しない。
実線Aは、内周壁36に凸部37を設けた第1実施形態において、図1、図2に示すとおり、隣接する永久磁石401、402の磁極を逆向きに配置した場合の特性を示す。
第1実施形態では、可動部24が後退限に近づくとき、内周壁36と外周壁46との磁気ギャップが小さくなり、図5に示す磁気回路ΦMを磁気が通りやすくなる。そのため、凸部37を設けない形態での参照特性Refに対し、ストロークがL2(>L1)の位置から正方向の吸引力が増加し始め、後退限手前領域Zrでは台状の吸引力特性が現れる。すなわち、あるストローク範囲にわたって一定以上の吸引力が維持される。したがって、出力ピン60がカムシャフト94のトルクによって押し戻された後、可動部24を後退限まで後退させる引込み力を向上させることができる。
(2)第1実施形態の変形例として、図1、図2における第2永久磁石402の磁極配置を第1永久磁石401と同配置とした形態を想定する。一点鎖線A’は、このように、隣接する永久磁石401、402の磁極を同じ向きに配置した場合の特性を示す。参照特性Refと比較すると、実線Aと同様に一点鎖線A’の特性も後退限手前領域Zrでの引込み力が向上している。したがって、いずれの磁極配置であっても、可動部24の後退時の引込み力を向上させることができるという点で基本的な効果は同じである。
ただし、図1に示すように、隣接する永久磁石401、402の磁極を逆向きに配置した場合には、後退限で2つの永久磁石401、402が同じ高さに並んだとき、異極同士が引き合うため安定性が増す。この作用が加わるため、隣接する永久磁石401、402の磁極を逆向きに配置した場合の方が、より大きな引込み力向上効果が得られる。したがって、実線Aは一点鎖線A’を上回っている。
このように、本発明は、コイル31、ステータ32及び可動部24を互いに隣接した状態で2組備え、2つの出力ピン60を個別に駆動する「2ピン式」の電磁アクチュエータ21に適用され、隣接する永久磁石401、402の磁極を逆向きに配置する構成とすることが特に有効である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の電磁アクチュエータについて、第1実施形態の図5、図6に対応する図7、図8を参照して説明する。ここで、図7は、可動部24が前進限に至る手前の位置、すなわち、フロントプレート45の前端面457がスリーブ後端面72に当接する手前の位置を示している。以下の実施形態の説明では、第1実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態の電磁アクチュエータ22では、ヨーク35の内周壁36に、凸部37に加え、さらに段部38が設けられている。段部38は、凸部37よりもスリーブ70側で後端面72に臨む位置において、径内方向にシフトするように設けられる。これにより、可動部24が前進限に近づくとき、ヨーク35の内周壁36とフロントプレート45の外周壁46との磁気ギャップが小さくなる。
第2実施形態の吸引力特性を図8に示す。実線Bは、内周壁36に凸部37及び段部38を設けた第2実施形態において、隣接する永久磁石401、402の磁極を逆向きに配置した形態での特性を示すものであり、図6の実線Aに対応する。後退限手前領域Zrでの特性は、図6の実線Aと同様である。
第2実施形態では、可動部24が前進限に近づくとき、内周壁36と外周壁46との磁気ギャップが小さくなり、図7に示す磁気回路ΦMを磁気が通りやすくなる。そのため、段部38を設けない形態での参照特性Refに対し、ストロークがL3(<L4)の位置から負方向の吸引力が増加し始め、前進限手前領域Zfでは台状の吸引力特性が現れる。すなわち、あるストローク範囲にわたって一定以上の吸引力が維持される。したがって、第1実施形態の効果に加え、可動部24の前進時の作動性を向上させることができる。
(その他の実施形態)
(ア)ヨーク35の内周壁36に形成される凸部の形状に関する他の実施形態の例を図9に示す。図9(a)は第1実施形態の凸部37の拡大図である。この凸部37は、断面が単純な長方形状であり、凸部37とそれ以外の部分との境界で内径がエッジ状に変位している。その他、図9(b)に示す凸部373は、断面が台形状であり、凸部373との境界で内径が徐変している。徐変範囲や徐変角度を調整することで、引込み力特性を所望のプロファイルに細かく設定することができる。また、図9(c)に示す凸部374は、例えば板金をプレス加工して形成されている。このように、凸部の形状を問わず、上記実施形態と同様の効果が得られる。
(イ)上記実施形態のヨーク35は、切欠部353、354及び接続部355で内周壁36が分断されており、周方向の一部に凸部37や段部38が形成されない部分を含む。しかし、例えばコイル軸P1、P2のピッチが広い形態や、1ピン式の電磁アクチュエータでは、内周壁36の凸部37や段部38を全周にわたって形成することが可能である。凸部37や段部38が全周にわたって形成される形態では、上記実施形態の効果を最大限に得ることができる。
(ウ)上記実施形態のようにシャフト部42とリアプレート部43とが軟磁性体で一体に形成された複合シャフト41を備えるのではなく、別体のシャフト及びリアプレートを備える構成としてもよい。仮に別体のシャフトがリアプレート、永久磁石40、及びフロントプレート45の中心に形成された結合穴を貫通し、これらの部材に跨がって当接する構成では、磁気短絡を防止するため、シャフトは非磁性体で形成される必要がある。その構成においても、ヨーク内周壁36の凸部37により、可動部24が後退限に近づくときの引込み力向上効果は、上記実施形態と同様に得られる。
(エ)その他、ヨークの内周壁に凸部が形成されるという構成以外の電磁アクチュエータの各部の構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、ステータ、ヨーク等の磁気回路構成部材の形状や位置関係は適宜変更してよい。また、固定部材56は、溶接以外に、かしめ等の方法によって固定されてもよい。
(オ)本発明は、出力ピンの軸がコイルの軸と同軸の電磁アクチュエータに適用されてもよい。また、静止部及び可動部を3組以上備え、3つ以上の出力ピンを個別に駆動する電磁アクチュエータに適用されてもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
21、22・・・電磁アクチュエータ、
24 ・・・可動部、
31 ・・・コイル、
32 ・・・ステータ、
35 ・・・ヨーク、 36 ・・・内周壁、
37 ・・・凸部、 38 ・・・段部、
40 ・・・永久磁石、
45 ・・・フロントプレート、
60 ・・・出力ピン、 64 ・・・先端部、 94 ・・・カムシャフト。

Claims (3)

  1. 内燃機関の吸気バルブ又は排気バルブのリフト量を調整するバルブリフト調整装置に適用され、電磁力により出力ピンを駆動する電磁アクチュエータであって、
    前記バルブリフト調整装置のカムシャフト(94)に対し前進可能に設けられ、且つ、前記カムシャフトに当接した先端部(64)が前記カムシャフトのトルクにより後退方向に押し戻される出力ピン(60)と、
    前記出力ピンの基端側で軸方向の両端が互いに異なる極性となるように着磁され、前記出力ピンと共に移動する可動部(24)の一部を構成する板状の永久磁石(40)と、
    軟磁性体で形成され、前記永久磁石に対し前記出力ピンとは反対側に設けられるステータ(32)と、
    通電時、前記永久磁石の磁界と逆方向の磁界を生成し前記ステータと前記永久磁石との間に反発力を発生させるコイル(31)と、
    軟磁性体で形成され、前記永久磁石の前記出力ピン側で前記永久磁石に接合されて前記可動部の一部を構成し、前記永久磁石の外径より大きな外径を有するフロントプレート(45)と、
    軟磁性体で筒状に形成され、前記フロントプレートの外周壁(46)と対向する内周壁(36)を有し、前記ステータ及び前記フロントプレートを経由する磁気回路を形成するヨーク(35)と、
    を備え、
    前記ヨークの前記内周壁に、前記可動部が後退限に近づくとき前記フロントプレートの前記外周壁との間の磁気ギャップが小さくなるように径内方向に突出する凸部(37)が設けられていることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  2. 軟磁性体で形成され、前記可動部の前進限において前記フロントプレートが当接するスリーブ(70)をさらに備え、
    前記ヨークの前記内周壁における前記凸部よりも前記スリーブ側に、前記可動部が前進限に近づくとき前記フロントプレートの前記外周壁との間の磁気ギャップが小さくなるように径内方向にシフトする段部(38)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電磁アクチュエータ。
  3. 前記コイル、前記ステータ及び前記可動部を互いに隣接した状態で2組備え、2つの前記出力ピンを個別に駆動し、
    隣接する2つの前記永久磁石は、磁極が互いに逆向きに配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁アクチュエータ。
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