JP6589709B2 - 電磁アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のバルブリフト調整装置に適用され、電磁力により出力ピンを駆動する電磁アクチュエータに関する。
従来、コイルが発生する電磁力により永久磁石を含む可動部が移動し、出力ピンを駆動する電磁アクチュエータが知られている。この種の電磁アクチュエータでは、永久磁石は、軸方向の両端が互いに異なる極性となるように着磁されている。永久磁石の穴の内周に磁極間を跨がって当接する出力ピンを経由して磁気が短絡しないように、出力ピンは非磁性体で形成される必要がある。
一方、バルブリフト調整装置のカムシャフトに当接する出力ピンの先端部は、強度が要求されるため、熱処理に適した鉄等の磁性材を使用する方が有利である。しかし、1本の出力ピン全体を磁性材で形成すると、永久磁石の固定部において磁気が短絡し、電磁アクチュエータの動作性能が低下するという問題がある。
このように、永久磁石が固定される基端部の磁気短絡を抑制する課題と、カムシャフトに当接する出力ピンの先端部の強度を確保する課題とを両立するため、特許文献1、2に開示された電磁アクチュエータでは、非磁性材で形成された基端部と磁性材で形成された先端部とを結合し、出力ピンを構成している。
独国DE202006011905U1明細書 独国DE202012104122U1明細書
特許文献1、2の構成の出力ピンでは部品点数が増え、接合加工も必要になり、コスト的に不利である。また、接合強度および同軸度を確保するように、接合加工することが必要であるため、品質的にも不利である。
本発明は、上述の問題に鑑みて創作されたものであり、その目的は、簡易な構成で、出力ピンの基端部における磁気短絡の抑制と先端部における強度の確保とを両立する電磁アクチュエータを提供することにある。
本発明の電磁アクチュエータは、出力ピン(60、160)と永久磁石(40)とステータ(32)とコイル(31)とを備える。
出力ピンは、磁性体で形成されており、軸方向に前進後退可能に設けられている。
板状の永久磁石は、出力ピンの基端部(61)が挿入される挿入穴(401)を有し、挿入穴に貫通し保持された出力ピンと共に移動可能であり、軸方向の両端が互いに異なる極性となるように着磁されている。
ステータは、軟磁性体で形成され、永久磁石に対し出力ピンの基端部側に設けられている。
コイルは、通電時、永久磁石の磁界と逆方向の磁界を生成し、ステータと永久磁石との間に反発力が発生する。
出力ピンは、出力ピンの周縁部(613)を残しつつ、永久磁石の磁極間の磁気短絡を抑制するように形成された一つ以上の穴(201、202、203、204)または環状溝(205)を少なくとも含む短絡抑制部を有する。
さらには、電磁アクチュエータは、軟磁性体で形成され、永久磁石に対して出力ピンの基端側で、出力ピンの基端面が露出するように永久磁石に接合されるリアプレートをさらに備え、短絡抑制部は、永久磁石の磁気短絡の抑制に寄与する部分の深さである有効深さが基端面からリアプレートと永久磁石との接合面までの距離よりも長くなるように形成されていることが好ましい。また、出力ピンは、永久磁石における先端部側の端面(454)から出力ピンの基端面(611)に向かって、少なくとも一部の径が縮小するように形成されていることが好ましい。このような構成によって、短絡抑制部(161)が形成される。
本発明では、磁性体から成る出力ピンに短絡抑制部を有しているため、永久磁石に隣接する出力ピンの内部の磁路が絞られて、磁気の短絡が抑制される。したがって、簡易な構成で、出力ピンの基端部における磁気短絡を抑制することができ、且つ、出力ピンの先端部における強度を確保することができる。
本発明の第1実施形態による電磁アクチュエータが用いられるバルブリフト調整装置において小シフト状態から大シフト状態へ移行し始めるときの図。 本発明の第1実施形態による電磁アクチュエータが用いられるバルブリフト調整装置において小シフト状態から大シフト状態へ移行したときの図。 本発明の第1実施形態による電磁アクチュエータの非通電時(出力ピン後退時)の断面図。 図3の電磁アクチュエータの通電時(出力ピン前進時)の断面図。 (a)図3のV部拡大図、(b)図5(a)のVb−Vb線から見た出力ピンの断面図。 図1の電磁アクチュエータの基端部での磁気経路を示す模式図。 本発明の、(a)第2実施形態、(b)第3実施形態による電磁アクチュエータの基端部での磁気経路を示す模式図。 図5(a)の電磁アクチュエータの可動部のストロークと吸引力の関係を示す特性図、(b)図8(a)のVIIIb部拡大図。 本発明の第4実施形態による電磁アクチュエータの非通電時の断面図 (a)本発明の第4実施形態による電磁アクチュエータの基端部での磁気経路を示す模式図、(b)図10(a)のXb−Xb線断面図。 本発明の第4実施形態による可動部のストロークと吸引力の関係を示す特性図 (a)その他の実施形態の出力ピンの拡大図、(b)図12(a)のXIIb−XIIb線から見た出力ピンの断面図。 (a)その他の実施形態の出力ピンの拡大図、(b)図13(a)のXIIIb−XIIIb線から見た出力ピンの断面図。 その他の実施形態の出力ピンの拡大図。 (a)その他の実施形態の出力ピンの拡大図、(b)図15(a)のXVb−XVb線から見た断面図。 (a)その他の実施形態の出力ピンの拡大図、(b)図16(a)のXVIb−XVIb線から見た断面図。 (a)その他の実施形態の出力ピンの拡大図、(b)図17(a)のXVIIb−XVIIb線から見た断面図。 比較例の基端部での磁気経路を示す模式図。
以下、本発明の実施形態による電磁アクチュエータを図面に基づいて説明する。複数の実施形態の説明において、第1実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。この電磁アクチュエータは、例えば、特開2013−217265号公報に記載された通り、カムシャフトと共に回転するスライダに一体に設けられたカムによって、内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブのリフト量を調整するバルブリフト調整装置に用いられる。
(第1実施形態)
第1実施形態の電磁アクチュエータ101の構成について、図1〜図6を参照して説明する。以下、実施形態の説明では、第1実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
電磁アクチュエータ101を適用するバルブリフト調整装置50の概略構成および作用について図1、2を参照して簡単に説明する。
図1、2に示すように、バルブリフト調整装置50は、スライダ51、カムシャフト94、吸気バルブリフト52、電磁アクチュエータ101を備える。
スライダ51は、カムシャフト94、小リフトカム58、大リフトカム59と共に回転方向55に回転する。またスライダ51は、カムシャフト94の軸方向に相対移動可能に一体に設けられており、回転角度に応じて紙面の奥行き方向位置が徐変する係合溝511が外周に形成されている。
小リフトカム58と大リフトカム59とは、スライダ51の軸方向中央よりに、互いに隣接して設けられ、回転方向の一方で基準円に対し、外側に偏心している。また大リフトカム59の形状は、小リフトカム58よりも基準円からの偏心量が大きくなるように形成されている。
吸気バルブリフト52は、小リフトカム58と大リフトカム59とに当接し、シリンダヘッド53に収容された吸気バルブ91を有する。
電磁アクチュエータ101は、一体となったスライダ51とカムシャフト94と当接されており、電磁アクチュエータ101の出力ピン60が、係合溝511の直上に位置している。
バルブリフト調整装置50の作用について説明する。
図1、図2に示すように、吸気バルブリフト52に当接する小リフトカム58または大リフトカム59のトルクにより、吸気バルブリフト52を押し下げ、これにより、シリンダヘッド53の吸気バルブ91がリフト量L1またはリフト量L2だけ開弁する。
電磁アクチュエータ101の出力ピン60が、制御手段から指令されたタイミングに前進し、カムシャフト94側に位置する出力ピン60の先端部64が係合溝511に係合する。このとき、スライダ51の回転に伴って、スライダ51は図1、2における紙面の奥行き方向に移動する。
スライダ51が紙面の奥行き方向に移動することによって、小リフトカム58から大リフトカム59、または、大リフトカム59から小リフトカム58へ移行する。小リフトカム58または大リフトカム59が移行することにより、吸気バルブリフト52のリフト量L1またはリフト量L2を調整する。また、出力ピン60の先端部64が係合溝511から離間するとき、カムシャフト94のトルクによって出力ピン60が押し戻される。
このバルブリフト調整装置50における電磁アクチュエータ101の作用は、次のようである。
図3、図4に示すように、電磁アクチュエータ101は、エンジンヘッド90の取り付穴92に取り付けられ、バルブリフト調整装置50のカムシャフト94に対して出力ピン60が作動する。
以下、出力ピン60がカムシャフト94に近づく方向に作動することを「前進する」といい、出力ピン60がカムシャフト94から離れる方向に作動することを「後退する」という。図3は、出力ピン60が後退限にある状態を示し、図4は、出力ピン60が前進限にある状態を示している。また、出力ピン60のカムシャフト94側の端部を先端部64といい、先端部64とは反対側の端部を基端部61という。
電磁アクチュエータ101は、回転軸をCとするカムシャフト94の回転に伴って出力ピン60が短径Ra側に対向しているとき、コイル31に通電して発生する電磁力により出力ピン60を前進させる。
一方、出力ピン60の先端部64がカムシャフト94に当接した状態で長径Rb側が出力ピン60に向くようにカムシャフト94が回転すると、出力ピン60は、カムシャフト94のトルクにより後退方向に押し戻される。ここで、後退限からのストロークがLuとなる位置を「引込み位置」という。出力ピン60は、引込み位置から後退限までは、電磁アクチュエータ101自体の永久磁石40の磁力によって後退する。
続いて、電磁アクチュエータ101の詳細な構成について図3〜図6を参照して説明する。電磁アクチュエータ101は、大きく分けて、エンジンヘッド90に固定される静止部13と、軸方向に往復移動する可動部14とに分けられる。静止部13および可動部14は、中心軸O(図5、図6参照)に対して同軸に設けられている。
静止部13は、コイル31、ステータ32、ヨーク35等を含む。
コイル31は、ステータ32に外挿されたボビン30の外周に巻線が巻回されることで構成される。ボビン30は樹脂で形成され、コイル31の巻線とステータ32とを絶縁する。コイル31に対し可動部14と反対側には、コネクタ部17と一体に樹脂モールド部16が設けられている。図示しない外部の電源からコネクタ部17のターミナル18を経由して通電されることにより、コイル31は磁界を生成する。この磁界により発生する電磁力の作用については後述で説明する。
ステータ32は、軟磁性体で形成され、永久磁石40に対し出力ピン60の基端側に設けられる。ステータ32の大部分はコイル31の径内側に位置し、コイルコアとして機能する。ステータ32の可動部14側の端部には、外径が比較的大きく、可動部14のリアプレート44と広い面積で対向する対向部34が形成されている。
ヨーク35は、軟磁性体で、コイル31や可動部14とほぼ同軸の筒状に形成されている。ヨーク35の内側にはコイル31、ステータ32および樹脂モールド部16等が収容されており、ステータ32と当接または近接する部位において、相互に磁気が伝達され、ヨーク35は、ステータ32およびフロントプレート45を経由する磁気回路を形成する。樹脂モールド部16の外周およびステータ32の対向部34の外周には、それぞれヨーク35の内周との間のシールを確保するシールリング81、82が設けられる。
ヨーク35のスリーブ70側の開口部には、エンジンヘッド90への取り付けに用いられる鍔部39が形成されている。
スリーブ70は、基部71および筒部73等を含む。基部71は、エンジンヘッド90の取り付穴92に挿入される。基部71の外周には、取り付穴92の内周との間のシールを確保するシールリング83が設けられる。基部71のコイル31側の端面72は、フロントプレート45の前端面457と対向する。端面72の周囲には、基部71を軸方向に貫通するオイル通路76が形成されている。エンジン内のオイルは、オイル通路76を経由して可動部14の周囲に導入される。
筒部73は、先端面74がカムシャフト94に対向するように基部71から突出している。また、筒部73の中心軸に沿って、出力ピン60が挿通される挿通穴75が形成されている。
次に可動部14の説明に移る。可動部14は、永久磁石40、リアプレート44、フロントプレート45、出力ピン60が、共に移動可能に構成されている。
永久磁石40は、径方向の断面形状が円形の板状であり、出力ピン60の基端部61に固定されており、例えばリアプレート44側がN極、フロントプレート45側がS極(図5参照)というように軸方向の両端が互いに異なる極性となるように着磁されている。なお、N極およびS極の配置は逆であってもよい。
永久磁石40は、中心軸Oに沿って、出力ピン60の基端部61が挿入される挿入穴401を有している。
リアプレート44およびフロントプレート45は軟磁性体で形成され、それぞれ、永久磁石40に対し出力ピン60の基端側(コイル31側)、および先端側(スリーブ70側)で永久磁石40に接合されている。図5に例示する磁極配置の場合、リアプレート44はN極、フロントプレート45はS極とみなされる。
以下、リアプレート44のコイル31側の端面を後端面443、フロントプレート45のスリーブ70側の端面を前端面457という。また、リアプレート44の永久磁石40側の端面をリア接合面445といい、フロントプレート45の永久磁石40側の端面をフロント接合面454という。
出力ピン60は、摺動部65の外径がスリーブ70の挿通穴75の内径を摺動可能に設けられ、先端部64から基端部61に向かう軸方向に対し、前進後退可能に設けられている。本実施形態では、出力ピン60の基端部61が永久磁石40、リアプレート44およびフロントプレート45の中心部に形成された穴に貫通し、各部材が保持されている。出力ピン60は、例えば、高炭素クロム軸受鋼等の磁性体で形成されている。高炭素クロム軸受鋼等を用いることで、熱処理により高い強度が得られる。
図5に示すように、出力ピン60の基端部61には、軸方向の所定範囲に「短絡抑制部」としての穴201が形成されている。穴201は、基端面611から先端部64に向かう軸方向(中心軸O方向)に沿って、出力ピン60の外側面612と隣接しないように、周縁部613が残されつつ、径方向の断面形状が基端面611の中心と同心上の円形となるように形成されている。ここで、図5(b)では、出力ピン60のみの断面図を記載する。また、基端面611は、基端部61側でリアプレート44を介して露出するように形成されている。
ここで、深さD1までは、穴径が一定である。すなわち、周縁部613の肉厚が一定である。この深さを「有効深さ」という。基端面611からリア接合面445までの距離をαとし、基端面611からフロント接合面454までの距離をβとする。
第1実施形態では、有効深さD1は、D1>βとなるように設定されている。
なお、穴の加工方法は、ドリル等の工具による機械加工、放電加工等、何でもよい。
次に図8を参照し、電磁アクチュエータ101の作用について説明する。
非通電状態では、リアプレート44の後端面443とステータ32の対向部端面340との間の磁気吸引力により、可動部14は後退限に保持される。この磁気吸引力は、少なくとも、引込みストロークLuに対応する引込み位置から後退限まで可動部14を吸引可能となるように設定される。
永久磁石40の磁気吸引力によって可動部14が後退限に保持されたとき、破線矢印ΦMで示すように「永久磁石40のN極→リアプレート44→ステータ32→ヨーク35→フロントプレート45→永久磁石40のS極」というルートで磁気回路が生成される。
コイル31は、通電時、永久磁石40の磁界と逆方向の磁界を生成する。例えば図4に示す磁極配置の場合、ステータ32のコネクタ部17側がS極、対向部34側がN極となる磁界を生成する。言い換えれば、そのような磁界が生成されるように、コイル31の巻線方向や電流の通電方向が設定される。
すると、リアプレート44とステータ32の対向部34とが同極となるため、リアプレート44の後端面443とステータ32の対向部端面340との間に電磁力としての反発力が発生する。この反発力によって、可動部14は、後退限から前進する。
フロントプレート45の前端面457がスリーブ70の端面72に近づくと、図4に示すように、前端面457と端面72との間の磁気吸引力により、可動部14は前進限に保持される。
そして、本実施形態では、出力ピン60は磁性体で形成されており、出力ピン60の外側面612と離間しつつ、永久磁石40の磁極間の磁気短絡を抑制するように形成された「短絡抑制部」としての穴201が形成されていることを特徴とする。
図6に示すように、穴201が形成されていることにより、出力ピン60を経由して永久磁石40のN極とS極とを連絡する磁気の通路(磁路)の断面積が絞られる。したがって、磁極間の磁気短絡を抑制するように作用する。
ここで、穴201により、出力ピン60を経由しての永久磁石40のN極から永久磁石40のS極への短絡は、ほとんど無視できると考えられる。したがって、磁力線を図示しない。
次に、電磁アクチュエータ101の効果の説明に移る前に、第1実施形態との構成の違いが軽微である第2,第3実施形態の構成について説明する。そして第1〜第3実施形態を含めて効果を説明することとする。
(第2実施形態)
第2実施形態の電磁アクチュエータ102について、第1実施形態の図6に対応する図7(a)を参照して説明する。第1実施形態の電磁アクチュエータ101と比較して、短絡抑制部としての穴の深さが異なる。
図7(a)に示すように、第2実施形態の電磁アクチュエータ102では、穴202は、有効深さD2が基端面611からリア接合面445までの距離αよりも長く基端面611からフロント接合面454までの距離以下となるように、すなわち、α<D2≦β となるように形成されている。
第2実施形態において、穴202が形成されるため、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第1実施形態と同様の作用により、短絡磁気の磁力線を図示しない。
(第3実施形態)
第3実施形態の電磁アクチュエータ103について、第1実施形態の図6に対応する図7(b)を参照して説明する。第3実施形態も同様、短絡抑制部としての穴の深さが異なる。
図7(b)に示すように、第3実施形態の電磁アクチュエータ103では、穴203は、有効深さD3が基端面611からリア接合面445までの距離α以下となるように、すなわち、α≦D3 となるように形成されている。
(効果)
以上の構成による第1〜第3実施形態の効果について、図8を参照し、比較例と対比しつつ説明する。
(1)図8(a)(b)は、可動部14のストロークと、永久磁石40の吸引力特性との関係を示した図である。横軸のストロークL0は後退限を示し、ストロークLmaxは前進限を示す。縦軸は、吸引力0の線を基準として、正方向に大きいほど後退方向への吸引力が大きく、負方向に大きいほど前進方向への吸引力が大きいことを意味する。非通電状態では、L0の位置での吸引力は、リアプレート44とステータ32との保持力であり、大きいほど保持力が高いことを意味する。また吸引力が高いことは、エンジン内の振動と可動部14の自重によって、リアプレート44とステータ32とが外れることなく保持され、電磁アクチュエータの駆動の安定性が増すことを意味する。
出力ピンが非磁性体で形成された第1比較例の電磁アクチュエータの参照特性Ref1を破線で示す。非磁性体としては、例えばオーステナイト系ステンレス鋼が用いられる。
図18に、磁性体で形成された出力ピン69に短絡抑制部が形成されていない第2比較例の電磁アクチュエータ109を示す。第2比較例の電磁アクチュエータ109の参照特性Ref2を二点破線で図8に示す。
前進側で、破線の参照特性Ref1は二点破線の参照特性Ref2と重なっている。ストロークがL3以下の位置では、後退限に近づくにしたがって正方向の吸引力(引込み力)が増加し、ストロークがL3以上の位置では、前進限に近づくにしたがって負方向の吸引力が増加する。
第1比較例の参照特性Ref1は、出力ピンに非磁性体を用いているため、出力ピンでの磁気回路の短絡がなく、ΦMsが無視でき、L0の位置での吸引力(保持力)は参照特性Ref2と比較して大きくなっている。
第2比較例の参照特性Ref2は、出力ピン69に磁性体を用いており、図18に示すように、短絡した磁気回路ΦMsへ磁気が通るため、磁気回路ΦMへ通る磁気が減少し、L0の位置での吸引力(保持力)は参照特性Ref1と比較して小さくなっている。
第1実施形態の電磁アクチュエータ101の特性A1を実線で示す。第1実施形態では、出力ピン60は磁性体で形成され、図5(a)に示すように、有効深さD1>βとなるように、穴201が形成されている。これにより、リアプレート44と永久磁石40とフロントプレート45と隣接する出力ピン60の内側での磁路が絞られて磁気の短絡が抑制され、図6に示す磁気回路ΦMを磁気が通りやすくなる。したがって、リアプレート44とステータ32との吸引力(保持力)を参照特性Ref2と比較して大きく向上させることができる。
第2実施形態の電磁アクチュエータ102の特性A2を短破線で示す。第2実施形態では、上述と同様の短絡抑制効果により、図7(a)に示す磁気回路ΦMを磁気が通りやすくなる。そのため、第2実施形態においても、図8(b)に示すように、非磁性体で形成される参照特性Ref2に対して、ストロークがL0の位置での正方向の吸引力(保持力)が大きくなっている。したがって、リアプレート44とステータ32との吸引力(保持力)を第1実施形態の特性A1と同等に大きく向上させることができる。
第3実施形態の電磁アクチュエータ103の特性A3を一点鎖線で示す。第3実施形態では、図7(b)に示すように、有効深さD3<αとなるように、穴203が形成されており、磁路の絞りが小さいため、一部短絡した磁気回路ΦMsへ磁気が通るため、短絡抑制効果が小さい。そのため、L0の位置での吸引力(保持力)は参照特性Ref1に対しては低下するものの、参照特性Ref2よりは大きい吸引力(保持力)が得られる。
(第4実施形態)
第4実施形態では、出力ピンの形状が異なる点を除き、第1から第3実施形態と同様である。
第4実施形態の電磁アクチュエータ104における出力ピン160は、フロント接合面454から基端面611に向かって、基端部61の径が縮小するように形成されている。ここで、フロント接合面454は、永久磁石40における出力ピン160の先端部64側の端面に一致する。
図9に示すように、先端部64の径をW1とし、基端部61の基端面611の径をW2とする。
図10(a)(b)に示すように、出力ピン160は、径W1が径W2よりも小さくなるように、すなわち、W1>W2 となるように段付き形状に形成されている。また、基端部61は、フロント接合面454から基端面611まで一様に径W2となるように形成されている。このような構成で、径が縮小されている範囲Sにおいて、出力ピン160の外側面612と離間しつつ、基端部61から先端部64に向かう出力ピン160の範囲Sに、短絡抑制部161が形成される。第1実施形態と同様の作用により、図中において、短絡磁気の磁力線を図示しない。
図11に示すように、径が縮小されている範囲Sにおいて出力ピン160の磁気が絞られるため、第1実施形態と同様の効果を奏し、参照特性Ref1および参照特性Ref2と比較すると、第4実施形態の特性A4では大きい吸引力(保持力)が得られる。
(その他の実施形態)
(i)出力ピン60の外側面612と離間しつつ、永久磁石40の磁極間の磁気短絡を抑制するように形成された短絡抑制部に関する他の実施形態の例を図12、図13に示す。
図12(a)、(b)に示す形態では、有効深さD4>βとなるように、短絡抑制部としての複数(例えば4つ)の穴204が形成されている。ここで、図12(b)では、出力ピン60のみの断面図を記載する。
図13(a)、(b)に示す形態では、有効深さD5>βとなるように、短絡抑制部としての環状溝205が形成されている。図13(b)では、出力ピン60のみの断面図を記載する。
さらに、短絡抑制部は、有底穴ではなく、出力ピンの基端面から先端面まで貫通する貫通穴としてもよい。このように、短絡抑制部は数や形状を問わず、上述の実施形態と同様の効果を奏する。
(ii)ところで、当該技術分野の電磁アクチュエータには、出力ピンの基端面にオイル排出用の溝を形成したものが知られている。しかし、この種の排出溝は、一般に周縁部を横切って側面に連通するものであるため、「外側面と離間しつつ形成された短絡抑制部」には該当しない。また、出力ピンの研磨加工時の保芯のために基端面にセンタ穴が形成される場合がある。しかし、センタ穴は、中心部に最小限のテーパを形成したものに過ぎず、当業者が見れば、磁気の短絡抑制に寄与するものでないことを容易に判別可能である。 したがって、これらの周知の構成が本発明の短絡抑制部に該当しないものであり、本発明の短絡抑制部を想到することに対し、何らの動機づけも与えない。
オイル排出用の溝や、研磨加工時の保芯に用いられるセンタ穴は本発明の短絡抑制部に含まれない。永久磁石に出力ピンが挿入される高さを決めるために、出力ピンが段付き形状の断面を有することがある。センタ穴と同様に、挿入高さ決め用の段付き形状の出力ピンの径が縮小されている範囲は、本発明の短絡抑制部に含まれない。
(iii)図14に示すように、短絡抑制部を形成する一つ以上の穴や環状溝に、樹脂やゴムといった非磁性部材206を埋め込んでもよい。図中において、非磁性部材206は斜線で示すハッチングで示した箇所である。
樹脂やゴムといった非磁性部材206は、磁性体よりも硬度が低いため摩耗しやすく、自己犠牲により出力ピンを保護する効果すなわち出力ピン60とステータ32との接触による摩耗抑制効果も奏する。さらに、出力ピンの共振周波数が変化するため、防振効果も奏する。
(iv)第4実施形態の思想を共有する他の実施形態では、図15(a)(b)に示すように、電磁アクチュエータ105における出力ピン170の基端部61は、フロント接合面454から基端面611に向かって、傾斜して径が縮小するように形成されていてもよい。第4実施形態と同様の効果を奏する。
また、図16(a)(b)に示すように、電磁アクチュエータ106における出力ピン180は多段付き形状になっていてもよい。さらに、リア接合面445から基端面611に向かう範囲において径が縮小するように出力ピンを形成してもよい。
第4実施形態において、フロント接合面454から基端面611に向かって、少なくとも一部の出力ピンの径が縮小されるように形成されていればよい。
さらに、図17(a)(b)に示すように、第4実施形態と第1実施形態とを組み合わせてもよい。
(v)その他、出力ピン60の外側面612と離間しつつ、永久磁石40の磁極間の磁気短絡を抑制するように形成された短絡抑制部を有することという構成以外の電磁アクチュエータの各部の構成は、上述の実施形態に限定されない。例えば、永久磁石に対して出力ピンの基端側にリアプレートを設けなくてもよい。また、ステータ、ヨーク等の磁気回路構成部材の形状や位置関係は適宜変更してよい。
(vi)本発明は、静止部および可動部を2組以上備える電磁アクチュエータに適用されてもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
101 ・・・電磁アクチュエータ、
201〜204 ・・・穴(短絡抑制部)、
205 ・・・環状溝(短絡抑制部)、
31 ・・・コイル、
32 ・・・ステータ、
40 ・・・永久磁石、 401 ・・・挿入穴、
60、160 ・・・出力ピン、 61 ・・・基端部、 64 ・・・先端部、
611 ・・・基端面、 612 ・・・外側面。

Claims (5)

  1. 磁性体で形成され、軸方向に前進後退可能に設けられている出力ピン(60、160)と、
    前記出力ピンの基端部(61)が挿入される挿入穴(401)を有し、前記挿入穴に貫通し保持された前記出力ピンと共に移動可能であり、軸方向の両端が互いに異なる極性となるように着磁された板状の永久磁石(40)と、
    軟磁性体で形成され、前記永久磁石に対し前記基端部側に設けられたステータ(32)と
    通電時、前記永久磁石の磁界と逆方向の磁界を生成し、前記ステータと前記永久磁石との間に反発力が発生するコイル(31)と、
    を備え、
    前記出力ピンは、前記出力ピンの周縁部(613)を残しつつ、軸方向の所定範囲に、前記永久磁石の磁極間の磁気短絡を抑制するように形成された一つ以上の穴(201、202、203、204)または環状溝(205)を少なくとも含む短絡抑制部を有する電磁アクチュエータ。
  2. 軟磁性体で形成され、前記永久磁石に対し前記基端部側で、前記出力ピンの基端面(611)が露出するように前記永久磁石に接合されるリアプレート(44)をさらに備え、
    前記短絡抑制部は、前記永久磁石の磁気短絡の抑制に寄与する部分の深さである有効深さが、前記基端面から前記リアプレートと前記永久磁石との接合面(445)までの距離(α)よりも長くなるように形成されている請求項に記載の電磁アクチュエータ。
  3. 前記短絡抑制部は、前記有効深さが、前記基端面から前記永久磁石における前記出力ピンの先端部(64)側の端面(454)までの距離(β)よりも長くなるように形成されている請求項に記載の電磁アクチュエータ。
  4. 前記短絡抑制部を形成する一つ以上の穴または環状溝に、非磁性部材(206)が埋め込まれている請求項からのいずれか一項に記載の電磁アクチュエータ。
  5. 前記出力ピンは、前記永久磁石における前記出力ピンの先端部(64)側の端面(454)から前記出力ピンの基端面(611)に向かって、少なくとも一部の径が縮小するように形成され、
    前記短絡抑制部は、前記出力ピンの径が縮小されている前記出力ピンの範囲(S)を含む請求項1からのいずれか一項に記載の電磁アクチュエータ。
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