JP2016131544A - 卵加熱加工食品の品質改良剤、卵加熱加工食品の品質改良方法、及び卵加熱加工食品の変色防止方法 - Google Patents

卵加熱加工食品の品質改良剤、卵加熱加工食品の品質改良方法、及び卵加熱加工食品の変色防止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】卵加熱加工食品の製造時に添加するだけで、卵加熱加工食品の食感、外観、及び食味・風味を改善することができ、産業規模での卵加熱加工食品の製造に適用することが可能な卵加熱加工食品の品質改良剤、並びに該卵加熱加工食品の品質改良剤を使用した卵加熱加工食品の品質改良方法及び卵加熱加工食品の変色防止方法を提供すること。
【解決手段】炭酸水素ナトリウムとグルコノデルタラクトンとを1:2〜4の質量比で含有する卵加熱加工食品の品質改良剤、並びに前記卵加熱加工食品の品質改良剤を卵に対して、0.1質量%〜4質量%で使用して、卵加熱加工食品の食感及び/又は外観を改善する卵加熱加工食品の品質改良方法、及び卵加熱加工食品の変色を防止する卵加熱加工食品の変色防止方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、卵加熱加工食品の品質改良剤、卵加熱加工食品の品質改良方法、及び卵加熱加工食品の変色防止方法に関する。
近年、卵焼きなどの卵加熱加工食品の食感をふんわりさせるため、また、加熱むらを防止するために、膨張剤(ベーキングパウダー)を配合することが提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。しかし、膨張剤は使用量によって、あるいは膨張剤中の重曹(炭酸水素ナトリウム)や酸性剤により、卵加熱加工食品が苦みやえぐみ、酸臭が生じることがあるという問題がある。
また、卵又はこれを含有する卵液に膨張剤を添加すると、重曹(炭酸水素ナトリウム)と酸性剤とが反応してしまう。卵加熱加工食品を大量に製造する食品工場等では、原材料を配合・混合した後、作業性を良好にし、品質のむらを防止する目的で30分から1時間程度、混合した原材料を静置することから、この間に膨張剤が反応してしまうため、十分な膨張剤の効果が得られなかったり、却って製品の品質にむらが生じてしまったりすることから、前記膨張剤を産業規模での卵加熱加工食品の製造には適用できないという問題がある。
一方、卵焼きなどの卵加熱加工食品は、加熱中に卵白から発生する硫化水素と、卵黄に含まれる鉄分が反応して、変色(緑変)することが知られており、卵加熱加工食品の品質低下の原因となっている。この変色を防止するため、クエン酸やグルコン酸等の有機酸を配合すること(例えば、特許文献3〜4参照)、発酵セルロースを配合すること(例えば、特許文献5参照)が提案されている。
しかし、有機酸だけでは、変色はある程度、防止することが可能であるが、酸臭が生じやすく、また、食感や風味の点で十分とはいえないという問題がある。また、発酵セルロースは、特定の酢酸菌が産出する多糖類(セルロース誘導体)であり、食品の添加物表示の問題やコストアップの問題がある。
そのため、卵加熱加工食品の製造時に添加するだけで、卵加熱加工食品の食感、外観、及び食味・風味を改善することができ、産業規模での卵加熱加工食品の製造に適用することが可能な卵加熱加工食品の品質改良剤は未だ開発されておらず、その速やかな提供が強く求められている。
特開2010−172315号公報 特開2008−259433号公報 特開昭63−141563号公報 特開平10−174566号公報 特開2013−247869号公報
本発明は、このような要望に応え、現状を打破し、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、卵加熱加工食品の製造時に添加するだけで、卵加熱加工食品の食感、外観、及び食味・風味を改善することができ、産業規模での卵加熱加工食品の製造に適用することが可能な卵加熱加工食品の品質改良剤、並びに該卵加熱加工食品の品質改良剤を使用した卵加熱加工食品の品質改良方法及び卵加熱加工食品の変色防止方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するべく鋭意検討を行った結果、炭酸水素ナトリウムとグルコノデルタラクトンとを1:2〜4の質量比で含有させた卵加熱加工食品の品質改良剤を配合することにより、卵加熱加工食品の食感、外観、及び食味・風味を改善することができ、また、卵加熱加工食品を大量に製造する場合にも適用し得ることを知見した。
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 炭酸水素ナトリウムとグルコノデルタラクトンとを1:2〜4の質量比で含有することを特徴とする卵加熱加工食品の品質改良剤である。
<2> 炭酸水素ナトリウムとグルコノデルタラクトンとを1:2.5〜3.5の質量比で含有する前記<1>に記載の卵加熱加工食品の品質改良剤である。
<3> 卵に対して、0.1質量%〜4質量%を配合する前記<1>から<2>のいずれかに記載の卵加熱加工食品の品質改良剤である。
<4> 卵に対して、0.5質量%〜3質量%を配合する前記<3>に記載の卵加熱加工食品の品質改良剤である。
<5> 前記<1>から<2>のいずれかに記載の卵加熱加工食品の品質改良剤を卵に対して、0.1質量%〜4質量%で使用して、卵加熱加工食品の食感及び/又は外観を改善することを特徴とする卵加熱加工食品の品質改良方法である。
<6> 卵加熱加工食品の品質改良剤を卵に対して、0.5質量%〜3質量%で使用する前記<5>に記載の卵加熱加工食品の品質改良方法である。
<7> 前記<1>から<2>のいずれかに記載の卵加熱加工食品の品質改良剤を卵に対して、0.1質量%〜4質量%で使用して、卵加熱加工食品の変色を防止することを特徴とする卵加熱加工食品の変色防止方法である。
<8> 卵加熱加工食品の品質改良剤を卵に対して、0.5質量%〜3質量%で使用する前記<7>に記載の卵加熱加工食品の変色防止方法である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、卵加熱加工食品の製造時に添加するだけで、卵加熱加工食品の食感、外観、及び食味・風味を改善することができ、産業規模での卵加熱加工食品の製造に適用することが可能な卵加熱加工食品の品質改良剤、並びに該卵加熱加工食品の品質改良剤を使用した卵加熱加工食品の品質改良方法及び卵加熱加工食品の変色防止方法を提供することができる。
(卵加熱加工食品の品質改良剤)
本発明の卵加熱加工食品の品質改良剤は、炭酸水素ナトリウムと、グルコノデルタラクトンとを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
<炭酸水素ナトリウム>
前記炭酸水素ナトリウムとしては、ベーキングパウダーに使用できるもの(グレード)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記炭酸水素ナトリウムの前記卵加熱加工食品の品質改良剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<グルコノデルタラクトン>
前記グルコノデルタラクトンとしては、食品製造用であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記グルコノデルタラクトンの前記卵加熱加工食品の品質改良剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<炭酸水素ナトリウムとグルコノデルタラクトンとの質量比>
前記炭酸水素ナトリウムとグルコノデルタラクトンとの質量比としては、炭酸水素ナトリウム:グルコノデルタラクトンが1:2〜4であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1:2.5〜3.5が好ましい。炭酸水素ナトリウムに対するグルコノデルタラクトンの配合比が2未満であると、得られる卵加熱加工食品の食感やボリューム、色合いが十分とはいえなくなり、4を超えると配合する卵加熱加工食品の品質改良剤の量が多くなるため、好ましくない。一方、前記質量比が、前記好ましい範囲内であると、卵加熱加工食品の食感、外観、及び食味・風味がより優れる点で、有利である。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸性ピロリン酸ナトリウム、塩化アンモニウム等の酸性剤、澱粉、穀粉、セルロース等の賦形剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記賦形剤の前記卵加熱加工食品の品質改良剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭酸水素ナトリウムとグルコノデルタラクトンの合計量に対して、1質量%〜20質量%程度が好ましい。
<態様>
前記卵加熱加工食品の品質改良剤は、炭酸水素ナトリウムと、グルコノデルタラクトンとを同一の包材に含む一剤式であってもよいし、両者を別々の包材に入れ、使用時に混合する二剤式であってもよい。
<配合量>
前記卵加熱加工食品の品質改良剤の卵加熱加工食品への配合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記卵加熱加工食品における卵に対して、0.1質量%〜4質量%が好ましく、0.5質量%〜3質量%がより好ましい。前記配合量が、0.1質量%未満では十分な効果(食感、ボリューム、色合い等)が得られないことがあり、4質量%を超えると、食感は柔らかく、ソフトになるものの、卵加熱加工食品の品質にむらが生じることがある。一方、前記配合量が、前記好ましい範囲内であると、卵加熱加工食品の食感、外観、及び食味・風味がより優れる点で、有利である。
前記卵加熱加工食品が卵粉を使用する場合には、前記配合量は、全卵換算した値に対する量をいう。
<卵加熱加工食品>
前記卵加熱加工食品の種類としては、卵を主原料とする加熱加工食品であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、卵焼き、だし巻き卵、スクランブルエッグ、オムレツ、オムライス、卵そぼろ、親子丼、カツ丼、かに玉、エビ玉、うな玉などが挙げられる。
なお、ゆで卵、温泉卵、目玉焼きなどの卵黄と卵白とを含むが、卵黄と卵白を混ぜない食品、茶碗蒸し、小田巻蒸しなどの卵よりも出汁などの液量が多い食品は、本発明の卵加熱加工食品には該当しない。
前記卵加熱加工食品で使用する卵としては、通常は鶏卵であるが、うずらなどの他の卵も使用可能である。
前記卵の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、全卵、卵黄、全卵粉、卵黄粉と卵白粉などの卵粉を水や調味液に混合したものなどが挙げられる。
前記卵加熱加工食品における卵以外の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記卵加熱加工食品における卵以外の材料の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、だし巻き卵などのように、出汁(調味液)を配合する場合には、その量は卵(卵粉を使用する場合は全卵換算で)と等量かそれ以下とする。
(卵加熱加工食品の品質改良方法)
本発明の卵加熱加工食品の品質改良方法は、本発明の卵加熱加工食品の品質改良剤を使用し、卵加熱加工食品の食感及び/又は外観を改善する。
<卵加熱加工食品の品質改良剤の使用量>
前記卵加熱加工食品の品質改良方法における前記卵加熱加工食品の品質改良剤の使用量としては、前記卵加熱加工食品における卵に対して、0.1質量%〜4質量%であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%〜3質量%が好ましい。前記使用量が、0.1質量%未満では十分な効果(食感、ボリューム、色合い等)が得られないことがあり、4質量%を超えると、食感は柔らかく、ソフトになるものの、卵加熱加工食品の品質にむらが生じることがある。一方、前記使用量が、前記好ましい範囲内であると、卵加熱加工食品の食感、及び外観が優れ、更には食味・風味も優れる点で、有利である。
前記卵加熱加工食品が卵粉を使用する場合には、前記使用量は、全卵換算した値に対する量をいう。
本発明において、前記卵加熱加工食品の食感が優れるとは、ふんわりとした食感(以下、ソフトな食感、又はふっくらとした食感と称することがある)、及びジューシー感の少なくともいずれかを有することをいう。
本発明において、前記卵加熱加工食品の外観が優れるとは、卵加熱加工食品のボリュームが品質改良剤を用いなかった卵加熱加工食品と比較して大きいこと、表面が平らで凹凸が少ないこと、焼き色がほぼ均一であること、及び緑変が抑制されていることの少なくともいずれかをいう。
本発明において、前記卵加熱加工食品の食味・風味が優れるとは、卵加熱加工食品本来の味であること、及びえぐ味又は酸臭が抑制されていることの少なくともいずれかをいう。
(卵加熱加工食品の変色防止方法)
本発明の卵加熱加工食品の変色防止方法は、本発明の卵加熱加工食品の品質改良剤を使用し、卵加熱加工食品の変色(緑変)を防止する。
<卵加熱加工食品の品質改良剤の使用量>
前記卵加熱加工食品の変色防止方法における前記卵加熱加工食品の品質改良剤の使用量としては、前記卵加熱加工食品における卵に対して、0.1質量%〜4質量%であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%〜3質量%が好ましい。前記使用量が、0.1質量%未満であると、卵加熱加工食品の変色を防止できないことがあり、4質量%を超えると、食感は柔らかく、ソフトになるものの、卵加熱加工食品の品質にむらが生じることがある。一方、前記使用量が、前記好ましい範囲内であると、卵加熱加工食品の変色防止に優れ、更には食感、ボリューム、表面の外観、焼き面の外観、食味・風味も優れる点で、有利である。
前記卵加熱加工食品が卵粉を使用する場合には、前記使用量は、全卵換算した値に対する量をいう。
以下、実施例、比較例、試験例、及び製造例を示して本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例、試験例、及び製造例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜5、及び比較例1〜5:品質改良剤の製造)
下記表1及び表2の配合にて、実施例1〜5、及び比較例1〜5の品質改良剤を製造した。
Figure 2016131544
Figure 2016131544
(試験例1:卵焼きの製造)
前記実施例1〜5、及び比較例1〜5の品質改良剤を用い、下記の配合、レシピで卵焼きを製造した。なお、品質改良剤を用いなかった以外は同様にして製造した卵焼きを対照とした。
<配合>
・ 全卵(鶏卵) ・・・ 100.0g
・ 品質改良剤 ・・・ 1.0g(実施例1〜3、比較例1〜5)、又は
1.25g(実施例4〜5)
・ 食塩 ・・・ 0.3g
<レシピ>
卓上ミキサーを用い、全卵、品質改良剤、及び食塩を低速で2分間撹拌した。室温にて30分間静置した。上火150℃、下火190℃の窯にて15分間焼成した。焼成後、10分室温での放冷時間を置き、後述の評価を行った。
<評価>
−ボリューム−
得られた卵焼きの高さを測定し、対照に対する比率を求めた。結果を下記表3及び表4に示す。
−表面の外観−
得られた卵焼きの表面の外観(表面の凹凸)を以下の評価基準で評価した。結果を下記表3及び表4に示す。
[評価基準]
◎ ・・・ 平らで均一な表面である。
○ ・・・ ほぼ平らであるが、わずかに凹凸がある。
△ ・・・ やや不均一でやや凹凸がある。
× ・・・ 不均一で凹凸がある。
−焼き面の外観−
得られた卵焼きの焼き面の外観(焼きむら)を以下の評価基準で評価した。結果を下記表3及び表4に示す。
[評価基準]
◎ ・・・ 均一な焼き色である。
○ ・・・ ほぼ均一であるが、わずかに焼きむらがある。
△ ・・・ やや不均一でやや焼きむらがある。
× ・・・ 不均一で焼きむらが顕著である。
−色合い−
得られた卵焼きの色合い(緑変の程度)を以下の評価基準で評価した。結果を下記表3及び表4に示す。
[評価基準]
◎ ・・・ 卵本来の黄色い色合いである。
○ ・・・ ごくわずかに緑変がみられる。
△ ・・・ やや緑変がみられる。
× ・・・ 緑変している。
−食感−
得られた卵焼きの食感を以下の評価基準で評価した。結果を下記表3及び表4に示す。
[評価基準]
◎ ・・・ ジューシー感があり、ソフトで口溶けに優れる。
○ ・・・ ややジューシー感があり、ソフトで口溶けが良い。
△ ・・・ ジューシー感がなく、やや固く、口溶けにやや劣る。
× ・・・ ジューシー感がなく、固い食感で、口溶けに劣る。
−食味・風味−
得られた卵焼きの食味・風味を以下の評価基準で評価した。結果を下記表3及び表4に示す。
[評価基準]
◎ ・・・ 卵焼き本来の味である。
○ ・・・ わずかにえぐ味又は酸臭が感じられる。
△ ・・・ ややえぐ味又は酸臭がある。
× ・・・ えぐ味又は酸臭が強い。
Figure 2016131544
Figure 2016131544
前記表3及び表4に示されたように、炭酸水素ナトリウムとグルコノデルタラクトンとを1:2〜4の質量比で含有する実施例1〜5の品質改良剤を用いた場合には、ボリューム、表面の外観、焼き面の外観、色合い、食感、及び食味・風味に優れる卵焼きが得られた。また、実施例1〜5の品質改良剤の中でも、炭酸水素ナトリウムとグルコノデルタラクトンとを1:2.5〜3.5の質量比で含有する実施例2〜4の品質改良剤を用いた卵焼きは、より優れた評価結果となった。
(試験例2:卵焼きの製造)
前記試験例1において、品質改良剤を実施例3の品質改良剤とし、該品質改良剤の配合量を、0.1g(試験例2−1)、0.5g(試験例2−2)、1g(試験例2−3)、2g(試験例2−4)、3g(試験例2−5)、又は5g(試験例2−6)とした以外は試験例1と同様にして、卵焼きを製造し、評価した。結果を表5に示す。
Figure 2016131544
前記表5に示されたように、本発明の品質改良剤を卵に対して、0.1質量%〜4質量%で使用した試験例2−1〜試験例2−5の卵焼きは、ボリューム、表面の外観、焼き面の外観、色合い、食感、及び食味・風味がより優れていた。また、試験例2−1〜試験例2−5の中でも、本発明の品質改良剤を卵に対して、0.5質量%〜3質量%で使用した試験例2−2〜試験例2−5の卵焼きは、更に優れた評価結果となった。
(製造例1:オムライス用卵生地の製造)
前記実施例3の品質改良剤を用い、下記の配合で、常法によりオムライス用卵生地を製造した。また、品質改良剤を用いなかった以外は同様にして、対照のオムライス用卵生地を製造した。
前記製造例1で製造されたオムライス用卵生地は、対照と比較してボリュームがあり、表面の外観、焼き面の外観、色合い、食感、及び食味・風味のいずれもが良好であった。
<配合(1人分)>
・ 全卵(鶏卵) ・・・ 100g
・ 品質改良剤 ・・・ 2g
・ ブイヨン ・・・ 36g
・ 牛乳 ・・・ 15g
・ 砂糖 ・・・ 1.5g
・ 食塩 ・・・ 0.5g
(製造例2:かに玉の製造)
前記実施例3の品質改良剤を用い、下記の配合で、常法によりかに玉を製造した。また、品質改良剤を用いなかった以外は同様にして、対照のかに玉を製造した。
前記製造例2で製造されたかに玉は、対照と比較してボリュームがあり、表面の外観、焼き面の外観、色合い、食感、及び食味・風味のいずれもが良好であった。
<配合(2人分)>
・ 全卵(鶏卵) ・・・ 150g
・ 品質改良剤 ・・・ 3g
・ シイタケ ・・・ 10g
・ こねぎ ・・・ 10g
・ カニ缶 ・・・ 30g
・ 筍 ・・・ 10g
・ 水 ・・・ 20g
・ 酒 ・・・ 12g
・ 砂糖 ・・・ 1.5g
・ 塩 ・・・ 1g
・ こしょう ・・・ 少々
・ あん
(製造例3:だし巻き卵の製造)
前記実施例3の品質改良剤を用い、下記の配合で、常法によりだし巻き卵を製造した。また、品質改良剤を用いなかった以外は同様にして、対照のだし巻き卵を製造した。
前記製造例3で製造されただし巻き卵は、対照と比較してボリュームがあり、表面の外観、焼き面の外観、色合い、食感、及び食味・風味のいずれもが良好であった。
<配合(2人分〜3人分)>
・ 全卵(鶏卵) ・・・ 165g
・ 品質改良剤 ・・・ 3g
・ 出汁 ・・・ 90g
・ みりん ・・・ 12g
・ 醤油 ・・・ 6g
・ 塩 ・・・ 0.5g

Claims (8)

  1. 炭酸水素ナトリウムとグルコノデルタラクトンとを1:2〜4の質量比で含有することを特徴とする卵加熱加工食品の品質改良剤。
  2. 炭酸水素ナトリウムとグルコノデルタラクトンとを1:2.5〜3.5の質量比で含有する請求項1に記載の卵加熱加工食品の品質改良剤。
  3. 卵に対して、0.1質量%〜4質量%を配合する請求項1から2のいずれかに記載の卵加熱加工食品の品質改良剤。
  4. 卵に対して、0.5質量%〜3質量%を配合する請求項3に記載の卵加熱加工食品の品質改良剤。
  5. 請求項1から2のいずれかに記載の卵加熱加工食品の品質改良剤を卵に対して、0.1質量%〜4質量%で使用して、卵加熱加工食品の食感及び/又は外観を改善することを特徴とする卵加熱加工食品の品質改良方法。
  6. 卵加熱加工食品の品質改良剤を卵に対して、0.5質量%〜3質量%で使用する請求項5に記載の卵加熱加工食品の品質改良方法。
  7. 請求項1から2のいずれかに記載の卵加熱加工食品の品質改良剤を卵に対して、0.1質量%〜4質量%で使用して、卵加熱加工食品の変色を防止することを特徴とする卵加熱加工食品の変色防止方法。
  8. 卵加熱加工食品の品質改良剤を卵に対して、0.5質量%〜3質量%で使用する請求項7に記載の卵加熱加工食品の変色防止方法。
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